JP2841091B2 - 平坦薄板材の取扱い装置 - Google Patents

平坦薄板材の取扱い装置

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JP2841091B2
JP2841091B2 JP1321594A JP32159489A JP2841091B2 JP 2841091 B2 JP2841091 B2 JP 2841091B2 JP 1321594 A JP1321594 A JP 1321594A JP 32159489 A JP32159489 A JP 32159489A JP 2841091 B2 JP2841091 B2 JP 2841091B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は、特にシート状の金属板等の、各種の平坦薄
板材(以下シートと称する)の取扱い装置(以下マニピ
ュレーターを称する)に関する。
〔従来の技術〕
工作機内で工作物に種々の姿勢をとらせることが必要
な、機械工作の分野で、マニピュレーターが種々の形で
広く利用されている。
このようなマニピュレーターは、工作物に対し強力な
加速を行い得るものであることが必要であり、従ってそ
れらの把持器は工作物を強固確実に把持し得るクランプ
又はペンチの形状及び機能を有している。平坦なシート
の取扱いを行うマニピュレーターの場合、クランプは、
シートの縁部近傍部分でシートを把持する。
公知のように、平坦シート用にマニピュレーターはひ
とつ或いはふたつの直交軸を有し、それらの各軸に沿っ
て、把持器が、該当軸に沿ってシートに要求される最大
運動行程(ストローク)に等しいストローク或いは把持
したシート縁部に平行な軸に沿って比較的に短いストロ
ークを運動し得るようになっており、更に必要時には、
シートを一時離し、該当軸に沿って後退し、シートを再
び把持してそれと共に再び前進運動を行う、いわゆる
「運び直し」運動も行い得るようになっている。
しかし、シートが大寸法のものである場合或いは要求
される運動ストロークが長径である場合には、マニピュ
レーターが大寸法でなければならず或いはそれが「繰返
し設定」を一回或いはそれ以上行い得るものでなければ
ならないという問題があった。前者、即ちマニピュレー
ターが大型となる場合、それは高価で、大重量となり、
かさばり、作動が遅くまた堅牢度に問題を生じる。後者
の場合には、クランプを開く作動、復帰ストローク再び
クランプを再び閉じる作動に時間がかかりまたそれらの
正確さが失われる。
〔発明の目的、構成及び作用効果の概要〕
当該技術分野の上述現状にかんがみ、本発明の目的
は、ひとつ又は行うべき運動のストローク寸法が小径で
あると共にそれぞれに異るふたつの運動軸を有し、軽量
であると共に堅牢であり、「繰返し設定」を行うことな
しにシートを、その把持された縁部に平行な軸に沿って
無限ストロークに運動させ得るマニピュレーターを実現
することである。
本発明によれば、この目的は、少なくもひとつの直線
部を有する閉鎖環路を形成するコンベヤ装置と、このコ
ンベヤ装置により閉鎖環路に沿って運ばれる一連の把持
器とを設け、把持器をコンベヤ装置と一体的な固定部
と、コンベヤ装置の運動方向に直交する方向で、固定部
に関し離反及び接近運動を行って把持器を開閉させるよ
うに固定部に接続させた可動部から構成し、閉鎖環路の
直線部において把持器の開閉制御を行う制御手段を設け
たことを特徴とするシートのマニピュレーターを提供す
ることにより達成される。
それぞれの方向において、直線部の開始部位で各把持
器又はクランプはシートの縁部の一部を把持し、この時
上記のものと同じ直線部に沿って運動状態にある他の把
持器と共働してシートに対応直線運動を行わせることが
出来るようになっている。直線部の終端部において、各
把持器は再び開き、シートの縁部を解放するが、シート
は、閉鎖環路の復帰回路への運動を開始する把持器に次
