JP3019245B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置

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JP3019245B2
JP3019245B2 JP16115595A JP16115595A JP3019245B2 JP 3019245 B2 JP3019245 B2 JP 3019245B2 JP 16115595 A JP16115595 A JP 16115595A JP 16115595 A JP16115595 A JP 16115595A JP 3019245 B2 JP3019245 B2 JP 3019245B2
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孝夫 黒澤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は電動機が発生する動力
をステアリング系に操舵補助力として作用させ、ドライ
バの操舵力を軽減する電動パワーステアリング装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来の電動パワーステアリング装置にお
いて、電動機を駆動する電動機駆動手段を4個のパワー
FET(電界効果トランジスタ)からなるブリッジ回路
で構成し、制御手段からPWM(位相幅変調)信号でパ
ワーFETを駆動制御し、電動機を正逆の方向に所望の
電動機電流で駆動するよう構成されたものは知られてい
る。
【0003】また、従来の電動パワーステアリング装置
において、電動機と直列に電流検出用の抵抗器を接続
し、この抵抗器を流れる電動機電流の電圧降下を差動増
幅器で増幅し、電動機電流の方向と大きさを検出する電
動機検出手段を備えたものも知られている。
【0004】図8に従来の電動パワーステアリングの要
部ブロック構成図を示す。図8において、電動パワース
テアリング装置は、操舵トルクセンサ12および車速セ
ンサ14からのセンサ信号(操舵トルク信号TS、車速
信号VS)に基づいて電動機制御信号VOを発生する制御
手段50、電動機制御信号VOに基づいて電動機10を
電動機電圧VMでPWM駆動する電動機駆動手段16、
電動機10に流れる電動機電流IMを検出して電動機電
流信号IMOを制御手段50にフィードバック(負帰還)
する電動機電流検出手段54から構成される。
【0005】制御手段50はマイクロプロセッサを基本
に各種演算手段、メモリ手段および処理手段等で構成
し、目標電流設定手段51、偏差演算手段52、駆動制
御手段53を備える。
【0006】目標電流設定手段51はROM等のメモリ
を備え、予め設定した車速信号VSをパラメータとした
操舵トルク信号TSと目標電流信号IMSの対応データを
記憶しておき、車速センサ14が検出した車速信号VS
および操舵トルクセンサ12が検出した操舵トルク信号
Sに基づいて対応する目標電流信号IMSが読み出さ
れ、偏差演算手段52に供給される。
【0007】偏差演算手段52は減算機能を備え、目標
電流信号IMSと電動機電流検出手段54からの電動機電
流信号IMOの偏差を演算し、偏差信号ΔIが駆動制御手
段53に供給される。
【0008】駆動制御手段53は偏差信号ΔIを電圧に
変換し、PIDコントローラ、オン信号、オフ信号およ
びPWM信号を発生する制御信号発生手段等を備え、電
動機駆動手段16をPWM制御して偏差信号ΔIを速や
かに0に収束させるような電動機制御信号VOが電動機
駆動手段16に供給される。
【0009】電動機駆動手段16は、例えばパワーFE
T(電界効果トランジスタ)等のスイッチング素子4個
を用いたブリッジ回路で構成され、駆動制御手段53か
ら提供されるスイッチオン/オフ信号およびPWM信号
からなる電動機制御信号VOで、2個をペアとした二対
のパワーFETのそれぞれのペアを駆動制御することに
より、電動機10に供給する電動機電圧VMの電圧値と
方向が設定される。なお、電動機電圧VMの方向は、駆
動制御手段53から出力される電動機制御信号VOの極
性に対応して決定される。
【0010】電動機電流検出手段54は、仮想接地点
(0V)を車体アースとし、プラス(+)/マイナス
(−)の2電源で駆動される差動増幅器で構成され、電
動機10と直列に接続された電流検知素子(例えば、抵
抗器)を流れる電動機電流IMの電圧降下を差動増幅
し、増幅した出力に対応した電動機電流信号IMOが偏差
演算手段52に供給される。
【0011】なお、電動機電流検出手段54は電流検知
素子(例えば、抵抗器)で検出した電動機電流IMを電
動機電流信号IMOとして偏差演算手段52にフィードバ
ック(負帰還)し、ステアリングの制御系の帰還路が形
成される。
【0012】図9にFETを用いた従来の電動機駆動手
段のブリッジ回路図を示す。図9において、電動機駆動
手段16は、ブリッジ回路を形成する4個のパワーFE
T(電界効果トランジスタ)Q1〜Q4を備え、各FE
T(電界効果トランジスタ)Q1〜Q4はそれぞれのソ
ース、ドレイン間にダイオードD1〜D4を内蔵してお
り、Q1およびQ3は直流電源VC(例えば、12V電
源)、Q2およびQ4は車体アース(GND)にそれぞ
れ接続される。
【0013】一方、Q1とQ2の接続点、Q3とQ4の
接続点間には電動機10が接続され、図8の駆動制御手
