JP2829384B2 - 耐熱性コバルトイオン吸着材及びその製造方法 - Google Patents

耐熱性コバルトイオン吸着材及びその製造方法

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JP2829384B2 JP17600096A JP17600096A JP2829384B2 JP 2829384 B2 JP2829384 B2 JP 2829384B2 JP 17600096 A JP17600096 A JP 17600096A JP 17600096 A JP17600096 A JP 17600096A JP 2829384 B2 JP2829384 B2 JP 2829384B2
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孝志 岩崎
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武雄 蛯名
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な耐熱性コバル
トイオン吸着材及びその製造方法に関するものである。
さらに詳しくいえば、本発明は、pH3〜11の領域で
コバルトイオン吸着能を示し、かつ50℃以上の高温水
中での使用が可能な耐熱性コバルトイオン吸着材及びこ
のものを効率よく製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、原子力発電においては、原子炉の
一次冷却水中に配管などの原子炉材料から微量の金属が
溶出し、炉心において放射化され、54Mn、59Fe、58
Co、60Coなどの放射性核種が生成することが知られ
ており、そしてこの放射性核種を除去する目的でイオン
交換樹脂を用いた炉水浄化装置が取り付けられている。
【0003】しかしながら、イオン交換樹脂は、耐熱性
に劣るため、高温の炉水の一部を取り出し、40℃程度
に冷却したのち、炉水浄化装置に送り込み、浄化された
水は再び加熱して炉水に戻す操作が行われている。この
ような方法では、熱損失を伴うことから、イオン交換樹
脂に代わる50℃以上の高温水中で使用可能な耐熱性に
優れるイオン交換材料の開発が望まれている。特に、放
射性核種中のコバルトイオンは放射化エネルギーが高
く、原子炉の定期点検の際に作業者の被曝の原因となる
ことから社会問題となっている。
【0004】高温水中からコバルトイオンを吸着除去す
る試みとしては、例えば無機イオン交換体である結晶質
チタン酸繊維を用いた例が報告されている[「Bul
l.Chem.Soc.Jpn.」,第59巻,第49
ページ(1986年)]。しかしながら、この結晶質チ
タン酸繊維は、コバルトイオン吸着能が、100℃以上
で結晶相の変化に伴い低下することから、高温水中での
使用には適さない。
【0005】また、含水酸化チタンを多孔性チタン金属
に担持させた吸着材が検討され、このものは高温水中で
コバルトイオンを結晶中に取り込んだ化合物を生成する
化学吸着能を有することが報告されている[「セラミッ
クス」,第20巻,第3号,第203ページ(1985
年)]。しかしながら、この吸着材は、合成操作が煩雑
である上、高価なチタンアルコキシド化合物を使用する
ため、製造コストが高くつくのを免れないという欠点を
有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来のコバルトイオン吸着材がもつ欠点を克服し、高温
水中でも使用可能な耐熱性に優れ、かつ簡単な操作で容
易に製造しうる経済的に有利なコバルトイオン吸着材を
提供することを目的としてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、耐熱性に
優れたコバルトイオン吸着材について、鋭意研究を重ね
た結果、特定の構造を有するセリウム、リン酸及び脂肪
族アミンから成る複合化合物が耐熱性に優れ、かつコバ
ルトイオン吸着能を有すること、そしてこのものは、リ
