JPH0789007A - 耐剥離性に優れる複層鋼板 - Google Patents
耐剥離性に優れる複層鋼板Info
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- JPH0789007A JPH0789007A JP25531993A JP25531993A JPH0789007A JP H0789007 A JPH0789007 A JP H0789007A JP 25531993 A JP25531993 A JP 25531993A JP 25531993 A JP25531993 A JP 25531993A JP H0789007 A JPH0789007 A JP H0789007A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 熱処理等により剥離強度が低下する温度を上
昇させ、複層鋼板の耐熱性を向上させる。 【構成】 厚さ0.60mmの冷延鋼板1と、厚さ0.
60mmのアルミニウム合金(A5052)板2との間
に、厚さ0.20mmの純アルミニウム(A1050)
板がインサート材3としてインサートされた複層鋼板を
温間圧延法で製造した。なお、複層鋼板の製造に当たっ
ては、冷延鋼板1を880℃まで通電加熱し、これとイ
ンサート材3の純アルミニウム板およびアルミニウム合
金板2を合わせ圧延法で接合した。
昇させ、複層鋼板の耐熱性を向上させる。 【構成】 厚さ0.60mmの冷延鋼板1と、厚さ0.
60mmのアルミニウム合金(A5052)板2との間
に、厚さ0.20mmの純アルミニウム(A1050)
板がインサート材3としてインサートされた複層鋼板を
温間圧延法で製造した。なお、複層鋼板の製造に当たっ
ては、冷延鋼板1を880℃まで通電加熱し、これとイ
ンサート材3の純アルミニウム板およびアルミニウム合
金板2を合わせ圧延法で接合した。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軽量化、熱伝導性・磁
気特性向上、あるいは異種金属材接合等のために、自動
車、鉄道車両、船舶、建築構造物、調理器具等に用いら
れる複層鋼板に関するものである。
気特性向上、あるいは異種金属材接合等のために、自動
車、鉄道車両、船舶、建築構造物、調理器具等に用いら
れる複層鋼板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ステンレス板と、アルミニウム板からな
る複層鋼板については、特開昭61−42498号、特
開平2−154713号、特開平2−200383号、
特開平5−146880号等により従来公知である。
る複層鋼板については、特開昭61−42498号、特
開平2−154713号、特開平2−200383号、
特開平5−146880号等により従来公知である。
【0003】また、鉄系金属板と、マグネシウムを含有
するアルミニウム系金属板からなる複層鋼板について
は、特開平2−154713号等により公知である。
するアルミニウム系金属板からなる複層鋼板について
は、特開平2−154713号等により公知である。
【0004】さらに、クロムを含まない鉄系金属板と、
アルミニウム系金属板からなる複層鋼板については、本
願と同一の出願人により、特願平4−134768号、
特願平4−134771号として既に出願がなされてい
る。
アルミニウム系金属板からなる複層鋼板については、本
願と同一の出願人により、特願平4−134768号、
特願平4−134771号として既に出願がなされてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来より、フェライト
系ステンレス鋼板と、マグネシウムを0.2〜1.0重
量%含むアルミニウム合金板から構成された複層鋼板等
のように、複層鋼板の強度を向上させるため、強度の高
いマグネシウムを含むアルミニウム系金属層と鉄系金属
層とを交互に積層した複層鋼板が製造されている。しか
し、この複層鋼板は熱処理等により温度を上げるとFe
/Al界面に金属間化合物が生成しやすく、また、特に
マグネシウムが金属間化合物の成長を促進し、これによ
って剥離強度は著しく低下するという事実がある。
系ステンレス鋼板と、マグネシウムを0.2〜1.0重
量%含むアルミニウム合金板から構成された複層鋼板等
のように、複層鋼板の強度を向上させるため、強度の高
いマグネシウムを含むアルミニウム系金属層と鉄系金属
層とを交互に積層した複層鋼板が製造されている。しか
し、この複層鋼板は熱処理等により温度を上げるとFe
/Al界面に金属間化合物が生成しやすく、また、特に
マグネシウムが金属間化合物の成長を促進し、これによ
って剥離強度は著しく低下するという事実がある。
【0006】本発明は、かかる従来の課題を解決するた
めになされたもので、400〜550℃の温度範囲にお
いて剥離強度が低下する温度を上昇させ、複層鋼板の耐
熱性、耐剥離性を向上させることを目的とする。
めになされたもので、400〜550℃の温度範囲にお
いて剥離強度が低下する温度を上昇させ、複層鋼板の耐
熱性、耐剥離性を向上させることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の複層鋼板は請求項1において、鉄系金属
層と、マグネシウムを0.2〜6.0重量%含むアルミ
ニウム系金属層が交互に積層された複層鋼板において、
鉄系金属層とマグネシウムを0.2〜6.0重量%含む
アルミニウム系金属層との間に、マグネシウム含有量が
0.05重量%以下であり、かつ純度が99.0重量%
以上の純アルミニウム層がインサートされた複層鋼板の
組を少なくとも1組以上積層したものであり、請求項2
において、クロムの含有量が6.0重量%以下である、
鉄系金属層とマグネシウムを0.2〜6.0重量%含む
アルミニウム系金属層が交互に積層された複層鋼板にお
いて、クロムの含有量が6.0重量%以下である、鉄系
金属層とマグネシウムを0.2〜6.0重量%含むアル
ミニウム系金属層との間に、クロムを11.0〜32.
