JP2843157B2 - 溶接性および加工後耐食性の優れた複合鋼板 - Google Patents
溶接性および加工後耐食性の優れた複合鋼板Info
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- JP2843157B2 JP2843157B2 JP1533691A JP1533691A JP2843157B2 JP 2843157 B2 JP2843157 B2 JP 2843157B2 JP 1533691 A JP1533691 A JP 1533691A JP 1533691 A JP1533691 A JP 1533691A JP 2843157 B2 JP2843157 B2 JP 2843157B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に溶接性および加工
後耐食性を向上した複合鋼板に関する。
後耐食性を向上した複合鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の複合鋼板としては、たとえば
(1)特開昭63205227号、(2)特開昭580
90952号、(3)特開昭60225748号等の公
報に開示されたものがある。これらの従来例のうち、
(1)は樹脂層を両側から挟んだ鋼板から成る積層鋼板
の樹脂層側内面をクロメート処理面とし、外面をめっき
面とすることにより、耐食性を確保するとともにスポッ
ト溶接等の溶接を行うに際してスキン鋼板のフクレやハ
ガレなどの発生を失くしようとするものである。(2)
は樹脂層を金属層で両面から挟んだ積層板において、樹
脂層と接する面に電解クロメート処理皮膜を有する鋼板
を用いることにより、端面部の耐食性にすぐれた積層板
を得ようとするものである。また、(3)は樹脂と接触
する面に塗布型クロメート処理皮膜を有する金属板を用
いることにより、2次接着強度のすぐれたラミネート金
属板の形成を図るものである。
(1)特開昭63205227号、(2)特開昭580
90952号、(3)特開昭60225748号等の公
報に開示されたものがある。これらの従来例のうち、
(1)は樹脂層を両側から挟んだ鋼板から成る積層鋼板
の樹脂層側内面をクロメート処理面とし、外面をめっき
面とすることにより、耐食性を確保するとともにスポッ
ト溶接等の溶接を行うに際してスキン鋼板のフクレやハ
ガレなどの発生を失くしようとするものである。(2)
は樹脂層を金属層で両面から挟んだ積層板において、樹
脂層と接する面に電解クロメート処理皮膜を有する鋼板
を用いることにより、端面部の耐食性にすぐれた積層板
を得ようとするものである。また、(3)は樹脂と接触
する面に塗布型クロメート処理皮膜を有する金属板を用
いることにより、2次接着強度のすぐれたラミネート金
属板の形成を図るものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
(1),(2),(3)に示したクロメート処理は、そ
れぞれ反応型,電解クロメート型,塗布型に限定されて
いるが、これらのクロメート処理皮膜は不働態皮膜であ
ることから、難成形加工後の耐食性および溶接性には不
利な状況にあるといった問題がある。
(1),(2),(3)に示したクロメート処理は、そ
れぞれ反応型,電解クロメート型,塗布型に限定されて
いるが、これらのクロメート処理皮膜は不働態皮膜であ
ることから、難成形加工後の耐食性および溶接性には不
利な状況にあるといった問題がある。
【0004】本発明は、このような従来の問題点にかん
がみてなされたものであって、鋼板の樹脂層挟着側の面
に予めNi被膜を形成しておくことにより上記課題を解
決することを目的としている。
がみてなされたものであって、鋼板の樹脂層挟着側の面
に予めNi被膜を形成しておくことにより上記課題を解
決することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は上記目的を達
成するために、二枚の鋼板の間に樹脂層を挟着して成る
複合鋼板において、前記鋼板の少なくとも樹脂層挟着面
に予めNi被膜を形成した後、ティンフリースチールめ
っきを施した複合鋼板としたものである。
成するために、二枚の鋼板の間に樹脂層を挟着して成る
複合鋼板において、前記鋼板の少なくとも樹脂層挟着面
に予めNi被膜を形成した後、ティンフリースチールめ
っきを施した複合鋼板としたものである。
【0006】
【作用】一般に、ティンフリースチールの表面は(オキ
サイドクロム)+(メタルクロム)の被膜が形成されて
おり、非常にすぐれた樹脂の接着強度を有することは、
缶材等に使用されて既に公知となっている。しかしなが
ら上記被膜を構成するオキサイドクロムは熱伝導率が小
さいため抵抗溶接に際して局部過大加熱され、溶融した
鉄が散り(火花)となって飛散したり、一方、メタルク
ロムは融点が鉄に較べて高いため過加熱が必要であると
いった互いに背反する性質を有するため、溶接性に難点
があることが知られている。
サイドクロム)+(メタルクロム)の被膜が形成されて
おり、非常にすぐれた樹脂の接着強度を有することは、
缶材等に使用されて既に公知となっている。しかしなが
ら上記被膜を構成するオキサイドクロムは熱伝導率が小
さいため抵抗溶接に際して局部過大加熱され、溶融した
鉄が散り(火花)となって飛散したり、一方、メタルク
ロムは融点が鉄に較べて高いため過加熱が必要であると
いった互いに背反する性質を有するため、溶接性に難点
があることが知られている。
【0007】そこで、本発明は、ティンフリースチール
の表面の優れた樹脂接着強度を利用して高加工性を維持
させるとともに、ティンフリースチールめっきの下地に
予めNi被膜を施すことにより溶接性をも表1に示すご
とく向上させたスキン材(表皮材)とすることができ、
これによって接着強度および溶接性共すぐれた複合鋼板
を得ることができる。
の表面の優れた樹脂接着強度を利用して高加工性を維持
させるとともに、ティンフリースチールめっきの下地に
予めNi被膜を施すことにより溶接性をも表1に示すご
とく向上させたスキン材(表皮材)とすることができ、
