JP2835441B2 - 2回光反射による絶対反射率の測定方法 - Google Patents

2回光反射による絶対反射率の測定方法

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JP2835441B2 JP29775896A JP29775896A JP2835441B2 JP 2835441 B2 JP2835441 B2 JP 2835441B2 JP 29775896 A JP29775896 A JP 29775896A JP 29775896 A JP29775896 A JP 29775896A JP 2835441 B2 JP2835441 B2 JP 2835441B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属のような不透
明体の光学定数、特に光の絶対反射率(不透明体では反
射率と吸収率の和が1であるから、絶対吸収率測定と等
価である。)の測定を行う方法に関するものであり、特
に、高出力光源からの光のパワーの吸収によって試料中
に誘起される物理量の変化に基づいて、光の絶対反射率
を測定する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の絶対反射率測定方法であるゴニオ
ホトメータ法、V−W法及びV−N法などでは、すべて
試料と信号検出器(光検出器)は離れている。これらの
方法では必ず可動部があり、例えばゴニオホトメータ法
では、試料と検出器、V−W法やV−N法では試料とミ
ラーとを動かさなくてはならない。そのため、データの
再現性を良くするためには、装置作製時の注意と測定時
の注意が必要である。
【0003】ここで、図2を参照して、通常の不透明体
の絶対反射率測定方法の一例について説明する。光源1
は、cwレーザ等の高出力光源で、出力光2が平行光線
になるよう調整されている。この出力光2は、検出系で
交流増幅を行うため、光チョッパー3により1Hz〜数
十Hzでチョッピングされる。光チョッパー3を通過し
た出力光2は、ビームスプリッター4において、それぞ
れ検出器5に進む出力光と非軸放物面鏡6に進む出力光
とに分けられる。検出器5は、光源1の出力をモニター
するものである。また、非軸放物面鏡6では、出力光が
不透明体の平板状試料7の表面7a上に集光される。
【0004】そこで、図の鎖線位置に検出器8を配置
し、この検出器8で試料7が無いときの出力光2の入射
パワーP0 を測定し、次に、検出器8を図の実線位置ま
で動かし、かつ試料7をセットして、この試料7におけ
る出力光2の反射パワーRP0(Rは試料の絶対反射
率)を測定し、これらの比から反射率を求める。この測
定方法は、反射率の定義に沿った方法であり、ゴニオホ
トメータ法と呼ばれる方法と似ている。このような不透
明体を対象とする図2の構成の測定系による絶対反射率
Rの測定では、試料7と検出器8が離れているために感
度が低く、また、平板状試料7を光路から外したときの
入射パワーPo と、試料7を所定の位置に取り付けたと
きの反射パワーPo Rとを測り、その間に試料7と検出
器8の移動を必要とするので、測定の再現性をよくする
ためには、装置を高精度に製作する必要がある。また、
測定時においても精度の低下を避けるための注意が必要
になる。そして、同様な問題は、ゴニオホトメータ法の
ほかに、V−W法やV−N法にも存在するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の技術的課題
は、不透明体を対象とする高感度で高精度な絶対反射率
の測定を行える方法を得ることにある。また、本発明の
他の技術的課題は、測定精度に大きな影響を及ぼす可動
部なしに高精度な絶対反射率の測定を行える方法を得る
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の絶対反射率測定方法は、不透明体の平板状試
料に対する高出力光源からの出力光のみの照射による試
料温度上昇ΔTac(1)と、上記出力光とその反射光の試
料への再入射とによる試料温度上昇ΔTac(2)を、上記
試料に熱接触させた温度計で測定し、これらの温度上昇
に基づき、試料の絶対反射率Rを、 R=(ΔTac(2) −ΔTac(1) )/ΔTac(1) により求めることを特徴とするものである。上記測定方
法においては、閉時には試料からの反射光を完全に吸収
し、開時にはその反射光を透過させて凹面鏡により試料
表面に集光再入射させるシャッターを備え、このシャッ
ターの開閉により反射光の試料への再入射を制御するの
が適切である。
【0007】上述した本発明の絶対反射率の測定方法に
おいて、不透明体で絶対反射率がRである平板状試料に
おいて、入射パワーP0 の入射光のみによるシャッター
閉時の試料温度上昇ΔTac(1) は、(P0 −P0 R)に
比例している。また、シャッターの開時で、入射パワー
