JP2627349B2 - 3―アルキルフラボン誘導体及び5―リポキシゲナーゼ阻害剤 - Google Patents

3―アルキルフラボン誘導体及び5―リポキシゲナーゼ阻害剤

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JP2627349B2 JP8702690A JP8702690A JP2627349B2 JP 2627349 B2 JP2627349 B2 JP 2627349B2 JP 8702690 A JP8702690 A JP 8702690A JP 8702690 A JP8702690 A JP 8702690A JP 2627349 B2 JP2627349 B2 JP 2627349B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は新規な3−アルキルフラボン誘導体及びその
塩並びに之等から選ばれる少なくとも1種を有効成分と
して含有する5−リポキシゲナーゼ阻害剤に関する。
従来技術とその課題 本発明は5−リポキシゲナーゼ阻害作用を示し5−リ
ポキシゲナーゼ阻害剤として有用な、文献未載の新規化
合物及びこれを有効成分とする上記阻害剤を提供するこ
とを目的とする。
課題を解決するための手段 本発明によれば、下記一般式(1)で表わされる3−
アルキルフラボン誘導体及びその塩が提供される。
〔式中R1及びR2はそれぞれ同一又は相異なって水素原子
又は低級アルキル基を、R3は水素原子、低級アルキル
基、低級アルコキシカルボニル低級アルキル基又はカル
ボキシ低級アルキル基を、R4は炭素数1〜16のアルキル
基を、R5及びR6はそれぞれ水素原子又はベンジル基を示
す。〕 上記一般式(1)及び以下の本明細書において、低級
アルキル基としては、例えばメチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチ
ル、ペンチル、ヘキシル基等の直鎖状もしくは分岐鎖状
低級アルキル基を例示できる。
またR4で定義される炭素数1〜16のアルキル基として
は、上記例示の低級アルキル基の他、例えばヘプチル、
オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、ト
リデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシ
ル、6−メチルヘプチル、7−メチルオクチル、8−メ
チルノニル、9−メチルデシル、10−メチルウンデシ
ル、11−メチルドデシル、12−メチルトリデシル、13−
メチルテトラデシル、14−メチルペンタデシル基等の直
鎖状もしくは分岐鎖状アルキル基を例示できる。
低級アルコキシカルボニル低級アルキル基としては、
例えばメトキシカルボニルメチル、エトキシカルボニル
メチル、2−(エトキシカルボニル)エチル、3−(エ
トキシカルボニル)プロピル、4−(エトキシカルボニ
ル)ブチル、5−(エトキシカルボニル)ペンチル、6
−(エトキシカルボニル)ヘキシル、2−(4−ブトキ
シカルボニル)エチル、6−(ヘキシルオキシカルボニ
ル)メチル基等を例示できる。
カルボキシ低級アルキル基としては、例えばカルボキ
シメチル、2−カルボキシエチル、3−カルボキシプロ
ピル、4−カルボキシブチル、5−カルボキシペンチ
ル、6−カルボキシヘキシル基等を例示できる。
ハロゲン原子には、弗素、塩素、臭素及び沃素原子が
包含される。
更に本発明によれば、上記一般式(1)で表わされる
3−アルキルフラボン誘導体及びその塩から選ばれる少
なくとも1種を有効成分として含有する5−リポキシゲ
ナーゼ阻害剤が提供される。
5−リポキシゲナーゼは、喘息等の病因であるロイコ
トリエン類の生合成に関与しており、該5−リポキシゲ
ナーゼを阻害すればロイコトリエン類の生成を抑制で
き、かかる5−リポキシゲナーゼの阻害剤は、ロイコト
リエン類の生成に起因する各種の疾患、例えば喘息、炎
症、アレルギー疾患等の治療及び予防のための医薬品と
して有用である。本発明は上記各種疾患の治療及び予防
に有用な5−リポキシゲナーゼ阻害剤を提供するもので
ある。
以下、本発明の3−アルキルフラボン誘導体の製造方
法につき詳述すれば、該化合物は例えば下記の各反応工
程式に示す方法により製造することができる。
〈反応工程式−1〉 〔式中R1a、R2a及びR3aはそれぞれ低級アルキル基を示
す。R4は前記に同じ。R5a及びR6aはベンジル基をそれぞ
れ示す。〕 上記反応工程式−1に示す化合物(2)と安息香酸無
水物誘導体(3)との反応(アラン−ロビンソン反応)
は、上記化合物(3)に対応する安息香酸誘導体のアル
カリ金属塩の存在下に、又はトリエチルアミン、トリメ
チルアミン等の第3級アミンの存在下に、無溶媒又は適