段53から供給される電動機制御信号VOでFET(電
界効果トランジスタ)Q1〜Q4のそれぞれのゲートG
1〜G4を制御することにより、電動機10にPWM信
号で制御された電動機電圧VM、および電動機電流IM
供給される。なお、ブリッジ回路はパワーFETに代え
てダイオードを並列接続したパワートランジスタで構成
される場合もある。
【0014】また、Q1とQ2の接続点、Q3とQ4の
接続点間には電動機10と直列に接続された電流検出素
子である抵抗RDを配置し、この抵抗RD両端に発生する
検知電圧VIの絶対値と極性(±)により、対応する電
動機電流IMの絶対値と方向検出するよう構成されてい
る。
【0015】回転方向右のステアリング往き状態では、
例えば、電動機制御信号VOのPWM信号VPWMをQ1の
ゲートG1、オン信号VONをQ4のゲートG4、オフ信
号VOFをそれぞれQ2のゲートG2とQ3のゲートG3
に供給することにより、直流電源VC→FET(電界効
果トランジスタ)Q1→抵抗RD→電動機10→FET
(電界効果トランジスタ)Q4→車体アース(GND)
の経路で電動機電流IM+(実線矢印方向)が流れ、電動
機10を電動機電流IM+で駆動する。
【0016】一方、回転方向左のステアリング往き状態
では、PWM信号VPWMをQ3のゲートG3、オン信号
ONをQ2のゲートG2、オフ信号VOFをそれぞれQ1
のゲートG1とQ4のゲートG4に供給することによ
り、直流電源VC→FET(電界効果トランジスタ)Q
3→電動機10→抵抗RD→FET(電界効果トランジ
スタ)Q2→車体アース(GND)の経路で電動機電流
M-(破線矢印方向)が流れ、電動機10を電動機電流
M-で駆動する。
【0017】このように、電動機制御信号VOのPWM
信号VPWMとオン信号VONでブリッジ回路の対辺を形成
するFET(電界効果トランジスタ)Q1とQ4、FE
T(電界効果トランジスタ)Q3とQ2を制御すること
により、電動機電流IMの方向(IM+、IM-)と大きさ
を決定し、電動機10の回転方向と回転力を制御するこ
とができる。
【0018】また、電流検知素子である抵抗RDの両端
には、電動機電流IM+、IM-の方向と電流値レベルに対
応し、車体アースを基準とした電圧V+、V-が発生し、
電圧V+と電圧V-の検知電圧VI(=V+−V-)が電動
機電流検出手段54に供給される。
【0019】図10に従来の電動機電流検出手段の一実
施例構成図を示す。図10において、電動機電流検出手
段54は、電流検知素子である抵抗RDで検出した電動
機電流IM+、IM-に対応した検知電圧VI(=V+
-)を増幅して検出電圧VDTを出力する差動増幅器5
4A、検出電圧VDTを対応した電動機電流信号IMOに変
換して偏差演算手段52に供給する電動機電流信号変換
手段54Bから構成される。
【0020】電動機電流IM+、IM-の方向、抵抗RD
両端電圧V+、V-、およびオペアンプOP―D入力(±
入力端子)が図10に示すように設定されると、差動増
幅器54Bの出力電圧(検出電圧VDT)は、数1で表さ
れる。
【0021】
【数1】
【0022】数1において、第1項は差動増幅器54A
のノミナル値であり、第2項は誤差を表す。なお、抵抗
R1と抵抗R3が等しく(R1=R3)、抵抗R2と抵
抗R4が等しい(R2=R4)場合には、検出電圧VDT
は第1項のノミナル値のみとなり、抵抗R2と抵抗R1
の比(R2/R1)に検知電圧VI(=V+−V-)を乗
算した値となる。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】従来の電動パワーステ
アリング装置は、電動機駆動手段16の4個のFET
(電界効果トランジスタ)Q1〜Q4を駆動制御する
際、電流検知素子のRDが接続されたFET(電界効果
トランジスタ)Q1をPWM信号VPWMで駆動する構成
のため、図9に示す電動機電流IM+が流れる場合、Q1
が高周波(例えば、20KHz)でPMW駆動されたパ
ルス信号源となり、抵抗RDの両端の電圧(検知電圧VI
=V+−V-)は大きなパルスノイズ成分が含まれる。
【0024】検知電圧VI(=V+−V-)に含まれたパ
ルスノイズ成分は電動機電流検出手段54で検出電圧V
DTとして検出され、検出電圧VDTは対応する電動機電流
信号IMOに変換されて図8に示す偏差演算手段52にフ
ィードバックされるため、パルスノイズ成分もフィード
バックされて制御手段50に影響を及ぼし、電動機電流
Mが振動して電動機10に異音を発生する課題やフィ
ードバックループで発振やハンチングを発生する課題が
ある。
【0025】抵抗RDの検知電圧VI(=V+−V-)に含
まれるパルスノイズ成分の影響を大幅に低減するため、
本願出願人は特願平7―14531号に電動機駆動手段
のFET(電界効果トランジスタ)の駆動を変更した電
動パワーステアリング装置を提案している。
【0026】図9において、特願平7―14531号に
提案したFET(電界効果トランジスタ)の駆動は、電
動機電流IM+、IM-をいずれの場合にも抵抗RDが接続
された電界効果トランジスタ(Q1、Q2)をオン信号
ON駆動し、電動機10が接続された電界効果トランジ
スタ(Q3、Q4)をPWM信号VPWM駆動することに
より、高周波(例えば、20KHz)でPMW駆動され
たQ3またはQ4のパルス信号源が電動機10のインダ
クタンスを介して抵抗RDに供給されるように構成し
た。
