JP2830818B2 - 磁気ヘッドアセンブリの組立方法 - Google Patents

磁気ヘッドアセンブリの組立方法

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JP2830818B2
JP2830818B2 JP2299696A JP2299696A JP2830818B2 JP 2830818 B2 JP2830818 B2 JP 2830818B2 JP 2299696 A JP2299696 A JP 2299696A JP 2299696 A JP2299696 A JP 2299696A JP 2830818 B2 JP2830818 B2 JP 2830818B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハードディスク装
置等に用いられる浮動型磁気ヘッドスライダをスライダ
支持部材に組み付ける磁気ヘッドアセンブリの組立方法
に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】浮動型
の磁気ヘッドスライダをその支持部材であるサスペンシ
ョンに接着固定する公知技術として、(1)熱硬化型接
着剤を用いる方法、(2)紫外線硬化型(UV)接着剤
を用いる方法、(3)熱硬化型接着剤及びUV接着剤の
両方を用いる方法が存在する。
【0003】(1)熱硬化型接着剤を用いる方法 例えば、特開平6−60346号公報に記載されている
方法である。図1に示すように、接着用の位置決め治具
10に熱硬化型接着剤12を塗布した磁気ヘッドスライ
ダ11とサスペンション13とを取り付けた後、この治
具ごと硬化用オーブンに入れて加熱することにより熱硬
化型接着剤12を硬化させて両者を接着する。なお、図
1において、14はスライダ11用のガイド、15はサ
スペンション13及びスライダ11の押え部材、16は
その押えばね、17はサスペンション13の押え部材、
18はその押えばね、19a及び19bはサスペンショ
ン13の基準孔及びベース部の取付孔に挿入される位置
出し用のピンをそれぞれ示している。
【0004】熱硬化型接着剤を用いて接着を行えば、接
着面積が小さくても十分な強度が得られるが、加熱硬化
時に位置決め治具10ごとオーブン内に入れて処理しな
ければならないため、位置決め治具の利用効率が悪く、
磁気ヘッドの生産量に対応した莫大な数の治具が必要と
なる。このため、治具間の位置精度のばらつきも大きく
なるのみならず位置精度の管理も煩雑となる。しかも、
オーブン内での加熱によって治具の熱的な経時変化が生
じて位置決め機構が狂ってしまい、この点からも位置精
度の管理が非常に難しい。
【0005】(2)UV接着剤を用いる方法 例えば、特開平5−325460号公報に記載されてい
る方法であり、磁気ヘッドスライダにUV接着剤を塗布
してサスペンションの所定位置に重ね合わせ、この状態
で紫外線を照射してこのUV接着剤を硬化させて接着す
る。
【0006】UV接着剤を用いて接着を行えば、接着治
具をオーブン内に入れなくてよいので加熱による治具の
位置精度の狂いを防止できるが、紫外線の当らない部分
は硬化しないことから、紫外線照射のみでは十分な接着
強度が得られない。特に、最も接着強度を必要とするス
ライダとフレクシャーとの界面には通常は紫外線が全く
照射されないので接着強度が不足してしまう。また、接
着面積が小さい場合、UV接着剤のみでは、満足な接着
強度を得ることが難しい。
【0007】特開平5−40927号公報には、紫外線
の非照射部分を少なくするために、フレクシャー部分を
紫外線を通す透明な樹脂で構成する技術が記載されてい
る。しかしながら、これは、特殊なフレクシャーを必要
とするのみならず、接着面積自体が小さい場合UV接着
剤のみでは十分な接着強度を得ることが難しい。
【0008】(3)熱硬化型接着剤及びUV接着剤の両
方を用いる方法 特開平6−60346号公報に記載されている方法であ
り、紫外線照射の困難な箇所には熱硬化型接着剤を、紫
