JP2833855B2 - 核磁化励起方法 - Google Patents
核磁化励起方法Info
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- JP2833855B2 JP2833855B2 JP30190990A JP30190990A JP2833855B2 JP 2833855 B2 JP2833855 B2 JP 2833855B2 JP 30190990 A JP30190990 A JP 30190990A JP 30190990 A JP30190990 A JP 30190990A JP 2833855 B2 JP2833855 B2 JP 2833855B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、スピン量子数が1の系に使用して好適な核
磁化励起方法に係り、特に、核磁化励起のために印加す
るパルスの構成に関する。
磁化励起方法に係り、特に、核磁化励起のために印加す
るパルスの構成に関する。
[従来の技術] 従来、核磁気共鳴装置(NMR)により重水素及びその
同位体等のスピン量子数が1である系を測定するに際し
て、静磁場方向をZ方向としたとき、まず第1パルス1
としてX軸方向に90゜xパルスを印加し、その後所定の
時間τ2の後に更に第2パルス2としてY軸方向に90゜
Yパルスを印加し、その後、所定の時間τ1の後にデー
タの取り込みを行っている。そして、取り込んだデータ
をフーリエ変換することにより、第5図Bに示すような
スペクトルが得られ、これにより当該試料を構成する分
子の構造、分子の運動を知ることができる。なお、第5
図Bはd4−PMMAを試料として90゜パルスを印加し、四重
極エコー法により測定した際のスペクトルを示す図であ
り、核は2H、共鳴周波数は41.5MHz、ラジオ波強度はγB
1/2π=63kHzである。
同位体等のスピン量子数が1である系を測定するに際し
て、静磁場方向をZ方向としたとき、まず第1パルス1
としてX軸方向に90゜xパルスを印加し、その後所定の
時間τ2の後に更に第2パルス2としてY軸方向に90゜
Yパルスを印加し、その後、所定の時間τ1の後にデー
タの取り込みを行っている。そして、取り込んだデータ
をフーリエ変換することにより、第5図Bに示すような
スペクトルが得られ、これにより当該試料を構成する分
子の構造、分子の運動を知ることができる。なお、第5
図Bはd4−PMMAを試料として90゜パルスを印加し、四重
極エコー法により測定した際のスペクトルを示す図であ
り、核は2H、共鳴周波数は41.5MHz、ラジオ波強度はγB
1/2π=63kHzである。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、第5図に示すような90゜パルスを使用
した場合には一定のラジオ波強度で励起できる周波数帯
域は狭く、従って広い周波数帯域に渡って励起するため
には非常に強度の強いラジオ波を必要とした。例えば、
250kHz程度の周波数帯域を励起するためには、第1パル
ス、第2パルス共に、ラジオ波の強度を示すパラメータ
であるγB1は120kHz程度必要であった。
した場合には一定のラジオ波強度で励起できる周波数帯
域は狭く、従って広い周波数帯域に渡って励起するため
には非常に強度の強いラジオ波を必要とした。例えば、
250kHz程度の周波数帯域を励起するためには、第1パル
ス、第2パルス共に、ラジオ波の強度を示すパラメータ
であるγB1は120kHz程度必要であった。
これに対して、第1パルス及び第2パルスを単一の90
゜パルスに代えて、複数のパルスを組み合わせた複合パ
ルスを使用することも行われており、これによれば90゜
パルスを使用した場合と比較して同じラジオ波強度では
より広い周波数帯域を励起できるが、従来の複合パルス
はスピン量子数が1の系とスピン量子数が1/2の系との
相似性に基づいて設計されたもので、例えば180゜RF位
相シフトだけを有するスピン量子数1/2の系のための反
転パルスで、そのパルス幅を1/2にしたものが使用され
