JP2839927B2 - 強度、導電性及び耐マイグレーション性に優れる銅合金の製造方法 - Google Patents
強度、導電性及び耐マイグレーション性に優れる銅合金の製造方法Info
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- JP2839927B2 JP2839927B2 JP2804690A JP2804690A JP2839927B2 JP 2839927 B2 JP2839927 B2 JP 2839927B2 JP 2804690 A JP2804690 A JP 2804690A JP 2804690 A JP2804690 A JP 2804690A JP 2839927 B2 JP2839927 B2 JP 2839927B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は強度、導電性及びマイグレーション性に優れ
る銅合金の製造方法に係り、より詳細には、例えば、端
子・コネクターリードフレーム用として好適な導電性及
び耐マイグレーション性に優れる銅合金の製造方法に関
する。
る銅合金の製造方法に係り、より詳細には、例えば、端
子・コネクターリードフレーム用として好適な導電性及
び耐マイグレーション性に優れる銅合金の製造方法に関
する。
[従来の技術] 近年、電気電子機器の軽薄短小化のニーズに伴ない、
使用される部品も小型化が進んでいる。これに対応し
て、端子・コネクターリードフレームの電極間ピッチの
近接化あるいは電極数の増加、さらに電流容量も大きく
なっている。従って、従来から端子・コネクター用材料
として使用されてきた黄銅あるいはりん青銅系材料のよ
うに、導電率の低い材料では、小型化のニーズに対応で
きず、Cu−Ni−Si系の析出硬化型合金のニーズが高まっ
ている。
使用される部品も小型化が進んでいる。これに対応し
て、端子・コネクターリードフレームの電極間ピッチの
近接化あるいは電極数の増加、さらに電流容量も大きく
なっている。従って、従来から端子・コネクター用材料
として使用されてきた黄銅あるいはりん青銅系材料のよ
うに、導電率の低い材料では、小型化のニーズに対応で
きず、Cu−Ni−Si系の析出硬化型合金のニーズが高まっ
ている。
ところで、Cu−Ni−Si系合金は、熱間加工性が劣るこ
とから、鋳塊の熱間圧延→焼入れ→冷間圧延→析出硬化
焼鈍→冷間圧延→低温焼鈍という工程により製造され
る。
とから、鋳塊の熱間圧延→焼入れ→冷間圧延→析出硬化
焼鈍→冷間圧延→低温焼鈍という工程により製造され
る。
ここで、熱間圧延は、800〜880℃の温度に加熱後に行
われ、また、析出硬化焼鈍は400〜550℃の温度で5分〜
4時間で行われる。
われ、また、析出硬化焼鈍は400〜550℃の温度で5分〜
4時間で行われる。
しかし、かかる方法で製造したCu−Ni−Si系合金は、
異方性が大きく、また、曲げ加工性が劣っていた。さら
に、得られる製品の特性は安定しておらず、特性のばら
つきが大きいとう問題があった。また、めっき処理後に
あるいは化学研磨後に突起が生ずるという問題もあっ
た。
異方性が大きく、また、曲げ加工性が劣っていた。さら
に、得られる製品の特性は安定しておらず、特性のばら
つきが大きいとう問題があった。また、めっき処理後に
あるいは化学研磨後に突起が生ずるという問題もあっ
た。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、異方性が小さく、曲げ加工性にも優れ、か
つ安定した特性を有する強度、導電性及び耐マイグレー
ション性に優れる銅合金の製造方法を提供することを目
的とする。
つ安定した特性を有する強度、導電性及び耐マイグレー
ション性に優れる銅合金の製造方法を提供することを目
的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明は、、Ni:0.4〜4.0wt%,Si:0.1〜1.0wt%,Zn:
0.05〜5.0wt%,Mg:0.05〜0.5wt%,Mn:0.005〜0.2wt%と
Cr,Ti,Zrのいずれか1種以上を合計で0.001〜0.01wt
