JPH0311259B2 - - Google Patents

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JPH0311259B2
JPH0311259B2 JP56157573A JP15757381A JPH0311259B2 JP H0311259 B2 JPH0311259 B2 JP H0311259B2 JP 56157573 A JP56157573 A JP 56157573A JP 15757381 A JP15757381 A JP 15757381A JP H0311259 B2 JPH0311259 B2 JP H0311259B2
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JP
Japan
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membrane
porous
porosity
stretching
porous membrane
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JP56157573A
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Shigeki Katayama
Mitsuo Kono
Kazuo Matsuda
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication of JPH0311259B2 publication Critical patent/JPH0311259B2/ja
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29DPRODUCING PARTICULAR ARTICLES FROM PLASTICS OR FROM SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE
    • B29D7/00Producing flat articles, e.g. films or sheets
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C67/00Shaping techniques not covered by groups B29C39/00 - B29C65/00, B29C70/00 or B29C73/00
    • B29C67/20Shaping techniques not covered by groups B29C39/00 - B29C65/00, B29C70/00 or B29C73/00 for porous or cellular articles, e.g. of foam plastics, coarse-pored
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29KINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES B29B, B29C OR B29D, RELATING TO MOULDING MATERIALS OR TO MATERIALS FOR MOULDS, REINFORCEMENTS, FILLERS OR PREFORMED PARTS, e.g. INSERTS
    • B29K2105/00Condition, form or state of moulded material or of the material to be shaped
    • B29K2105/04Condition, form or state of moulded material or of the material to be shaped cellular or porous

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Molding Of Porous Articles (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、実質的に熱可塑性樹脂からなり、高
い気孔率からなる連通微細孔が網状構造を形成
し、優れた耐水圧、透気性、オイル透過性と良好
な機械的強度、寸法安定性を有する多孔膜の製造
方法に関するものである。 近年、合成樹脂多孔体に関する技術は目ざまし
い進歩をとげており、特に孔が連通孔の形態を有
している多孔体は、各種フイルター要素としてそ
の利用が拡大している。この中でも特に撥水性熱
可塑性樹脂を基材とした多孔膜は、気体および油
水分離膜等の精密フイルター、防水通気性膜とし
て優れた機能を有している。 従来の撥水性多孔体としては、焼結法、不織布
