JP2839962B2 - 強誘電性高分子液晶およびその製法 - Google Patents

強誘電性高分子液晶およびその製法

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JP2839962B2 JP3079318A JP7931891A JP2839962B2 JP 2839962 B2 JP2839962 B2 JP 2839962B2 JP 3079318 A JP3079318 A JP 3079318A JP 7931891 A JP7931891 A JP 7931891A JP 2839962 B2 JP2839962 B2 JP 2839962B2
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弘 淡路
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オプトエレクトロニク
ス分野、とくに表示素子、光記録媒体、非線形光学素子
などの分野に有用な、常温付近でも強誘電性を示し、電
場に対する応答が速くて動画表示が可能であり、かつ、
大画面や屈曲画面の表示素子として有利に使用しうる新
規な光学的に活性な強誘電性高分子液晶およびその製法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、液晶は代表的な表示材料とし
て知られており、時計、電卓、小型テレビジョン、パー
ソナルコンピュターのディスプレイなどの分野に使用さ
れている。これらの分野では、通常、従来の低分子液晶
をミクロンオーダーの間隔で2枚のガラス基板の間に挟
んで使用している。
【0003】しかしながら、このような間隔の調整は大
画面および曲面画面では実現することができない。
【0004】この問題を解決する一つの手段として液晶
を高分子化し、それ自体を成形可能にすることが試みら
れている(ジャーナル オブ ポリマー サイエンス,
ポリマー レターズ(J. Polym. Sci., Polym.Lett.),
Ed.13,243(1975)、ポリマーブレティン(Polym. Bul
l.),6, 309(1982)、特開昭55-21479号公報など)。
【0005】しかしながら、従来の高分子化した液晶
(高分子液晶)では、電場などの外的因子の変化に対す
る透過光量変化などの応答速度が一般的に遅く、まだ満
足できるものはえられていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来の高分子液晶が有する欠点を克服し、常温付近でも
強誘電性を示し、電場に対する応答が速くて動画表示が
可能であり、かつ、大画面や屈曲画面の表示素子として
有利に使用しうる高分子液晶を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式(I) :
【0008】
【化8】
【0009】(式中、Aは少なくとも2個の炭素原子を
含む4価の基、Bは少なくとも2個の炭素原子を含む2
価の基、Kは1〜30の整数で、2つのkは同じである必
要はない、R1 、R2 は、
【0010】
【化9】
【0011】(ただし、Qは -COO- または -OCO
-、R3 は -COOR4 、-OCOR4 、 -OR4 または
-R4 (R4 は一般式(II):
【0012】
【化10】
【0013】(式中、m、nは0〜9の整数、qは0ま
たは1、R5 、R6 は -CH3 、 -F、 -Clまたは -
CN、ただし、R6 が -CH3 のばあいにはnは0では
ない、
【0014】
【化11】
【0015】は不整炭素原子を表わす))で表わされる
基を表わす)である)で表わされる繰り返し単位を有
し、光学的に活性な強誘電性高分子液晶、および一般式
(III) :
【0016】
【化12】
【0017】(式中、Aは前記と同じ)で表わされるテ
トラカルボン酸二無水物と、一般式(IV): R1 O−(CH2 k −OH (IV) (式中、R1 、kは前記と同じ)および般式(V) : R2 O−(CH2 k −OH (V) (式中、R2 およびkは前記と同じ)で表わされる水酸
基末端化合物とを反応させて一般式(VI):
【0018】
【化13】
【0019】(式中、A、R1 、R2 およびkは前記と
同じ)で表わされるジカルボン酸をえたのち、塩化チオ
ニルなどのハロゲン化剤で処理してえられる一般式(VI
I) :
【0020】
【化14】
【0021】(式中、A、R1 、R2 およびkは前記と