これによって接着強度および溶接性共すぐれた複合鋼板
を得ることができる。
【0008】
【実施例】以下、本発明を表1,図1を参照して説明す
る。図1は複合鋼板の拡大断面図である。
る。図1は複合鋼板の拡大断面図である。
【0009】図において、スキン材1には鋼板2の樹脂
層5挟着側の面に先ずNiの金属被膜3を形成する。但
し、この際、Niの被覆方法として電気めっき、あるい
は化学めっき等を行うが、これらの被覆方法による溶接
性の差はほとんど認められないので、本発明においては
特に被覆方法は限定しない。また、Ni付着量は、表1
の実験例から明らかなように、
層5挟着側の面に先ずNiの金属被膜3を形成する。但
し、この際、Niの被覆方法として電気めっき、あるい
は化学めっき等を行うが、これらの被覆方法による溶接
性の差はほとんど認められないので、本発明においては
特に被覆方法は限定しない。また、Ni付着量は、表1
の実験例から明らかなように、
【0010】
【表1】
【0011】20mg/m2 以上が好ましく、経済的意味か
ら上限量は50mg/m2 で充分である。しかし、20mg/m
2未満では比較例に見られるように、溶接性の向上が認
められない。
ら上限量は50mg/m2 で充分である。しかし、20mg/m
2未満では比較例に見られるように、溶接性の向上が認
められない。
【0012】次に、上記Ni被覆を行った後、ティンフ
リースチールめっき4を行う。このめっき層4は、(オ
キサイドクロム)+(メタルクロム)からなり、本実施
例ではメタルクロム100mg/m2,オキサイドクロム2
0mg/m2(金属クロムとして)の付着量を有する板厚
0.2mmの二枚のティンフリースチール1を表皮材とし
て、樹脂層5は制振用ポリエステル樹脂を50μm厚に
施し、これをサンドイッチ状に挟着して表1に示す本発
明例の複合鋼板としたものである。
リースチールめっき4を行う。このめっき層4は、(オ
キサイドクロム)+(メタルクロム)からなり、本実施
例ではメタルクロム100mg/m2,オキサイドクロム2
0mg/m2(金属クロムとして)の付着量を有する板厚
0.2mmの二枚のティンフリースチール1を表皮材とし
て、樹脂層5は制振用ポリエステル樹脂を50μm厚に
施し、これをサンドイッチ状に挟着して表1に示す本発
明例の複合鋼板としたものである。
【0013】なお、上記スキン材1を樹脂層5を介して
2枚貼着する機械的方法は、一般に樹脂層5に導電性フ
ィラーを混入するため種々の貼着方法が行われている
が、本発明はその貼着方法については特に限定しない。
2枚貼着する機械的方法は、一般に樹脂層5に導電性フ
ィラーを混入するため種々の貼着方法が行われている
が、本発明はその貼着方法については特に限定しない。
【0014】以上によって、本発明はティンフリースチ
ールめっきの溶接性の難点を解消すると共に接着強度の
優れた複合鋼板を得ることができる。
ールめっきの溶接性の難点を解消すると共に接着強度の
優れた複合鋼板を得ることができる。
【0015】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
複合鋼板は積層構造であるためプレス加工時等に樹脂の
接着強度が要求されるが、スキン材にティンフリースチ
ールめっきを施したので難成形加工を行っても剥離を生
じることなく、また鋼板には予め下地にNi被膜が形成
してあるのですぐれた溶接性をも同時に有する複合鋼板
が得られる。
複合鋼板は積層構造であるためプレス加工時等に樹脂の
接着強度が要求されるが、スキン材にティンフリースチ
ールめっきを施したので難成形加工を行っても剥離を生
じることなく、また鋼板には予め下地にNi被膜が形成
してあるのですぐれた溶接性をも同時に有する複合鋼板
が得られる。
【図1】本発明に係わる複合鋼板の拡大断面図である。
2 鋼板 3 Ni被膜 4 ティンフリースチールめっき層 5 樹脂層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B32B 15/08
Claims (1)
- 【請求項1】 二枚の鋼板の間に樹脂層を挟着して成る
複合鋼板において、前記鋼板の少なくとも樹脂層挟着面
に予めNi被膜を形成し、その上に、ティンフリースチ
ールめっきを施したことを特徴とする溶接性および加工
後耐食性の優れた複合鋼板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1533691A JP2843157B2 (ja) | 1991-02-06 | 1991-02-06 | 溶接性および加工後耐食性の優れた複合鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1533691A JP2843157B2 (ja) | 1991-02-06 | 1991-02-06 | 溶接性および加工後耐食性の優れた複合鋼板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0550552A JPH0550552A (ja) | 1993-03-02 |
JP2843157B2 true JP2843157B2 (ja) | 1999-01-06 |
Family
ID=11885946
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1533691A Expired - Lifetime JP2843157B2 (ja) | 1991-02-06 | 1991-02-06 | 溶接性および加工後耐食性の優れた複合鋼板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2843157B2 (ja) |
-
1991
- 1991-02-06 JP JP1533691A patent/JP2843157B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0550552A (ja) | 1993-03-02 |
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