JP2829442B2 - 3−オキソ−1,4−ベンゾチアジン誘導体 - Google Patents

3−オキソ−1,4−ベンゾチアジン誘導体

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JP2829442B2
JP2829442B2 JP50704294A JP50704294A JP2829442B2 JP 2829442 B2 JP2829442 B2 JP 2829442B2 JP 50704294 A JP50704294 A JP 50704294A JP 50704294 A JP50704294 A JP 50704294A JP 2829442 B2 JP2829442 B2 JP 2829442B2
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洋一 河嶋
淳稔 太田
寛之 壬生
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Santen Pharmaceutical Co Ltd
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Santen Pharmaceutical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、蛋白安定化作用および脂質過酸化物生成抑
制作用を有し、白内障治療剤等の医薬として有用な新規
3−オキソ−1,4−ベンゾチアジン誘導体に関する。
背景技術 白内障は、水晶体が懸濁し視力を失う難治性眼疾患で
ある。白内障の発症要因、機序およびその治療法等につ
いては古くから種々研究されているものの、効果的な薬
物は非常に少ないのが現状である。
水晶体中の過酸化物の増加が白内障の発症に関係する
といわれており、脂質過酸化物生成抑制作用を有する化
合物が白内障に有効であると報告されている(Current
Eye Res.,5,37(1986)。また、白内障患者では水晶体
中の蛋白の変性がみられることも報告されている(眼科
19,1283(1977))。
これらのことから、脂質過酸化物生成抑制作用と蛋白
安定化作用とを併せ持つ化合物が白内障に特に有用であ
ると考えられる。しかしながら、この2つの作用を併せ
持つ化合物に関する研究については未だ行なわれておら
ず、このような化合物の開発が望まれていた。
そこで、本発明者等は脂質過酸化物生成抑制作用と蛋
白安定化作用とを併せ持つ化合物を見い出すべく鋭意検
討を行なった結果、2位がベンジリデン基で、4位がカ
ルボキシアルキル基で置換された3−オキソ−1,4−ベ
ンゾチアジン化合物であって、ベンジリデン基のフェニ
ル環がさらにヒドロキシ基と低級アルキル基で置換され
た化合物が脂質過酸化物生成抑制作用と蛋白安定化作用
の2つの作用を併せ持っていることを見い出した。
本発明化合物の基本骨格である3−オキソ−1,4−ベ
ンゾチアジン誘導体の2位にベンジリデン基を有する化
合物は、除草剤(アメリカ特許第3923709号)、トラン
キライザー(特公昭49−10671)やベンゾチアゼピン誘
導体の合成中間体となること(特開昭60−72875)が報
告されているが、これらの公知文献に開示されている化
合物と本発明化合物との化学構造が異なっているのは無
論のこと、これらの公知文献は蛋白安定化作用や脂質過
酸化物生成抑制作用について何ら開示していない。
また、特開平1−287077には活性酸素消去作用や脂質
過酸化物生成抑制作用を有する2−ベンジリデン−3−
オキソ−1,4−ベンゾチアジン誘導体が開示されている
が、4位の置換基としては低級アルキル基が開示されて
いるのみで、また蛋白安定化作用については何ら記載が
ない。
一方、白内障治療剤として近年アルドースリダクター
ゼ阻害剤が注目されているが、本発明化合物はアルドー
スリダクターゼ阻害作用も併せ持ち、白内障治療剤とし
ての有用性は非常に高いものである。
発明の開示 本発明は下記一般式[I]で表わされる化合物または
その塩類に関する。
[式中、R1はヒドロキシ基、低級アルカノイルオキシ
基、低級アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホ
ニルオキシ基、低級アルコキシメチルオキシ基、ベンゾ
イルオキシ基、ベンジルオキシメチルオキシ基、テトラ
ヒドロピラニルオキシ基またはトリメチルシリルオキシ
基を示す。
R2は低級アルキル基を示す。
R3は水素原子、低級アルキル基、ヒドロキシ基、低級ア
ルカノイルオキシ基、低級アルキルスルホニルオキシ
基、アリールスルホニルオキシ基、低級アルコキシメチ
ルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、ベンジルオキシメチ
ルオキシ基、テトラヒドロピラニルオキシ基、トリメチ
ルシリルオキシ基または低級アルコキシ基を示し、該低
級アルキル基はヒドロキシ基、低級アルカノイルオキシ
基、低級アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホ
ニルオキシ基、低級アルコキシメチルオキシ基、ベンゾ
イルオキシ基、ベンジルオキシメチルオキシ基、テトラ
ヒドロピラニルオキシ基、トリメチルシリルオキシ基、
アミノ基または低級アルキルアミノ基で置換されていて
もよい。
R4はカルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基、ア
リール低級アルコキシカルボニル基、アミノカルボニル
基、低級アルキルアミノカルボニル基またはアリール低
級アルキルアミノカルボニル基を示す。
Aはアルキレン基を示す。以下同じ。] 上記で規定した基をさらに詳しく説明すると、低級ア
ルキル基とはメチル、エチル、プロピル、ヘキシル、イ
ソプロピル、tert.−ブチル、(ジメチル)エチル等の
1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝のアルキル
基を示す。
低級アルコキシ基とはメトキシ、エトキシ、プロポキ
シ、ヘキシルオキシ、イソプロポキシ、tert.−ブトキ
