JP2840217B2 - ケーブル接続部のシール構造及びそれに用いられるケーブルシール部材 - Google Patents

ケーブル接続部のシール構造及びそれに用いられるケーブルシール部材

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JP2840217B2
JP2840217B2 JP10399896A JP10399896A JP2840217B2 JP 2840217 B2 JP2840217 B2 JP 2840217B2 JP 10399896 A JP10399896 A JP 10399896A JP 10399896 A JP10399896 A JP 10399896A JP 2840217 B2 JP2840217 B2 JP 2840217B2
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は、通信用の光ケー
ブルの接続部の保護のためケーブルクロージャーを用い
て気密保持機構としたケーブル接続部のシール構造及び
それに用いられるケーブルシール部材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、通信用の光ファイバケーブル同士
の接続部の保護のため、気密保持構造を備えた図7に示
すクロージャ30が使用されている。このクロージャ3
0は、光ケーブル8の接続部を保護するためのものであ
り、クロージャ30には、符号25で示されるスリーブ
と呼ばれる略円筒状の樹脂製筐体と、端面板5及びケー
ブル把持金具6(図6参照)が設けられている。さら
に、水の侵入等を防止して気密性を保持するため、スリ
ーブ25、25…間、スリーブ25と端面板5との間、
端面板5と光ケーブル8との間に、粘着性を有する加硫
ゴム製の端面板ガスケット24やスリーブガスケット
(図示せず)が設けられるとともに、非弾性非加硫ゴム
等によって形成されるエアタイトテープ7や合わせ目シ
ール材7a(図6参照)等のシール材が装填されてい
る。
【0003】特に、端面板5の周辺部は、気密保持機構
として重要である。図6に、端面板5の周辺部の詳細な
構造を示す。まず、エアタイトテープ7は、光ケーブル
8の外周に巻き付けられた形態で取り付けられる。この
エアタイトテープ7は、シール材21、ゴムテープ2
2、シーリングテープ23から構成されるものである。
まず、シール材21は、光ケーブル8とゴムテープ22
とを接着する機能を持ち、ゴムテープ22は、非弾性非
加硫ゴムの短冊状のシートから形成されており、光ケー
ブル8に何層かにわたって、巻き付けられる。この巻き
付け作業は、端面板5の大きさに適合するようになされ
る。所望の厚さにゴムテープ22が巻き付けられた後、
シーリングテープ23によって、ゴムテープ22が光ケ
ーブル8に固定される。
【0004】その後、ケーブル把持金具6が、エアタイ
トテープ7に沿った形態で、光ケーブル8に取り付けら
れ、ケーブル把持金具6及びエアタイトテープ7が端面
板5によって、上下から密着固定されるように、六角穴
付ボルト9が、締め付けられる。この際に、上記のゴム
テープ22を含むエアタイトテープ7が加圧され、光ケ
ーブル8と端面板5の気密状態が確保される。すなわ
ち、ゴムテープ22が何層巻き付けられているか、どの
ように巻き付けられているかによって、気密状態が決ま
る。また、このようにして加圧すると、光ケーブル8そ
のものの形状の真円性の不均一や外径の不揃い、及び、
ケーブル敷設作業時に生じる光ケーブル8の外皮の擦傷
など、凹凸や変形を吸収することが可能である。
【0005】その他にも、従来の光ケーブル接続部のシ
ール構造として知られているものとして、特公平6−6
7096号公報及び特表平4−502548号公報に記
載されたものがある。
【0006】まず、特公平6−67096号公報に開示
されているものとして、円柱状のゲル材40にレーザ
ーにより種々の切込みを入れて形成した交差するスリッ
ト41にケーブルを挿入する構造になっているものであ
り、このスリット41の幅は、収容ケーブルの予想最大
直径よりも大きくなるように、形成されるもの(図8参
照)、円筒状のゲル材50にケーブル予想直径よりも
小さい直径の、軸方向に貫通した空洞51を設けるとと
もに、ゲル材50の軸方向に分割部の幅がゲル材50の