当な不活性溶媒中で実施できる。不活性溶媒を用いる場
合、該溶媒としては上記第3級アミンを兼用するのが望
ましい。本反応において化合物(3)の使用割合は通常
化合物(2)に対して1〜5倍モル量程度、好ましくは
2〜3倍モル量程度とするのがよく、また安息香酸誘導
体アルカリ金属塩を用いる場合、その使用量は化合物
(2)に対して等モル量程度とするのがよい。反応は一
般に120〜180℃程度の温度範囲にて、約5〜10時間で完
結する。
上記反応終了後、粗生成物をメタノール、エタノー
ル、アセトン等の適当な溶媒中、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアル
カリ水溶液と共に室温〜還流温度条件で処理することに
より目的化合物(1a)を得ることができる。
〈反応工程式−2〉 〔式中R1a、R2a、R3a、R4、R5a及びR6aは前記に同じ。
Xはハロゲン原子を示す。〕 上記反応工程式−2に示す化合物(2)と化合物
(4)とのエステル化反応は、塩基性化合物の存在下
に、無溶媒で又は通常の不活性溶媒中で、約0〜200
℃、好ましくは約80〜130℃の温度条件下に、1〜8時
間程度を要して行なわれる。上記不活性溶媒としては例
えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素
類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテ
ル等のエーテル類、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン
等の第3級アミン類、N,N−ジメチルホルムアミド等を
使用できる。本反応に用いる該塩基性化合物としては例
えばトリエチルアミン、トリプロピルアミン、ピリジ
ン、キノリン、N,N−ジメチルアニリン等の第3級アミ
ン類等を例示できる。上記反応における各原料化合物の
使用割合は、通常化合物(2)に対して化合物(4)を
等モル量以上、好ましくは1.1〜1.5倍モル量程度とすれ
ばよい。かくして、所望の一般式(5)のエステルを収
得できる。
上記に引き続くエステル(5)の転位反応(分子内転
位反応、ベイカー−ベンカタラマン(Baker-Venkataram
an)転位反応)は、塩基性化合物の存在下に不活性溶媒
中で、室温〜約100℃の温度下に、2〜10時間程度を要
して実施される。上記において塩基性化合物としては例
えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウ
ム、ナトリウムアミド等を使用できる。また不活性溶媒
としては特に制限はなく公知の各種のものを広く使用で
きる。その具体例としては例えばベンゼン、トルエン、
キシレン等の芳香族炭化水素類、ジオキサン、テトラヒ
ドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル類、ピリジ
ン、ピコリン等のピリジン誘導体等を例示できる。上記
転位反応における化合物(5)に対する塩基性化合物の
使用割合は、通常1〜30倍モル量程度とすればよい。か
くして、一般式(6)のジケトン誘導体を収得できる。
上記ジケトン誘導体(6)の閉環反応は、無溶媒又は
適当な溶媒中、触媒を用いて室温〜約150℃の温度下
に、2〜15時間程度で行なわれる。上記溶媒としては例
えば蟻酸、酢酸、プロピオン酸等の脂肪族カルボン酸
類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素
類、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテ
ル等のエーテル類、メタノール、エタノール等のアルコ
ール類等を例示できる。触媒としては例えば酢酸ナトリ
ウム、酢酸カリウム、プロピオン酸ナトリウム、プロピ
オン酸カリウム等の脂肪族カルボン酸アルカリ金属塩類
や硫酸等の鉱酸等を例示できる。かくして目的の化合物
(1a)を収得できる。
〈反応工程式−3〉 〔式中R1a、R2a、R3a、R4、R5a及びR6aは前記に同
じ。〕 上記反応工程式−3において、化合物(2)と化合物
(7)とのアルドール縮合反応は、無溶媒又は通常の不
活性溶媒中、酸又は塩基性触媒の存在下、約0〜100℃
の温度条件下に、1〜72時間程度で行なわれる。不活性
溶媒としては例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−
ジエチルホルムアミド等のアミド類、メタノール、エタ
ノール等のアルコール類、ジエチルエーテル等のエーテ
ル類等を使用できる。酸性触媒としては例えば塩酸、硫
酸等の無機酸、酢酸、プロピオン酸等の有機酸を、また
塩基性触媒としては例えば水酸化カリウム、水酸化ナト
リウム、ピペリジン、ナトリウムメトキシド、ナトリウ