法(合成パルプ法)、延伸法、相分離法、抽出法
等により作られたものが知られている。 焼結法は、熱可塑性樹脂粉末を適当な温度、圧
力下で部分的に熔着させ、多孔体とするものであ
るが、一般的に孔径が小さくても数十μmと粗大
であり、水分離用途には不適当である。 不織布法は、一般に微細な均一の孔径のものは
得難く、かつ気孔率を高くできず、精密フイルタ
ーとはなり得ない。 延伸法としては、特公昭46−40119号に、熱可
塑性樹脂を熔融延伸し、得られたフイルムをさら
にアニール、延伸して多孔膜とする方法が開示さ
れているが、この場合、孔構造は網状でなく平面
的であり、かつ微細な均一孔を保つ範囲の気孔率
は高くとも60%程度までである。また一軸延伸で
あるため、得られた多孔膜の物性の異方性は大き
く、ヨコ方向の強度フアクターF(後述)は1以
下である。さらに延伸法の最大の欠点は、プラス
チツクを高度に配向させていることにより、寸法
安定性に乏しく、高温下における使用は制限され
ることである。 相分離法としては、特開昭55−22398号に、熱
可塑性樹脂と該樹脂に不活性な高沸点溶剤を、均
一相を作る高温下で混合、溶解させ、スリツトか
ら押出して冷却し、高沸点溶剤を相分離させ多孔
体とする技術が開示されている。この相分離法に
よれば、孔構造は比較的径の大きいセルを微細な
孔で連通させる網状構造となり、特に気孔率の高
い領域においては実用に耐える強度を有さない。 抽出法は、熱可塑性樹脂に、酸、アルカリ、そ
の他の溶剤で抽出可能な微細粒子および必要に応
じてオイル、可塑剤等の液状化合物を混合したも
のを、熔融可塑化押出法によりフイルム化した
後、適当な溶剤で微細粒子および液状化合物を抽
出して多孔膜とする方法であるが、この場合、成
形性の面からポリマー量をあまり少なくすること
はできず、さらに抽出の際、かなりの量の収縮を
伴うため、結果的には80%以上の高気孔率を有す
る多孔膜を得ることは難かしい。また、この抽出
法による多孔膜は網状構造をしているが、強度フ
アクターF(後述)は1未満である。 さらに他の形態の延伸法として、特公昭51−
18991号に、ポリテトラフルオロエチレンのペー
スト押出物を一軸または二軸に延伸して、さらに
融点以上の温度で焼結して多孔体とする製造方法
が開示されている。この方法によれば、網状構造
を有する高気孔率の微多孔膜が得られ、かつ延伸
方向の強度フアクターF(後述)が1以上となる
が、弾性率フアクターF′(後述)が0.1以下と非常
に小さく、さらに引張および圧縮応力下における
クリープが非常に大きいという特徴があり、他の
支持材なしでは使用に耐えないという欠点を有す
る。この原因は、この方法による多孔膜の構造が
“Nodes & Fibrils(結接および小繊維)”の形
態を取つていることによる。すなわちFibrilは非
常に高度に配向したPTFE(ポリテトラフルオロ
エチレン)の繊維となつており、強度も非常に強
いが、Nodeは未配向のPTFEの粒子の焼結体で
あり、粒子相互間の凝集力も非常に低い。したが
つて、非常に小さな応力が加えられてもNode部
分の粒子間のスベリが生じる。さらに粒子間のス
ベリは塑性変形であり、応力を取り去つても元に
戻らない。このことは一定の応力下で使用した場
合、容易にクリープが進行し、さらに応力を取り
去つた場合、その残留変形が大きくなる。さら
に、この方法の適用できる樹脂はポリテトラフル
オロエチレン樹脂に限られる。 以上のように、従来の多孔膜製造技術において
は、撥水性であり、実用に耐え得る強度を有する
高気孔率の微多孔膜は得られていない。 本発明者らは、実用上充分な強度および柔軟性
を有する高気孔率の微多孔膜を得るべく鋭意研究
を重ねた結果、特定の構造および性質を有する熱
可塑性樹脂多孔膜を、ある限定された条件下に延
伸、熱処理することにより、優れた性態を有する
多孔膜が得られることを見出し、本発明を完成す
るに至つた。 すなわち、本発明は、臨界表面張力が35dyn/
cm以下の熱可塑性樹脂からなり、気孔率30〜70
%、平均孔径0.05〜1μmの連通孔が立体的網状骨
格構造を形成している熱可塑性樹脂多孔膜を、該
熱可塑性樹脂の融点もしくは軟化点温度より5℃
低い温度と、50℃低い温度の間で、少なくとも一
軸方向に空間延伸し、さらに延伸温度以上融点も
しくは軟化点以下の温度において空間熱処理を行
なうことを特徴とする前記熱可塑性樹脂多孔膜の
製造方法である。 以下、本発明の構成について詳細に説明する。 本発明の多孔膜の材質である熱可塑性樹脂は、
臨界表面張力rcが35dyn/cm以下であることが必
要である。ここで言う臨界表面張力rcとは、接触
角θ=0°における固体面の表面張力であり、種々
の表面張力を持つ液体で固体面との接触角を求
め、外そう法によりθ=0°の表面張力を求めたも
のであり、rc以上の表面張力を持つ液体には濡れ
ないという性質を示す。臨界表面張力rcが
35dyn/cm以下であることは、固体面が多くの液
状有機化合物には濡れるが、水および水溶液には
