JP2844291B2 - 二酸化炭素ガス発生剤及びこれを用いた青果物用鮮度保持剤 - Google Patents

二酸化炭素ガス発生剤及びこれを用いた青果物用鮮度保持剤

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JP2844291B2 JP14273493A JP14273493A JP2844291B2 JP 2844291 B2 JP2844291 B2 JP 2844291B2 JP 14273493 A JP14273493 A JP 14273493A JP 14273493 A JP14273493 A JP 14273493A JP 2844291 B2 JP2844291 B2 JP 2844291B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は二酸化炭素ガス発生剤に
関し、更に詳しくは、青果物等の鮮度保持剤として使用
されるに好適な二酸化炭素ガス発生剤に関する。
【0002】
【従来の技術】青果物の種類別生理の詳細な調査から、
ブロッコリー、チンゲンサイ、スダチ、カボス、ネギや
ニラを初めとする多くの青果物に対する鮮度保持技法と
して、高酸素濃度下に於いて高濃度二酸化炭素とするこ
とが極めて効果的であることが判ってきた。
【0003】このためには、高湿度環境から比較的低湿
度の環境に於いて、持続して二酸化炭素ガスを確実に発
生する二酸化炭素発生剤が必要である。
【0004】二酸化炭素ガスの発生剤は、既に世の中で
ベーキングパウダー、清涼炭酸飲料粉剤、義歯用洗浄
剤、入浴剤或は消火剤として利用されている。しかしこ
れらの発生剤は加熱或は水に投入することにより数分間
の短時間に反応を終了させようとするものである。従っ
て原則的には、これ等に使用される二酸化炭素発生剤は
青果物用としては使用出来ない。
【0005】更には、清涼炭酸飲料粉剤や義歯洗浄剤
は、使用する水の量が少量であり、粉末や顆粒同志の混
合系でも反応の進行は容易であることから、発泡量の多
いことが好ましく、このため炭酸水素塩と酸との組み合
わせが多い。
【0006】また入浴剤の場合は、多量の水に添加して
使用するため、粉末同志の混合系では発泡性が十分では
無く、炭酸塩と酸との混合物を顆粒状或は錠剤状にして
いる。従って炭酸塩と酸との接触性が高まるため、長期
保存時の反応の進行が問題となる。この反応は極く僅か
な水の存在により進行するので、同剤を包装する直前に
二酸化炭素ガスと接触させ、同剤の炭酸塩の一部を炭酸
水素塩に変えて遊離の水を除去したり(特開昭61−1
41609号)、或は脱湿能力の高い合成ゼオライトを
同剤に添加したり(特公昭64−9241号)、同じく
水分を結晶水として取り込む無水炭酸ナトリウム(特開
昭55−7246号)や無水炭酸カリウム(特開平2−
172810号)を用いること等により保存性を高めて
いる。この場合も主成分には、発泡性の高い炭酸水素ナ
トリウムや炭酸水素カリウム等の炭酸水素塩が好適とさ
れている。入浴剤には溶解性や反応性が低い2A族元素
の炭酸塩即ち炭酸マグネシウムや炭酸カルシウムは殆ど
使用されない。また、これらに用いられる酸としては、
酒石酸、蓚酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、フマル
酸、マレイン酸等の固体有機酸が挙げられているが、風
呂釜の腐食防止の為に、コハク酸やリンゴ酸等の比較的
弱い酸が主に用いられている。
【0007】また長時間の発生を目的とするものも若干
開発されており、一つには土中に埋没して数カ月間、二
酸化炭素とアンモニアを発生させ、肥料とするものが特
公昭56−38524号に開示されている。肥料として
用いられる二酸化炭素ガス発生剤には、土壌中の水分に
より徐々に分解して酸となる硫酸アンモニウムや燐酸1
アンモニウムと炭酸カルシウムや炭酸マグネシウムとの
組み合わせが用いられている。ここでは発生するアンモ
ニアを窒素肥料として積極的に利用しようとするもので
あるが、青果物の鮮度保持等の用途への展開には、アン
モニア臭がする等問題がある。
【0008】他にも炭酸カルシウム粉末或は蓚酸を吸収
させたケイソウ土の両方或は片方をゼラチン又は寒天で