ていたので、スピン量子数が1の系に対して最適なもの
ではなく、比較的大きなラジオ波強度が必要であった。
゜パルスに代えて、複数のパルスを組み合わせた複合パ
ルスを使用することも行われており、これによれば90゜
パルスを使用した場合と比較して同じラジオ波強度では
より広い周波数帯域を励起できるが、従来の複合パルス
はスピン量子数が1の系とスピン量子数が1/2の系との
相似性に基づいて設計されたもので、例えば180゜RF位
相シフトだけを有するスピン量子数1/2の系のための反
転パルスで、そのパルス幅を1/2にしたものが使用され
ていたので、スピン量子数が1の系に対して最適なもの
ではなく、比較的大きなラジオ波強度が必要であった。
本発明は、上記の課題を解決するものであって、十分
に広い周波数帯域を低いラジオ波強度で励起することが
できる核磁化励起方法を提供することを目的とするもの
である。
に広い周波数帯域を低いラジオ波強度で励起することが
できる核磁化励起方法を提供することを目的とするもの
である。
[課題を解決するための手段] 上記の目的を達成するために、本発明の核磁化励起方
法は、第1パルスと第2パルスを所定の時間間隔で印加
する核磁化励起方法において、前記第1パルス及び第2
パルスは共に同じ数のパルス列からなる複合パルスから
なり、前記第1パルスと前記第2パルスの同じ番号に位
置するパルスはパルス幅は同等で位相は互いに略90゜異
なり、且つ複合パルス内で隣接するパルスの位相は互い
に略180゜異なることを特徴とする。
法は、第1パルスと第2パルスを所定の時間間隔で印加
する核磁化励起方法において、前記第1パルス及び第2
パルスは共に同じ数のパルス列からなる複合パルスから
なり、前記第1パルスと前記第2パルスの同じ番号に位
置するパルスはパルス幅は同等で位相は互いに略90゜異
なり、且つ複合パルス内で隣接するパルスの位相は互い
に略180゜異なることを特徴とする。
[作用] 本発明によれば、例えば第1パルスとして、パルス幅
が略36゜で位相が略270゜のパルスと、パルス幅が略148
゜で位相が略90゜のパルスと、パルス幅が略62゜で位相
が略270゜のパルスと、パルス幅が略37゜で位相が略90
゜のパルスとがこの順序に組み合わされている複合パル
スが用いられた場合には、第2パルスとしては、パルス
幅が略36゜で位相が略0゜のパルスと、パルス幅が略14
8゜で位相が略180゜のパルスと、パルス幅が略62゜で位
相が略0゜のパルスと、パルス幅が略37゜で位相が略18
0゜のパルスとがこの順序に組み合わされている複合パ
ルスが用いられる。
が略36゜で位相が略270゜のパルスと、パルス幅が略148
゜で位相が略90゜のパルスと、パルス幅が略62゜で位相
が略270゜のパルスと、パルス幅が略37゜で位相が略90
゜のパルスとがこの順序に組み合わされている複合パル
スが用いられた場合には、第2パルスとしては、パルス
幅が略36゜で位相が略0゜のパルスと、パルス幅が略14
8゜で位相が略180゜のパルスと、パルス幅が略62゜で位
相が略0゜のパルスと、パルス幅が略37゜で位相が略18
0゜のパルスとがこの順序に組み合わされている複合パ
ルスが用いられる。
なお、第1パルスの立ち下がりから第2パルスの立ち
上がりまでの時間τ1は、10〜20μsec程度である。ま
た、複合パルスを構成する各パルスのパルス幅は、複合
パルス全体として±5゜程度の範囲内は許容できるもの
である。
上がりまでの時間τ1は、10〜20μsec程度である。ま
た、複合パルスを構成する各パルスのパルス幅は、複合
パルス全体として±5゜程度の範囲内は許容できるもの
である。
このような複合パルスは、従来使用されていた複合パ
ルスと異なり、スピン量子数が1の系に対して最適設計
がなされたものであるので、低いラジオ波強度で広い周
波数帯域を励起することが可能である。
ルスと異なり、スピン量子数が1の系に対して最適設計
がなされたものであるので、低いラジオ波強度で広い周
波数帯域を励起することが可能である。
[実施例] 以下、図面を参照しつつ実施例を説明する。
