JP2830993B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents
電動パワーステアリング装置Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電動機の動力を
操舵補助力としてステアリング系に作用させ、ドライバ
の操舵力を軽減する電動パワーステアリング装置に関す
る。
操舵補助力としてステアリング系に作用させ、ドライバ
の操舵力を軽減する電動パワーステアリング装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図8に、従来の電動パワーステアリング
装置の要部ブロック構成図を示す。この電動パワーステ
アリング装置61は、ステアリング系に補助操舵力を付
加する電動機10と、ステアリング系の操舵トルクを検
出する操舵トルクセンサ12と、車速を検出する車速セ
ンサ14と、操舵トルクセンサ12からの操舵トルク信
号TS と車速センサ14からの車速信号VS とに基づい
て電動機制御信号VO を発生する制御手段50と、電動
機制御信号VO に基づいて電動機10を駆動する電動機
駆動手段16と、電動機10に流れる電動機電流IM を
検出する電動機電流検出手段19と、を備えている。
装置の要部ブロック構成図を示す。この電動パワーステ
アリング装置61は、ステアリング系に補助操舵力を付
加する電動機10と、ステアリング系の操舵トルクを検
出する操舵トルクセンサ12と、車速を検出する車速セ
ンサ14と、操舵トルクセンサ12からの操舵トルク信
号TS と車速センサ14からの車速信号VS とに基づい
て電動機制御信号VO を発生する制御手段50と、電動
機制御信号VO に基づいて電動機10を駆動する電動機
駆動手段16と、電動機10に流れる電動機電流IM を
検出する電動機電流検出手段19と、を備えている。
【0003】制御手段50は、操舵トルク信号TS と車
速信号VS とに基づいて電動機電流IM の目標値に対応
した目標電流信号IMSを決定する目標電流設定手段51
と、目標電流信号IMSと電動機電流検出手段19からの
電動機電流信号IMOとの偏差を演算して偏差信号ΔIを
出力する偏差演算手段52と、偏差信号ΔIに例えば比
例(P)、積分(I)および微分(D)補償を施すPI
D補償手段53と、このPID補償手段53からの出力
信号IPID に基づいてPWM信号を発生して電動機制御
信号VO とするPWM信号発生手段57と、を備えてい
る。この制御手段50は、マイクロプロセッサを基本に
各種演算手段、メモリ手段および処理手段等で構成され
ている。
速信号VS とに基づいて電動機電流IM の目標値に対応
した目標電流信号IMSを決定する目標電流設定手段51
と、目標電流信号IMSと電動機電流検出手段19からの
電動機電流信号IMOとの偏差を演算して偏差信号ΔIを
出力する偏差演算手段52と、偏差信号ΔIに例えば比
例(P)、積分(I)および微分(D)補償を施すPI
D補償手段53と、このPID補償手段53からの出力
信号IPID に基づいてPWM信号を発生して電動機制御
信号VO とするPWM信号発生手段57と、を備えてい
る。この制御手段50は、マイクロプロセッサを基本に
各種演算手段、メモリ手段および処理手段等で構成され
ている。
【0004】目標電流設定手段51はROM等のメモリ
を備え、車速信号VS をパラメータとした操舵トルク信
号TS と目標電流信号IMSの対応データを記憶してお
き、操舵トルクセンサ12からの操舵トルク信号TS お
よび車速センサ14からの車速信号VS に基づいて対応
する目標電流信号IMSを読み出し、偏差演算手段52に
出力する。
を備え、車速信号VS をパラメータとした操舵トルク信
号TS と目標電流信号IMSの対応データを記憶してお
き、操舵トルクセンサ12からの操舵トルク信号TS お
よび車速センサ14からの車速信号VS に基づいて対応
する目標電流信号IMSを読み出し、偏差演算手段52に
出力する。
【0005】偏差演算手段52は減算機能を備え、目標
電流信号IMSと電動機電流検出手段19からの電動機電
流信号IMOとの偏差である偏差信号ΔIを演算し、PI
D補償手段53に出力する。
電流信号IMSと電動機電流検出手段19からの電動機電
流信号IMOとの偏差である偏差信号ΔIを演算し、PI
D補償手段53に出力する。
【0006】PID補償手段53は、比例要素(P)と
積分要素(I)と微分要素(D)とから成り、偏差信号
ΔIに比例、積分および微分補償を施して出力する。
積分要素(I)と微分要素(D)とから成り、偏差信号
ΔIに比例、積分および微分補償を施して出力する。
【0007】PWM(Pulse Width Modulation)信号発
生手段57は、PID補償手段53からの出力信号I
PID に基づいたPWM信号である電動機制御信号VO を
発生する。PWM信号発生手段57は、電動機駆動手段
16をPWM(パルス幅変調)制御して偏差信号ΔIを
速やかに0に収束させるような電動機制御信号VO を電
動機駆動手段16に出力する。
生手段57は、PID補償手段53からの出力信号I
PID に基づいたPWM信号である電動機制御信号VO を
発生する。PWM信号発生手段57は、電動機駆動手段
16をPWM(パルス幅変調)制御して偏差信号ΔIを
速やかに0に収束させるような電動機制御信号VO を電
動機駆動手段16に出力する。
【0008】電動機駆動手段16は、電動機制御信号V
O に基づいて電動機10を駆動し、電動機10を電動機
駆動電圧VM でPWM制御する。例えばパワーFET
(電界効果トランジスタ)等のスイッチング素子4個を
用いたブリッジ回路で構成され、PWM信号発生手段5
7から提供されるスイッチ・オン/オフ信号およびPW
M信号からなる電動機制御信号VO で、2個をペアとし
た二対のパワーFETのそれぞれのペアを駆動制御する
ことにより、電動機10に供給する電動機駆動電圧VM
に基づいて電動機電流IM の大きさと方向が設定され
る。
O に基づいて電動機10を駆動し、電動機10を電動機
駆動電圧VM でPWM制御する。例えばパワーFET
(電界効果トランジスタ)等のスイッチング素子4個を
用いたブリッジ回路で構成され、PWM信号発生手段5
7から提供されるスイッチ・オン/オフ信号およびPW
M信号からなる電動機制御信号VO で、2個をペアとし