同じ)で表わされるジカルボン酸クロリドを一般式(VII
I): H2 N−B−NH2 (VIII) (式中、Bは前記と同じ)で表わされるジアミンと重縮
合させることを特徴とする前記高分子液晶の製法に関す
る。
【0022】
【実施例】本発明の強誘電性高分子液晶は、一般式(I)
【0023】
【化15】
【0024】で表わされる繰り返し単位を有する。
【0025】前記一般式(I) におけるAは、少なくとも
2個の炭素原子を含む4価の基である。Aの具体例とし
ては、たとえば
【0026】
【化16】
【0027】(R7 は、
【0028】
【化17】
【0029】である)、
【0030】
【化18】
【0031】などをあげることができる。
【0032】前記一般式(I) におけるBは、少なくとも
2個の炭素原子を含む2価の基である。Bの具体例とし
ては、たとえば
【0033】
【化19】
【0034】(R7 は前記と同じ)、
【0035】
【化20】
【0036】
【化21】
【0037】などをあげることができる。
【0038】一般式(I) におけるR1 およびR2 は、そ
れぞれ
【0039】
【化22】
【0040】(式中、Qは -COO- または -OCO-
であり、R3 は -COOR4 、-OCOR4 、 -OR4
または -R4 )である。
【0041】R4 は一般式(II):
【0042】
【化23】
【0043】で表わされる基である。
【0044】一般式(II)において、mおよびnはそれぞ
れ0〜9の整数を表わす。また、qは0または1であ
る。
【0045】R5 およびR6 は、それぞれ -CH3 、 -
F、 -Clまたは -CNである。ただし、R6 が -CH
3 のばあいには、nは0ではない。また、
【0046】
【化24】
【0047】は不整炭素原子を表わす。
【0048】R1 、R2 の具体例としては、たとえば
【0049】
【化25】
【0050】
【化26】
【0051】などをあげることができる。
【0052】一般式(I) で表わされる繰り返し単位の好
ましい具体例としては、たとえば
【0053】
【化27】
【0054】で表わされる繰り返し単位があげられる。
【0055】本発明の高分子液晶の数平均分子量は通常
4,000 〜1,000,000 の範囲である。分子量が4,000 未満
では該高分子液晶のフィルムや膜としての成形性に支障
が生じるばあいがあり、一方、1,000,000 をこえると応
答速度が遅いなどの好ましくない効果が現われることが
ある。数平均分子量のとくに好ましい範囲は、通常8,00
0 〜400,000 である。数平均分子量がこの範囲内にある
ものは機械的製膜法を用いたばあいにも製膜性が良好で
あり、延伸倍率を高めることができ、その結果、高分子
液晶中の液晶ユニットの配向度を高めることができ、と
くにコントラスト比を向上させることができる。
【0056】本発明の高分子液晶は、光学的に活性であ
り、かつ、強誘電性を有する。
【0057】前記光学的に活性であるとは、その物質の
中を直線偏光が進行する際、偏光面が回転する性質であ
り、旋光性ともいう。また偏光面の回転の角度を旋光度
で表わす。本発明の高分子液晶の旋光度は
【0058】
【数1】
【0059】のごとき値を有する。
【0060】本発明の高分子液晶が光学的に活性である
ため、当該材料が強誘電性を示す。
【0061】また、前記強誘電性を有するとは、電場の
印加なしに自発分極が存在し、この分極が電場の印加に
より反転可能な性質のことであり、本発明の高分子液晶
は、たとえば自発分極がPs=10〜20nCのごとき値を
有する。
【0062】本発明の高分子液晶が強誘電性を有するた
め、自発分極が存在し、電場を印加するとこの分極が高
速で反転し、光透過のスイッチングが可能になる。また
メモリー性も有する。
【0063】このような本発明の高分子液晶は、その相
転移温度の測定から、カイラルスメクチックC層液晶状
態が常温付近の温度で実現することが確認されている。
【0064】本発明の高分子液晶は、通常の製膜法、た
とえばキャスティング法、延伸法などによって厚さ数μ
m〜数十μmのフィルムに形成して用いることができ
る。フィルム状の高分子液晶は、2枚の通常のガラス基
板はもとより、大型のガラス基板、曲面状のガラス基
板、ポリエステルフィルムなどの間に挟んで液晶ディス
プレイ、電気光学シャッターなどの種々のオプトエレク
トロニクスの分野に利用することができる。また適当な
溶媒に溶解した高分子液晶溶液をガラス基板面などの基
板面に塗布し、溶媒を蒸発させることによって、直接基
板面上に密着した状態でフィルム化することもできる。
