JP2016187858A - ロボットアーム固定装置およびロボット - Google Patents

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村 伸 二 北
本 雅 人 山
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本 雅 人 山
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Koji Yoshino
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Abstract

【課題】ロボットの動作停止時に、ロボットアームが位置決めされた所定の位置から変位することを防止すること。【解決手段】本装置は、ロボットアーム2をその回転軸線周りに回転可能に支持するアーム支持部5に設けられた係止機構11と、回転軸線周りにロボットアーム2と一体に回転する回転部材12であって、係止機構11によって解放可能に係止されて回転方向の両方向において移動不能とされる回転部材12と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、ロボットアームを固定するためのロボットアーム固定装置および同装置を備えたロボットに関する。
産業用ロボットにおいては、例えば、サーボモータで構成された駆動源からの動力を、減速機を介してロボットアームに伝達してロボットアームを回転駆動する構成が採用されている。
サーボモータとしては、例えば、無励磁作動式電磁ブレーキ内蔵のサーボモータが使用される。このタイプのサーボモータを使用することにより、高速で動作するロボットアームを制動・停止させて高精度に位置決めしてその位置の保持を実現している(例えば、特許文献1)。
しかしながら、上述した従来のロボットにおいては、サーボモータからロボットアームに至る動力伝達経路において、減速機よりも上流側(サーボモータ側)に電磁ブレーキが配置されている。減速機は、その構造上、伝達機構に遊びが存在するので、電磁ブレーキによってサーボモータの出力軸を固定したとしても、減速機の伝達機構の遊び分(バックラッシュ相当分)は、ロボットアームの動作が許容される。
従って、電磁ブレーキを作動させてロボットアームが動作停止され位置決めされた後、例えばロボットアーム先端のエンドエフェクタに外力が作用した場合には、減速機のバックラッシュ相当分はロボットアームが押し込まれ、エンドエフェクタを所定の位置に保持することができない。
このため、エンドエフェクタを高い精度で位置決めしてその位置で確実に保持する必要がある場合には、従来のロボットでは対応できないことがあった。これは例えば、航空機の機体を製造する際のリベット打ち作業において問題になる可能性がある。
特開2007−252111
本発明は、上述した従来のロボットにおける問題点に鑑みなされたものであって、ロボットの動作停止時において、特にエンドエフェクタに大きな外力が作用した場合でも、位置決めされた所定の位置からロボットアームが変位することを防止できるロボットアーム固定装置および同装置を備えたロボットを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、ロボットアームを固定するためのロボットアーム固定装置であって、前記ロボットアームをその回転軸線周りに回転可能に支持するアーム支持部に設けられた係止機構と、前記回転軸線周りに前記ロボットアームと一体に回転する回転部材であって、前記係止機構によって解放可能に係止されて前記回転方向の両方向において移動不能とされる回転部材と、を備えたことを特徴とする。
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記回転部材は、前記回転方向に延在する係合面を有し、前記係止機構は、前記係合面に対して解放可能に係合する係合部を有する、ことを特徴とする。
本発明の第3の態様は、第2の態様において、前記回転部材の前記係合面は、円弧状に形成されている、ことを特徴とする。
本発明の第4の態様は、第2または第3の態様において、前記係止機構は、前記係合部を圧縮空気により駆動するための駆動手段を有する、ことを特徴とする。
本発明の第5の態様は、第1乃至第4のいずれかの態様において、前記回転部材は、前記ロボットアームの外面に取り付けられている、ことを特徴とする。
本発明の第6の態様によるロボットは、ロボットアームと、前記ロボットアームをその回転軸線周りに回転可能に支持するアーム支持部と、第1乃至第5のいずれかの態様に記載のロボットアーム固定装置と、を備えたことを特徴とする。