々ととって代わる後続の把持器により把持され運動し続
け得るようになっている。
このため、本発明のマニピュレーターは、長さが制限
され、また従って軽量であり、堅牢で、寸法が比較的に
小さくまた比較的廉価なものでありながら、非常に大き
な長さ、実際には無限長の、平坦なシートを直線軸に沿
って運動させることが出来る。
直交軸に沿う第2の方向の運動は、対応把持器を備え
たコンベヤ装置を、この第2の方向に運動可能なキャリ
ッジに設けることにより行い得ることは当然である。
〔実施例〕
以下、添付図面を参照して、本発明の2実施例につき
詳細な説明を行うが、これらの実施例は本発明の限定を
意味するものではない。
第1図、第2図、第3図及び第4図に示される、本発
明の1実施例にかかわるマニピュレーターは、床1上に
主ハウジング2を有し、その周囲をめぐってコンベヤ装
置3、即ち本例においては鎖コンベヤ装置3が設けられ
ていて、それが、垂直軸構成の2個のピニオン4及び5
の間にふたつの平行な直線部(第1図)を有する閉鎖環
路を形成している。ピニオン4は固定軸を有する駆動ピ
ニオンであり、ピニオン5は遊び(アイドル)ピニオン
であって、その軸は、ピニオン4及び5の軸を通る面内
でピニオン5の軸自体と平行な方向に運動可能であっ
て、ばね6により付勢されて鎖コンベヤ3に引張りを与
えると共に、鎖コンベヤ3の運動に起因するピニオン4
及び5の中心同志間の距離の変動を補償するようになっ
ている。
鎖コンベヤ3は、多数の薄い条片(ストリップ)を束
ねて合体させて形成した一連の単リンク7及び8と、そ
れらと交互に配され、板9及び鎖コンベヤ3に沿って配
設された一連の把持器又はクランプ11のケース又は固定
部10から形成されたリンク(コンプレックス・リンク)
とから構成されている(第1図、第3図及び第4図)。
短径のピボット対12及び12と長径のピボット対13及び13
が交互に配されていて、鎖コンベヤ装置3の各種リンク
の関節運動が可能となっている(第4図)。これらのピ
ボット12及び13には、遊びブシュ41及び42が設けられて
いて(第2図、第3図及び第4図)、それらにより鎖コ
ンベヤ3をピニオン4及び5の歯に係合させるようにな
っている。ピボット13に設けたころ部材又は軸受け43
が、それに隣接する主ハウジング又はケース2の面上に
転動して(第3図)、いずれかの理由により生じる横断
方向運動に起因する慣性及び摩擦力を逃すようにしてい
る。
上記のケース10が把持器11の固定部即ち固定ジョーを
形成するが、把持器11また固定ジョー10に関し上昇及び
下降駆動される可動ジョー(又は可動部)14も有してい
る。可動ジョー14の運動は、後続ピン対15及び15(第1
図及び第3図)がばね16(第1図及び第3図)の力に抗
して滑動することにより行われる。なお、ばね16は、接
続ピン15及び15を固定ジョー10から最大距離の部位に保
持しているものである(第2図及び第3図)。
固定ジョー10は、それらの頂部に、取扱い或いは送り
対象物であるシートを把持するための鋭い突起17が形成
されており、鎖コンベヤ装置3の直線部に沿う部位で、
遊びころ18を介して、床1に固定された1対の平行な直
線状の下方カム19及び20(第1図及び第3図)に接触
し、それらの面上を滑動するようになっている。
下方カム19は、第4図に示されるように、その両端部
が下降する輪郭形状(プロフィル)を有しており、後述
の目的のため、その面上にはまた長径のピボット即ち関
節ピボット13の底端部も接触させてある(第3図及び第
4図)。これらピボット13の頂端部は、主ハウジング2
に形成され(第3図)、端部が下降する輪郭形状を有す
る直線状のみぞ穴部又はカム21(第4図)に係合させて
ある。
把持器又はクランプ11の可動ジョー14には、遊びころ
22が設けられており、鎖コンベヤ装置3の運動路のふた
つの直線部の1方(下方カム19の上方に位置した部分)
において、これらのころ22は、ばね16により支持され、
端部が上昇する輪郭形状の直線状の上方カム23の面上に