ン酸含有溶液と四価セリウムイオン含有溶液を混合して
複合沈殿物を生成させ、この複合沈殿物と特定の脂肪族
アミンとを反応させることにより、容易に得られること
を見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至っ
た。
【0008】すなわち、本発明は、基本構造が、一般式 Ce1+a(H1-2aPO42・xCn2n+y(NH22-y (I) (式中のaは−0.1〜0.1の数、xは0より大きく
2未満の数、yは0又は1、nは1〜20の整数であ
る)で表わされる耐熱性コバルトイオン吸着材を提供す
るものである。
【0009】本発明によれば、前記耐熱性コバルトイオ
ン吸着材は、リン酸含有溶液と四価セリウムイオン含有
溶液を混合して複合沈殿物を生成させ、次いで、この複
合沈殿物と一般式 Cn2n+y(NH22-y (II) (式中のyは0又は1、nは1〜20の整数である)で
表わされる脂肪族アミンとを反応させることにより、製
造することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の耐熱性コバルトイオン吸
着材は、一般式 Ce1+a(H1-2aPO42・xCn2n+y(NH22-y (I) で表わされる基本構造を有するものである。一般式
(I)において、aは−0.1〜0.1の範囲の数、x
は0より大きく2未満の数、yは0又は1、nは1〜2
0、好ましくは5〜12の整数である。このような基本
構造を有する複合化合物は、良好なコバルトイオン吸着
能を有し、かつ耐熱性に優れ、50℃以上の高温水中で
も使用可能であり、また、pH3〜11の広いpH領域
において使用することができる。
【0011】このような耐熱性コバルトイオン吸着材
は、(1)複合沈殿物の生成工程及び(2)脂肪族アミ
ン複合化工程を順次施すことによって製造することがで
きる。
【0012】前記(1)の複合沈殿物の生成工程におい
ては、まずリン酸含有溶液を調製する。このリン酸含有
溶液におけるリン酸濃度は特に制限されないが、0.2
〜5.0モル/リットル、好ましくは1.0〜5.0モ
ル/リットルの範囲にあるのがよい。一方、四価セリウ
ムイオン含有溶液を調製する。四価セリウムイオンを形
成する塩としては、例えば硫酸塩、塩酸塩、硝酸塩、炭
酸塩などを挙げることができる。この四価セリウムイオ
ン含有溶液における四価セリウムイオン濃度は特に制限
されないが、通常0.05〜2.0モル/リットル、好
ましくは0.2〜1.0モル/リットルの範囲で選ばれ
る。この際、鉱酸あるいはアルカリ溶液を加えてpHを
調整してもよい。
【0013】次いで、前記リン酸含有溶液と四価セリウ
ムイオン含有溶液を混合して複合沈殿物を生成させる。
この際、リン酸含有溶液中に四価セリウムイオン含有溶
液を添加してもよいし、逆に四価セリウムイオン含有溶
液中にリン酸含有溶液を添加してもよいが、70〜95
℃程度に加温されたリン酸含有溶液中に、この温度を保
持しながら、四価セリウムイオン含有溶液を添加するの
が有利である。添加する四価セリウムイオンの量は、リ
ン酸に対して30モル%以下、特に10モル%以下が好
ましい。
【0014】生成した複合沈殿物は、ろ過などの公知の
手段により回収したのち、水洗などにより十分に洗浄し
て副生塩を除去する。この複合沈殿物は、そのまま脂肪
族アミン複合化工程に供してもよいし、必要に応じ乾燥
処理したのち、脂肪族アミン複合化工程に供してもよ
い。
【0015】次に、前記(2)の脂肪族アミン複合化工
程においては、まず脂肪族アミン含有溶液を調製する。
この脂肪族アミン含有溶液における脂肪族アミン濃度は
特に制限されないが、通常0.05〜2.0モル/リッ
トル、好ましくは0.2〜0.5モル/リットルの範囲
で選ばれる。また、この脂肪族アミンの使用量は、目的
とするコバルトイオン吸着材の脂肪族アミン含有量に応
じて適宜選ばれるが、上記(1)の工程で得られた複合
沈殿物のカチオン交換容量(例えば4.5ミリモル/
g)に対し、2倍以下となるように選ぶのがよい。
