JP2835365B2 - ポリオレフィン多孔膜の製造方法 - Google Patents

ポリオレフィン多孔膜の製造方法

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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ポリオフィン樹脂からなる優れた耐薬品
性、優れた濾過性能、優れた機械的特性を備え、かつ微
細な孔からなる均質な三次元の多孔構造を有する多孔膜
の製造方法に関するものである。
(従来の技術) 従来技術によるポリオレフィン多孔膜の製造方法を開
示するものとして、特公昭60−23130号公報などが知ら
れている。
しかしながら、上記公報に開示の方法において、無機
微粉体として通常の親水性シリカを用いて製造された多
孔膜には、膜の内部に数μ以上の粗大孔(マクロボイ
ド)や、膜表面に成形方向に巾数十μ以上のクラック状
の溝(ダイライン)が多く存在し、膜の機械的特性を低
下させ、また、上記欠点により薄膜化が困難であり、さ
らに、ダイラインの発生等により連続的な生産が不可能
であって、生産性が劣るという問題点があった。
(発明が解決しようとする課題) 本発明の目的は、上記問題点が解決されたポリオレフ
ィン多孔膜の製造方法を提供することである。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究の
結果、特殊な疎水性シリカを多孔膜形成のための抽出用
微粉体として用いることを見出し、本発明を完成するに
至った。
即ち、本発明は; 数平均分子量15,000以上のポリオレフィン樹脂とSP値
8.4〜10.5の有機液状体及び無機微粉体を混合した後、
溶融成形し、次いでかかる成形物より有機液状体及び無
機微粉体を抽出することを特徴とする多孔膜の製造方法
において、無機微粉体として、平均一次粒径が0.005〜
0.5μ、比表面積30〜500m2/gの範囲にあり、粉体が完全
にぬれるメタノールの容量%(MW値)が30%以上である
疎水性のシリカを用いることを特徴とする、ポリオレフ
ィン多孔膜の製造方法に関するものである。
本発明に用いられるポリオレフィン樹脂は、重量平均
分子量(w)が少なくとも600,000未満であることが
必要であって、好ましくは300,000以下であり、かつ数
平均分子量(n)が15,000以上であることが必要であ
って、好ましくは17,000以上である。
nが15、000未満のポリオレフィン樹脂を用いた場
合、得られた多孔物は伸びが50%以下と小さく脆いもの
となってしまい、実用に供することができない。wが
600,000以上のポリオレフィン樹脂では、溶融時の流動
性が小さいため、押出成形による薄膜成形性や射出成形
による成形体の成形性が悪くなる。さらに、ポリオレフ
ィン樹脂が形成する網状構造の開孔面積が減少し、空孔
度も低下し、電気抵抗が増大し、透過性能が低下し好ま
しくない。
本発明におけるポリオレフィン樹脂としては、w<
600,000、n≧15,000の範囲のものであれば、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリブテン等のα−オレフィ
ンの重合体およびこれらの混合物、またはエチレン、プ
ロピレン、ブテン、ヘキサン等のα−オレフィンの二種
以上の共重合体であってもよい。これらの樹脂のうち、
ポリエチレンまたはエチレンが主なる共重合体が特に好
ましい。
本発明に用いられる有機液状体は成形物注より抽出さ
れ、成形物に多孔性を賦与するものである。有機液状体
は溶融成形時に液体であり、かつ不活性であることが要
求される。さらに、有機液状体は、溶解パラメータ(SP
値)が8.4〜10.5の範囲のものでなくてはならない。好
ましくは8.4〜9.9であり、さらに好ましくは8.6〜9.5で
ある。
この範囲のものを用いることにより、溶融成形時に、
有機液状体は適度にポリオレフィン樹脂中に溶解し、冷
却固化時には大半が無機微粉体表面に吸着した状態を形
成する。この結果、良好な成形性、抽出性、機械的強
度、低電気抵抗の多孔物が得られる。さらに、有機液状
体のSP値を8.4〜10.5の範囲で選ぶことによりポリオレ
