JP2831898B2 - 手書き通話端末装置 - Google Patents

手書き通話端末装置

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JP2831898B2
JP2831898B2 JP5076753A JP7675393A JP2831898B2 JP 2831898 B2 JP2831898 B2 JP 2831898B2 JP 5076753 A JP5076753 A JP 5076753A JP 7675393 A JP7675393 A JP 7675393A JP 2831898 B2 JP2831898 B2 JP 2831898B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、遠隔地点間で手書き文
字により会話をするのに用いられる手書き通話端末装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】音声による遠隔地点間の通信手段として
現在では電話が広く普及しており、完全に社会生活のな
かに浸透している。ところが、高齢のためやその他の障
害によって耳が不自由な人にとって、電話により通話を
するのは難しく、その利用も十分になされていない。
【0003】特に、電話は、社会生活に浸透しているだ
けに、電話を使用できないことは耳の不自由な人の生活
に大きな影響を与え、また孤独感を与える結果にもなっ
ている。また、これらの人々の中でも、身体機能も不自
由な人の場合は、自由に外出することも困難であり、精
神的な支えにとって最も必要な外部の人との接触が非常
に制限されてしまう。
【0004】このため、高齢者や障害者にとって、外部
の人と直に接触しているという感覚の持てる通信手段こ
そが最も必要とされ、それと同時に、何人かの特定の外
部の人とは、いわゆるホットラインのように、常時交信
状態にあることが非常な安心につながるが、通常の電話
では回線の利用料金が高額になってしまう。
【0005】近年、電子メールやパソコン通信がかなり
普及しており、だれでも利用できる環境にある。これは
パーソナルコンピュータ(以下パソコン)などを通し
て、文字により通信するものであるので、視力が正常で
あれば、耳が聞こえなくとも、健常者と変わりなく通信
することができる。しかし、これを使用するには、計算
機の操作に習熟する必要があり、高齢者に限らず多くの
人々にとっては、容易には使用できない。
【0006】また、ファクシミリを利用すれば、印刷や
手書きかによらず、任意の文章や図を遠方に伝えること
ができ、従って耳が聞こえなくとも、これを用いれば遠
隔地点間での通信を行うことはできる。
【0007】しかし、高齢者や障害者にとって、外部の
人と直に接触しているという感覚の持てる通信手段こそ
が最も必要とされるのであるが、ファクシミリでは、伝
えたいことを一度紙に書いてから、送信操作を行って相
手に送るというものであるので、「今直接会話してい
る」という交信相手との接触感が生じない。
【0008】また、NTTの電話サービスとして、「シ
ルバーホン ひつだん」という装置が提供されている。
これは表示面と記入面とが別れており、記入した文字を
表示面で確認した後に送信するようにしているので、記
入中の状態を伝えることができず、交信相手との接触感
が不十分である。また表示面が小さいので、現在からあ
る程度さかのぼった交信結果を表示しておくことができ
ず、また双方が同時に書き込むことができないなど、使
用上の制限が大きい。
【0009】さらにまた、2台のパソコンをつないで、
一方のパソコンの画面に描いた文字や図が、同時に他方
にも表示されるというソフトウェアも開発されている。
これをパソコン通信で接続中の2台のパソコンで実施す
れば、一方で描きつつある文字や図を他方でも見ること
ができるから、書き手の筆運びを感じることができ、そ
の人との接触感が非常に強まる。しかし、この場合文字
や図を描くには、マウス、あるいはトラックボールを用
いる必要があり、ペンで文字を書く感覚とは遠いこと