0重量%含有する鉄系金属層がインサートされた複層鋼
板の組を少なくとも1組以上積層したものであり、さら
に請求項3において、目付量5〜100mg/m2のク
ロム膜が被覆された、クロム含有量が6.0重量%以下
である、鉄系金属層と、マグネシウムを0.2〜6.0
重量%含有するアルミニウム系金属層とが交互に積層さ
れた複層鋼板の組を少なくとも1組以上積層したもので
ある。
めに、本発明の複層鋼板は請求項1において、鉄系金属
層と、マグネシウムを0.2〜6.0重量%含むアルミ
ニウム系金属層が交互に積層された複層鋼板において、
鉄系金属層とマグネシウムを0.2〜6.0重量%含む
アルミニウム系金属層との間に、マグネシウム含有量が
0.05重量%以下であり、かつ純度が99.0重量%
以上の純アルミニウム層がインサートされた複層鋼板の
組を少なくとも1組以上積層したものであり、請求項2
において、クロムの含有量が6.0重量%以下である、
鉄系金属層とマグネシウムを0.2〜6.0重量%含む
アルミニウム系金属層が交互に積層された複層鋼板にお
いて、クロムの含有量が6.0重量%以下である、鉄系
金属層とマグネシウムを0.2〜6.0重量%含むアル
ミニウム系金属層との間に、クロムを11.0〜32.
0重量%含有する鉄系金属層がインサートされた複層鋼
板の組を少なくとも1組以上積層したものであり、さら
に請求項3において、目付量5〜100mg/m2のク
ロム膜が被覆された、クロム含有量が6.0重量%以下
である、鉄系金属層と、マグネシウムを0.2〜6.0
重量%含有するアルミニウム系金属層とが交互に積層さ
れた複層鋼板の組を少なくとも1組以上積層したもので
ある。
【0008】
【作用】本発明によれば、鉄系金属層と、マグネシウム
を0.2〜6.0重量%含むアルミニウム系金属層との
間に、金属間化合物(Fe2Al5、Fe4Al13、Fe
Al2等)が生成する温度を向上させ、かつ鉄系金属層
あるいはマグネシウムを0.2〜6.0重量%含むアル
ミニウム系金属層と接合可能なインサート材(マグネシ
ウム含有量が0.05重量%以下であり、かつ純度が9
9.0重量%以上の純アルミニウム層、クロムを11.
0〜32.0重量%含有する鉄系金属層、あるいはクロ
ムを15.0〜26.0重量%、ニッケルを3.0〜2
2.0重量%含む鉄系金属層(フェライト系、オーステ
ナイト系及びマルテンサイト系ステンレス金属層)をイ
ンサートすることにより、または表面にクロム膜が形成
された鉄系金属層とマグネシウムを0.2〜6.0重量
%含むアルミニウム系金属層とを用いて複層鋼板を製造
することにより、金属間化合物が生成し剥離強度が低下
する温度を50〜100℃向上させ、複層鋼板の耐熱性
を向上させる。
を0.2〜6.0重量%含むアルミニウム系金属層との
間に、金属間化合物(Fe2Al5、Fe4Al13、Fe
Al2等)が生成する温度を向上させ、かつ鉄系金属層
あるいはマグネシウムを0.2〜6.0重量%含むアル
ミニウム系金属層と接合可能なインサート材(マグネシ
ウム含有量が0.05重量%以下であり、かつ純度が9
9.0重量%以上の純アルミニウム層、クロムを11.