本発明の第7の態様は、第6の態様において、前記ロボットアームは、複数の回転軸線を有し、前記ロボットアーム固定装置は、前記複数の回転軸線のうちの少なくとも2つの回転軸線それぞれに対応して設けられている、ことを特徴とする。
本発明の第8の態様は、第6または第7の態様において、前記ロボットアームの駆動を制御するためのロボットコントローラをさらに備え、前記係止機構は、前記ロボットコントローラによって制御される、ことを特徴とする。
本発明の一実施形態によるロボットアーム固定装置を備えたロボットの模式斜視図である。 図1に示したロボットの主要部の構造概念図である。 図1に示したロボットの関節部およびその付近の構造概念図である。 図3におけるA部の拡大図である。 図1に示した実施形態の一変形例によるロボットアーム固定装置の拡大図である。 図1に示した実施形態の他の変形例に係るロボットアーム固定装置の拡大図である。 図6におけるB−B断面図である。
以下、本発明の一実施形態によるロボットアーム固定装置を備えたロボットについて、図面を参照して説明する。
図1に示したように本実施形態は、ロボットアーム固定装置11を、6軸多関節ロボット1の第1軸(JT1)、第2軸(JT2)および第3軸(JT3)に対応して装着したものである。なお、ロボットアーム固定装置11は、ロボットに作用する外力の大きさや方向に応じて、複数の軸のうちの一部の軸に取り付けてもよく、またすべての軸に取り付けることもでき、ロボットアーム固定装置11を取り付ける軸については、外力の大きさや方向、必要とされる位置決め・固定精度に応じて選択される。
図1に示したように、ロボットアーム固定装置11は、ロボットアーム2の外面、すなわちロボット1の機構外部に取り付けられるため、容易に取り付け又は取り外しが可能である。このため、関節部ないしアーム駆動機構の内部に設置される電磁ブレーキと異なり、交換等が容易であることに加え、常設とせずに必要に応じ取り付け又は取り外しが可能である点で、外力の大きさなどに臨機応変に対応が可能である。
図2に示したように、ロボットアーム2は、関節部ケーシング5によって回転軸線L周りに回転可能に支持されている。関節部ケーシング5の内部には、ロボットアーム2を回転駆動するためのアーム駆動機構3を構成するサーボモータ7および減速機8が配置されている。サーボモータ7は、その内部に電磁ブレーキ9を有する。
アーム駆動機構3を構成するサーボモータ7は、ロボットコントローラ10によって制御される。ロボットアーム固定装置11もまた、ロボットコントローラ10によって制御される。
図3は、本実施形態によるロボット1における第2軸(JT2)に取り付けたロボットアーム固定装置11の関節部付近の構造概念図である。また、図4は、図3におけるA部の詳細断面図であって、ロボット固定装置11の構造の詳細を示すものである。以下、これらの図面に基づいて、ロボットアーム固定装置11の構造の詳細および作動原理や機能を説明する。
なお、以下では、第2軸(JT2)の関節部や駆動部(機構)、第2軸駆動部に連結して駆動される第2ロボットアーム等を単に関節部や駆動部(機構)、ロボットアーム等と呼ぶことがある。
ロボットアーム固定装置11は、フランジ(回転部材)12および係止機構13その他の部材等から構成されている。
フランジ12は、第2軸の関節部に設けられているアーム駆動機構3によって回転駆動されるロボットアーム2の基底部4に、フランジ基底部20を介して取り付けられ、ロボットアーム2の回転に随伴してロボットアーム2と一体で回転する。なお、フランジ基底部20のロボットアーム2の基底部4への取り付けは、ボルトやネジ等(図示を省略)により行われる。
一方、係止機構13は、そのハウジング22から延在する係止機構基底部23を介して、関節部ケーシング(アーム支持部)5に設けられた取付座6に取り付けられ、ロボットアーム2が回転してもその回転には随伴せずに停止している。なお、係止機構基底部23の取付座6への取り付けは、ボルトやネジ等(図示を省略)により行われる。
係止機構13は、両側から中央部に向けて動作する一対のピストン(係合部)18を内包しており、これら一対のピストン18は、所定の間隙を持ってフランジ12の両側に配置されている。ピストン18は、それぞれ、フランジ12と反対側に設けられたダイヤフラム室16に圧縮空気導入系(図示を省略)から圧縮空気を導入することにより、ダイヤフラム15が変形し、これによりシリンダ21の内周面に沿ってシリンダ21の軸方向に移動(動作)してフランジ12の係合面12aに押し付けられる。その結果、フランジ12がピストン18によりロック(固定)される。