シ等の1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝のア
ルコキシ基を示す。
アルキレン基とはメチレン、エチレン、プロピレン、
テトラメチレン、ヘプタメチレン、デカメチレン、(ジ
メチル)メチレン、(ジエチル)メチレン等の1〜10個
の炭素原子を有するアルキレン基を示す。
低級アルカノイルオキシ基とは、アセチルオキシ基、
プロピオニルオキシ基、ピバロイルオキシ基等を示す。
低級アルキルスルホニルオキシ基とは、メタンスルホニ
ルオキシ基等を示す。アリールスルホニルオキシ基と
は、フェニルスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホ
ニルオキシ基等を示す。低級アルコキシメチルオキシ基
とは、メトキシメチルオキシ基等を示す。
低級アルコキシカルボニル基とは、メトキシカルボニ
ル基、エトキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニ
ル基、ブトキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニ
ル基等を示す。アリール低級アルコキシカルボニル基と
は、ベンジルオキシカルボニル基等を示す。低級アルキ
ルアミノカルボニル基とは、メチルアミノカルボニル
基、ジメチルアミノカルボニル基、エチルアミノカルボ
ニル基等を示す。アリール低級アルキルアミノカルボニ
ル基とは、ベンジルアミノカルボニル基等を示す。
本発明化合物は塩基と塩を形成することもできる。医
薬として許容される塩の例としてナトリウム、カリウ
ム、カルシウム等のアルカリ金属またはアルカリ土類金
属との塩、アンモニウム塩、ジエチルアミン、トリエタ
ノールアミン塩等の有機アミンとの塩が挙げられる。
本発明化合物の代表的な合成法としては、下記の1)
と2)が挙げられる。
[式中、Xはハロゲン原子、アルキルスルホニル基また
はアリールスルホニル基を示す。] 上記式[II]で表わされる化合物と式[III]で表わ
される化合物とを塩基および脱水剤の存在下で反応させ
ることにより、式[IV]で表わされる化合物が得られ
る。次いで、式[IV]で表わされる化合物と式[V]で
表わされる化合物とを塩基の存在下で反応させることに
より、式[I]で表わされる本発明化合物が得られる。
尚、式[IV]で表わされる化合物は特開平1−287077記
載の方法に準じて合成することもできる。
上記式[VI]と、式[III]で表わされる化合物とを
塩基の存在下で反応させることにより、式[VII]で表
わされる化合物が得られる。次に、この化合物を脱水さ
せることにより、一般式[I]で表わされる本発明化合
物を得ることができる。尚、式[VI]で表わされる化合
物はRaj Nandan Prasadらの方法(Can.J.Chem.,44,1247
(1966))に準じて合成することができる。
ベンジリデン基のフェニル環に置換したヒドロキシ基
は、反応の前または後に、汎用される方法に従って、前
述した保護基により保護してもよく、その保護基は汎用
される方法により脱離させることができる。
ベンゾチアジンの4位に置換したカルボキシル基は、
汎用される方法を用いて反応の前または後にエステルや
アミドに変換することができる。
逆に、エステルやアミドは、汎用される方法を用いて
加水分解させ、カルボン酸とすることができる。
上記の方法によって得られた化合物は、常法により前
述のような塩類としてもよい。
尚、本発明化合物には立体異性体や光学活性体も存在
するが、それらはいずれも本発明に包含される。例え
ば、本発明化合物はベンジリデン基を有するのでZ−体
とE−体が存在するが、本発明はそれらを全て包含する
ものである。
脂質過酸化物生成抑制作用と蛋白安定化作用とを併せ
持つ化合物が白内障に特に有用であると考えられるが、
この2つの作用を併せ持つ化合物に関する研究について
は未だ行なわれておらず、このような化合物の開発が望
まれていた。
本発明者等は、2位にベンジリデン基が置換した3−
オキソ−1,4−ベンゾチアジン誘導体が脂質過酸化物生
成抑制作用を有するとの情報(特開平1−287077)を基
に、2−ベンジリデン−3−オキソ−1,4−ベンゾチア
ジンを骨格とし、上記の課題を解決するべく検討を開始
した。
まず、本発明者等はヒドロキシ基とtert.−ブチル基
を置換基として有するトルエン誘導体が抗酸化作用を有
することに着目した。抗酸化剤は脂質の過酸化物生成を
抑制する効果があるので、ベンジリデン基のフェニル環
にアルキル基やヒドロキシ基等の各種置換基を導入し、
脂質過酸化物生成抑制効果に対する置換基の役割につい
て検討した。その結果、ベンジリデン基のフェニル環に
ヒドロキシ基と低級アルキル基を導入することにより、
優れた脂質過酸化物生成抑制作用を有する化合物が得ら
れることがわかった。しかしながら、2−ベンジリデン
−3−オキソ−1,4−ベンゾチアジンの4位が低級アル
キル基で置換された化合物は、もう一つの課題である蛋
白安定化作用を有しておらず、4位の置換基が蛋白安定
化作用に大きな影響を及ぼすことがわかった。
そこで、1,4−ベンゾチアジンの4位に種々の置換基
を有する新規化合物を合成し、蛋白安定化作用を有する
化合物を見い出すべく検討した結果、4位にカルボキシ
アルキル基を導入すると蛋白安定化作用を示すことを見
い出した。
これらの知見より、2−ベンジリデン−3−オキソ−
1,4−ベンゾチアジンの4位がカルボキシルアルキル基
で置換され、さらにベンジリデン基のフェニル環がヒド
ロキシ基と低級アルキル基で置換された時に初めて脂質
過酸化物生成抑制作用と蛋白安定化作用とを併せ持つこ
とを見い出した。
すなわち、本発明化合物の基本的構成要件は、3−オ
キソ−1,4−ベンゾチアジンの4位がカルボキシアルキ
ル基で置換され、2位がベンジリデン基で置換され、さ
らにそのベンジリデン基のフェニル環が少なくとも一つ
のヒドロキシ基と一つの低級アルキル基を有することに
ある。ところで、医薬品として用いられる化合物におい
ては、生体内における吸収促進、持続性向上等を目的と
するプロドラッグ化や、製剤化する上での安定化等を目
的として、カルボン酸のエステル化、ヒドロキシ基の適
切な保護基による保護等の技術が汎用されており、さら