【0065】本発明の高分子液晶はスメクチック相を発
現する液晶性と、成形が容易であるという典型的なポリ
マーの性質とを併有しているため、オプトエレクトロニ
クス、情報記憶などの数多くの分野に応用可能である。
たとえば、種々の形状のディジタル表示ディスプレイな
どの液晶ディスプレイ、電気光学シャッターなどの種々
の電気光学デバイスとして使用することができる。
【0066】なお、本発明の高分子液晶には、必要に応
じて前記高分子液晶同士の混合、他のポリマーとの混
合、安定剤、可塑剤などを含めた種々の無機、有機化合
物や金属類などの添加物の添加など、当業界においてよ
く知られている種々の方法を適用してもよい。
【0067】つぎに前記一般式(I) で表わされる繰り返
し単位を有する本発明の高分子液晶の製法の一例につい
て説明する。
【0068】まず、一般式(III) :
【0069】
【化28】
【0070】(式中、Aは前記と同じ)で表わされるテ
トラカルボン酸二無水物と、一般式(IV): R1 O−(CH2 k −OH (IV) (式中、R1 およびkは前記と同じ)および一般式(V)
: R2 O−(CH2 k −OH (V) (式中、R2 およびkは前記と同じ)で表わされる水酸
基末端化合物とが反応せしめられる。
【0071】前記テトラカルボン酸二無水物の具体例と
しては、たとえば
【0072】
【化29】
【0073】などがあげられる。
【0074】さらに、前記水酸基末端化合物の具体例と
しては、たとえば
【0075】
【化30】
【0076】などがあげられる。
【0077】前記反応はトルエン、ベンゼンなどの溶媒
中で還流下1〜2時間行なわれ、一般式(VI):
【0078】
【化31】
【0079】(式中、A、R1 、R2 およびkは前記と
同じ)で表わされるジカルボン酸がえられる。
【0080】これを、たとえば過剰の塩化チオニル中で
1〜2時間還流させることにより一般式(VII) :
【0081】
【化32】
【0082】(式中、A、R1 、R2 およびkは前記と
同じ)で表わされるジカルボン酸クロリドに変換したの
ち、通常該ジカルボン酸に対し等モルの一般式(VIII): H2 N−B−NH2 (VIII) (式中、Bは前記と同じ)で表わされるジアミンと極性
溶媒中でトリエチルアミンあるいはピリジンなどの塩酸
トラップ剤の存在下で重縮合させることにより、一般式
(I) で表わされる本発明の高分子液晶が製造される。
【0083】一般式(VIII)で表わされるジアミンの具体
例としては、たとえば
【0084】
【化33】
【0085】などがあげられる。
【0086】極性溶媒としてはN-メチル-2- ピロリド
ン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミドなど
が用いられる。反応温度は0〜100 ℃、好ましくは50〜
60℃が適当である。
【0087】なお、前記説明において、たとえば、ピロ
メリト酸エステルのばあいなどには、1位と3位にエス
テルが存在するようなものしか例示されていないが、た
とえば1位と4位にエステルが存在するような立体異性
体あるいはそれらの混合している物であってもよい。
【0088】つぎに、本発明の高分子液晶およびその製
法について、実施例によりさらに詳細に説明するが、本
発明はこれらに限定されるものではない。
【0089】実施例1 (1)4-( 4′- (11- ヒドロキシウンデカニルオキ
シ)ベンゾイルオキシ)安息香酸2-メチルブチルエステ
ルの合成 (i)4- ヒドロキシ安息香酸2-メチルブチルエステルの合
成 4-ヒドロキシ安息香酸24.6g(0.178 mol) と(S)-(-)-2-
メチルブタノール19.0g(0.215mol )とをトルエン120m
l 中、濃硫酸0.7 mlの存在下で20時間還流した。反応液
を炭酸水素ナトリウムで中和したのち濃縮し、濃縮液を
エタノールに溶解させて活性炭で処理をした。そのの
ち、エタノール溶液を濃縮して目的物36.9gをえた(収
率99%)。
【0090】(ii)4-( 4′- (アセトキシ)ベンゾイル
オキシ)安息香酸2-メチルブチルエステルの合成 4-アセトキシ安息香酸5.66g(0.314 mol) を塩化チオニ
ル20g中で80℃で2時間還流したのち、減圧濃縮して酸
クロリド体をえた。4-ヒドロキシ安息香酸2-メチルブチ
ルエステル6.54g(0.314 mol) とトリエチルアミン5ml
の乾燥テトラヒドロフラン35mlの溶液に、前記酸クロラ
イドとテトラヒドロフラン35mlとからの溶液を滴下した