これにより、ロボットアーム2の動作がロック(固定)されるため、ロボットアーム2が回転する方向に外力を受けても、ロボットアーム2は変位しない。なお、ピストン18の押し付けによるフランジ12のロックの効果を高めるため、摩擦力向上のためにピストン18の表面には摩擦板(係合部)19が備えられている。
本実施形態においては、ダイヤフラム15を採用しているため、ピストンの受圧面積を大きく取れるので、大きな押し付け力の確保が可能であり、確実性の高い固定機構が実現できる。
また、本実施形態では、能動的な圧縮空気を駆動動力とした押し付け方式を採用しているため、フランジ12と両側のピストン18との間隙が異なっていても、原理的に両側のピストン18によるフランジ12への押し付け力は均等となる。フランジ12および係止機構13をロボット1の作業現場にてロボットオペレータ等が取り付けることを考慮すると、現実には、フランジ12とその両側のピストン13との間隙を正確に同一にするのは難しいことが多いと考えられる。この点、本実施形態によれば、現場におけるロボットアーム固定装置11の取り付け等の簡素化が図れるとともに、フランジ12の板厚を薄くすることが可能である。
なお、例えば、航空機の機体のリベット打ちのような作業の場合には、ロボット1のエンドエフェクタに専用リベット打ち装置又はリベットカシメ装置を取り付けて、かつ狭隘空間で作業する一方、作業の姿勢は、予め想定した特定のものとなる。このような作業に対して、ロボットアーム2は、予め想定した作業姿勢に対応した回転範囲に限定して固定できれば十分である。
そこで、本実施形態においては、図1に示すように、ロボットアーム固定装置11により固定できる領域を、予め想定される姿勢に対応する動作軸の回転範囲に限定することとして、フランジ12を円環ではなく、扇形(円弧状)としている。これにより、関節部付近をコンパクトとすることができ、作業対象の狭隘空間内へのロボット1の配置又はアクセスが可能となる。
シリンダ21の外周部には、バネ17が配置されている。ダイヤフラム室16に圧縮空気が供給されていない又は圧縮空気が抜かれた状態では、このバネ17の戻り力により、ピストン18はフランジ12から引き離され、シリンダ21内の両端に戻されている。
なお、バネの個数は、1つ以上であればよく、ピストン18又はシリンダ21の大きさ、必要とされるピストン18の戻り力などから適宜選定又は決定される。
次に、上記実施形態の一変形例によるロボットアーム固定装置11を図5に示す。
本変形例は、基本的に上記実施形態と同様であり、以下においては、主として上記実施形態と異なる部分を中心として説明し、図5における符号も基本的に上記実施形態に合わせて使用する。
本変形例実施形態に係るロボットアーム固定装置11は、上記実施形態におけるピストン18をフランジ12の一方のみとしたものである。
したがって、本変形例では、上記実施形態に比べ、係止機構13におけるピストン18、シリンダ21、バネ17等が基本的に半減し、圧縮空気供給系(管)等が簡素化する。なお、ピストン18のフランジ12への押し付け力が、上記実施形態では均等であったのに対して、本変形例では一方のみとなり不均等となるため、フランジ12の板厚を必要に応じ、厚くする。
次に、上記実施形態の他の変形例に係るロボットアーム固定装置11を図6に示す。また、図6における断面B−Bを図7に示す。
本変形例は、図5に示した上記変形例をさらに変形させたものであり、上記変形例におけるピストン18の移動ないし押し付けの方向を90度変更したものである。なお、本変形例においては、図7に示すように、ピストン18が押し付けられるフランジ12の表面が、関節部ケーシング5ないしアーム基底部4の円筒面にならって円形に湾曲しているので、その曲率半径の大きさによっては、摩擦板19のフランジ12への押し付け面をそれに応じた湾曲を持たせる必要がある。または、摩擦板19を小さな複数の小片に細分して、アーム基底部4の湾曲に沿わせて配置する。
また、本変形例においては、フランジ12とフランジ基底部20とが平行となるため、その間の空間を十分大きく確保できない場合であって、フランジ12とフランジ基底部20との間の空間においてフランジ基底部12をアーム基底部4と接続するためのボルトやネジの配置が困難である場合には、図7に示すように、フランジ基底部20の両端部をフランジ12の両端部より長く延長して、その延長部において、フランジ基底部20とアーム基底部4とを接続する。
なお、本変形例においては、前記の点を除いて、上記変形例と基本的に同様である。
上述した実施形態およびその変形例によれば、次の効果が実現できる。
ロボットアーム固定装置11は、回転駆動力の伝達機構、例えば減速機8を介さずにロボットアーム2を直接固定することができるので、大きな外力がロボットアーム2に作用しても、減速機8のバックラッシュ等の影響を受けずに、位置決めされたロボットアーム2の位置を高精度に維持することができる。
