JP2830657B2 - カム機構 - Google Patents
カム機構Info
- Publication number
- JP2830657B2 JP2830657B2 JP4280676A JP28067692A JP2830657B2 JP 2830657 B2 JP2830657 B2 JP 2830657B2 JP 4280676 A JP4280676 A JP 4280676A JP 28067692 A JP28067692 A JP 28067692A JP 2830657 B2 JP2830657 B2 JP 2830657B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cam
- arm
- roller
- cam mechanism
- arms
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Transmission Devices (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は各種装置において回転運
動を直線運動に変換するカム機構に係る。
動を直線運動に変換するカム機構に係る。
【0002】
【従来の技術】駆動装置から駆動力を受け、これを直線
運動に変換する要素は多くの装置、機械において必要で
あり、この場合に使用される頻度の高いのがカム機構で
ある。たとえば図3に示すように1枚のカム12aの曲
面上で接触するローラ31aを一端に軸支するアーム3
aは、支点軸22aにおいて回動自在に支持され、支点
軸に対してローラと反対方向の端部でピン101を介し
てリンク102と係合し、リンク102が他端において
直線運動体6aと回動自在に係合している。この構成に
よってカムの回転運動は直線運動体6aの直線運動に変
換されるのである。
運動に変換する要素は多くの装置、機械において必要で
あり、この場合に使用される頻度の高いのがカム機構で
ある。たとえば図3に示すように1枚のカム12aの曲
面上で接触するローラ31aを一端に軸支するアーム3
aは、支点軸22aにおいて回動自在に支持され、支点
軸に対してローラと反対方向の端部でピン101を介し
てリンク102と係合し、リンク102が他端において
直線運動体6aと回動自在に係合している。この構成に
よってカムの回転運動は直線運動体6aの直線運動に変
換されるのである。
【0003】図3のカム機構においてカムの曲面にロー
ラが密着してその回転運動を正確に伝えるため、空圧シ
リンダ4aを装置に固定してこの先端でアームを押圧し
ている。しかし、このような1枚のカムに1本のアーム
が接触する構造では、カムの回転数が増加して高速運動
となると、ローラがカムの曲面に完全に応動させるため
には空圧シリンダ4aの押圧力を強くしなければなら
ず、そのためにカムの回転力を強くしなければならない
という欠点があった。
ラが密着してその回転運動を正確に伝えるため、空圧シ
リンダ4aを装置に固定してこの先端でアームを押圧し
ている。しかし、このような1枚のカムに1本のアーム
が接触する構造では、カムの回転数が増加して高速運動
となると、ローラがカムの曲面に完全に応動させるため
には空圧シリンダ4aの押圧力を強くしなければなら
ず、そのためにカムの回転力を強くしなければならない
という欠点があった。
【0004】この課題を解決するために提案されたのが
2枚のカムと、このカムにそれぞれ接触する2本の揺動
アームよりなる確動カム機構である。たとえば特開昭5
5−126153号公報は、図4に示すように回転軸1
bに位相を変えて並列固着した2枚のカム11b、12
bよりなる駆動カムと、その駆動カムを両側より挟み、
一方側において前記第一のカム11bと常に接触する第
一の接触平面103と、他方側において常に第二のカム
12bと接触し、かつ、第一の接触平面と平行な第二の
接触平面104を有する二股状の従動節3bとによって
構成している。
2枚のカムと、このカムにそれぞれ接触する2本の揺動
アームよりなる確動カム機構である。たとえば特開昭5
5−126153号公報は、図4に示すように回転軸1
bに位相を変えて並列固着した2枚のカム11b、12
bよりなる駆動カムと、その駆動カムを両側より挟み、
一方側において前記第一のカム11bと常に接触する第
一の接触平面103と、他方側において常に第二のカム
12bと接触し、かつ、第一の接触平面と平行な第二の
接触平面104を有する二股状の従動節3bとによって
構成している。
【0005】別の従来技術としては図5に示す特開昭5
2−73272号公報もある。すなわち、回転軸1cに
よって回転する2枚のカム11c、12cの曲面に接触