外線照射が可能な箇所にはUV接着剤を同時に使い分け
てスライダとフレクシャーとを両接着剤のそれぞれの硬
化条件で固定させている。
【0009】しかしながら、2種類の接着剤を用いるこ
とは生産性向上の点で問題があり、また、UV接着剤は
エポキシ樹脂による熱硬化型接着剤の硬化を阻害する性
質を基本的に有しているので互いに接触しないように両
接着剤を使い分けしなければならず、その意味でも処理
が煩雑となる。
【0010】本発明の目的は、加熱硬化時に位置決め治
具ごとオーブン内に入れて処理する必要がない磁気ヘッ
ドアセンブリの組立方法を提供することにある。
【0011】本発明の他の目的は、1種類の接着剤のみ
で接着を行って高い接着強度を得ることができる磁気ヘ
ッドアセンブリの組立方法を提供することにある。
【0012】本発明のさらに他の目的は、最適かつ短時
間の硬化処理が実現できる磁気ヘッドアセンブリの組立
方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、磁気ヘ
ッドスライダ及びスライダ支持部材を位置決め用治具の
所定位置に取り付けて熱硬化型接着剤を間に介在させた
状態とし、熱硬化型接着剤の存在部分の磁気ヘッドスラ
イダ又はスライダ支持部材の表面にパルスヒータ装置の
ヒータチップを接触させ、ヒータチップの温度を正確に
制御するべくヒータチップに電力を印加して熱硬化型接
着剤を局部的に加熱し、熱硬化型接着剤を硬化させて磁
気ヘッドスライダをスライダ支持部材に仮接着した後、
仮接着された磁気ヘッドスライダ及びスライダ支持部材
を前記位置決め用治具から取り外し、熱硬化型接着剤を
さらに硬化させて本接着を行う磁気ヘッドアセンブリの
組立方法が提供される。
【0014】仮接着工程では、磁気ヘッドスライダ及び
スライダ支持部材を位置決め用治具に取り付けた状態で
局部的に加熱することにより熱硬化型接着剤をゲル化さ
せ、磁気ヘッドスライダとスライダ支持部材とが支えな
しで接着している状態とする。本接着工程では、仮接着
された磁気ヘッドスライダ及びスライダ支持部材を位置
決め用治具から取り外してオーブン内に入れ、さらに加
熱して硬化させる。この方法によれば、位置決め用治具
をオーブン内に入れる必要がないため、多数の治具を用
意する必要がなくなり、治具間の位置精度のばらつきを
大幅に低減できると共に治具の熱的な経時変化を完全に
防止することができる。しかも、UV接着剤を使用する
場合のように非照射部分への考慮が全く不要となり、ま
た熱硬化型接着剤を用いているので十分な接着強度が得
られる。しかも1種類の接着剤のみを用いているので、
接着剤の使い分け等が不要となって作業性が非常に向上
する。
【0015】特に本発明では、仮接着における局部的加
熱がパルスヒータ装置のヒータチップを熱硬化型接着剤
の存在部分の磁気ヘッドスライダ又はスライダ支持部材
の表面に接触させ、その温度を正確に制御するように電
力を印加して行われる。これにより、スライダの磁気ヘ
ッド素子が過熱によってダメージを受けることなしに、
硬化温度が適切に制御される。その結果、最適かつ短時
間の硬化処理が実現できる。
【0016】仮接着における局部的加熱処理において
は、ヒータチップの温度を検出し、検出した温度を用い
てヒータチップの温度をフィードバック制御することが
好ましい。
【0017】熱硬化型接着剤の局部的加熱が2段階のパ
ルス加熱動作によって行われることが好ましい。これに
より、温度の急激な上昇を防止できる。
【0018】熱硬化型接着剤は、好ましくはエポキシ樹
脂系の接着剤であるが、シリコン樹脂系等の他の接着剤
であってもよい。
【0019】また、本発明によれば、磁気ヘッドスライ
ダ及びスライダ支持部材を位置決め用治具の所定位置に
取り付けてB段階の熱硬化型接着シートを間に介在させ
た状態とし、熱硬化型接着シートの存在部分の磁気ヘッ
ドスライダ又はスライダ支持部材の表面にパルスヒータ
装置のヒータチップを接触させ、ヒータチップの温度を
正確に制御するべくヒータチップに電力を印加して熱硬