被覆して二酸化炭素の発生時間を長くする方法(特公昭
44−13367号)等が開示されている。
【0009】前者は造粒工程に繁雑さがあるばかりでな
く、土中に埋没するものであるため、本発明の目的に合
致しない。後者には、親水性の薬剤を親水性のゼラチン
や寒天で被覆するための製造上の繁雑さがある。加え
て、これらのものは本発明が目的とする青果物の鮮度保
持用として、青果物から多量に発生する水蒸気中では反
応が短期間に終了し、青果物の鮮度保持剤としての条件
に合致するものではない。
【0010】青果物や生鮮食料品の品質保持用として
は、中でも青果物の鮮度保持用としては、水蒸気の発散
の多い青果物では、容器内が高湿度環境となり、容器の
内面に水分が結露するような状態から、比較的水蒸気の
発散の少ない青果物まで種々の湿度環境となり、これら
の環境に於いて、流通期間或は貯蔵期間を通じて継続し
た二酸化炭素ガスの発生が求められる。しかしながら、
これらの条件に合致した二酸化炭素発生剤は既存のもの
の中にはなかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、比較的水蒸気の発散の少ない青果物から多
量に水蒸気を発散する青果物まで種々の青果物と共に在
って、数日或は長期間二酸化炭素ガスを継続して確実に
発生する二酸化炭素ガス発生剤を開発しようとするもの
である。
【0012】
【課題を解決するための手段】本課題はアルカリ土類金
属就中炭酸カルシウム及び(又は)炭酸マグネシウムを
主体とする炭酸塩に固体酸と更に疎水性材料とを添加す
るか、更に吸湿性材料を添加することによって解決され
る。
【0013】本発明者らは上記問題点を克服し、より良
い二酸化炭素ガス発生剤を見いだすために、種々検討を
重ねた結果、青果物の鮮度保持剤としても合致する発生
薬剤としては、液体反応では速すぎ、固体酸或は分解し
て酸となる固体の複塩と炭酸塩との組み合わせが良好で
あることをみいだした。
【0014】また、この固体酸又は固体の塩が分解して
生成する酸が、炭酸塩を分解して二酸化炭素ガスを発生
するためには、少なくとも酸の解離定数が炭酸の解離定
数4.4×10-7より大きいことが必要であることも解
った。
【0015】一方炭酸塩については、炭酸水素塩は分解
が速すぎることが判り、また、炭酸リチウム、炭酸ナト
リウム及び炭酸カリウム等の1A族元素の炭酸塩は、有
機酸やメタ燐酸やみょうばん等の固体酸や分解して酸と
なる塩との反応の後、液状化して実質的に使用出来ない
ばかりか、湿度の変化に対応して長期間安定して二酸化
炭素ガスを発生し難いことも判明した。従って、いずれ
も併用は出来るが、炭酸塩の主成分としては使用が難し
いことが解った。
【0016】一方、吸湿性の少ない2A族元素の炭酸塩
は固体酸又は塩との反応後も固形状を保ち取り扱いが容
易であることが判明したが、高湿度下での反応はまだ速
過ぎ、二酸化炭素ガスの発生継続時間が十分ではなかっ
た。
【0017】更に検討を重ねた結果、固体酸又は/及び
分解して酸となる塩と炭酸塩に、更に疎水性材料である
合成ワックス、鉱物性ワックス、石油系ワックス、動物
性ワックス、植物性ワックス、飽和脂肪酸、飽和脂肪酸
塩、飽和脂肪酸エステル、不飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸
塩又は不飽和脂肪酸エステル等の1種または2種以上を
添加することにより、飛躍的に発生期間を延長出来るこ
とを見いだし、幅広い湿度環境下で十分な発生継続時間
を持つ本発明の二酸化炭素ガス発生剤を完成した。
【0018】また更に単糖類、少糖類若しくは多糖類等
の糖類、澱粉、グリセリン等の多価アルコール、ポリア
クリル酸塩、ポリアクリルアミド、又はゼオライト、ク
レー、ケイソウ土、モンモリオナイト、セピオライト、
シリカゲル等の無機物粉末等の、一種または複数種の吸
湿性材料を添加することにより、比較的低湿度の環境か
ら高湿度環境まで、環境湿度に応じた発生期間の調節が
更に容易になることが判った。
【0019】更に炭酸塩の表面を疎水性材料で被覆程度
を変えて被覆したものを組み合わせて、固体酸又は/及
び分解して酸となる塩と混合した場合には、更に二酸化