と、やはり計算機の操作に習熟しなければならないと言
う問題があるため、高齢者や多くの人々にとっては容易
に使用できない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このように従来の遠隔
地点間での通信手段は、高齢や耳が不自由な人にとっ
て、容易に取り扱えないものが多く、手軽に利用されて
いないのが現状であった。
【0011】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、例えば耳の不自由な人(難聴者)どうしが遠隔地点
間で通信を行うような場合も、取り扱いを簡単に理解で
き、手軽に使用できるとともに、交信相手との十分な接
触感も得られるような手書き通話端末装置を提供するこ
とを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係る手書き通信
端末装置は、タブレットの所定の領域に対する手書き入
力に基づく入力信号から、該入力信号の入力時系列に基
づく筆順に関する筆記情報を構成する筆記情報構成手段
と、この筆記情報構成手段により構成される筆記情報を
交信相手に送信する送信手段と、前記交信相手から送ら
れてくる筆記情報を受信する受信手段と、前記筆記情報
構成手段で構成される自装置への手書き入力である前記
筆記情報を前記所定の領域に表示するとともに、前記受
信手段を介して受信した交信相手からの筆記情報を前記
所定の領域に表示する表示手段とを具備したことを特徴
とする。また、好ましくは、前記筆記情報構成手段で構
成される自装置への手書き入力である前記筆記情報及び
前記交信相手との間で交信された前記筆記情報からなる
交信内容を記録する手段と、記録された該交信内容を再
生する手段とをさらに備えたことを特徴とする。
【0013】
【作用】本発明によれば、使用者A側にて手書き入力さ
れ、入力の際の筆順に関する筆記情報が構成されると、
この筆記情報は、当該使用者A側の表示手段に表示され
るとともに、送信手段を介して交信相手である使用者B
側に送られ、当該使用者B側の表示手段にも表示され
る。その逆も同様である。これにより、例えば、双方の
操作者が同じ画面を見ながら同時に書き込むことや、相
手側の筆記中の状態を見ることができるようになる。
【0014】これによって、例えば難聴者が手書き通話
端末にて所望の相手と遠隔地点間で通信を行うような場
合も、取り扱いが簡単に理解でき手軽に使用できるとと
もに、交信相手との十分な接触感を得ることができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に従い説明す
る。図1は同実施例の概略構成を示している。図におい
て、11は入力表示タブレットで、この入力表示タブレ
ット11は、入力手段11aと表示手段11bを兼ねて
いる。
【0016】入力手段11aは、使用者がペンを用いて
図形または文字を書き込むことを検出して、ペンの表示
面上の座標値と、現在入力中であることを示すフラグか
らなる入力信号を発生する。表示手段11bは、後述す
る交信管理手段17から送られる筆記情報に従って、そ
れに応じた文字・図形を表示する。また、この表示手段
11bは、その際にタブレット11aからの入力に応じ
た表示を細(ほそ)く、交信相手からの筆記情報に応じ
た表示を太く表示し、また改頁情報に従って表示を改頁
するようにしている。
【0017】入力表示タブレット11の入力手段11a
からの入力信号は、筆記情報構成手段12に送られる。
この筆記情報構成手段12は、入力手段11aからの入
力信号から筆記情報を構成するもので、筆順としてペン
の相対座標の一定時間間隔での時間系列を生成して筆記
情報を構成するようにしている。
【0018】そして、筆記情報構成手段12の出力を、
交信管理手段17に与えるようにしている。この交信管
理手段17には、送信手段13と受信手段14を接続し
ている。
【0019】送信手段13は、筆記情報、改頁情報、送
信元の電話番号、送信者名の筆記情報を外部通信網を介