%、残部がCuと不可避不純物からなる銅合金の鋳塊を、 900℃以上の温度で30分間以上加熱した後、熱間圧延
し、 次いで、650℃以上の温度から冷却速度15℃/秒以上
で冷却し、 次に、冷間圧延後、450〜550℃の温度で5分〜4時間
の析出硬化焼鈍を行ない、 次いで、冷間圧延後、425〜525℃の温度で5分〜4時
間の析出硬化焼鈍し、 仕上げ圧延後、300〜425℃の温度で5分〜2時間の低
温焼鈍を行なう、 ことを特徴とする。
0.05〜5.0wt%,Mg:0.05〜0.5wt%,Mn:0.005〜0.2wt%と
Cr,Ti,Zrのいずれか1種以上を合計で0.001〜0.01wt
%、残部がCuと不可避不純物からなる銅合金の鋳塊を、 900℃以上の温度で30分間以上加熱した後、熱間圧延
し、 次いで、650℃以上の温度から冷却速度15℃/秒以上
で冷却し、 次に、冷間圧延後、450〜550℃の温度で5分〜4時間
の析出硬化焼鈍を行ない、 次いで、冷間圧延後、425〜525℃の温度で5分〜4時
間の析出硬化焼鈍し、 仕上げ圧延後、300〜425℃の温度で5分〜2時間の低
温焼鈍を行なう、 ことを特徴とする。
[作用] 以下に本発明の詳細な説明を本発明をなすに際して得
た知見とともに説明する。
た知見とともに説明する。
本発明者は、従来の製造方法で製造したCu−Ni−Si系
合金をつぶさに観察したところ、従来の製造方法で製造
したCu−Ni−Si系合金においては粒径が10μm以上にも
及ぶ凝集粗大化したNi2Siが多数存在することを見い出
した。
合金をつぶさに観察したところ、従来の製造方法で製造
したCu−Ni−Si系合金においては粒径が10μm以上にも
及ぶ凝集粗大化したNi2Siが多数存在することを見い出
した。
かかる凝集粗大化したNi2Siが、異方性、曲げ加工性
の低下、めっき処理後の突起等の原因になっていると考
えられる。
の低下、めっき処理後の突起等の原因になっていると考
えられる。
そこで、本発明者は、かかる凝集粗大化したNi2Siが
生ずる原因の探究を行ったところ、それは、鋳造の過程
で晶出した晶出Ni2Siが、冷却後に残留したものである
ことを解明した。しかも、冷却後に残留したNi2Siは従
来の熱間圧延時の加熱温度(800〜880℃)で、5時間以
上加熱しても母相に固溶せず、製品中に残留してしまう
ことを見い出した。
生ずる原因の探究を行ったところ、それは、鋳造の過程
で晶出した晶出Ni2Siが、冷却後に残留したものである
ことを解明した。しかも、冷却後に残留したNi2Siは従
来の熱間圧延時の加熱温度(800〜880℃)で、5時間以
上加熱しても母相に固溶せず、製品中に残留してしまう
ことを見い出した。
また、最終製品におけるNi2Siの晶出物の大きさと量
は強度の高低を左右することから、特性の安定した製品
を供給出来ない理由もこの残留晶出物に起因するものと
考えられる。
は強度の高低を左右することから、特性の安定した製品
を供給出来ない理由もこの残留晶出物に起因するものと
考えられる。
そこで、本発明者は、各種実験を重ね、晶出物の残留
を減少させる技術を鋭意探究したところ、熱間圧延時の
加熱温度、冷却速度、焼鈍温度等が晶出物の残留に微妙
に関係していることを見い出し、その条件を厳密に探究
するとともに、その条件を達成し得る合金組成をも探究
することにより本発明をなすにいたった。
を減少させる技術を鋭意探究したところ、熱間圧延時の
加熱温度、冷却速度、焼鈍温度等が晶出物の残留に微妙
に関係していることを見い出し、その条件を厳密に探究
するとともに、その条件を達成し得る合金組成をも探究
することにより本発明をなすにいたった。
以下に、本発明の要件を詳細に説明する。
(熱間圧延) 本発明では、後述する組成の鋳塊を900℃以上の温度
で30分間以上加熱した後に、適宜の厚さ(例えば15〜18
mm)まで熱間圧延する。熱間圧延終了後は、650℃以上
の温度から焼入れる。この時、冷却速度15℃/秒以上の
スピードで冷却する必要がある。
で30分間以上加熱した後に、適宜の厚さ(例えば15〜18
mm)まで熱間圧延する。熱間圧延終了後は、650℃以上