には製造手段として、すなわち合成中間体としてそれら
の誘導体を用いる技術も汎用されている。従って、本発
明においてもヒドロキシ基はヒドロキシ基の保護基とし
て汎用されている保護基で保護されていてもよく、ま
た、カルボキシアルキル基のカルボキシル基はカルボン
酸の汎用誘導体であるエステルやアミドの形に変換され
ていてもよい。
本発明化合物の構造的特徴は上記のとおりであるが、
その中でもベンジリデン基のフェニル環の置換基に関し
て好ましい例を述べると、ヒドロキシ基が4位に位置す
るのが好ましく、さらにヒドロキシ基の少なくとも一方
の隣接位置に低級アルキル基が置換されているのが好ま
しい。すなわち、低級アルキル基が3位に置換している
か、3位と5位の両方に置換している化合物が好まし
い。また、低級アルキル基についてはメチル基またはte
rt.−ブチル基がより好適な例である。
本発明化合物の作用効果を調べるため、まず最初に牛
血清アルブミンを用いて蛋白安定化作用を調べる実験を
行なった。
詳細については薬理試験の項で示すが、本発明化合物
が優れた蛋白安定化作用を有するのに対し、本発明化合
物と同じ基本骨格を有するが置換基の異なる化合物、す
なわち4位の置換基が低級アルキルである特開平1−28
7077記載の1,4−ベンゾチアジン誘導体には蛋白安定化
作用がみられなかった。
次に、本発明化合物の脂質過酸化物生成抑制作用を調
べるため、ラット肝ミクロゾームを用いて実験を行なっ
た。その結果、本発明化合物が優れた脂質過酸化物生成
抑制作用を有することがわかった。
これらの結果から、本発明化合物が脂質過酸化物生成
抑制作用と蛋白安定化作用とを併せ持っており、抗白内
障剤として有用であることがわかった。
また、蛋白安定化作用や脂質過酸化物生成抑制作用を
有する化合物は抗炎症剤となることも報告されており
(Lancet,2,443(1966)、本発明化合物は抗炎症剤とし
ても有用であると期待される。
さらに、本発明化合物は加藤等の文献(Chem.Pharm.B
ull.,33(1)74−83(1985))に従って実験を行なっ
た結果、アルドースリダクターゼ阻害作用をも有するこ
とがわかった。この知見は、本発明化合物が白内障治療
剤として優れたものであることをさらに裏付けるもので
あり、また糖尿病合併症の治療剤としても期待されるこ
とを示している。
本発明化合物は経口でも、非経口でも投与することが
できる。投与剤型としては、錠剤、カプセル剤、顆粒
剤、散剤、注射剤、点眼剤などが挙げられ、汎用されて
いる技術を用いて製剤化することができる。例えば、錠
剤、カプセル剤、軟カプセル剤、顆粒剤等の経口剤は、
必要に応じて、乳糖、デンプン、結晶セルロース、植物
油等の増量剤、ステアリン酸マグネシウム、タルク等の
滑沢剤、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピ
ロリドン等の結合剤、カルボキシメチルセルロースカル
シウム等の崩壊剤、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
ス等のコーティング剤等を用いて製剤化することができ
る。また、点眼剤であれば、塩化ナトリウム等の等張化
剤、リン酸ナトリウム等の緩衝化剤、ポリソルベート80
等の可溶化剤、塩化ベンザルコニウム等の防腐剤等を用
いて製剤化することができる。
投与量は症状、年令、剤型等により適宜選択できる
が、経口剤であれば通常1日1〜5000mgを1回または数
回に分け投与することができる。また、点眼剤であれば
0.001%〜5%のものを1日1〜数回点眼すればよい。
以下に、本発明化合物の製造例および製剤例を示すが
これらの例は本発明をよりよく理解するためのものであ
り、本発明の範囲を限定するものではない。
[実施例] 参考例1 2−(4−アセトキシ−3,5−ジメチルベンジリデン)
−3,4−ジヒドロ−3−オキソ−2H−1,4−ベンゾチアジ
ン(参考化合物1−1) 3,4−ジヒドロ−3−オキソ−2H−1,4−ベンゾチアジ
ン(4.0g)および3,5−ジメチル−4−ヒドロキシベン
ズアルデヒド(3.64g)の無水酢酸(114.2ml)懸濁液に
トリエチルアミン(33.74ml)を加え、窒素雰囲気下19
時間還流する。反応液を1N塩酸中に入れた後、酢酸エチ
ルで抽出する。有機層を1N水酸化ナトリウム水溶液およ
び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減
圧濃縮する。得られる油状物をシリカゲルカラムクロマ
トで精製し、標記化合物1.3g(16%)を結晶として得
る。
m.p.231〜234℃ IR(KBr,cm-1):3177,3036,2978,1751,1665,1592,1571,
1488,1437,1427,1370,1229,1206,1142,1045 参考例1と同様の方法を用いて以下の化合物が得られ
る。
・2−(4−アセトキシ−3−tert.−ブチルベンジリ
デン)−3,4−ジヒドロ−3−オキソ−2H−1,4−ベンゾ
チアジン(参考化合物1−2) m.p.230〜233℃ IR(KBr,cm-1):3176,3102,3043,2959,1760,1654,1590,
1485,1453,1426,1367,1284,1221,1188,1084 ・2−(4−アセトキシ−3−メトキシ−5−メチルベ
ンジリデン)−3,4−ジヒドロ−3−オキソ−2H−1,4−
ベンゾチアジン(参考化合物1−3) m.p.230〜231℃ IR(KBr,cm-1):3176,3037,2977,1759,1665,1592,1488,
1462,1426,1373,1338,1280 参考例2 2−(5−tert.−ブチル−3−ジメチルアミノメチル
−4−ヒドロキシベンジリデン)−3,4−ジヒドロ−3
−オキソ−2H−1,4−ベンゾチアジン(参考化合物2−
1) 1)2−(4−アセトキシ−3−tert.−ブチルベンジ
リデン)−3,4−ジヒドロ−3−オキソ−2H−1,4−ベン
ゾチアジン(参考化合物1−2,0.31g)をテトラヒドロ
フラン(12ml)およびメタノール(3ml)の混液に溶解
し、氷冷下、水酸化リチウム(0.18g)の水溶液(8ml)
を滴下する。反応液を10分間撹拌した後、1N塩酸中に入