炭素ガスの発生期間を幅広く調節できることを見いだし
て本発明を完成した。
【0020】本発明に用いるアルカリ土類金属即ち2A
族元素の炭酸塩としては、炭酸ベリリウム、炭酸マグネ
シウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム及び炭酸
バリウムのいずでも良いが、価格的に廉価であること
と、万一、食品に混入しても安全性の高い炭酸マグネシ
ウムと炭酸カルシウムが最も好適である。炭酸マグネシ
ウムや炭酸カルシウムは、重質及び軽質のいずれでも良
い。粒径については一般的に製造されている3mm程度か
ら1μm程度のものまでいずれも使用出来るが、長期間
二酸化炭素ガスの発生を行おうとする場合には、粒径の
大きいものが好適であり、比較的短期間の発生を行おう
とする場合には粒径の小さいものが好適となる。
【0021】本発明に於いては上記アルカリ土類金属の
炭酸塩を使用することを必須とするが、本発明の目的を
損なわない範囲でアルカリ金属の炭酸塩又は炭酸水素塩
例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリ
ウム、炭酸水素カリウム等を併用することが出来る。そ
の量は通常アルカリ土類金属の炭酸塩に対し重量で50
%以下である。
【0022】また本発明に用いる固体酸又は分解して酸
となる固体の塩としては、炭酸塩との反応にあずかる酸
の解離定数が炭酸の解離定数4.4×10-7より大きい
ものであれば良く、例えばクエン酸、酒石酸、コハク
酸、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸、リンゴ酸、蓚
酸、マロン酸、グルタル酸、フタル酸、メタ燐酸、硫酸
アルミニウム、リン酸カルシウム、みょうばん等が使用
できるが、使用条件が低湿時の場合にはクエン酸が優れ
ており、高湿度時の場合にはフマル酸及びコハク酸が二
酸化炭素ガスの発生継続時間の延長に優れた効果を示
す。
【0023】また分解して酸を生成する塩としては複塩
も包含され、その中でもみょうばんが適当であったが、
中でも特に金属イオンがアルミニウムとカリウムからな
るカリみょうばんの無水物(焼きみょうばん)が、二酸
化炭素ガスの発生持続時間が長く最も好適であった。ま
たこれらの酸又はみょうばんは、食品に混入した際にも
安全性が高く青果物の鮮度保持用等の用途には最も適し
ている。その他の塩としては例えば第1リン酸カルシウ
ム塩等が例示出来る。炭酸塩とこれら固体酸又は分解し
て酸を生成する塩との混合比は、当量比で2:1〜1:
3が発生率が高く、発生剤の重量も少量で良く取り扱い
が便利であった。
【0024】また本発明に用いる疎水性材料としては、
ワックス類、飽和又は不飽和脂肪酸、これ等の塩及びこ
れらのエステルを挙げることが出来る。ワックス類に
は、カーボンワックスやポリエチレンワックスの如き合
成ワックス、モンタンワックスやオゾケライト等の如き
鉱物性ワックス、パラフィンワックスやマイクロクリス
タリンワックス等の如き石油系ワックス、蜜蝋、昆虫
蝋、鯨蝋、羊毛蝋等の動物性ワックス、カルナバワック
ス、木蝋、砂糖蝋等の植物性ワックスを例示出来る。
【0025】飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸としては、炭
素数6〜22程度の各種のものが使用出来、具体的には
カプロン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、
パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸等の飽和脂肪
酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エルカ酸等
の不飽和脂肪酸を例示出来る。
【0026】またこれ等の脂肪酸の塩としては、例えば
ラウリン酸亜鉛、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン
酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム等の脂肪酸
塩が例示出来、エステルとしては炭素数1〜17程度の