濡れないという特徴を具備するために必要であ
る。これによつてオイル系フイルター、気体およ
び油からの水分離フイルターとして好適ならしめ
ることができる。 このような臨界表面張力rcが35dyn/cm以下の
熱可塑性樹脂としては、フツ素系樹脂、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリメチ
ルペンテン−1、ポリメチルメタクリレート、ポ
リジメチルシロキサン等およびこれらの混合物が
挙げられるが、本発明に用いるに当つて、フツ素
系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンがその優
れた成形加工法、耐薬品性、機械的強度から特に
好ましい。 一般に分離膜においては、その材質そのものの
他に、その孔構造、孔径および気孔率の三要素が
非常に大きな意味を持つ。そのうち孔構造と孔径
は、分離効率に大きな影響を与え、気孔率は透過
量に大きな影響を与える。多孔膜の孔構造は大別
すると、膜の表面から裏面にほぼ直線的に孔が空
いている貫通孔径と、網状骨格構造から得られる
連通型の2種になり、本発明の多孔膜は後者の型
に属す。この網状骨格からなる連通型の特徴は、
非常に高気孔率の構造を取ることができ、さらに
は貫通孔型と同じ膜厚でも流路長が長くなり、実
際の孔径は表面の開孔径の数分の1となり、厚み
過性を有する。 本発明による多孔膜の平均孔径は0.1〜2.0μm
であることが必要であり、好ましくは0.1〜0.5μ
mである。このような多孔膜は、一般的分類によ
れば精密フイルターの範囲に入り、平均孔径を上
述のように限定したのは、各種粉塵、細菌類、血
液中の血球成分、一部のエマルジヨン、オイル中
のカーボン、その他の固定粒子等の分離を可能に
するためである。 また本発明の多孔膜の耐水圧は500〜20000mm
H2Oが好ましく、1000〜20000mmH2Oが特に好ま
しい。ここで耐水圧とは、JIS・L−1079法によ
るもので、水が透過し始める圧力を表現してい
る。一般に液体が孔に浸透する際は、下式 Pr=−2σcosθ が成り立つ。 (たゞし、rは孔の半径、Pは液体が浸透し始め
る圧力、θは液体と膜の接触角、σは液体の表面
張力を表わす。) この式から液体が水の場合、Pは耐水圧とな
り、耐水圧は膜材質の表面張力と孔半径(この場
合は最大孔径)によつて決まる。本発明の多孔膜
の一例を示すと、臨界表面張力29dyn/cmのポリ
プロピレン製多孔膜の場合、耐水圧は平均孔径
1μm(最大孔径2μm)のものが1500mmH2O、平
均孔径0.35μm(最大孔径0.9μm)のものは3000
mmH2O、平均孔径0.1μm(最大孔径0.25μm)の
ものが10000mmH2Oを示し、いずれも優れた防水
性多孔膜といえる。 次に本発明の多孔膜の気孔率は60%以上である
ことが必要であり、好ましくは80〜98%である。
気孔率を上記のように限定したのは、透過量を高
めるためである。すなわち、一般に透過量は、そ
の膜の気孔率および開孔面積に比例し、分離膜と
しては、気孔率および開孔面積の高いものほど好
ましいからである。透過量の低い分離膜の場合、
高透過量を得るためには、膜を薄くするか、膜面
積を大きくするか、もしくは膜の前後の差圧を大
きくする必要があるが、膜を薄くしたり、差圧を
大きくすることは、膜の破断もしくは変形を招く
ことがあり、あまり好ましくなく、さらに差圧を
大きくすることは、前述の如く油中の水やエマル
ジヨンの分離において分離効率を低下させるので
好ましくない。また膜面積を大きくすること、お
よび圧を高くすることは分離コストの点で不利で
ある。また多孔膜を含浸材料として使用する場合
も高気孔率の方が好ましく、例えばアルカリ電池
セパレーターのように電解液を含浸させる目的に
使用する場合、高気孔率のものほど通過電気抵抗
が小さくなり、さらにコンデンサーの絶縁油含浸
材または電解質含浸材として使用した場合でも、
一定厚みで多量の絶縁油または電解質を含むこと
ででき、小型化することが可能となる。 次に本発明の多孔膜は、強度フアクターFがい
ずれの方向においても1以上であることが必要で
ある。これは実用に耐え得る機械的強度が必要と
されるからである。一般に多孔膜は気孔率に反比
例してその強度が低下し、特に80%以上の気孔率
を有する多孔膜の場合、強度的にも非常に低いも
のとなるが、本発明によれば、高気孔率の場合で
も非孔性フイルムと同程度の強度のものが得られ
る。多孔膜の弾性率およびクリープ特製は、上述
した引張破断強度よりも実用面においてはより重
要である。弾性率はごく少量の荷重下における荷
重方向への変形量を示す尺度として用いられる数
値であり、応力をσ、変形量をe、弾性率をEと
すると、σ=eEの関係式が成り立つ。多孔膜の
弾性率は、同一樹脂の非孔性フイルムと比べた場
合、その気孔率で換算した値よりもはるかに低い
値となる。それは初期の変形がその膜の最も弱い