れ、酢酸エチルで抽出する。有機層を飽和食塩水で洗浄
し、無水硫酸ナトリウムで乾燥する。溶媒を減圧濃縮
し、2−(3−tert.−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
リデン)−3,4−ジヒドロ−3−オキソ−2H−1,4−ベン
ゾチアジン0.25g(91%)を結晶として得る。
m.p.239〜241℃ IR(KBr,cm-1):3161,3094,3032,2956,1639,1584,1500,
1482,1420,1375 2)37%ホルムアルデヒド水溶液(0.09g)、40%ジメ
チルアミン水溶液(0.13g)およびエタノール(10ml)
の混液に2−(3−tert.−ブチル−4−ヒドロキシベ
ンジリデン)−3,4−ジヒドロ−3−オキソ−2H−1,4−
ベンゾチアジン(0.25g)のエタノール(5ml)溶液を加
え、4時間還流する。析出した結晶を濾取し、標記化合
物0.21g(71%)を得る。
m.p.223〜227℃ IR(KBr,cm-1):3176,3043,2957,1660,1590,1569,1487,
1469,1445,1426,1407,1365,1306,1290 参考例3 2−[5−tert.−ブチル−3−[1,1−ジメチル−2−
(テトラヒドロピラン−2−イルオキシ)エチル]−4
−ヒドロキシ−α−(テトラヒドロピラン−2−イルオ
キシ)ベンジル]−3,4−ジヒドロ−3−オキソ−2H−
1,4−ベンゾチアジン(参考化合物3−1) 1)ジイソプロピルアミン(3.8ml)のテトラヒドロフ
ラン(20ml)溶液に、ドライアイス−メタノール冷却
下、アルゴン雰囲気中でn−ブチルリチウムのn−ヘキ
サン溶液(1.6M,17.1ml)を加え30分間撹拌する。ドラ
イアイス−メタノール冷却下、反応液に3,4−ジヒドロ
−3−オキソ−2H−1,4−ベンゾチアジン(1.13g)のテ
トラヒドロフラン(50ml)溶液およびヘキサメチルホス
ホラミド(8ml)を撹拌しながら滴下し、15分間撹拌す
る。次いで、反応液に3−tert.−ブチル−5−(1,1−
ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシベ
ンズアルデヒド(1.71g)のテトラヒドロフラン(15m
l)溶液を加え、1.5時間撹拌する。反応液に塩化アンモ
ニウム水溶液を加えた後、酢酸エチルで抽出する。有機
層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥
後、減圧濃縮する。得られる油状物をシリカゲルカラム
クロマトで精製し、エリスロ−2−[5−tert.−ブチ
ル−3−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−
α,4−ジヒドロキシベンジル]−3,4−ジヒドロ−3−
オキソ−2H−1,4−ベンゾチアジン1.63g(7.3%)を得
る。
IR(KBr,cm-1):2963,1676,1586,1481,1298,1197,985,7
52 2)エリスロ−2−[5−tert.−ブチル−3−(1,1−
ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−α,4−ジヒドロキ
シベンジル]−3,4−ジヒドロ−3−オキソ−2H−1,4−
ベンゾチアジン(0.029gの塩化メチレン(1ml)溶液
に、ジヒドロピラン(0.024g)のテトラヒドロフラン
(2.3ml)溶液およびピリジニウムp−トルエンスルフ
ォネート(0.004g)を加え、1日還流する。反応液に飽
和食塩水を加えた後、塩化メチレンで抽出する。有機層
を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮する。得られ
る油状物をシリカゲルカラムクロマトで精製し、標記化
合物0.026g(62.7%)を得る。
IR(Film,cm-1):3248,2948,2247,1674,1586,1480,143
5,1388,1355,1203,1120,1059,1034,910 実施例1 2−(3,5−ジ−tert.−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
リデン)−3,4−ジヒドロ−4−エトキシカルボニルメ
チル−3−オキソ−2H−1,4−ベンゾチアジン(化合物
1−1) 2−(3,5−ジ−tert.−ブチル−4−ヒドロキシベン
ジリデン)−3,4−ジヒドロ−3−オキソ−2H−1,4−ベ
ンゾチアジン(0.5g)のテトラヒドロフラン(7ml)溶
液に氷−塩化ナトリウム冷却下、n−ブチルリチウムの
n−ヘキサン溶液(1.6M,1.64ml)を撹拌しながら滴下
する。この溶液にブロモ酢酸エチル(0.15ml)のテトラ
ヒドロフラン(2ml)溶液を滴下した後、室温で一晩撹
拌する。反応液を飽和塩化アンモニウム水溶液中に入れ
た後、酢酸エチルで抽出する。有機層を無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥後減圧濃縮する。得られる油状物をシリカゲ
ルカラムクロマトで精製し、標記化合物0.36g(58.1
%)を得る。
IR(KBr,cm-1):3620,2957,1750,1649,1590,1486,1421,
1363,1197,1021,747 実施例1と同様の方法を用いて以下の化合物が得られ
る。
・2−(3,5−ジ−tert.−ブチル−4−ヒドロキシベン
ジリデン)−3,4−ジヒドロ−4−メトキシカルボニル
メチル−3−オキソ−2H−1,4−ベンゾチアジン(化合
物1−2) m.p.158〜160℃ IR(KBr,cm-1):3606,2959,1763,1747,1634,1590,1570,
1486,1434,1368,1207,1142,763 ・4−ブトキシカルボニルメチル−2−(3,5−ジ−ter
t.−ブチル−4−ヒドロキシベンジリデン)−3,4−ジ
ヒドロ−3−オキソ−2H−1,4−ベンゾチアジン(化合
物1−3) m.p.143〜144℃ IR(KBr,cm-1):3605,2959,1754,1738,1642,1590,1568,