た二対のパワーFETのそれぞれのペアを駆動制御する
ことにより、電動機10に供給する電動機駆動電圧VM
に基づいて電動機電流IM の大きさと方向が設定され
る。
【0009】電動機電流検出手段19は差動増幅器等で
構成され、電動機10と直列に接続された電流検知素子
(例えば、抵抗器)を流れる電動機電流IM の電圧降下
を差動増幅し、目標電流信号IMSに対応する信号レベル
に変換して電動機電流信号IMOとして偏差演算手段52
に出力する。
構成され、電動機10と直列に接続された電流検知素子
(例えば、抵抗器)を流れる電動機電流IM の電圧降下
を差動増幅し、目標電流信号IMSに対応する信号レベル
に変換して電動機電流信号IMOとして偏差演算手段52
に出力する。
【0010】なお、電動機電流検出手段19は電流検知
素子で検出した電動機電流IM を電動機電流信号IMOに
変換して制御手段50にフィードバックし、これにより
ステアリングの制御系の帰還路が形成される。
素子で検出した電動機電流IM を電動機電流信号IMOに
変換して制御手段50にフィードバックし、これにより
ステアリングの制御系の帰還路が形成される。
【0011】この制御手段50をデジタル回路で構成し
た電動パワーステアリング装置が知られている。制御手
段50をデジタル回路で構成した場合は、マイクロプロ
セッサを採用して、高度な制御、正確な故障診断、速や
かなフェールセーフ処理等が可能であり、LSIによる
小型化も可能である。
た電動パワーステアリング装置が知られている。制御手
段50をデジタル回路で構成した場合は、マイクロプロ
セッサを採用して、高度な制御、正確な故障診断、速や
かなフェールセーフ処理等が可能であり、LSIによる
小型化も可能である。
【0012】一方、制御手段50をアナログ回路で構成
した電動パワーステアリング装置も知られている。
した電動パワーステアリング装置も知られている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】制御手段をアナログ回
路で構成したものは、応答性能(応答速度)に優れてい
るが、高度な制御を行おうとすると演算・処理等の回路
規模が大きくなり、部品点数が多くなる課題や、基板の
実装スペースが大きくなる課題がある。
路で構成したものは、応答性能(応答速度)に優れてい
るが、高度な制御を行おうとすると演算・処理等の回路
規模が大きくなり、部品点数が多くなる課題や、基板の
実装スペースが大きくなる課題がある。
【0014】制御手段をマイクロプロセッサを基本にし
たデジタル回路で構成したものは、演算・処理精度に優
れているが、演算・処理数が増加すると演算・処理速度
が低下し、高い応答速度が要求されるケースには適さな
い課題がある。演算・処理速度を高めるため16ビット
や32ビットの高速のマイクロプロセッサを採用する
と、コストアップを招く課題がある。
たデジタル回路で構成したものは、演算・処理精度に優
れているが、演算・処理数が増加すると演算・処理速度
が低下し、高い応答速度が要求されるケースには適さな
い課題がある。演算・処理速度を高めるため16ビット
や32ビットの高速のマイクロプロセッサを採用する
と、コストアップを招く課題がある。
【0015】本発明は、上記した従来技術の課題を解決
するためになされたものであって、第1の目的は制御手
段をデジタル回路とアナログ回路で構成することによ
り、構成が小型・簡易で操舵フィーリングの滑らかな電
動パワーステアリング装置を提供することにある。
するためになされたものであって、第1の目的は制御手
段をデジタル回路とアナログ回路で構成することによ
り、構成が小型・簡易で操舵フィーリングの滑らかな電
動パワーステアリング装置を提供することにある。
【0016】第2の目的は、各種信号に基づいて異常状
態を正確に検出して正確に故障診断ができるようにする
ことにある。
態を正確に検出して正確に故障診断ができるようにする
ことにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る電動パワ
ーステアリング装置では、制御手段の目標電流設定手段
をデジタル回路で構成し、制御手段の偏差演算手段と補
償手段とPWM信号発生手段とをアナログ回路で構成し
たことを特徴とする。
ーステアリング装置では、制御手段の目標電流設定手段
をデジタル回路で構成し、制御手段の偏差演算手段と補
償手段とPWM信号発生手段とをアナログ回路で構成し
たことを特徴とする。
【0018】偏差演算手段をアナログ回路で構成したの
で、目標電流信号と電動機電流信号との偏差をデジタル
回路で演算して出力する必要がなくなり、この偏差の算
出にかかる処理工程の時間の分だけ電動機の制御が遅れ
ることを防止でき、操舵トルクの変化に対する応答性を
高めることができる。これにより、滑らかな操舵フィー
リングを達成できる。
で、目標電流信号と電動機電流信号との偏差をデジタル
回路で演算して出力する必要がなくなり、この偏差の算
出にかかる処理工程の時間の分だけ電動機の制御が遅れ
ることを防止でき、操舵トルクの変化に対する応答性を
高めることができる。これにより、滑らかな操舵フィー
リングを達成できる。
【0019】また、制御手段をすべてデジタル回路で構
成した場合に比べて、目標電流設定手段を構成するマイ
クロプロセッサ等のデジタル回路の演算量を少なくする
ことができる。更に、制御系の帰還路をアナログ回路に
より構成したので、デジタル回路部は目標電流設定手段
による電流指令値を与えるだけでよくなる為、高い処理
速度でなくても滑らかな操舵フィーリングを確保するこ
とができる。
成した場合に比べて、目標電流設定手段を構成するマイ
クロプロセッサ等のデジタル回路の演算量を少なくする
ことができる。更に、制御系の帰還路をアナログ回路に
より構成したので、デジタル回路部は目標電流設定手段
による電流指令値を与えるだけでよくなる為、高い処理
速度でなくても滑らかな操舵フィーリングを確保するこ
とができる。
【0020】請求項2では、請求項1記載の電動パワー
ステアリング装置において、制御手段は、電動パワース
テアリング装置の異常状態を検出する異常検出手段を備
え、この異常検出手段をデジタル回路で構成したことを
特徴とする。
ステアリング装置において、制御手段は、電動パワース
テアリング装置の異常状態を検出する異常検出手段を備
え、この異常検出手段をデジタル回路で構成したことを
特徴とする。