フィン多孔体の平均孔径を0.05〜0.5μの間に調節する
ことが可能である。
有機液状体のSP値が10.5を超えると、樹脂への溶解性
が低下し、成形時に遊離する。このために、樹脂同士の
溶着が妨げられ、成形性が悪化し、かつポリオレフィン
樹脂の網状構造の平均孔径が0.5μ以上に粗大となり、
強伸度が低下する。
また、SP値が8.4未満であると、ポリオレフィン樹脂
への溶解性が増加し、冷却時にミクロ相分離が起こりに
くくなる。この結果、溶融物の溶着は充分に行われ、機
械的強度は向上する反面、有機液状体の造孔性が低下
し、ポリオレフィン構造体の平均孔径が0.05μ以下とな
り、かつ有機液状体と無機微粉体を抽出した際、収縮が
大きくて気孔率が低下し、外観も悪化する。
本発明に用いられるSP値が8.4〜10.5の有機液状体の
例としては、フタル酸ジエチル(DEP)、フタル酸ジブ
チル(DBP)、フタル酸ジオクチル(DOP)等のフタル酸
エステル;セバシン酸ジオクチル(DOS)等のセバシン
酸エステル;アジピン酸ジオクチル等のアジピン酸エス
テル;トリメリット酸トリオクチル(TOTM)等のトリメ
リット酸エステル;リン酸トリブチル(TBP)、リン酸
オクチルジフェニル等のリン酸エステルが挙げられる。
これらのうち、特にDOP、DBPが好ましい。
本発明に用いられる無機微粉体は、有機液状体を保持
する担体としての機能を持ち、更にミクロ相分離の核と
しての機能を持つものである。即ち、溶融成形時に有機
液状体の遊離を防止し、成形を容易にするものであり、
ミクロ相分離の核として有機液状体を高度にミクロ分散
させ、有機液状体の凝集を高度に防止する働きをもつ。
さらに、抽出されて空孔を形成する働きをもつ。
本発明に用いられる無機微粉体は、平均一次粒径が0.
005〜0.5μm、比表面積30〜500m2/gの範囲にあり、粉
体が完全にぬれるメタノールの容量%(MW値)が30%以
上である疎水性のシリカである。
なお、ここで規定する「粉体が完全に濡れるメタノー
ルの容量%(MW量)とは、メタノールウエッタビリティ
ー法により測定した値であり、具体的には後記17頁1〜
11行に記載の測定方法により得られた値である。」 疎水性シリカを用いることにより、シリカ同士の凝集
がなくなり、また疎水性であるポリオレフィン樹脂及び
有機液状体との親和性が、親水性のシリカを用いる場合
に比べて増加するので、無機微粉体の高度なミクロ分散
が達成され、その結果、マクロボイドの生成およびダイ
ラインの発生を防止し、マクロボイド及びダイラインの
ない微細な均一な三次元の多孔構造を持ったポリオレフ
ィン多孔体が生成される。
また、親水性のシリカを用いた場合には、SP値が9.9
以上の有機液状体を用いると、成形性が悪化し、得られ
る成形品にマクロボイド、ダイラインが多く存在し、ポ
リオレフィン樹脂の網目構造も不均一になり、強伸度が
低下する。
これに対して疎水性のシリカを用いた場合には、疎水
性であるポリオレフィン樹脂及び有機液状体との親和性
が、親水性のシリカを用いる場合に比べて増加するの
で、SP値9.9〜10.5の範囲の有機液状体を使用した場合
にも、マクロボイド及びダイラインのない微細な均一な
三次元の多孔構造を持ったポリオレフィン多孔体が生成
される。
また、疎水性のシリカを用いた場合には、無機微粉体
の高度なミクロ分散が達成され、その結果、マクロボイ
ドの生成およびダイラインの発生を防止することによ
り、親水性のシリカを用いた場合に比べて薄膜化が可能
となる。
さらに、ダイラインの発生を防止することにより、連
続的な生産が可能となり、生産性が飛躍的に向上され
る。
本発明の多孔膜の製造方法をさらに詳しく説明する。
疎水性シリカ、有機液状体およびポリオレフィン樹脂
の合計容量に対して7〜42容量%、好ましくは10〜20容
量%の疎水性シリカ、30〜75容量%、好ましくは50〜70
容量%の有機液状体、10〜60容量%、好ましくは15〜40
容量%のポリオレフィン樹脂の三者を混合する。
この時、疎水性シリカの量が7容量%未満では、有効
な多孔物を造るのに必要な有機液状体を吸着することが
できなく、混合物は粉末または顆粒状態に保つことがで
きず、成形が困難となる。一方、42容量%を超えると溶