半径の大きさになるようなスリット52を有するもの
(図9参照)、円柱状のゲル材を半割状のゲル材6
0、60の内部のみに形成された軸方向の空洞61の両
末端部が封止状態になっていて、光ケーブルをゲル材6
0、60に挿入する場合に、両末端部をナイフ等の適当
な道具で切り裂いて使用するもの(図10参照)、円
柱状のゲル材70の外周に軸方向に2本のクランプ7
1、71を設けたもの(図11参照)等が挙げられる。
【0007】次に、特表平4−502548号公報に開
示されているものとして、図12に示すシーリング構造
のものがある。ゲル組成物のようなシーリング物質81
が取り付けられたケーシング80a及び80bに、ネジ
82が締め付けられると、ケーシング80aとケーシン
グ80bとが一体になる。それにより、シールされる基
材が通される穴が形成され、この穴に、シールされる基
材が装着されるものである。なお、凹部83a、83b
が形成されていてもよい。また、シーリング構造とし
て、図13に示すような、シーリング物質81がケーシ
ング80a及び80bの外周面を覆うように形成される
ものも開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の、図6に示す光ケーブル接続部のシール構造に
あっては、ゴムテープ22を何層にもわたって巻き付け
るため、作業性が悪く、作業に熟練が必要とされるとい
う問題点が指摘されている。また、工事終了後に再び工
事を行う場合には、逆に、エアタイトテープ7のゴムテ
ープ22を剥す作業が必要となり、解体作業が困難であ
るという問題点も指摘されている。さらに、光ケーブル
8にきつく巻き付けても、時間が経過するにつれて、巻
が緩くなるため、光ケーブル8を曲げたり振動させたり
すると、密着性が悪くなるという問題点も指摘されてい
る。
【0009】また、光ケーブル8の外径をいろいろ変化
させようとして、ゴムテープ22を何層巻けば丁度良い
かに神経を使うとともに、巻足りなければシール性が悪
くなるし、巻きすぎると、うまくクロージャ30に装着
できず、作業がしにくいという問題点も指摘されてい
る。
【0010】また、図8に示すシール構造にあっては、
交差するスリット41を設けたり、図10に示すシール
構造にあっては、空洞の末端部分の封止状態になってい
る部分にナイフ等で切り裂きを設けたりしなければなら
ず、上述と同様に、作業性が悪く作業に熟練が必要とさ
れる。さらに、図9及び図11に示すシール構造にあっ
ては、均一なゲル材が内部に充填されただけのものであ
る。
【0011】図12及び図13に示すものは、シーリン
グ物質81をケーシング80a、80bに取り付ける場
合に、作業性が悪く、また、解体作業を行う場合に、シ
ーリング物質81を取り外す作業が困難であるという問
題点が指摘される。本発明は、上記の問題点を解決する
ためになされたものであり、その目的とするところは、
取り付け及び解体等の作業性がよく、かつ、光ケーブル
外径の変化に対応しながら気密状態の良好なケーブル接
続部のシール構造及びそれに用いられるケーブルシール
部材を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のケーブル接続部のシール構造にあっては、
光ケーブルをゲル状シール部材の挿通孔に装着し、前記
ゲル状シール部材の外周面にはケーシング部材を被着す
るとともに、該ケーシング部材の内周面に設けられる弾
性部材により前記ゲル状シール部材を前記光ケーブル面
に押圧してなることを要旨とするものである。これによ
れば、前記ケーシング部材の内周面に設けられる前記弾
性部材が前記ゲル状シール部材を前記光ケーブル面に押
圧するので、該光ケーブルが前記ゲル状シール部材に密
着固定され、該ケーシング部材の内部の気密状態が高め
られる。
【0013】その場合に、前記弾性部材は、前記ケーシ
ング部材の一方の内端縁から他方の内端縁に向けて前記
光ケーブルの軸方向に半筒状に形成された樹脂材料によ
る複数の弾発片により構成されていることが望ましい。
また、前記弾性部材は、前記ケーシング部材の一方の内
端縁から他方の内端縁に向けて前記光ケーブルの軸方向
に弓状に形成された樹脂材料による複数の弾発片により
構成されていてもよい。 これによれば、前記弾性部材
は、前記ゲル状シール部材を前記光ケーブルに押圧す
る。そのため、前記ゲル状シール部材は、前記光ケーブ
