JP2832100B2 - 制御冷却鋼板の製造方法 - Google Patents

制御冷却鋼板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、制御冷却を適用した鉄
鋼材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】制御冷却を適用して製造する制御冷却鋼
板において、冷却停止後の鋼板温度を均一に制御するこ
とは重要な問題である。
【0003】制御冷却時の冷却速度が大きくなると目標
冷却停止温度に対して鋼板の板面内で温度偏差(冷却む
ら)が大きくなり、場合によっては、その差が許容範囲
を超えてしまい材質不良になる。このため、オフライン
で再度熱処理が施される場合もある。
【0004】再度熱処理を施すことは、制御冷却鋼板の
有する、低コストかつオンラインで高品質な鋼板を造り
込むというメリットが無くなってしまうため、冷却むら
の発生防止は極めて重要な問題である。また、冷却停止
時の鋼板温度の冷却むらは、形状不良(ホットレベラー
後の冷却において生じるもの)が発生する要因にもなっ
ている。
【0005】従来、冷却停止後の鋼板温度を均一にする
手段として、幅方向に水量クラウンを付与した冷却制御
法,鋼板端部の遮蔽装置,斜方ノズル等を採用し、鋼板
温度分布の均一化をはかってきた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、制御冷
却時の冷却速度が大きくなると、上述のような冷却装置
本体の改良,開発による均一冷却技術では解決できない
ような大きな温度バラツキ(冷却むら)が、鋼板内に発生
する場合がある。
【0007】例えば、同一サイズの鋼板を同じ圧延・冷
却条件で数十枚製作した場合に、その内の数枚の鋼板の
冷却停止温度が大きくばらつく現象(冷却むら)が発生す
ることがある。このような現象は、従来行なわれてきた
冷却均一化技術では解決が不可能である。
【0008】ところで、本発明者等は、種々の研究・調
査を行なってきた結果、冷却むらの発生が加熱炉でのス
ラブ表裏面の温度履歴の差に大きく依存していることを
見出した。
【0009】1ロールチャンスにおいて、加熱炉での加
熱温度が1200℃以上の普通加熱スラブが連続して加
熱された後に、1200℃未満の低温加熱スラブが装入
された場合、加熱炉の各燃焼帯での温度設定は低温加熱
スラブが加熱帯に入ってきた直後に各燃焼帯での温度を
低温加熱スラブ用に変更している。
【0010】このとき、加熱帯の炉温度は比較的早く設
定温度に収束するが、この時点では加熱帯から予熱帯へ
の熱移動が変化するために予熱帯の炉温が大きく低下
し、後に続く予熱帯の低温加熱スラブの表裏面での受熱
量の差が拡大する傾向になる。このため、これらのスラ
ブ表裏面の熱履歴差がより大きくなる。
【0011】特に、裏面のスキッド部では表面部やその
他の位置との間で大きな熱履歴差を形成し、スラブの表
裏面でのスケールの性状(層厚,剥離性/密着性等)に差
が生じる。このことは、圧延工程でのデスケーリングを
行なっても、加熱工程での温度履歴が最後まで影響する
ことを意味するものである。
【0012】本発明は、このような課題を解決しようと
するもので、制御冷却鋼板の冷却停止後の板面内あるい
は板間の温度バラツキを低減し、材質および形状の安定
化をはかって高品質な製品を製造できるようにした、制
御冷却鋼板の製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の制御冷却鋼板の製造方法は、1200℃未満の
温度で低温加熱を行なったスラブを圧延完了後に制御冷
却することにより、制御冷却鋼板を製造する方法におい
て、加熱工程における加熱炉での炉温を、低温加熱スラ
ブの少なくとも5本前のスラブから低温加熱スラブ用の
炉温に設定変更することを特徴としている。
【0014】
【作用】上述した本発明の制御冷却鋼板の製造方法で
は、加熱工程における加熱炉での炉温を、低温加熱スラ
ブの少なくとも5本前のスラブから低温加熱スラブ用の
炉温に設定変更することにより、制御冷却対象の低温加
熱スラブにおける表裏面、特にスキッド位置でのスケー
ルの性状が均一化される。
【0015】
【実施例】以下、本発明の一実施例としての制御冷却鋼
板の製造方法について説明する。
【0016】制御冷却後の冷却むらに関して、加熱工程
でのスラブ表裏面の熱履歴を差分法に基づく温度シミュ
レーション解析により計算した。対象としたスラブは制
御冷却対象の低温加熱スラブである。加熱帯の炉温度変
更後におけるスラブ表裏面の熱履歴差を解析した。
【0017】そのシミュレーション結果を図1に示す。
この図1から明らかなように、冷却むらの発生位置に対
応する加熱炉のスキッド位置で、スケールの生成量が急
激に増大する900℃以上の温度にさらされている時間
が表面と裏面とで大きな差を生じた場合に、大きな冷却
むらが発生していることが判る。
【0018】このことは、スラブの表裏面でのスケール
の性状の差が、従来のデスケーリング設備では、加熱以
降の圧延工程で生成されるスケールの性状にも影響を及
