JPH0775519A - 生鮮植物製品 - Google Patents

生鮮植物製品

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JPH0775519A
JPH0775519A JP5226079A JP22607993A JPH0775519A JP H0775519 A JPH0775519 A JP H0775519A JP 5226079 A JP5226079 A JP 5226079A JP 22607993 A JP22607993 A JP 22607993A JP H0775519 A JPH0775519 A JP H0775519A
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fresh plant
cut
tissue
water
fatty acid
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JP5226079A
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Hiroyoshi Hamanaka
博義 浜中
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  • Preparation Of Fruits And Vegetables (AREA)
  • Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 生鮮植物の鮮度を保持する。 【構成】 組織切断された生鮮植物の切断部に、非水溶
性の多価アルコール・脂肪酸部分エステルの一種または
二種以上とリン脂質の一種又は二種以上とを含む混合膜
を吸着させる。 【効果】 生鮮植物製品を自然条件のまま放置しても、
長時間組織破壊の進行を抑制することができ、加工時の
鮮度が保持される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生鮮植物製品に関し、
生育箇所から採取されたままの状態又は一次処理された
状態にある、組織切断された野菜、果物、草花等の生鮮
植物の保存において、空気、微生物等による組織破壊の
進行を妨げることでその保存期間を延長させ、生鮮植物
製品としての商品価値を維持することを可能にする、鮮
度保持処理された生鮮植物製品に関する。
【0002】
【従来の技術】食用または鑑賞用等に用いられる野菜、
果物、草花等の生鮮植物は、土壌をつけた生育状態で輸
送及び保存するのが理想的であるが、衛生、簡便性、使
用有益性の観点から摘み取られたままの状態か、また
は、根切り、皮剥き等の一次処理を施された状態で輸送
及び保存することが多い。しかし、この場合、酸素、炭
酸ガス、微生物等により、組織の破壊または変質(即
ち、品質劣化)が時間と共に急速に進行するので、生鮮
植物製品としての商品価値が損われる傾向にあった。
【0003】従来、上述の組織切断された生鮮植物製品
の商品寿命を延ばすためには、輸送用包装材料であるプ
ラスチックフィルムに遠赤外線を発生させる無機物を内
添させて、エチレン吸収能力を付与する;微細な穴を開
けるなどのフィルム加工の工夫により、炭酸ガス排出能
力を高め、周辺気相部分に変化を持たせる;HLB(h
ydrophilic lipophilic bal
ance)の高い親水性の界面活性剤の水溶液で生育中
若しくは摘み取り直後の生鮮植物を濡らし、表面に水膜
及び水脈を形成し、水分補給をより活発にして内部の水
分と水素結合による会合を行わせること等の物理的また
は化学的な手段が講じられてきた(特開平第1−309
639号明細書参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の手段は、組織切断された生鮮植物の周辺環境(空気及