化型接着シートを局部的に加熱し、熱硬化型接着シート
を硬化させて磁気ヘッドスライダをスライダ支持部材に
仮接着した後、仮接着された磁気ヘッドスライダ及びス
ライダ支持部材を前記位置決め用治具から取り外し、熱
硬化型接着シートをさらに硬化させて本接着を行う磁気
ヘッドアセンブリの組立方法も提供される。
【0020】B段階の熱硬化型接着シートを間に挿入し
た磁気ヘッドスライダ及びスライダ支持部材を位置決め
用治具に取り付けた状態でこの熱硬化型接着シートを局
部的に加熱して硬化させる。熱硬化型接着シートがB段
階であるため、通常の液性の熱硬化型接着剤よりも少な
い熱量で短時間に硬化が可能であり、この硬化はオーブ
ン内で行う必要はない。また、これに続く本接着も不要
となる。この方法によれば、位置決め用治具をオーブン
内に入れる必要がないため、多数の治具を用意する必要
がなくなり、治具間の位置精度のばらつきを大幅に低減
できると共に治具の熱的な経時変化を完全に防止するこ
とができる。しかも、UV接着剤を使用する場合のよう
に非照射部分への考慮が全く不要となり、また熱硬化型
接着剤を用いているので十分な接着強度が得られる。し
かも接着シートを用いているので、取扱が容易となり作
業性が非常に向上する。
【0021】特に本発明では、仮接着における局部的加
熱がパルスヒータ装置のヒータチップを熱硬化型接着シ
ートの存在部分の磁気ヘッドスライダ又はスライダ支持
部材の表面に接触させ、その温度を正確に制御するよう
に電力を印加して行われる。これにより、スライダの磁
気ヘッド素子が過熱によってダメージを受けることなし
に、硬化温度が適切に制御される。その結果、最適かつ
短時間の硬化処理が実現できる。
【0022】仮接着における局部的加熱処理において
は、ヒータチップの温度を検出し、検出した温度を用い
てヒータチップの温度をフィードバック制御することが
好ましい。
【0023】熱硬化型接着シートは、好ましくはB段階
のエポキシ樹脂系の接着シートであるが、B段階のシリ
コン樹脂系等の他の接着シートであってもよい。
【0024】
【発明の実施の形態】以下図面を用いて本発明の実施形
態を詳細に説明する。
【0025】図2は本発明の組立方法の一実施形態にお
ける各工程を説明するための図であり、図3はこの実施
形態の仮接着工程を概略的に示す斜視図である。
【0026】図2の(A)に示すように、まず、位置決
め用治具20の所定位置に磁気ヘッドスライダ21を載
置し、その磁気ヘッドスライダ21の接着面(ABS面
の反対側面)に熱硬化型接着剤22を塗布した後、その
上の所定位置にスライダ支持部材であるサスペンション
23を載置する。なお、同図において、24はサスペン
ション23の途中の基準孔に挿入される位置出し用のピ
ン、25はサスペンション23のベース部の取付孔に挿
入される位置出し用のピンをそれぞれ示している。
【0027】熱硬化型接着剤22として、本実施形態で
は、硬化条件として120℃、1時間が推奨されている
一液性のエポキシ樹脂(例えば、ハイソール社のエポキ
シ樹脂EA9430)を使用している。また、磁気ヘッ
ドスライダ21としてIDEMA規格における50%ス
ライダを、サスペンション23としてハッチンソン社製
のTYPE16をそれぞれ使用している。
【0028】次いで、図2の(B)に示すように、本実
施形態ではパルスヒータ装置のヒータチップからなる局
部加熱源26を熱硬化型接着剤22が塗布されているサ
スペンション23上に押し当て、その部分を局部的に加
熱することにより液状エポキシ樹脂のゲル化を行って磁
気ヘッドスライダ21とサスペンション23とを仮接着
する。
【0029】図3はパルスヒータ装置によって行われる
この仮接着工程を示している。同図に示すようにパルス
ヒータ装置は、制御された電力を供給する電力制御部3
0と、電力制御部30よりその電力を受けるパルスヒー
タヘッド部31と、このパルスヒータヘッド部31に取
り付けられたモリブデン製のヒータチップ32とから主
として構成されている。このヒータチップ32は、印加