ルの外径の変化に応じて変形する。
【0014】また、前記ゲル状シール部材は、前記ケー
シング部材の外周面に装着されていることが望ましい。
これによれば、前記ケーシング部材とケーブルクロージ
ャーに設けられる端面板とは、前記ゲル状シール部材を
介して密着固定される。
【0015】ケーブルシール部材は、光ケーブルが挿通
されるゲル状シール部材と、該ゲル状シール部材の外周
面に被着されるケーシング部材とからなり、前記ケーシ
ング部材の内周面には前記ゲル状シール部材を前記光ケ
ーブルに押圧する弾性部材が設けられていることを要旨
とするものである。これによれば、前記光ケーブルに前
記ケーブルシール部材が装着されると、前記弾性部材が
前記ゲル状シール部材を前記光ケーブルに押圧する。こ
のとき、前記ゲル状シール部材は変形し、ケーブルシー
ル部材の内部の気密状態が確保される。
【0016】その場合に、前記弾性部材は、前記ケーシ
ング部材の一方の内端縁から他方の内端縁に向けて前記
光ケーブルの軸方向に半筒状に形成された複数の弾発片
により構成されていることが望ましい。また、前記弾性
部材は、前記ケーシング部材の一方の内端縁から他方の
内端縁に向けて前記光ケーブルの軸方向に弓状に形成さ
れた複数の弾発片により構成されていてもよい。これに
よれば、前記弾性部材は前記ゲル状シール部材を光ケー
ブルに押圧する。そのため、前記ゲル状シール部材は、
前記光ケーブルの外径の変化に応じて変形する。
【0017】さらに、前記ケーシング部材は、押し開き
できるように軸方向に割スリットが形成されていること
が必要である。これによれば、前記割スリットを開く
と、前記光ケーブルに前記ケーシング部材を装着するこ
とができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
(1)光ケーブル接続部シール構造 以下に、本発明の第1の実施例を図面を参照して、詳細
に説明する。図1において、10は、樹脂製ケーシング
であり、電柱架線の光ケーブル接続部に使用される。そ
のため、雨水があらゆる方向から侵入してこようとして
も、その雨水が内部に侵入しない構造になっている。こ
の樹脂製ケーシング10は、図3に示すようにして、光
ケーブル接続部に用いられるものである。
【0019】図2は、図1の軸方向の断面図である。図
1及び図2において、ケーシング部材1は、円筒状のも
のであり、軸方向にスリット1aを有している。このス
リット1aの幅は、光ケーブル挿通孔4まで達してい
る。ケーシング部材1の内周面上には、樹脂製バネ2が
設けられている。この樹脂製バネ2は、その内部が空洞
になった半筒状のものであり、ケーシング部材1の内周
面上に6個取り付けられている。取り付けられる向き
は、樹脂製バネ2の円周側が、樹脂製ケーシング10の
中心方向を向く向きである。
【0020】3a、3bは、ゲルタイプシール材であ
り、たとえば、シリコーン等が材料として用いられ、そ
の性質として、小さな応力で変形可能なこと、形状追従
性があること、粘着性があること、高伸度であること等
が挙げられる。ゲルタイプシール材3aは、樹脂製バネ
2の内周側に、光ケーブル挿通孔4を形成し、かつ、樹
脂製バネ2、2…の間の隙間を埋めるように装填され
る。ゲルタイプシール材3bは、その断面が長方形状を
しており、ケーシング部材1の両端の外端縁の外周面に
沿って装着されている。また、ケーシング部材1のスリ
ット1aに沿って半割状態になるように、分割部が設け
られ、スリット1aを構成する。後述する端面板5が取
り付けられると、ゲルタイプシール材3bは、光ケーブ
ル8側から押される力と、ケーシング部材1側から押さ
れる力とによって変形し、ケーシング部材1と端面板5
との間を気密状態にする。
【0021】特に、作業性については、ゲルタイプシー
ル材3a、3bは、通常のゴム材料等に比べて、粘着
性、柔軟性の点で優れている。そのため、上述のように
して、締め付けられると、簡単に変形し、光ケーブル8
の外径の変化に対応する。また、従来のように、ゴムテ
ープ22を何層も巻き付ける必要がないため、締め付け
る力も従来ほど必要ではなく、取り付け及び解体作業を
簡単に行うことができる。防水性も、良好であり、光ケ
ーブル8を曲げてもその動きに追従する。
【0022】次に、図3を参照して、ケーブル接続部の