び水)を整備することにより、鮮度低下を遅延させるこ
とを意図したものであり、組織破壊そのものを防止する
機構を有していない。それ故、これらの手段は、元々日
保ちが良く、かつ、鮮度低下の状態を外観上判別し難い
生鮮植物に限って、特に、短時間の輸送、保存を目的と
して採用されてきた。従って、これらの手段だけでは、
組織切断された生鮮植物の鮮度を保持する手段としては
不十分であった。 たとえば、パセリ、アスパラガス等
の野菜は摘み取ってしまうと極端に日保ちが悪くなり、
またジャガイモ等の芋類は表皮を剥いた状態では組織破
壊が著しく速く進行してしまい、包装形態を工夫して
も、生鮮植物製品としてその鮮度を保持することができ
なかった。従って、これらの生鮮植物は生育地で根切
り、皮剥き等の一次加工を施したくても不可能であると
いう問題点があった。
【0005】さらに、近年、作業労働力の合理化、廃棄
物の有効利用並びに環境浄化等の見地から、食用植物を
その生育地で根切り、皮剥き等の一次処理に付すことが
重要な課題となってきている。それ故、前述したような
周辺環境の整備に気を配ることなしに保存期間を延長す
ることができ、かつ、どんな種類の組織切断された生鮮
植物についても商品価値を維持し得るような根本的な鮮
度保持方法の完成が強く望まれていた。
【0006】本発明は、野菜、果物、草花等の生鮮植物
の鮮度を保持することを目的とする。
【0007】本発明者は、生鮮植物製品の鮮度を一定期
間維持し、上記課題を解決すべく、組織切断された生鮮
植物への、細胞膜構成成分ならびにその一次分解物およ
び/またはその類似脂肪酸エステル類との混合膜の適用
について鋭意検討した結果、非水溶性の多価アルコール
・脂肪酸部分エステルとリン脂質とからなる混合膜を外
側より塗布するだけで、空気中においても十分に組織破
壊または変質の進行を妨げることができ、周辺気相状態
の管理または外部からの水分補給を全く行うことなし
に、生鮮植物及びこれらの一次加工品を長期間保存する
ことができ、かつ、生鮮植物製品としての商品価値を維
持できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、組
織切断された生鮮植物に、非水溶性の多価アルコール・
脂肪酸部分エステルの一種又は二種以上とリン脂質の一
種又は二種以上とを含む混合膜を吸着させてなることを
特徴とする鮮度保持加工された生鮮植物製品及びその製
造方法である。また、本発明は非水溶性の多価アルコー
ル・脂肪酸部分エステルの一種又は二種以上とリン脂質
の一種又は二種以上とを含むことを特徴とする鮮度保持
剤である。
【0009】非水溶性の多価アルコール・脂肪酸部分エ
ステルやリン脂質を水表面に展開することにより形成さ
れた単分子膜のπ−Aカーブ(表面圧−面積曲線)等を
測定した基礎研究結果はいくつか報告されている(浜中
博義、油化学、第22巻、426頁、1973年;北原
文雄、古澤邦夫著、最新コロイド化学、1990年、講
談社サイエンティフィク)。しかし、累積膜をも含め
て、非水溶性の多価アルコール・脂肪酸部分エステルと
リン脂質との混合膜を植物体等の表面に吸着させるとい
う報告例はない。特に、組織切断された植物体を対象と
して、その組織切断部に上記混合膜を吸着させたり、さ
らに進んで、それにより植物体に及ぼす影響を調べた報
告例は全く知られていない。
【0010】本発明において、生鮮植物製品とは生鮮植
物に鮮度保持のための処理を施してなる植物製品をい
う。生鮮植物としては、例えば、パセリ、アスパラガ
ス、玉ねぎ等の野菜、ジャガイモ等の芋類、リンゴ等の
果物、及びその他の青果物、ならびに小ギク等の草花な
どを挙げることができる。
【0011】非水溶性の多価アルコール・脂肪酸部分エ
ステルは、予め、生成物中にヒドロキシル基が最少限1
個残存するような原料仕込みモル比を選んで、グリセリ