された電力によって加熱される抵抗体からなっており、
前述の局部加熱源26に対応している。ヒータチップ3
2の先端近傍には熱電対33が取り付けられている。こ
の熱電対33からの検出信号は、電力制御部30にフィ
ードバックされ、これによって検出された温度に応じて
ヒータチップ32の先端部温度が正確に制御される。
【0030】図4は図3における電力制御部30の構成
を概略的に示すブロック図である。同図において、40
は温度・時間設定ボード、41は設定ボード40に接続
されている制御ボード、42は制御ボード及びヒータチ
ップ32に接続されている電力調整ボード、43は熱電
対33及び制御ボード41に接続されているA/D変換
器をそれぞれ示している。
【0031】温度・時間設定ボード40は、図示しない
制御パネルを有しており、この制御パネルを操作するこ
とによって、第1の加熱段階及び第2の加熱段階におけ
る温度及び時間を所望値に設定することができるように
構成されている。
【0032】制御ボード41は、温度比較回路41a
と、タイマ回路41bと、位相制御回路41cと、ディ
スプレイ駆動回路41dとから基本的に構成されてい
る。温度比較回路41aは、A/D変換器43を介して
熱電対33から与えられるヒータチップ32の実際の温
度を表わす検出温度信号を設定ボード40から与えられ
る設定温度を表わす信号とを比較し、温度誤差信号を出
力する。タイマ回路41bは、各加熱段階の期間を対応
した設定時間に制御する。位相制御回路41cは、温度
比較回路41aから与えられる温度誤差信号に応じて、
電力調整ボード42内に設けられている図示しない電力
スイッチング素子のオンオフの位相を制御する。
【0033】電力調整ボード42は、AC電力源(図示
なし)及びヒータチップ32間に挿入されている、TR
IAC(トライアック)等の電力スイッチング素子と図
示しない電力トランスとを含んでいる。電力スイッチン
グ素子のターンオン及びターンオフの位相は、回路41
cからの位相制御信号によって制御される。
【0034】これにより、各加熱段階において負荷(ヒ
ータチップ)32に印加されるAC電力の印加時間が、
設定された所望加熱時間に正確に制御され、さらに、ヒ
ータチップ32に印加されるAC電力値が、ヒータチッ
プ温度が正確に設定温度となるように、熱電対33から
の検出信号によりフィードバック制御される。
【0035】第1の加熱段階及び第2の加熱段階におけ
る温度及び時間は、使用される熱硬化型接着剤を硬化さ
せるのに最適な値にそれぞれ選ばれる。
【0036】ヒータチップ32の加圧量は、スライダ2
1が変形されることなくサスペンション23に正しく接
着されるように、機械的に調整可能である。
【0037】ヒータチップ32の設計を変更することに
より、その温度分布を要求に応じた最適な分布とするこ
とも可能である。
【0038】本実施形態で用いたパルスヒータ装置は、
日本アビオニクス株式会社製のサーモコントロールウェ
ルダーヘッドTCW−115A NA−92Dに若干の
改良を加えたものであり、モリブデン製のヒータチップ
32の先端寸法は、0.8×1.0mmであり、その加
圧は50gである。
【0039】仮接着工程においては、このパルスヒータ
装置を用いて、磁気ヘッドスライダ21のヘッド素子や
エポキシ樹脂22にダメージを与えるような過熱を防止
すると共に、エポキシ樹脂22のゲル化に必要な温度制
御を行っている。
【0040】この温度制御条件は、加熱温度及び加熱時
間をパラメータとすると、次のようになることが実験で
確かめられた。実験条件としては、前述したように、熱
硬化型接着剤としては硬化条件として120℃、1時間
が推奨されている一液性のエポキシ樹脂(ハイソール社
のエポキシ樹脂EA9430)を使用し、磁気ヘッドス
ライダとしてはIDEMA規格の50%スライダを使用
し、サスペンションとしてはハッチンソン社製のTYP
E16を使用し、パルスヒータ装置としては前述のもの
を先端寸法が0.8×1.0mmのヒータチップと共に
使用している。
【0041】加熱は、急激な温度上昇を避けるために2