【0021】例えば、操舵トルク信号、車速信号、目標
電流信号、電動機制御信号、電動機電流信号等の信号に
基づいて、異常状態を検出する異常検出手段をデジタル
回路で構成したので、アナログ回路部の異常状態を正確
に診断することができる。
電流信号、電動機制御信号、電動機電流信号等の信号に
基づいて、異常状態を検出する異常検出手段をデジタル
回路で構成したので、アナログ回路部の異常状態を正確
に診断することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す実施形
態に基づいて説明する。図1はこの発明に係る電動パワ
ーステアリング装置の全体構成図である。
態に基づいて説明する。図1はこの発明に係る電動パワ
ーステアリング装置の全体構成図である。
【0023】図1において、電動パワーステアリング装
置1は、ステアリングホイール17に一体的に設けられ
たステアリング軸2に自在継ぎ手3a,3bを備えた連
結軸3を介し、ステアリング・ギアボックス4内に設け
たラック&ピニオン機構5のピニオン5aに連結されて
手動操舵力発生手段6を構成する。
置1は、ステアリングホイール17に一体的に設けられ
たステアリング軸2に自在継ぎ手3a,3bを備えた連
結軸3を介し、ステアリング・ギアボックス4内に設け
たラック&ピニオン機構5のピニオン5aに連結されて
手動操舵力発生手段6を構成する。
【0024】ピニオン5aに噛み合うラック歯7aを備
え、これらの噛み合いにより往復運動するラック軸7
は、その両端にタイロッド8を介して転動輪としての左
右の前輪9が連結されている。
え、これらの噛み合いにより往復運動するラック軸7
は、その両端にタイロッド8を介して転動輪としての左
右の前輪9が連結されている。
【0025】このようにして、ステアリングホイール1
7操舵時には通常のラック&ピニオン式の手動操舵力発
生手段6を介し、マニュアルステアリングで左右の前輪
9を転動させて車両の向きを変えている。
7操舵時には通常のラック&ピニオン式の手動操舵力発
生手段6を介し、マニュアルステアリングで左右の前輪
9を転動させて車両の向きを変えている。
【0026】手動操舵力発生手段6による操舵力を軽減
するため、操舵補助力を供給する電動機10をラック軸
7と同軸的に配設し、ラック軸7と同軸に設けられたボ
ールねじ機構11を介して推力に変換し、ラック軸7
(ボールねじ軸11a)に電動機動力を作用させる。ボ
ールねじ機構11は、ボールねじ軸11aとボールねじ
ナット11bおよび両者間に介在された複数のボール
(不図示)で構成される。
するため、操舵補助力を供給する電動機10をラック軸
7と同軸的に配設し、ラック軸7と同軸に設けられたボ
ールねじ機構11を介して推力に変換し、ラック軸7
(ボールねじ軸11a)に電動機動力を作用させる。ボ
ールねじ機構11は、ボールねじ軸11aとボールねじ
ナット11bおよび両者間に介在された複数のボール
(不図示)で構成される。
【0027】ステアリング・ギアボックス4内にはドラ
イバの手動操舵トルクの方向と大きさを検出する操舵ト
ルクセンサ12を配置し、操舵トルクに対応した操舵ト
ルク信号TS を制御手段15に提供する。また、車速セ
ンサ14はロータリエンコーダ等により車両の速度に対
応した周波数の電気的なパルス信号として車速を検出
し、車速信号VS を制御手段15に提供する。
イバの手動操舵トルクの方向と大きさを検出する操舵ト
ルクセンサ12を配置し、操舵トルクに対応した操舵ト
ルク信号TS を制御手段15に提供する。また、車速セ
ンサ14はロータリエンコーダ等により車両の速度に対
応した周波数の電気的なパルス信号として車速を検出
し、車速信号VS を制御手段15に提供する。
【0028】制御手段15はマイクロプロセッサを基本
に各種演算手段、処理手段、信号発生手段、メモリ等で
構成し、車速信号VSと操舵トルク信号TSとに基づいて
電動機制御信号VO (例えば、オン信号、オフ信号およ
びPWM信号の混成信号)を発生して電動機駆動手段1
6に指令する。
に各種演算手段、処理手段、信号発生手段、メモリ等で
構成し、車速信号VSと操舵トルク信号TSとに基づいて
電動機制御信号VO (例えば、オン信号、オフ信号およ
びPWM信号の混成信号)を発生して電動機駆動手段1
6に指令する。
【0029】また、制御手段15は、車速信号VS、操
舵トルク信号TS、電動機制御信号VO 等の各種信号に
基づいて異常状態を検出しフェールセーフ処理を行う。
舵トルク信号TS、電動機制御信号VO 等の各種信号に
基づいて異常状態を検出しフェールセーフ処理を行う。
【0030】電動機駆動手段16は、例えば4個のパワ
ーFET(電界効果トランジスタ)のスイッチング素子
からなるブリッジ回路で構成し、電動機制御信号VO の
指令に基づいた電動機駆動電圧VM により電動機10を
駆動する。
ーFET(電界効果トランジスタ)のスイッチング素子
からなるブリッジ回路で構成し、電動機制御信号VO の
指令に基づいた電動機駆動電圧VM により電動機10を
駆動する。
【0031】電動機電流検出手段19は、電流検知素子
(例えば、抵抗器)が検知した電動機電流IM に対応し
た検知電圧VI を差動増幅し、電動機電流IM に対応し
た電動機電流信号IMOを制御手段15にフィードバック
する。
(例えば、抵抗器)が検知した電動機電流IM に対応し
た検知電圧VI を差動増幅し、電動機電流IM に対応し
た電動機電流信号IMOを制御手段15にフィードバック
する。
【0032】図2は、この発明に係る電動パワーステア
リング装置の要部ブロック構成図である。この電動パワ
ーステアリング装置1は、ステアリング系に補助操舵力
を付加する電動機10と、ステアリング系の操舵トルク
を検出する操舵トルクセンサ12と、車速を検出する車
速センサ14と、操舵トルクセンサ12からの操舵トル
ク信号TS と車速センサ14からの車速信号VS とに基
づいて電動機制御信号VOを発生する制御手段15と、
電動機制御信号VO に基づいて電動機10を駆動する電
動機駆動手段16と、電動機10に流れる電動機電流I
M を検出する電動機電流検出手段19と、を備えてい
る。
リング装置の要部ブロック構成図である。この電動パワ
ーステアリング装置1は、ステアリング系に補助操舵力
を付加する電動機10と、ステアリング系の操舵トルク
を検出する操舵トルクセンサ12と、車速を検出する車