ン、ポリグリセリン、ソルビトール、ソルビタン、ショ
糖等の多価アルコールと炭素数8〜24の脂肪酸とを反
応させるか、又は、油脂類を部分的に分解させることに
より得られる各種のエステル類をいい、例えばジカプリ
ロイルグリセリン、ジラウロイルグリセリン、モノパル
ミトイルグリセリン、モノステアロイルグリセリン、モ
ノベヘノイルグリセリン、モノリグノセロイルグリセリ
ン、ジグリセリン=ジオレアート、トリグリセリン=ジ
ステアラート、テトラグリセリン=ジステアラート、テ
トラグリセリン=トリステアラート、ソルビタン=モノ
ラウラート、ソルビタン=ジラウラート、ソルビタン=
ジパルミタート、ソルビタン=モノパルミタート、ソル
ビタン=モノステアラート、ソルビタン=モノベヘナー
ト、ショ糖=トリパルミタート、ショ糖=ジステアラー
ト等を挙げることができる。
【0012】リン脂質としては、天然又は合成のリン脂
質が包含され、具体的には、各種脂肪酸残基を有するレ
シチン、ケファリン、スフィンゴミエリン、カルジオリ
ピン、フォスフォイノシチド等を挙げることができる。
【0013】非水溶性の多価アルコール・脂肪酸部分エ
ステルとリン脂質との比率としては、前者の合計30〜
90重量%に対して、後者の合計が10〜70重量%で
ある。この比率であれば、より強固な非水溶性吸着膜が
作られ、鮮度保持性能が向上する。従ってかかる成分比
率を有する、非水溶性の多価アルコール・脂肪酸部分エ
ステルの一種又は二種以上とリン脂質の一種又は二種以
上とを含む組成物は、生鮮植物製品の鮮度保持剤として
有用である。
【0014】次に、非水溶性の多価アルコール・脂肪酸
部分エステルとリン脂質との混合膜を用いる、本発明の
組織切断された生鮮植物の鮮度保持処理を施された生鮮
植物製品の製造方法について説明する。非水溶性の多価
アルコール・脂肪酸部分エステルの一種又は二種以上と
リン脂質の一種又は二種以上とを均一に溶解又は乳化・
分散させた溶液又は分散液(以下、この溶液又は分散液
を鮮度保持用処理液ともいう)に、組織切断された生鮮
植物を、少なくとも組織切断部が完全に覆われるように
接触させる。
【0015】具体的には、(i) 上記部分エステル及
びリン脂質をエタノール、プロピレングリコール、乳酸
エチル等の良溶媒中に均一溶解させた溶液(鮮度保持処
理液)中に所定の生鮮植物を投入して、引き上げるか、
又は、少なくとも組織切断部が完全に覆われるように、
所定の生鮮植物の表面に上記溶液を塗布した後、溶媒を
自然乾燥もしくは熱乾燥又は送風により除去するか;ま
たは(ii) 少なくとも1種は界面活性能を有する、
非水溶性の多価アルコール・脂肪酸部分エステルの1種
又は2種以上と、リン脂質の1種又は2種以上とを混合
させつつ、水単独又は水とエタノール、プロピレングリ
コール、グリセリン等の親水性溶媒とを混合させた系の
中に添加して、作製した分散液(鮮度保持処理液)中
に、所定の生鮮植物を投入して、引き上げるか、又は、
少なくとも組織切断部が完全に覆われるように、所定の
生鮮植物の表面に上記分散液を塗布した後、水又は水系
混合溶媒を自然乾燥もしくは熱乾燥又は送風により除去
することによって、所定の生鮮植物の組織切断部又は全
面を含めて組織切断部及びその周辺部に強固な混合吸着
膜を形成させる。これにより、組織切断された生鮮植物
について組織破壊の進行が抑制され、生鮮植物製品とし
ての商品価値を長時間維持することができる。その際、
所望により、処理液としての上記溶液又は分散液の中に
液性安定のために防腐剤を少量添加したり、ビタミン、
アミノ酸等の栄養補給剤を同時に使用することができ
る。
【0016】本発明の鮮度保持剤の成分比率としては、
非水溶性の多価アルコール・脂肪酸部分エステルの合計
30〜90重量%に対して、リン脂質の合計10〜70
重量%の範囲である。成分比率がこの範囲内であれば、