【0016】この脂肪族アミンは、一般式 Cn2n+y(NH22-y (II) (式中のyは0又は1、nは1〜20の整数である)で
表わされるアルキルアミン及びアルキレンジアミンの中
から選ばれたものであり、特に炭素数5〜12のアルキ
ルアミンやアルキレンジアミンが好適である。この脂肪
族アミンにおけるアルキル基やアルキレン基は、直鎖
状、枝分かれ状、環状のいずれであってもよく、またア
ルキレンジアミンの中の2個のアミンの結合位置につい
ては特に制限はない。アルキルアミンの例としては、ペ
ンチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミ
ン、オクチルアミン、デシルアミン、ドデシルアミンな
どが挙げられ、アルキレンジアミンの例としてはペンタ
メチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジアミノ
シクロヘキサン、オクタメチレンジアミン、デカメチレ
ンジアミン、ドデカメチレンジアミンなどが挙げられ
る。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合
わせて用いてもよい。
【0017】前記脂肪族アミン含有溶液を60〜80℃
程度に加温し、これに複合沈殿物を加え、上記温度を保
持しながら、通常1〜48時間、好ましくは8〜24時
間程度かき混ぜ、反応させたのち、生成物をろ過などの
公知の手段により取り出し、洗浄後、乾燥処理する。洗
浄は、まず水で洗浄したのち、エタノールなどの水混和
性低沸点溶剤で洗浄するのが好ましい。乾燥処理につい
ては特に制限はなく、一般的な乾燥機や乾燥剤の入った
デシケーターを用いて室温ないし120℃程度、好まし
くは室温ないし50℃程度の温度で脱水乾燥してもよい
し、あるいは噴霧乾燥や凍結乾燥などの方法により乾燥
してもよい。このようにして得られた生成物は微細な繊
維状の形態を示し、乾燥前に任意の形状に成形したの
ち、乾燥処理してもよい。また、乾燥後の固形物状のも
のを粉砕して用いてもよい。
【0018】このようにして得られた耐熱性コバルトイ
オン吸着材は化学分析、X線回折、熱分析、赤外分光、
NMRなどの測定や、走査型電子顕微鏡などによって確
認できる。また、コバルトイオンの吸着特性及び耐熱性
はコバルトイオンに対する分配係数の温度依存性を調べ
ることにより評価することができる。溶液中のコバルト
イオンは本発明の吸着材構造中のリン酸基に配位してい
る水素イオンとのイオン交換又は脂肪族アミンとの交換
により吸着されるものと推測される。
【0019】本発明の耐熱性コバルトイオン吸着材の生
成は、例えばX線回折測定により容易に確認することが
できる。銅管球、ニッケルフィルターを使用して測定し
た場合、(1)の工程で得られた複合沈殿物は2θ=8
°付近にブロードな回折線が認められるが、本発明の耐
熱性コバルトイオン吸着材は(2)の工程で使用する脂
肪族アミンのアルキル又はアルキレン鎖長に依存して、
回折線ピークが低角度側にシフトする。例えば、脂肪族
アミンとしてオクチルアミンを使用した場合には、2θ
=3°付近にピークはシフトし、層状の複合沈殿物の層
間にオクチルアミンが二分子膜を形成した状態で存在す
ると考えられる。複合沈殿物及び本発明の耐熱性コバル
トイオン吸着材の形態は走査型電子顕微鏡によって微細
な繊維状を示すことが観察される。
【0020】
【発明の効果】本発明の耐熱性コバルトイオン吸着材は
次の効果を奏する。 (1)従来のコバルトイオン吸着材に比べ、耐熱性に優
れ、コバルトイオンの吸着能も良好なことから、50℃
以上の高温水中での使用が可能である。 (2)耐化学薬品性も良好でpH3〜11の広いpH領
域で用いることができる。 (3)温和な生成条件下での簡便な工程で製造すること
ができる。 (4)生成物の形態が微細な繊維状であり、バインダー
を用いずに成形体が得られるので、造粒や担持などの賦
形化工程を必要としない。
【0021】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定さ