部分で発生するためであり、網状骨格構造の場
合、その骨格の不均一性、孔径分布の広さが大き
な影響を与えるものと考えられる。本発明による
多孔膜のように弾性率フアクターF′が0.2以上の
ものは、特に80%以上の孔気孔率のものでは類を
見ないものである。分離膜の変形を実用上の観点
から見ると、引張荷重による変形は、孔径の拡大
となり、分離効率の低下につながり、圧縮荷重に
よる変形は、孔径の縮少および気孔率の低下とな
り、透過性能の低下につながる。 弾性率と同様に、クリープ特性も膜の変形に大
きな影響を及ぼす。図面はクリープおよびクリー
プ回復の機構を示したものであり、e0は荷重を加
えた瞬間の変形量であり、これは材質の弾性率で
決まる値である。etはt時間後の変形量であり、
(et−e0)をt時間後のクリープ変形量と言い、
素材樹脂の粘性および多孔膜においては、骨格構
造により決まる値である。さらにt1時間後に荷重
を取り去ると、変形量がet1からe′t1に瞬間的に減
少し、この時の(et1−e′t1)を瞬間クリープ回復
量と言い、e′t1を残留変形量と言う。さらに(e′t1
−et2)を遅延回復量と言い、この後いくら時間
がたつても変形量は0になることなくeで一定と
なり、これを永久残留変形量と言う(図示せず)。
以上述べたクリープ現象は、引張応力でも圧縮応
力でもほぼ同じ機構となる。工業用フイルターの
場合は、特に圧縮応力が加わることが多く、長時
間圧を加えて運転しているうちにクリープにより
目詰まりが起こり、透過性能の低下をきたすこと
があり、これを圧密化(compaction)と呼ぶ。
クリープ回復率の大きい膜の場合は、一定時間運
転後一時的に運転を休ませることにより、性能が
かなり回復するため、工業用フイルターとしては
好適である。 さらに弾性率とクリープ特性は、多孔膜を各種
製品と組合せる際の組立操作上にも大きな影響を
与える。例えば他のフイルムまたは繊維製品との
ラミネートや、他の材料への被覆時には容易に変
形し、かつクリープし易い膜の場合は、高価な張
力調節機構を必要となる。 本発明の多孔膜は、前述した気孔率および平均
孔径を有する連通孔が網状樹脂骨格から形成され
ていることが必要である。これは孔径1μm以下
の多孔膜で、60%以上の気孔率を有し、かつ高開
孔面積のものは、この構造が三次元的網状骨格構
造以外のものでは考えられないからである。 さらに本発明の多孔膜は、厚さが5〜500μm
に限定される。上記限定は、界面活性剤水溶液に
よる処理や乾燥によつて、多孔膜が実質的に収縮
を示さない厚さが必要であること、および透過量
を適度に維持することの必要性から設けられたも
のである。 その他、本発明の多孔膜の性質として、透気度
5〜500sec/100c.c.・100μであること、多孔膜の
素材である熱可塑性樹脂の融点もしくは軟化点温
度より50℃低い温度における面積収縮率が5%以
下であることが好ましい。 以上の構成からなる本発明の多孔膜は、数多く
の分野において有用であるが、特に微粒子捕捉用
ミクロフイルター、水分離用ミクロフイルター、
血漿分離膜、アルカリ電池セパレーターに好適で
ある。 血漿分離膜とは血液中の固形成分と無形成分を
分離するための膜であり、固形成分としては、赤
血球、白血球、血小板であり、無形成分は血漿で
あり、水と溶解性蛋白質、糖類、脂質、ホルモ
ン、酸素、電解質からなつている。血漿分離膜の
用途は、正常な血液から治療用血漿および血漿製
剤を得る血漿採取用(固形成分は供血者の体内に
返す)と、病人の血漿中から有害成分を除去する
治療用があり、従来はいずれも遠心分離法によつ
ている。 血漿分離膜に要求される特性は、生体適合性と
目的に合つた分離性能および高透水性である。本
発明の多孔膜は、親水化処理を行なうことによ
り、特に血漿採取用に好適である。 アルカリ電池セパレーターとは、アルカリ電池
の両電極の間におかれ、その目的は、電極間の短
絡防止および電極間の活物質の移行の阻止にあ
る。この電池セパレーターに要求される特性とし
ては、電気抵抗が小さいこと、電解液におかされ
ないこと、および電解液保持性であり、多孔膜の
場合、高気孔率でかつ小孔径のものが適す。本発
明の多孔膜は本来撥水性であるため、そのままで
は使用できないが、親水性処理(例えば界面活性
材の付与)より使用可能である、最大の特徴は、
今までにない電気抵抗の低さにあり、かつ膜厚を
薄くできるため、電池の小型化が可能となる。 このような本発明の多孔膜は、以下に述べる製
造方法によつて、初めて見い出されたものであ
り、従来にはなかつたものである。すなわち、本
発明の製造方法は、立体的網状骨格構造を有する
多孔膜を、限定された条件下において、一軸以上
の方向に、好ましくは二軸以上の方向に延伸し、
さらに熱処理することによつて、気孔率を高め、
同時に強度的にも強化された多孔膜を得ることを
可能とするものである。 本発明の製造方法においては、臨界表面張力が
35dyn/cm以下、特に好ましくは33dyn/cm以下