1488,1434,1363,1266,1208,1142,756 ・2−(3,5−ジ−tert.−ブチル−4−ヒドロキシベン
ジリデン)−3,4−ジヒドロ−4−(3−エトキシカル
ボニルプロピル)−3−オキソ−2H−1,4−ベンゾチア
ジン(化合物1−4) IR(Film,cm-1):3624,2959,1731,1644,1589,1485,144
2,1373,1209,750 ・2−(3,5−ジ−tert.−ブチル−4−ヒドロキシベン
ジリデン)−3,4−ジヒドロ−4−(7−メトキシカル
ボニルヘプチル)−3−オキソ−2H−1,4−ベンゾチア
ジン(化合物1−5) IR(Film,cm-1):3626,2952,1732,1644,1589,1484,144
3,1372,1210,751 ・2−(3,5−ジ−tert.−ブチル−4−メタンスルホニ
ルオキシベンジリデン)−3,4−ジヒドロ−4−エトキ
シカルボニルメチル−3−オキソ−2H−1,4−ベンゾチ
アジン(化合物1−6) ・2−(4−アセトキシ−3,5−ジメチルベンジリデ
ン)−3,4−ジヒドロ−4−エトキシカルボニルメチル
−3−オキソ−2H−1,4−ベンゾチアジン(化合物1−
7) m.p.83〜85℃ IR(KBr,cm-1):3058,2973,1742,1642,1590,1557,1491,
1444,1422,1366,1316,1290,1267 ・2−(4−アセトキシ−3−メトキシ−5−メチルベ
ンジルデン)−3,4−ジヒドロ−4−エトキシカルボニ
ルメチル−3−オキソ−2H−1,4−ベンゾチアジン(化
合物1−8) IR(Film,cm-1):3478,2982,1748,1650,1592,1487,144
7,1416,1368,1324 ・2−(4−アセトキシ−3−tert.−ブチルベンジリ
デン)−3,4−ジヒドロ−4−エトキシカルボニルメチ
ル−3−オキソ−2H−1,4−ベンゾチアジン(化合物1
−9) IR(Film,cm-1):2960,2870,1752,1654,1591,1487,144
7,1419,1395,1368,1324 ・2−(5−tert.−ブチル−3−ジメチルアミノメチ
ル−4−ヒドロキシベンジリデン)−3,4−ジヒドロ−
4−エトキシカルボニルメチル−3−オキソ−2H−1,4
−ベンゾチアジン(化合物1−10) IR(Film,cm-1):2953,1749,1650,1589,1446,1361,130
9,1286,1264,1202,1138,1021 ・2−[5−tert.−ブチル−3−(1,1−ジメチル−2
−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシベンジリデン]
−3,4−ジヒドロ−4−エトキシカルボニルメチル−3
−オキソ−2H−1,4−ベンゾチアジン(化合物1−11) IR(Film,cm-1):3408,3118,2960,1746,1632,1588,148
5,1422,1327,1266,1203,909,733 実施例2 4−カルボキシメチル−2−(3,5−ジ−tert.−ブチル
−4−ヒドロキシベンジリデン)−3,4−ジヒドロ−3
−オキソ−2H−1,4−ベンゾチアジン(化合物2−1) 2−(3,5−ジ−tert.−ブチル−4−ヒドロキシベン
ジリデン)−3,4−ジヒドロ−4−エトキシカルボニル
メチル−3−オキソ−2H−1,4−ベンゾチアジン(化合
物1−1,0.31g)をテトラヒドロフラン(40ml)および
メタノール(10ml)の混液に溶解し、水酸化リチウム1
水和物(1.39g)の水溶液(25ml)を加え、5〜10℃で
2.5時間撹拌する。反応液に6N塩酸(6.5ml)を加えて酸
性とした後、減圧濃縮し、酢酸エチルで抽出する。有機
層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥
後、減圧濃縮して標記化合物0.19g(65.2%)を得る。
m.p.219〜221℃(n−ヘキサン−ジイソプロピルエー
テル) IR(KBr,cm-1):3611,3081,2958,1729,1622,1588,1559,
1492,1420,1365,1316,1270,1206,1183,1142,750 実施例2と同様の方法を用いて以下の化合物が得られ
る。
・4−(3−カルボキシプロピル)−2−(3,5−ジ−t
ert.−ブチル−4−ヒドロキシベンジリデン)−3,4−
ジヒドロ−3−オキソ−2H−1,4−ベンゾチアジン(化
合物2−2) m.p.162〜163℃(ジイソプロピルエーテル) IR(KBr,cm-1):3615,3197,2951,1732,1622,1589,1488,
1436,1377,1263,1194,1163,751 ・4−(7−カルボキシヘプチル)−2−(3,5−ジ−t
ert.−ブチル−4−ヒドロキシベンジリデン)−3,4−
ジヒドロ−3−オキソ−2H−1,4−ベンゾチアジン(化
合物2−3) m.p.143〜144℃(ジイソプロピルエーテル) IR(KBr,cm-1):3558,2952,1708,1641,1592,1482,1434,
1369,1314,1211,1114,754 ・2−(5−tert.−ブチル−3−ジメチルアミノメチ
ル−4−ヒドロキシベンジリデン)−4−カルボキシメ
チル−3,4−ジヒドロ−3−オキソ−2H−1,4−ベンゾチ
アジン(化合物2−4) m.p.167〜171℃(dec.,ヘキサン−酢酸エチル) IR(KBr,cm-1):2954,2783,2706,1736,1630,1591,1485,
1446,1424,1364,1326,1304,1285,1262,1188 実施例3 4−カルバモイルメチル−2−(3,5−ジ−tert.−ブチ
ル−4−ヒドロキシベンジリデン)−3,4−ジヒドロ−
3−オキソ−2H−1,4−ベンゾチアジン(化合物3−
1) 2−(3,5−ジ−tert.−ブチル−4−ヒドロキシベン
ジリデン)−3,4−ジヒドロ−4−エトキシカルボニル
メチル−3−オキソ−2H−1,4−ベンゾチアジン(化合
物1−1,0.4g)をアンモニアのメタノール溶液(17.85
N,15ml)に溶解し、0.1N塩酸のメタノール溶液(3ml)
を加え、封管中で80℃4日間撹拌する。反応液を減圧濃