れるものではない。
【0022】実施例1 14Mのリン酸180mlに蒸留水を加え、500ml
に希釈し、リン酸含有溶液を調製し、これを1000m
lの三つ口フラスコに移し、90℃に加温した。次いで
蒸留水500mlに硫酸セリウム水和物一級試薬(純度
95%)20gを溶解し、さらに18M硫酸14mlを
加え、セリウムイオン含有溶液を調製した。前記リン酸
含有溶液に、セリウムイオン含有溶液をかき混ぜながら
滴下し、6時間そのままの状態で熟成させたのち、複合
沈殿物をろ別、水洗、乾燥させた。次にオクチルアミン
6.7gを蒸留水500mlに溶解し、1000mlの
三つ口フラスコに移し、60℃に加温し、前記複合沈殿
物10gを添加し、約20時間反応させた。オクチルア
ミン/リン酸基は1.0当量/モル(リン酸基)に想定
して反応させたものである。反応終了時の平衡pHは
5.5であった。反応生成物はろ別、水洗、エタノール
で洗浄したのち、デシケータを用い室温で乾燥させコバ
ルトイオン吸着材16.5gを得た。得られた吸着材の
X線回折結果では、001及び002に相当すると考え
られる27.6Åと13.9Åにブロードなピークが認
められた。化学分析の結果、a=0.03、x=1.9
8及びy=0.98であった。
【0023】次に、この吸着材を用いて、25℃におけ
るコバルトイオン吸着量を測定した。すなわち、20m
l容量のテフロン製密封容器に吸着材0.1gと0.0
1Mコバルトイオン溶液10mlを入れ、25℃の恒温
で7日間保持したのち、上澄み液中の残存コバルトイオ
ン濃度を定量し、コバルトイオン吸着量を算出した。結
果を表1に示す。
【0024】実施例2 実施例1において、オクチルアミン添加量を1.7gと
し、オクチルアミンと複合沈殿物中のリン酸基の割合を
0.25当量/モル(リン酸基)とした以外は、実施例
1と同様にしてコバルトイオン吸着材11.5gを得
た。反応終了時の平衡pHは3.0であった。この吸着
材のX線回折結果では、26.6Åと11.4Åにブロ
ードなX線回折ピークが認められた。化学分析の結果、
a=0.05、x=0.51及びy=0.99であっ
た。次に、この吸着材を用い、実施例1と同様にして2
5℃におけるコバルトイオン吸着量を測定した。結果を
表1に示す。
【0025】実施例3 実施例1において、オクチルアミン添加量を3.5gと
し、オクチルアミンと複合沈殿物中のリン酸基の割合を
0.5当量/モル(リン酸基)とした以外は、実施例1
と同様にしてコバルトイオン吸着材13.5gを得た。
反応終了時の平衡pHは4.1であった。この吸着材の
X線回折結果では、001及び002に相当すると考え
られる27.3Åと13.8ÅにブロードなX線回折ピ
ークが認められた。化学分析の結果、a=−0.02、
x=1.01及びy=0.98であった。次に、この吸
着材を用い、実施例1と同様にして25℃におけるコバ
ルトイオン吸着量を測定した。結果を表1に示す。
【0026】実施例4 実施例1において、オクチルアミン添加量を13.3g
とし、オクチルアミンと複合沈殿物中のリン酸基の割合
を2.0当量/モル(リン酸基)とした以外は、実施例
1と同様にしてコバルトイオン吸着材17.0gを得
た。反応終了時の平衡pHは6.9であった。この吸着
材のX線回折結果では、001及び002に相当すると
考えられる27.8Åと14.7ÅにブロードなX線回
折ピークが認められた。化学分析の結果、a=0.0
4、x=1.99及びy=0.99であった。次に、こ
の吸着材を用い、実施例1と同様にして25℃における
コバルトイオン吸着量を測定した。結果を表1に示す。
【0027】実施例5 実施例1において、オクチルアミンの代わりにドデシル
アミン9.6g、溶媒としてエタノールを用いた以外
は、実施例1と同様にしてコバルトイオン吸着材19.
5gを得た。ドデシルアミンと複合沈殿物中のリン酸基
との割合は1.0当量/モル(リン酸基)に想定した。
反応終了時の平衡pHは6.0であった。この吸着材の
X線回折結果では、38.0Å、18.5Å及び12.