の熱可塑性樹脂からなり、気孔率30〜70%、平均
孔径0.05〜1μmの連通孔が立体的網状骨格構造か
ら形成されている多孔膜を素材として用いる。該
多孔膜は上記要件を具備していれば、その製造方
法は問わないが、その具体的例は後述の実施例に
示される。 気孔率を30〜70%に限定した理由は、気孔率が
30%未満のものでは延伸しても60%以上の気孔率
にすることが難かしく、また気孔率が70%を越え
るものでは安定な延伸が難かしいからである。 平均孔径を0.05〜1μmに限定した理由は、延伸
の際、気孔率と共に孔径も拡大するため最終製品
の状態で平均孔径を0.1〜2μmになるようにする
ためである。 また素材多孔膜を立体的網状骨格構造に限定し
た理由は、膜の表面から裏面に直線的に孔が貫通
している膜を延伸した場合、最終製品が立体的網
状骨格構造にならないことと、さらに重要な点
は、安定な延伸が難かしいことによる。 ここで言う立体的網状骨格構造とは、孔を形成
している樹脂の骨格が膜の表面はもちろん、断面
においても網状構造を有しているものを言い、か
かる膜は相分離法および抽出法によつて得られ
る。 本発明を実施するに当り、好ましい前駆体多孔
膜を得る方法としては、特開昭55−131028号に開
示された技術がある。この方法は、特定の熱可塑
性樹脂に無機微粉体および特定の溶解度パラメー
ターを有する有機液状体を混合し、溶融成形し、
その後、この成形品より有機液状体および無機微
粉体を抽出して多孔膜とする技術である。ここで
は無機微粉体は有機液状体の担体となり、溶融成
形時の有機液状体の飛散および分離を防ぎ、かつ
均一に分散させる効果を果す。有機液状体は溶融
成形時に、一部は樹脂に溶解しながら大部分は液
状のまま樹脂中に連続相として微細に分散し、抽
出された跡が連通孔となる。かかる成形法による
多孔膜は、比較的均一な孔径分布および高気孔率
を有し、かつその構造が立体的網状骨格構造であ
り、さらには各骨格が均質である点から、以下に
述べる本発明の延伸操作に好適なものである。 次に、上記多孔膜を延伸するのであるが、該延
伸は空間延伸によらなければならない。これは空
間延伸が気孔率増加に寄与するからである。ここ
で言う空間延伸とは、非接触型の延伸方法をい
い、バブル法、テンター法、一部のロール式延伸
法等が挙げられるが、バブル法は多孔膜の延伸に
あまり好ましくない。 前記多孔膜の延伸を接触型である熱板方式で行
なつた場合、その厚さの減少率は、面積拡大倍率
の逆数にほぼ等しく、その気孔率はほとんど増加
していないのに対して、空間延伸であるテンター
式で行なつた場合は、驚くべきことに、膜の厚さ
の減少率は、面積拡大倍率の逆数の半分程度であ
り、かなり気孔率の増加が見られる。この原因
は、接触延伸の場合、延伸方向以外に、膜面に垂
直な方向にかなりの圧縮応力が作用しており、通
常の非孔性フイルムの延伸時の膜厚減少挙動と同
様に、孔構造がつぶされているためと思れる。一
方、非接触の空間延伸では、面方向の延伸力が厚
み方向には(その網状構造のポリマー骨格の特異
性によるものと思われるが)適度に分散され、そ
の結果、厚みの減少率が面積拡大倍率に比べ小さ
くなつているものと思われる。以上の理由から、
気孔率の増加を目的とする場合には、空間延伸が
適しているのである。たゞし、二軸以上の方向に
順次延伸を行なう場合は、最終延伸工程が空間延
伸であるならば、その前の延伸工程は接触延伸で
あつても気孔率増加の目的は達成され、本発明に
適用できる。 本発明の延伸条件のもう一つの重要な点は、そ
の温度条件にある。すなわち、素材多孔膜として
用いている熱可塑性樹脂の融点もしくは軟化点よ
り5〜50℃、より好ましくは8〜30℃低い温度で
延伸されなければならない。該熱可塑性樹脂の融
点もしくは軟化点以上の温度、または低くてもそ
の5℃以内の温度域で延伸を行なつた場合は、該
熱可塑性樹脂が熔融または熔融しないまでも孔構
造がつぶれ、多孔膜とはなり得ない。また該熱可
塑性樹脂の融点または軟化点より50℃以上低い温
度で延伸した場合は、延伸による結晶化が十分に
進まず、その結果、本発明のもう一つの重要な目
的である機械的強度の増加、すなわち、強度フア
クターFが1以上、弾性率フアクターF′が0.2以
上を達し得ず、さらにはクリープ特性、寸法安定
性も非常に悪い多孔膜となる。また、このように
低い温度で延伸した場合、延伸応力が高く、延伸
時の膜の破断が発生し易く、破断が起こらないま
でも、延伸が不均一になりやすく好ましくない。 次に本発明では延伸に続き熱処理を必要とす
る。多孔性延伸膜も非孔性延伸フイルム同様、延
伸による残留応力が発生し、その結果、寸法安定
性が悪くなる。多孔性延伸膜においては、熱収縮
以外に、特有の性質として界面活性剤水溶液に浸
漬後、水を除去した際、かなりの量の収縮を示す
ことがある。これらの収縮は、多孔膜にとつては
単に形状が変るという問題のみでなく、気孔率お