ムエトキシド、ナトリウムアミド等をそれぞれ使用でき
る。上記反応における各原料化合物の使用割合は、通常
化合物(2)に対して化合物(7)を1〜1.5倍モル量
程度とするのがよい。また触媒の使用量は、化合物
(2)に対して1〜10倍モル量程度の範囲から選択する
のが適当である。かくして所望の一般式(8)の化合物
を収得できる。
化合物(8)の閉環反応は、触媒の存在下、不活性溶
媒中で、約0〜100℃の温度条件下に、3〜10時間程度
で行なわれる。ここで触媒としては例えば二酸化セレ
ン、二酸化イオウ等を使用でき、不活性溶媒としては例
えばメタノール、エタノール等のアルコール類、ジエチ
ルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエー
テル類、酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類等を使
用できる。上記反応における化合物(8)に対する触媒
の使用量は、約1〜10倍モル量とするのが好ましい。か
くして目的の化合物(1a)を収得できる。
〈反応工程式−4〉 〔式中R1a、R2a、R3a、R4、R5a及びR6aは前記に同
じ。〕 上記反応工程式−4に示す化合物(1a)の5位の脱ア
ルキル化反応は、酸触媒の存在下、不活性溶媒中、約−
20〜50℃の温度条件下に、0.5〜5時間程度を要して行
なわれる。触媒としては例えば無水塩化アルミニウム、
無水臭化アルミニウム、無水三弗化ホウ素、無水三塩化
ホウ素、無水三臭化ホウ素、塩酸、硫酸、臭化水素酸等
を使用できる。不活性溶媒としては例えばアセトニトリ
ル、プロピオニトリル等の脂肪族ニトリル類、クロロホ
ルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン等のハロゲン化
物、酢酸、プロピオン酸等の脂肪族カルボン酸類、ジエ
チルエーテル等のエーテル類、ニトロベンゼン等のニト
ロ化合物等を使用できる。上記反応においては触媒とし
て無水ハロゲン化アルミニウムの使用が特に好ましく、
該触媒は化合物(1a)に対して通常約1.5〜3倍モル量
程度利用するのがよい。尚、必要に応じてエタンチオー
ルやヨウ化ナトリウム等の反応促進剤を適宜反応系に添
加存在させることもできる。かくして目的の化合物(1
b)を収得できる。
〈反応工程式−5〉 〔式中R1a、R2a、R4、R5a及びR6aは前記に同じ。R3b
低級アルコキシカルボニル低級アルキル基を示す。〕 上記反応工程式−5に示す化合物(1b)を化合物(1
c)に導く反応は、適当な不活性溶媒中、無機塩類の存
在下に、化合物(1b)にハロカルボン酸エステルを反応
させることにより実施される。ここで不活性溶媒として
は例えばアセトン、メチルエチルケトン、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、ベンゼン、テトラヒドロフラン等を、
ハロカルボン酸エステルとしては例えばクロル酢酸メチ
ル、クロル酢酸エチル、ブロム酢酸エチル、3−クロル
プロピオン酸メチル等を、また無機塩類としては例えば
炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等をそれぞれ有利に使用
できる。また上記反応系には必要に応じてヨウ化カリウ
ム、ヨウ化ナトリウム等のヨウ化物塩を添加存在させる
ことができる。
上記各試薬の化合物(1b)に対する使用量は、ハロカ
ルボン酸エステルでは1〜10倍モル量程度、無機塩類で
は1〜30倍モル量程度及び必要に応じて用いられるヨウ
化物塩では1〜10倍モル量程度の範囲からそれぞれ選ば
れるのが好ましく、反応温度は通常室温〜溶媒の沸点範
囲、反応時間は1〜24時間程度の範囲とするのがよい。
かくして目的の化合物(1c)を収得できる。
〈反応工程式−6〉 〔式中R1、R2、R3、R4、R5a及びR6aは前記に同じ。〕 上記反応工程式−6に示す化合物(1d)の脱ベンジル
化反応は、水素ガス中、触媒の存在下、不活性溶媒中、
約−30℃〜室温の温度条件下に、0.5〜5時間程度を要
して行なわれる。触媒としては、例えばパラジウム−炭
素、ラネーニッケル、ロジウム、白金等の遷移金属類を
使用できる。不活性溶媒としては特に制限はなく、例え
ば酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、メタノー
ル、エタノール等のアルコール類、アセトニトリル等を
広く使用できる。上記触媒の使用量は化合物(1d)に対
して約0.001〜0.1倍モル量程度とすればよい。かくして
目的の化合物(1e)を収得できる。
〈反応工程式−7〉 〔式中R1、R2、R3b、R4、R5及びR6は前記に同じ。R3c
カルボキシ低級アルキル基を示す。〕 上記反応工程式−7に示す化合物(1f)の加水分解反