して交信相手方に伝えるものである。また、受信手段1
4は、外部通信網を介して交信相手から送られてくる筆
記情報、改頁情報、送信元の電話番号、送信者名の筆記
情報を受けて交信管理手段17に伝えるものである。
【0020】受信手段14には、疑問符検出手段18と
呼び出し手段19を接続している。疑問符検出手段18
は、受信手段14より送られた筆記情報に応答して、こ
れに疑問符“?”が含まれていることを検出するもので
ある。また、呼び出し手段19は、使用者が中座中など
に疑問符検出手段18が疑問符を検出したときに、音、
光、または振動、または表示面の繰り返し反転によっ
て、疑問文が到着したことを知らせるようにしている。
15は、使用者の改頁の指示を検出する改頁指示手段で
ある。そして、この改頁指示手段15の出力を改頁情報
構成手段16に与える。
【0021】改頁情報構成手段16は、改頁指示手段1
5が使用者の改頁指示を検出すると、交信相手からの未
処理の筆記情報が存在していなければ改頁情報を構成す
るようにしている。この改頁情報構成手段16の出力
は、交信管理手段17に与えられるとともに、文字認識
手段22に与えられる。
【0022】文字認識手段22は、筆記情報の形式にな
った筆記数字列を解析して、対応する数字コード列に変
換するもので、この出力を交信管理手段17に与えるよ
うにしている。
【0023】21は再生指示手段で、使用者の再生指示
を検出する。また、20は交信記録手段で、再生指示手
段21の再生指示、交信管理手段17を介して得られる
交信結果を記憶したり読み出したりするようになってい
る。
【0024】交信管理手段17は、通話先一覧表によっ
て現在知っている通話先を管理し、また現時点での通話
先の設定を行うもので、現時点での通話先の設定は、
「通話面」をそのための交信面として設定することと、
交信記録装置のカレント記憶領域をその交信先のものに
設定することからなる。また、使用者が新しい交信相手
を設定するには、「通話開始面」内の「相手名」の領域
に交信相手の名前を、「電話番号」の領域に相手の電話
番号を、手書きで記入することにより行われる。また、
筆記情報、あるいは改頁情報、などの送信すべき情報存
在するとき、現在の交信相手として設定されている交信
相手への回線を要求する。すなわち交信相手を設定した
段階ではすぐには回線の接続を要求しない。さらに、一
定時間、筆記情報、あるいは改頁情報などの送信すべき
情報が存在しないときは、一旦回線を遮断する。さらに
また、受信手段14によって受信された情報の電話番号
が通話先一覧表に含まれていなければ、新たにその電話
番号を通話先一覧表に登録する。図2は、同実施例の外
観図を示している。
【0025】図において、201は装置本体で、この装
置本体201の表面には、入力表示タブレット202を
有し、この入力表示タブレット202の周りには、使用
スイッチ203、再生指示ボタン204、改頁指示ボタ
ン205、呼び出しライト部206を有している。そし
て、この装置本体201に対して記入用ペン207が用
意されている。
【0026】しかして、いま使用者Aが、新しい交信相
手と通話したいとする。まず使用者Aの装置aの使用ス
イッチ203をONとする。このスイッチ203がONのと
きは装置は使用者からの種々の指示を受けることがで
き、また入力表示タブレット202の表示面には何等か
の表示がなされるが、スイッチ203がOFF のときは入
力表示タブレット202の表示面の表示は消え、かつ使
用者は指示することは出来ない。ただしスイッチ203
がOFF であっても着信情報があったときは、それに応じ
た処理が内部でなされる。
【0027】このように使用スイッチ203がONとなる
と、入力表示タブレット202の表示面には例えば図3
に示すような表示が現れる。この場合、表示面300に
は1個の通話開始面301と、通話先一覧面302と、
1個の通話面303が表示される。
【0028】使用者は、通話開始面301の領域内の、
相手名とある領域に新しく交信を始めたい相手の名を、
また電話番号とある領域にその電話番号を、それぞれ書