段階加熱のパルスヒートとした。第1の加熱段階は一律
にヒータ設定温度150℃、加熱時間10秒とし、その
次の第2の加熱段階はヒータ設定温度150℃、200
℃、250℃、300℃において加熱時間を20秒、4
0秒、60秒とした。このような各加熱を行った場合の
仮接着の評価が表1に示されている。
【0042】
【表1】
【0043】この表における加熱温度は、ヒータ設定温
度であり、実際の樹脂温度はこれより低くなる。コンピ
ュータシミュレーションによると、樹脂温度はヒータ設
定温度の80〜85%程度となる。従って、設定温度1
50℃では、樹脂温度が120〜130℃となり、60
秒の加熱時間であっても仮接着のための樹脂のゲル化に
は不十分となり、所望の接着強度が得られない。また、
設定温度300℃以上は、樹脂そのものの分解温度に近
いため、加熱時間が長いとゲル化を越えて分解による強
度劣化が生じ、この場合も所望の接着強度が得られな
い。
【0044】従って本実施形態で使用した硬化条件とし
て120℃、1時間が推奨されている一液性のエポキシ
樹脂の場合、第2段階は、ヒータ設定温度200℃で加
熱時間40〜60秒、ヒータ設定温度250℃で加熱時
間20〜60秒、及びヒータ設定温度300℃で加熱時
間20秒程度で、磁気ヘッドスライダとサスペンション
とが支えなしで接着している仮接着(仮硬化)状態が得
られることとなる。なお、硬化条件が上述のものと異な
る樹脂、例えば低温硬化型の樹脂を用いれば、上述の温
度制御条件はそれに応じて異なった値となることは明ら
かである。
【0045】次いで、図2の(C)に示すように、この
ように仮接着された磁気ヘッドスライダ21及びサスペ
ンション23(ヘッドジンバルアセンブリ、HGA)を
位置決め用治具20から取り外し、硬化用のオーブン内
に入れて加熱することにより、上述のエポキシ樹脂22
をさらに硬化させて本接着を行う。
【0046】このように本実施形態によれば、位置決め
用治具20をオーブン内に入れる必要がないため、多数
の治具を用意する必要がなくなり、治具間の位置精度の
ばらつきを大幅に低減できると共に治具の熱的な経時変
化を完全に防止することができる。しかも、UV接着剤
を使用する場合のように非照射部分への考慮が全く不要
となり、また熱硬化型のエポキシ樹脂を用いているので
十分な接着強度が得られる。しかも1種類の接着剤のみ
を用いているので、接着剤の使い分け等が不要となって
作業性が非常に向上する。
【0047】特に本実施形態では、仮接着における局部
的加熱がパルスヒータ装置のヒータチップを熱硬化型接
着剤の存在部分の磁気ヘッドスライダ又はスライダ支持
部材の表面に接触させ、その温度を正確に制御するよう
にフィードバック制御により電力を印加して行われる。
これにより、スライダの磁気ヘッド素子が過熱によって
ダメージを受けることなしに、硬化温度が適切に制御さ
れる。その結果、最適かつ短時間の硬化処理が実現でき
る。さらに、熱硬化型接着剤の局部的加熱が2段階のパ
ルス加熱動作によって行われることにより、温度の急激
な上昇を防止できる。
【0048】次に本発明の他の実施形態について前述の
図2を用いて説明する。この実施形態では、液性のエポ
キシ樹脂に代えて熱硬化型接着シートとしてのB段階の
変成エポキシシートを使用する。
【0049】まず、図2の(A)に示すように、位置決
め用治具20の所定位置に磁気ヘッドスライダ21を載
置し、その磁気ヘッドスライダ21の接着面上にB段階
の変成エポキシシート22′を重ねた後、その上の所定
位置にサスペンション23を載置する。なお、本実施形
態では、エポキシシート22′として厚さ45μmのも
のを使用しているが、より薄いシートが入手できればそ
の方が好ましい。
【0050】次いで、図2の(B)に示すように、本実
施形態でもパルスヒータ装置のヒータチップからなる局
部加熱源26をB段階の変成エポキシシート22′が挿
入されているサスペンション23上に押し当て、その部
分を局部的に加熱することによりこのエポキシシート2