0〜32.0重量%含有する鉄系金属層、あるいはクロ
ムを15.0〜26.0重量%、ニッケルを3.0〜2
2.0重量%含む鉄系金属層(フェライト系、オーステ
ナイト系及びマルテンサイト系ステンレス金属層)をイ
ンサートすることにより、または表面にクロム膜が形成
された鉄系金属層とマグネシウムを0.2〜6.0重量
%含むアルミニウム系金属層とを用いて複層鋼板を製造
することにより、金属間化合物が生成し剥離強度が低下
する温度を50〜100℃向上させ、複層鋼板の耐熱性
を向上させる。
【0009】複層鋼板の素材であるアルミニウム系金属
層中のマグネシウム含有量を0.2〜6.0重量%と限
定したのは、それより低いと金属間化合物が生成する温
度が低下せず(インサート材を使う必要なし)、また、
それを越えるマグネシウムを含むアルミニウム板は製造
しにくいからである。複層鋼板の素材である鉄系金属層
中のクロム含有量を6.0重量%以下と限定したのは、
それを越えると金属間化合物が生成する温度が低下しに
くくなる(インサート材を使う必要なし)からである。
なお、金属間化合物が生成する温度を上昇させるために
は、11.0重量%以上のクロムを含むことが望まし
い。
層中のマグネシウム含有量を0.2〜6.0重量%と限
定したのは、それより低いと金属間化合物が生成する温
度が低下せず(インサート材を使う必要なし)、また、
それを越えるマグネシウムを含むアルミニウム板は製造
しにくいからである。複層鋼板の素材である鉄系金属層
中のクロム含有量を6.0重量%以下と限定したのは、
それを越えると金属間化合物が生成する温度が低下しに
くくなる(インサート材を使う必要なし)からである。
なお、金属間化合物が生成する温度を上昇させるために
は、11.0重量%以上のクロムを含むことが望まし
い。
【0010】さらに、インサート材である純アルミニウ
ム中のマグネシウム含有量を0.05重量%以下と限定
したのは、それを越えると金属間化合物が生成する温度
が上昇しないからである。インサート材である鉄系金属
層中のクロム含有量を11.0〜32.0重量%と限定
したのは、それより低いと金属間化合物が生成する温度
が上昇しないし、それより高いとコストがかかるからで
ある。クロム含有量が6.0重量%以下である鉄系金属
層の表面に形成されたクロム膜の目付量を5〜100m
g/m2と限定したのは、それより薄いと金属間化合物
が生成する温度が上昇しないし、それより厚いと拡散バ
リアになって、マグネシウムを0.2〜6.0重量%含
有するアルミニウム系金属層と接合しにくくなるからで
ある。なお、クロム膜表面には数10〜数100オング
ストローム程度の酸化膜が形成されているものとする。
ム中のマグネシウム含有量を0.05重量%以下と限定
したのは、それを越えると金属間化合物が生成する温度
が上昇しないからである。インサート材である鉄系金属
層中のクロム含有量を11.0〜32.0重量%と限定
したのは、それより低いと金属間化合物が生成する温度
が上昇しないし、それより高いとコストがかかるからで
ある。クロム含有量が6.0重量%以下である鉄系金属
層の表面に形成されたクロム膜の目付量を5〜100m
g/m2と限定したのは、それより薄いと金属間化合物
が生成する温度が上昇しないし、それより厚いと拡散バ
リアになって、マグネシウムを0.2〜6.0重量%含
有するアルミニウム系金属層と接合しにくくなるからで
ある。なお、クロム膜表面には数10〜数100オング
ストローム程度の酸化膜が形成されているものとする。
【0011】また、複層鋼板の製造法は、温間圧延法
(加熱+圧延)、爆着法、拡散接合法、HIP法等、い
ずれの方法であっても良いが、大量生産の観点から温間
圧延法が望ましい。また、温間圧延法、拡散接合法にお
ける加熱法は、炉中加熱、高周波加熱、通電加熱等、い
ずれの方法であっても良い。なお、鉄系材料とアルミニ
ウム系材料とでは融点がかなり異なるので、インサート
材が鉄系材料の場合には、先に鉄系金属層と接合してお
いた方が望ましい。
(加熱+圧延)、爆着法、拡散接合法、HIP法等、い
ずれの方法であっても良いが、大量生産の観点から温間
圧延法が望ましい。また、温間圧延法、拡散接合法にお
ける加熱法は、炉中加熱、高周波加熱、通電加熱等、い
ずれの方法であっても良い。なお、鉄系材料とアルミニ
ウム系材料とでは融点がかなり異なるので、インサート
材が鉄系材料の場合には、先に鉄系金属層と接合してお
いた方が望ましい。
【0012】また、クロム膜の形成方法としては、浸