する2本のアーム2c、3cの一端をスプリング105
で連結し、一方のアーム3cの他端は別の揺動ビーム1
06に接触し、揺動ビーム106は該接触点側でスプリ
ング107で吊支され、他方で直線運動体6cと係合し
ている。このように2枚のカムとそれぞれ接触する2本
のアームの協動によって、高速に回転するカムの運動に
応動して直線運動に変換し、装置の高速化を実現する大
きな貢献を果しているのである。その他、2枚のカムに
よってそれぞれ揺動する2本のアームの従来技術として
は、実開昭63−86461号もあり、従来、1個のカ
ムを挟んで2個のローラが圧接し、それぞれのローラを
具えた2本のアームの一端をそれぞれ支点で回動自在に
支承し、それぞれの他端を空気シリンダで連結して挾圧
力を付勢していた構成を改め、2個のカムにそれぞれ圧
接する2個のローラを具えた2本のアームに置換し、か
つ、アームの他端同士を連結してローラに与える付勢力
を空気シリンダから弾性ばねに置換した構成を提案して
いる。また、実開昭60−1808 55号でも基本構成
として2個のカムと2本のアームとを具え、それぞれの
アームの一端同士を弾性ばねによって連結した構成を示
している。
2−73272号公報もある。すなわち、回転軸1cに
よって回転する2枚のカム11c、12cの曲面に接触
する2本のアーム2c、3cの一端をスプリング105
で連結し、一方のアーム3cの他端は別の揺動ビーム1
06に接触し、揺動ビーム106は該接触点側でスプリ
ング107で吊支され、他方で直線運動体6cと係合し
ている。このように2枚のカムとそれぞれ接触する2本
のアームの協動によって、高速に回転するカムの運動に
応動して直線運動に変換し、装置の高速化を実現する大
きな貢献を果しているのである。その他、2枚のカムに
よってそれぞれ揺動する2本のアームの従来技術として
は、実開昭63−86461号もあり、従来、1個のカ
ムを挟んで2個のローラが圧接し、それぞれのローラを
具えた2本のアームの一端をそれぞれ支点で回動自在に
支承し、それぞれの他端を空気シリンダで連結して挾圧
力を付勢していた構成を改め、2個のカムにそれぞれ圧
接する2個のローラを具えた2本のアームに置換し、か
つ、アームの他端同士を連結してローラに与える付勢力
を空気シリンダから弾性ばねに置換した構成を提案して
いる。また、実開昭60−1808 55号でも基本構成
として2個のカムと2本のアームとを具え、それぞれの
アームの一端同士を弾性ばねによって連結した構成を示
している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図4の従来技術は1枚
のカム機構に比べると確かにカムの動きにアームが追随
するという進歩が認められるが、アーム(従動節3b)
は一体物として形成され、2枚のカムの曲面に接触する
2面を具えているとは言え、両接触面間の間隔は固定し
た値に決められているから、やはりカム曲面の加工誤差
に伴うがたつきが全くないとは言えず、カム軸の回転が
高速となるにつれて振動、騒音などの懸念が完全に解消
したとは言い難い。また、このような構成では、直線運
動体側に何かの異常が発生して停止し、なお回転を続け
るカムとの間に急激な過負荷がかかったときに、これを
逃す方法がなくカム機構の破壊を防ぐ手段がないという
課題があり、結局、過負荷の発生する懸念の全くないよ
うな軽負荷の用途でしか適用できないという制約があ
る。同時にこの型式のカム機構はカムの回転運動を直線
運動に変換するとはいえ、直線運動は支点軸22bを中
心とする回動運動によるのであるから、このままでは直
線運動体6bは厳密に言えば円弧を描いて回動すること
となり、円弧の膨らみが無視できない大型装置において
完全な直線運動を必要とするときには、リンクなどを介
装して装置の複雑化やがたつきの発生源をさらに増加す
るという負の要件を追加せざるを得ない。
のカム機構に比べると確かにカムの動きにアームが追随
するという進歩が認められるが、アーム(従動節3b)
は一体物として形成され、2枚のカムの曲面に接触する
2面を具えているとは言え、両接触面間の間隔は固定し
た値に決められているから、やはりカム曲面の加工誤差
に伴うがたつきが全くないとは言えず、カム軸の回転が
高速となるにつれて振動、騒音などの懸念が完全に解消
したとは言い難い。また、このような構成では、直線運
動体側に何かの異常が発生して停止し、なお回転を続け
るカムとの間に急激な過負荷がかかったときに、これを
逃す方法がなくカム機構の破壊を防ぐ手段がないという
課題があり、結局、過負荷の発生する懸念の全くないよ
うな軽負荷の用途でしか適用できないという制約があ
る。同時にこの型式のカム機構はカムの回転運動を直線
運動に変換するとはいえ、直線運動は支点軸22bを中