【0027】電動機10のインダクタンスにより、パル
ス信号源のパルスノイズ成分は吸収され、抵抗RDの検
知電圧VI(=V+−V-)に含まれるパルスノイズ成分
は充分に減衰され、このパルスノイズ成分が帰還される
ことにより発生する異音、発振およびハンチングを防止
することができる。
【0028】ところが、特願平7―14531号に提案
した電動パワーステアリング装置は、抵抗RDの検知電
圧VI(=V+−V-)を図10に示す電動機電流検出手
段54の差動増幅器54Aで増幅した場合の検出電圧V
DTは数1で表されるため、第2項の(R1R4−R2R
3)が正または負になると、誤差を発生する場合があ
る。
【0029】図11に電動機電流(IM)に対する検出電
圧(VDT)特性図を示す。図11の特性図は、電動機電
流IMがIM-(例えば、ハンドル左操作に対応)、0
(ハンドル中立位置)、IM+(ハンドル右操作に対応)
のそれぞれに対応した検出電圧VDTの値を示す。例え
ば、説明を簡略化するため、経時または経年変化によっ
て抵抗R1〜R4のうち抵抗R1と抵抗R2の抵抗値は
変化せず、抵抗R3と抵抗R4の抵抗値が変化した場合
を想定すると、抵抗R3と抵抗R4の変化によって電動
機電流IMがIM-からIM+に移行するIM=0の状態で、
ノミナル特性Aに対して不連続な特性Bまたは特性Cで
示すような検出電圧VDTの変化が発生する場合がある。
【0030】検出電圧VDTが変化する現象を図9および
図11を基に説明する。電動機電流IM-の領域で、抵抗
R1および抵抗R2に経時変化がない場合には、抵抗R
3および抵抗R4に経時変化があっても、図9に示す電
動機駆動手段16のFET(電界効果トランジスタ)Q
2はオン制御され、抵抗RDの電圧V+は常にGND電位
(V+=0)に保たれるため、数1の検出電圧VDTは第
2項が0となり、第1項の抵抗比(R2/R1)で決定
されるゲインのノミナル特性A(破線表示)となる。
【0031】抵抗R1および抵抗R2に経時変化がな
く、抵抗R3および抵抗R4に経時変化がある状態で、
電動機電流IMが0からIM+の場合には、図9に示す電
動機駆動手段16のFET(電界効果トランジスタ)Q
1がオン制御され、抵抗RDの電圧V+は常に直流電源V
C(例えば、12V電源)に保たれるため、数1の検出
電圧VDTは第2項が誤差値を有し、ノミナル特性Aに誤
差値を加えた特性B(実線表示)または特性C(一点鎖
線表示)となって電動機電流IMが0で検出電圧VDT
誤差が発生するため、操舵特性が劣化する課題がある。
【0032】数1の第2項が(R1R4−R2R3)>
0の場合は検出電圧VDTは特性Bとなり、(R1R4−
R2R3)<0の場合には検出電圧VDTはC特性とな
る。また、(R1R4−R2R3)=0の場合には、検
出電圧VDTはノミナル特性Aとなる。
【0033】B特性またはC特性をノミナルA特性にす
るため、抵抗R3または抵抗R4をレーザ等でトリミン
グし、(R1R4−R2R3)=0の状態に調整するこ
とは可能であるが、抵抗値トリミング作業の煩わしさや
装置のコストアップを招く課題がある。
【0034】また、トリミングで抵抗値を調整しても、
トリミング後の時間経過による抵抗値変化の発生を根本
的に解消することができない課題がある。
【0035】この発明はこのような課題を解決するため
なされたもので、その目的は車両の始動時に電動機電流
信号の誤差値を補正し、精度の高い操舵特性を実現する
電動パワーステアリング装置を提供することにある。
【0036】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
この発明に係る電動パワーステアリング装置の制御手段
は、前記電動機電流が0のとき、前記電動機電流検出手
段から検出される前記電動機電流信号に基づいて補正値
を決定し、この補正値によって、前記電動機電流検出手
段から出力される電動機電流信号を補正する補正手段を
有したものである
【0037】また、この発明に係る電動パワーステアリ
ング装置の補正手段は、イグニッションスイッチのオン
情報が入力される毎に補正値を設定する補正値設定手
段、設定した補正値を記憶する補正値記憶手段、電動機
電流信号と補正値の偏差を決定する偏差決定手段を備え
たことを特徴とする。
【0038】さらに、この発明に係る電動パワーステア
リング装置の補正値設定手段は、ブリッジ回路のオン制
御される2個スイッチング素子のうち、正電源側に接続
されたスイッチング素子のみをオンした場合に検出され
る電動機電流検出手段の電動機電流信号に基づいて補正
値を決定することを特徴とする。
【0039】また、この発明に係る電動パワーステアリ
ング装置の制御手段は、イグニッションスイッチのオン
情報および電動機電流に基づいてブリッジ回路の正電源
側に接続されたスイッチング素子をオン制御し、残りの
スイッチング素子をオフ制御するためのシーケンス手段
を備えたことを特徴とする。
【0040】さらに、この発明に係る電動パワーステア
リング装置の電動機電流検出手段は、電流検知素子の両
端に発生するそれぞれの検知電圧を差動増幅し、電動機
電流の方向と電流値を対応する単一極性の検出電圧に変
換する変換手段を備えたことを特徴とする。
【0041】
【作用】この発明に係る電動パワーステアリング装置の
制御手段によれば、電動機電流が流れないとき決定した
補正値によって、電動機電流検出手段から出力される
動機電流信号補正される。