アルキルエステルやグリセリンエステル等が代表例とし
て挙げられる。
【0027】これ等疎水性材料としては常温で固体のも
のが好ましく、特にワックス、蜜蝋、脂肪酸や脂肪酸の
塩等で炭酸塩の表面被覆に用いると、被覆炭酸塩の取り
扱いが容易となる。更にはラウリン酸、パルミチン酸、
ステアリン酸、ベヘン酸等の脂肪酸を、炭酸マグネシウ
ムや炭酸カルシウム粒表面の被覆に使用する場合には、
炭酸マグネシウムや炭酸カルシウム粒表面のマグネシウ
ムやカルシウムと容易に結合するため、特に被覆が容易
で剥離しにくく効果的である。また、脂肪酸を併用する
と他の疎水性材料で被覆する場合においても、被覆を容
易にする効果がある。
【0028】これら疎水性材料の添加量としては、炭酸
塩と固体酸又は分解して酸となる固体酸の塩と疎水性材
料も含めた総重量に対して、0.5%以上40%以下の
範囲で、二酸化炭素ガス発生の継続時間の調節に効果が
高い。更に疎水性材料で炭酸塩の表面を被覆する場合に
は、疎水性材料添加の効果が特に顕著となり、炭酸塩重
量に対して0.5%から40%の範囲で十分効果的があ
った。
【0029】また、本発明に使用する吸湿性材料として
は、単糖類、少糖類及び多糖類等の糖類、澱粉若しくは
その誘導体、グリセリン等の多価アルコール、ポリアク
リル酸塩、ポリアクリルアミド、又はゼオライト、クレ
ー、ケイソウ土、モンモリオナイト、セピオライト、シ
リカゲル等の無機物粉末等があり、これらの一種または
複数種が使用できるが、中でも単糖類、少糖類、澱粉、
ゼオライト並びにシリカゲルが、二酸化炭素ガス発生時
間の調節に於いて効果的であった。尚澱粉は粒状でも使
用出来る。
【0030】本発明でいう単糖類とはアルコール性の水
酸基を有するテトロース、ペントース、ヘキソース等で
あり、少糖類とは単糖が2〜20個結合したものであ
り、多糖類とはデキストリンを含む、更に単糖が21以
上結合したものをいう。具体的には単糖類としてはエリ
トロース、トレオース、リボース、アラビノース、キシ
ロース、リキソース、グルコース、フルクトース、マン
ノース、ガラクトース等、誘導体としてソルビット、グ
ルコン酸等を、少糖類としてはショ糖、乳糖、マルトー
ス、セロビオース等を、また多糖類としてはデキストリ
ン、アミロース、アミロペクチン、セルロース、ハイド
ロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、カルバモイルセルロース、プルラン、カルドランを
例示出来る。
【0031】多価アルコールとしてはグリセリンの他に
例えばエチレングリコールの如き2価アルコールや4価
以上のポリビニルアルコール等のアルコールも使用出来
る。又、合成樹脂系の吸湿性材料としては、ポリアクリ
ル酸塩やポリアクリルアミド等の吸水性ポリマーが使用
出来る。
【0032】澱粉としても各種の生澱粉や化工澱粉が使
用出来、前者としてコーンスターチ、馬鈴薯澱粉等従来
から知られているものが、また化工澱粉としては、エス
テル化又はエーテル化澱粉をはじめ、架橋澱粉も使用出
来、更には架橋エステル化又は架橋エーテル化澱粉も使
用出来る。その他澱粉誘導体例えば酸化澱粉や酸変成澱
粉も使用出来る。
【0033】この吸湿性材料の添加量としては、二酸化
炭素ガス発生剤重量当たり3%から50%添加すること
により、更に好ましくは5%から35%添加することに
より、発生時間の調節が更に容易となった。
【0034】本発明の二酸化炭素ガス発生剤を調製する
に際しては原則として、上記各成分が実質的に共存して
いる状態であれば良く、最も簡単な方法は、所定の成分
を混合乃至撹拌する方法である。
【0035】また他の方法として、炭酸塩を予め疎水性
材料で被覆する方法があり、この方法の代表例を示せ
ば、以下の通りである。例えば、ワックス類又は脂肪酸
等を微粉末にし、炭酸塩粒とよく混合し、100℃程度
に加熱した後、粉砕する方法、ワックス類、脂肪酸、脂
肪酸塩又は脂肪酸エステルと炭酸塩とを高速で回転する
混合翼で混合し、加熱又は摩擦熱により熔融させながら
炭酸塩の表面に被覆する方法も可能である。
【0036】また、炭酸塩粒表面被覆の他の手段とし
て、ワックス類や脂肪酸類を溶剤に溶解して炭酸塩と混