き込みペン207を用いて記入する。図4は使用者が
「山崎」、「044−549−2230」と記した直後
の通話開始面301の状態を表している。
【0029】この状態で、図1において、筆記情報構成
手段12は入力手段11aからの相手名の入力信号を受
けて、通話面内でのペンの相対座標の時間系列としての
筆順を筆記情報として構成し、その結果を交信管理手段
17に送る。
【0030】同様に入力手段11aからの電話番号の入
力信号を受けて対応する筆記情報を構成し、これを文字
認識手段22に送る。文字認識手段22では、この筆記
情報から手書き入力数字の列を認識して、対応する数字
コード列に変換し、これを交信管理手段17に送る。
【0031】交信管理手段17では、これら電話番号の
数字コード列と筆記情報の形式の相手名を受けると、そ
の番号と相手名とを通話先一覧表に登録し、同時に通話
先一覧面に表示し、交信記録手段に対しその内部にその
番号の相手との交信の記録のための記憶領域を設定して
それをカレント記憶領域とするように指示し、通話面3
03をそのための交信領域と設定する。図5は、このと
きの表示面300の状態である。この段階では、いま
だ、交信相手との回線の接続の要求は出されない。
【0032】使用者Aは、通話面303の中に任意の文
字、図形を、書き込みペンを用いて書き込むことができ
る。図6は、使用者が「山崎さん、3月16日は空いて
いますか?」と記入した後の表示面300の状態を示し
ている。
【0033】入力手段11aがこの入力信号を筆記情報
構成手段12に送ると、この表示面300内でのペンの
相対座標の時間系列としての筆順を筆記情報として構成
し、送信手段13と交信記録手段に送る。
【0034】交信記録手段20は、この筆記情報をカレ
ント記憶領域に記憶する。送信手段13はこの筆記情報
を受けた時、初めて044−549−2230を自動ダ
イアルする。すなわち回線を要求する。
【0035】一方、使用者Bの装置bがこれを受け、回
線が接続されたら、送信手段13は送信側の電話番号お
よび使用者Aの名前の筆記情報と共に、所要の筆記情報
を使用者Bの装置へ送る。
【0036】使用者Bの装置bでは、いま、使用スイッ
チ203がOFF であったとする。使用スイッチ203が
ONであるかOFF であるかにかかわらず、自動着信機能が
常時働いており、呼びに自動応答する。その結果、使用
者Bの装置bの受信手段14は、使用者Aの名前と電話
番号と筆記情報を受けとる。受信手段14は、受け取っ
た名前と電話番号と筆記情報を交信管理手段17に送
る。
【0037】交信管理手段17では、この電話番号が装
置bの通話先一覧表になかったら、送られてきた電話番
号と送信者の名前の筆記情報を通話先一覧面に新たに登
録し、交信記録手段20に対し、この交信の記録ための
交信記憶領域を設定してそれをカレント記憶領域とする
よう指示する。
【0038】その後、使用者B側の装置bの交信管理手
段17は、送られてきた筆記情報を交信記録手段20と
疑問符検出手段18に送る。交信記録手段20はカレン
ト記憶領域に送られた筆記情報を記憶する。疑問符検出
手段18は送られてきた筆記情報に疑問符“?”が含ま
れるかどうか検査する。
【0039】これはいわゆるオンライン手書文字認識の
技術を用いる。この場合、疑問符が含まれているのでこ
れが検出される。このとき使用スイッチ203がOFF で
あるので、使用者Bは中座しているとみなして、装置b
の呼び出し手段19は、図2に示すように装置の手前側
にある呼び出しライト部206の明滅によって、応答を
要する着信があったことを使用者Bに告げる。
【0040】使用者Bが呼び出しライト部206の明滅
に気付いて装置bの使用スイッチ203をONとすると、
このとき表示面300は図7のように表示される。この
場合、通話先一覧面302中の着信のあった通話相手の
名前の表示箇所が周期的に反転表示される。
【0041】使用者Bが書き込みペン207でその名前
の表示箇所を触れると、交信管理手段17はその表示箇
所の座標から通話相手の電話番号を知り、通話面303
