JP2844436B2 - エンドレスベルトの蛇行修正方法及び蛇行修正装置 - Google Patents

エンドレスベルトの蛇行修正方法及び蛇行修正装置

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JP2844436B2
JP2844436B2 JP7182028A JP18202895A JP2844436B2 JP 2844436 B2 JP2844436 B2 JP 2844436B2 JP 7182028 A JP7182028 A JP 7182028A JP 18202895 A JP18202895 A JP 18202895A JP 2844436 B2 JP2844436 B2 JP 2844436B2
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endless belt
meandering
reversing pulley
pulley
meandering correction
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昌宏 中川
嘉尚 岩村
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INOE KINZOKU KOGYO KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、前後の反転プーリに張
架した帯鋼又は金網等からなるエンドレスベルトの蛇行
を修正する蛇行修正方法及び蛇行修正装置の改良に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、エンドレスベルトの蛇行修正装置
は、図8に示す如く、エンドレスベルト1を前後方向
(矢符A方向)へ張架する二本の反転プーリ2,3のう
ちの前方の反転プーリ2の一端2bを前後方向へ移動さ
せる移動操作装置4と、エンドレスベルト1の走行位置
を検知する検知具5とを備え、検知具5の蛇行検知信号
に基づいて移動操作装置4を作動させることにより、左
右方向(矢符B方向)に対して前方の反転プーリ2の回
転中心線2aを傾斜させてエンドレスベルト1の蛇行を
修正するものである。検知具5は、エンドレスベルト1
の上面側1aが前方(矢符C方向)へ走行するときに、
エンドレスベルト1の下面側1bの耳端を検出するよう
にしてある。
【0003】蛇行修正装置は、エンドレスベルト1が右
側へ蛇行したとき、反転プーリ2の一端2bを前方へ移
動操作装置4で移動させることにより、瞬間中心Eを中
心として傾斜した反転プーリ2の回転中心線2aと左右
方向(矢符B方向)とを傾斜角度θaで交叉させる。エ
ンドレスベルト1は、ベルト走行に伴い上面側1aが反
転プーリ2に当接を開始してから反転プーリ2から離反
するまでの間に、反転プーリ2の外周面の半周分と接触
しながら走行して蛇行方向と逆方向へ修正量δだけ移動
する。蛇行修正装置は、エンドレスベルト1が左側へ蛇
行したとき、反転プーリ2の一端2bを後方へ移動操作
装置4で移動して蛇行修正を行う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来の蛇
行修正装置は、次の如き問題点がある。 (a)エンドレスベルト1は、傾斜角度θaの反転プー
リ2の外周面の半周分と接触しながら走行して蛇行方向
と逆方向へ修正量δだけ移動する。従って、エンドレス
ベルト1の蛇行修正は、反転プーリ2が傾斜したのと同
時に行われるのではなく、反転プーリ2の外周面の半周
分だけ走行することにより初めて行われる。そのため、
従来の蛇行修正装置は、エンドレスベルト1の蛇行に対
して瞬時に応答することができない。 (b)反転プーリ2の一端2bを前後方向へ大きく移動
させるため、エンドレスベルト1は、左右の張力差が生
じる。この左右の張力差が大きくなると、エンドレスベ
ルト1と反転プーリ2との間でスリツプが生じ、適正な
蛇行修正ができなくなる。スリツプの防止策としては、
エンドレスベルト1の張力を大きくする方策があるが、
エンドレスベルト1の強度及び寿命との関係からこの方
策にも限界がある。
【0005】(c)また、エンドレスベルト1は、左右
の張力差が大きくなり過ぎると左右の永久歪みに相違が
生じ、蛇行を助長することになる。 (d)エンドレスベルト1は、光学用フイルム製造用等