【0042】また、この発明に係る電動パワーステアリ
ング装置の補正手段は、イグニッションスイッチのオン
情報が入力される毎に補正値を設定する補正値設定手
段、設定した補正値を記憶する補正値記憶手段、電動機
電流信号と補正値の偏差を決定する偏差決定手段を備え
たので、車両の始動時には電動機電流信号の誤差を補正
することができる。
【0043】さらに、この発明に係る電動パワーステア
リング装置の補正値設定手段は、ブリッジ回路のオン制
御される2個スイッチング素子のうち、正電源側に接続
されたスイッチング素子のみをオンした場合に検出され
る電動機電流検出手段の電動機電流信号に基づいて補正
値を決定するので、正確な補正値を設定することができ
る。
【0044】また、この発明に係る電動パワーステアリ
ング装置の制御手段は、イグニッションスイッチのオン
情報および電動機電流に基づいてブリッジ回路の正電源
側に接続されたスイッチング素子をオン制御し、残りの
スイッチング素子をオフ制御するためのシーケンス手段
を備えたので、車両の始動時毎に補正値を更新すること
ができる。
【0045】さらに、この発明に係る電動パワーステア
リング装置の電動機電流検出手段は、電流検知素子の両
端に発生するそれぞれの検知電圧を差動増幅し、電動機
電流の方向と電流値を対応する単一極性の検出電圧に変
換する変換手段を備えたので、検出電圧値から対応する
電動機電流の方向と電流値の絶対値を検出することがで
きる。
【0046】
【実施例】以下、この発明の実施例を添付図面に基づい
て説明する。なお、本発明は、差動増幅器の抵抗値の経
時または経年変化に伴い発生する電動機電流検出手段の
電動機電流信号のオフセットを車両の始動時に補正し、
電動機電流に対応した正確な電動機電流信号をフィード
バックして精度の高い操舵特性が得られるようするもの
である。
【0047】図1はこの発明に係る電動パワーステアリ
ング装置の全体構成図である。図1において、電動パワ
ーステアリング装置1は、ステアリングホイール17に
一体的に設けられたステアリング軸2に自在継ぎ手3
a、3bを備えた連結軸3を介し、ステアリング・ギア
ボックス4内に設けたラック&ピニオン機構5のピニオ
ン5aに連結されて手動操舵力発生手段6を構成する。
【0048】ピニオン5aに噛み合うラック歯7aを備
え、これらの噛み合いにより往復運動するラック軸7
は、その両端にタイロッド8を介して転動輪としての左
右の前輪9が連結される。
【0049】このようにして、ステアリングホイール1
7操舵時には通常のラック&ピニオン式の手動操舵力発
生手段6を介し、マニュアルステアリングで前輪9を転
動させて車両の向きを変えている。
【0050】手動操舵力発生手段6による操舵力を軽減
するため、操舵補助力を供給する電動機10をラック軸
7と同軸的に配設し、ラック軸7と同軸に設けられたボ
ールねじ機構11を介して推力に変換し、ラック軸7
(ボールねじ軸11a)に作用させる。
【0051】ステアリング・ギアボックス4内にはドラ
イバの手動操舵トルクの方向と大きさを検出する操舵ト
ルクセンサ12を配置し、操舵トルクセンサ12が検出
した操舵トルクに対応したアナログ電気信号の操舵トル
ク信号TSを制御手段15に提供する。また、車速セン
サ14は車両の速度に対応した周波数の電気的なパルス
信号として検出し、車速信号VSを制御手段15に提供
する。
【0052】制御手段15はマイクロプロセッサを基本
に各種演算手段、処理手段、信号発生手段、メモリ等で
構成し、車速信号VSに応動した操舵トルク信号TSに対
応する電動機制御信号VO(例えば、オン信号、オフ信
号およびPWM信号の混成信号)を発生して電動機駆動
手段16を駆動制御する。
【0053】また、制御手段15はシーケンス手段を備
え、車両始動時のイグニッションスイッチのオン情報お
よび電動機電流IM(=0)に基づいて電動機駆動手段
16を構成する特定のスイッチング素子をオン制御し、
他のスイッチング素子をオフ制御する電動機制御信号V
Oを発生させ、電動機駆動手段16を駆動制御する。
【0054】さらに、制御手段15は補正手段を備え、
車両始動時に電動機電流検出手段19から出力される電
動機電流信号IMOのオフセット値を補正値として記憶
し、この補正値で電動機電流信号IMOを補正するよう構
成する。
【0055】電動機駆動手段16は、例えば4個のパワ
ーFET(電界効果トランジスタ)のスイッチング素子
からなるブリッジ回路で構成し、電動機制御信号VO
基づいて電動機電圧VMを出力して電動機10を駆動す
る。
【0056】電動機電流検出手段19は、電流検知素子
が検知した電動機電流IMに対応した検知電圧VIを差動
増幅し、電動機電流IMに対応した電動機電流信号IMO
を制御手段15にフィードバック(負帰還)する。
【0057】図2はこの発明に係る電動パワーステアリ
ング装置の要部ブロック構成図である。図2において、
制御手段15は、目標電流設定手段21、偏差演算手段
22、駆動制御手段23、補正手段24、シーケンス手
段25を備え、イグニッション・スイッチ(IGSW)
を介し、バッテリ電源VC(例えば、12V)を降圧し
た安定化電源VR(例えば、5V)で駆動される。
【0058】なお、目標電流設定手段21、偏差演算手
段22は、図8に示す目標電流設定手段51、偏差演算
手段52と同一構成、同一作用なので説明を省略する。
【0059】駆動制御手段23は、PID(比例・積分