縮後、希塩酸を加え、酢酸エチルで抽出する。有機層を
無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮する。得られる
油状物をシリカゲルカラムクロマトで精製し、標記化合
物0.14g(37.3%)を得る。
m.p.137〜144℃(ジイソプロピルエーテル−ベンゼ
ン) IR(KBr,cm-1):3590,3463,3305,3187,2958,1647,1590,
1485,1421,1198,1114,748,679 実施例3と同様の方法を用いて以下の化合物が得られ
る。
・2−(3,5−ジ−tert.−ブチル−4−ヒドロキシベン
ジリデン)−3,4−ジヒドロ−4−(N−メチルカルバ
モイルメチル)−3−オキソ−2H−1,4−ベンゾチアジ
ン(化合物3−2) ・2−(3,5−ジ−tert.−ブチル−4−ヒドロキシベン
ジリデン)−3,4−ジヒドロ−4−(N,N−ジメチルカル
バモイルメチル)−3−オキソ−2H−1,4−ベンゾチア
ジン(化合物3−3) ・4−(N−ベンジルカルバモイルメチル)−2−(3,
5−ジ−tert.−ブチル−4−ヒドロキシベンジリデン)
−3,4−ジヒドロ−3−オキソ−2H−1,4−ベンゾチアジ
ン(化合物3−4) 実施例4 2−(3,5−ジ−tert.−ブチル−4−メトキシメトキシ
ベンジリデン)−3,4−ジヒドロ−4−エトキシカルボ
キシメチル−3−オキソ−2H−1,4−ベンゾチアジン
(化合物4−1) 水素化ナトリウムの60%鉱油懸濁物(0.03g)をジメ
チルホルムアミド(1ml)に懸濁させた後、2−(3,5−
ジ−tert.−ブチル−4−ヒドロキシベンジリデン)−
3,4−ジヒドロ−4−エトキシカルボニルメチル−3−
オキソ−2H−1,4−ベンゾチアジン(化合物1−1,0.35
g)のジメチルホルムアミド(3ml)溶液を撹拌しながら
加える。窒素雰囲気下で10分間撹拌した後、クロロメチ
ルエーテル(0.3ml)のジメチルホルムアミド(1ml)溶
液を加える。50℃で4時間撹拌した後、反応液に水を加
え、酢酸エチルで抽出する。有機層を無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥後、減圧濃縮する。得られる油状物をシリカゲ
ルカラムクロマトで精製し、標記化合物を得る。
実施例4と同様の方法を用いて以下の化合物が得られ
る。
・2−(4−ベンジルオキシメトキシ−3,5−ジ−tert.
−ブチルベンジリデン)−3,4−ジヒドロ−4−エトキ
シカルボキシメチル−3−オキソ−2H−1,4−ベンゾチ
アジン(化合物4−2) 実施例5 2−(3,5−ジ−tert.−ブチル−4−トリメチルシリル
オキシベンジリデン)−3,4−ジヒドロ−4−エトキシ
カルボニルメチル−3−オキソ−2H−1,4−ベンゾチア
ジン(化合物5−1) 2−(3,5−ジ−tert.−ブチル−4−ヒドロキシベン
ジリデン)−3,4−ジヒドロ−4−エトキシカルボニル
メチル−3−オキソ−2H−1,4−ベンゾチアジン(化合
物1−1,0.53g)のジメチルホルムアミド(10ml)溶液
に1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン(1.7ml)とク
ロロトリメチルシラン(1.4ml)を加え3日間還流す
る。反応液に水を加えた後、エーテルで抽出する。有機
層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮する。得ら
れる油状物をシリカゲルカラムクロマトで精製し、標記
化合物を得る。
実施例6 2−(4−アセトキシ−3,5−ジ−tert.−ブチルベンジ
リデン)−3,4−ジヒドロ−4−メトキシカルボニルメ
チル−3−オキソ−2H−1,4−ベンゾチアジン(化合物
6−1) 2−(3,5−ジ−tert.−ブチル−4−ヒドロキシベン
ジリデン)−3,4−ジヒドロ−4−メトキシカルボニル
メチル−3−オキソ−2H−1,4−ベンゾチアジン(化合
物1−2,0.80g)に無水酢酸(5.8ml)およびトリエチル
アミン(2.1ml)を加えて一夜還流する。反応液に希塩
酸を加えた後、酢酸エチルで抽出する。有機層を無水硫
酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮する。得られる油状物
をシリカゲルカラムクロマトで精製し、標記化合物を得
る。
実施例6と同様の方法を用いて以下の化合物が得られ
る。
・2−(4−ベンゾイルオキシ−3,5−ジ−tert.−ブチ
ルベンジリデン)−3,4−ジヒドロ−4−メトキシカル
ボニルメチル−3−オキソ−2H−1,4−ベンゾチアジン
(化合物6−2) 実施例7 4−カルボキシメチル−2−(3,5−ジ−tert.−ブチル
−4−ヒドロキシベンジリデン)−3,4−ジヒドロ−3
−オキソ−2H−1,4−ベンゾチアジン(化合物2−1) 2−(4−アセトキシ−3,5−ジ−tert.−ブチルベン
ジリデン)−3,4−ジヒドロ−4−メトキシカルボニル
メチル−3−オキソ−2H−1,4−ベンゾチアジン(化合
物6−1,0.35g)のエタノール溶液(10ml)に水酸化カ
リウム(0.58g)の水溶液(10ml)を加え一晩加熱還流
する。反応液に6N塩酸を加えて酸性とし、減圧濃縮後、
酢酸エチルで抽出する。有機層を無水硫酸ナトリウムで
乾燥後、減圧濃縮し、析出する結晶を濾取する。得られ
た化合物の物性は実施例2で得られた化合物2−1のそ
れと同じであった。
4−カルボキシメチル−3,4−ジヒドロ−2−(3,5−
ジメチル−4−ヒドロキシベンジリデン)−3−オキソ
−2H−1,4−ベンゾチアジン(化合物8−1)および3,4
−ジヒドロ−2−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシベ
ンジリデン)−−4−メトキシカルボニルメチル−3−
オキソ−2H−1,4−ベンゾチアジン(化合物8−2) 2−(4−アセトキシ−3,5−ジメチルベンジリデ
ン)−3,4−ジヒドロ−4−エトキシカルボニルメチル
−3−オキソ−2H−1,4−ベンゾチアジン(化合物1−
7,0.73g)のテトラヒドロフラン(5ml)溶液に、氷冷下