のち、10時間撹拌した。トリエチルアミン塩酸塩を濾別
したのち、濾液を濃縮して粗結晶をえた。これをエタノ
ールから再結晶させ、目的物である無色結晶3.93gをえ
た(収率34%)。
【0091】(iii)4-( 4′- (ヒドロキシ)ベンゾイル
オキシ)安息香酸2-メチルブチルエステルの合成 (ii)でえたエステル体3.7 g(0.010 mol) のエーテル50
mlの溶液にベンジルアミン5.35g(0.050 mol) を加えて
10時間撹拌した。反応液に5N塩酸を10ml加え、ベンジ
ルアミンを塩酸塩として析出させ、これを濾別した。え
られた濾液を濃縮して目的とするヒドロキシ体を無色液
体として3.1 gえた(収率95%)。
【0092】(iv)4-( 4′- (11- ヒドロキシウンデカ
ニルオキシ)ベンゾイルオキシ)安息香酸2-メチルブチ
ルエステルの合成 (iii) でえたヒドロキシ体3.10g(0.00945mol)と11- ブ
ロモウンデカノール2.37g(0.00945mol)とをメチルエチ
ルケトン60ml中、炭酸カリウム4.56gの存在下で20時間
還流し、炭酸カリウムを濾別したのち、濾液を濃縮し
た。濃縮物をカラムクロマトグラフィーにて精製し、目
的物である無色結晶2.88gをえた(収率61%)。
【0093】 1H NMR スペクトル分析結果 δ0.5 〜2.0(27H)、δ3.50(2H)、δ3.90(4H)、δ6.80(4
H)、δ7.85(4H) IRスペクトル分析結果 OH基に由来する吸収 :3600〜3000cm-1 エステルに由来する吸収:1710cm-1、1250cm-1 エーテルに由来する吸収:1100cm-1 (2)ピロメリト酸ジエステルの合成 前記の4-( 4′- (11- ヒドロキシウンデカニルオキ
シ)ベンゾイルオキシ)安息香酸2-メチルブチルエステ
ル2.88g(5.78mmol)とピロメリト酸二無水物0.63g(2.8
9mmol)とをトルエン15ml中で2時間還流した。反応液を
濃縮し、エタノールに溶解させ、活性炭で処理したの
ち、再び濃縮し、目的とするピロメリト酸エステルを無
色固体として2.98gえた(収率85%)。
【0094】えられたピロメリト酸ジエステルを、 1H
NMR スペクトル分析、IRスペクトル分析により同定し、
目的物であることを確認した。
【0095】 1H NMR スペクトル分析結果 δ0.5 〜2.0(54H)、δ3.4 〜4.3(12H)、δ6.7(4H) 、δ
7.0(2H) 、δ7.8(4H) IRスペクトル分析結果 カルボン酸に由来する吸収:3700〜2400cm-1、1710cm-1 エステルに由来する吸収 :1730cm-1、1250cm-1 (3)ポリアミド(高分子液晶)の合成 前記でえられたピロメリト酸ジエステル2.98g(2.45 mm
ol) を塩化チオニル3ml中で2時間還流し、過剰の塩化
チオニルを減圧下留去して酸クロリドをえた。IRスペク
トル分析により、1780cm-1に酸クロリドの吸収があるこ
とを確認した。
【0096】えられた酸クロリドとN-メチル-2- ピロリ
ドン20mlとからの溶液に、ジアミノジフェニルエーテル
0.49g(2.45 mmol)およびトリエチルアミン0.5ml とN-
メチル-2- ピロリドン30mlとからの溶液を撹拌しながら
室温で添加した。そののち、50℃で2.5 時間撹拌を続け
たのち、析出したトリエチルアミン塩酸塩を濾別して、
撹拌しながら濾液を水に投入しポリマーを析出させた。
析出したポリマーを濾別したのち、水、エタノールの順
序で洗浄し、乾燥して目的のポリアミドを2.0g(収率5
9%)えた。
【0097】えられたポリアミドを 1H NMR スペクトル
分析、IRスペクトル分析、GPC 測定、TG-DTA分析により
同定した。
【0098】 1H NMR スペクトル分析結果 δ0.75〜2.0(5.4H) 、δ4.00(6H)、δ6.5 〜8.0(18H) 1 H NMR スペクトル分析の結果のチャートを図1に示
す。
【0099】IRスペクトル分析結果 アミドに由来する吸収:3250cm-1、1655cm-1、1550c
m-1、1400cm-1 長鎖アルキルに由来する吸収:2910cm-1 エステルに由来する吸収:1250cm-1 エーテルに由来する吸収:1100cm-1 IRスペクトル分析の結果のチャートを図2に示す。
【0100】GPC 測定結果 ポリスチレン換算で数平均分子量(Mn )11000 TG-DTA分析結果 結果を図3に示す。図3に示すようにTG曲線において重
量減少が150℃付近から368 ℃付近まで急激に進行し、3