をその通話相手との交信のための面として設定し、さら
に交信記録手段20に対して、その電話番号に対応する
交信記録領域をあらためてカレント記憶領域とするよう
指示する。
【0042】その後、交信管理手段17は、交信記録手
段20に指示してカレント記憶領域から交信記録を読み
出し、表示手段11bに送る。この場合は先に記憶され
た使用者Aの装置aからの筆記情報が読み出されて表示
部11bに送られる。表示手段11bはそれを表示面に
表示する。その結果、表示手段11bは読み出された筆
記情報に従って通話面303上に、使用者Aが描いたと
同じ形の文字を表示する。図8は、その結果の表示であ
る。これ見て使用者Bは使用者Aからの用件を知ること
になる。
【0043】もし,使用者Bの装置bの使用スイッチ2
03がすでにONであり、かつ通話面303に、使用者A
の通話面303が選ばれ、すでに表示されていたとする
と、上記の動作は次のようになる。この場合も自動着信
機能が働いて、呼びに自動応答する。
【0044】その結果、使用者Bの装置bの受信手段1
4では、使用者Aの名前と電話番号と筆記情報を受けと
る。受信手段14は、受け取った名前と電話番号と筆記
情報を交信管理手段17に送る。交信管理手段17で
は、この電話番号が装置bの通話先一覧面にあり、かつ
通話面303が使用者Aとの交信領域として設定されて
おり、かつ交信記録手段20において使用者Aとの交信
記録の記憶領域がカレント記憶領域となっていることを
知る。
【0045】その後、交信管理手段17は、受け取った
筆記情報を表示手段11bに送るとともに、交信記録手
段20に送ってカレント記憶領域に追加記憶するよう指
示する。このとき同時に疑問符検出手段18は送られて
きた筆記情報に疑問符“?”が含まれるかどうか検査す
る。
【0046】この場合、疑問符が含まれているのでこれ
が検出される。このとき使用スイッチ203がONである
ので、使用者Bの装置bは、使用中とみなされ、呼び出
し手段19は働かない。
【0047】表示手段11bは、渡された筆記情報を表
示面に表示する。その結果、表示手段11bは、読み出
された筆記情報に従って正しい位置に、使用者Aが描い
たと同じ形の文字を表示する。図8はやはりその結果の
表示である。これを見て使用者Bは使用者Aからの用件
を知ることになる。
【0048】いずれの場合も、その後、使用者Bは使用
者Aに「空いています」と答えるとするならば、同じ通
話領域の任意の空白場所に、例えば図9に示すように、
書き込みペンでそれを記入すれば良い。
【0049】すると、使用者Bの装置bの筆記情報構成
手段12では、入力手段11aからの出力信号より筆記
情報を構成し、交信管理手段17に送る。交信管理手段
17では、今だ回線が装置aと接続中であることを確認
したら、装置bの送信手段13に筆記情報を送って送信
させる。すると、この筆記情報は装置aの受信手段14
で受信され、装置aの交信管理手段17を経由して表示
手段11bに送られると同時に、交信記録手段20のカ
レント記憶領域に追加記憶させる。
【0050】表示手段11bは受信された筆記情報に従
って表示を行い、その結果、使用者Bと同じ通話内容が
装置aの通話面303に表示される。これを見て使用者
Aは使用者Bの通話内容を知ることができる。
【0051】次に、使用者Aは「それでは私の家へ来て
くださいませんか?」と記入しようしたが、通話面30
3上に記入できる空白がなかったとする。そのときは使
用者Aは通話領域の改頁を指示する。
【0052】使用者Aが改頁を指示すると、改頁指示手
段15がこれを検出し、改頁情報構成手段16が改頁情
報を構成する。この情報によって装置aの表示手段11
bは通話領域の改頁を行う。この場合、通話面303の
表示内容が半分だけ上方に移動する。図10はこの結果
の装置aでの通話面303の表示である。
【0053】改頁情報構成手段16からの改頁情報は、
装置aの交信管理手段17に送られる。交信管理手段1
7では、これを交信記録手段20に送って、カレント記
憶領域に記憶するよう指示するとともに、まだ回線が装