速センサ14と、操舵トルクセンサ12からの操舵トル
ク信号TS と車速センサ14からの車速信号VS とに基
づいて電動機制御信号VOを発生する制御手段15と、
電動機制御信号VO に基づいて電動機10を駆動する電
動機駆動手段16と、電動機10に流れる電動機電流I
M を検出する電動機電流検出手段19と、を備えてい
る。
【0033】制御手段15は、操舵トルク信号TS と車
速信号VS とに基づいて電動機電流IM の目標値に対応
した目標電流信号IMSを決定する目標電流設定手段21
と、目標電流信号IMSと電動機電流検出手段19からの
電動機電流信号IMOとの偏差を演算して偏差信号ΔIを
出力する偏差演算手段22と、偏差信号ΔIに比例、積
分および微分補償を施すPID補償手段23と、このP
ID補償手段23からの出力信号IPID に基づいたPW
M信号である電動機制御信号VO を発生するPWM信号
発生手段27と、を備えている。
速信号VS とに基づいて電動機電流IM の目標値に対応
した目標電流信号IMSを決定する目標電流設定手段21
と、目標電流信号IMSと電動機電流検出手段19からの
電動機電流信号IMOとの偏差を演算して偏差信号ΔIを
出力する偏差演算手段22と、偏差信号ΔIに比例、積
分および微分補償を施すPID補償手段23と、このP
ID補償手段23からの出力信号IPID に基づいたPW
M信号である電動機制御信号VO を発生するPWM信号
発生手段27と、を備えている。
【0034】制御手段15は、マイクロプロセッサを基
本に各種演算手段、メモリ手段および処理手段等で構成
し、目標電流設定手段21をデジタル回路で構成すると
共に、偏差演算手段22、PID補償手段23およびP
WM信号発生手段27をアナログ回路で構成している。
本に各種演算手段、メモリ手段および処理手段等で構成
し、目標電流設定手段21をデジタル回路で構成すると
共に、偏差演算手段22、PID補償手段23およびP
WM信号発生手段27をアナログ回路で構成している。
【0035】目標電流設定手段21はROM等のメモリ
を備えたデジタル回路60で構成し、車速信号VS をパ
ラメータとした操舵トルク信号TS と目標電流信号IMS
との対応データを記憶しておき、操舵トルクセンサ12
からの操舵トルク信号TS および車速センサ14からの
車速信号VS に基づいて対応する目標電流信号IMSをメ
モリから読み出し、偏差演算手段22に出力する。
を備えたデジタル回路60で構成し、車速信号VS をパ
ラメータとした操舵トルク信号TS と目標電流信号IMS
との対応データを記憶しておき、操舵トルクセンサ12
からの操舵トルク信号TS および車速センサ14からの
車速信号VS に基づいて対応する目標電流信号IMSをメ
モリから読み出し、偏差演算手段22に出力する。
【0036】図3に、車速信号VS の値をパラメータと
した、操舵トルク信号TS と目標電流信号IMSの特性図
(テーブル1)を示す。図3において、符号VL 、VM
およびVH はそれぞれ低車速領域、中車速領域および高
車速領域に対応し、操舵トルク信号TS が同じであって
も、車速が増加(VL →VM →VH )するに伴い、目標
電流信号IMSが減少するよう予め設定されている。
した、操舵トルク信号TS と目標電流信号IMSの特性図
(テーブル1)を示す。図3において、符号VL 、VM
およびVH はそれぞれ低車速領域、中車速領域および高
車速領域に対応し、操舵トルク信号TS が同じであって
も、車速が増加(VL →VM →VH )するに伴い、目標
電流信号IMSが減少するよう予め設定されている。
【0037】このように、目標電流設定手段21は、低
車速領域(VS =VL )では電動機10を目標電流信号
IMSに対応した大きな電動機電流IM で駆動して充分大
きな操舵補助力が得られるよう構成され、一方、高車速
領域(VS =VH )では電動機10を目標電流信号IMS
に対応した小さな電動機電流IM で駆動して操舵補助力
を抑え、操舵の安定性が得られるよう構成される。
車速領域(VS =VL )では電動機10を目標電流信号
IMSに対応した大きな電動機電流IM で駆動して充分大
きな操舵補助力が得られるよう構成され、一方、高車速
領域(VS =VH )では電動機10を目標電流信号IMS
に対応した小さな電動機電流IM で駆動して操舵補助力
を抑え、操舵の安定性が得られるよう構成される。
【0038】偏差演算手段22は差動増幅器等のアナロ
グ回路で構成され、目標電流信号IMSと電動機電流信号
IMOとの偏差である偏差信号ΔI(=IMS−IMO)を演
算し、PID補償手段23に供給する。
グ回路で構成され、目標電流信号IMSと電動機電流信号
IMOとの偏差である偏差信号ΔI(=IMS−IMO)を演
算し、PID補償手段23に供給する。
【0039】PID補償手段23は、比例要素(P)と
積分要素(I)と微分要素(D)とから成り、偏差信号
ΔIに比例、積分および微分補償を施して出力する。
積分要素(I)と微分要素(D)とから成り、偏差信号
ΔIに比例、積分および微分補償を施して出力する。
【0040】PWM信号発生手段27は、PID補償手
段23からの出力信号IPID に基づいたPWM信号であ
る電動機制御信号VO を発生する。
段23からの出力信号IPID に基づいたPWM信号であ
る電動機制御信号VO を発生する。
【0041】PWM信号発生手段27は、電動機駆動手
段16をPWM(パルス幅変調)制御して偏差信号ΔI
を速やかに0に収束させるような電動機制御信号VO を
電動機駆動手段16に出力する。
段16をPWM(パルス幅変調)制御して偏差信号ΔI
を速やかに0に収束させるような電動機制御信号VO を
電動機駆動手段16に出力する。
【0042】比例要素(P)の比例感度および積分要素
(I)の積分ゲインの値を大きく設定することにより、
電動機電流IM に対応する電動機電流信号IMOを速やか
に目標電流信号IMSに収束(偏差信号ΔI=0)させる
ことができる。
(I)の積分ゲインの値を大きく設定することにより、
電動機電流IM に対応する電動機電流信号IMOを速やか
に目標電流信号IMSに収束(偏差信号ΔI=0)させる
ことができる。
【0043】なお、PID補償手段の代わりに比例
(P)積分(I)補償手段もしくは比例(P)微分
(D)補償手段を使用してもよい。
(P)積分(I)補償手段もしくは比例(P)微分
(D)補償手段を使用してもよい。