水酸化リチウム1水和物(3.11g)の水溶液(13ml)お
よびメタノール(2ml)を加え、1.5時間撹拌する。反応
液に塩酸を加えて酸性とした後、ジエチルエーテルで抽
出する。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥後、減圧濃縮する。得られた油状物をシリカ
ゲルカラムクロマトで精製し、化合物8−1を0.33g(6
3%)、化合物8−2を0.05g(9%)得る。
化合物8−1の物性 m.p.213〜215℃(ヘキサン−酢酸エチル) IR(KBr,cm-1):3441,3008,1749,1589,1576,1537,1487,
1447,1428,1388,1324,1291 化合物8−2の物性 m.p.171〜172℃ IR(KBr,cm-1):3374,3009,2956,1744,1627,1586,1558,
1486,1436,1371,1328,1291,1271,1219 実施例8と同様の方法を用いて以下の化合物が得られ
る。
・2−(3−tert.−ブチル−4−ヒドロキシベンジリ
デン)−4−カルボキシメチル−3,4−ジヒドロ−3−
オキソ−2H−1,4−ベンゾチアジン (化合物8−3) m.p.214〜215℃(dec.,ヘキサン−ベンゼン) IR(KBr,cm-1):3412,3089,2951,1740,1633,1590,1573,
1502,1484,1446,1416 ・4−カルボキシメチル−3,4−ジヒドロ−2−(4−
ヒドロキシ−3−メトキシ−5−メチルベンジリデン)
−3−オキソ−2H−1,4−ベンゾチアジン(化合物8−
4) m.p.195〜197℃(ヘキサン−ベンゼン) IR(KBr,cm-1):3376,2960,1716,1637,1588,1494,1443,
1290,1252,1218 実施例9 2−[5−tert.−ブチル−3−[1,1−ジメチル−2−
(テトラヒドロピラン−2−イルオキシ)エチル]−4
−ヒドロキシベンジリデン]−3,4−ジヒドロ−4−エ
トキシカルボニルメチル−3−オキソ−2H−1,4−ベン
ゾチアジン(化合物9−1) 水素化ナトリウムの60%鉱油懸濁物(0.10g)をテト
ラヒドロフラン(2ml)に懸濁させた後、氷冷下、窒素
雰囲気中で2−[5−tert.−ブチル−3−[1,1−ジメ
チル−2−(テトラヒドロピラン−2−イルオキシ)エ
チル]−4−ヒドロキシ−α−(テトラヒドロピラン−
2−イルオキシ)ベンジル]−3,4−ジヒドロ−3−オ
キソ−2H−1,4−ベンゾチアジン(参考化合物3−1,0.6
5g)のテトラヒドロフラン(2ml)溶液を滴下する。反
応液を10分間撹拌した後、ブロモ酢酸エチル(0.19ml)
のテトラヒドロフラン(2ml)溶液を加える。室温で一
晩撹拌した後、反応液に塩化アンモニウム水溶液を加
え、酢酸エチルで抽出する。有機層を飽和食塩水で洗浄
し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮する。得ら
れる油状物をシリカゲルカラムクロマトで精製し、標記
化合物0.59g(93.3%)を得る。
IR(Film,cm-1):3216,2952,1750,1651,1590,1486,142
3,1366,1264,1203,1036,901,733 実施例10 2−[5−tert.−ブチル−3−(1,1−ジメチル−2−
ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシベンジリデン]−
4−カルボキシメチル−3,4−ジヒドロ−3−オキソ−2
H−1,4−ベンゾチアジン(化合物10−1) 2−[5−tert.−ブチル−3−[1,1−ジメチル−2
−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシエチル]−
4−ヒドロキシベンジリデン]−3,4−ジヒドロ−4−
エトキシカルボニルメチル−3−オキソ−2H−1,4−ベ
ンゾチアジン(化合物9−1,0.54g)のメタノール(5m
l)−クロロホルム(1ml)混液にp−トルエンスルホン
酸(0.02g)を加え、40℃で2.5時間撹拌する。反応液に
飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた後、酢酸エチル
で抽出する。有機層を減圧濃縮して得られる油状物をテ
トラヒドロフラン(15ml)に溶解する。氷冷下、この溶
液に水酸化ナトリウム1水和物(1.0g)の水溶液(15m
l)およびメタノール(5ml)を加える。氷冷下で1.5時
間撹拌した後、塩酸で酸性とし、酢酸エチルで抽出す
る。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム
で乾燥後、減圧濃縮する。得られる油状物をシリカゲル
カラムクロマトで精製し、標記化合物0.16g(36.9%)
を得る。
m.p.216〜217℃(dec.,ジイソプロピルエーテル−酢
酸エチル) IR(KBr,cm-1):3460,2958,1735,1606,1587,1548,1419,
1371,1268,1193,747 [製剤例] 本発明化合物の製剤処方の例を以下に示す。
(錠剤) 本発明化合物 10mg 乳糖 123mg 結晶セルロース 35mg ヒドロキシプロピルセルロース 2mgステアリン酸マグネシウム 1mg 計 170mg 本発明化合物 50mg 乳糖 140mg 結晶セルロース 45mg ポリビニルピロリドン 3mgステアリン酸マグネシウム 2mg 計 240mg (顆粒剤) 本発明化合物 5mg 乳糖 485mg ポリビニルピロリドン 8mgステアリン酸マグネシウム 2mg 計 500mg [薬理試験] 本発明化合物の効果を調べるため、蛋白安定化作用と
脂質過酸化物生成抑制作用について検討した。
1.蛋白安定化作用 化合物の蛋白安定化作用を調べる方法として、牛血清
アルブミンの熱凝集に対する安定化効果を測定する方法
が知られている(Lancet,2,443(1966))。
そこで、上記の文献に記載された方法に準じ、本発明
化合物の蛋白安定化作用を調べた。
(実験方法) 氷冷下で、0.75%の濃度となるように牛血清アルブミ
ン(シグマ社製)を0.2Mのリン酸カリウム緩衝液(pH5.