より強固な不水溶性吸着膜がつくられ、鮮度保持性能を
向上させることができる。前述の(i)若しくは(i
i)の方法を実施する際、鮮度保持用処理液の中におけ
る非水溶性の多価アルコール・脂肪酸部分エステルとリ
ン脂質との合計が0.01〜10重量%になるように調
整することが好ましい。両成分の合計が0.01重量%
未満であるか、又は10重量%を超えると、混合吸着膜
の均一性が悪くなり、鮮度保持性能を減退させたり、ま
た、生鮮植物としての外観を損わせる結果を招くので、
望ましくない。
【0017】
【作用】本発明においては、組織切断された生鮮植物の
切断部又は切断部及びその周辺部に対して、細胞壁構成
成分である多糖類と親和性を有する多価アルコールを脂
肪酸で部分エステル化して非水溶性の単分子膜を形成す
る能力をもたせた極性非イオン性物質と、配向性の細胞
膜の構成成分であり両性イオン物質でもあるリン脂質と
の混合吸着膜を人工的に形成させて、密な炭化水素基の
充填状態を作り、細胞質からの水分の離脱を防止すると
ともに、水中において栄養素となる窒素及びリン酸残基
を共にイオンの形で存在させて、水の活性化を図ること
により、組織破壊を抑制し、生鮮植物製品としての鮮度
が保持されるのであろうと推測される。
【0018】
【実施例】以下、実施例により本発明をより詳細に説明
する。実施例において記載された「%」は重量%を意味
し、「部」は重量部を意味する。 例 1 モノステアロイルグリセリン7部とパルミトイル基を2
個有する合成レシチン3部をソルビタン=モノラウラー
ト1部及びプロピレングリコール29部よりなる溶液中
に添加し、内温を65℃まで昇温させつつ、混合し、均
一溶液とした。しかる後、20℃の水中に、65℃に加
温された上述のプロピレングリコール溶液を4%分に相
当する量注入し、1500rpmで30分間攪拌を行っ
て、強制分散液をつくり、白色不透明の本発明の鮮度保
持用処理液を作成した。次に、1500rpmの回転条
件下にある20℃の上記処理液の中に、市販のジャガイ
モ(品種名 男爵)を表皮から0.5〜0.8mmのと
ころにカッターを入れて、全表面の組織を剥き取り、ま
た、芯を取り去った後、切断して8分の1球に近い形状
にしたものを1秒間浸漬させて、取り出し、20℃の空
気雰囲気に30分間静置した後、50μmの厚さの低密
度ポリエチレンフィルム製の袋に封入し、20℃、50
%RH恒温恒湿条件のところに10日間静置させて、組
織破壊の進行の有無を観察した。
【0019】また、比較試験として、皮剥きを行った同
一原体から分割したジャガイモ片を次の4種類の方法に
よって処理し、20℃、50%RH恒温恒湿条件の場所
に置いて、同様の観察を行った。 ブランク・・・・・・皮剥き及び分割操作を行ったジャ
ガイモ片をそのまま、50μmの低密度ポリエチレンフ
ィルム袋に封入したもの。 比較試験例1・・・・皮剥き及び分割操作を行ったジャ
ガイモ片を50μmのエチレンガス吸収機能型ポリエチ
レンフィルム袋(但し、日本ユニカー株式会社製品ナッ
クフレッシュ)に封入したもの。 比較試験例2・・・・皮剥き及び分割操作を行ったジャ
ガイモ片を50μmの炭酸ガス排出機能型ポリエチレン
フィルム袋(但し、住友ベークライト株式会社製品P−
プラスフィルム)に封入したもの。 比較試験例3・・・・皮剥き及び分割操作を行ったジャ
ガイモ片を親水性界面活性剤のヘキサグリセリン=モノ
ラウラートの1%水溶液(但し、20℃に調整されたも
の)中に1時間浸漬させて、取り出し、本発明と同様に
50μmの低密度ポリエチレンフィルム袋に封入したも
の。
【0020】結果を表1に示すが、例1の方法により処
理されたジャガイモ片は、組織破壊の進行が殆ど見られ
ず、生鮮植物としての状態を保持していることが確認さ
れた。
【0021】
【表1】
【0022】例2〜7 例1と同様にして、レシチン24%、ケファリン25%