0 の入射光と、この入射光による反射パワーP0 Rの
反射光の試料に対する再入射による試料温度上昇ΔTac
(2) は、[(1−R)P0 +(1−R)RP0 ]に比例
している。したがって、これらに基づいて絶対反射率R
を求めると、 R=(ΔTac(2) −ΔTac(1) )/ΔTac(1) となり、簡単に絶対反射率が算出される。
【0008】また、本発明では、上述したように光源と
してレーザ等の高出力光源を用い、信号検出器として試
料に熱接触させた温度計を用いるので、試料と信号検出
器が離れている場合に比して高感度化が可能となる。し
かも、高出力光源からの出力光の1回だけの吸収による
試料の温度上昇ΔTac(1) から反射率を求めるために
は、試料の物理量(熱容量、熱伝導率等)や試料と検出
器の熱接触についての情報が必要であるが、シャッター
と凹面鏡等を導入し、2回光吸収による試料温度上昇Δ
ac(2) を測定して、ΔTac(1) とΔTac(2) との適当
な比をとることにより絶対反射率を求めるようにしてい
るので、試料の物理量や熱接触についての情報が不要に
なる。したがって、本発明の方法は、試料の物理量や試
料と温度計の熱接触の仕方によらない絶対測定である。
さらに、光軸上にあるシャッターの開閉以外に、試料、
ミラーや検出器などに測定精度に大きな影響を及ぼす可
動部がなく、絶対反射率の測定を高精度に行うことが可
能になる。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る絶対反射率
の測定方法を実施する装置の構成を概念的に示すもので
ある。反射率の測定に用いる高出力光源11は、cwレ
ーザ等の高出力光源で、出力光12は平行光線になるよ
う調整されている。この出力光12は光チョッパー13
により1Hz〜数十Hzでチョッピングされている。光
チョッパー13を通過した出力光12は、ビームスプリ
ッター14において、それぞれ検出器15に進む出力光
と非軸放物面鏡16に進む出力光に分けられる。検出器
15は、光源11の出力をモニターするものである。ま
た、非軸放物面鏡16では、出力光が不透明体の平板状
試料17の表面17a上に集光される。平板状試料17
の裏面17bには、温度計18が貼着することにより熱
接触させてあり、温度計18の出力は検出器15の出力
と共に、記録処理装置(図示省略)に送られる。温度計
18としては、熱電対のような高感度なものが用いられ
る。
【0010】試料に入射する出力光12の入射パワーを
o 、出力光12に対する試料17の絶対反射率をRと
すれば、試料17においては、入射した出力光12に対
応して反射パワーPo Rの反射光12aを生じる。この
試料17において反射した反射光12aは、シャッター
19に達する。このシャッター19は、その閉時には試
料17からの反射光12aを完全に吸収し、開時にはそ
の反射光12aを減衰することなく透過させて凹面鏡2
0により試料表面に集光再入射させるもので、このシャ
ッター19の開閉により反射光12aの試料17への再
入射が制御される。
【0011】上記出力光12及び反射光12aはチョッ
ピングされたレーザ光であるため、試料17の表面17
aは、それらによって瞬間的に加熱される。その結果、
出力光12のみによる試料17の温度上昇ΔTac(1)
と、出力光12及び反射光12aとによる試料17の温
度上昇ΔTac(2) は、シャッター19の閉開に応じて温
度計18により順次求められ、計算機能を有する記録処
理装置において、平板状試料17の絶対反射率Rが求め
られる。この絶対反射率Rが、シャッター19の閉時の
試料温度上昇ΔTac(1) と、シャッター19の開時の試
料温度上昇ΔTac(2) から、 R=(ΔTac(2) −ΔTac(1) )/ΔTac(1) により簡単にを求められることは、前述した通りであ
る。
【0012】上記温度上昇ΔTac(1) のみから平板状試
料17の反射率を求めることはできるが、この場合に
は、試料17の熱容量、熱伝導率等の物理量や、試料1
7と温度計18との熱接触についての情報が必要とし、
それらに基づいて複雑な計算を行う必要がある。しかる
に、上述した試料温度上昇ΔTac(1) 及びΔTac(2) を
用いる測定方法では、シャッター19と凹面鏡20とを
追加的に付設して、温度上昇ΔTac(2) を測定するのみ
で、簡単に絶対反射率Rが求められる。
【0013】さらに、図2に示すような通常の測定方法
では、試料7と検出器5が離れているために感度が低い
が、試料17と熱接触させた温度計18を信号検出器と
して用いる本発明の測定方法では、感度の高い測定を行
うことができる。また、試料17、検出器(温度計1
8)などに測定精度に大きな影響を及ぼす可動部がな
く、そのため、絶対反射率の測定を高精度に行うことが
可能になる。唯一、開閉するシャッター19は可動であ
るが、単純に反射光の光路を開閉するだけのものである