68 ℃付近から567 ℃付近まで落ち着き、さらに567 ℃
付近から減少が始まっている。567 ℃までの71%の重量
減少はポリアミドから側鎖の液晶基が離脱したばあいの
重量減少が72%であるのとよく一致している。また、15
0 ℃以上の温度ではポリアミドは離脱反応によりポリイ
ミドに変換してしまい、もとのポリアミドに戻らないと
いう下記の結果ともよく一致している。
【0101】えられたポリアミドの液晶としての特性を
しらべるために転移温度の測定および液晶相の確認をそ
れぞれDSC および偏向顕微鏡により行なった。また、電
界応答速度を測定した。
【0102】相転移温度の測定結果
【0103】
【数2】
【0104】glass :ガラス状態 SmA:スメクチックA相液晶状態 SmC* :カイラルスメクチックC相液晶状態 電界応答速度の測定結果 20×10mmのITO 付きガラス基板の間にポリアミドを挟み
スペーサーで厚さを10μmに調整し、5×106 V/mの電
場をかけ、その際の透過光量の変化(0→90%)の応答
時間を測定した。
【0105】130 ℃で250 %に1cm/秒の速度で一軸延
伸配向させたフィルムに交流電界2×106 V/mを印加
し、透過光量の変化を測定したところ、コントラスト比
20:1および70℃での応答時間3ms をえた。
【0106】
【発明の効果】本発明の高分子液晶は、広い温度領域で
カイラルスメクチックC相(SmC* )を示し、また強
誘電性を安定して示し、電場に対する高速応答性を有す
るなど優れた液晶特性を有している。しかも種々の製膜
法によって数十μm以下の薄く、平面性が良好で、かつ
安定なフィルムを容易にうることができ、また、高倍率
延伸が容易であり、その結果、ポリマー中の液晶基の配
向性の向上、さらにはコントラスト比などの液晶特性を
著しく向上させることができるなど、実用上有利な高分
子液晶である。したがって、本発明の高分子液晶は動画
表示にも大画面や屈曲画面の表示素子としても有利に使
用することができ、オプトエレクトロニクス分野におけ
る種々の電気光学デバイスとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1でえられたポリアミド(高分子液晶)
1H NMR スペクトル分析結果を表わすチャートであ
る。
【図2】実施例1でえられたポリアミドのIRスペクトル
分析結果を表わすチャートである。
【図3】実施例1でえられたポリアミドのTG-DTA測定結
果を表わすチャートである。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) : 【化1】 (式中、Aは少なくとも2個の炭素原子を含む4価の
    基、Bは少なくとも2個の炭素原子を含む2価の基、k
    は1〜30の整数で、2つのkは同じである必要はない、
    1 、R2 は、 【化2】 (ただし、Qは -COO- または -OCO- 、R3 は -
    COOR4 、-OCOR4 、 -OR4 または -R4 (R
    4 は一般式(II): 【化3】 (式中、m、nは0〜9の整数、qは0または1、
    5 、R6 は -CH3 、 -F、 -Clまたは -CN、た
    だし、R6 が -CH3 のばあいにはnは0ではない、 【化4】 は不整炭素原子を表わす))で表わされる基を表わす)
    である)で表わされる繰り返し単位を有し、光学的に活
    性な強誘電性高分子液晶。
  2. 【請求項2】 一般式(III) : 【化5】 (式中、Aは前記と同じ)で表わされるテトラカルボン
    酸二無水物と、一般式(IV): R1 O−(CH2 k −OH (IV) (式中、R1 、kは前記と同じ)および一般式(V) : R2 O−(CH2 k −OH (V) (式中、R2 およびkは前記と同じ)で表わされる水酸
    基末端化合物とを反応させて一般式(VI): 【化6】 (式中、A、R1 、R2 およびkは前記と同じ)で表わ
    されるジカルボン酸をえたのち、ハロゲン化剤で処理し
    てえられる一般式(VII) : 【化7】 (式中、A、R1 、R2 およびkは前記と同じ)で表わ
    されるジカルボン酸クロリドを一般式(VIII): H2 N−B−NH2 (VIII) (式中、Bは前記と同じ)で表わされるジアミンと重縮
    合させることを特徴とする請求項1記載の光学的に活性
    な強誘電性高分子液晶の製法。
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