転動するようになっている(第2図及び第3図)。
第2図に示されたように、上方カム23は1本以上のピ
ン24により支持され、主ハウジング2の上方部分を滑動
し、またばね25により支持されている。更に、カム23
は、ハウジング2の比較的に大寸法の、直線状の座部27
に滑動自在でまた回転自在の円筒状の継手28に支持され
た平行なピン26にも固定されている。もう1本のピン29
が、主ハウジング2の比較的に大寸法の直線状の座部30
内及び回転自在の円筒状の継手31内に滑動自在に支承さ
れ、また、カム23内に回転自在に設けられたもうひとつ
の円筒形の継手32に固定されている。
ばね25の力に抗して、カム23は、制御作動器35を備え
た。それぞれのソレノイド弁34により制御される小型の
複数の水圧シリンダ33により、下方に駆動されるように
なっている。
以下、図示したマニピュレーターの実施例の作動につ
き説明を行う。
取扱い対象シートの無い状態時、カム又は上方カム23
は、ばね25により第2図及び第3図に示される上昇位置
に保持されており、また全ての把持器又はクランプ11の
上方のジョー、即ち可動ジョー又は可動部14も、鎖コン
ベヤ装置3が運動中であると停止中であるとにかかわら
ず、開位置に上昇されている。
鎖コンベヤ3が停止状態にある時、下方カム19及び上
方カム23の間にある鎖コンベヤ3の直接部分に沿って位
置したクランプ11の下方ジョー即ち固定ジョー10と上方
ジョー即ち可動ジョー14の間にシート、例えばシート状
金属板36が導入されると、小型の水圧シリンダ33が作動
してカム23を下降させ、クランプ11の上方ジョー14を下
方に運動させてシート36を同じクランプ11の下方ジョー
10に圧接させ、これによりシートは鋭い突起17により把
持される。
モータにより駆動される駆動ピニオン4により鎖コン
ベヤ装置3が運動させられると、それぞれの閉じたクラ
ンプ11はカム23の上方にテーパ形状の終端部近傍に達
し、そこで、ばね16の作用により、クランプの上方ジョ
ーのシートとの接触が解除される。
これと同時に、これもテーパ形状の直線部の始端部に
入る開姿勢の各クランプ11はそれ自身で作動を行い、そ
の上方ジョー14が下方に運動し、シートに圧接する。カ
ム23の下方に位置したクランプ11の全てがシートを把持
し、それを直線運動路に沿って移動させる。
カム23は対称形状であるから、鎖コンベヤ装置3の運
動方向を反転させると、シートの移動方向も反転し、上
記の説明においてシートを解放した直線部の終端部にお
いてクランプ11が、次々と直線部に入ることになる。
把持器即ちクランプ11の開き運動、即ち下方ジョー10
に関する上方ジョー14の上昇運動は、完全には平坦では
ないシート又はシート状金属板の初期把持が可能となる
よう数ミリメートルにおよぶものであることが必要であ
る。
良好な把持を実現するために、下方ジョー即ち固定ジ
ョー10には鋭い突起17が形成されており、このためこれ
らのジョーもまた、直線運動路部を離れる前にシートの
下表面から離れ、この表面にかき傷を発生させてシート
に損傷を与えることのないよう離反運動が可能でなけれ
ばならない。しかし、下方ジョー10の垂直運動ストロー
ク(行程)は上方ジョー14のそれに比較しはるかに小さ
なものである。これは、下方ジョー10はシートから引離
されるならばそれで充分であるからであり、またこの運
動は隣接2個のクランプ11及び11間の単リンク7及び8
の弾性を発揮させることにより行うことが出来る。これ
らの単リンクは、みぞ穴部21が形成されているため、鎖
コンベヤ装置3の運動路の直線部の一又は他端部におい
て発揮されるクランプ11に加えられる力により曲げられ
るように構成されており、みぞ穴部21は下方カム19と共
にカムとして作用するものであり、また下方カム19は、
この目的のため、他の下方カム20対し主ハウジング2の
反対側のクランプ11の復帰路上に位置した下方カム20
(第3図)の幅よりも大きな幅を有している。上記のみ