2′を硬化させて磁気ヘッドスライダ21とサスペンシ
ョン23とを接着する。B段階の変成エポキシシート2
2′の硬化条件は、例えば、樹脂温度120℃、加熱時
間20秒、加圧1kg/cm2 である。変成エポキシシ
ート22′がB段階であるため、通常の液性の熱硬化型
接着剤よりも少ない熱量で短時間に硬化が可能となる。
本実施形態におけるパルスヒータ装置による仮接着工程
のその他の構成及びその効果は前述の実施形態の場合と
全く同様である。
【0051】次いで、図2の(C)に示すように、この
ように接着された磁気ヘッドスライダ21及びサスペン
ション23を位置決め用治具20から取り外して接着が
完了する。これに続いてオーブン内で加熱硬化させなく
とも充分な接着強度が得られる。しかしながら、この後
にオーブン内でさらなる加熱硬化を行っても何等問題は
ない。
【0052】このように本実施形態によれば、位置決め
用治具をオーブン内に入れる必要がないため、多数の治
具を用意する必要がなくなり、治具間の位置精度のばら
つきを大幅に低減できると共に治具の熱的な経時変化を
完全に防止することができる。しかも、UV接着剤を使
用する場合のように非照射部分への考慮が全く不要とな
り、また熱硬化型接着剤を用いているので十分な接着強
度が得られる。しかも接着シートを用いているので、取
扱が容易となり作業性が非常に向上する。
【0053】特に本実施形態では、仮接着における局部
的加熱がパルスヒータ装置のヒータチップを熱硬化型接
着シートの存在部分の磁気ヘッドスライダ又はスライダ
支持部材の表面に接触させ、その温度を正確に制御する
ようにフィードバック制御により電力を印加して行われ
る。これにより、スライダの磁気ヘッド素子が過熱によ
ってダメージを受けることなしに、硬化温度が適切に制
御される。その結果、最適かつ短時間の硬化処理が実現
できる。
【0054】以上述べた実施形態は全て本発明を例示的
に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明
は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することがで
きる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均
等範囲によってのみ規定されるものである。
【0055】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明によれ
ば、仮接着における局部的加熱がパルスヒータ装置のヒ
ータチップを熱硬化型接着剤の存在部分の磁気ヘッドス
ライダ又はスライダ支持部材の表面に接触させ、その温
度を正確に制御するように電力を印加して行われる。こ
れにより、スライダの磁気ヘッド素子が過熱によってダ
メージを受けることなしに、硬化温度が適切に制御され
る。その結果、最適かつ短時間の硬化処理が実現でき
る。
【0056】また、位置決め用治具に取り付けられた磁
気ヘッドスライダ及びスライダ支持部材の熱硬化型接着
剤の存在部分を局部的に加熱することによって磁気ヘッ
ドスライダをスライダ支持部材に仮接着した後、仮接着
された磁気ヘッドスライダ及びスライダ支持部材を位置
決め用治具から取り外し、上述の熱硬化型接着剤をさら
に硬化させて本接着を行うようにしたので、加熱硬化時
に位置決め治具ごとオーブン内に入れて処理する必要が
なく、しかも1種類の接着剤のみで接着を行って高い接
着強度を得ることができる。このように、位置決め用治
具をオーブン内に入れる必要がないため、多数の治具を
用意する必要がなくなり、治具間の位置精度のばらつき
を大幅に低減できると共に治具の熱的な経時変化を完全
に防止することができる。しかも、UV接着剤を使用す
る場合のように非照射部分への考慮が全く不要となり、
また熱硬化型接着剤を用いているので十分な接着強度が
得られる。しかも1種類の接着剤のみを用いているの
で、接着剤の使い分け等が不要となって作業性が非常に