【0044】PWM信号発生手段27は、PWM信号V
PWM と、1系統のオン信号VONおよび2系統のオフ信号
VOFを発生し、PID信号IPID に対応したデューティ
サイクルのPWM信号VPWM と、オン信号VONおよびオ
フ信号VOFの混成信号を電動機制御信号VO(VPWM、V
ON、VOF)として電動機駆動手段16に提供する。
PWM と、1系統のオン信号VONおよび2系統のオフ信号
VOFを発生し、PID信号IPID に対応したデューティ
サイクルのPWM信号VPWM と、オン信号VONおよびオ
フ信号VOFの混成信号を電動機制御信号VO(VPWM、V
ON、VOF)として電動機駆動手段16に提供する。
【0045】PWM信号発生手段27は三角波比較法を
用い、PID信号IPID と三角波をヒステリシスコンパ
レータ等で比較することにより、パルス列からなるPW
M信号を発生する。
用い、PID信号IPID と三角波をヒステリシスコンパ
レータ等で比較することにより、パルス列からなるPW
M信号を発生する。
【0046】図4に、FETを用いた電動機駆動手段の
ブリッジ回路図を示す。図4において、電動機駆動手段
16は、ブリッジ回路を形成する4個のパワーFET
(電界効果トランジスタ)Q1〜Q4を備え、Q1〜Q
4はそれぞれのソース、ドレイン間にダイオードD1〜
D4を内蔵しており、Q1およびQ3は直流電源V
C(例えば、12V電源)、Q2およびQ4は車体アー
ス(GND)にそれぞれ接続される。
ブリッジ回路図を示す。図4において、電動機駆動手段
16は、ブリッジ回路を形成する4個のパワーFET
(電界効果トランジスタ)Q1〜Q4を備え、Q1〜Q
4はそれぞれのソース、ドレイン間にダイオードD1〜
D4を内蔵しており、Q1およびQ3は直流電源V
C(例えば、12V電源)、Q2およびQ4は車体アー
ス(GND)にそれぞれ接続される。
【0047】一方、Q1とQ2の接続点、Q3とQ4の
接続点間には電動機10が接続され、PWM信号発生手
段から供給される電動機制御信号VO でQ1〜Q4の各
ゲートG1〜G4を制御することにより、電動機10に
PWM信号で制御された電動機駆動電圧VM を付与する
ことにより電動機電流IM が供給される。なお、ブリッ
ジ回路はパワーFETに代えてダイオードを並列接続し
たパワートランジスタで構成される場合もある。
接続点間には電動機10が接続され、PWM信号発生手
段から供給される電動機制御信号VO でQ1〜Q4の各
ゲートG1〜G4を制御することにより、電動機10に
PWM信号で制御された電動機駆動電圧VM を付与する
ことにより電動機電流IM が供給される。なお、ブリッ
ジ回路はパワーFETに代えてダイオードを並列接続し
たパワートランジスタで構成される場合もある。
【0048】Q1とQ2の接続点、Q3とQ4の接続点
間には電動機10と直列に接続された電流検出素子であ
る抵抗RD を配置し、この抵抗RD の両端に発生する検
知電圧VI の絶対値と極性(±)により、対応する電動
機電流IM の絶対値と方向を検出するよう構成されてい
る。
間には電動機10と直列に接続された電流検出素子であ
る抵抗RD を配置し、この抵抗RD の両端に発生する検
知電圧VI の絶対値と極性(±)により、対応する電動
機電流IM の絶対値と方向を検出するよう構成されてい
る。
【0049】回転方向右のステアリング往き状態では、
例えば、電動機制御信号VO のPWM信号VPWMをQ1
のゲートG1、オン信号VONをQ4のゲートG4、オフ
信号VOFをそれぞれQ2のゲートG2とQ3のゲートG
3に供給することにより、直流電源VC →Q1→抵抗R
D →電動機10→Q4→車体アース(GND)の経路で
電動機電流IM+(実線矢印方向)が流れ、電動機10を
電動機電流IM+で駆動する。
例えば、電動機制御信号VO のPWM信号VPWMをQ1
のゲートG1、オン信号VONをQ4のゲートG4、オフ
信号VOFをそれぞれQ2のゲートG2とQ3のゲートG
3に供給することにより、直流電源VC →Q1→抵抗R
D →電動機10→Q4→車体アース(GND)の経路で
電動機電流IM+(実線矢印方向)が流れ、電動機10を
電動機電流IM+で駆動する。
【0050】一方、回転方向左のステアリング往き状態
では、PWM信号VPWM をQ3のゲートG3、オン信号
VONをQ2のゲートG2、オフ信号VOFをそれぞれQ1
のゲートG1とQ4のゲートG4に供給することによ
り、直流電源VC →Q3→電動機10→抵抗RD →Q2
→車体アース(GND)の経路で電動機電流IM-(破線
矢印方向)が流れ、電動機10を電動機電流IM-で駆動
する。
では、PWM信号VPWM をQ3のゲートG3、オン信号
VONをQ2のゲートG2、オフ信号VOFをそれぞれQ1
のゲートG1とQ4のゲートG4に供給することによ
り、直流電源VC →Q3→電動機10→抵抗RD →Q2
→車体アース(GND)の経路で電動機電流IM-(破線
矢印方向)が流れ、電動機10を電動機電流IM-で駆動
する。
【0051】このように、電動機制御信号VO のPWM
信号VPWM とオン信号VONでブリッジ回路の対辺を形成
するFET(電界効果トランジスタ)Q1とQ4、FE
T(電界効果トランジスタ)Q3とQ2を制御すること
により、電動機電流IM の方向(IM+、IM-)と大きさ
を決定し、電動機10の回転方向と回転力を制御するこ
とができる。
信号VPWM とオン信号VONでブリッジ回路の対辺を形成
するFET(電界効果トランジスタ)Q1とQ4、FE
T(電界効果トランジスタ)Q3とQ2を制御すること
により、電動機電流IM の方向(IM+、IM-)と大きさ
を決定し、電動機10の回転方向と回転力を制御するこ
とができる。
【0052】電動機電流を検出する電流検知素子である
抵抗RD の両端には、電動機電流IM+、IM-の方向と電
流値レベルに対応し、車体アースを基準とした電圧V
+ 、V- が発生し、電圧V+ と電圧V- の電位差である
検知電圧VI(=V+−V- )が電動機電流検出手段19
に供給される。なお、電流検知素子は非接触型のホール
電流検出素子で構成してもよい。
抵抗RD の両端には、電動機電流IM+、IM-の方向と電
流値レベルに対応し、車体アースを基準とした電圧V
+ 、V- が発生し、電圧V+ と電圧V- の電位差である
検知電圧VI(=V+−V- )が電動機電流検出手段19
に供給される。なお、電流検知素子は非接触型のホール