の温度から焼入れる。この時、冷却速度15℃/秒以上の
スピードで冷却する必要がある。
なお、鋳塊の製造は通常、半連続鋳造法で行われる、
半連続鋳造法における鋳造中の鋳塊の冷却速度は15℃/
秒未満であるため、Ni2Siの晶出物が凝集粗大化してい
るが、かかる晶出物であっても900℃以上の温度で30分
間以上加熱後に熱間圧延し、その後650℃以上の温度か
ら、15℃/秒以上のスピードで焼入れる事により、Ni2S
iの晶出物は完全に固溶化される。熱間圧延前の加熱温
度が900℃未満ではかかる固溶化は困難である。
半連続鋳造法における鋳造中の鋳塊の冷却速度は15℃/
秒未満であるため、Ni2Siの晶出物が凝集粗大化してい
るが、かかる晶出物であっても900℃以上の温度で30分
間以上加熱後に熱間圧延し、その後650℃以上の温度か
ら、15℃/秒以上のスピードで焼入れる事により、Ni2S
iの晶出物は完全に固溶化される。熱間圧延前の加熱温
度が900℃未満ではかかる固溶化は困難である。
焼入れ温度が650℃未満では組織の再結晶は起こら
ず、また650℃以上の温度でも冷却速度が15℃/秒未満
ではNiおよびSiが固溶せず析出硬化焼鈍以前に析出を始
め、その析出物が凝集粗大化してしまう。この凝集粗大
化した析出物は強度、導電率の向上に寄与しない。
ず、また650℃以上の温度でも冷却速度が15℃/秒未満
ではNiおよびSiが固溶せず析出硬化焼鈍以前に析出を始
め、その析出物が凝集粗大化してしまう。この凝集粗大
化した析出物は強度、導電率の向上に寄与しない。
(焼鈍) 次に冷間圧延し、450〜550℃の温度で5分〜4時間の
析出硬化焼鈍(第1次焼鈍)をして冷間圧延後、再び42
5〜525℃の温度で5分〜4時間の析出硬化焼鈍(第2次
焼鈍)を行なう。
析出硬化焼鈍(第1次焼鈍)をして冷間圧延後、再び42
5〜525℃の温度で5分〜4時間の析出硬化焼鈍(第2次
焼鈍)を行なう。
第1次焼鈍における温度が450℃未満では、Ni2Siの化
合物の析出が不十分であり、導電率の向上を期し難くな
る。550℃を越えるとNi2Siは粗大化してしまう。
合物の析出が不十分であり、導電率の向上を期し難くな
る。550℃を越えるとNi2Siは粗大化してしまう。
焼鈍時間が5分未満では、析出量は不足し、4時間を
越えると析出量は飽和し、エネルギー消費という経済上
から無駄である。
越えると析出量は飽和し、エネルギー消費という経済上
から無駄である。
本発明では、焼鈍工程を2段階で行うことを特徴の1
つとする。第2次焼鈍温度が425℃未満では、Ni2Siの化
合物の析出量が少なくなってしまい、導電率の向上を期
し難くなってしまう。一方、525℃を越えるとNi2Siは粗
大化してしまう。
つとする。第2次焼鈍温度が425℃未満では、Ni2Siの化
合物の析出量が少なくなってしまい、導電率の向上を期
し難くなってしまう。一方、525℃を越えるとNi2Siは粗
大化してしまう。
焼鈍時間が5分未満では、析出量は不足し、4時間を
越えると析出量は飽和しエネルギー消費という経済上か
ら無駄である。
越えると析出量は飽和しエネルギー消費という経済上か
ら無駄である。
焼鈍工程をこのように2段階としたのは、2段階とす
ると、Ni2Siが十分析出し、強度、導電率が向上し、ま
た、最終製品における成形加工性が良好となるためであ
る。
ると、Ni2Siが十分析出し、強度、導電率が向上し、ま
た、最終製品における成形加工性が良好となるためであ
る。
(低温焼鈍) 次に所定の仕上げ圧延を行ない、300〜425℃の温度で
5分〜2時間の低温焼鈍を行なう。かかる低温焼鈍によ
りばね限界値と伸びの向上を図ることができる。温度時
間がこの範囲外では、強度の低下をきたし、また、ばね
限界値、伸びの向上を期することができない。
5分〜2時間の低温焼鈍を行なう。かかる低温焼鈍によ
りばね限界値と伸びの向上を図ることができる。温度時
間がこの範囲外では、強度の低下をきたし、また、ばね
限界値、伸びの向上を期することができない。
(成分限定理由) NiはSiと共に添加して強度を向上させる元素であり、
含有量が0.4wt%未満では、Siが0.1〜1.0wt%含有され
ていても強度の向上は期待できず、又4.0wt%を越えて