漬、電気メッキ等があるが、均一な薄い膜を作製するた
めには、電気メッキの方が望ましい。なお、クロム膜の
表面には数10〜数100オングストロームの厚さの酸
化膜が形成されていることが重要である。
漬、電気メッキ等があるが、均一な薄い膜を作製するた
めには、電気メッキの方が望ましい。なお、クロム膜の
表面には数10〜数100オングストロームの厚さの酸
化膜が形成されていることが重要である。
【0013】さらに、インサート材の効果(金属間化合
物の生成温度の上昇)は、0.05mmの板厚があれば
十分であるため板厚は0.05mm以上でよい。しか
し、インサート材が、例えば強度の低い純アルミニウム
層であったりすると、その厚さが厚くなった場合、複層
鋼板の強度が複合則によって低下するため、インサート
材の厚さは、鉄系金属層、アルミニウム系金属層及びイ
ンサート材の全ての板厚を合わせた製造後のトータル板
厚の30%以下が望ましい。インサート材は必要最低限
の板厚でよい。
物の生成温度の上昇)は、0.05mmの板厚があれば
十分であるため板厚は0.05mm以上でよい。しか
し、インサート材が、例えば強度の低い純アルミニウム
層であったりすると、その厚さが厚くなった場合、複層
鋼板の強度が複合則によって低下するため、インサート
材の厚さは、鉄系金属層、アルミニウム系金属層及びイ
ンサート材の全ての板厚を合わせた製造後のトータル板
厚の30%以下が望ましい。インサート材は必要最低限
の板厚でよい。
【0014】
(第1の実施例)図1(a)に示すように、厚さ0.6
0mmの冷延鋼板1と、厚さ0.60mmのアルミニウ
ム合金(A5052)板2との間に、厚さ0.20mm
の純アルミニウム(A1050)板がインサート材3と
してインサートされた複層鋼板を温間圧延法で製造し
た。なお、複層鋼板の製造に当たっては、冷延鋼板1を
88で0℃まで窒素雰囲気中で通電加熱し、これとイン
サート材3の純アルミニウム板およびアルミニウム合金
板2を合わせ圧延法で接合して複層鋼板を製造した。こ
の複層鋼板から30×200mmの試験片を切り出し、
表1に示す条件で加熱・保持し、冷却後、端面を剥離さ
せて(剥離面はインサート材3と冷延鋼板1の界面)、
剥離(ピール)強度を測定した。また、同様にインサー
ト材を用いていない複層鋼板についても剥離強度を測定
した。結果を表1、No1〜No4およびNo17〜N
o20に示す。なお、表1において、剥離強度の値は、
熱処理前の値を1とした時の剥離強度の比で示した。表
1に示すように、純アルミニウムのインサート材を用い
ることにより、例えば、剥離強度が0になる温度は50
℃も高くなっており、剥離強度が低下する温度が上昇し
ているのがわかった。表1において、鉄系金属層をSU
S304やSUS430に変えても、また、アルミニウ
ム系金属層をA3034に変えても、同様に剥離強度が
低下する温度が上昇する傾向が認めたれた。 (第2の実施例)また、図1(a)に示すように、厚さ
0.60mmの冷延鋼板1と、厚さ0.60mmのアル
ミニウム合金(A5052)板2との間に、厚さ0.2
0mmのステンレス(SUS304)板がインサート材
3としてインサートされた複層鋼板を温間圧延法で作製
した。なお複層鋼板の製造に当たっては、冷延鋼板1と
インサート材3のステンレス板とを先に窒素雰囲気中
で、880℃で接合し、その後、アルミニウム合金板2
大気中でと接合して複層鋼板を製造した。この複層鋼板
から30×200mmの試験片を切り出し、表1に示す
条件で加熱・保持し、冷却後、端面を剥離させて(剥離
面はインサート材3とアルミニウム合金板2の界面)、
剥離(ピール)強度を測定した。結果を表1、No5〜
No10に示す。表1に示すように、ステンレスのイン
サート材を用いることにより、例えば、剥離強度が0に
なる温度は100℃も高くなっており、剥離強度が低下
する温度が上昇しているのがわかった。表1において、
インサート材をSUS430に変えても、また、アルミ
ニウム系金属層をA3034に変えても、同様に剥離強
度が低下する温度が上昇する傾向が認められた。 (第3の実施例)図1(b)に示すように、目付量20
mg/m2 で両面にクロメート処理された厚さ0.40
mmの冷延鋼板4を窒素雰囲気中で通電加熱し、厚さ
0.60mmのアルミニウム合金(A5052)板2と
合わせて圧延し、複層鋼板を作製した。この複層鋼板か
ら30×200mmの試験片を切り出し、表1に示す条
件で加熱・保持し、冷却後、端面を剥離させて、剥離