ぞ穴部即ちカム21とカム19上に、クランプ11の固定ジョ
ー10に固定された長径のピボット13の端部が滑動するよ
うになっている。上記の単リンク7及び8が可撓性を有
すると同時に強力な加速により大寸法のシートを移動さ
せるのに必要なけん引力を伝達し得るものとするため
に、既述のように、それらは束の状態に合体させた多数
の薄い条片(ストリップ)により形成されている。
上方カム即ち閉じカム23がクランプの上方ジョー14自
体に作用する部位である直線運動路部に沿って配設され
た一連のクランプの一部のもののみにシートが挿入され
るのに過ぎないのであるから、カム23を上方ジョー14の
小型のころ22を圧接させる小型の水圧シリンダ33は、好
ましくは、直線運動路部で係合状態となる把持器即ちク
ランプ11の数と同数のソレノイド弁34から作動油の供給
を受けるように、構成し、各ソレノイド弁34が、クラン
プ11の上方ジョー14がシートを押圧している時にのみ水
圧シリンダ33を加圧状態とするように構成する。
上方カム23を、シートの厚み上のばらつき及び各クラ
ンプ11の寸法上のばらつきに適合可能とするために、こ
のカムは垂直方向並進運動が可能であることに加えて、
円筒形の継手28及び31の周囲に回転自在としてあり、ま
たこの目的のため、滑動ピン26及び29に関し座部27及び
30が遊びを有するように構成してある(第2図)。この
構成によれば、継手28及び31の軸周囲のピン26及び29の
滑動運動が相異なるものとなり得るため、カム23自体が
種々の傾斜姿勢をとり得る。
第5図、第6図及び第7図に示された、本発明の他の
実施例にかかわるマニピュレーターは、基部51上に設け
られた主ハウジング52を有し、その周囲に、本例におい
てはベルトコンベヤ装置から成るコンベヤ装置53が巻囲
されていて、それが垂直軸を有するふたつのピニオン54
及び55間に平行な直線部を有する閉鎖環路を形成してい
る。ピニオン54は固定軸を有する駆動ピニオンであり、
ピニオン55は、遊びピニオンであって、その軸はピニオ
ン54及び55の軸を通る面内でピニオン55の軸自体を平行
な方向に運動可能で、公知方法によりベルトコンベヤ装
置53に引張りを与えるように駆動される。
ベルトコンベヤ装置53は、内歯57を有する種類のもの
であって(第6図)、その運動が駆動ピニオン54のそれ
と完全に同期するようになっている。このコンベヤ装置
53は、ピニオン54及び55に面する内歯57に加えて、その
反対側面に一定数の外歯58も有している。これらの外歯
58は等間隔に隔設されているが、そのピッチは内歯57の
それよりも長くなっている。外歯58は、それらと同様の
把持器又はクランプ61をベルトコンベヤ装置53に固定す
るために利用される(第5図、第6図及び第7図)。
各クランプ61は、外歯58と、内歯57に代わる金属歯59
とによりベルトコンベヤ装置53に固定されたハウジング
(又は支持ケース)62により構成されるが、金属歯59
は、ハウジング62中にくい込みベルトコンベヤ装置53の
ベルトを金属歯59とハウジング62自体の間に保持するボ
ルト60により固定されている(第6図)。
各ハウジング62の項端部及び下端部には、それぞれ垂
直軸を有し、それぞれ主ハウジング52の溝65及び66内に
回転する2個のころ63,63及び2個のころ64、64が回転
自在に軸支されている。各ハウンジング62の下端部には
また水平軸を有するころ67も回転自在に設けられてお
り、主ハウジング52の軌道68上を転動するようになって
いる。ころ63及び64は、クランプ64に加えられる水平方
向の力を支承し、他方ころ67はクランプ61自体の重量を
支承する。主ハウジング52の軌道70上に転動する、垂直
軸を有するころ69が小型のブロック部材71に回転自在に
軸支されているが、このブロック部材71は、クランプ61
のハウジング62に植設された2本の水平方向の円筒状の
ピン56,56により案内され(第7図)、またハウジング6