及びホスホイノシチド33%を含む大豆リン脂質(但
し、味の素株式会社製品)と所定の多価アルコール・脂
肪酸部分エステルとを表2に示す割合でそれぞれ混合さ
せ、さらに、エチルアルコール−乳酸エチル混合溶媒
(但し、1:1重量比混合物)中に均一溶解させて、本
発明の鮮度保持用処理液を作成した。次に、市販のジャ
ガイモ(品種名 男爵)を表皮から0.5〜0.8mm
のところにカッターを入れて表皮組織を剥き取り、芯を
取り除いて、8分の1球状に分割した試験体を用意した
後、その全表面に対して、30℃に調整した上述の本発
明の処理液をスプレー容器によって10秒間噴霧し、つ
づいて、ドライヤーにより、100℃で30秒間熱風乾
燥させた。しかる後、各試験体を50μmの厚さの低密
度ポリエチレンフィルム製の袋に封入し、20℃、50
%RH恒温恒湿条件のところに10日間静置して、組織
破壊の進行の有無を観察した。
【0023】
【表2】
【0024】結果を表3に示すが、例2〜7によって処
理されたジャガイモ片は全て組織破壊の進行が見られな
かった。
【0025】
【表3】
【0026】例 8 ソルビタン=ジパルミタート0.3部、モノパルミトイ
ルグリセリン0.3部、モノカプリロイルグリセリン
0.05部、ジグリセリン=ジオレアート0.1部、ラ
ウロイル基を2個有する合成レシチン0.05部及びパ
ルミトイル基を2個有する合成レシチン0.2部を水9
9部の中に投入し、70℃において、2.5kg/cm
2 の圧力条件下に1800rpmで1時間、攪拌を行っ
た後、冷却して、内温を10℃として強制分散液をつく
り、内部を常圧に戻して、本発明の鮮度保持用処理液を
作成した。次に、1800rpmの回転条件下にある1
0℃の本発明の上記処理液中に、摘み取り後、10時間
以内の根を切り取ったアスパラガス(但し、全長20c
m、重量15gで、穂先から10cmのところの周囲の
長さが4cmのもの)を1秒間浸漬させて、取り出し、
ドライヤーにより、10℃の空気を1分間送って水分を
離脱させた後、10±5℃、50%RH条件の空気中に
10日間放置して、組織破壊の進行の有無を観察した。
【0027】また、比較試験として、例8で使用したも
のと同様のアスパラガスを次の3種類の方法によって処
理した後、10±5℃、50%RH条件の空気中に10
日間置いて、同様の観察を行った。 ブランク・・・・・・例8と同様の供試アスパラガスを
10℃の水に1秒間浸漬させた後、取り出し、水分を送
風により除去したもの。 比較試験例4・・・・例8と同様の供試アスパラガスを
ヘキサグリセリン=モノラウラートの1%水溶液(但
し、10℃に調整されたもの)中に5時間浸漬させた
後、取り出し、水分を送風により除去したもの。 比較試験例5・・・・例8と同様の供試アスパラガスを
ポリオキシエチレン(n=25)ソルビタン=モノオレ
アートの1%水溶液(但し、10℃に調整されたもの)
中に5時間浸漬させた後、取り出し、水分を送風により
除去したもの。
【0028】結果を表4に示すが、例8により処理され
たアスパラガスは、組織破壊の進行が殆ど見られず、生
鮮植物としての状態をほぼ完全に保持していることが確
認された。
【0029】
【表4】
【0030】例9〜14 表5に示す配合割合で、天然の大豆リン脂質と所定の多
価アルコール・脂肪酸部分エステル及びプロピレングリ
コールをそれぞれ均一混合させて、本発明の鮮度保持用
処理液を作成した。次に、20℃に調整された本発明の
上記処理液中に、摘み取り後10時間以内の根を切り取
ったアスパラガス(但し、全長20cm、重量15g
で、穂先から10cmのところの周囲の長さが4cmの
もの)の基部を1秒間浸漬させて、取り出した後、50
μmの厚さの低密度ポリエチレンフィルム製の袋に封入
し、20℃、50%RH恒温恒湿条件のところに10日
間静置して、組織破壊の進行の有無を観察した。
【0031】