融時の流動性が悪く、かつ得られる成形品は脆く実用に
供することができない。
また、粉体が完全にぬれるメタノールの容量%(MW
値)が30%以下であるシリカを用いると、シリカ同士が
凝集してしまい、また、疎水性であるポリオレフィン樹
脂及び有機液状態との親和性も親水性のシリカを用いた
場合と比べて改善されず、得られる成形品にはマクロボ
イド(粗大孔)や、ダイライン(クラック状の溝)が多
く存在し、膜の機械的特性を低下させる。
また、上記欠点により薄膜化が困難であり、さらにダ
イラインの発生等により連続的な生産が不可能となり、
生産性が劣るという問題点が生じる。特にSP値が9.9以
上の有機液状体との組合せでは、親和性が低下すること
により、成形性がさらに悪化し、得られる成形品にはマ
クロボイドが多く存在し、ポリオレフィン樹脂の網目構
造も不均一になり、強伸度が低下し、実質的に良好な膜
が得られない。
有機液状体の量は、30容量%未満では有機液状体の空
孔形成に対する寄与率が低下し、得られる多孔膜の気孔
率は40%を下まわり、実質的に多孔膜として有効なもの
が得られない。一方、75容量%を超えると成形が困難と
なり、機械的強度の高い多孔物は得られない。
ポリオレフィン樹脂が10容量%未満では、樹脂が少な
すぎて強度が小さく、成形性も悪い。60容量%を超える
と、気孔率の大きい多孔膜が得られず好ましくない。
本発明に供せられる配合物は主にポリオレフィン樹
脂、疎水性シリカ、有機液状体の三者により構成され
る。しかしながら、他に本発明の効果を大きく阻害しな
い範囲で、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、
成形助剤等を必要に応じて添加することは何ら差し支え
ない。
これら三成分の混合には、ヘンシェルミキサー、V−
ブレンダー、リボンブレンダー等の配合機を用いた通常
の混合法で充分である。三成分の混合順序としては、三
成分の同時に混合するよりも、まず疎水性シリカと有機
液状体を混合して疎水性シリカに有機液状体を充分に吸
着させ、次いでポリオレフィン樹脂を配合して混合する
のが、溶融成形性の向上、得られる多孔物の空孔度およ
び機械的強度の向上に有効である。
この混合物は、押出機、バンバリーミキサー、二本ロ
ール、ニーダー等の溶融混練装置により混練される。得
られる混練物は、溶融成形方法により成形されるが、本
発明方法に用いられる溶融成形方法としては、Tダイ
法、インフレーション法、中空のダイスを用いた方法等
の押出成形、カレンダー成形、圧縮成形、射出成形等が
ある。また、混合物を押出機、ニーダールーダー等の混
練・押出両機能を有する装置により、直接成形すること
も可能である。
これらの成形法により三成分配合物は0.025〜25mmの
肉厚の成形物に成形される。0.025〜2.5mmの膜状物、特
に0.025〜0.30mmの薄膜の成形には、押出成形が特に有
効である。また、膜の形状としては、中空糸状、チュー
ブ状、平膜状等が可能である。
得られた膜から溶剤を用いて有機液状体の抽出を行
う。抽出に用いる溶剤は、有機液状体を溶解し得るもの
であるが、ポリオレフィン樹脂を実質的に溶解するもの
であってはならない。
抽出は、回分法や向流多段法等の膜状物の一般的な抽
出方法により容易に行われる。抽出に用いられる溶剤と
しては、メタノール、アセトン等が挙げられるが、特に
1,1,1−トリクロロエタン、トリクロルエチレン等のハ
ロゲン系炭化水素が好ましい。
有機液状体の抽出が完了した半抽出多孔膜は必要に応
じて溶剤の乾燥除去を行っても良い。次いで、疎水性シ
リカの溶剤で疎水性シリカの抽出を行う。抽出に先立
ち、半抽出多孔膜を50〜100%エチルアルコール水溶液
に浸漬した後、水に浸漬して水になじませると、抽出が
更に効率良くむらなく行われる。抽出は回分法、向流多
段法等の一般的な抽出方法により数秒〜数十時間のうち
に容易に終了する。
疎水性シリカの抽出に用いられる溶剤としては、苛性
ソーダ、苛性カリのようなアルカリ水溶液が用いられ
る。その他ポリオレフィン樹脂を実質的に溶解せず、疎
水性シリカを溶解するものであれば特に限定されるもの
ではない。