心とする回動運動によるのであるから、このままでは直
線運動体6bは厳密に言えば円弧を描いて回動すること
となり、円弧の膨らみが無視できない大型装置において
完全な直線運動を必要とするときには、リンクなどを介
装して装置の複雑化やがたつきの発生源をさらに増加す
るという負の要件を追加せざるを得ない。
【0007】また、図5に示す従来技術についても、2
本のアームとこれに連接する揺動ビームとをスプリング
で連繋してがたつきを軽減した効果を謳っているが、ア
ーム3cの端部接触点は揺動ビーム106の上端部に接
触する自由端108であり、スプリングで支持している
とは言え高速のカム回転に対してはカム曲面での躍動が
避けられないから、振動、騒音の原因が全く解消したこ
とにはならないという課題が依然残っている。また、揺
動ビームの他端に係合した直線運動体6cは、厳密に言
えば支点109を中心とする円弧運動であり、前例同
様、直線運動体の作動軌跡が厳しく求められる装置に対
しては、このままでは適用できないという課題もある。
本のアームとこれに連接する揺動ビームとをスプリング
で連繋してがたつきを軽減した効果を謳っているが、ア
ーム3cの端部接触点は揺動ビーム106の上端部に接
触する自由端108であり、スプリングで支持している
とは言え高速のカム回転に対してはカム曲面での躍動が
避けられないから、振動、騒音の原因が全く解消したこ
とにはならないという課題が依然残っている。また、揺
動ビームの他端に係合した直線運動体6cは、厳密に言
えば支点109を中心とする円弧運動であり、前例同
様、直線運動体の作動軌跡が厳しく求められる装置に対
しては、このままでは適用できないという課題もある。
【0008】さらに実開昭63−86461号および実
開昭60−180855号の従来技術でも、それぞれの
アームが別々の支点によって回動自在に支持されてお
り、構造が複雑化すると共に加工誤差の重なる機会が増
加し、運転が高速化するほど、がたつき、振動、躍動な
どの不安定要因が高まり、機械の大型化と共に深刻な課
題となる可能性は否定できない。また、図3〜図5に示
した従来技術と同様にそれぞれ支点を中心とする回動運
動がリンク機構によって直線運動に変換する通常の構成
に依存し、支点を軸とする円弧運動を変換するときの円
弧の膨らみを吸収するために、当然クリアランスを許容
しなければ変換できないから、さらに大きながたつきと
誤差を誘発する必然性が残され、大型重機械への適用を
妨げるマイナス要因ともなっている。
開昭60−180855号の従来技術でも、それぞれの
アームが別々の支点によって回動自在に支持されてお
り、構造が複雑化すると共に加工誤差の重なる機会が増
加し、運転が高速化するほど、がたつき、振動、躍動な
どの不安定要因が高まり、機械の大型化と共に深刻な課
題となる可能性は否定できない。また、図3〜図5に示
した従来技術と同様にそれぞれ支点を中心とする回動運
動がリンク機構によって直線運動に変換する通常の構成
に依存し、支点を軸とする円弧運動を変換するときの円
弧の膨らみを吸収するために、当然クリアランスを許容
しなければ変換できないから、さらに大きながたつきと
誤差を誘発する必然性が残され、大型重機械への適用を
妨げるマイナス要因ともなっている。
【0009】本発明は以上に述べた課題を解決するため
に、カムの回転運動が高速であっても完全に追随して、
正確な直線運動に変換する他、直線運動体に何かの異常
が発生し停止しても対応が容易なカム機構の提供を目的
とする。
に、カムの回転運動が高速であっても完全に追随して、
正確な直線運動に変換する他、直線運動体に何かの異常
が発生し停止しても対応が容易なカム機構の提供を目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係るカム機構
は、1本の回転軸1へ位相をずらして取り付けられた2
枚のカム11、12と、それぞれのカムの曲面に接触す
るローラ21,31を回転自在に軸支して揺動する2本
の揺動アーム2、3からなり、2本の揺動アームは1本
の支点軸22を中心としてそれぞれ回動する連結体を形
成し、それぞれの一方の端部には前記ローラ21,31
を装着すると共に、支持軸22を越えた他方の両揺動ア
ーム間へ油圧シリンダ4を制御自在に介装し、さらに揺
動アーム3の端部を連結輪61で形成し、該連結輪61
の内側へ円板62を回転自在に嵌入し、該円板の中心か
ら偏心した位置の円孔へ回転自在に嵌入したピン63を
箱体60に支承し、該箱体60の一端は直線用のガイド
へ嵌合し、他端は直線運動体6へ固定したことによって
前記の課題を解決した。
は、1本の回転軸1へ位相をずらして取り付けられた2
枚のカム11、12と、それぞれのカムの曲面に接触す
るローラ21,31を回転自在に軸支して揺動する2本