のために表面を超鏡面仕上げするときには、超鏡面仕上
げ維持のために、全体の張力を小さくし且つ左右の張力
差を小さくする要請がある。しかし、従来の蛇行修正装
置は、左右の張力差が大きくなり、スリツプの防止策の
ために全体の張力を大きくしなければならないため、こ
の要請に応え難い。
【0006】本発明は、上記問題を解決するために、瞬
時に蛇行修正ができると共に、反転プーリの傾斜角度を
小さくしても蛇行修正ができるエンドレスベルトの蛇行
修正方法及び蛇行修正装置の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明の
要旨は、エンドレスベルトを前後方向へ張架する前後二
本の反転プーリのうちの前方の反転プーリを移動させて
走行するエンドレスベルトの蛇行を修正するエンドレス
ベルトの蛇行修正方法において、後方の反転プーリの左
右有効幅の中間を通過して前後方向へ延びる仮想中心線
上に一致又は接近する位置であつて前方の反転プーリよ
り後側の位置を揺動の瞬間中心として、前記エンドレス
ベルトのうち前方の反転プーリに近い部分が左側へ蛇行
するときには前方の反転プーリを移動操作装置で右方向
へ揺動させ、前記エンドレスベルトのうち前方の反転プ
ーリに近い部分が右側へ蛇行するときには前方の反転プ
ーリを移動操作装置で左方向へ揺動させることを特徴す
るエンドレスベルトの蛇行修正方法である。
【0008】請求項2記載の本発明の要旨は、エンドレ
スベルトを前後方向へ張架する前後二本の反転プーリの
うちの前方の反転プーリを移動させる移動操作装置と、
エンドレスベルトの走行位置を検知する検知具とを備
え、検知具の蛇行検知信号に基づいて移動操作装置を作
動させることにより、左右方向に対して前方の反転プー
リの回転中心線を傾斜させてエンドレスベルトの蛇行を
修正するエンドレスベルトの蛇行修正装置において、前
記移動操作装置は、前方の反転プーリの左右の軸受具
と、該左右の軸受具を回動自在に軸支する左右の摺動具
と、該左右の摺動具を傾斜方向へ摺動自在に案内する左
右の摺動案内具と、該左右の摺動具のうち少なくとも一
方を傾斜方向へ移動させる操作具とを備え、前記左右の
摺動案内具は、前方の反転プーリの揺動の瞬間中心の位
置を、後方の反転プーリの左右有効幅の中間を通過して
前後方向へ延びる仮想中心線上に一致又は接近する位置
であつて前方の反転プーリより後側の位置とするように
配設され、前記検知具は、前記エンドレスベルトのうち
前方の反転プーリに近い部分が左側へ蛇行するときには
前方の反転プーリを右方向へ揺動させ、前記エンドレス
ベルトのうち前方の反転プーリに近い部分が右側へ蛇行
するときには前方の反転プーリを左方向へ揺動させるよ
うに、蛇行検知信号を前記操作具に出力することを特徴
するエンドレスベルトの蛇行修正装置である。
【0009】請求項3記載の本発明の要旨は、前記左右
の摺動案内具の夫々を前後方向へ移動案内する左右の前
後方向案内具と、左右の前後方向案内具を前方へ押圧す
るベルト張力付与具とを備えた請求項2記載のエンドレ
スベルトの蛇行修正装置である。
【0010】請求項4記載の本発明の要旨は、前記左右
の前後方向案内具を同期させて前後方向へ移動させる同
期装置を備えた請求項3記載のエンドレスベルトの蛇行
修正装置である。
【0011】請求項5記載の本発明の要旨は、前記左右
の前後方向案内具に対して前記左右の摺動案内具の夫々
を、回動角度調節可能に接合して前記揺動の瞬間中心の
位置を変更できるようにした請求項3又は4記載のエン
ドレスベルトの蛇行修正装置である。
【0012】
【作用】請求項1記載の本発明にあっては、エンドレス
ベルトのうち前方の反転プーリに近い部分が右側へ蛇行
したときには、前方の反転プーリは、左方向へ揺動する
と共に、プーリ右側が前方へ変位し且つプーリ左側が後
方へ変位して反時計回り方向へ傾斜する。そのため、右
側へ蛇行するエンドレスベルトは、前方の反転プーリの
左方向への揺動により直ちに蛇行方向と逆方向へ移動す
ると共に、反時計回り方向へ傾斜する前方の反転プーリ
の外周面と接触しながら走行する間に蛇行方向と逆方向
へ移動する。逆に、エンドレスベルトのうち前方の反転
プーリに近い部分が左側へ蛇行したときには、前方の反
転プーリは、右方向へ揺動すると共に時計回り方向へ傾
斜する。そのため、左側へ蛇行するエンドレスベルト