【表5】
【0032】また、比較試験として、例9〜14で使用
したものと同様のアスパラガスを次の3種類の方法によ
って処理した後、20℃、50%RH恒温恒湿条件のと
ころに10日間置いて、同様の観察を行った。 ブランク・・・・・・供試アスパラガスの基部を20℃
の水に1秒間浸漬させた後、取り出し、50μmの低密
度ポリエチレンフィルム製の袋に封入したもの。 比較試験例6・・・・供試アスパラガスの基部を20℃
のポリオキシエチレン(n=25)ソルビタン=モノオ
レアートの1%水溶液に30分間浸漬させた後、取り出
し、50μmのエチレンガス吸収機能型ポリエチレンフ
ィルム製の袋(但し、日本ユニカー株式会社製品ナック
フレッシュ)に封入したもの。 比較試験例7・・・・供試アスパラガスの基部を20℃
のポリオキシエチレン(n=25)ソルビタン=モノオ
レアートの1%水溶液に30分間浸漬させた後、取り出
し、50μmの炭酸ガス排出機能型ポリエチレンフィル
ム製の袋(但し、住友ベークライト株式会社製品P−プ
ラスフィルム)に封入したもの。
【0033】結果を表6及び7に示すが、例9〜14に
よって処理されたアスパラガスは全て組織破壊の進行が
殆ど見られず、生鮮植物としての状態をほぼ完全に保持
していることが確認された。
【0034】
【表6】
【表7】
【0035】例15〜17 表8に示す配合割合で、天然の大豆リン脂質と所定の多
価アルコール・脂肪酸部分エステルを水に強制分散させ
た鮮度保持用処理液を作成した後、20℃に調整し、そ
の中に、摘み取り後1時間以内の小ギク(但し、全長3
0cmで、開いた10個の花と5個のつぼみを有する薄
赤紫色のもの)を5秒間浸漬させて取り出し、10±5
℃、50%RH条件の空気中に5日間放置して、組織破
壊の進行の有無を観察した。
【0036】
【表8】
【0037】また、比較試験として、例15〜17で使
用したものと同様の小ギクを次の3種類の方法によって
処理した後、10±5℃、50%RH条件の空気中に5
日間置いて、同様の観察を行った。 ブランク・・・・・・供試小ギクを20℃の水に30分
間浸漬させた後、取り出したもの。 比較試験例8・・・・供試小ギクを20℃のヘキサグリ
セリン=モノラウラートの0.1%水溶液中に30分間
浸漬させた後、取り出したもの。 比較試験例9・・・・供試小ギクを20℃のポリオキシ
エチレン(n=25)ソルビタン=モノオレアートの
0.1%水溶液中に30分間浸漬させた後、取り出した
もの。
【0038】結果を表9に示すが、例15〜17によっ
て処理された小ギクは、空気中に放置された状態でも、
組織破壊の進行が殆ど観察されず、生き生きとした状態
を長く保っていることが確認された。
【0039】
【表9】
【0040】例18 モノステアロイルグリセリン0.05%、ソルビタン=
モノラウラート0.02%及び大豆リン脂質0.03%
を水に強制分散させた処理液(但し、20℃に調整され
たもの)中に、表皮を剥いて、上部及び根部をカッター
で切り取った玉ねぎを5秒間浸漬させて、取り出し、2
0℃の空気雰囲気に30分間静置した後、50μmの厚
さの低密度ポリエチレンフィルム製の袋に封入し、20
℃、50%RH恒温恒湿条件のところに5日間静置し
て、組織破壊の進行の有無を観察した。
【0041】また、比較試験として、例18で使用した
ものと同様の玉ねぎを次の3種類の方法によって処理し
た後、20℃、50%RH恒温恒湿条件のところに5日
間置いて、同様の観察を行った。 ブランク・・・・・・例18と同様の供試玉ねぎを、2
0℃に調整されたヘキサグリセリン=モノラウラートの
1%水溶液中に30分間浸漬させた後、取出し、50μ
mの厚さの低密度ポリエチレンフィルム製の袋に封入し
たもの。 比較試験例10・・・例18と同様の供試玉ねぎを、2
0℃に調整されたヘキサグリセリン=モノラウラートの
1%水溶液中に30分間浸漬させた後、取出し、50μ