・微分)コントローラ、制御信号発生手段を備え、車両
始動後に偏差演算手段22から供給される目標電流信号
MSと電動機電流補正信号IMHの偏差信号ΔI(=IMS
−IMH)にPID制御を施し、PID制御を施された信
号に基づいてPMW信号VPWM、オン信号VONおよびオ
フ信号VOFの混成信号からなる電動機制御信号VOを電
動機駆動手段16に供給する。
【0060】また、駆動制御手段23は、設定信号発生
手段、切替手段を備え、車両始動時にシーケンス手段2
5からのシーケンス信号SKで制御信号発生手段を設定
信号発生手段に切替え、電動機駆動手段16の1つのス
イッチング素子のみをオン制御するオン信号VSON、残
りのスイッチング素子をオフ制御するオフ信号VOFの混
成信号からなる電動機制御信号VOを電動機駆動手段1
6に供給する。
【0061】図3にこの発明に係る電動パワーステアリ
ング装置の駆動制御手段とシーケンス手段のブロック構
成図を示す。図3において、駆動制御手段23は、PI
Dコントローラ26、制御信号発生手段27、設定信号
発生手段34、切替手段35を備える。
【0062】PIDコントローラ26は、比例(P)要
素、積分(I)要素および微分(D)要素を並列に備
え、偏差信号ΔI(=IMS−IMH)にそれぞれ比例制
御、積分制御および微分制御を施した信号を加算処理
し、PID信号IPIDを制御信号発生手段27に供給す
る。
【0063】制御信号発生手段27は、PWM信号V
PWMを発生するPWM発生器、1系統オン信号VONおよ
び2系統のオフ信号VOFを発生するスイッチング信号発
生器等を備え、PID信号IPIDに対応したデューティ
サイクルのPWM信号VPWMと、オン信号VONおよびオ
フ信号VOFの混成信号を切替手段35を介し、電動機制
御信号VO(VPWM、VON、VOF)として電動機駆動手段
16に提供する。
【0064】設定信号発生手段34はROM等のメモリ
を備え、予め設定した1系統のオン信号VSONと、3系
統のオフ信号VOFをシーケンス手段25から供給され
る、例えばHレベルのシーケンス信号SKに基づいて切
替手段35に出力する。
【0065】切替手段35はソフト制御のスイッチ機能
を有し、シーケンス手段25からのHレベルのシーケン
ス信号SKに基づいて制御信号発生手段27を設定信号
発生手段34側に切替え、1系統のオン信号VSONおよ
び3系統のオフ信号VOFを電動機制御信号VOとして電
動機駆動手段16に提供する。
【0066】シーケンス手段25はシーケンサやタイマ
等で構成し、イグニッション・スイッチ(IGSW)が
オン操作される車両の始動時に、電源VR(5V)の立
上りのイグニッション・オン情報IGS、および電動機電
流が流れない(IM=0)状態に対応した電流検知素子
18からの検知電圧VI(=0)に基づいてHレベルの
シーケンス信号SKをタイマで設定した所定時間TK継続
して駆動制御手段23の設定信号発生手段34および切
替手段35に供給する。
【0067】このように、駆動制御手段23に1系統の
オン信号VSONおよび3系統のオフ信号VOFを発生する
設定信号発生手段34と切替手段35を設け、イグニッ
ション・オン情報IGSおよび検知電圧VI(=0)に基
づいてHレベルのシーケンス信号SKで設定信号発生手
段34と切替手段35を制御し、電動機制御信号V
O(VPWM、VON、VOF×2)に代えて電動機制御信号V
O(VSON、VOF×3)を電動機駆動手段16に供給す
る。
【0068】補正手段24は電流検知素子18から供給
される検知電圧VI(=0)、イグニッション・オン情
報IGSに基づいて車両始動時で電動機電流が流れない
(IM=0)状態の電動機電流検出手段19が検出した
電動機電流信号IMOを補正値IHとして記憶し、車両始
動後から車両停止までの間は常に補正値信号IHOを発生
し、ドライバの操舵力(操舵トルク)と車速Vに応じた
任意の電動機電流IM(IM+、IM-)に対応した電動機
電流信号IMOと補正値信号IHOの偏差の電動機電流補正
信号IMH(=IMO−IHO)を偏差演算手段22に帰還す
る。
【0069】図4にこの発明に係る補正手段の要部ブロ
ック構成図を示す。図4において、補正手段24は、補
正値設定手段31、補正値記憶手段32、偏差決定手段
33を備える。
【0070】補正値設定手段31は、例えばエッジトリ
ガのモノマルチバイブレータ機能、排他論理和(Exclus
ive OR)機能、タイマ、メモリ(シフトレジスタ等)を
備える。イグニッション・オン情報IGS(電源VRの立
上りエッジ)が入力される毎に、エッジトリガのモノマ
ルチバイブレータ機能で所定時間T01をHレベルに保
ち、電動機電流IM(=0)に対応した電流検知素子1
8の検知電圧VI(=0)との排他論理和演算したHレ
ベルの信号を出力する。
【0071】排他論理和演算したHレベルの信号の開始
からタイマを起動してTO2(TO2<T01)時間経過後に
検知電圧VI(=0)状態の電動機電流信号IMOをシフ
トレジスタに取込み、所定時間T01経過して排他論理和
演算したHレベルの信号がLレベルに移行した時点で、
検知電圧VI(=0)状態の電動機電流信号IMOを補正
値IHとして補正値記憶手段32に記憶する。
【0072】補正値記憶手段32はRAM等の書換え可
能なメモリで構成し、補正値設定手段31から供給され
る補正値IHを記憶し、イグニッション・スイッチ(IG