含有されると加工性が悪くなり、さらに強度の向上は少
ない。よってNi含有量は0.4〜4.0wt%とする。
含有量が0.4wt%未満では、Siが0.1〜1.0wt%含有され
ていても強度の向上は期待できず、又4.0wt%を越えて
含有されると加工性が悪くなり、さらに強度の向上は少
ない。よってNi含有量は0.4〜4.0wt%とする。
SiはNiと共に化合物を形成して強度を向上させる元素
であり、含有量が0.1wt%未満ではNiが0.4〜4.0wt%含
有されていても強度の向上は期待できず、又1.0wt%を
越えて含有されると加工性と導電率が低下する。よっ
て、Si含有量は0.1〜1.0wt%とする。
であり、含有量が0.1wt%未満ではNiが0.4〜4.0wt%含
有されていても強度の向上は期待できず、又1.0wt%を
越えて含有されると加工性と導電率が低下する。よっ
て、Si含有量は0.1〜1.0wt%とする。
例えば、端子、コネクター用として使用する場合に
は、はんだおよび錫の濡れ性・密着性は必須特性とな
る。Znははんだおよび錫めっき層の剥離を抑制する。ま
た、Znは耐マイグレーション性を向上させるための必須
元素である。すなわち、Znは電圧が印加された電気・電
子部品の電極間に水の侵入や結露等が生じた場合Cuのマ
イグレーション形成を抑え漏洩電流の発生を抑制する。
0.05wt%未満では黄銅と同等の特性が得られず、5.0wt
%を越えて含有された場合は耐マイグレーション性は向
上するが、導電率が小さくなるとか、応力腐食割れを起
しやすくなる等好ましくない。よってZn含有量は0.05〜
5.0wt%とする。
は、はんだおよび錫の濡れ性・密着性は必須特性とな
る。Znははんだおよび錫めっき層の剥離を抑制する。ま
た、Znは耐マイグレーション性を向上させるための必須
元素である。すなわち、Znは電圧が印加された電気・電
子部品の電極間に水の侵入や結露等が生じた場合Cuのマ
イグレーション形成を抑え漏洩電流の発生を抑制する。
0.05wt%未満では黄銅と同等の特性が得られず、5.0wt
%を越えて含有された場合は耐マイグレーション性は向
上するが、導電率が小さくなるとか、応力腐食割れを起
しやすくなる等好ましくない。よってZn含有量は0.05〜
5.0wt%とする。
Mgは熱間加工性および強度、特にばね限界値を向上さ
せるための必須元素であり、造塊時に原料より混入して
くる低融点のSと反応し、高融点のMgSを形成し、熱間
加工性を向上させる効果を有し、さらに0.05wt%以上含
有されるとばね限界値を向上する効果が生ずる。0.5wt
%を越えて含有されてもばね限界値の向上は平衡に達
し、かえって溶解鋳造時の湯流れ性および鋳造性が劣化
する。したがってMgの含有量は0.05〜0.5wt%とする。
せるための必須元素であり、造塊時に原料より混入して
くる低融点のSと反応し、高融点のMgSを形成し、熱間
加工性を向上させる効果を有し、さらに0.05wt%以上含
有されるとばね限界値を向上する効果が生ずる。0.5wt
%を越えて含有されてもばね限界値の向上は平衡に達
し、かえって溶解鋳造時の湯流れ性および鋳造性が劣化
する。したがってMgの含有量は0.05〜0.5wt%とする。
Mnは鋳塊の粒界を強化して熱間加工性を向上し、中高
温脆性の改善あるいは強度の向上に効果がある。しかし
添加量が0.005wt%未満ではその効果が少ない。一方0.2
wt%以上では上記の効果は平衡となり、より以上添加効
果を望めない。したがってMn添加量は0.005〜0.2wt%と
する。
温脆性の改善あるいは強度の向上に効果がある。しかし
添加量が0.005wt%未満ではその効果が少ない。一方0.2
wt%以上では上記の効果は平衡となり、より以上添加効
果を望めない。したがってMn添加量は0.005〜0.2wt%と
する。
Cr,Ti,Zrは鋳塊の粒界を強化し、熱間加工性を向上す
る。0.001wt%未満ではその効果は少なく、また0.01wt
%を越えて含有されると溶湯が酸化し易くなり、健全な
鋳塊が得られなくなる。よってCr,Ti,Zrのいずれか1種
以上を0.001〜0.01wt%とする。Cu−Ni−Si系合金は熱