2に一端部を支承された2個のばね72,72により軌道70に
向う方向に付勢されている。ころ69は、ばね72と共に、
ころ63及び64を溝65及び66の外側表面73及び74に対し押
圧する機能を有する。
各ハウジング62には、クランプ61の可動部又は可動ジ
ョー72が軸120により軸支されており、このジョー75
に、ハウジング62の凹所78内に軸を平行かつ並設させた
2個の水圧シリンダ77のピストン76が作用するようにな
っている。水圧シリンダ77を収めた凹所78は、穴79,80
及び81によりクランプ61の外部に連通させてある。可動
ジョー75を一体的な2本のピボット82,82が、ばね83
に、ハンウジング62に固定された控えジョー又は固定ジ
ョー84とにより、またピストン76がそれらの座部77に収
まることにより、可動ジョー75から離れる方向に押動さ
れる、ばね83とピボット82の間に、部片105が配されて
いるが、この部片の円筒部106ばね83内に滑動する一
方、その穴あけ部107でピボット82により支持されるよ
うになっている。この部片105は、可動ジョー75の支持
軸を中心とする回転時にも、ピボット82に関するばね83
の位置を一定に保つ機能を有する。
駆動軸54と同軸かつそれと一体的にピンオン85が設け
られており(第5図)、これが歯付きベルト86を介し、
コンベヤ装置53により形成されただ円形の環路の中心に
配したブシュ89内に回転自在のフランジ付きブジュ88と
一体構成のプリー87に運動を伝達するようになってい
る。ふたつのブシュ88及び89は、主ハウジング52の水平
面90上を、それらの軸と水平な方向に滑動可能である
が、環91により正確な位置に保持される。環91は、ねじ
92により、水平面90から離れるそれ自体の運動が防止さ
れており、歯付きベルト86と、ねじ92に関し対設した同
軸のねじ93及び94により歯付きベルト86を締め、またブ
シュ89内に植設されたピン95に作用により、その垂直軸
周囲の回転が防止されている(第7図)。
フランジ付きブシュ88の頂面周縁部には、ベルト53と
1体的に設けられたクランプ61と同数のねじ穴96が形成
されている。各ねじ穴96は、穴97、98及び99を通り、ブ
シュ88の円筒形外表面に達している。ブシュ89の円筒形
内表面には、相互に連通しないふたつの溝100及び101が
形状されている。溝100は、ベルト53のふたつの直線部
の1方の内表面に半円部分におよび形成される一方、溝
101は他方の直線部分に面する半円部分におよび形成さ
れている。また、溝100は、加圧作動油源に連通させる
一方、溝101は、加圧の行われない作動油タンクに連通
させてある。従って、ブッシュ88及び89の組立体が、穴
96を作動油の供給とその排出とに交互に接続させる回転
配分器として作動する。
ブッシュ89内でフランジ付きブッシュ88が回転して、
穴99がちょうど1/2回転部分で溝100に連通すると、そこ
に加圧作動油が送られ、残りの1/2回転部分で溝101に連
通して、作動油を作動油タンクへと送ることが出来る。
溝100に関し直径方向に対設状に、補助溝103が形成され
ているが、これは溝100には連通するものの溝99には連
通不能で、回転するフランジ付きブッシュ88の回転を容
易とするよう、このブッシュ88に作用する作動油圧を平
衡させる機能を有する。
各ねじ穴96は、可撓性の油圧接続部材即ち可撓ホース
104により対応クランプ61の穴81に接続してある。この
ホース104により連通させた穴96及び81は、それぞれフ
ランジ付きブシュ88の周縁部とベルト53に固定された一
群のクランプ61に沿い同一の順序で配設されている。
ピニオン85とプリー87の間の伝動比は、ベルト53の回
転毎にフランジ付きブシュ88が一回転を行い、ブシュ88
とベルト53とが同期運動を行う時、相互に接続されたね
じ穴91と穴81の1組がそれらの他の組を追いかける形
で、それらの組が相互に接近しまた離反する運動を交互
に行い、これにより可撓性のホース104が曲げ変形を行