よび孔径の低下という本質的な問題となる。 これら加熱収縮および界面活性剤による湿潤処
理収縮を減少させるために、熱処理は非常に有効
な手段であることが実験によつて判つたが、さら
に熱処理の効果として機械的強度の向上、特に弾
性率およびクリープ特性の向上にも多大に寄与す
ることが判つた。これは前述したように、網状骨
格構造を有する多孔膜の延伸は、一般の非孔性フ
イルムの延伸よりもポリヤー分子の配孔およびそ
れに伴う再結晶化挙動が複雑かつ不均一となり、
このため膜内に多数の強度適欠陥部の存在が予想
される。熱処理を行なうことにより、これらの不
均一性が緩和され、寸法安定性が改良されること
はもちろんのこととして、弾性率、クリープ特性
の向上にも寄与していると思われる。 本発明において行われる熱処理条件としては、
延伸と同様、空間熱処理が必要であり、緊張状態
および緩和状態のいずれの状態において熱処理を
行なつても効果があるが、熱処理の効果を大きく
するためには、5〜30%の緩和状態における熱処
理が好ましい。緩和熱処理の場合、延伸の全軸方
向に緩和する必要はなく、一軸方向への緩和でも
かまわない。 次に熱処理の温度は延伸温度以上、好ましくは
10℃以上、使用熱可塑性樹脂の融点もしくは軟化
点以下の温度で行なうことが必要である。これは
延伸温度以下での温度で熱処理を行なつた場合、
その熱処理効果が十分発揮できないためであり、
また融点もしくは軟化点以上の温度で熱処理した
場合は、その孔構造が消滅するためである。さら
に熱処理温度を使用樹脂の融点もしくは軟化点温
度より10℃以上低くない温度に設定することによ
り、クリープ特性に対する効果がより大きくな
る。熱処理の時間は熱処理温度にもよるが、3秒
〜1分で本発明の目的は十分に達成される。 次に、本発明の効果を明らかにするために実施
例を示すが、本発明は、これら実施例によつて限
定されるものではない。 なお、本明細書本文および実施例に示されてい
る諸物性は、次の測定法によつた。 気孔率(%); 気孔率=容孔容積/多孔膜容積×100 容孔容積(c.c.); 水銀ポロシメーターにより測定 平均孔径(μm); 水銀ポロシメーターにより求めた孔径〜空孔容
積積分曲線上で全空孔容積の1/2の空孔容積を示
す孔径 耐水圧(mmH2O); JIS−L−1079号A法により測定 透気度(sec/100c.c.・枚); ASTM D−762 Method Aにより測定 引張破断強度(Kg/cm3); ASTM D−882に準じて測定 インストロン型引張試験機を使用、歪速度50
%/min 電気抵抗(mΩ/cm3/枚) JIS C−2313に準じて測定 極板は純ニツケル板 電解液は比重1.30のKOH水溶液 実施例 1 微粉硅酸〔ニツプシルVN3LP(商品名);比表
面積280m2/g、平均粒径16nm(nanometer)〕
100重量部とジブチルフタレート〔DBP〕242重
量部をヘンシエルミキサーで充分混合した後、さ
らにポリプロピレン樹脂粉末〔住友ノーブレン
D501(商品名);MFI=0.5〕148重量部を加え、
再度混合し、均一な組成物とした。当該混合物を
30m/m二軸押出機に400m/m巾のTダイを付
けたフイルム製造装置にて、190℃の温度で膜状
に押し出した。成形さた膜は、1,1,1−トリ
クロルエタン〔クロロセンVG(商品名)〕中に5
分間浸漬する操作を3回くり返し、DBPを抽出
した後、乾燥した。次いで、70℃の40%水酸化ナ
トリウム水溶液中に5分間浸漬して微粉硅酸を溶
出し、さらに水洗、乾燥を行なつた。 得られた膜は、圧さ0.14mmの表面の平滑な膜で
あり、残留しているシリカおよびDBPは0.1%以
下であり、実質的にポリプロピレンからなり、そ
の臨界表面張力は29dyn/cmであつた。また電子
顕微鏡による観察では、網状骨格構造を形成して
いた。 次いで、当該多孔膜を130℃に加熱したロール
延伸機によりタテ方向に、次いで、150℃の雰囲
気中でテンター式延伸機によりヨコ方向に、それ
ぞれ延伸倍率を変えて延伸し、さらに155℃の雰
囲気中でヨコ方向のみ5%の弛緩率で15秒間の空
間熱処理を行なつた。得られた膜は、いずれの延
伸条件のものも表面の平滑な膜であり、その物性
を表1に示す。
【表】
【表】 実施例 2 実施例1で使用した未延伸多孔膜を、実施例1
で用いた装置により延伸倍率をタテ、ヨコ共3倍
にして延伸温度を変えて延伸を行ない、続いてヨ
コ方向のみを155℃の温度で5%の弛緩率で空間
熱処理を行なつた。常温(18℃)で延伸したもの
は、破断して膜を得られなかつた。また、60℃で
延伸したものは、厚さが不均一で試験サンプルと
はなり得なかつた。また、165℃で延伸した際、
膜が熔融した。表2に各温度で延伸した膜の物性
を示す。
【表】 実施例 3 実施例1で使用した未延伸多孔膜を、実施例1
で用いた装置により、延伸倍率をタテ、ヨコ方向
共3倍、タテ延伸温度130℃、ヨコ延伸温度135℃
として熱処理温度を変えて、弛緩率5%、熱処理
時間10秒で熱処理を行なつた。表3に各温度で熱