SW)がオフされて電源VRが0になるまで、補正値信
号IHOを偏差決定手段33に継続して供給する。また、
新たな補正値IHが供給された場合には、既に記憶して
いる補正値IHに代えて新たな補正値IHに更新して記憶
する。
【0073】偏差決定手段33は減算機能を有し、電動
機電流信号IMOと補正値信号IHOの偏差(=IMO
HO)を演算し、電動機電流補正信号IMHを偏差演算手
段22に供給する。
【0074】このように、補正手段24は、イグニッシ
ョン・スイッチ(IGSW)がオンされる車両始動時の
イグニッション・オン情報IGS(電源VRの立上りエッ
ジ)が入力される毎に、電動機電流IMが0に対応した
検知電圧VI(=0)に基づいて電動機電流検出手段1
9が検出する電動機電流信号IMOを補正値IHとして記
憶し、車両起動後に検出される電動機電流信号IMOを補
正値信号IHOで補正し、電動機電流IMに対応した正確
な電動機電流補正信号IMHを偏差演算手段22に供給す
ることができる。
【0075】電流検知素子18は、例えば電動機10と
直列接続した抵抗器や、非接触型のホール電流検出素子
等で構成し、電動機10に流れる電動機電流IMの方向
と絶対値IM(IM+、IM-)に対応した極性(±)の検
知電圧VI(=V+−V-)を検知する。
【0076】図5にこの発明に係る電動機駆動手段の駆
動説明図を示す。電動機駆動手段16には、イグニッシ
ョン・スイッチ(IGSW)をオン操作した場合に、バ
ッテリ(BAT)から電源VC(例えば、12V)が供
給される。イグニッション・スイッチ(IGSW)をオ
ン操作して電源VC(12V電源)および電源VR(5V
電源)が安定した車両起動後の状態で、ドライバがハン
ドルを右操作すると、駆動制御手段23から操舵トルク
に対応した電動機制御信号VOが電動機駆動手段16の
スイッチング素子を構成するFET(電界効果トランジ
スタ)Q1〜Q4に供給される。
【0077】この状態では、Q1のゲートG1にオン信
号VON、Q2のゲートG2にオフ信号VOF、Q3のゲー
トG3にオフ信号VOF、Q4のゲートG4にPWM信号
PW Mがそれぞれ供給され、Q1はオン設定、Q2およ
びQ3はオフ設定、Q4はPWM信号VPWMのデューテ
ィサイクルで決定されるオン/オフに設定され、電動機
電流IM+が電源VC→Q1→電流検知素子(抵抗RD)→
電動機10→Q4→車体アース(GND)の経路で流
れ、例えば電動機10を正回転させてステアリング系に
補助操舵力を作用させて車両を右方向に操向させる。
【0078】一方、ドライバがハンドルを左操作する
と、Q1のゲートG1にオフ信号VOF、Q2のゲート
G2にオン信号VON、Q3のゲートG3にPWM信号
PWM、Q4のゲートG4にオフ信号VOFがそれぞれ供
給され、Q1はオフ設定、Q2はオン設定、Q3はPW
M信号VPWMのデューティサイクルで決定されるオン/
オフ設定、Q4はオフに設定され、電動機電流IM-が電
源VC→Q3→電動機10→電流検知素子(抵抗RD)→
Q2→車体アース(GND)の経路で流れ、例えば電動
機10を逆回転させてステアリング系に補助操舵力を作
用させて車両を左方向に操向させる。
【0079】FET(電界効果トランジスタ)Q1がオ
ン設定され、電動機電流IM+が流れる状態では、電流検
知素子(抵抗RD)の電圧V+は電源VC(12V)、検
知電圧VI(=V+−V-)はプラス(+)極性で検出さ
れる。一方、FET(電界効果トランジスタ)Q2がオ
ン設定され、電動機電流IM-が流れる状態では、電流検
知素子(抵抗RD)の電圧V+は接地(GND)電位(0
V)、検知電圧VI(=V+−V-)はマイナス(−)極
性で検出される。
【0080】電動機電流IM+、IM-のそれぞれ対応した
プラス(+)極性、マイナス(−)極性の検知電圧VI
(=V+−V-)は、電動機電流検出手段19に供給さ
れ、増幅、変換が施されて電動機電流IM+、IM-に対応
した電動機電流信号IMOが出力される。
【0081】次に、イグニッション・スイッチ(IG
W)をオン操作して車両の起動時に、電源VR(5V電
源)の立上りでイグニッション・オン情報IGSが供給さ
れ、しかも電動機電流IMが流れない(検知電圧VI
0)状態では、イグニッション・オン情報IGSが供給さ
れる毎に図3に示すシーケンス手段25からシーケンス
信号SKが駆動制御手段23に供給され、1系統のオン
信号VSONおよび3系統のオフ信号VOFからなる電動機
制御信号VOがFET(電界効果トランジスタ)Q1〜
Q4に供給される。
【0082】この状態では、Q1のゲートG1にのみオ
ン信号VSON、Q2〜Q4のゲートG2〜G4にオフ信
号VOFがそれぞれ供給され、Q1のみがオン設定、Q2
〜Q4がオフ設定され、電動機電流IMは流れず(IM
0)、電流検知素子(抵抗RD)の電圧V+およびV-
ともに電源VC(12V)、検知電圧VI(=V+−V-
は0で検出される。
【0083】電動機電流IM(=0)で、検知電圧V
I(=V+−V-=0)の状態に、電動機電流検出手段1
9から電動機電流信号IMOが出力される場合には、この
電動機電流信号IMOを電動機電流検出手段19の誤差値
(オフセット)とみなし、図3に示す補正手段24でこ
の誤差値を補正値IHとして記憶し、有限の電動機電流
M +、IM-に対応して電動機電流検出手段19から出力
される電動機電流信号IMOを補正値信号IHO(補正値I
Hと同じ)で補正する。