また、ロボットアーム固定装置11は、ロボットアーム2の動作の制動と停止のためのブレーキと独立してロボットアーム2を固定するものであり、ロボットアーム2の動作の制動と停止に使用されないので、基本的に摩耗がないことから、耐久性が向上し、保守の必要性もほとんどない。
また、ロボットアーム固定装置11は、ロボットアーム2を駆動する駆動機構3とは独立したものであるので、対象作業に応じて必要な場合にのみ取り付けることが可能であり、ロボット製造のコストダウンが図れるとともに、保守や点検も容易となり、内蔵ブレーキのような空間的制約がないため、大きな固定力が確保でき、ロボットアーム固定性能が大幅に向上できる。
また、予め想定する作業に対応した外力に対してロボットアーム2が固定できれば足りるので、フランジ(回転部材)12と係止機構13は、回転軸の全周に亘って設ける必要はなく、特定の部分にのみ設ければ十分である。このため、装置の大型化を抑止できるとともに、取り外しや取り付け等も容易となり、ロボットアーム固定装置11の重量の軽減も実現できる。
さらに、ロボット1がエンドエフェクタとして圧縮空気で作動する工具等を使用する場合には、エンドエフェクタ用圧空パイプを共通化できるので、ロボット周囲の配管取り回しが簡素化できる。また、受動的な機械力であるバネではなく、圧縮空気等の能動的な駆動動力を係止機構13の駆動動力として使用するため、係合力を制御することが可能であり、アーム固定の信頼性・確実性が向上する。
以上、本発明の一実施形態およびその変形例について説明したが、本発明は、それらに限定されるものではなく、適宜変形することができる。例えば、上記においてフランジとして説明された部材は、フランジに限定されるものではなく、ロボットアームに取り付けられてロボットアームの回転に随伴して一体に回転する部材(回転部材)であれば足り、例えばブロック状の部材でもよい。
また、係止機構は、圧縮空気を駆動動力とするものに限定されず、電動機構等を利用したものでもよく、さらに、上記においてピストンとして説明された部材は、ピストンに限定されるものではなく、回転部材に押し付けられ接触・固定する部材であれば足り、例えばリンク機構等でもよい。
1 ロボット
2 ロボットアーム
3 アーム駆動機構
4 アーム基底部
5 関節部ケーシング
6 取付座
7 サーボモータ
8 減速機
9 電磁ブレーキ
10 ロボットコントローラ
11 ロボットアーム固定装置
12 フランジ
12a フランジの係合面
13 係止機構
15 ダイヤフラム
16 ダイヤフラム室
17 バネ
18 ピストン(係合部)
19 摩擦板(係合部)
20 フランジ基底部
21 シリンダ
22 ハウジング
23 係止機構基底部
L 回転軸線

Claims (8)

  1. ロボットアームを固定するためのロボットアーム固定装置であって、
    前記ロボットアームをその回転軸線周りに回転可能に支持するアーム支持部に設けられた係止機構と、
    前記回転軸線周りに前記ロボットアームと一体に回転する回転部材であって、前記係止機構によって解放可能に係止されて前記回転方向の両方向において移動不能とされる回転部材と、を備えたロボットアーム固定装置。
  2. 前記回転部材は、前記回転方向に延在する係合面を有し、
    前記係止機構は、前記係合面に対して解放可能に係合する係合部を有する、請求項1記載のロボットアーム固定装置。
  3. 前記回転部材の前記係合面は、円弧状に形成されている、請求項2記載のロボットアーム固定装置。
  4. 前記係止機構は、前記係合部を圧縮空気により駆動するための駆動手段を有する、請求項2または3に記載のロボットアーム固定装置。
  5. 前記回転部材は、前記ロボットアームの外面に取り付けられている、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のロボットアーム固定装置。
  6. ロボットアームと、
    前記ロボットアームをその回転軸線周りに回転可能に支持するアーム支持部と、
    請求項1乃至5のいずれか一項に記載のロボットアーム固定装置と、を備えたロボット。
  7. 前記ロボットアームは、複数の回転軸線を有し、
    前記ロボットアーム固定装置は、前記複数の回転軸線のうちの少なくとも2つの回転軸線それぞれに対応して設けられている、請求項6記載のロボット。
  8. 前記ロボットアームの駆動を制御するためのロボットコントローラをさらに備え、
    前記係止機構は、前記ロボットコントローラによって制御される、請求項6または7に記載のロボット。
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