本発明に係る核磁化励起方法においては第1図に示す
ように、まず第1パルス10を印加し、第1パルス10の立
ち下がりから所定の時間τ1の後第2パルス11を印加
し、第2パルス11の立ち下がりから所定の時間τ2の後
にデータの取り込みを行う。ここで、第1パルス10およ
び第2パルス11はそれぞれ複数のパルスが時間間隔無し
に組み合わされた複合パルスであり、そのパルス数は同
じである。そして、第1パルス10と第2パルス11の同じ
順番に位置するパルス、即ち第1パルス10の第N番目の
パルスと第2パルス11の第N番目のパルスのパルス幅は
同等であり、位相は互いに略90゜異なっている。
ように、まず第1パルス10を印加し、第1パルス10の立
ち下がりから所定の時間τ1の後第2パルス11を印加
し、第2パルス11の立ち下がりから所定の時間τ2の後
にデータの取り込みを行う。ここで、第1パルス10およ
び第2パルス11はそれぞれ複数のパルスが時間間隔無し
に組み合わされた複合パルスであり、そのパルス数は同
じである。そして、第1パルス10と第2パルス11の同じ
順番に位置するパルス、即ち第1パルス10の第N番目の
パルスと第2パルス11の第N番目のパルスのパルス幅は
同等であり、位相は互いに略90゜異なっている。
第1パルス10と第2パルス11のパルス幅を同等とする
理由は次のようである。有効帯域、即ち位相の揃った磁
化成分が98%以上の強度で観測される帯域は第1パルス
10と第2パルス11の帯域幅の狭い方で決定される。つま
り、第1パルス10と第2パルス11のパルス幅を異なるも
のとすることができるのは勿論であるが、その場合には
有効帯域の広い方のパルスは有効に利用されないことに
なる。そこで、第1パルス10と第2パルス11の有効帯域
を同等とするために、対応する位置にあるパルスのパル
ス幅を同等なものとするのである。
理由は次のようである。有効帯域、即ち位相の揃った磁
化成分が98%以上の強度で観測される帯域は第1パルス
10と第2パルス11の帯域幅の狭い方で決定される。つま
り、第1パルス10と第2パルス11のパルス幅を異なるも
のとすることができるのは勿論であるが、その場合には
有効帯域の広い方のパルスは有効に利用されないことに
なる。そこで、第1パルス10と第2パルス11の有効帯域
を同等とするために、対応する位置にあるパルスのパル
ス幅を同等なものとするのである。
更に、複合パルス内の隣接するパルスの位相は互いに
180゜異なるようになされている。
180゜異なるようになされている。
第2図に第1パルス10または第2パルス11として使用
可能な複合パルスの例を示す。なお、図中各パルスに記
載した数値は上がパルス値、下の括弧書きが位相を示
す。
可能な複合パルスの例を示す。なお、図中各パルスに記
載した数値は上がパルス値、下の括弧書きが位相を示
す。
第2図Aの複合パルスは、パルス幅が36.0゜で位相が
270゜のパルスと、パルス幅が147.8゜で位相が90゜のパ
ルスと、パルス幅が62.0゜で位相が270゜のパルスと、
パルス幅が36.9゜で位相が90゜のパルスの4個のパルス
が時間間隔無しに組み合わされて構成されており、同様
に同図Bの複合パルスは8個のパルスが組み合わされて
構成され、同図Cの複合パルスは10個のパルスが組み合
わされて構成されている。それぞれの複合パルスを構成
する各パルスのパルス幅及び位相は図に示すとおりであ
る。
270゜のパルスと、パルス幅が147.8゜で位相が90゜のパ
ルスと、パルス幅が62.0゜で位相が270゜のパルスと、
パルス幅が36.9゜で位相が90゜のパルスの4個のパルス
が時間間隔無しに組み合わされて構成されており、同様
に同図Bの複合パルスは8個のパルスが組み合わされて
構成され、同図Cの複合パルスは10個のパルスが組み合
わされて構成されている。それぞれの複合パルスを構成
する各パルスのパルス幅及び位相は図に示すとおりであ
る。
なお、第2図A,B,Cに示す複合パルスを使用した場合
の有効帯域は、それぞれ、±1.5γB1,±2.9γB1,±3.7
γB1である。これに対して従来のものは±0.5γB1程度