うがそれらがねじれることのないようにすることを可能
とするものである。従って、ふたつの直線運動路の一方
の始端部でピストン76により押動されて各クランプ61の
可動ジョー75が対応控えジョー又は固定ジョー84に接近
を行うことになる。これは、上記一方の直線運動路に沿
って、水圧シリンダ77が、穴79,80,81,ホース104に、ね
じ穴96及び穴97,98,99を介し、加圧下にある溝100に連
通するからであり、また、この可動ジョー75は、直線運
動路の終端部において、上記水圧シリンダ77の溝100へ
の連通が閉ざされると共に油圧を逃す溝101と水圧シリ
ンダ77間の連通が開通されるので、ばね83の作用により
固定ジョー84から隔離される。
ねじ93及び94を操作することにより、ブシュ84の溝10
0及び101の周方向位置を調節し、これによりクランプ61
の開閉作動点を調節することが出来る。
溝100内の油圧を抜くと、すべてのクランプ61が開状
態となり、取り扱い対象のシート36をジョーに対し挿入
することが出来る。
モーター、連結手段(コーディファイア)、駆動ユニ
ット及び制御ユニット等により完成される上述の装置機
構により2軸マニピュレーターのひとつの軸を構成し、
その軸に直交する他軸は公知の方法により構成すること
が可能である。
本発明によるマニピュレーターが、長径のストローク
のクランプを有する他の公知のマニピュレーターに比較
し一層軽量でありまた一層かさばらないものであること
は明らかであろう。更に、シートの移送ストローク及び
その寸法がいかに大であっても、シートを常にクランプ
により把持し得るので、装置の停止及び「繰返し設定」
の必要は全く無くなる。
また、本発明の把持器は、取り扱う平坦薄板材の各種
の厚みや材質のものに対して、シリンダ装置乃至シリン
ダ・ピストン組立装置の押圧力で対応して、把持器の固
定部に対する可動部の押圧力を任意に変化できるので、
各種の厚みや材質の平坦薄板材を確実、強力かつ容易に
把持することができる。
更に、本発明は、把持器とこの把持器を案内するカム
乃至主ハウジングとの間にころ部材を介在させるので、
平坦薄板材を把持した状態の把持器を円滑かつ静かに移
動できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の1実施例にかかわる1軸マニピュレ
ーターの平面図である。第2図は、第1図のII−II線矢
視長手方向垂直断面図である。第3図は、第1図のIII
−III線矢視横断方向垂直断面図である。第4図は、第
1図及び第3図のIV−IV線矢視部分断面である。第5図
は、本発明の他の実施例にかかわる1軸マニピュレータ
ーの平面図である。第6図は、第5図のVI−VI線失視横
断方向垂直断面図である。 第7図は、第6図の右方向から見たクランプを示す部分
側面図である。 1,51……床又は基部、3,53……コンベヤ装置(3……鎖
コンベヤ装置、53……ベルトコンベヤ装置)、10,84…
…固定部、固定ジョー又は下方ジョー(10……ケース、
84……控えジョーとも称す)、11,61……把持器又はク
ランプ、14,75……可動部、可動ジョー又は上方ジョ
ー、21……みぞ穴部又はカム、23……変位手段、カム又
は上方カム、26,27,28,29,30,31,32……姿勢制御手段
(26,29……滑動ピン、27,30……座部、28,31,32……円
筒形の継手)、43……ころ部材又は軸受け、62……支持
ケース又はハウジング、76……ピストン、77……(水
圧)シリンダ、78……凹所、79,80,81,97,98,99……
穴、88,89……ブシュ(88……フランジ付ブシュ)、96
……ねじ穴、100,101……溝、104……可撓性の油圧接続
部材又はホース。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくともひとつの直線部を有する閉鎖環
    路を形成するコンベヤ装置(3)を有する平坦薄板材の