電流検出素子で構成してもよい。
【0053】図5に電動機電流検出手段の一実施例構成
図を示す。図5において、電動機電流検出手段19は、
差動増幅器19Aと電動機電流信号変換手段19Bを備
える。
図を示す。図5において、電動機電流検出手段19は、
差動増幅器19Aと電動機電流信号変換手段19Bを備
える。
【0054】差動増幅器19Aは、抵抗RD に流れる電
動機電流IM+、IM-に対応した検知電圧VI(=V+−V
- )を増幅して検出電圧VDTを出力する。電動機電流信
号変換手段19Bは、例えば抵抗器とオペアンプで構成
され、検出電圧VDTを目標電流信号IMSに対応する信号
レベルに変換して電動機電流信号IMOとして偏差演算手
段52に供給する。
動機電流IM+、IM-に対応した検知電圧VI(=V+−V
- )を増幅して検出電圧VDTを出力する。電動機電流信
号変換手段19Bは、例えば抵抗器とオペアンプで構成
され、検出電圧VDTを目標電流信号IMSに対応する信号
レベルに変換して電動機電流信号IMOとして偏差演算手
段52に供給する。
【0055】電動機電流IM+、IM-の方向、抵抗RD の
両端電圧V+、V-、およびオペアンプOP入力(±入力
端子)が図5に示すように設定されると、差動増幅器1
9Aの出力電圧である検出電圧VDTは、数1で表され
る。
両端電圧V+、V-、およびオペアンプOP入力(±入力
端子)が図5に示すように設定されると、差動増幅器1
9Aの出力電圧である検出電圧VDTは、数1で表され
る。
【0056】
【数1】 VDT = (V+−V-)R2/R1 + 2.5
【0057】図6に電動機電流IM に対する検出電圧V
DTの特性図を示す。電動機電流IM がIM-(ハンドル左
操作に対応)、0(ハンドル中立位置に対応)、I
M+(ハンドル右操作に対応)のそれぞれに対応した検出
電圧VDTの値を示すものである。
DTの特性図を示す。電動機電流IM がIM-(ハンドル左
操作に対応)、0(ハンドル中立位置に対応)、I
M+(ハンドル右操作に対応)のそれぞれに対応した検出
電圧VDTの値を示すものである。
【0058】なお、操舵トルク信号TS と車速信号VS
は図示しないA/D変換器でデジタル信号に変換されて
目標電流設定手段21に供給され、目標電流信号IMSは
図示しないD/A変換器でアナログ信号に変換されて偏
差演算手段22に供給されている。
は図示しないA/D変換器でデジタル信号に変換されて
目標電流設定手段21に供給され、目標電流信号IMSは
図示しないD/A変換器でアナログ信号に変換されて偏
差演算手段22に供給されている。
【0059】偏差演算手段をアナログ回路で構成したの
で、電動機電流信号をA/D変換して目標電流信号との
偏差をデジタル回路で演算して出力する必要がなくな
り、この偏差の算出にかかる処理工程の時間の分だけ電
動機の制御が遅れることを防止でき、操舵トルクの変化
に対する応答性を高めることができる。これにより不連
続性の少ない滑らかな操舵フィーリングを達成できる。
で、電動機電流信号をA/D変換して目標電流信号との
偏差をデジタル回路で演算して出力する必要がなくな
り、この偏差の算出にかかる処理工程の時間の分だけ電
動機の制御が遅れることを防止でき、操舵トルクの変化
に対する応答性を高めることができる。これにより不連
続性の少ない滑らかな操舵フィーリングを達成できる。
【0060】また、制御手段をすべてデジタル回路で構
成した場合に比べて、目標電流設定手段を構成するマイ
クロプロセッサ等のデジタル回路の演算量を少なくする
ことができる。従って、構造が簡単で廉価な4ビットま
たは8ビットのマイクロプロセッサを用いることができ
る。更に、制御系の帰還路をアナログ回路により構成し
たのでデジタル回路部は目標電流設定手段による電流指
令値を与えるだけでよくなる為に、すなわちデジタル回
路部は目標電流設定手段から目標電流信号(目標値)を
出力するだけでよくなる為に、高い処理速度でなくても
滑らかな操舵フィーリングを確保することができる。
成した場合に比べて、目標電流設定手段を構成するマイ
クロプロセッサ等のデジタル回路の演算量を少なくする
ことができる。従って、構造が簡単で廉価な4ビットま
たは8ビットのマイクロプロセッサを用いることができ
る。更に、制御系の帰還路をアナログ回路により構成し
たのでデジタル回路部は目標電流設定手段による電流指
令値を与えるだけでよくなる為に、すなわちデジタル回
路部は目標電流設定手段から目標電流信号(目標値)を
出力するだけでよくなる為に、高い処理速度でなくても
滑らかな操舵フィーリングを確保することができる。
【0061】デジタル回路とアナログ回路を同一チップ
上に構成できるI2 L(IntegratedInjection Logic)
ICを用いて、デジタル回路の目標電流設定手段とアナ
ログ回路の偏差演算手段とを同一チップ上に構成しても
よい。CMOS論理回路とバイポーラトランジスタの混
成ICを用いてもよい。こうすることで、目標電流設定
手段と偏差演算手段とをコンパクトにまとめることがで
きる。
上に構成できるI2 L(IntegratedInjection Logic)
ICを用いて、デジタル回路の目標電流設定手段とアナ
ログ回路の偏差演算手段とを同一チップ上に構成しても
よい。CMOS論理回路とバイポーラトランジスタの混
成ICを用いてもよい。こうすることで、目標電流設定
手段と偏差演算手段とをコンパクトにまとめることがで
きる。
【0062】図7に、本発明の別の実施形態を示す。図
2の電動パワーステアリング装置において、制御手段に
異常検出手段を設けたものである。
2の電動パワーステアリング装置において、制御手段に
異常検出手段を設けたものである。
【0063】操舵トルク信号TS 、車速信号VS 、目標
電流信号IMS、電動機制御信号VO、電動機電流信号I
MOの各々に基づいて異常状態を検出しフェールセーフ処
理を行う異常検出手段29を備え、この異常検出手段2
9を目標電流設定手段21と共にマイクロプロセッサ等
のデジタル回路30で構成している。
電流信号IMS、電動機制御信号VO、電動機電流信号I
MOの各々に基づいて異常状態を検出しフェールセーフ処
理を行う異常検出手段29を備え、この異常検出手段2
9を目標電流設定手段21と共にマイクロプロセッサ等
のデジタル回路30で構成している。
【0064】操舵トルク信号TS と車速信号VS は図示