であるから、第2図Aに示す複合パルスは、電圧では略
3倍、電力では略9倍となり、従って第2図Aの複合パ
ルスを使用した場合には、ラジオ波強度が同じである場
合には従来に比較して励起できる周波数帯域は3倍とな
り、また同じ周波数帯域を励起するためには従来の1/9
の電力でよいことになる。
の有効帯域は、それぞれ、±1.5γB1,±2.9γB1,±3.7
γB1である。これに対して従来のものは±0.5γB1程度
であるから、第2図Aに示す複合パルスは、電圧では略
3倍、電力では略9倍となり、従って第2図Aの複合パ
ルスを使用した場合には、ラジオ波強度が同じである場
合には従来に比較して励起できる周波数帯域は3倍とな
り、また同じ周波数帯域を励起するためには従来の1/9
の電力でよいことになる。
第2図A,B,Cに示す複合パルスはそのまま第1パルス1
0または第2パルスとして使用することができるが、第
2図に示すパルス配列を逆にしてもよい。例えば、第2
図Aに示す複合パルスを例にとれば、パルス幅が36.9゜
で位相が90゜のパルスと、パルス幅が62.0゜で位相が27
0゜のパルスと、パルス幅が147.8゜で位相が90゜のパル
スと、パルス幅が36.0゜で位相が270゜のパルスの4個
のパルスをこの順序で配列した複合パルスも第1パルス
10または第2パルス11として使用することができる。
0または第2パルスとして使用することができるが、第
2図に示すパルス配列を逆にしてもよい。例えば、第2
図Aに示す複合パルスを例にとれば、パルス幅が36.9゜
で位相が90゜のパルスと、パルス幅が62.0゜で位相が27
0゜のパルスと、パルス幅が147.8゜で位相が90゜のパル
スと、パルス幅が36.0゜で位相が270゜のパルスの4個
のパルスをこの順序で配列した複合パルスも第1パルス
10または第2パルス11として使用することができる。
第2図A,B,Cに示す複合パルスを第1パルス10として
使用した場合には、第2パルス11としては、第1パルス
10の複合パルスを構成する各パルスとパルス幅が同じで
位相が90゜異なるパルスで構成される複合パルスを使用
する。例えば、第2図Aに示す複合パルスを第1パルス
10または第2パルス11として使用した場合には、第2パ
ルス11または第1パルス10は、パルス幅が36.0゜で位相
が0゜のパルスと、パルス幅が147.8゜で位相が180゜の
パルスと、パルス幅が62.0゜で位相が0゜のパルスと、
パルス幅が36.9゜で位相が180゜のパルスの4個のパル
スを組み合わせて構成する。第2図B,Cに示す複合パル
スについても同様である。
使用した場合には、第2パルス11としては、第1パルス
10の複合パルスを構成する各パルスとパルス幅が同じで
位相が90゜異なるパルスで構成される複合パルスを使用
する。例えば、第2図Aに示す複合パルスを第1パルス
10または第2パルス11として使用した場合には、第2パ
ルス11または第1パルス10は、パルス幅が36.0゜で位相
が0゜のパルスと、パルス幅が147.8゜で位相が180゜の
パルスと、パルス幅が62.0゜で位相が0゜のパルスと、
パルス幅が36.9゜で位相が180゜のパルスの4個のパル
スを組み合わせて構成する。第2図B,Cに示す複合パル
スについても同様である。
なお、複合パルスを構成する各パルスのパルス幅は上
記の数値に限定されるものではなく、複合パルス全体と
して±5゜程度の許容範囲がある。
記の数値に限定されるものではなく、複合パルス全体と
して±5゜程度の許容範囲がある。
以上のような複合パルスからなる第1パルス10は、熱
平衡磁化をそれとは垂直なX−Y平面内に、第2パルス
11でリフォーカス可能なように倒す。また、第2パルス
11は、印加後四極子エコーが観測できるように、X−Y
平面内の磁化の符号を変える。
平衡磁化をそれとは垂直なX−Y平面内に、第2パルス
11でリフォーカス可能なように倒す。また、第2パルス
11は、印加後四極子エコーが観測できるように、X−Y
平面内の磁化の符号を変える。
第1図中のτ1,τ2は第1パルス10、第2パルス11と
して使用する複合パルスによって異なるが、略10〜20μ