【0084】このように、電動機電流信号IMOを補正値
信号IHOで補正するので、電動機電流検出手段19に経
時変化または経年変化によるオフセットが発生しても、
オフセットを補正して電動機電流IMに対応した正確な
電動機電流信号IMO(電動機電流補正信号IMHと同じ)
を検出することができる。また、この電動機電流信号I
MO(=電動機電流補正信号IMH)を目標電流信号IMS
フィードバック(負帰還)するので、精度の高い操舵特
性を実現することができる。
【0085】図6にこの発明に係る電動機電流検出手段
の要部構成図を示す。図6において、電動機電流検出手
段19は、1電源VR(5V)動作の差動増幅器で構成
する変換手段19A、電動機電流信号変換手段19Bを
備える。
【0086】変換手段19Aは、例えばIC化したオペ
アンプ(OP―1)をVR(5V)の単一電源で駆動
し、図示しないバイアス抵抗でVR/2(2.5V)の
仮想接地点を形成する。
【0087】また、変換手段19Aの電圧利得は抵抗R
1〜R4を用いて数1で表されるため、入力の検知電圧
I(=V+−V-)に対応する電動機電流IM(IM-、I
M+)と出力の検出電圧VDTとの関係は図7の電動機電流
(IM)―検出電圧(VDT)特性図となる。
【0088】オペアンプ(OP―1)の仮想接地点をV
R/2(2.5V)に設定したので、図7の特性図にお
いて、抵抗R1〜R4がノミナル値(R1=R3、R2
=R4)で、電動機電流IMが0の場合の検出電圧VDT
は2.5Vで検出される。
【0089】また、検出電圧VDTは、電動機電流IM
負(IM-)の場合には所定の傾きGK(=VDT/IM-
で2.5Vから0Vに向け減少し、電動機電流IMが正
(IM+)の場合には傾きGK(=VDT/IM+)で2.5
Vから5.0Vに向け増加する。
【0090】このように、変換手段19Aは仮想接地点
をVR/2とした単一電源(VR)駆動のオペアンプ(O
P―1)で構成したので、方向と電流値の異なる電動機
電流IM-、IM+(または、極性と絶対値の異なる検知電
圧VI)を0VからVR(5V)の単一極性の検出電圧V
DTに変換して検出することができる。
【0091】電動機電流信号変換手段19Bは、検出電
圧VDTを目標電流信号IMSのレベル範囲に対応した信号
レベルに変換し、電動機電流信号IMOを図2に示す補正
手段24に提供する。
【0092】
【発明の効果】以上説明したように、この発明に係る電
動パワーステアリング装置の制御手段は、電動機電流が
0の場合に電動機電流検出手段から検出される電動機電
流信号に基づいて補正値を決定することによって、電動
機電流が流れないときの電動機電流信号を0とみなすよ
に補正するので、電動機電流検出手段におけるオフセ
ット値を補正し、精度の高い操舵特性を得ることができ
る。
【0093】また、この発明に係る電動パワーステアリ
ング装置の補正手段は、イグニッションスイッチのオン
情報が入力される毎に補正値を設定する補正値設定手
段、設定した補正値を記憶する補正値記憶手段、電動機
電流信号と補正値の偏差を決定する偏差決定手段を備
え、車両の始動時には電動機電流信号の誤差を補正する
ことができるので、車両の始動時には常に電動機電流信
号の補正値を更新することができる。
【0094】さらに、この発明に係る電動パワーステア
リング装置の補正値設定手段は、ブリッジ回路のオン制
御される2個スイッチング素子のうち、正電源側に接続
されたスイッチング素子のみをオンした場合に検出され
る電動機電流検出手段の電動機電流信号に基づいて補正
値を決定し、正確な補正値を設定することができるの
で、高精度の操舵特性を実現することができる。
【0095】また、この発明に係る電動パワーステアリ
ング装置の制御手段は、イグニッションスイッチのオン
情報および電動機電流に基づいてブリッジ回路の正電源
側に接続されたスイッチング素子をオン制御し、残りの
スイッチング素子をオフ制御するためのシーケンス手段
を備え、車両の始動時毎に補正値を更新することができ
るので、長期間に亘って安定した操舵特性を保証するこ
とができる。
【0096】さらに、この発明に係る電動パワーステア
リング装置の電動機電流検出手段は、電流検知素子の両
端に発生するそれぞれの検知電圧を差動増幅し、電動機
電流の方向と電流値を対応する単一極性の検出電圧に変
換する変換手段を備え、検出電圧値から対応する電動機
電流の方向と電流値の絶対値を検出することができるの
で、方向を含めた検出対象の検出量の処理を容易にする
ことができる。
【0097】よって、構成が単純で、精度および信頼性
に優れた操舵特性が得られる電動パワーステアリング装
置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る電動パワーステアリング装置の
全体構成図
【図2】この発明に係る電動パワーステアリング装置の
要部ブロック構成図
【図3】この発明に係る電動パワーステアリング装置の
駆動制御手段とシーケンス手段のブロック構成図
【図4】この発明に係る補正手段の要部ブロック構成図
【図5】この発明に係る電動機駆動手段の駆動説明図
【図6】この発明に係る電動機電流検出手段の要部構成
【図7】電動機電流(IM)―検出電圧(VDT)特性図
【図8】従来の電動パワーステアリングの要部ブロック
構成図
【図9】FETを用いた従来の電動機駆動手段のブリッ
ジ回路図
【図10】従来の電動機電流検出手段の一実施例構成図