は、前方の反転プーリの右方向への揺動により直ちに蛇
行方向と逆方向へ移動すると共に、時計回り方向へ傾斜
する前方の反転プーリの外周面と接触しながら走行する
間に蛇行方向と逆方向へ移動する。前方の反転プーリの
揺動に伴うエンドレスベルトの移動と前方の反転プーリ
の傾斜に伴うエンドレスベルトの移動との総和によりエ
ンドレスベルトの蛇行を修正するため、前方の反転プー
リの傾斜角度を小さくすることができる。
【0013】請求項2記載の本発明にあっては、前方の
反転プーリは、移動操作装置の左右の軸受具及び左右の
摺動具と一体に移動して、操作具で摺動具を傾斜方向へ
移動させることにより、左右方向へ揺動する。エンドレ
スベルトのうち前方の反転プーリに近い部分が右側へ蛇
行したときには、検知具の蛇行検知信号に基づいて移動
操作装置を作動して、前方の反転プーリを左方向へ揺動
させて反時計回り方向へ傾斜させることができる。これ
により、右側へ蛇行するエンドレスベルトは、前方の反
転プーリの左方向への揺動により直ちに蛇行方向と逆方
向へ移動すると共に、反時計回り方向へ傾斜する前方の
反転プーリの外周面と接触しながら走行する間に蛇行方
向と逆方向へ移動する。逆に、エンドレスベルトのうち
前方の反転プーリに近い部分が左側へ蛇行したときに
は、前方の反転プーリは、右方向へ揺動すると共に時計
回り方向へ傾斜させることができる。これにより、左側
へ蛇行するエンドレスベルトは、前方の反転プーリの右
方向への揺動により直ちに蛇行方向と逆方向へ移動する
と共に、時計回り方向へ傾斜する前方の反転プーリの外
周面と接触しながら走行する間に蛇行方向と逆方向へ移
動する。前方の反転プーリの揺動に伴うエンドレスベル
トの移動と前方の反転プーリの傾斜に伴うエンドレスベ
ルトの移動との総和によりエンドレスベルトの蛇行を修
正するため、前方の反転プーリの傾斜角度を小さくする
ことができる。
【0014】請求項3記載の本発明にあっては、ベルト
張力付与具で左右の前後方向案内具を前方へ押圧する
と、押圧力がエンドレスベルトに伝達され、エンドレス
ベルトに張力を付与する。
【0015】請求項4記載の本発明にあっては、左右の
前後方向案内具が同期装置により同期して前後移動する
ため、エンドレスベルトの左右幅全域に亘つてベルト張
力付与具で均一な張力を付与できる。
【0016】請求項5記載の本発明にあっては、前方の
反転プーリの揺動の瞬間中心の位置を前方の反転プーリ
に接近又は離反させるように変更することができるた
め、エンドレスベルトの仕様に応じて、前方の反転プー
リの揺動の瞬間中心を蛇行修正に最適な位置にすること
ができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明に係るエンドレスベルトの蛇行
修正方法及び蛇行修正装置(以下、「本発明方法」及び
「本発明装置」という)を図面に示す実施例に基づいて
説明する。図1乃至図5は本発明装置の実施例を示すも
のであり、図1は中間省略した平面図、図2は中間省略
した側面図、図3は前方の反転プーリの周辺を拡大して
示す平面図、図4は前方の反転プーリの周辺を拡大して
示す側面図、図5は前方の反転プーリの周辺の部材を分
解して示す側面図である。図6及び図7は本発明方法の
実施例を示すものであり、図6(A)はエンドレスベル
トが右側へ蛇行している状態を示す前方の反転プーリの
周辺を示す平面図、図6(B)は右側へ蛇行したエンド
レスベルトを蛇行修正している状態を示す前方の反転プ
ーリの周辺を示す平面図、図7(A)はエンドレスベル
トが左側へ蛇行している状態を示す前方の反転プーリの
周辺を示す平面図、図7(B)は左側へ蛇行したエンド
レスベルトを蛇行修正している状態を示す前方の反転プ
ーリの周辺を示す平面図である。
【0018】本実施例の蛇行修正装置10は、図1及び
図2に示す如く、エンドレスベルト11を前後方向(矢
符A方向)へ張架する前後二本の反転プーリ12,13
のうちの前方の反転プーリ12を移動させる移動操作装
置14と、エンドレスベルト11の走行位置を検知する
検知具15とを備えている。エンドレスベルト11は、
ステンレスステール又は金網等から無端状に形成されて
いる。後方の反転プーリ13は、左右の架台16,16
に対して左右の軸受具17,17を介して回転自在に軸
支してあり、電動モータ等からなる駆動装置(図示は省
略)で矢符M方向(図2参照)へ回転駆動するようにし