の揺動アーム2、3からなり、2本の揺動アームは1本
の支点軸22を中心としてそれぞれ回動する連結体を形
成し、それぞれの一方の端部には前記ローラ21,31
を装着すると共に、支持軸22を越えた他方の両揺動ア
ーム間へ油圧シリンダ4を制御自在に介装し、さらに揺
動アーム3の端部を連結輪61で形成し、該連結輪61
の内側へ円板62を回転自在に嵌入し、該円板の中心か
ら偏心した位置の円孔へ回転自在に嵌入したピン63を
箱体60に支承し、該箱体60の一端は直線用のガイド
へ嵌合し、他端は直線運動体6へ固定したことによって
前記の課題を解決した。
【0011】
【作用】本発明のカム機構は、共通の支点軸を中心とし
てそれぞれ回動する連結体を形成する2本の揺動アーム
が、その一端ではカムの曲面と接触するローラを具え、
支点軸を越えて反対側には両揺動アーム間に油圧シリン
ダを介在させているから、油圧シリンダから揺動アーム
を外側へ向かって押し広げるように圧力を加えると、支
点軸を越えた反対側のローラはそれぞれカムの曲面へ押
し付けられるという作用が発揮される。通常の運転状態
においては、高速で回転するカムを両側から挟み込んだ
2本の揺動アームによって、カムの回転運動は完全に捉
えられ他方に係合する直線運動体6に正確に伝えらる。
すなわち、油体圧シリンダから複数の接触点で絶え間な
く加わる押圧力があるため、ローラがカムの曲面上で躍
動しようとする作用を完全に阻止するのである。
てそれぞれ回動する連結体を形成する2本の揺動アーム
が、その一端ではカムの曲面と接触するローラを具え、
支点軸を越えて反対側には両揺動アーム間に油圧シリン
ダを介在させているから、油圧シリンダから揺動アーム
を外側へ向かって押し広げるように圧力を加えると、支
点軸を越えた反対側のローラはそれぞれカムの曲面へ押
し付けられるという作用が発揮される。通常の運転状態
においては、高速で回転するカムを両側から挟み込んだ
2本の揺動アームによって、カムの回転運動は完全に捉
えられ他方に係合する直線運動体6に正確に伝えらる。
すなわち、油体圧シリンダから複数の接触点で絶え間な
く加わる押圧力があるため、ローラがカムの曲面上で躍
動しようとする作用を完全に阻止するのである。
【0012】当然のことながら、油圧シリンダで両揺動
アームを付勢しているのであるから、この油圧シリンダ
を利用して油圧駆動の制御手段を連結し、過負荷検出・
解除機能さえ付加しておけば、直線運動体に異常が発生
しても速やかに対応できるという従来技術に見られなか
った作用を付加することも可能である。特に2本のアー
ムを同期揺動させるためには、圧縮・膨張自在な流体で
ある空気などの気体では負荷に対応する制御機能を高精
度で果たすことが不可能であり、非圧縮性の油圧シリン
ダであることが条件となり、先に引用した多くの従来技
術が空気シリンダを多用しているのとは異なる観点に立
って限定している。
アームを付勢しているのであるから、この油圧シリンダ
を利用して油圧駆動の制御手段を連結し、過負荷検出・
解除機能さえ付加しておけば、直線運動体に異常が発生
しても速やかに対応できるという従来技術に見られなか
った作用を付加することも可能である。特に2本のアー
ムを同期揺動させるためには、圧縮・膨張自在な流体で
ある空気などの気体では負荷に対応する制御機能を高精
度で果たすことが不可能であり、非圧縮性の油圧シリン
ダであることが条件となり、先に引用した多くの従来技
術が空気シリンダを多用しているのとは異なる観点に立
って限定している。
【0013】カムの回転運動から直線運動体へ運動を伝
える点について、本発明では特に留意した構成を採って
いる。すなわち、図2(A)(B)に示すようにレバー
3は支点軸22を中心として距離Rの位置で直線運動体
6と接続し、直線運動体6にストロークSの垂直運動を
与える。すなわち、レバー3はローラ31と反対側端部
において連結輪61を形成し、該連結輪へその中心から
偏心した位置に円孔を有する円板62を回動自在に内嵌
し、該円孔へ回動自在に内嵌したピン63を箱体60に
支承している。該箱体の脚部64はガイド65の案内孔
66に沿って直線方向へ摺動自在に嵌入している。連結
輪61の中心Qは半径Rの円弧に沿って運動するから垂
直線に対しては円弧の高さFだけのずれが生じる。中心
Qが点P1にあるときに中心Qから距離Eだけ偏心した
ピン63の中心とP1とはθ1の角度を形成している
が、中心Qが点P2へ移動したときにはピン63の中心
と点P2との形成する角度はθ2となりピン63が連結
輪内で中心Qの回りを回動する。したがってE>Fの条
件さえ満たされればレバー3の端部を構成する連結輪6
1が揺動すれば、直線運動体6に接続する箱体60はガ
イド65に案内されて直線往復運動に変換する作用を発
