JP2836096B2 - ビデオテープレコーダ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、ヘリカルスキャン方式のビデオテープレコ
ーダ（以下、VTRと称す）の高画質化に関するもので特
に長時間モード（たとえば６時間モード）の高画質VTR
を提供するものである。

従来の技術 近年、VTRは多機能化，小型化が進み、画質的にも高
画質化回路によりかなり良くなって来ている。

近年では、互にアジマス角度の異なる２つの主磁気ヘ
ッドの近傍にそれぞれアジマス角度の異なる２つの補助
磁気ヘッドを設け、主磁気ヘッドを標準モード（たとえ
ば２時間モード），補助磁気ヘッドを長時間モード（た
とえば６時間モード）の記録再生ヘッドとして用い、特
に特殊再生（Cue/Rev.スチルスロー）の画質を良くする
構成が主流である。

ここで長時間用の磁気ヘッドは、特殊再生時の使用や
他のVTRで記録したテープを互換再生する場合の互換余
裕を含めて、長時間モードのトラックピッチ（たとえば
19.3μｍ）に対して広いトラック幅（たとえば30μｍ）
にしている。したがってガードバンドレスのVTRの場
合、隣接トラックのクロストーク成分は、磁気ヘッドの
アジマスロスに期待するしかなく、画質的にも十分満足
いくものではない。

発明が解決しようとする課題 長時間モードの画質を良くするためには、隣接のクロ
ストーク成分の影響がなくなるよう長時間モードのトラ
ックピッチと磁気ヘッドのトラック幅をほぼ同一とすれ
ば良いが、この場合、他のVTRで長時間モード記録され
た磁気テープを互換再生する場合、回転シリンダのリニ
ヤリティのバラツキによって再生画が十分きれいに出な
いという問題と、特殊再生の画質も十分満足のいくもの
にならないという問題点を有している。

本発明は、上記問題点に鑑み、長時間モードにおける
隣接クロストークの影響をなくして高画質を実現すると
共に上記問題点も解決するVTRを提供するものである。

課題を解決するための手段 前記課題を解決するために本発明は、記録時に磁気テ
ープを定められた第１および第２の速度（ただし、第１
の速度＞第２の速度）で定速走行可能とし、かつ互いに
アジマス角度の異なる第１および第２の磁気ヘッドを回
転基板の180゜の位置に設け、かつアジマス角度が第１
の磁気ヘッドと異なり前記第２の磁気ヘッドと同一の第
３の磁気ヘッドおよび、アジマス角度が前記第２の磁気
ヘッドと異なり前記第１の磁気ヘッドと同一の第４の磁
気ヘッドを、それぞれ前記第１および第２の近傍に回転
磁気ヘッド基板の180゜の位置に設け、さらに、回転磁
気ヘッド基板の前記第1,第2,第3,第４磁気ヘッドと異な
る180゜の位置に、前記第１および第２の磁気ヘッドと
アジマス角がそれぞれ同一の第５および第６の磁気ヘッ
ドを設け、かつ前記第１の速度で記録するときは、前記
第１および第２の磁気ヘッドを用い、前記第２の速度で
記録するときは、前記第５および第６の磁気ヘッドを用
いるよう構成されたヘリカルスキャン型のビデオテープ
レコーダであって、再生時、上記第２の速度で記録され
た磁気テープを再生するときに、再生信号の低下したこ
とを検出する検出手段と、前記検出手段の信号により、
前記第３および第４の磁気ヘッドに、再生ヘッドを切換
るよう構成したものである。

作 用 本発明は上記した構成によって、特殊再生や互換再生
の画質を保ちつつ、長時間モードの大幅な高画質化を実
現できるものである。

実施例 以下本発明の一実施例について図面を参照しながら説
明する。

第１図は本発明の一実施例におけるブロック図であ
り、第２図は本発明の磁気ヘッドの配置例を示してい
る。

第１図において、M1,M2は主磁気ヘッドである。S1,S2
は補助磁気ヘッドである。E1,E2は隣接クロストークの
影響をなくするため、トラック幅を狭くした長時間モー
ドの記録再生専用のヘッドである。それぞれのヘッド
は、再生増幅器1,2,3,4,5,6にそれぞれ接続されてい
る。7,8,9は切換スイッチであり、10および11の回転ヘ
ッドスイッチングパルスの入力端子の信号により、それ
ぞれ磁気テープ（図示せず）に接触している期間の信号
を取り出すよう切換られる。