3)に溶解した。このアルブミン溶液2.7mlに、被験化合
物を溶解したジメチルスルホキシド溶液0.3mlを添加、
撹拌した後、約15分間放置して室温に戻した。67℃の水
浴中で2分間この溶液を振とうしながら反応させた後、
氷冷し反応を停止させた。この反応液を室温に戻した
後、熱凝集による水溶性蛋白の白濁によって生じた吸光
度を660nmの波長で測定し、次に示す式1を用いて本発
明化合物の蛋白安定化効果を求めた。
比較化合物として、特開平1−287077に記載された化
合物、2−(3,5−ジ−tert.−ブチル−4−ヒドロキシ
ベンジリデン)−3,4−ジヒドロ−4−メチル−3−オ
キソ−2H−1,4−ベンゾチアジンを用いた。
A0:被験化合物を添加しないときの吸光度 A1:被験化合物を添加したときの吸光度 (結果) 得られた結果を表1に示した。
本発明化合物は蛋白の熱凝集を明らかに抑制してお
り、優れた蛋白安定化効果を示すが、比較化合物は蛋白
安定化効果を示さず、むしろ蛋白の熱凝集を促進する傾
向がみられた。
2.脂質過酸化物生成抑制作用 (実験方法) 被験化合物を含有する0.04Mトリス緩衝液(0.09Mの塩
化カリウムを含む、pH7.4)中でラット肝ミクロゾーム
をADP(13.2mM)、Fe2+(0.9mM)およびアスコルビン
酸(0.5mM)と37℃で15分間反応させ、生成した脂質過
酸化物をTBA法(八木等Biochem.Med.,15,212(1976))
により定量した。
(結果) 得られた結果を表2に示した。
表2に示されるように、本発明化合物はいずれも優れ
た脂質過酸化物生成抑制効果を有していた。
以上の薬理試験の結果から示されるように、本発明化
合物は蛋白安定化作用と脂質過酸化物生成抑制作用を有
しており、優れた白内障の治療剤となることが期待され
る。
産業上の利用可能性 本発明は蛋白安定化作用および脂質過酸化物生成抑制
作用を有し、白内障治療剤等の医薬として有用な新規3
−オキソ−1,4−ベンゾチアジン誘導体を提供するもの
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−287077(JP,A) 特開 昭61−40264(JP,A) 特開 昭62−29570(JP,A) 特開 平2−275870(JP,A) 特開 昭60−72875(JP,A) 米国特許3923709(US,A) 国際公開88/7035(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07D 279/00 - 279/36 A61K 31/00 - 31/80 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式[I]で表わされる化合物また
    はその塩類。 [式中、R1はヒドロキシ基、低級アルカノイルオキシ
    基、低級アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホ
    ニルオキシ基、低級アルコキシメチルオキシ基、ベンゾ
    イルオキシ基、ベンジルオキシメチルオキシ基、テトラ
    ヒドロピラニルオキシ基またはトリメチルシリルオキシ
    基を示す。 R2は低級アルキル基を示す。 R3は水素原子、低級アルキル基、ヒドロキシ基、低級ア
    ルカノイルオキシ基、低級アルキルスルホニルオキシ
    基、アリールスルホニルオキシ基、低級アルコキシメチ
    ルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、ベンジルオキシメチ
    ルオキシ基、テトラヒドロピラニルオキシ基、トリメチ
    ルシリルオキシ基または低級アルコキシ基を示し、該低
    級アルキル基はヒドロキシ基、低級アルカノイルオキシ
    基、低級アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホ
    ニルオキシ基、低級アルコキシメチルオキシ基、ベンゾ
    イルオキシ基、ベンジルオキシメチルオキシ基、テトラ
    ヒドロピラニルオキシ基、トリメチルシリルオキシ基、
    アミノ基または低級アルキルアミノ基で置換されていて
    もよい。 R4はカルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基、ア
    リール低級アルコキシカルボニル基、アミノカルボニル
    基、低級アルキルアミノカルボニル基またはアリール低
    級アルキルアミノカルボニル基を示す。 Aはアルキレン基を示す。]
  2. 【請求項2】R1がヒドロキシ基または低級アルカノイル
    オキシ基で、R4がカルボキシル基または低級アルコキシ
    カルボニル基である請求の範囲第1項記載の化合物また
    はその塩類。
  3. 【請求項3】R1がヒドロキシ基または低級アルカノイル
    オキシ基で、R3が水素原子または低級アルキル基で、R4
    がカルボキシル基または低級アルコキシカルボニル基で
    ある請求の範囲第1項記載の化合物またはその塩類。
  4. 【請求項4】R1がヒドロキシ基またはアセトキシ基で、
    R2がメチル基またはtert.−ブチル基で、R3が水素原
    子、メチル基またはtert.−ブチル基で、R4がカルボキ
    シル基、メトキシカルボニル基またはエトキシカルボニ
    ル基で、Aがメチレン基またはプロピレン基である請求
    の範囲第1項記載の化合物またはその塩類。
  5. 【請求項5】R1がヒドロキシ基で、R2がメチル基または
    tert.−ブチル基で、R3が水素原子、メチル基またはter
    t.−ブチル基で、R4がカルボキシル基で、Aがメチレン
    基またはプロピレン基である請求の範囲第1項記載の化
    合物またはその塩類。
  6. 【請求項6】4−カルボキシメチル−2−(3,5−ジ−t
    ert.−ブチル−4−ヒドロキシベンジリデン)−3,4−
    ジヒドロ−3−オキソ−2H−1,4−ベンゾチアジン。
  7. 【請求項7】4−(3−カルボキシプロピル)−2−
    (3,5−ジ−tert.−ブチル−4−ヒドロキシベンジリデ
    ン)−3,4−ジヒドロ−3−オキソ−2H−1,4−ベンゾチ
    アジン。
  8. 【請求項8】4−カルボキシメチル−3,4−ジヒドロ−
    2−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンジリデン)
    −3−オキソ−2H−1,4−ベンゾチアジン。
  9. 【請求項9】2−(3−tert.−ブチル−4−ヒドロキ
    シベンジリデン)−4−カルボキシメチル−3,4−ジヒ
    ドロ−3−オキソ−2H−1,4−ベンゾチアジン。
  10. 【請求項10】請求の範囲第1項記載の化合物またはそ
    の塩類を有効成分とする白内障治療剤。
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