応は、適当な溶媒中、アルカリの存在下に実施できる。
ここで溶媒としてはメタノール、エタノール、アセト
ン、テトラヒドロフラン等を使用でき、アルカリとして
は炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の無機塩類や水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化物水溶液等を使
用できる。
上記反応は、室温〜還流温度範囲の条件下に、約30分
〜5時間程度で完了し、かくして目的の化合物(1g)を
収得できる。
前記反応工程式−1〜−3において、出発原料として
使用される化合物(2)は、公知化合物及び新規化合物
の両者を包含しており、之等各化合物は例えば下記反応
工程式−8に示す方法に従って製造することができる。
〈反応工程式−8〉 〔式中R1a、R2a、R4及びXは前記に同じ。RA、RB及びRC
は低級アルキル基を示し、Yは置換又は未置換のフェニ
ルスルホニル基を、Zはベンジル基をそれぞれ示す。〕 上記反応工程式−8によれば、先ず公知化合物である
化合物(I)を酸塩化物(II)によりアシル化した後、
加水分解を行なって化合物(2a)を得る。この化合物
(I)のアシル化反応は、例えばジエチルエーテル、ジ
イソプロピルエーテル、二硫化炭素、ニトロベンゼン等
の不活性溶媒中、無水ハロゲン化アルミニウムの存在下
に、塩化プロピオニル、塩化カプロイル、塩化デカノイ
ル、塩化ラウロイル、塩化ミリストイル、塩化パルミト
イル、塩化ステアロイル等の脂肪族酸塩化物と化合物
(I)とを−20℃〜室温程度で、0.5〜5時間程度反応
させることにより実施される。上記反応により得られる
反応生成物中には、一部2位(基RB)が既に脱アルキル
化された化合物(2a)が含まれる場合もあるが、かかる
化合物を単離することなく上記反応生成物を次いで脱ア
ルキル化反応させることにより、所望の化合物(2a)を
収得できる。この脱アルキル化反応は例えばアセトニト
リル、ジクロルメタン等の不活性溶媒中、無水ハロゲン
化アルミニウム又はハロゲン化ホウ素を用いて、約−20
〜50℃で、0.5〜5時間処理することにより実施でき
る。
かくして得られる化合物(2a)は、更に引き続いて以
下の各種反応により化合物(2b)に変換することができ
る。
即ち、まず化合物(2a)を塩化p−トルエンスルホニ
ル、塩化ベンゼンスルホニル等の塩化フェニルスルホニ
ルを用いて常法に従い処理することにより、水酸基が保
護された化合物(III)を得る。
次に化合物(III)を不活性溶媒中、室温〜80℃程度
の温度下に、該化合物(III)に対して約1.5〜3倍モル
量の無水ハロゲン化アルミニウムの存在下に、数時間反
応させた後、希酸中に注入することにより、RAが脱アル
キル化された化合物(IV)を得る。
該化合物(IV)は、例えば無水炭酸カリウム−メタノ
ール混液中で、或は含水メタノールもしくはエタノール
中水酸化カリウムもしくは水酸化ナトリウム中で、常温
〜約80℃下に1〜3時間程度攪拌することにより脱保護
基反応され、かくして化合物(V)を収得できる。
該化合物(V)は、これを引き続きハロゲン化ベンジ
ルを用いて常法に従い処理することにより、水酸基が保
護された化合物(VI)に変換される。
該化合物(VI)は、更にこれを例えば酢酸−塩酸(好
ましくは10:1)混液中で、もしくは無水塩化アルミニウ
ム等のルイス酸と不活性溶媒中で、前記反応工程式−4
に示した化合物(1a)の脱アルキル化反応と同様に処理
することにより、その2位の保護基が脱離した化合物
(VII)に変換される。
更に該化合物(VII)を通常の方法に従いアルキル化
反応させることにより化合物(VIII)を収得できる。該
アルキル化反応は、より詳しくは例えば硫酸ジメチル、
ヨウ化メチル、臭化エチル、臭化ブチル、塩化ヘキシル
等のアルキル化剤を用いて、アセトン、メチルエチルケ
トン、ベンゼン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチル
ホルムアミド等の適当な不活性溶媒中、必要に応じて脱
ハロゲン化剤例えば炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の
無機塩類を用いて、室温〜約150℃の温度下に、1〜24
時間程度で実施される。
最終的に、上記で得られる化合物(VIII)を脱保護反
応させることにより所望の化合物(2b)を収得できる。
該脱保護反応は、例えば前記反応工程式−6に示した化
合物(1c)の加水素分解反応や、鉱酸もしくはルイス酸
を用いた一般的な加水分解反応に従い実施できる。
前記各反応工程式に示した方法に従い得られる本発明
化合物の内には、フェノール性水酸基を有するものが存