置aと接続中であることを確認したら、装置bの送信手
段13にこの改頁情報を送って送信させる。
【0054】装置bの受信手段14で受け取られた改頁
情報は、装置bの交信管理手段17に伝えられ、そこか
らさらに表示手段11bに送られて、装置bの使用者A
との通話面303が半分だけ上方に移動する。またこの
改頁情報は同時に装置bの交信記録手段17のカレント
記憶領域に追加記憶される。以上のようにして使用者A
とBとは手書きの筆記文字によって互いに通話すること
ができる。
【0055】その後、使用者AもBが何もしないで一定
時間を経過すると、交信管理手段17は自動的に回線を
遮断する。これによって電話料金が高くなることを防
ぐ。なおこの一定時間は、通話料金体系におけるいわゆ
る“1度”に相当する通話距離に応じた時間間隔の半分
と定めても良い。回線が遮断されたことは使用者の通話
には直接影響しない。なぜなら、その後、例えば使用者
Bが使用者Aとの通話面に何かを記入すれば、その時点
で装置bの交信管理手段17は、再び装置aに自動ダイ
ヤルし、回線を要求し、装置aと接続されたら装置b
は、まず装置bの電話番号を装置aに送り、これにより
装置aは、装置bと接続されたことを知るからである。
【0056】また、上記のように使用者Aの側でも使用
者Bの側でも交信記録手段20が交信結果をすべて記憶
しているので、これを任意の時点で再生して見ることが
できる。すなわち、使用スイッチ203がOFF からONに
なった直ぐ後で、任意の通話相手を選択して通話面に呼
び出した後、なにも記入しないうちに、再生指示手段2
1で再生を指示すると、通話面303は逆方向に次々と
改頁されて過去の交信記録を見ることができる。なおこ
のとき改頁指示手段15による指示は通話相手には伝え
られないし、また装置aの中での交信記録手段20にも
記憶されない。しかして、最も簡単で典型的な使用法に
おいて、例えば、難聴の使用者Aの自宅に装置aを、使
用者Aをサポートしている使用者Bの自宅に装置bを置
き、これら装置aとbの間をを電話線に接続し、さらに
装置aの通話先として装置bのみを、装置bの通話先と
しては装置aのみを設定しておけば、使用者Aが何か使
用者Bに伝えたいことがあったときは、使用者Aは装置
aの使用スイッチ203をONとして、直ぐ表示面303
に伝えたいことをペンで記入すればよい。また、それが
緊急であるか、直接会話したいのであれば、最後に
“?”を記述するようにすればよい。
【0057】このようにすれば、使用者Aの緊急事態が
何時までも外部に知られないということが防ぐことがで
き、必要があれば直接会話することによって精神的支え
を得ることもできる。このように、使用者Aにとって
は、装置aで「何時でも使用者Bと通話ができる、使用
者Bに連絡できる」と思えることが、精神的安定を得る
上で非常な効果を発揮し、しかも使用法は非常に簡単で
ある。また見掛上は常時つながっていても、実際は回線
を自動的に遮断するので電話料金がかさむようなことも
なくなる。そして、このような装置がある程度普及すれ
ば、他の多くの人とも通話することができて、孤独感が
軽減され、また社会生活の不便も軽減される。
【0058】なお、前記実施例においては、通話面30
3の改頁は表示が半分だけ上方に移動することで行われ
るが、これは、左右に移動しても、あるいは完全に新し
い空白の面になるなど、他の方法で行われてもよい。
【0059】また、前記実施例においては、相手を呼び
出すことは、疑問符を書き込むことで行われるが、呼び
出し用のボタンを供えるなど、他の呼び出し指示手段を
用いてもよい。
【0060】また前記実施例における改頁指示手段1
5、改頁情報構成手段16に代えてスクロール指示手段
と、スクロール情報構成手段とを有し、送信手段13は
スクロール情報を速やかに交信相手方に伝え、受信手段
14は交信相手から送られてくるスクロール情報を受
け、交信管理手段17はこれを表示手段11bまたは/
および交信記録手段20に伝え、表示手段11bはスク
ロール情報に従って表示をスクロールするものであって
よい。