また、孔径を大きくしたり、気孔率を高めるために、
有機液状体、疎水性シリカの一方又は両方を抽出した多
孔膜を一軸又は二軸に延伸を行うこともできる。
本発明によって製造された多孔膜は、長時間の連続生
産が可能であり、実質的にポリオレフィン樹脂からな
り、マクロボイド(粗大孔)やダイライン(クラック状
の溝)のない均質な三次元の網状構造を形成する、連通
の細孔によって構成されており、狭い孔径分布を有し、
優れた耐薬品性と上記孔構造の結果、優れた透水性や透
気性と高い濾過性能とを兼ね備えたミクロフィルターを
実現するものである。
本発明の明細書及び実施例に示されている諸物性は、
次の測定方法によった。
重量平均分子量(w): 数平均分子量(n): CPU測定装置−Waters社製Model 200, カラム−東洋ソーダ製G 7000S〜G 3000S、 溶剤−トリクロルベンゼン、 測定温度−135℃ 組成比(容量%): 各組成の添加重量を真比重によって除した値から算出
した。
気孔率(%): 気孔率=空孔容積/多孔膜容積×100、 空孔容積=含水重量−絶乾重量、 比表面積: BET吸着法により測定。
平均孔径(μ)(ハーフ・ドライ法): ASTM F316−70により測定。
最大孔径(μ)(バブル ポイント法): ASTM F316−70及びE128−61により測定。
透水量(/m2・hr・atm・25℃): 25℃、差圧1kg/cm2にて測定。
破断強度(kg/cm3)、破断伸度(%): インストロン型引張試験機によりASTM D882に準じて
測定(歪速度2.0mm/mm・min)。
溶解パラメーター(SP値): 次式により算出(Smallの式)。
電気抵抗(Ω・dm2/枚、Ω・dm2/0.1m/m): JIS−C−2313に準じて測定。
極板は純ニッケル板。
電解液は比重1.30の苛性ソーダ水溶液。
粉体が完全にぬれるメタノールの容量%(MW値): シリカ0.2gをビーカーに採取し、純水50mlを加える。
電磁撹拌しながら、液面下へメタノールを加え、液面上
にシリカが認められなかった点を終点とし、要したメタ
ノール量から次式より算出する。
即ち、これを言い直すと、以下の通りになる。
「メタノールの容量%」の値は、「要したメタノール
量(ml)の「純水50mlと要したメタノール量(ml)の
和」に対する割合である。
(実施例) 次に本発明の効果を明らかにするために実施例及び比
較例を示す。しかし本発明は、これらの実施例によって
限定されるものではない。
実施例1 MW値50%、平均一次粒径16mμ、比表面積110m2/gの疎
水性シリカ13.5容量%、フタル酸ジブチル56.3容量%を
ヘンシェルミキサーで混合し、これにw=270,000、
n=43,000のポリエチレン樹脂(Suntec SH−800)3
0.2容量%を添加し、再度ヘンシェルミキサーで混合し
た。
該混合物を87mmφの二軸押出機で押出し、ペレットに
した。このペレットを30mmφの二軸押出機に中空紡糸口
を取り付けた中空糸製造装置で中空糸状に成形した。成
形された中空糸を60℃の1,1,1−トリクロロエタン中に
1時間浸漬して、フタル酸シブチルを抽出した後、乾燥
させた。
次いで、50%エチルアルコール水溶液に30分浸漬し、
更に水中に移して30分浸漬して、中空糸を親水化した。
更に、70℃、20%苛性ソーダ水溶液中に1時間浸漬し
て、疎水性シリカを抽出した後、洗浄し、乾燥した。
得られたポリエチレン多孔膜は外径1.25mm、内径0.68
mmで平均孔径0.25μ、最大孔径0.33μ、透水量は1900
/m2・hr・atm・25℃であり、破断強度65kg/cm2、破断伸
度は600%であった。
得られた多孔膜の横断面の電子顕微鏡写真を第1図及
び第2図に示す、この多孔膜は均質な三次元の多孔構造
をしていた。
また、この多孔膜の製造は、96時間の連続製造が可能
であった。
比較例1 シリカとしてMW値0%、平均一次粒径16mμ、比表面
積280m2/gの親水性シリカ12.4容量%、フタル酸ジオク
チル63.8容量%、ポリエチレン樹脂(Suntec SH−80
0)23.8容量%を実施例1と同様にして操作し、ポリエ
チレン多孔膜を得た。
得られたポリエチレン多孔膜は、外径1.25mm、内径0.