在しており、かかる化合物は常法に従い之等を例えば水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ水酸化物
で処理することにより、薬理的に許容されるアルカリ金
属塩とすることができる。かかる塩も遊離形態の本発明
化合物と同様の薬理活性を有しており、本発明の5−リ
ポキシゲナーゼ阻害剤の有効成分として利用することが
できる。
上記それぞれの工程で得られる目的化合物は、通常の
分離手段により容易に単離精製することができる。該分
離手段としては例えば溶媒抽出法、再結晶法、吸着クロ
マトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー等を例
示できる。
本発明化合物を有効成分とする医薬製剤は、一般に該
有効成分化合物と共に製剤担体を用いて通常の医薬製剤
組成物の形態とされ実用される。該製剤担体としては製
剤の使用形態に応じて、通常使用される充填剤、増量
剤、結合剤、保湿剤、崩壊剤、表面活性剤、滑沢剤等の
希釈剤あるいは賦形剤を例示でき、これらは得られる製
剤の投与単位形態に応じて適宜選択使用される。
本発明薬剤の上記医薬製剤の投与単位形態としては、
各種の形態が治療目的に応じて選択でき、その代表的な
ものとしては錠剤、丸剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤、
顆粒剤、カプセル剤、坐剤、注射剤(液剤、懸濁剤
等)、軟膏剤等が挙げられる。錠剤の形態に成形するに
際しては、上記製剤担体として例えば乳糖、白糖、塩化
ナトリウム、ブドウ糖、尿素、デンプン、炭酸カルシウ
ム、カオリン、結晶セルロース、ケイ酸、リン酸カリウ
ム等の賦形剤、水、エタノール、プロパノール、単シロ
ップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、カルボ
キシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の結合
剤、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキ
シメチルセルロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプ
ロピルセルロース、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウ
ム、カンテン末、ラミナラン末、炭酸水素ナトリウム、
炭酸カルシウム等の崩壊剤、ポリオキシエチレンソルビ
タン脂肪酸エステル類、ラウリル硫酸ナトリウム、ステ
アリン酸モノグリセリド等の界面活性剤、白糖、ステア
リン、カカオバター、水素添加油等の崩壊抑制剤、第4
級アンモニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウム等の吸収
促進剤、グリセリン、デンプン等の保湿剤、デンプン、
乳糖、カオリン、ベントナイト、コロイド状ケイ酸等の
吸着剤、精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ酸末、ポリ
エチレングリコール等の滑沢剤等を使用できる。更に錠
剤は必要に応じ通常の剤皮を施した錠剤、例えば糖衣
錠、ゼラチン被包錠、腸溶被錠、フイルムコーテイング
錠あるいは二重錠、多層錠とすることができる。丸剤の
形態に成形するに際しては、製剤担体として例えばブド
ウ糖、乳糖、デンプン、カカオ脂、硬化植物油、カオリ
ン、タルク等の賦形剤、アラビアゴム末、トラガント
末、ゼラチン、エタノール等の結合剤、ラミナラン、カ
ンテン等の崩壊剤等を使用できる。坐剤の形態に成形す
るに際しては、製剤担体として例えばポリエチレングリ
コール、カカオ脂、高級アルコール、高級アルコールの
エステル類、ゼラチン、半合成グリセライド等を使用で
きる。カプセル剤は常法に従い通常本発明の有効成分化
合物を上記で例示した各種の製剤担体と混合して硬質ゼ
ラチンカプセル、軟質カプセル等に充填して調整され
る。本発明薬剤が液剤、乳剤、懸濁剤等の注射剤として
調整される場合、之等は殺菌され且つ血液と等張である
のが好ましく、之等の形態に成形するに際しては、希釈
剤として例えば水、エチルアルコール、マクロゴール、
プロピレングリコール、エトキシ化イソステアリルアル
コール、ポリオキシ化イソステアリルアルコール、ポリ
オキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等を使用で
きる。尚、この場合等張性の溶液を調整するに充分な量
の食塩、ブドウ糖あるいはグリセリンを本発明薬剤中に
含有させてもよく、また通常の溶解補助剤、緩衝剤、無
痛化剤等を添加してもよい。更に、本発明薬剤中には、
必要に応じて着色剤、保存剤、香料、風味剤、甘味剤等