ぼすことになり、制御冷却直前でのスケールの性状(層
厚,剥離性/密着性等)が熱履歴差により異なることを意
味している。
【0019】このことから、加熱工程での表裏面での熱
履歴差、特にスキッド相当位置における熱履歴差を許容
範囲に抑えることが重要であることが判る。
【0020】そこで、本方法は、1200℃未満の温度で
温加熱を行なったスラブを圧延完了した後に制御冷却す
るに際して、加熱工程における加熱炉の炉温を、低温加
熱スラブの少なくとも5本前のスラブから低温加熱スラ
ブ用の炉温に設定変更するようにしているため、加熱帯
の炉温の変更に伴う予熱帯の炉温の低下によって低温加
熱スラブの表裏面での受熱量の差が拡大するのを回避す
ることができる。即ち、予熱帯の炉温が回復した状態
で、低温加熱スラブを加熱することが可能になる。
【0021】このため、スラブ表裏面の熱履歴差を小さ
くができ、特に、制御冷却対象の低温加熱スラブにおけ
る表裏面のうちスキッド位置での熱履歴差を小さくする
ことができ、制御冷却停止時の冷却むらの形成に対して
加熱炉での熱履歴差の影響を大幅に無くすことができ
る。
【0022】これにより、制御冷却における鋼板の冷却
速度を均一に近付けることが可能になり、制御冷却鋼板
の冷却停止後の板面内あるいは板間の温度バラツキが低
減され、材質および形状が安定して高品質な製品を製造
できるのである。
【0023】ここで、以下に、本方法を適用した場合の
具体的な数値例に基づいて、本方法の効果を従来技術と
比較して説明する。
【0024】1ロールチャンスにおいて、加熱炉におい
て1列に着目し、加熱温度が1230℃の普通加熱スラ
ブが連続して加熱された後に、1150℃の低温加熱ス
ラブが装入された場合において、スラブ表裏面の熱履歴
差は、差分法によるスラブ温度シミュレーションモデル
を用いて計算した。
【0025】なお、加熱炉での炉温設定は、普通加熱ス
ラブの場合、均熱帯で1230℃、加熱帯で1200℃
であり、低温加熱スラブの場合には、均熱帯で1150
℃、加熱帯で1150℃である。また、低温加熱スラブ
のサイズは、厚さ250mm,長さ2300mm,幅210
0mmである。
【0026】加熱工程における加熱炉の炉温設定を、低
温加熱スラブが加熱帯入側のスラブ位置になった時点で
上述の低温加熱スラブ用の炉温に設定変更した従来技術
では、その時点で予熱帯は最大150℃低下し、この温
度低下が回復するまで約60分を要し、予熱帯にある低
温加熱スラブが影響を受けて、例えば、その入側位置に
あるスラブの表裏面が900℃以上に保持される時間の
比(表面での時間を基準にした比)は、下表に示すように
0.85であった。
【0027】これに対し、本方法のように、低温加熱ス
ラブの5本前の普通加熱スラブが加熱帯入側のスラブ位
置になった時点で、上述の低温加熱スラブ用の炉温に設
定変更すると、900℃以上に保持される時間の比は
0.95となり、表裏面の時間の差は10%以下となっ
ている。
【0028】また、従来技術およびい本方法をそれぞれ
適用した後に、各スラブを圧延,制御冷却した時の鋼板
の冷却むらの程度も下表に合わせて示す。
【0029】従来技術での鋼板の冷却むらは53℃であ
るのに対して、本方法での冷却むらは27℃になってお
り、このことから、低温加熱の熱間圧延鋼板を圧延完了
後に制御冷却するに際して、加熱工程での炉温を低温加
熱スラブの少なくとも5本まえのスラブが、加熱帯入側
のスラブ位置になった時点で、低温加熱スラブ用の炉温
に設定変更すれば、加熱工程でのスラブ表裏面の熱履歴
差を少なくでき、制御冷却後の鋼板の冷却むらを著しく
低減できることが明らかになった。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の制御冷却
鋼板の製造方法によれば、加熱工程における加熱炉での
炉温を、低温加熱スラブの少なくとも5本前のスラブか
ら低温加熱スラブ用の炉温に設定変更することにより、
制御冷却鋼板の冷却停止後の板面内あるいは板間の温度
バラツキが低減し、材質および形状が安定化されて高品
質な製品を製造できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】スラブのスキッド位置における上下面の900
℃以上の保持時間の比と冷却むらとの関係を示すグラフ
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B21B 45/00 C21D 1/00,9/52

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1200℃未満の温度で低温加熱を行なった
    スラブを圧延完了後に制御冷却することにより、制御冷
    却鋼板を製造する方法において、 加熱工程における加熱炉での炉温を、低温加熱スラブの
    少なくとも5本前のスラブから低温加熱スラブ用の炉温
    に設定変更することを特徴とする制御冷却鋼板の製造方
    法。
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