間加工性が悪く、また鋳造時に生じたNi2Siの晶出物の
ための900℃以上の加熱が困難であったが、上記添加元
素によって900℃以上での熱間圧延が可能となる。
る。0.001wt%未満ではその効果は少なく、また0.01wt
%を越えて含有されると溶湯が酸化し易くなり、健全な
鋳塊が得られなくなる。よってCr,Ti,Zrのいずれか1種
以上を0.001〜0.01wt%とする。Cu−Ni−Si系合金は熱
間加工性が悪く、また鋳造時に生じたNi2Siの晶出物の
ための900℃以上の加熱が困難であったが、上記添加元
素によって900℃以上での熱間圧延が可能となる。
[実施例] 本発明の実施例を以下に説明する。
第1表に示す化学成分の合金を小型抵抗加熱電気炉で
大気中にて木炭被覆下で溶解し、厚さ50mm、幅80mm、長
さ180mmの鋳塊を溶製した。
大気中にて木炭被覆下で溶解し、厚さ50mm、幅80mm、長
さ180mmの鋳塊を溶製した。
次いで、各々の鋳塊の表裏面を約2mm面削した後、第
2表に示す熱間圧延温度に1時間加熱し、厚さ15mmまで
熱間圧延して第2表に示す焼入れ温度から冷却した。冷
却速度も第2表に示す。
2表に示す熱間圧延温度に1時間加熱し、厚さ15mmまで
熱間圧延して第2表に示す焼入れ温度から冷却した。冷
却速度も第2表に示す。
次に表面の酸化物を機械的に除去後、No.11〜17,No.2
1以外については1.2mmまで冷間圧延し、第2表に示す析
出硬化焼鈍温度で3時間の析出硬化焼鈍を行った。次い
で厚さ0.36mmまで冷間圧延し、450〜500℃の温度で3時
間の析出硬化焼鈍をした。
1以外については1.2mmまで冷間圧延し、第2表に示す析
出硬化焼鈍温度で3時間の析出硬化焼鈍を行った。次い
で厚さ0.36mmまで冷間圧延し、450〜500℃の温度で3時
間の析出硬化焼鈍をした。
No.11〜17,No.21については、1.2mm厚では焼鈍を行わ
ず、0.36mm厚においてのみ焼鈍を行った。
ず、0.36mm厚においてのみ焼鈍を行った。
次いで、厚さ0.25mmまで冷間圧延して、第2表に示す
温度において低温焼鈍を行った。低温焼鈍は1時間行っ
た。
温度において低温焼鈍を行った。低温焼鈍は1時間行っ
た。
厚さ0.25mmの試料を引張試験(ただし引張試験片の形
状はJIS13号B試験片とした。)、90゜曲げ加工性、導
電率および晶出物の粒径の測定に供した。
状はJIS13号B試験片とした。)、90゜曲げ加工性、導
電率および晶出物の粒径の測定に供した。
第2表に本発明に係る製造法(No.1〜10)と比較法
(No.11〜27)の試験結果を示す。
(No.11〜27)の試験結果を示す。
第2表からも明らなように本発明製造法の試料は、例
えば端子・コネクターへの成形加工性の評価基準となる
伸びおよび90゜曲げ加工性に優れ且つ、引張強さ、導電
率にも優れ、また、めっきあるいは化学研磨処理後に表
面突起の原因となる粗大晶出物も認められなかった。
えば端子・コネクターへの成形加工性の評価基準となる
伸びおよび90゜曲げ加工性に優れ且つ、引張強さ、導電
率にも優れ、また、めっきあるいは化学研磨処理後に表
面突起の原因となる粗大晶出物も認められなかった。
本発明に係る製造法によれば、例えば端子・コネクタ
ー用銅合金としての成形加工性等の二次加工性に優れ且
つ、強度と導電性も優れる材料の製造が可能である。
ー用銅合金としての成形加工性等の二次加工性に優れ且
つ、強度と導電性も優れる材料の製造が可能である。
それに対し、No.11〜17は圧延温度が本発明範囲より
低く、また、1段焼鈍である比較例であり、大きな粒径
の晶出物が多数存在し、また、粒径のばらつきも大きか
った。
低く、また、1段焼鈍である比較例であり、大きな粒径
の晶出物が多数存在し、また、粒径のばらつきも大きか
った。
No.18は、2段焼鈍であるが、圧延温度が本発明範囲
より低い比較例であり、やはり大きな粒径の晶出物(あ
るいは析出物)が認められた。
より低い比較例であり、やはり大きな粒径の晶出物(あ
るいは析出物)が認められた。
No.19は焼入れ開始温度が本発明範囲より低い比較例
であり、晶出物(あるいは析出物)の量が少なく、引張