や他の医薬品を含有させることもできる。
ペースト、クリーム、ゲル等の軟膏剤の形態に成形す
るに際しては、希釈剤として例えば白色ワセリン、パラ
フイン、グリセリン、セルロース誘導体、ポリエチレン
グリコール、シリコン、ベントナイト等を使用できる。
本発明の5−リポキシゲナーゼ阻害剤中に含有させる
べき有効成分化合物(前記一般式(1)の化合物及びそ
の塩)の量は、特に限定されず広範囲から適宜選択され
るが、通常全組成物中に約1〜70重量%配合される量と
するのが適当である。
本発明医薬製剤の投与方法は、特に制限されず、各種
製剤形態、患者の年齢、性別、その他の条件、疾患の程
度等に応じて適当に選択される。例えば錠剤、丸剤、液
剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤、カプセル剤等は経口投与さ
れる。注射剤は単独で又はブドウ糖、アミノ酸等の通常
の補液と混合して静脈内投与され、更に必要に応じて単
独で筋肉内、皮内、皮下もしくは腹腔内投与される。坐
剤は直腸内投与される。
本発明5−リポキシゲナーゼ阻害剤の投与量は、用
法、患者の年齢、性別その他の条件、疾患の程度等によ
り適宜選択されるが、通常有効成分である本発明化合物
の量が1日当り体重1kg当り約0.5〜200mg程度とするの
がよく、製剤は1日に2〜4回に分けて投与することも
できる。
実施例 以下、本発明を更に詳しく説明するため、本発明化合
物の製造のための原料化合物の製造例を参考例として挙
げ、次いで本発明化合物の製造例を実施例として挙げ
る。
また本発明化合物の薬理試験例及び該化合物を用いて
調整された製剤例をも挙げる。
参考例1 2−ヒドロキシ−3,4,6−トリメトキシプロピオニルベ
ンゼンの製造 1,2,3,5−テトラメトキシベンゼン38gと塩化プロピオ
ニル22gの無水ジエチルエーテル溶液50ml中に、無水塩
化アルミニウム78gの無水ジエチルエーテル溶液200mlを
氷冷下に滴下した。混合液を更に氷冷下に30分間攪拌し
た後、砕氷−塩酸中に注入した。該混合物を60℃の湯浴
中で15分間加熱した後、放冷し、酢酸エチルで抽出し
た。酢酸エチル層を10%炭酸カリウム水溶液で洗浄し、
水洗、乾燥させ、濃縮した。
得られた粗生成物を無水アセトニトリル100mlに溶か
し、無水塩化アルミニウム78gの無水アセトニトリル溶
液300mlを加え、50℃の湯浴中で1.5時間加熱した。反応
液を砕氷−塩酸中に注入し、60℃の湯浴中で15分間加熱
した後、放冷し、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層
を水で洗浄して乾燥後濃縮し、酢酸エチルで再結晶を行
なって、目的化合物(化合物1A)の黄色針状結晶38.5g
を得た。
得られた化合物の構造並びに融点を第1表に示す。
参考例2〜8 参考例1と同様にして第1表に示す各化合物(化合物
2A〜化合物8A)を製造した。
得られた各化合物の構造並びに融点を第1表に示す。
参考例9 6−ヒドロキシ−2,3,4−トリメトキシプロピオニルベ
ンゼンの製造 15gの2−ヒドロキシ−3,4,6−トリメトキシプロピオ
ニルベンゼン(化合物1A)及び塩化p−トルエンスルホ
ニル24gを、アセトン250mlに溶かし、更に粉砕した無水
炭酸カリウム52gを加えて攪拌下に6時間加熱還流し
た。反応終了後、固形物を別して、液を濃縮し、残
渣を酢酸エチル−メタノールで再結晶して、白色結晶2
2.3g(融点:121〜123℃)を得た。
次に、上記白色結晶15.11gの無水アセトニトリル100m
l懸濁液に、無水臭化アルミニウム25gの無水アセトニト
リル200ml溶液を加え、室温で1.5時間攪拌した。反応混
合液を砕氷−塩酸中に注入し、更に60℃の湯浴中で15分
間加熱した後、放冷し、ジエチルエーテルで抽出を行な
った。エーテル層を水洗、乾燥後、濃縮し、メタノール
で再結晶を行なって、白色結晶12.9g(融点:107〜109.5
℃)を得た。
上記結晶12.2gのメタノール溶液に、粉砕した無水炭
酸カリウム26gを加え、4時間加熱還流した。反応混液
に希塩酸を滴下して酸性とし、生じた結晶を取した。
粗結晶をメタノールで再結晶して、黄白色針状結晶6.0g
(融点:142.5〜144.5℃)を得た。
上記で得られた結晶5.5gを、N,N−ジメチルホルムア
ミド200mlに溶かし、塩化ベンジル9.2g及び粉砕した無
水炭酸カリウム20gを加え、150℃の湯浴中で10分間加熱
攪拌した。反応終了後、水を加え、減圧にて未反応の塩
化ベンジルを水蒸気蒸留して除去し、放冷後、残留物の
ジエチルエーテル抽出を行なった。エーテル層を10%水
酸化カリウム水溶液、水、10%水酸化カリウム水溶液、
水の順で洗浄し、乾燥、濃縮後、メタノール−酢酸エチ
ルで再結晶を行なって、白色針状結晶8.5g(融点:105〜