sec程度である。
して使用する複合パルスによって異なるが、略10〜20μ
sec程度である。
次に、上述した複合パルスの設計方法について説明す
る。
る。
まず、パルス幅が45゜で位相が異なる下記のようなパ
ルス列を作成する。
ルス列を作成する。
45゜i1,45゜i2,45゜i3,………,45゜in但し、2≦n≦
16であり、RF位相inは0゜,90゜,180゜,270゜の何れか
である。なお、パルス幅を45゜としたのは、従来使用さ
れているパルスはパルス幅が45゜の倍数であるものが多
く、シミュレーションの手法も確立されており、従って
シミュレーションの計算に要する時間を最短にできるか
らである。また、パルスの個数を最大16個としたのは、
励起できる周波数帯域が概略複合パルスの全体のパルス
幅に比例することが推測され、従って最大16個程度のパ
ルス列からなる複合パルスを使用すれば従来より広い周
波数帯域を励起できる可能性があること、そしてそれ以
上の個数とした場合には緩和現象等が生じて実用性を失
うことが推測されるからである。
16であり、RF位相inは0゜,90゜,180゜,270゜の何れか
である。なお、パルス幅を45゜としたのは、従来使用さ
れているパルスはパルス幅が45゜の倍数であるものが多
く、シミュレーションの手法も確立されており、従って
シミュレーションの計算に要する時間を最短にできるか
らである。また、パルスの個数を最大16個としたのは、
励起できる周波数帯域が概略複合パルスの全体のパルス
幅に比例することが推測され、従って最大16個程度のパ
ルス列からなる複合パルスを使用すれば従来より広い周
波数帯域を励起できる可能性があること、そしてそれ以
上の個数とした場合には緩和現象等が生じて実用性を失
うことが推測されるからである。
上記のパルス列の組み合わせは1010個程度存在する
が、その中から、例えば回転行列を掛ける等のシミュレ
ーションを行って磁化の向く方向を求め、四極子結合定
数ΔωQ=0のときに90゜パルスと同等の効果が得られ
るパルス列を103個程度抽出する。
が、その中から、例えば回転行列を掛ける等のシミュレ
ーションを行って磁化の向く方向を求め、四極子結合定
数ΔωQ=0のときに90゜パルスと同等の効果が得られ
るパルス列を103個程度抽出する。
次に、このようにして抽出したパルス列を初期パルス
として、パルス幅とRF位相を変数にして最適化を行う。
として、パルス幅とRF位相を変数にして最適化を行う。
このような手法により得られた複合パルスの例が第2
図A,B,Cであり、これらの複合パルスと同等な効果を有
する複合パルスは多数確認されている。
図A,B,Cであり、これらの複合パルスと同等な効果を有
する複合パルスは多数確認されている。
本発明に係る複合パルスを使用した場合と従来例との
比較を第3図に示す。第3図は上記のシミュレーション
の結果得られたグラフであり、ωQ/2ω1で正規化され
た周波数に対する磁化の状態を示すグラフであり、縦軸
の「1」は完全に励起された状態を示し、「0」は磁化
されていない状態を示し、「−1」は磁化が反転してい
る状態を示す。第3図Aは従来の90゜パルスを使用した
場合(τ1=200゜,τ2=245゜)、同図BはRaleigh
氏等により提唱された複合パルス(第2図D)を使用し
た場合(τ1=200゜,τ2=474゜)、同図Cは第2図
Bに示す複合パルスを使用した場合(τ1=200゜,τ
2=508゜)、同図Dは第2図Cに示す複合パルスを使
用した場合(τ1=200゜,τ2=683゜)を示す。
比較を第3図に示す。第3図は上記のシミュレーション
の結果得られたグラフであり、ωQ/2ω1で正規化され
た周波数に対する磁化の状態を示すグラフであり、縦軸
の「1」は完全に励起された状態を示し、「0」は磁化
されていない状態を示し、「−1」は磁化が反転してい
る状態を示す。第3図Aは従来の90゜パルスを使用した
場合(τ1=200゜,τ2=245゜)、同図BはRaleigh
氏等により提唱された複合パルス(第2図D)を使用し
た場合(τ1=200゜,τ2=474゜)、同図Cは第2図