揮するのである。
える点について、本発明では特に留意した構成を採って
いる。すなわち、図2(A)(B)に示すようにレバー
3は支点軸22を中心として距離Rの位置で直線運動体
6と接続し、直線運動体6にストロークSの垂直運動を
与える。すなわち、レバー3はローラ31と反対側端部
において連結輪61を形成し、該連結輪へその中心から
偏心した位置に円孔を有する円板62を回動自在に内嵌
し、該円孔へ回動自在に内嵌したピン63を箱体60に
支承している。該箱体の脚部64はガイド65の案内孔
66に沿って直線方向へ摺動自在に嵌入している。連結
輪61の中心Qは半径Rの円弧に沿って運動するから垂
直線に対しては円弧の高さFだけのずれが生じる。中心
Qが点P1にあるときに中心Qから距離Eだけ偏心した
ピン63の中心とP1とはθ1の角度を形成している
が、中心Qが点P2へ移動したときにはピン63の中心
と点P2との形成する角度はθ2となりピン63が連結
輪内で中心Qの回りを回動する。したがってE>Fの条
件さえ満たされればレバー3の端部を構成する連結輪6
1が揺動すれば、直線運動体6に接続する箱体60はガ
イド65に案内されて直線往復運動に変換する作用を発
揮するのである。
【0014】
【実施例】図1は本発明実施例を示す斜視図(一部油圧
系統図)である。このカム機構の駆動は、従揺動アーム
2の先端で軸支するローラ21が従カム11の小径から
大径に沿うとき、主揺動アーム3の先端で軸支するロー
ラ31は主カム12の大径から小径に沿い、従揺動アー
ム2のローラ21が従カム11の大径から小径に沿うと
き主揺動アーム3のローラ31は主カム12の小径から
大径に沿うように2枚のカムの位相をずらしているから
2本の揺動アームが協動するのである。装置が正常に運
転している間は、油圧シリンダ4の各室の圧力変動はな
く、両揺動アームの両ローラが両カムの曲面に密着して
カムの回転に完全に追随して直線運動に変換する。すな
わち、両ローラで2枚のカムを挾むとは言え、従来技術
(図4)のように固定的に挟んでいるのではなく、ま
た、図5のように開放された自由端で接続しているので
もないから,カムの曲面に多少の加工誤差があったとし
ても油圧シリンダによって吸収してローラが絶えずカム
曲面に圧接し、僅かなローラの躍動も発生しないという
相違点が現われる。
系統図)である。このカム機構の駆動は、従揺動アーム
2の先端で軸支するローラ21が従カム11の小径から
大径に沿うとき、主揺動アーム3の先端で軸支するロー
ラ31は主カム12の大径から小径に沿い、従揺動アー
ム2のローラ21が従カム11の大径から小径に沿うと
き主揺動アーム3のローラ31は主カム12の小径から
大径に沿うように2枚のカムの位相をずらしているから
2本の揺動アームが協動するのである。装置が正常に運
転している間は、油圧シリンダ4の各室の圧力変動はな
く、両揺動アームの両ローラが両カムの曲面に密着して
カムの回転に完全に追随して直線運動に変換する。すな
わち、両ローラで2枚のカムを挾むとは言え、従来技術
(図4)のように固定的に挟んでいるのではなく、ま
た、図5のように開放された自由端で接続しているので
もないから,カムの曲面に多少の加工誤差があったとし
ても油圧シリンダによって吸収してローラが絶えずカム
曲面に圧接し、僅かなローラの躍動も発生しないという
相違点が現われる。
【0015】カムの回転運動を直線運動体の直線運動に
変換する特別の作用については既に述べたが、大型の機
械、装置類に組み込んで使用される場合には、揺動アー
ム先端の円弧の軌跡が無視できないほど直線から乖離す
るから、特に大型のカム機構で寸法精度を必要とするす
る場合に実施すると大きな利点となる。カムの回転運動
を被駆動体の正確な直線運動に変換するためには、従来
リンク機構を主体として適用しているが、がたつきの生
じる要素を余分に加える結果となるので製品の精度を維
持する上で問題があり、また従来多用されてきた平面同
士間の摺動によるときは機械仕上げの点で難があってや
はり製品の精度維持の上で難点となりやすい。その点、
本実施例のような全面円周面上の回転摺動によって運動
を伝達する方式は、加工の容易さ、精度の確保とその持
続に有利である。
変換する特別の作用については既に述べたが、大型の機
械、装置類に組み込んで使用される場合には、揺動アー
ム先端の円弧の軌跡が無視できないほど直線から乖離す
るから、特に大型のカム機構で寸法精度を必要とするす
る場合に実施すると大きな利点となる。カムの回転運動
を被駆動体の正確な直線運動に変換するためには、従来
リンク機構を主体として適用しているが、がたつきの生
じる要素を余分に加える結果となるので製品の精度を維
持する上で問題があり、また従来多用されてきた平面同