シール構造について、さらに、説明を続ける。まず、樹
脂製ケーシング10は、光ケーブル8の外周にスリット
1aを開いて取り付けられ、スリット1a、1aが、そ
のものの粘着力により貼合わされる。そのため、ケーシ
ング部材1の外周をシーリングテープなどによって巻き
付けなくてもよい。樹脂製ケーシング10には、上述し
たように、ゲルタイプシール材3a、ゲルタイプシール
材3bが装填されているとともに、樹脂製バネ2が設け
られているため、ゲルタイプシール材3aは、光ケーブ
ル8の外径に応じて適度に変形する。
【0023】その後、ケーブル把持金具6が、樹脂製ケ
ーシング10に沿った形態で、光ケーブル8に取り付け
られ、ケーブル把持金具6及び樹脂製ケーシング10が
上下から密着固定されるように、端面板5が六角穴付ボ
ルト9により、締め付け固定される。この際に、上記の
樹脂製ケーシング10が加圧されて、内部のゲルタイプ
シール材3a、樹脂製バネ2が内部の隙間を埋めるよう
に変形するとともに、ゲルタイプシール材3bは、樹脂
製ケーシング10と端面板5との間の気密状態にする。
【0024】また、このようにして加圧するため、作業
が非常に簡単で、しかも、安全に行うことが可能であ
る。さらに、従来の特性、すなわち、光ケーブル8その
ものの形状の真円性の不均一や外径の不揃い、及び、ケ
ーブル敷設作業時に生じる光ケーブル8の外皮の擦傷
等、凹凸や変形を吸収する性質は、維持されている。
【0025】上述のようにして構成される、ケーブル接
続部のシール構造は、図7に示すクロージャ30の内部
に使用される。このクロージャ30は、光ケーブル8を
保護するためのものであり、スリーブ25と呼ばれる略
円筒状の樹脂製筐体と、端面板5及びケーブル把持金具
6が設けられている。さらに、水の侵入等を防止して気
密性を保持するため、スリーブ25、25…間、スリー
ブ25と端面板5との間、端面板5とケーブル8との間
に、粘着性を有する加硫ゴム製の端面板ガスケット24
やスリーブガスケット(図示せず)が設けられるととも
に、上述の、樹脂製ケーシング10が取り付けられてい
る。
【0026】次に、本発明における第2の実施例を図4
及び図5を参照して説明する。この第2の実施例は、第
1の実施例における樹脂製バネ2を樹脂製バネ12に、
ゲルタイプシール材3aをゲルタイプシール材13a
に、ゲルタイプシール材3bをゲルタイプシール材13
bに置き換えたものである。これらの材質は、同様のも
のが用いられる。また、図3に示す形態で、光ケーブル
8に取り付けられる。この樹脂製バネ12は、弓状に沿
った長方形状をしており、ケーシング部材1の内周面上
に8個設けられており、その材質は、樹脂製バネ2と同
様のものである。図5に、図4の軸方向の断面を示す。
図5の断面図に示すように、樹脂製バネ12の両端は、
ケーシング部材1に密着固定されており、樹脂製バネ1
2の中心部がゲルタイプシール材13aに接触するよう
にされている。
【0027】ゲルタイプシール材13aは、樹脂製バネ
12の内側に、光ケーブル挿通孔4を形成するように装
填される。ゲルタイプシール材13bは、その断面が長
方形状をしており、ケーシング部材1の軸方向の両端の
外周面に沿って装着され、ケーシング部材1のスリット
1aに沿って半割状態になるように、分割部が設けら
れ、スリット1aを構成する。後述する端面板5が取り
付けられる際には、ゲルタイプシール材13bは、光ケ
ーブル8側から押される力と、端面板5側から押される
力とによって変形し、ケーシング部材1と端面板5との
間を気密状態にする。すなわち、第2の実施例において
も、樹脂やゲルの配置の仕方が同様であるとともに、第
1の実施例とその材質は、同様であるため、第1の実施
例と同様、取り付け及び解体作業が簡単になる。
【0028】(2)ゲルタイプシール材3a、3b、1
3a、13bの材質及び評価試験 上述したように、ゲルタイプシール材3a、3b、13
a、13b(以下、単に、「ゲルタイプシール材」とす
る)には、主に、シリコーンが材料として用いられる
が、その他にも、表1のNo.1〜No.5及び表2の
No.6〜No.11のサンプルに示すように、ゲルタ
イプシール材としては、ウレタン系、オレフィン系、ス
チレン系、ゴムなど、さまざまなものが用いられる。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】No.1〜No.11までのサンプルは、