Bに示す複合パルスを使用した場合(τ1=200゜,τ
2=508゜)、同図Dは第2図Cに示す複合パルスを使
用した場合(τ1=200゜,τ2=683゜)を示す。
第3図から明らかなように、本発明によれば、広い周
波通帯域に渡って良好に磁化されることが分かる。
波通帯域に渡って良好に磁化されることが分かる。
第4図は四重極エコー法により測定したスペクトルに
より比較した図であり、何れも試料はd4−PMMA、核は
2H、共鳴周波数は41.5MHzである。
より比較した図であり、何れも試料はd4−PMMA、核は
2H、共鳴周波数は41.5MHzである。
第4図Aは第2図Cに示す複合パルスを使用した場合
のスペクトルであり、ラジオ波強度γB1/2π=21kHzで
ある。同図Bは第5図Bに示すものと同じであり、従来
の90゜パルスを使用した場合のスペクトルであり、ラジ
オ波強度γB1/2π=63kHzである。同図CはRaleigh氏等
により提唱された従来の複合パルスを使用した場合のス
ペクトルであり、ラジオ波強度γB1/2π=21kHzであ
る。同図Dは90゜パルスを使用した場合のスペクトルで
あるが、ラジオ波強度はγB1/2π=21kHzである。
のスペクトルであり、ラジオ波強度γB1/2π=21kHzで
ある。同図Bは第5図Bに示すものと同じであり、従来
の90゜パルスを使用した場合のスペクトルであり、ラジ
オ波強度γB1/2π=63kHzである。同図CはRaleigh氏等
により提唱された従来の複合パルスを使用した場合のス
ペクトルであり、ラジオ波強度γB1/2π=21kHzであ
る。同図Dは90゜パルスを使用した場合のスペクトルで
あるが、ラジオ波強度はγB1/2π=21kHzである。
第4図A,B,C,Dを比較すれば、本発明に係る複合パル
スを使用した場合が低いラジオ波強度で広い周波数帯域
を励起できること、従って最も優れていることが分か
る。第4図Bのスペクトルは第4図Aのスペクトルとほ
ぼ同じ様であるが、ラジオ波強度は同図Aの3倍必要で
あり、しかも±62kHzのピークが本来の強度の70%にな
っていることが計算で確認されている。
スを使用した場合が低いラジオ波強度で広い周波数帯域
を励起できること、従って最も優れていることが分か
る。第4図Bのスペクトルは第4図Aのスペクトルとほ
ぼ同じ様であるが、ラジオ波強度は同図Aの3倍必要で
あり、しかも±62kHzのピークが本来の強度の70%にな
っていることが計算で確認されている。
[発明の効果] 以上の説明から明らかなように、本発明によれば、シ
ミュレーションによりスピン量子数が1の系に最適な複
合パルスを得ることができるので、低いラジオ波強度で
広い周波数帯域に渡って四極子結合の影響を相殺して励
起することができる。
ミュレーションによりスピン量子数が1の系に最適な複
合パルスを得ることができるので、低いラジオ波強度で
広い周波数帯域に渡って四極子結合の影響を相殺して励
起することができる。
第1図は本発明に係る核磁化励起方法に使用するパルス
を説明する図、第2図は複合パルスの構成例を示す図、
第3図は本発明と従来例を磁化の状態により比較するた
めの図、第4図は本発明と従来例をスペクトルにより比
較するための図、第5図は従来例を示す図である。 10……第1パルス、11……第2パルス。
を説明する図、第2図は複合パルスの構成例を示す図、
第3図は本発明と従来例を磁化の状態により比較するた
めの図、第4図は本発明と従来例をスペクトルにより比
較するための図、第5図は従来例を示す図である。 10……第1パルス、11……第2パルス。
Claims (4)
- 【請求項1】第1パルスと第2パルスを所定の時間間隔
で印加する核磁化励起方法において、前記第1パルス及
び第2パルスは共に同じ数のパルス列からなる複合パル
スからなり、前記第1パルスと前記第2パルスの同じ順
番に位置するパルスはパルス幅は同等で位相は互いに略
90゜異なり、且つ複合パルス内で隣接するパルスの位相
は互いに略180゜異なることを特徴とする核磁化励起方
法。 - 【請求項2】前記第1または第2パルスの一方に使用さ