(ピール)強度を測定した。結果を表1、No11〜N
o16に示す。表1に示すように、クロメート処理を行
った冷延鋼板を用いることにより、例えば、剥離強度が
0になる温度は100℃も高くなっており、剥離強度が
低下する温度が上昇しているのがわかった。表1におい
て、アルミニウム系金属層をA3034に変えても、同
様に剥離強度が低下する温度が上昇する傾向が認められ
た。
0mmの冷延鋼板1と、厚さ0.60mmのアルミニウ
ム合金(A5052)板2との間に、厚さ0.20mm
の純アルミニウム(A1050)板がインサート材3と
してインサートされた複層鋼板を温間圧延法で製造し
た。なお、複層鋼板の製造に当たっては、冷延鋼板1を
88で0℃まで窒素雰囲気中で通電加熱し、これとイン
サート材3の純アルミニウム板およびアルミニウム合金
板2を合わせ圧延法で接合して複層鋼板を製造した。こ
の複層鋼板から30×200mmの試験片を切り出し、
表1に示す条件で加熱・保持し、冷却後、端面を剥離さ
せて(剥離面はインサート材3と冷延鋼板1の界面)、
剥離(ピール)強度を測定した。また、同様にインサー
ト材を用いていない複層鋼板についても剥離強度を測定
した。結果を表1、No1〜No4およびNo17〜N
o20に示す。なお、表1において、剥離強度の値は、
熱処理前の値を1とした時の剥離強度の比で示した。表
1に示すように、純アルミニウムのインサート材を用い
ることにより、例えば、剥離強度が0になる温度は50
℃も高くなっており、剥離強度が低下する温度が上昇し
ているのがわかった。表1において、鉄系金属層をSU
S304やSUS430に変えても、また、アルミニウ
ム系金属層をA3034に変えても、同様に剥離強度が
低下する温度が上昇する傾向が認めたれた。 (第2の実施例)また、図1(a)に示すように、厚さ
0.60mmの冷延鋼板1と、厚さ0.60mmのアル
ミニウム合金(A5052)板2との間に、厚さ0.2
0mmのステンレス(SUS304)板がインサート材
3としてインサートされた複層鋼板を温間圧延法で作製
した。なお複層鋼板の製造に当たっては、冷延鋼板1と
インサート材3のステンレス板とを先に窒素雰囲気中
で、880℃で接合し、その後、アルミニウム合金板2
大気中でと接合して複層鋼板を製造した。この複層鋼板
から30×200mmの試験片を切り出し、表1に示す
条件で加熱・保持し、冷却後、端面を剥離させて(剥離
面はインサート材3とアルミニウム合金板2の界面)、
剥離(ピール)強度を測定した。結果を表1、No5〜
No10に示す。表1に示すように、ステンレスのイン
サート材を用いることにより、例えば、剥離強度が0に
なる温度は100℃も高くなっており、剥離強度が低下
する温度が上昇しているのがわかった。表1において、
インサート材をSUS430に変えても、また、アルミ
ニウム系金属層をA3034に変えても、同様に剥離強
度が低下する温度が上昇する傾向が認められた。 (第3の実施例)図1(b)に示すように、目付量20
mg/m2 で両面にクロメート処理された厚さ0.40
mmの冷延鋼板4を窒素雰囲気中で通電加熱し、厚さ
0.60mmのアルミニウム合金(A5052)板2と
合わせて圧延し、複層鋼板を作製した。この複層鋼板か
ら30×200mmの試験片を切り出し、表1に示す条
件で加熱・保持し、冷却後、端面を剥離させて、剥離
(ピール)強度を測定した。結果を表1、No11〜N
o16に示す。表1に示すように、クロメート処理を行
った冷延鋼板を用いることにより、例えば、剥離強度が
0になる温度は100℃も高くなっており、剥離強度が
低下する温度が上昇しているのがわかった。表1におい
て、アルミニウム系金属層をA3034に変えても、同
様に剥離強度が低下する温度が上昇する傾向が認められ
た。
【0015】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、熱
処理によって金属間化合物が生成され、剥離強度が低下
する温度を50〜100℃上昇させて複層鋼板の耐熱性
を向上させるという効果がある。
処理によって金属間化合物が生成され、剥離強度が低下
する温度を50〜100℃上昇させて複層鋼板の耐熱性
を向上させるという効果がある。
【0016】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の各実施例を説明するための断面図であ
る。
る。