てある。
【0019】前記移動操作装置14は、図3乃至図5に
示す如く、前方の反転プーリ12の左右の軸受具18,
18と、左右の軸受具18,18を回動自在に軸支1
9,19する左右の摺動具20,20と、左右の摺動具
20,20を傾斜方向へ摺動自在に案内する左右の摺動
案内具21,21と、左右の摺動具20,20のうち少
なくとも一方を傾斜方向(矢符F方向)(図3参照)へ
移動させる操作具22とを備えている。各軸支19の構
造は、図5に示す摺動具20に設けた挿通孔20aに、
軸受具18に設けた軸18aを内嵌したものであり、軸
18aの中心線を前方の反転プーリ12の回転中心線1
2aに直交するようにしてある。各摺動具20と摺動案
内具21との摺動構造は、摺動案内具21に設けた案内
レール21a,21aと、摺動具20に設けたスライダ
ー20b,20bとを摺動自在に嵌合したものである。
なお、各摺動具20と摺動案内具21との摺動構造は、
図示は省略したが、摺動案内具21にスライダーを設け
ると共に、摺動具20にレールを設けることも可能であ
る。
【0020】上記左右の摺動案内具21,21は、左右
の架台23,23の上に配設してある。各架台23と摺
動案内具21との間には、架台23に案内されて前後移
動する前後方向案内具24が配設され、前後方向案内具
24に設けた挿通孔24aに、摺動案内具21に設けた
軸21bを内嵌してある。左右の摺動案内具21,21
の夫々は、各摺動案内具21の傾斜方向(図3に示す矢
符F方向)と左右方向(図3に示す矢符B方向)との傾
斜角度Gを適宜角度に設定した後に、前後方向案内具2
4にボルト等(図示は省略)で連結固定される。これに
より、図1に示す前方の反転プーリ12の揺動の瞬間中
心Hの位置は、後方の反転プーリ13の左右有効幅の中
間を通過して前後方向へ延びる仮想中心線K上に一致又
は接近する位置で、且つ前方の反転プーリ12より後側
の位置となる。左右の摺動案内具21,21は、各傾斜
角度Gを調整することにより、前方の反転プーリ12の
揺動の瞬間中心Hの位置を前後方向へ変更できる。
【0021】上記前後方向案内具24と架台23との摺
動構造は、図5に示す架台23に設けた案内レール23
aと、前後方向案内具24に設けたスライダー24b,
24bとを摺動自在に嵌合したものである。各前後方向
案内具24と架台23との間には、油圧シリンダ等から
なるベルト張力付与具25が設けられ、ベルト張力付与
具25で前後方向案内具24を前方へ押圧して前記エン
ドレスベルト11に適宜張力を付与するようにしてあ
る。
【0022】左右の前後方向案内具24,24には、同
期装置26が設けられている。同期装置26は、図3に
示す左右の前後方向案内具24,24に軸支された回転
軸27と、回転軸27の両端に接合したピニオンギヤ2
8,28と、架台23,23に固定されて各ピニオンギ
ヤ28に噛合するラツクギヤ29,29とからなり、左
右の前後方向案内具24,24が同期して前後方向へ移
動するようにしてある。左右の前後方向案内具24,2
4は、同期装置26により同期して前後移動するため、
エンドレスベルト11の左右幅全域に亘つて図4に示す
ベルト張力付与具25,25で均一な張力を付与でき
る。
【0023】前記同期装置26は、前記構造以外に、左
右の油圧シリンダからなるベルト張力付与具25,25
の出力軸25a,25a(図4参照)が同期して伸縮す
るように、各出力軸25aの伸縮量を検知具で逐次検知
し、検知具の検知信号を対応するベルト張力付与具25
の油圧用弁に出力するよに構成することもある。
【0024】前記検知具15は、図6に示すようにエン
ドレスベルト11が右側へ蛇行するときには前方の反転
プーリ12を左方向へ揺動させ、図7に示すようにエン
ドレスベルト11が左側へ蛇行するときには前方の反転
プーリ12を右方向へ揺動させるように、蛇行検知信号
を操作具22に出力するように構成してある。
【0025】次に、前記蛇行修正装置10を用いた本発
明方法の実施例を蛇行修正装置10の動作態様と共に説
明する。図1に示す如く、前方の反転プーリ12は、移
動操作装置14の左右の軸受具18,18及び左右の摺
動具20,20と一体に移動するものであり、操作具2
2で摺動具20を傾斜方向(矢符F方向)へ移動させる
ことにより、瞬間中心Hを中心として左右方向(矢符B
方向)へ揺動する。
【0026】もし、エンドレスベルト11が右側へ蛇行