各々、引っ張り強さその他、硬さ、引き裂き、比重とい
った項目について測定がなされ、物性、耐熱性、圧縮永
久歪、耐水性、粘着性、耐候性、材料コストといった項
目について評価試験がなされている。なお、物性、耐熱
性、圧縮永久歪、耐水性、粘着性、耐候性、材料コスト
については、○(良好)、△(普通)、×(不適)によ
って評価がなされている。表1中、( )になっている
ものは、評価中のものであり、その中には、予想される
結果が記載されている。
【0032】まず、物性は、JIS K6301に準じ
たものであり、耐熱性は、70℃雰囲気での物性変化に
よるものである。これは、夏の暑い時などに太陽熱を吸
収して光ケーブル8を含むクロージャー30の内部が高
温になった場合にも耐えることが必要だからである。圧
縮永久歪は、70℃、及び、−20℃において、20%
圧縮した後、168時間おいた後のものについて評価し
たものである。これについても、夏の暑さや冬の寒さ、
特に寒冷地においても使用に耐えることが要求されるか
らである。耐水性は、40℃の水中及び70℃の水中
に、サンプルをおいた後、720時間経過した後の体積
変化について評価したものである。粘着性は、90℃の
環境下において、ポリプロピレンフィルム(PP)フィ
ルムに対するピール剥離試験によって評価したものであ
る。また、耐候性は、キセノンウエザオメータによって
評価したものである。
【0033】表1及び表2中、○印が4つ以上(( )
のものは除く)のものは、No.2、No.3のシリコ
ーンゲルのものと、No.9のスチレン系のものであ
る。しかしながら、No.9のスチレン系のものは、耐
候性がよいのか悪いのか判明しない。表1及び表2によ
れば、No.2及びNo.3のものが良い結果となって
いるが、これらの表に示した他の例もゲルタイプシール
材の材料として適用される可能性がある。たとえば、N
o.9及びNo.10のスチレン系のものや、No.1
1のゴム等はゲルタイプシール材として用いてもよいも
のである。
【0034】しかして、本発明のケーブル接続部のシー
ル構造及びそれに用いられるケーブルシール部材によれ
ば、ケーシング部材1の内側に樹脂製バネ2を設け、こ
れにより光ケーブル8の外周面にゲルタイプシール材3
を密着させたので、シール性が維持される。また、この
ような構成をとったので、光ケーブル8の外径が多少変
化しても、ゲルタイプシール材3は、その変化に応じて
変形するため、シール性が維持されるとともに、気密状
態は確保される。さらに、樹脂製ケーシング10を光ケ
ーブル8に取り付ける際には、ケーシング部材1のスリ
ット1aを開いて装着した後、クロージャ30の端面板
5をネジ締め装着すればよい。そのため、作業が簡単で
ある。
【0035】以上、実施例に基づいて本発明を説明した
が、本発明は、上記実施例に何等限定されるものではな
く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形改良が
可能である。たとえば、上記実施例では、2種類の形態
を示して説明したが、これ以外にもいろいろな形態が考
えられるもので、要は、ケーシング部材の内側にゲル状
シール部材を光ケーブルに対して密着状に押圧するもの
であれば、本発明の趣旨に沿うものである。
【0036】
【発明の効果】本発明によるケーブル接続部のシール構
造によれば、光ケーブルをゲル状シール部材の挿通孔に
装着し、該ゲル状シール部材の外周面にはケーシング部
材を被着するとともに、該ケーシング部材の内周面に設
けられる弾性部材により該ゲル状シール部材を前記光ケ
ーブルに押圧するようにしたので、取り付け及び解体等
の作業性がよく、かつ、光ケーブル外径の変化に対応し
ながら気密状態の良好なケーブル接続部のシール構造を
提供することができる。また、本発明によるケーブル接
続部のケーブルシール部材によれば、光ケーブルが挿通
されるゲル状シール部材と、該ゲル状シール部材の外周
面に被着されるケーシング部材とからなり、該ケーシン
グ部材の内周面には該ゲル状シール部材を前記光ケーブ
ルに押圧する弾性部材が設けられているため、光ケーブ
ル外径の変化に対応しながら気密状態の良好なケーブル
接続部のケーブルシール部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における樹脂製ケーシン