1 冷延鋼板 2 アルミニウム合金板 3 インサート材 4 クロメート処理された冷延鋼板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 百合岡 信孝 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内
Claims (3)
- 【請求項1】 鉄系金属層と、マグネシウムを0.2〜
6.0重量%含むアルミニウム系金属層が交互に積層さ
れた複層鋼板において、鉄系金属層とマグネシウムを
0.2〜6.0重量%含むアルミニウム系金属層との間
に、マグネシウム含有量が0.05重量%以下であり、
かつ純度が99.0重量%以上の純アルミニウム層がイ
ンサートされた複層鋼板の組を少なくとも1組以上積層
したことを特徴とする複層鋼板。 - 【請求項2】 クロムの含有量が6.0重量%以下であ
る、鉄系金属層とマグネシウムを0.2〜6.0重量%
含むアルミニウム系金属層が交互に積層された複層鋼板
において、クロムの含有量が6.0重量%以下である、
鉄系金属層とマグネシウムを0.2〜6.0重量%含む
アルミニウム系金属層との間に、クロムを11.0〜3
2.0重量%含有する鉄系金属層がインサートされた複
層鋼板の組を少なくとも1組以上積層したことを特徴と
する複層鋼板。 - 【請求項3】 目付量5〜100mg/m2のクロム膜
が被覆された、クロム含有量が6.0重量%以下であ
る、鉄系金属層と、マグネシウムを0.2〜6.0重量
%含有するアルミニウム系金属層とが交互に積層された
複層鋼板の組を少なくとも1組以上積層したことを特徴
とする複層鋼板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25531993A JPH0789007A (ja) | 1993-09-20 | 1993-09-20 | 耐剥離性に優れる複層鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25531993A JPH0789007A (ja) | 1993-09-20 | 1993-09-20 | 耐剥離性に優れる複層鋼板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0789007A true JPH0789007A (ja) | 1995-04-04 |
Family
ID=17277136
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25531993A Withdrawn JPH0789007A (ja) | 1993-09-20 | 1993-09-20 | 耐剥離性に優れる複層鋼板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0789007A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102259446A (zh) * | 2011-01-10 | 2011-11-30 | 无锡美誉金属复合新材料有限公司 | 双面金属复合板 |
CN103331962A (zh) * | 2013-06-24 | 2013-10-02 | 无锡美誉金属复合新材料有限公司 | 双面金属复合板 |
CN104191719A (zh) * | 2014-09-10 | 2014-12-10 | 佛山市昆柳盛复合材料有限公司 | 一种钢基复合板及其加工方法 |
CN108302260A (zh) * | 2017-12-21 | 2018-07-20 | 安徽中电气有限公司 | 一种铝塑复合管及其加工方法 |
-
1993
- 1993-09-20 JP JP25531993A patent/JPH0789007A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102259446A (zh) * | 2011-01-10 | 2011-11-30 | 无锡美誉金属复合新材料有限公司 | 双面金属复合板 |
CN103331962A (zh) * | 2013-06-24 | 2013-10-02 | 无锡美誉金属复合新材料有限公司 | 双面金属复合板 |
CN104191719A (zh) * | 2014-09-10 | 2014-12-10 | 佛山市昆柳盛复合材料有限公司 | 一种钢基复合板及其加工方法 |
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