【0061】また前記実施例において、表示手段11b
は、タブレットからの入力にしたがった表示と、交信相
手からの筆記情報に従う表示とを、色、または濃さの違
い、または反転・非反転表示によって区別して表示して
もよい。
【0062】また前記実施例において、筆記情報構成手
段12は、前記タブレット上をペンが移動したことを検
出したときに、移動距離に応じた頻度でXY座標値の系
列を生成して筆記情報とするするものであってもよい。
【0063】
【0064】また、前記実施例において、表示手段11
bが筆記情報に従って表示面に表示するときに、その表
示情報を囲む矩形領域の座標値を生成して、その座標値
を記憶する領域管理手段を有し、さらに、表示手段が反
転表示する場合に、反転領域として領域管理手段に記憶
されている矩形領域の座標値を利用するものであってよ
い。
【0065】また、交信記録手段は、交信結果を常時記
録してもよいし、使用者からの記録指示を検出する交信
記録指示手段を設け、交信記録指示手段が使用者からの
記憶指示を検出したときに、それまでの交信結果を記憶
するものであってもよい。また、交信記録の再生指示を
するための交信記録再生指示手段を設け、これが指示を
検出したときは、前記交信記録手段は記憶されている交
信記録を画面上に表示するものであってもよい。また、
前記実施例において、交信記録指示手段を有し、交信記
録指示手段が使用者からの記録指示を検出したときは、
交信記録手段はそれまでの交信結果を一時記憶から長期
的記憶装置へ転送するものであってよい。
【0066】また前記実施例において、交信記録再生指
示手段を有し、これが指示を検出したときは、前記交信
記録手段は長期的記憶装置に記憶されている交信記録を
画面上に表示するものであってもよい。
【0067】また前記交信記録手段は個々の交信結果ご
とに使用者によりkeyword 、または件名、または相手
名、などの情報を付加して記憶し、前記交信記録手段
は、keyword 、件名、相手名、によって記憶内容を検索
表示するものであってよい。また前記実施例は、文字ま
たは図形を記入したときに、記入単位ごとに記入時刻が
傍記されるものであってよい。
【0068】また、使用者からの中座の指示を検出する
中座指示手段を設け、この中座指示手段が使用者からの
中座の指示を検出したときは、中座中状態になるもので
あってもよい。また前記実施例は、定型文指示手段を有
し、この定型文指示手段に任意の記入内容を筆記情報と
して登録する定型文登録手段と、交信中にこの定型文指
示手段が使用者からの指示を検出したときは、対応する
筆記情報を記憶から読み出して、あたかもその時その記
入があったごとくに動作させる定型文再現手段とを有す
るものであってもよい。また、前記定型文指示手段の1
つが中座指示手段を兼ねてもよい。また、表示領域の一
部分に、それまでの交信結果が縮小表示されるものであ
ってよい。
【0069】また筆記情報構成手段12は、文字コード
列またはそれに対応する文字列をも筆記情報として構成
し、また表示手段11bは文字コード列に対応する文字
列をも表示するものであってもよい。
【0070】
【0071】
【0072】
【0073】
【0074】
【0075】また、前記実施例において、入力表示タブ
レット11には複数の通話面を有し、これに応じて、交
信管理手段17は同数の通話相手を現在の通話相手とし
て同時に管理できる機能を持つものであってよい。例え
ば、交信管理手段17は、表示領域全体をあらかじめ複
数の通話領域に分割して、それぞれの通話領域ごとに現
在の交信相手を設定し、管理できるものであってよい。
このとき、筆記情報構成手段12はXY座標としてこの
通話領域内でのペンの相対的座標値を用いて筆記情報を
生成するものであり、また交信管理手段17は、送信す
べき情報が関わる画面上の通話領域の情報を用いて決定
される交信相手への回線を要求し(自動ダイヤルし)、
送信情報に送信者の識別符号(電話番号など)を付加し
て送信し、受信手段14は着信情報に付加されている識
別番号から発信元を知り、交信管理手段17が表示すべ