したときには、図6に示すように検知具15の蛇行検知
信号に基づいて移動操作装置14が作動して、前方の反
転プーリ12を左方向へ揺動させて反時計回り方向へ若
干角度θbだけ傾斜させる。これにより、右側へ蛇行す
るエンドレスベルト11は、前方の反転プーリ12の左
方向への揺動により直ちに蛇行方向と逆方向へ移動する
と共に、反時計回り方向へ傾斜する前方の反転プーリ1
2の外周面と接触しながら走行する間に蛇行方向と逆方
向へ移動する。
【0027】逆に、エンドレスベルト11が左側へ蛇行
したときには、図7に示すように検知具15の蛇行検知
信号に基づいて移動操作装置14が作動して、前方の反
転プーリ12を右方向へ揺動させると共に時計回り方向
へ若干角度ebだけ傾斜させる。これにより、左側へ蛇
行するエンドレスベルト11は、前方の反転プーリ12
の右方向への揺動により直ちに蛇行方向と逆方向へ移動
すると共に、時計回り方向へ傾斜する前方の反転プーリ
12の外周面と接触しながら走行する間に蛇行方向と逆
方向へ移動する。蛇行修正装置10は、前方の反転プー
リ12の揺動によるエンドレスベルト11の移動と、前
方の反転プーリ12の傾斜によるエンドレスベルト11
の移動との総和により、エンドレスベルト11の蛇行の
修正を迅速に行うため、前方の反転プーリ12の傾斜角
度θbを図8に示す従来装置の傾斜角度θaより非常に
小さくすることができる。
【0028】前記蛇行修正装置10は、蛇行の修正を迅
速に行うため、エンドレスベルト11が接する反転プー
リ11,12の筒部にクラウンを設けることなく、この
筒部をストレートにすることができる。エンドレスベル
ト11は、反転プーリ11,12の筒部がストレートに
なると、筒部にクラウンを設けたときに比べ、無理な応
力や歪みが生ぜず寿命を長くできる。
【0029】前記蛇行修正装置10は、実施の態様によ
り適宜変更される。例えば、図3に示す摺動案内具21
の傾斜方向(矢符F方向)と左右方向(矢符B方向)と
の傾斜角度Gを変更する必要がないときには、図5に示
す摺動案内具21を前後方向案内具24と一体構成する
こともある。更に、ベルト張力付与具25,25を後方
の反転プーリ13側に設けるときには、前方の反転プー
リ12側から図5に示す前後方向案内具24,同期装置
16及びベルト張力付与具25を省略することもある。
【0030】
【発明の効果】以上詳述の如く、本発明に係るエンドレ
スベルトの蛇行修正方法及び蛇行修正装置は、次の如き
優れた効果を有する。請求項1及び2記載の本発明は、
前方の反転プーリの揺動に伴うエンドレスベルトの移動
と前方の反転プーリの傾斜に伴うエンドレスベルトの移
動との総和によりエンドレスベルトの蛇行を修正するた
め、前方の反転プーリの傾斜角度を従来に比べて非常に
小さくして蛇行修正ができる。その結果、本発明は、エ
ンドレスベルトの張力を大きくすることなく、エンドレ
スベルトの蛇行に対して瞬時に応答することが可能とな
り、エンドレスベルトの左右の永久歪みに相違が生じさ
せることもなく、表面を超鏡面仕上げしたエンドレスベ
ルトの要請にも応えることができる。
【0031】請求項3記載の本発明は、蛇行修正を行う
ための操作具の操作力と無関係にベルト張力付与具の押
圧力でエンドレスベルトに張力を付与できるため、安定
したエンドレスベルトの張力が得られる。
【0032】請求項4記載の本発明は、エンドレスベル
トの左右幅全域に亘つて安定したエンドレスベルトの張
力が得られる。
【0033】請求項5記載の本発明は、表面を超鏡面仕
上げする等したエンドレスベルトの仕様に応じて、前方
の反転プーリの揺動の瞬間中心を蛇行修正に最適な位置
にすることができるため、エンドレスベルトの寿命を長
くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の実施例を示すものであり、中間省
略した平面図である。
【図2】同実施例の中間省略した側面図である。
【図3】同実施例における前方の反転プーリの周辺を拡
大して示す平面図である。
【図4】同実施例における前方の反転プーリの周辺を拡
大して示す側面図である。
【図5】同実施例における前方の反転プーリの周辺の部
材を分解して示す側面図である。
【図6】本発明方法の実施例を示すものであり、(A)
はエンドレスベルトが右側へ蛇行している状態を示す前
方の反転プーリの周辺を示す平面図、(B)は右側へ蛇