しないA/D変換器でデジタル信号に変換されて目標電
流設定手段21と異常検出手段29とに供給され、電動
機制御信号VO と電動機電流信号IMOは図示しないA/
D変換器でデジタル信号に変換されて異常検出手段29
に供給され、目標電流信号IMSは図示しないD/A変換
器でアナログ信号に変換されて偏差演算手段22に供給
されている。
しないA/D変換器でデジタル信号に変換されて目標電
流設定手段21と異常検出手段29とに供給され、電動
機制御信号VO と電動機電流信号IMOは図示しないA/
D変換器でデジタル信号に変換されて異常検出手段29
に供給され、目標電流信号IMSは図示しないD/A変換
器でアナログ信号に変換されて偏差演算手段22に供給
されている。
【0065】異常検出手段をデジタル回路で構成したの
で、アナログ回路部の異常状態を正確に診断することが
でき、この診断結果に基づいて、異常の時は速やかに電
源を遮断する等のフェールセーフ処理を行うことができ
る。
で、アナログ回路部の異常状態を正確に診断することが
でき、この診断結果に基づいて、異常の時は速やかに電
源を遮断する等のフェールセーフ処理を行うことができ
る。
【0066】例えば、操舵トルク信号TS が示す操舵ト
ルクの方向(極性)と電動機電流信号IMOが示す電動機
電流の方向(極性)が一致しない場合は、電動機の回転
を停止させたり、徐々に遅くしたりするような電動機制
御信号VO をPWM信号発生手段27にて出力させる処
理を行ってもよい。
ルクの方向(極性)と電動機電流信号IMOが示す電動機
電流の方向(極性)が一致しない場合は、電動機の回転
を停止させたり、徐々に遅くしたりするような電動機制
御信号VO をPWM信号発生手段27にて出力させる処
理を行ってもよい。
【0067】また、例えば、異常検出手段29からの信
号により、リレー回路(図示せず)を駆動して電動機駆
動手段16への電源供給を停止し、電動機の回転を停止
させる処理を行ってもよい。更に、異常状態を警報する
警報手段を作動するようにしてもよい。
号により、リレー回路(図示せず)を駆動して電動機駆
動手段16への電源供給を停止し、電動機の回転を停止
させる処理を行ってもよい。更に、異常状態を警報する
警報手段を作動するようにしてもよい。
【0068】なお、上記実施形態は本発明の一実施形態
であり、本発明は上記実施形態に限定されるものではな
い。
であり、本発明は上記実施形態に限定されるものではな
い。
【0069】
【発明の効果】請求項1に係る電動パワーステアリング
装置によれば、上述のように、偏差演算手段をアナログ
回路で構成したので、電動機電流信号と目標電流信号の
偏差をデジタル回路で演算して出力する必要がなくな
り、この偏差の算出にかかる時間の分だけ電動機の制御
が遅れることを防止でき、操舵トルクの変化に対する応
答性を高めることができ、これにより、滑らかな操舵フ
ィーリングを達成することができる。
装置によれば、上述のように、偏差演算手段をアナログ
回路で構成したので、電動機電流信号と目標電流信号の
偏差をデジタル回路で演算して出力する必要がなくな
り、この偏差の算出にかかる時間の分だけ電動機の制御
が遅れることを防止でき、操舵トルクの変化に対する応
答性を高めることができ、これにより、滑らかな操舵フ
ィーリングを達成することができる。
【0070】また、制御手段をすべてデジタル回路で構
成した場合に比べて、目標電流設定手段を構成するマイ
クロプロセッサ等のデジタル回路の演算量を少なくする
ことができる。従って、構造が簡単で廉価な4ビットま
たは8ビットのマイクロプロセッサを用いることができ
る。更に、制御系の帰還路をアナログ回路により構成し
たのでリアルタイムによる制御が達成でき、デジタル回
路部は電流指令値を与えるだけでよくなる為、高い処理
速度でなくても滑らかな操舵フィーリングを確保するこ
とができる。
成した場合に比べて、目標電流設定手段を構成するマイ
クロプロセッサ等のデジタル回路の演算量を少なくする
ことができる。従って、構造が簡単で廉価な4ビットま
たは8ビットのマイクロプロセッサを用いることができ
る。更に、制御系の帰還路をアナログ回路により構成し
たのでリアルタイムによる制御が達成でき、デジタル回
路部は電流指令値を与えるだけでよくなる為、高い処理
速度でなくても滑らかな操舵フィーリングを確保するこ
とができる。
【0071】請求項2に係る電動パワーステアリング装
置によれば、上述のように、デジタル回路で構成した異
常検出手段を備えたので、アナログ回路部の異常状態を
正確に検出して異常状態を正確に診断することができ
る。
置によれば、上述のように、デジタル回路で構成した異
常検出手段を備えたので、アナログ回路部の異常状態を
正確に検出して異常状態を正確に診断することができ
る。
【0072】以上から、本発明によれば、構成が小型・
簡易で、応答性に優れ、操舵フィーリングと信頼性に優
れた電動パワーステアリング装置を提供できる。
簡易で、応答性に優れ、操舵フィーリングと信頼性に優
れた電動パワーステアリング装置を提供できる。
【図1】本発明の電動パワーステアリング装置の全体構
成図
成図
【図2】本発明の電動パワーステアリング装置の要部ブ
ロック構成図
ロック構成図
【図3】車速信号VS の値をパラメータとした操舵トル
ク信号TS と目標電流信号IMSの特性図(テーブル1)
ク信号TS と目標電流信号IMSの特性図(テーブル1)
【図4】FETを用いた電動機駆動手段のブリッジ回路
図
図
【図5】電動機電流検出手段の一実施例構成図
【図6】電動機電流IM に対する検出電圧VDTの特性図
【図7】本発明の電動パワーステアリング装置の要部ブ
ロック構成図
ロック構成図
【図8】従来の電動パワーステアリング装置の要部ブロ
ック構成図
ック構成図
1…電動パワーステアリング装置、2…ステアリング
軸、3…連結軸、3a,3b…自在継ぎ手、4…ステア
リング・ギアボックス、5…ラック&ピニオン機構、5
a…ピニオン、6…手動操舵力発生手段、7…ラック
軸、7a…ラック歯、8…タイロッド、9…左右の前
輪、10…電動機、11…ボールねじ機構、12…操舵
トルクセンサ、14…車速センサ、15…制御手段、1
6…電動機駆動手段、17…ステアリングホイール、1
9…電動機電流検出手段、19A…差動増幅器、19B
…電動機電流信号変換手段、21…目標電流設定手段、
22…偏差演算手段、23…PID補償手段、26…加