なお、主磁気ヘッドM1,M2,補助磁気ヘッドS1,S2に対
し、長時間モード用のヘッドE1,E2は第２図に示すよう
に、磁気ヘッドの取り付け位置が異なるため、回転ヘッ
ドスイッチングパルスの位相も異なる。

12は再生レベル検出回路であり、出力信号が切換スイ
ッチ13の制御信号となる。15は時間モードの制御信号で
あり、長時間モードの再生か、標準モードの再生かによ
り切換スイッチ14を切換える。16は再生信号の出力端子
であり、周知の再生映像信号処理回路に接続される。

ここで長時間モードで記録されたテープを再生したと
すると、長時間用ヘッドE1,E2で再生されて切換スイッ
チ９の出力に連続した再生信号を得る。この出力信号が
再生レベル検出回路12に入力され、今、自己録のテープ
であれば、再生信号の落ち込みがないため、再生レベル
検出回路は、再生レベル異常なしと判断して磁気ヘッド
E1,E2の出力をそのまま出力するよう切換スイッチ13を
切換える。かりに、互換テープで記録VTRとの互換性が
悪くて、再生出力信号が部分的に落ち込んでいる場合
は、再生レベルが異常と判断して、切換スイッチ13を補
助磁気ヘッドS1,S2の出力信号を出力するよう切換られ
る。なお再生レベル検出回路は、周知のダイオード検出
回路とコンパレーターで構成できる。

なお特殊再生時は、長時間用ヘッドE1,E2は用いず、
切換スイッチ13は補助ヘッドS1,S2側にする。

なお切換スイッチ13を再生画を見ながらユーザーが手
動で切換できるよう構成しても良い。

また第２図のヘッド配置は一例であり、Hi−Fi用ヘッ
ドを搭載する場合は60゜間隔に配置しても良い。

発明の効果 以上のように本発明のビデオテープレコーダは、長時
間モードにおける隣接クロストークの影響をなくすため
に幅狭のヘッドを設け、幅狭にしたことによる特殊再生
や、互換再生の問題を再生レベル検出回路を用いて自動
切換したことにより、大幅な長時間モードの画質改善を
はかることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例のブロック図、第２図は磁気
ヘッドの配置を示す上面図である。 M1・M2……主磁気ヘッド、S1・S2……補助磁気ヘッド、
E1・E2……長時間用磁気ヘッド、１〜６……再生増幅
器、12……再生レベル検出回路。

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】記録時に磁気テープを定められた第１およ
   び第２の速度（ただし、第１の速度＞第２の速度）で定
   速走行可能とし、かつ互いにアジマス角度の異なる第１
   および第２の磁気ヘッドを回転基板の180゜の位置に設
   け、かつアジマス角度が第１の磁気ヘッドと異なり前記
   第２の磁気ヘッドと同一の第３の磁気ヘッドおよび、ア
   ジマス角度が前記第２の磁気ヘッドと異なり前記第１の
   磁気ヘッドと同一の第４の磁気ヘッドを、それぞれ前記
   第１および第２の近傍に回転磁気ヘッド基板の180゜の
   位置に設け、さらに、回転磁気ヘッド基板の前記第1,第
   2,第3,第４磁気ヘッドと異なる180゜の位置に、前記第
   １および第２の磁気ヘッドとアジマス角がそれぞれ同一
   の第５および第６の磁気ヘッドを設け、かつ前記第１の
   速度で記録するときは、前記第１および第２の磁気ヘッ
   ドを用い、前記第２の速度で記録するときは、前記第５
   および第６の磁気ヘッドを用いるよう構成されたヘリカ
   ルスキャン型のビデオテープレコーダであって、再生
   時、上記第２の速度で記録された磁気テープを再生する
   ときに、再生信号の低下したことを検出する検出手段
   と、前記検出手段の信号により、前記第３および第４の
   磁気ヘッドに、再生ヘッドを切換えるよう構成したこと
   を特徴とするビデオテープレコーダ。
2. 【請求項２】第５および第６の磁気ヘッドのトラック幅
   は、第３および第４の磁気ヘッドのトラック幅より狭い
   ことを特徴とする請求項１記載のビデオテープレコー
   ダ。
3. 【請求項３】再生信号が低下したことを検出する検出手
   段は、再生直後に行なうよう構成したことを特徴とする
   請求項１記載のビデオテープレコーダ。