れる複合パルスは、パルス幅が略36゜で位相が略270゜
のパルスと、パルス幅が略148゜で位相が略90゜のパル
スと、パルス幅が略62゜で位相が略270゜のパルスと、
パルス幅が略37゜で位相が略90゜のパルスとがこの順序
または逆の順序に組み合わされていることを特徴とする
請求項1記載の核磁化励起方法。 - 【請求項3】前記第1または第2パルスの一方に使用さ
れる複合パルスは、パルス幅が略31゜で位相が略90゜の
パルスと、パルス幅が略61゜で位相が略270゜のパルス
と、パルス幅が略74゜で位相が略90゜のパルスと、パル
ス幅が略73゜で位相が略270゜のパルスとパルス幅が略1
55゜で位相が略90゜のパルスと、パルス幅が略75゜で位
相が略270゜のパルスと、パルス幅が略65゜で位相が略9
0゜のパルスと、パルス幅が31゜で位相が略270゜のパル
スとがこの順序または逆の順序に組み合わされているこ
とを特徴とする請求項1記載の核磁化励起方法。 - 【請求項4】前記第1または第2パルスの一方に使用さ
れる複合パルスは、パルス幅が略83゜で位相が略90゜の
パルスと、パルス幅が略75゜で位相が略270゜のパルス
と、パルス幅が略158゜で位相が略90゜のパルスと、パ
ルス幅が略66゜で位相が略270゜のパルスとパルス幅が
略117゜で位相が略90゜のパルスと、パルス幅が略42゜
で位相が略270゜のパルスと、パルス幅が略66゜で位相
が略90゜のパルスと、パルス幅が略158゜で位相が略270
゜のパルスと、パルス幅が略75゜で位相が略90゜のパル
スと、パルス幅が略66゜で位相が略270゜のパルスとが
この順序または逆の順序に組み合わされていることを特
徴とする請求項1記載の核磁化励起方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30190990A JP2833855B2 (ja) | 1990-11-07 | 1990-11-07 | 核磁化励起方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30190990A JP2833855B2 (ja) | 1990-11-07 | 1990-11-07 | 核磁化励起方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04174380A JPH04174380A (ja) | 1992-06-22 |
JP2833855B2 true JP2833855B2 (ja) | 1998-12-09 |
Family
ID=17902574
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30190990A Expired - Fee Related JP2833855B2 (ja) | 1990-11-07 | 1990-11-07 | 核磁化励起方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2833855B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
ATE342767T1 (de) * | 2000-08-11 | 2006-11-15 | Bellataire Internat Llc | Hochdruck und hochtemperaturherstellung von diamanten |
US9557398B2 (en) | 2010-06-23 | 2017-01-31 | Technische Universitaet Muenchen | Cooperative pulses |
-
1990
- 1990-11-07 JP JP30190990A patent/JP2833855B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04174380A (ja) | 1992-06-22 |
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