行したエンドレスベルトを蛇行修正している状態を示す
前方の反転プーリの周辺を示す平面図である。
【図7】同実施例を示すものであり、(A)はエンドレ
スベルトが左側へ蛇行している状態を示す前方の反転プ
ーリの周辺を示す平面図、図7(B)は左側へ蛇行した
エンドレスベルトを蛇行修正している伏態を示す前方の
反転プーリの周辺を示す平面図である。
【図8】従来のエンドレスベルト蛇行修正装置を示す中
間省略した平面図である。
【符号の説明】
11…エンドレスベルト 12…前方の反転プーリ 13…後方の反転プーリ 14…移動操作装置 18…軸受具 19…軸支 20…摺動具 21…摺動案内具 22…操作具 24…前後方向案内具 25…ベルト張力付与具 26…同期装置 H…揺動の瞬間中心
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B65G 43/02 B65G 15/64 B65G 39/16

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンドレスベルトを前後方向へ張架する前
    後二本の反転プーリのうちの前方の反転プーリを移動さ
    せて走行するエンドレスベルトの蛇行を修正するエンド
    レスベルトの蛇行修正方法において、後方の反転プーリ
    の左右有効幅の中間を通過して前後方向へ延びる仮想中
    心線上に一致又は接近する位置であつて前方の反転プー
    リより後側の位置を揺動の瞬間中心として、前記エンド
    レスベルトのうち前方の反転プーリに近い部分が左側へ
    蛇行するときには前方の反転プーリを移動操作装置で
    方向へ揺動させ、前記エンドレスベルトのうち前方の反
    転プーリに近い部分が右側へ蛇行するときには前方の反
    転プーリを移動操作装置で左方向へ揺動させることを特
    徴するエンドレスベルトの蛇行修正方法。
  2. 【請求項2】エンドレスベルトを前後方向へ張架する前
    後二本の反転プーリのうちの前方の反転プーリを移動さ
    せる移動操作装置と、エンドレスベルトの走行位置を検
    知する検知具とを備え、検知具の蛇行検知信号に基づい
    て移動操作装置を作動させることにより、左右方向に対
    して前方の反転プーリの回転中心線を傾斜させてエンド
    レスベルトの蛇行を修正するエンドレスベルトの蛇行修
    正装置において、前記移動操作装置は、前方の反転プー
    リの左右の軸受具と、該左右の軸受具を回動自在に軸支
    する左右の摺動具と、該左右の摺動具を傾斜方向へ摺動
    自在に案内する左右の摺動案内具と、該左右の摺動具の
    うち少なくとも一方を傾斜方向へ移動させる操作具とを
    備え、前記左右の摺動案内具は、前方の反転プーリの揺
    動の瞬間中心の位置を、後方の反転プーリの左右有効幅
    の中間を通過して前後方向へ延びる仮想中心線上に一致
    又は接近する位置であつて前方の反転プーリより後側の
    位置とするように配設され、前記検知具は、前記エンド
    レスベルトのうち前方の反転プーリに近い部分が左側へ
    蛇行するときには前方の反転プーリを右方向へ揺動さ
    せ、前記エンドレスベルトのうち前方の反転プーリに近
    い部分が右側へ蛇行するときには前方の反転プーリを左
    方向へ揺動させるように、蛇行検知信号を前記操作具に
    出力することを特徴するエンドレスベルトの蛇行修正装
    置。
  3. 【請求項3】前記左右の摺動案内具の夫々を前後方向へ
    移動案内する左右の前後方向案内具と、左右の前後方向
    案内具を前方へ押圧するベルト張力付与具とを備えた請
    求項2記載のエンドレスベルトの蛇行修正装置。
  4. 【請求項4】前記左右の前後方向案内具を同期させて前
    後方向へ移動させる同期装置を備えた請求項3記載のエ
    ンドレスベルトの蛇行修正装置。
  5. 【請求項5】前記左右の前後方向案内具に対して前記左
    右の摺動案内具の夫々を、回動角度調節可能に接合して
    前記揺動の瞬間中心の位置を変更できるようにした請求
    項3又は4記載のエンドレスベルトの蛇行修正装置。
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