処理を行なつた延伸膜の物性を示す。
【表】 測定方向はいずれもタテ方向で行なつた。
実施例 4 (高密度ポリエチレン製多孔膜) 微粉硅酸(ニツプシルVN3LP)100重量部、
ジオクチルフタレート〔DOP〕228重量部、高密
度ポリエチレン樹脂〔サンテツクB180P(商品
名);w=250000〕97重量部の組成により、実
施例1と同様に混合、押出成形、DOP抽出、微
粉硅酸抽出を行ない、厚さ0.4mmの表面の平滑な
膜を得た。得られた膜の残留しているシリカおよ
びDOPは0.1%以下であり、実質的に高密度ポリ
エチレンからなり、その臨界表面張力は31dyn/
cmであつた。また、その平均孔径は0.15μm、気
孔率68%であり、電子顕微鏡での観察では網状骨
格構造を形成していた。 次いで、この前駆多孔膜を110℃に加熱したロ
ール延伸機により、タテ方向に3倍に延伸し、続
いて、データー式延伸機により、115℃の雰囲気
中で450%/minの速度で、ヨコ方向に3倍に延
伸し、さらに続いて、120℃の雰囲気中をヨコ方
向のみ5%の弛緩率で、10秒間の空間熱処理を行
なつた。得られた膜は厚さ140μmの表面の平滑
な膜であり、平均孔径0.34μm、気孔率90%であ
り、電子顕微鏡による観察では網状骨格構造を形
成していた。また、この膜の物性を測定したとこ
ろ、透気度58sec/100c.c.・枚、耐水圧2850mm
H2O、引張破断強度がタテ方向156Kg/cm3(F=
6.2)、ヨコ方向125Kg/cm3(F=5)、引張破断伸
度がタテ方向125%、ヨコ方向175%、5%変形時
の引張応力がタテ方向85Kg/cm3(F′=1.9)、ヨコ
方向60Kg/cm3(F′=1.4)、20℃において引張破断
強度の5%の応力における100時間後の変形量は、
タテ方向2.7%、ヨコ方向3.1%であり、その後応
力を取り去つた際の残留変形量は、タテ方向0.5
%、ヨコ方向0.7%であつた。また、80℃の空気
オーブン中に30分入れた後の面積収縮率は2.5%
であつた。 実施例 5 (エチレンテトラフルオロエチレン共重合体) 微粉硅酸〔アエロジル#200(商品名):平均粒
径12nm、比表面積200m2/g〕100重量部、ジオ
クチルフタレート197重量部、エチレン−テトラ
フルオロエチレン共重合体〔テフゼル200(商品
名)〕263重量部の組成により実施例1と同様に混
合し、280℃の成形温度により厚さ0.2mmの表面の
平滑なシートを得た。微粉硅酸およびDOPを抽
出した後の多孔膜は、平均孔径0.4μm、気孔率62
%であり、網状骨格構造を形成していた。なお、
当該多孔膜の臨界表面張力は27dyn/cmであり、
強度フアクターF=0.45であつた。次いで、当該
多孔膜を実施例1で用いた延伸機により、タテ延
伸を230℃で1.5倍、ヨコ延伸を250℃で2倍に延
伸し、さらに緊張状態で255℃5秒の空間熱処理
を行なつた。 得られた多孔膜は、膜厚120μ、平均孔径0.75μ、
気孔率82%であり、透気度72sec/100c.c.・枚であ
つた。また、機械的特性は引張破断強度がタテ方
向130Kg/cm3(強度フアクターF=1.6)、ヨコ方
向148Kg/cm3(F=1.8)、引張破断伸度はタテ方
向58%、ヨコ方向43%、引張下における5%変形
時の応力がタテ方向30Kg/cm3(弾性率フアクター
F′=0.56)ヨコ方向36Kg/cm3(F′=0.67)、室温に
おいてタテ方向に6.5Kg/cm3の引張応力下での100
時間後の変形量は4.2%であり、さらに応力を取
り去つた後の残留変形量は0.8%であつた。また、
240℃の空気オーブン中における面積収縮率は4.5
%であつた。 実施例 6 微粉硅酸(アエロジル#200)100重量部、ジオ
クチルフタレート202重量部、ポリフツ化ビニリ
デン樹脂粉末〔KF#1000(商品名)〕155重量部の
組成により、実施例1と同様にして、厚さ0.2mm
の多孔膜を得た。当該多孔膜は平均孔径0.3μ、気
孔率63%であり、樹脂骨格は網状構造をしてい
た。なお、該多孔膜の臨界表面張力は26dyn/cm
であつた。 この膜の引張破断強度は92Kg/cm3であり、強度
フアクターFは0.50であつた。 次いで、この膜を実施例1で用いた延伸機を使
用して、150℃の温度でタテ、ヨコ方向に各々3
倍の延伸を行ない、さらに155℃の温度で空間緊
張熱処理を行なつた。 得られた多孔膜は、膜厚40μm、平均孔径0.75μ
m、気孔率91%であり、耐水圧3000mmH2O、透
気度10sec/100c.c.・枚、引張破断強度179Kg/cm3
(強度フアクターF=4.0)、引張下で5%変形時
の応力が54Kg/cm3(弾性率フアクターF′=0.68)
と非常に強い膜であり、破断応力の5%の応力下
における100時間後の変形量は2.5%、荷重を取り
去つた後の残留変形量は1%であり、130℃にお
ける面積収縮率は3%であつた。 実施例 7 (血漿分離膜としての応用) 実施例1と同様の方法により、膜厚35μm、平