68mmで平均孔径0.23μ、最大孔径0.30μ、透水量1750
/m2・hr・atm・25℃であり、破断強度50kg/cm2、破断伸
度は450%であった。
得られた多孔膜の横断面の電子顕微鏡写真を第3図に
示す。多孔膜中にマクロボイド(粗大孔)が多数見ら
れ、必ずしも均質な構造ではなかった。
また、この多孔膜の製造は、2時間しか連続製造がで
きなかった。
実施例2〜3 ポリエチレン樹脂及び疎水性シリカ、フタル酸ジブチ
ル、フタル酸ジオクチルの混合割合を変えた以外は、実
施例1と同様にしてポリエチレン多孔膜を得た。
得られたポリエチレン多孔膜の性能を第1表に示す。
実施例2〜3とも100時間程度の連続製造が可能であっ
た。
また、得られた多孔膜の断面の電子顕微鏡写真はいず
れも均質な多孔構造をしていた。
実施例4 MW値35%、平均一次粒径12mμ、比表面積170m2/gの疎
水性シリカ14.4容量%、フタル酸ジブチル60.5容量%、
ポリエチレン樹脂(サンテック SH−800)25.1容量%
を実施例1と同様にして操作し、ポリエチレン多孔膜を
得た。
得られたポリエチレン多孔膜は外径3.10mm、内径1.95
mmで、最大孔径0.33μ、透水量は980/m2・hr・atm・2
5℃であり、破断強度35kg/cm2、破断伸度は300%であっ
た。
また、この多孔膜の断面の電子顕微鏡写真は均質な多
孔構造をしていた。
(発明の効果) 本発明により、優れた耐薬品性と優れた濾過性能、優
れた機械的物性を備え、マクロボイド(粗大孔)やダイ
ライン(クラック状の溝)がなく、かつ微細な孔からな
る均質な三次元の多孔構造を有し、また、長時間の連続
製造が可能で、生産性が飛躍的に向上したポリオレフィ
ン多孔膜が得られるようになった。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は、実施例1により製造した中空糸状
ポリエチレン多孔膜の横断面のそれぞれ1,000倍、300倍
の顕微鏡写真図である。 第3図は、比較例1により製造した中空糸状ポリエチレ
ン多孔膜の横断面の300倍の顕微鏡写真図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−242602(JP,A) 特開 昭61−233026(JP,A) 特開 昭54−52167(JP,A) 特開 昭54−38279(JP,A) 特開 昭62−11506(JP,A) 特開 昭55−131028(JP,A) 特公 昭60−23130(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B01D 71/26 C08J 9/26

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】数平均分子量15,000以上のポリオレフィン
    樹脂とSP値8.4〜10.5の有機液状体及び無機微粉体を混
    合した後、溶融成形し、次いでかかる成形物より有機液
    状体及び無機微粉体を抽出することを特徴とする多孔膜
    の製造方法において、無機微粉体として、平均一次粒径
    が0.005〜0.5μ、比表面積30〜500m2/gの範囲にあり、
    粉体が完全にぬれるメタノールの容量%(MW値)が30%
    以上である疎水性のシリカを用いることを特徴とする、
    ポリオレフィン多孔膜の製造方法。
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