合し、その後溶剤を除去することによっても容易に達成
出来る。このようにして調製した被覆量の異なる炭酸塩
微粉末の1種或は数種と無被覆炭酸塩微粉末と固体酸微
粉末とを適宜な量混ぜ合わせることにより、二酸化炭素
ガス発生期間の異なる発生剤を容易に調製することが出
来る。また、上記発生剤に、更に吸湿性材料を添加した
場合には、低湿度使用環境での発生期間の調節が更に容
易となる。
【0037】本発明の二酸化炭素ガス発生剤は原則とし
て、固体であり、特に粉状乃至粒状のものである。その
粒径は通常1μm〜5mm好ましくは1μm〜3mm程度で
ある。従って極めて取り扱いが便利で、就中青果物用鮮
度保持剤として使用するのに極めて好適である。
【0038】但し本発明に於いてその成分のいずれかが
液体の場合、例えばエチレングリコールやグリセリンを
使用する場合でも、炭酸塩や酸が固体であるため、これ
等に吸着され、最終目的物の発生剤は固体の状態とな
る。
【0039】本発明の発生剤は既に述べた通り、青果物
の鮮度保持剤として極めて好適であり、この用途に使用
する場合には、通常本発明の発生剤を、不織布、布、又
は液体の水を通さない微細孔のフィルム或はこれらの複
合シートからなる袋につめたパックとし、青果物と共に
プラスチック又はプラスチックを複合した密閉又は半密
閉容器に入れる方法で使用される。
【0040】その他上記以外の用途に使用出来ることも
勿論である。
【0041】本発明の特徴とする所をより明瞭になすた
めの実験例の一部を以下に示し、本発明をより具体的に
説明する。
【0042】
【実験例1】下記表1〜3に示す二酸化炭素ガス発生剤
を、30℃、相対湿度95%の環境下に入れ、ガス発生
継続時間を測定した。但しこれ等の二酸化炭素ガス発生
剤は、所定の成分を所定量用い、撹拌混合して調製し
た。この結果を表1〜3に併記した。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
【実験例2】炭酸塩と疎水性材料とを加熱(60℃〜1
40℃)しながら高速で撹拌混合し、炭酸塩の表面に疎
水性材料を被覆したものを組み合わせて調製した発生剤
について、実験例1と同様に操作した結果を表4に示
す。
【0047】
【表4】
【0048】実験例1及び2から明らかな通り、従来の
ものは24時間後に既に90%も発生し、長期間の継続
発生は極めて困難である。これに対し本発明のものは長
期間の継続が可能なことがはっきりと判る。
【0049】
【実験例3】下記表5に示す二酸化炭素ガス発生剤を、
30℃、相対温度80%の環境下に入れ、ガス発生継続
時間を測定した。またガス発生剤は実験例1と同様の方
法で調製した。この結果を表5に併記した。
【0050】
【表5】
【0051】
【実験例4】表6及び7に示す二酸化炭素ガス発生剤を
用い、その他は実験例3と同様に処理した。結果を表6
及び表7に示す。又ガス発生剤は実験例2と同様にして
調製した。
【0052】
【表6】
【0053】
【表7】
【0054】
【実験例5】発生剤として実験例1と同様にして調製し
たものを使用し、その他は実験例3と同様に処理した。
結果を表8及び表9に示した。
【0055】
【表8】
【0056】
【表9】
【0057】
【実験例6】30℃に於いて、ブロッコリー3kgと共
に、下記表10及び表11に示す二酸化炭素ガス発生剤
400gを不織布で包装したパックを、1mmφのパーフ
ォレーション加工した低密度ポリエチレン(LDPE)
をフィルム30μm厚さの袋内に入れ、口を縛り放置
し、経時的に二酸化炭素ガスの発生率を測定した。この
結果を表10及び表11に併記した。
【0058】
【表10】
【0059】
【表11】
【0060】
【実施例】以下に実施例を示す。但し部は重量部を示
す。
【0061】
【実施例1】炭酸カルシウム17.8部に、ステアリン
酸を2.7部加え、120℃まで加温し、2000rpmの
回転数で15分撹拌し、常温下に取り出した。これに更
に17.8部の炭酸カルシウムとフマル酸61.7部を加
え十分混合して二酸化炭素ガス発生剤を調製した。これ
を実験例1の方法により処理した結果、ほぼ実験例2の
本発明発生剤と同様の効果を得た。
【0062】
【実施例2】炭酸マグネシウム36.3部とフマル酸6