    取扱い装置であって、 上記コンベヤ装置(3)により上記閉鎖環路に沿って運
    ばれる一連の把持器(11)を設け、この把持器(11)を
    コンベヤ装置(3)と一体的な固定部(10)と、コンベ
    ヤ装置(3)の運動方向に直交する方向でこの固定部
    (10)に関し離反及び接近運動を行い、把持器(11)を
    開閉させるように固定部(10)に接続させた可動部(1
    4)とから構成し、 上記閉鎖環路の直線部において把持器(11)の開閉制御
    を行う制御手段を設け、更に上記コンベヤ装置(3)を
    上記把持器(11)の固定部(10)を所定間隔で固定した
    鎖コンベヤ装置(3)で構成し、 かつ上記把持器(11)の開閉制御を行う上記制御手段
    は、上記閉鎖環路の直線部に沿って設けられ把持器(1
    1)の可動部(14)のころ部材(22)に作用して可動部
    (14)を固定部(10)に向かう方向に垂直並進運動させ
    る少なくともひとつのカム(23)と、このカム(23)に
    作用するシリンダ装置(33)とを有することを特徴とす
    る平坦薄板材の取扱い装置。
  2. 【請求項2】把持器(11)の固定部(10)に、コンベヤ
    装置(3)の直線部に加えられる横断方向の力を固定さ
    れた主ハウジング(2)に逃がすようにこの主ハウジン
    グ(2)に形成した溝(21)に作動係合させたころ部材
    (43)を設けたことを特徴とする請求項1記載の平坦薄
    板材の取扱い装置。
  3. 【請求項3】少なくともひとつの直線部を有する閉鎖環
    路を形成するコンベヤ装置(53)を有する平坦薄板材の
    取扱い装置であって、 上記コンベヤ装置(53)により上記閉鎖環路に沿って運
    ばれる一連の把持器(61)を設け、この把持器(61)を
    コンベヤ装置(53)と一体的な固定部(84)と、コンベ
    ヤ装置(53)の運動方向に直交する方向でこの固定部
    (84)に関し離反及び接近運動を行い、把持器(61)を
    開閉させるように固定部(84)に接続させた可動部(7
    5)から構成し、 上記閉鎖環路の直線部において把持器(61)の開閉制御
    を行う制御手段を設け、更に上記コンベヤ装置(53)を
    上記把持器(61)の支持ケース(62)を所定間隔で固定
    したベルトコンベヤ装置(53)にて構成し、 かつ上記支持ケース(62)が把持器(61)の固定部(8
    4)を形成する部分を有すると共にこの把持器(61)の
    可動部(75)を回動自在に支持し、 しかも前記把持器(61)の開閉制御を行う上記制御手段
    は、上記支持ケース(62)により支持され把持器(61)
    の可動部(75)を作動させるシリンダ・ピストン組立装
    置(76,77)と可撓性油圧接続部材(104)とを有し、こ
    の可撓性油圧接続部材(104)により前記シリンダ・ピ
    ストン組立装置(76,77)と、前記閉鎖環路の直線部に
    おけるベルトコンベヤ装置(53)の1回転運動の都度1
    回転して、可撓性油圧接続部材(104)を作動油の加圧
    供給に連通させる回転配合器(88,89)とを連通させた
    ことを特徴とする平坦薄板材の取扱い装置。
  4. 【請求項4】固定された主ハウジング(52)と、この主
    ハウジング(52)に関し運動する支持ケース(62)を案
    内するガイド手段とを有し、このガイド手段は、支持ケ
    ース(62)によって回転自在に支持されかつ固定された
    主ハウジング(52)に形成された上下の溝(65,66)内
    を回転する垂直軸を持つ上下のころ部材(63,64)から
    成ることを特徴とする請求項3記載の平坦薄板材の取扱
    い装置。
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