向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の組立方法において、位置決め治具に磁気
ヘッドスライダ及びサスペンションを取り付けた様子を
示す側面図である。
【図2】本発明の組立方法の一実施形態における各工程
を説明するための図である。
【図3】図2の実施形態の仮接着工程を概略的に示す斜
視図である。
【図4】図3における電力制御部の構成を概略的に示す
ブロック図である。
【符号の説明】
20 位置決め用治具 21 磁気ヘッドスライダ 22 熱硬化型接着剤 22′ 熱硬化型接着シート 23 サスペンション 24、25 位置出し用のピン 26 局部加熱源 30 電力制御部 31 パルスヒータヘッド部 32 ヒータチップ 33 熱電対 40 温度・時間設定ボード 41 制御ボード 41a 温度比較回路 41b タイマ回路 41c 位相制御回路 41d ディスプレイ駆動回路 42 電力調整ボード 43 A/D変換器

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気ヘッドスライダ及びスライダ支持部
    材を位置決め用治具の所定位置に取り付けて熱硬化型接
    着剤を間に介在させた状態とし、前記熱硬化型接着剤の
    存在部分の前記磁気ヘッドスライダ又は前記スライダ支
    持部材の表面にパルスヒータ装置のヒータチップを接触
    させ、該ヒータチップの温度を正確に制御するべく該ヒ
    ータチップに電力を印加して該熱硬化型接着剤を局部的
    に加熱し、該熱硬化型接着剤を硬化させて該磁気ヘッド
    スライダを該スライダ支持部材に仮接着した後、該仮接
    着された磁気ヘッドスライダ及びスライダ支持部材を前
    記位置決め用治具から取り外し、前記熱硬化型接着剤を
    さらに硬化させて本接着を行うことを特徴とする磁気ヘ
    ッドアセンブリの組立方法。
  2. 【請求項2】 前記ヒータチップの温度を検出し、該検
    出した温度を用いて該ヒータチップの温度をフィードバ
    ック制御することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記熱硬化型接着剤の局部的加熱が2段
    階のパルス加熱動作によって行われることを特徴とする
    請求項1又は2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記熱硬化型接着剤がエポキシ樹脂系の
    接着剤であることを特徴とする請求項1から3のいずれ
    か1項に記載の方法。
  5. 【請求項5】 磁気ヘッドスライダ及びスライダ支持部
    材を位置決め用治具の所定位置に取り付けてB段階の熱
    硬化型接着シートを間に介在させた状態とし、前記熱硬
    化型接着シートの存在部分の前記磁気ヘッドスライダ又
    は前記スライダ支持部材の表面にパルスヒータ装置のヒ
    ータチップを接触させ、該ヒータチップの温度を正確に
    制御するべく該ヒータチップに電力を印加して該熱硬化
    型接着シートを局部的に加熱し、該熱硬化型接着シート
    を硬化させて該磁気ヘッドスライダを該スライダ支持部
    材に仮接着した後、該仮接着された磁気ヘッドスライダ
    及びスライダ支持部材を前記位置決め用治具から取り外
    し、前記熱硬化型接着シートをさらに硬化させて本接着
    を行うことを特徴とする磁気ヘッドアセンブリの組立方
    法。
  6. 【請求項6】 前記ヒータチップの温度を検出し、該検
    出した温度を用いて該ヒータチップの温度をフィードバ
    ック制御することを特徴とする請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記熱硬化型接着シートがエポキシ樹脂
    系の接着シートであることを特徴とする請求項5又は6
    に記載の方法。
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