ため、温度計18及び反射光学系に対して悪い影響を与
えることはない。しかも、温度上昇ΔTac(1) の測定か
ら温度上昇ΔTac(2) の測定への切り替えは、そのシャ
ッター19の開閉操作のみにより簡単に行われるため、
測定した絶対反射率Rの再現性がよく、信頼性が高いも
のとなる。
【0014】以下においては、本発明の方法を、バルク
高温超伝導体単結晶の反射率の測定に適用し、また、可
視光と遠赤外光の領域で実測する場合について説明する
が、それらは単なる例示に過ぎないものである。本発明
の本質は、試料が透過率零の不透明物質である場合を対
象とするものであり、この方法により、絶対反射率測定
(これは絶対吸収率測定と等価である。)を簡単に行う
ことが可能になる。
【0015】
【実施例】図1に示すものと実質的に同じ装置におい
て、高出力光源11として、ヘリウム・ネオンレーザ
(出力:5mW,波長:0.633μm)と、炭酸ガス
レーザ励起ガスレーザ(出力:10mW,波長:119
μm)の2種類を用い、可視域と遠赤外域の領域で測定
した。出力光12は光チョッパー13により5Hzでチ
ョッピングした。非軸放物面鏡16としては、焦点距離
が100mmのものを用い、レーザ光を試料面に集光し
た。また、曲率半径100mmの凹面鏡20を用い、試
料17からの一回反射光を再度試料面上に集光した。試
料17は、高温超伝導体試料(La1.85Sr0.15CuO
4 )の単結晶から、一辺3mm角で厚さ0.1mmの直
方体状のものを作り、3mm角の正方形の面に光を入射
させた。また、この試料17の裏面17bに、温度計1
8として、直径0.05mmのアルメル・クロメル熱電
対を銀ペーストで貼着した。
【0016】測定は、直方体試料17の3mm角の表面
17aに出力光12を投射し、またシャッター19を開
いて試料表面17aからの反射光12aを凹面鏡20で
反射させ、試料表面17aに再入射させた。表1には、
本実施例の測定結果と、比較のために、同じレーザ光源
を用いた通常の測定方法(図2を参照して説明した測定
方法)による測定結果とを示している。これらの結果
は、測定誤差の範囲内でよい一致をしているが、通常の
測定方法では、前述したように、装置を高精度に製作す
る必要があり、測定時においても精度の低下を避けるた
めの注意が必要である。
【0017】
【表1】本発明の測定方法と従来の測定方法による測定
結果の比較
【0018】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の測定方
法によれば、試料を含め、光学系に測定精度に大きな影
響を及ぼす可動部が存在しない構成とすることができ、
かつ、信号検出器である温度計が試料に熱接触している
ので、高感度で高精度な測定が可能である。また、温度
上昇ΔTac(1) の測定から温度上昇ΔTac(2) の測定へ
の切り替えは、シャッタの開閉操作のみによるため、測
定条件に変化が生じることがなく、測定した絶対反射率
R値の再現性がよく、信頼性が高い。更に、光源として
高出力レーザを使うことで、紫外光から遠赤外光までの
広い領域で、微小な試料による測定も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施する装置の構成を概念的に
示す構成図である。
【図2】通常の反射率の測定方法を用いる装置の概念的
な構成図である。
【符号の説明】
12 出力光 12a 反射光 17 試料 18 温度計 19 シャッター 20 反射鏡

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】不透明体の平板状試料に対する高出力光源
    からの出力光のみの照射による試料温度上昇ΔTac(1)
    と、上記出力光とその反射光の試料への再入射とによる
    試料温度上昇ΔTac(2) を、上記試料に熱接触させた温
    度計で測定し、これらの温度上昇に基づき、試料の絶対
    反射率Rを、 R=(ΔTac(2) −ΔTac(1) )/ΔTac(1) により求めることを特徴とする2回光反射による絶対反
    射率の測定方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の方法において、閉時には
    試料からの反射光を完全に吸収し、開時にはその反射光
    を透過させて凹面鏡により試料表面に集光再入射させる
    シャッターを備え、このシャッターの開閉により反射光
    の試料への再入射を制御することを特徴とする2回光反
    射による絶対反射率の測定方法。
JP29775896A 1996-10-21 1996-10-21 2回光反射による絶対反射率の測定方法 Expired - Lifetime JP2835441B2 (ja)

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