【図11】電動機電流(IM)に対する検出電圧(VDT
特性図
【符号の説明】
1…電動パワーステアリング装置、2…ステアリング
軸、3…連結軸、3a,3b…自在継ぎ手、4…ステア
リング・ギアボックス、5…ラック&ピニオン機構、5
a…ピニオン、6…手動操舵力発生手段、7…ラック
軸、7a…ラック歯、8…タイロッド、9…左右の前
輪、10…電動機、11…ボールねじ機構、12…操舵
トルクセンサ、14…車速センサ、15…制御手段、1
6…電動機駆動手段、17…ステアリングホイール、1
9…電動機電流検出手段、21…目標電流設定手段、2
2…偏差演算手段、23…駆動制御手段、24…補正手
段、25…シーケンス手段、26…PIDコントロー
ラ、27…制御信号発生手段、31…補正値設定手段、
32…補正値記憶手段、33…偏差決定手段、34…設
定信号発生手段、35…切替手段、IGSW…イグニッ
ション・スイッチ、VC(12V),VR(5V)…直流
電源、IGS…イグニッション・オン情報、IHO…補正値
信号、IM,IM+,IM-…電動機電流、IMH(=IMO
HO)…電動機電流補正信号、IMO…電動機電流信号、
MS…目標電流信号、RD…電流検知素子、SK…シーケ
ンス信号、TS…操舵トルク信号、VO,VPWM,VON
OF,VSON…電動機制御信号、VI(=V+−V-)…検
知電圧、VS…車速信号。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒澤 孝夫 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (72)発明者 杉谷 伸夫 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (56)参考文献 特開 平5−338544(JP,A) 特開 平2−193768(JP,A) 特開 平3−182874(JP,A) 特開 昭63−112266(JP,A) 特開 平2−290773(JP,A) 特開 昭62−221967(JP,A) 実開 平5−28783(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 5/04

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステアリング系に操舵補助力を作用する
    電動機と、 この電動機に実際に流れる電動機電流を電流検知素子を
    介して検出し、この電動機電流に対応した電動機電流信
    号を出力する電動機電流検出手段と、 前記電動機の目標電流に対応した目標電流信号を設定す
    る目標電流設定手段、および前記目標電流信号と前記電
    動機電流信号との偏差に基づいて電動機制御信号を決定
    する駆動制御手段を含む制御手段と、 それぞれ同時にPWM制御およびオン制御される2個の
    スイッチング素子を対辺としたブリッジ回路で形成さ
    れ、前記電動機制御信号に基づいて前記電動機を接続し
    た側の前記スイッチング素子がPWM制御、前記電流検
    知素子を接続した側の前記スイッチング素子がオン制御
    され、前記電動機をPWM駆動する電動機駆動手段と
    有する電動パワーステアリング装置において、 前記制御手段は、前記電動機電流が0のとき、前記電動
    機電流検出手段から検出される前記電動機電流信号に基
    づいて補正値を決定し、この補正値によって、前記電動
    機電流検出手段から出力される電動機電流信号を補正
    る補正手段を有したことを特徴とする電動パワーステア
    リング装置。
  2. 【請求項2】 前記補正手段は、イグニッションスイッ
    チのオン情報が入力される毎に補正値を設定する補正値
    設定手段、設定した補正値を記憶する補正値記憶手段、
    前記電動機電流信号と前記補正値の偏差を決定する偏差
    決定手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の電動
    パワーステアリング装置。
  3. 【請求項3】 前記補正値設定手段は、前記ブリッジ回
    路のオン制御される2個のスイッチング素子のうち、正
    電源側に接続されたスイッチング素子のみをオンした場
    合に検出される前記電動機電流検出手段の前記電動機電
    流信号に基づいて補正値を決定することを特徴とする請
    求項2記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 【請求項4】 前記制御手段は、前記イグニッションス
    イッチのオン情報および前記電動機電流に基づいて前記
    ブリッジ回路の前記正電源側に接続されたスイッチング
    素子をオン制御し、残りのスイッチング素子をオフ制御
    するためのシーケンス手段を備えたことを特徴とする請
    求項1記載の電動パワーステアリング装置。
  5. 【請求項5】 前記電動機電流検出手段は、前記電流検
    知素子の両端に発生するそれぞれの検知電圧を差動増幅
    し、前記電動機電流の方向と電流値を対応する単一極性
    の検出電圧に変換する変換手段を備えたことを特徴とす
    る請求項1記載の電動パワーステアリング装置。
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