3.2部に、更にポリエチレンワックス0.5部を加え十
分に混合して、二酸化炭素ガス発生剤を調製した。この
ものの効果は実施例1とほぼ同じであった。
【0063】
【実施例3】炭酸カルシウム12.7部とステアリン酸
0.6部とを120℃まで加温し、2000rpmの回転数
で20分撹拌した。一方炭酸カルシウム12.7部とパ
ルミチン酸5.0部を100℃まで加温し、2000rpm
の回転数で10分撹拌した。両者を混合し、更にこれに
44部のフマル酸とショ糖25部とを混合して二酸化炭
素ガス発生剤を調製した。実験例4とほぼ同様の効果を
奏した。
【0064】
【実施例4】ラウリン酸を40℃加温トルエンに溶解さ
せ、その溶液を炭酸マグネシウムに噴霧し、送風乾燥さ
せて、炭酸マグネシウム13.3部に2.0部のラウリン
酸と被覆した。
【0065】これに更に炭酸カルシウム13.3部とコ
ハク酸46.4部と天然ゼオライト25部を加え十分混
合して二酸化炭素ガス発生剤を調製した。実験例5とほ
ぼ同様の効果が得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小野 嘉則 茨木市桑田町8−28 レンゴー株式会社 茨木寮 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A23B 7/144

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルカリ土類金属の炭酸塩に、固体酸或は
    /及び分解して酸となる固体の塩、更にワックス類、脂
    肪酸、それらの塩及びそれらのエステルの少なくとも1
    種である疎水性材料を添加せしめたことを特徴とする二
    酸化炭素ガス発生剤。
  2. 【請求項2】糖類、澱粉、多価アルコール、ポリアクリ
    ル酸塩、ポリアクリルアミド及び無機質粉末の少なくと
    も1種である吸湿性材料を更に添加せしめたことを特徴
    とする請求項1に記載の二酸化炭素ガス発生剤。
  3. 【請求項3】アルカリ土類金属の炭酸塩が、炭酸カルシ
    ウム及び炭酸マグネシウムの少なくとも1種を含む請求
    項1又は2に記載の二酸化炭素ガス発生剤。
  4. 【請求項4】疎水性材料のワックスが、合成ワックス、
    鉱物性ワックス、石油系ワックス、動物性ワックス、植
    物性ワックスの少なくとも1種である請求項1に記載の
    二酸化炭素ガス発生剤。
  5. 【請求項5】固体酸又は酸となる塩が、その解離定数
    が、炭酸よりも大きな酸或は酸となる塩である請求項1
    に記載の二酸化炭素ガス発生剤。
  6. 【請求項6】固体酸が、クエン酸、酒石酸、コハク酸、
    フマル酸、マレイン酸、アジピン酸、リンゴ酸、蓚酸、
    マロン酸、グルタル酸、フタル酸及びメタ燐酸の少なく
    とも1種であり、分解して酸となる固体の塩が硫酸アル
    ミニウム、リン酸カルシウム及びみょうばんの少なくと
    も1種である請求項5に記載の二酸化炭素ガス発生剤。
  7. 【請求項7】吸湿性材料の糖類が、単糖類、少糖類、及
    び多糖類の少なくとも1種である請求項に記載の二酸
    化炭素ガス発生剤。
  8. 【請求項8】吸湿性材料の多価アルコールが、エチレン
    グリコール及び/又はグリセリンである請求項に記載
    の二酸化炭素ガス発生剤。
  9. 【請求項9】吸湿性材料の無機質粉末が、ゼオライト、
    クレー、ケイソウ土、モンモリロナイト、セピオライト
    及びシリカゲルの少なくとも1種である請求項に記載
    の二酸化炭素ガス発生剤。
  10. 【請求項10】炭酸塩重量に対して0.5%から40%
    の範囲の疎水性材料で表面を加工された炭酸塩の単一加
    工物又は複数加工物の混合物と、固体酸又は/及び分解
    して酸となる固体の塩とからなることを特徴とする請求
    項1又は2に記載の二酸化炭素ガス発生剤。
  11. 【請求項11】請求項1の二酸化炭素ガス発生剤を一成
    分としてなる青果物用鮮度保持剤。
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