107℃)を得た。
続いて、該結晶8.4gを10:1の酢酸−農塩酸220mlに溶
かし、室温で1.5時間攪拌した。反応終了後、水を加
え、冷却して粗結晶を析出させ、取した粗結晶をメタ
ノールで再結晶させて、黄白色針状結晶5.9g(融点:11
1.5〜113℃)を得た。
この結晶5.8をアセトン200mlに溶かし、硫酸ジメチル
4.6g及び粉砕無水炭酸カリウム12gを加えて4時間還流
した。反応終了後、水を加えて炭酸カリウムを溶かし、
更に15分間還流して未反応の硫酸ジメチルを分解させ
た。反応混合物を濃縮し、ジエチルエーテルで抽出を行
ない、エーテル層を水洗、乾燥させて濃縮して、油状物
6.0gを得た。
得られた油状物6.0gをメタノール200mlに溶かし、10
%パラジウム−炭素0.8gを加えて水素中で2時間接触還
元を行なった。反応終了後、パラジウム−炭素を別
し、液を濃縮し、残渣をメタノール−水にて再結晶し
て、目的化合物(化合物9A)の無色針状結晶3.9gを得
た。
かくして得られた化合物の構造並びに融点を第1表に
示す。
参考例10〜16 参考例9と同様にして、第1表に示す各化合物(化合
物10A〜化合物16A)を製造した。
得られた各化合物の構造及び融点を第1表に示す。
実施例1 3′,4′−ビス(ベンジルオキシ)−5,7,8−トリメト
キシ−3−メチルフラボンの製造 2−ヒドロキシ−3,4,6−トリメトキシプロピオニル
ベンゼン(化合物1A)5gと、3,4−ビス(ベンジルオキ
シ)安息香酸無水物34g及び3,4−ビス(ベンジルオキ
シ)安息香酸カリウム7.8gとを粉砕混合し、170〜180℃
で6時間減圧融解を行なった。反応混合物を放冷後、ア
セトン50mlに溶解し、10%水酸化カリウム水溶液100ml
及びメタノール200mlを加えて20分間還流した。混合液
を濃縮して水を加えた後、酢酸エチルで抽出し、酢酸エ
チル層を2%炭酸カリウム水溶液で洗浄し、水洗、乾燥
させ、濃縮した。得られた粗生成物をクロロホルム−メ
タノールで再結晶して、目的化合物(化合物1)の結晶
5.1gを得た。
得られた化合物の構造及び融点を第2表に示す。
実施例2〜16 実施例1と同様にして第2表に示す各化合物(化合物
2〜化合物16)を製造した。
得られた各化合物の構造及び融点を第2表に併記す
る。
実施例17 3′,4′−ビス(ベンジルオキシ)−5−ヒドロキシ−
7,8−ジメトキシ−3−メチルフラボンの製造 3′,4′−ビス(ベンジルオキシ)−5,7,8−トリメ
トキシ−3−メチルフラボン(化合物1)4gに、5%無
水臭化アルミニウム−アセトニトリル溶液100mlを加え
て、室温で1時間攪拌した。反応混合液に10%塩酸を加
え、60℃で10分間加熱した後、冷却し、生じた粗結晶を
取した。該粗結晶を酢酸エチル−メタノールで再結晶
して、目的化合物(化合物17)の黄色針状結晶3.5gを得
た。
得られた化合物の構造及び融点を第2表に示す。
実施例18〜32 実施例17と同様にして、第2表に示す各化合物(化合
物18〜化合物32)を製造した。
得られた各化合物の構造及び融点を第2表に併記す
る。
実施例33 3′,4′,5−トリヒドロキシ−7,8−ジメトキシ−3−
メチルフラボンの製造 3′,4′−ビス(ベンジルオキシ)−5−ヒドロキシ
−7,8−ジメトキシ−3−メチルフラボン(化合物17)5
00mgの1:1酢酸エチル−メタノール懸濁液に、10%パラ
ジウム−炭素100mgを加え、水素中で30分間接触還元を
行なった。反応終了後、パラジウム−炭素を別し、
液を濃縮し、残渣をn−ヘキサンで再結晶して、目的化
合物(化合物33)の結晶265mgを得た。
得られた化合物の構造及び融点を第2表に示す。
実施例34〜64 実施例33と同様にして、第2表に示す各化合物(化合
物34〜化合物64)を製造した。
得られた各化合物の構造及び融点を第2表に併記す
る。
実施例65 3′,4′−ビス(ベンジルオキシ)−5−エトキシカル
ボニルメチルオキシ−7,8−ジメトキシ−3−n−ヘキ
シルフラボンの製造 3′,4′−ビス(ベンジルオキシ)−5−ヒドロキシ
−7,8−ジメトキシ−3−n−ヘキシルフラボン(化合
物19)1gのアセトン溶液に、クロル酢酸エチル0.82g、
無水炭酸カリウム4.65g及びヨウ化カリウム0.58を加
え、4時間加熱還流した。
反応混液を放冷後、希塩酸を加えて中和し、濃縮し、
次いで水を加えて析出した結晶を過し、水洗後乾燥し
た。得られた粗結晶をエタノールで再結晶して、目的化
合物(化合物65)の結晶1.12gを得た。
得られた化合物の構造及び融点を第2表に示す。
実施例66 3′,4′−ジヒドロキシ−5−エトキシカルボニルメチ
ルオキシ−7,8−ジメトキシ−3−n−ヘキシルフラボ
ンの製造 3′,4′−ビス(ベンジルオキシ)−5−エトキシカ