均孔径0.5μ、気孔率88%、透気度10sec/100c.c.・
枚、強度フアクターF=2.5、弾性率フアクター
F′=0.4、クリープ変形量2.6%、残留変形量0.8
%、面積収縮率2.7%(測定法は実施例1に同じ)
のポリプロピレン製多孔膜を得た。この膜を20%
のグリセリンエタノール溶液で処理した後、エタ
ノールを乾燥した。次いで、巾1.5cm、長さ27cm、
深さ0.5mmの溝を36列切つた2枚の板でグリセリ
ン処理した膜をはさみ、膜面積1460cm2の平膜型モ
ジユールを作つた。このモジユールに生理食塩水
を通してグリセリンを洗浄した後、ヘマトクリツ
ト値48%、総蛋白量8g/dlの新鮮牛血を50ml/
分の割合で80mmHgの圧力で膜の上面側に流した。
膜の下側からは透明の液が12ml/分の割合で出て
きて、30分後には360mlとなつた。なお、この透
過液の蛋白量は8g/dlと変わらず、100%の血
漿蛋白質を通し、かつ血球成分は100%カツトし
ており、血漿分離膜として優れた性能があること
が判つた。 実施例 8 (アルカリ電池セパレーターへの応用) 実施例1に記載した手法により、厚さ30μm、
気孔率91%、平均孔径0.5μmのポリプロピレン製
多孔膜を得た。なお、この膜の強度フアクターF
は5.2であり、弾性率フアクターF′は0.54、クリー
プ変形量2.0%、残留変形量0.5%、113℃の面積
収縮率1.8%であつた。 当該多孔膜をノニオン系界面活性剤
(HLB7.9)の8%エタノール溶液に浸漬後、乾
燥して親水化処理をした。この膜の比重1.30の水
酸化カリウム水溶液中での電気抵抗は0.06mΩd
m2/枚であつた。また、上記のアルカリ水溶液に
70℃で1カ月浸漬したのちの重量変化率は0.5%、
面積変化率は1.5%であつた。 さらに、この膜を使用し、開放型焼結式Ni−
Cd電池(容量10An)を作成し、140%の過充電
を行なつた。引き続き20℃において50Aの急放電
試験を行なつた結果(表4に記載)、従来使用さ
れているセロハンより電圧降下が少なかつた。
【表】 〓
* セロハン膜Pudo 134(36μm)〓Dupont

実施例 9 (ミクロフイルターへの応用) 実施例1に記載した手法により、厚さ20μ、気
孔率85%、平均孔径0.35μの多孔膜を得た。なお、
この膜は、強度フアクターF3.4、弾性率フアクタ
ーF′0.35、クリープ変形量2.3%、残留変形量0.8
%、面積収縮率2.3%であつた。 当該多孔膜のN2ガス透過量は490m3/m2・hr・
110mmHgであり、メタノール透過量は21600/
m2・hr・atmであり、優れた透過性能を示した。 次に、粒径が均一なポリスチレンラテツクス
〔Uniform Latex Particles(商品名;Dow
Chemical社製)〕を1000ppmの濃度で含む蒸溜水
を用意し、メタノールで浸潤した後、メタノール
を水置換した上記多孔膜で過し、粒子の捕捉効
率を求めた。その結果を表5に示す。なお、捕捉
効率は下式による。 捕捉効率=CF−CP/CF×100 たゞしCF:原液のラテツクス濃度 CP:液のラテツクス濃度
【表】 【図面の簡単な説明】
図面はクリープおよびクリープ回復の機構を示
す説明図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 臨界表面張力が35dyn/cm以下の熱可塑性樹
    脂からなり、気孔率30〜70%、平均孔径0.05〜1μ
    mの連通孔が立体網状骨格構造を形成している熱
    可塑性樹脂多孔膜を、該熱可塑性樹脂の融点もし
    くは軟化点より5℃低い温度と、50℃低い温度の
    間で、少なくとも一軸方向に空間延伸し、さらに
    延伸温度以上融点もしくは軟化点以下の温度にお
    いて空間熱処理を行うことを特徴とする臨界表面
    張力が35dyn/cm以下の熱可塑性樹脂からなり、
    該樹脂が立体的網状骨格構造を形成し、該骨格に
    より作られた連通空孔の気孔率が60%以上、平均
    孔径0.1〜2.0μmであり、下記()式で示され
    る強度フアクターFがいずれの方向においても1
    以上であり、下記()式で示される弾性率フア
    クターF′がいずれの方向においても0.2以上であ
    り、さらに厚さ5〜500μmである熱可塑性樹脂
    多孔膜の製造方法。 F=A/B(1−α) ……()式 F′=C/D(1−α) ……()式 〔式中、Aは多孔膜の引張破断強度、Bは同一樹
    脂よりなる非孔性フイルムの引張破断強度、Cは
    多孔膜の5%変形時の引張応力、Dは同一樹脂よ
    りなる非孔性フイルムの5%変形時の引張応力、
    αは気孔分率(空孔容積/多孔膜容積)を表わ
    す。〕
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