士間の摺動によるときは機械仕上げの点で難があってや
はり製品の精度維持の上で難点となりやすい。その点、
本実施例のような全面円周面上の回転摺動によって運動
を伝達する方式は、加工の容易さ、精度の確保とその持
続に有利である。
【0016】本発明の実施例は大型の装置、特に強力に
作動する重機械に好適である。すなわち、従来技術のカ
ム機構に比べると、運転中のトラブルによって予期でき
ない過負荷に遭遇したとき、適切な対応をとることがで
きる特徴を具えている。図1はその一例を示すもので、
このように本発明のカム機構の油圧シリンダ4へ油圧制
御装置5を連結した構成の一例を示したが、その他の制
御の方式と組み合わせてもよいことは言うまでもない。
この例における油圧制御装置5は、図において圧力検知
器51、過負荷弁52、ポンプ53、作動検知器54、
ノンリークバルブ55などの部材と、これらを連繋する
配管によって組み立てられている。いま、従揺動アーム
2のローラ21が従カム11の小径から大径に沿ってい
るときに、直線運動体6が何かのトラブルによって停止
したとすると、従揺動アーム2のローラ21は従カム1
1から押圧力を受けるが、主揺動アーム3は主カム12
からの押圧力を受けることがなく直線運動体と共にほと
んど動かないから従揺動アーム2が支点軸22の回りに
回転して油圧シリンダ4のロッド41を圧縮方向に押圧
する。すなわち、従揺動アーム2へ支点軸22を中心と
した屈折力が働くから、シリンダ側室内の圧力が増大し
過負荷弁52が作動してシリンダ側室の圧力を排除し
て、従揺動アーム2に加わる屈折力も消滅する。主揺動
アームのローラ31が、主カム12の大径から小径に沿
って作動しているから、過負荷弁52が作動すると、過
負荷弁52の作動検知器54から異常信号が発信されて
カムの回転が緊急停止する。
作動する重機械に好適である。すなわち、従来技術のカ
ム機構に比べると、運転中のトラブルによって予期でき
ない過負荷に遭遇したとき、適切な対応をとることがで
きる特徴を具えている。図1はその一例を示すもので、
このように本発明のカム機構の油圧シリンダ4へ油圧制
御装置5を連結した構成の一例を示したが、その他の制
御の方式と組み合わせてもよいことは言うまでもない。
この例における油圧制御装置5は、図において圧力検知
器51、過負荷弁52、ポンプ53、作動検知器54、
ノンリークバルブ55などの部材と、これらを連繋する
配管によって組み立てられている。いま、従揺動アーム
2のローラ21が従カム11の小径から大径に沿ってい
るときに、直線運動体6が何かのトラブルによって停止
したとすると、従揺動アーム2のローラ21は従カム1
1から押圧力を受けるが、主揺動アーム3は主カム12
からの押圧力を受けることがなく直線運動体と共にほと
んど動かないから従揺動アーム2が支点軸22の回りに
回転して油圧シリンダ4のロッド41を圧縮方向に押圧
する。すなわち、従揺動アーム2へ支点軸22を中心と
した屈折力が働くから、シリンダ側室内の圧力が増大し
過負荷弁52が作動してシリンダ側室の圧力を排除し
て、従揺動アーム2に加わる屈折力も消滅する。主揺動
アームのローラ31が、主カム12の大径から小径に沿
って作動しているから、過負荷弁52が作動すると、過
負荷弁52の作動検知器54から異常信号が発信されて
カムの回転が緊急停止する。
【0017】主揺動アーム3のローラ31が主カム12
の小径から大径に沿っているときに、直線運動体6に何
かのトラブルが生じて停止すると、従揺動アーム2のロ
ーラ21が従カム11の大径から小径に沿いながら主揺
動アーム3はほとんど動かないから、油圧シリンダ4の
ロッド41が伸張し、ローラを介してカムを挾むように
押圧していた油圧力が開放されて減少する。このために
圧力検知器51が作動して異常信号を発信しカム回転が
緊急停止する。この場合には、従揺動アーム2を屈折さ
せる力が働かないから、油圧力を開放する過負荷弁を設
ける必要はないのである。
の小径から大径に沿っているときに、直線運動体6に何
かのトラブルが生じて停止すると、従揺動アーム2のロ
ーラ21が従カム11の大径から小径に沿いながら主揺
動アーム3はほとんど動かないから、油圧シリンダ4の
ロッド41が伸張し、ローラを介してカムを挾むように
押圧していた油圧力が開放されて減少する。このために
圧力検知器51が作動して異常信号を発信しカム回転が
緊急停止する。この場合には、従揺動アーム2を屈折さ
せる力が働かないから、油圧力を開放する過負荷弁を設
ける必要はないのである。
【0018】この実施例においては、油圧シリンダ4の
圧力を抽圧制御装置5によって0にすると、両揺動アー
ム2、3を自由に回動できるからローラ21、31や油
圧シリンダ4を交換したり補修するなどのメンテナンス