ルボニルメチルオキシ−7,8−ジメトキシ−3−n−ヘ
キシルフラボン(化合物65)を用い、実施例33と同様に
して、目的化合物(化合物66)を製造した。
得られた化合物の構造及び融点を第2表に示す。
実施例67 3′,4′−ジヒドロキシ−5−カルボキシメチルオキシ
−7,8−ジメトキシ−3−n−ヘキシルフラボンの製造 3′,4′−ジヒドロキシ−5−エトキシカルボニルメ
チルオキシ−7,8−ジメトキシ−3−n−ヘキシルフラ
ボン(化合物66)540mgのメタノール30ml溶液に、無水
炭酸カリウム3gを加え、4時間加熱還流した。反応混合
物に希塩酸を加えて酸性とし、酢酸エチルで抽出後、有
機層を水洗乾燥し、濃縮した。得られた粗生成物を炭酸
水素ナトリウム−塩酸水溶液で再結晶して、目的化合物
273mgを得た。
得られた化合物の構造及び融点を下記第2表に示す。
薬理試験例1 5−リポキシゲナーゼ阻害活性試験 この試験に従う5−リポキシゲナーゼ酵素の調製及び
その阻害活性の測定は、文献記載の方法〔J.Biol.Che
m.,261,7982(1986)〕に準じて、以下の方法により行な
った。
即ち、まずブタ末梢血より白血球を分取し、その超音
波破砕物の高速遠心上清に含まれる5−リポキシゲナー
ゼを、5Lox-6抗体(ブタ白血球5−リポキシゲナーゼに
対するモノクローン抗体)の免疫親和性クロマトグラフ
ィーカラムに吸着させ、0.2%デオキシコール酸含有緩
衝液(pH10)で溶出して、5−リポキシゲナーゼを精製
した。
次に、2mM CaCl2及び2mM ATPを含む50mMトリス塩酸緩
衝液(pH7.4)に、上記で得た5−リポキシゲナーゼ2
μgと各種濃度の検体(4μlメタノール溶液)とを加
え、24℃で2分間インキュベートした後、25μM14C−
アラキドン酸(50000cpm、5μlエタノール溶液)を加
えて(全量200μl)、24℃で3分間インキュベートし
た。その後、1Mクエン酸/メタノール/ジエチルエーテ
ル(1:4:30)300μlを加えて反応を停止させると共
に、生成物を抽出した。抽出物を薄層クロマトグラフィ
ーで展開分画し、アラキドン酸、5(S)−ヒドロペル
オキシ−6,8,11,14−エイコサテトラエン酸(5−HPET
E)及びその他の画分の14Cを、ラジオクロマトスキャナ
ーで計数した。
検体の阻害活性は、コントロールの5−HPETE生成率
に対して50%抑制を示す検体の濃度(IC50、単位=μ
M)として表わした。
検体として前記実施例で得られた各化合物を用いて得
られた結果を下記第3表に示す。
上記第3表より、本発明3−アルキルフラボン誘導体
は、いずれも従来のフラボン誘導体と比較して、低濃度
で5−リポキシゲナーゼ阻害活性を示すことが明らかで
ある。
製剤例1 有効成分として3−n−ヘキシル−3′,4′−ジヒド
ロキシ−5,7,8−トリメトキシフラボン(化合物43)
を、1錠当り20mg含有する錠剤(1000錠)を、次の処方
により調製した。 成 分 量(g) 化合物43 20 デンプン 130 マグネシウムステアレート 10乳糖 40 全 量 200 即ち、上記各成分を均一に混合した後、混合物を錠剤
にプレス成型した。
製剤例2 有効成分として3′,4′−ビス(ベンジルオキシ)−
3−n−ヘキシル−5,7,8−トリメトキシフラボン(化
合物3)を、1カプセル当り100mg含有する硬質ゼラチ
ンカプセル(1000錠)を、次の処方により調製した。 成 分 量(g) 化合物3 100 結晶セルロース 30 コーンスターチ 17 タルク 2マグネシウムステアレート 1 全 量 150 即ち、上記処方に従い各成分を細かく粉末にし、均一
な混合物となるように充分に混和した後、所望の寸法を
有する経口投与用ゼラチンカプセルに充填して、目的の
カプセル剤を調製した。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 〔式中R1及びR2はそれぞれ同一又は相異なって水素原子
    又は低級アルキル基を、R3は水素原子、低級アルキル
    基、低級アルコキシカルボニル低級アルキル基又はカル
    ボキシ低級アルキル基を、R4は炭素数1〜16のアルキル
    基を、R5及びR6はそれぞれ水素原子又はベンジル基を示
    す。〕 で表わされる3−アルキルフラボン誘導体及びその塩。
  2. 【請求項2】R5及びR6がそれぞれ水素原子である請求項
    に記載の3−アルキルフラボン誘導体及びその塩。
  3. 【請求項3】請求項又はに記載の3−アルキルフラ
    ボン誘導体及びその塩から選ばれる少なくとも1種を有
    効成分として含有することを特徴とする5−リポキシゲ
    ナーゼ阻害剤。
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