mの厚さのエチレンガス吸収機能型ポリエチレンフィル
ム製の袋(但し、日本ユニカー株式会社製品ナックフレ
ッシュ)に封入したもの。 比較試験例11・・・例18と同様の供試玉ねぎを、2
0℃に調整されたヘキサグリセリン=モノラウラートの
1%水溶液中に30分間浸漬させた後、取出し、50μ
mの厚さの炭酸ガス排出機能型ポリエチレンフィルム製
の袋(但し、住友ベークライト株式会社製品P−プラス
フィルム)に封入したもの。
【0042】結果を表10に示すが、例18によって処
理された玉ねぎは、組織破壊の進行が殆ど見られず、生
鮮植物としての状態を保持していることが確認された。
【0043】
【表10】
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
摘み取り、根切り、皮剥きなどの操作を通して一次処理
し、組織の一部を破壊した状態にある生鮮植物を自然条
件のまま放置しても、長時間、組織破壊の進行が抑制さ
れ、加工時の鮮度が保持されるという効果がある。従っ
て、本発明を実施することにより、栄養価及び必須成分
を保持した良質の生鮮製品を一層使用し易い形態で享受
又は摂取できるという食生活等への貢献のほかに、輸送
コストの削減による経済上の貢献、及び産業廃棄物の減
少による環境保護への貢献(公害対策)ならびに削除物
の産地肥料への転換による農業への貢献等を図ることが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A23L 3/3553

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組織切断された生鮮植物の切断部に、非
    水溶性の多価アルコール・脂肪酸部分エステルの一種ま
    たは二種以上とリン脂質の一種又は二種以上とを含む混
    合膜を吸着させてなることを特徴とする生鮮植物製品。
  2. 【請求項2】 前記組織切断された生鮮植物は表皮を剥
    いたジャガイモである、請求項1記載の生鮮植物製品。
  3. 【請求項3】 前記組織切断された生鮮植物は根を切り
    取ったアスパラガスである、請求項1記載の生鮮植物製
    品。
  4. 【請求項4】 前記多価アルコール・脂肪酸部分エステ
    ルがモノステアロイルグリセリンである、請求項1記載
    の生鮮植物製品。
  5. 【請求項5】 前記多価アルコール・脂肪酸部分エステ
    ルがソルビタン=ジパルミタートである、請求項1記載
    の生鮮植物製品。
  6. 【請求項6】 前記リン脂質がレシチンである、請求項
    1記載の生鮮植物製品。
  7. 【請求項7】 少なくとも組織切断部が完全に覆われる
    ように、非水溶性の多価アルコール・脂肪酸エステルの
    一種又は二種以上とリン脂質の一種又は二種以上とを均
    一に溶解又は乳化・分散させた溶液または分散液に、組
    織切断された生鮮植物を接触させ、次いで溶媒または分
    散媒を自然乾燥、熱乾燥又は送風により除去し、組織切
    断された生鮮植物の切断部に非水溶性の混合膜を吸着さ
    せることを特徴とする、請求項1記載の生鮮植物製品の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 非水溶性の多価アルコール・脂肪酸部分
    エステルの一種または二種以上とリン脂質の一種又は二
    種以上とを含むことを特徴とする鮮度保持剤。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の鮮度保持剤を溶媒又は分
    散媒中に溶解又は分散させてなることを特徴とする鮮度
    保持用処理液。
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