グ10の構造を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施例における樹脂製ケーシン
グ10の断面を示す図である。
【図3】本発明の樹脂製ケーシング10を光ケーブル8
に取り付けた態様を示す斜視図である。
【図4】本発明の第2の実施例における樹脂製ケーシン
グ10の構造を示す斜視図である。
【図5】本発明の第2の実施例における樹脂製ケーシン
グ10の断面を示す図である。
【図6】従来の光ケーブル接続部のシール構造を示す斜
視図である。
【図7】クロージャ30の外観を示す斜視図である。
【図8】従来のケーブル接続部のシール構造を示す斜視
図である。
【図9】従来のケーブル接続部のシール構造を示す斜視
図である。
【図10】従来のケーブル接続部のシール構造を示す斜
視図である。
【図11】従来のケーブル接続部のシール構造を示す斜
視図である。
【図12】従来のケーブル接続部のシール構造を示す斜
視図である。
【図13】従来のケーブル接続部のシール構造を示す斜
視図である。
【符号の説明】
10 樹脂製ケーシング 1 ケーシング部材 1a スリット 2、12 樹脂製バネ 3a、3b、13a、13b ゲルタイプシール材 4 光ケーブル挿通孔 5 端面板 6 ケーブル把持金具 8 光ケーブル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H02G 15/00 - 15/196

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ケーブルの端末同士をケーブルクロー
    ジャーを用いて接続するケーブル接続部のシール構造に
    おいて、 光ケーブルをゲル状シール部材の挿通孔に装着し、 前記ゲル状シール部材の外周面にはケーシング部材を被
    着するとともに、該ケーシング部材の内周面に設けられ
    る弾性部材により前記ゲル状シール部材を前記光ケーブ
    ル面に押圧してなることを特徴とするケーブル接続部の
    シール構造。
  2. 【請求項2】 前記弾性部材は、前記ケーシング部材の
    一方の内端縁から他方の内端縁に向けて前記光ケーブル
    の軸方向に半筒状に形成された樹脂材料による複数の弾
    発片により構成されていることを特徴とする請求項1に
    記載のケーブル接続部のシール構造。
  3. 【請求項3】 前記弾性部材は、前記ケーシング部材の
    一方の内端縁から他方の内端縁に向けて前記光ケーブル
    の軸方向に弓状に形成された樹脂材料による複数の弾発
    片により構成されていることを特徴とする請求項1に記
    載のケーブル接続部のシール構造。
  4. 【請求項4】 前記ケーシング部材の外周面に同じくゲ
    ル状シール部材を装着し、該ゲル状シール部材を介して
    ケーブルクロージャーに設けられる端面板に密着固定さ
    れていることを特徴とする請求項1に記載のケーブル接
    続部のシール構造。
  5. 【請求項5】 光ケーブルが挿通されるゲル状シール部
    材と、該ゲル状シール部材の外周面に被着されるケーシ
    ング部材とからなり、前記ケーシング部材の内周面には
    前記ゲル状シール部材を前記光ケーブルに押圧する弾性
    部材が設けられていることを特徴とするケーブルシール
    部材。
  6. 【請求項6】 前記弾性部材は、前記ケーシング部材の
    一方の内端縁から他方の内端縁に向けて前記光ケーブル
    の軸方向に半筒状に形成された複数の弾発片により構成
    されていることを特徴とする請求項5に記載のケーブル
    シール部材。
  7. 【請求項7】 前記弾性部材は、前記ケーシング部材の
    一方の内端縁から他方の内端縁に向けて前記光ケーブル
    の軸方向に弓状に形成された複数の弾発片により構成さ
    れていることを特徴とする請求項5に記載のケーブルシ
    ール部材。
  8. 【請求項8】 前記ケーシング部材は、押し開きできる
    ように軸方向に割スリットが形成されていることを特徴
    とする請求項5に記載のケーブルシール部材。
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