強度、導電率に劣っていた。
であり、晶出物(あるいは析出物)の量が少なく、引張
強度、導電率に劣っていた。
No.20は、焼き入れ時の冷却速度が本発明範囲より遅
い比較例であり、大きな粒径の晶出物(あるいは析出
物)が認められた。
い比較例であり、大きな粒径の晶出物(あるいは析出
物)が認められた。
No.21は、1段焼鈍を行った比較例であるが、90゜曲
げ加工性が悪く、また、導電率も低かった。なお、1段
焼鈍を6hr行ったが析出物の量は3hrの場合と変化はなか
った。
げ加工性が悪く、また、導電率も低かった。なお、1段
焼鈍を6hr行ったが析出物の量は3hrの場合と変化はなか
った。
No.22は、第1次焼鈍時の温度が本発明より低い比較
例であり、90゜曲げ加工性が悪かった。
例であり、90゜曲げ加工性が悪かった。
No.23は、第1次焼鈍時の温度が本発明より高い比較
例であり、析出物の凝集が生じていた。
例であり、析出物の凝集が生じていた。
No.24は、第2次焼鈍時の温度が本発明より低い比較
例であり、90゜曲げ加工性が悪かった。
例であり、90゜曲げ加工性が悪かった。
No.25は、第2次焼鈍時の温度が本発明より高い比較
例であり、析出物の凝集が生じていた。
例であり、析出物の凝集が生じていた。
No.26は低温焼鈍における温度が本発明範囲より高い比
較例であり、本発明方法(No.1〜10)に比べると析出物
が粗大であり、引張強度が劣っていた。
較例であり、本発明方法(No.1〜10)に比べると析出物
が粗大であり、引張強度が劣っていた。
No.27は低温焼鈍における温度が本発明範囲より低い
比較例であり、伸びが本発明方法に比べ劣っていた。
比較例であり、伸びが本発明方法に比べ劣っていた。
[発明の効果] 本発明によれば、強度、導電性、耐マイグレーション
性、成形加工性のいずれにおいても優れた銅合金の製造
が可能となり、例えば、端子・コネクターリードフレー
ム等の電気・電子部品用材料として極めて信頼性の高い
合金の製造が可能となる。
性、成形加工性のいずれにおいても優れた銅合金の製造
が可能となり、例えば、端子・コネクターリードフレー
ム等の電気・電子部品用材料として極めて信頼性の高い
合金の製造が可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C22F 1/00 630 C22F 1/00 630K 640 640Z 661 661A 682 682 683 683 684 684A 685 685Z 686 686Z 691 691B 691C 692 692A (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C22F 1/08 H01B 1/02 C22C 9/06
Claims (1)
- 【請求項1】Ni:0.4〜4.0wt%,Si:0.1〜1.0wt%,Zn:0.0
5〜5.0wt%,Mg:0.05〜0.5wt%,Mn:0.005〜0.2wt%とCr,
Ti,Zrのいずれか1種以上を合計で0.001〜0.01wt%、残
部がCuと不可避不純物からなる銅合金の鋳塊を、 900℃以上の温度で30分間以上加熱した後、熱間圧延
し、 次いで、650℃以上の温度から冷却速度15℃/秒以上で
冷却し、 次に、冷間圧延後、450〜550℃の温度で5分〜4時間の
析出硬化焼鈍を行ない、 次いで、冷間圧延後、425〜525℃の温度で5分〜4時間
の析出硬化焼鈍し、 仕上げ圧延後、300〜425℃の温度で5分〜2時間の低温
焼鈍を行なう、 ことを特徴とする強度、導電性及び耐マイグレーション
性に優れる銅合金の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2804690A JP2839927B2 (ja) | 1990-02-07 | 1990-02-07 | 強度、導電性及び耐マイグレーション性に優れる銅合金の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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