き通話領域を決定するものであってよい。またこのと
き、交信管理手段17は、受信手段14によって受信さ
れた情報の送信者識別番号に対応する通話領域が設定さ
れていなかったら、新たにその通話領域を設定するもの
であってよい。
【0076】
【0077】
【0078】
【0079】
【0080】以上では電話回線を通して接続する場合を
中心に説明したが、計算機ネットワーク、パソコン通
信、パーソナル無線、アマチュア無線、業務用無線な
ど、その他の通信手段によって接続しても良いことはも
ちろんである。
【0081】
【発明の効果】本発明によれば、手書き通話端末装置間
で入力する際の筆順に関する筆記情報を相互に交信し、
各装置では両装置で発生した情報を同等に処理するの
で、双方の操作者が同じ画面を見ながら同時に書き込む
ことや、筆記中の状態を見ることができるようになる。
従って、遠隔地点間で通信を行うような場合も、取り扱
いが簡単に理解でき、手軽に使用できるとともに、交信
相手との十分な接触感も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の概略構成を示す図。
【図2】一実施例を示す外観図。
【図3】使用者Aの表示面の初期画面の例を示す図。
【図4】使用者Aによる通話開始面への記入例を示す
図。
【図5】その結果設定された使用者A側の表示画面を示
す図。
【図6】使用者Aが通話面に通話内容を記入したときの
表示画面例を示す図。
【図7】使用者B側の使用スイッチ投入後の初期画面の
例を示す図。
【図8】使用者Bが新たな通話先の使用者Aを選択した
後の表示画面を示す図。
【図9】使用者Bが応答を記入した後の表示画面の例を
示す図。
【図10】使用者Aが改頁ボタンによって改頁指示した
後の使用者A側の表示画面を示す図。
【符号の説明】
11…入力表示タブレット、11a…入力手段、11b
…表示手段、12…筆記情報構成手段、13…送信手
段、14…受信手段、15…改頁指示手段、16…改頁
情報構成手段、17…交信管理手段、18…疑問符検出
手段、19…呼び出し手段、20…交信記録手段、21
…再生指示手段、22…文字認識手段、201…装置本
体、202…入力表示タブレット、203…使用スイッ
チ、204…再生指示ボタン、205…改頁指示ボタ
ン、206…呼び出しライト部、207…記入用ペン、
300…表示面、301…通話開始面、302…通話先
一覧面、303…通話面。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−115655(JP,A) 特開 平4−37354(JP,A) 特開 平4−156579(JP,A) 特開 平2−269387(JP,A) 特開 昭62−274971(JP,A) 特開 昭58−193576(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タブレットの所定の領域に対する手書き入
    力に基づく入力信号から、該入力信号の入力時系列に基
    づく筆順に関する筆記情報を構成する筆記情報構成手段
    と、 この筆記情報構成手段により構成される筆記情報を交信
    相手に送信する送信手段と、 前記交信相手から送られてくる筆記情報を受信する受信
    手段と、 前記筆記情報構成手段で構成される自装置への手書き入
    力である前記筆記情報を前記所定の領域に表示するとと
    もに、前記受信手段を介して受信した交信相手からの筆
    記情報を前記所定の領域に表示する表示手段とを具備し
    たことを特徴とする手書き通信端末装置。
  2. 【請求項2】前記筆記情報構成手段で構成される自装置
    への手書き入力である前記筆記情報及び前記交信相手と
    の間で交信された前記筆記情報からなる交信内容を記録
    する手段と、 記録された該交信内容を再生する手段とをさらに備えた
    ことを特徴とする請求項1記載の手書き通話端末置。
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