上に優れた利点がある。
圧力を抽圧制御装置5によって0にすると、両揺動アー
ム2、3を自由に回動できるからローラ21、31や油
圧シリンダ4を交換したり補修するなどのメンテナンス
上に優れた利点がある。
【0019】
【発明の効果】本発明にかかるカム機構は以上に述べた
とおり、高速回転するカムの曲面から確実にその作動を
受けて直線運動体に伝達する。カムの曲面に多少の加工
誤差があっても必ずローラが追随し、カムの曲面上でロ
ーラが離れて躍動することはない。運動の変換において
は、直線運動体への伝達が完全な直線に変えて行なわ
れ、しかも従来のようにリンク機構の助けを借りる必要
もないから、がたつき、振動の防止上、好条件となり、
連結空間を小さくし装置の小形軽量化を図ることができ
るという効果もある。また、大型装置で直線運動体に大
きな負荷のかかる部材として使用されたときには、運転
トラブルによってカム機構に過負荷がかかる非常時に、
カム機構を緊急停止し装置の破壊を防止する機能を付加
することができる。このように本発明はカム、ローラ、
アーム、付勢力の各部材の組合わせによって従来技術を
遙かに凌駕する高速運転時の追従性を特徴の一面とする
と共に、カムの回転運動から直線運動に変換する過程に
おいて介入する誤差の排除も別の特徴として具え、この
二大要件が相俟ってこそ、初めて高級な高速大型重機械
への適用が最も有効な結果を招く根拠となる。したがっ
て本発明のカム機構は、大型の重機械に適用すると最も
その長所を生かすことができると言える。
とおり、高速回転するカムの曲面から確実にその作動を
受けて直線運動体に伝達する。カムの曲面に多少の加工
誤差があっても必ずローラが追随し、カムの曲面上でロ
ーラが離れて躍動することはない。運動の変換において
は、直線運動体への伝達が完全な直線に変えて行なわ
れ、しかも従来のようにリンク機構の助けを借りる必要
もないから、がたつき、振動の防止上、好条件となり、
連結空間を小さくし装置の小形軽量化を図ることができ
るという効果もある。また、大型装置で直線運動体に大
きな負荷のかかる部材として使用されたときには、運転
トラブルによってカム機構に過負荷がかかる非常時に、
カム機構を緊急停止し装置の破壊を防止する機能を付加
することができる。このように本発明はカム、ローラ、
アーム、付勢力の各部材の組合わせによって従来技術を
遙かに凌駕する高速運転時の追従性を特徴の一面とする
と共に、カムの回転運動から直線運動に変換する過程に
おいて介入する誤差の排除も別の特徴として具え、この
二大要件が相俟ってこそ、初めて高級な高速大型重機械
への適用が最も有効な結果を招く根拠となる。したがっ
て本発明のカム機構は、大型の重機械に適用すると最も
その長所を生かすことができると言える。
【図1】本発明実施例の斜視図(一部配管図)である。
【図2】(A)(B)によって本発明の運動変換装置の
作用を示す説明図である。
作用を示す説明図である。
【図3】従来技術を示す正面図である。
【図4】別の従来技術を示す正面図である。
【図5】さらに別の従来技術を示す正面図である。
1 回転軸 2 従揺動アーム 3 主揺動アーム 4 油圧シリンダ 5 油圧制御装置 6 直線運動体 11 従カム 12 主カム 21 従ローラ 22 支点軸 31 主ローラ 60 箱体 61 連結輪 62 円板 63 ピン 64 脚部 65 ガイド 66 案内孔 67 接続部(直線運動体)
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 25/16 F16H 25/00
Claims (1)
- 【請求項1】 1本の回転軸1へ位相をずらして取り付
けられた2枚のカム11、12と、それぞれのカムの曲
面に接触するローラ21,31を回転自在に軸支して揺
動する2本の揺動アーム2、3からなるカム機構におい
て、2本の揺動アームは1本の支点軸22を中心として
それぞれ回動する連結体を形成し、それぞれの一方の端
部には前記ローラ21,31を装着すると共に、支点軸
22を越えた他方の両揺動アーム間へ油圧シリンダ4を
制御自在に介装し、さらに揺動アーム3の端部を連結輪
61で形成し、該連結輪61の内側へ円板62を回転自
在に嵌入し、該円板の中心から偏心した位置の円孔へ回
転自在に嵌入したピン63を箱体60に支承し、該箱体
60の一端は直線用のガイドへ嵌合し、他端は直線運動