算器、27…PWM信号発生手段、29…異常検出手
段、30,60…デジタル回路、G1〜G4…ゲート
(制御端子)、IM ,IM+,IM-…電動機電流、IMO…
電動機電流信号、IMS…目標電流信号、Q1〜Q4…F
ET(電界効果トランジスタ)、RD …電流検知素子、
TS …操舵トルク信号、VC …直流電源、VDT…検出電
圧、VI …検知電圧、VM …電動機駆動電圧、VO ,V
PWM ,VON,VOF…電動機制御信号、VS …車速信号、
△I…偏差信号。
軸、3…連結軸、3a,3b…自在継ぎ手、4…ステア
リング・ギアボックス、5…ラック&ピニオン機構、5
a…ピニオン、6…手動操舵力発生手段、7…ラック
軸、7a…ラック歯、8…タイロッド、9…左右の前
輪、10…電動機、11…ボールねじ機構、12…操舵
トルクセンサ、14…車速センサ、15…制御手段、1
6…電動機駆動手段、17…ステアリングホイール、1
9…電動機電流検出手段、19A…差動増幅器、19B
…電動機電流信号変換手段、21…目標電流設定手段、
22…偏差演算手段、23…PID補償手段、26…加
算器、27…PWM信号発生手段、29…異常検出手
段、30,60…デジタル回路、G1〜G4…ゲート
(制御端子)、IM ,IM+,IM-…電動機電流、IMO…
電動機電流信号、IMS…目標電流信号、Q1〜Q4…F
ET(電界効果トランジスタ)、RD …電流検知素子、
TS …操舵トルク信号、VC …直流電源、VDT…検出電
圧、VI …検知電圧、VM …電動機駆動電圧、VO ,V
PWM ,VON,VOF…電動機制御信号、VS …車速信号、
△I…偏差信号。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−178872(JP,A) 特開 平3−104778(JP,A) 特開 平2−270679(JP,A) 特開 昭63−255173(JP,A) 特開 平7−315239(JP,A) 特開 平7−81590(JP,A) 特開 平6−115445(JP,A) 実開 昭61−85575(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B62D 5/04 B62D 6/00
Claims (2)
- 【請求項1】 ステアリング系に補助操舵力を付加する
電動機と、前記ステアリング系の操舵トルクを検出する
操舵トルクセンサと、少なくとも前記操舵トルクセンサ
からの操舵トルク信号に基づいて電動機制御信号を発生
する制御手段と、電動機制御信号に基づいて前記電動機
を駆動する電動機駆動手段と、前記電動機に流れる電動
機電流を検出する電動機電流検出手段と、を備えた電動
パワーステアリング装置において、 前記制御手段は、少なくとも操舵トルク信号に基づいて
電動機電流の目標値に対応した目標電流信号を決定する
目標電流設定手段と、目標電流信号と前記電動機電流検
出手段からの電動機電流信号との偏差を演算して偏差信
号を出力する偏差演算手段と、偏差信号に少なくとも比
例補償を施す補償手段と、この補償手段からの出力信号
に基づいてPWM信号を発生して電動機制御信号とする
PWM信号発生手段と、を備え、前記目標電流設定手段
をデジタル回路で構成すると共に、前記偏差演算手段、
前記補償手段および前記PWM信号発生手段をアナログ
回路で構成したことを特徴とする電動パワーステアリン
グ装置。 - 【請求項2】 前記制御手段は、前記電動パワーステア
リング装置の異常状態を検出する異常検出手段を備え、
この異常検出手段をデジタル回路で構成したことを特徴
とする請求項1記載の電動パワーステアリング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31912195A JP2830993B2 (ja) | 1995-12-07 | 1995-12-07 | 電動パワーステアリング装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31912195A JP2830993B2 (ja) | 1995-12-07 | 1995-12-07 | 電動パワーステアリング装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09156516A JPH09156516A (ja) | 1997-06-17 |
JP2830993B2 true JP2830993B2 (ja) | 1998-12-02 |
Family
ID=18106705
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31912195A Expired - Fee Related JP2830993B2 (ja) | 1995-12-07 | 1995-12-07 | 電動パワーステアリング装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2830993B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102556152A (zh) * | 2012-01-18 | 2012-07-11 | 浙江大学 | 一种全硬件伺服助力转向控制器 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3663782B2 (ja) * | 1996-10-07 | 2005-06-22 | 日本精工株式会社 | 電動パワ−ステアリング装置の制御装置 |
-
1995
- 1995-12-07 JP JP31912195A patent/JP2830993B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102556152A (zh) * | 2012-01-18 | 2012-07-11 | 浙江大学 | 一种全硬件伺服助力转向控制器 |
CN102556152B (zh) * | 2012-01-18 | 2013-07-24 | 浙江大学 | 一种全硬件伺服助力转向控制器 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09156516A (ja) | 1997-06-17 |
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