体6へ固定したことを特徴とするカム機構。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4280676A JP2830657B2 (ja) | 1992-09-24 | 1992-09-24 | カム機構 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4280676A JP2830657B2 (ja) | 1992-09-24 | 1992-09-24 | カム機構 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06109093A JPH06109093A (ja) | 1994-04-19 |
JP2830657B2 true JP2830657B2 (ja) | 1998-12-02 |
Family
ID=17628382
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4280676A Expired - Lifetime JP2830657B2 (ja) | 1992-09-24 | 1992-09-24 | カム機構 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2830657B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6652437B1 (en) * | 1999-12-28 | 2003-11-25 | Heidelberger Druckmaschinen Ag | Actuated product seizing element in a folder apparatus |
JP6606929B2 (ja) | 2015-09-04 | 2019-11-20 | ブラザー工業株式会社 | ミシン |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60180855U (ja) * | 1985-04-16 | 1985-11-30 | 株式会社 名南製作所 | カム装置 |
JPS6386461U (ja) * | 1986-11-27 | 1988-06-06 | ||
JPH0270332A (ja) * | 1988-08-31 | 1990-03-09 | Kobe Steel Ltd | カム機構の流体圧制御装置 |
-
1992
- 1992-09-24 JP JP4280676A patent/JP2830657B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06109093A (ja) | 1994-04-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN1265084C (zh) | 折叠导向杆斯特林发动机 | |
JP3768238B2 (ja) | 車両、特にレール車両のディスクブレーキのためのブレーキキャリパユニット | |
JP5265565B2 (ja) | ローラーミル | |
JP2001009741A (ja) | クランプ装置 | |
US6095507A (en) | Pneumatic clamp | |
JP2830657B2 (ja) | カム機構 | |
RU2104091C1 (ru) | Роликовый пресс | |
JPH11300545A (ja) | フローティング支持装置 | |
JP2016187858A (ja) | ロボットアーム固定装置およびロボット | |
JPWO2008029453A1 (ja) | 回転軸支持機構 | |
JP6552877B2 (ja) | 動力伝達ローラ | |
JP4244502B2 (ja) | トロイダル型無段変速機 | |
JPH02287511A (ja) | レーザスキャナの駆動装置 | |
JPH0265981A (ja) | 産業用ロボット | |
KR100356992B1 (ko) | 회전경사판형프레스 | |
JPH06106272A (ja) | トランスファープレスのオーバーロード防止装置 | |
JP2007071383A (ja) | 回転軸支持機構 | |
JPS622062A (ja) | 摩擦式無段変速機 | |
US4934205A (en) | Stepless speed change device | |
US12044274B2 (en) | Actuator device for a friction clutch | |
JPH0335458Y2 (ja) | ||
SU553571A1 (ru) | Механизм сканировани | |
JPS62205843A (ja) | ワイパのア−ム荷重制御装置 | |
US5875678A (en) | Power work arm with dual action shock absorber | |
KR900015999A (ko) | 브레이크 액츄에이터 |