4ÅにブロードなX線回折ピークが認められ、それぞれ
001、002及び003に相当するピークと考えられ
る。化学分析の結果、a=0.09、x=1.96及び
y=0.98であった。次に、この吸着材を用い、実施
例1と同様にして25℃におけるコバルトイオン吸着量
を測定した。結果を表1に示す。
【0028】実施例6 実施例1において、オクチルアミンの代わりにオクタメ
チレンジアミン3.7gを用いた以外は、実施例1と同
様にして吸着材13.5gを得た。オクタメチレンジア
ミンと複合沈殿物中のリン酸基との割合は1.0当量/
モル(リン酸基)に想定した。反応終了時の平衡pHは
6.0であった。この吸着材のX線回折結果では、1
5.8ÅにブロードなX線回折ピークが認められた。化
学分析の結果、a=0.02、x=1.97及びy=
0.02であった。次に、この吸着材を用い、実施例1
と同様にして25℃におけるコバルトイオン吸着量を測
定した。結果を表1に示す。
【0029】実施例7 実施例1において、オクチルアミンの代わりにドデカメ
チレンジアミン5.2g、溶媒としてエタノールを用い
た以外は、実施例1と同様にしてコバルトイオン吸着材
15.0gを得た。ドデカメチレンジアミンと複合沈殿
物中のリン酸基との割合は1.0当量/モル(リン酸
基)に想定した。反応終了時の平衡pHは6.6であっ
た。この吸着材のX線回折結果では、22.3Å、1
5.4Å及び11.2ÅにX線回折ピークが認められ、
それぞれ002、003及び004に相当するピークと
考えられる。化学分析の結果、a=0.01、x=1.
99及びy=0.01であった。次に、この吸着材を用
い、実施例1と同様にして25℃におけるコバルトイオ
ン吸着量を測定した。結果を表1に示す。
【0030】比較例 14Mのリン酸180mlに蒸留水を加え、500ml
に希釈し、リン酸含有溶液を調製し、これを1000m
lの三つ口フラスコに移し、90℃に加温した。次いで
蒸留水500mlに硫酸セリウム水和物一級試薬(純度
95%)20gを溶解し、さらに18M硫酸14mlを
加え、セリウムイオン含有溶液を調製した。前記リン酸
含有溶液に、セリウムイオン含有溶液をかき混ぜながら
滴下し、6時間そのままの状態で熟成させたのち、複合
沈殿物をろ別、水洗後、乾燥させてコバルトイオン吸着
材19gを得た。この吸着材のX線回折結果から11.
2Åにピークを有するX線回折像が認められた。次に、
この吸着材を用い、実施例1と同様にして25℃におけ
るコバルトイオン吸着量を測定した。結果を表1に示
す。
【0031】
【表1】
【0032】コバルトイオン吸着量はオクチルアミンを
用いた場合、その添加量の増加とともにアミン/リン酸
基(当量/モル)の値が1.0まで比例して増加し、
2.0では飽和する傾向が認められる。脂肪族アミンの
種類を変化させた場合、炭素数8のオクチルアミン(実
施例1)及びオクタメチレンジアミン(実施例6)との
複合体が吸着量が大きく、ドデカメチレンジアミン(実
施例7)、ドデシルアミン(実施例5)の順で複合体の
コバルトイオン吸着量が低下する傾向を示す。
【0033】実施例8 25℃におけるコバルトイオン吸着量が比較的大きい実
施例1及び実施例6の吸着材について、各温度における
コバルトイオン吸着量を測定した。すなわち、20ml
容量のテフロン製密封容器に吸着材0.05gと0.0
1Mコバルトイオン溶液10mlを入れ、25〜200
℃の範囲における各温度の恒温で7日間保持したのち、
室温まで放冷後、上澄み液中の残存コバルトイオン濃度
を定量し、吸着量を算出した。結果を表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】実施例1及び実施例6の吸着材は100℃
以上の温度領域でも高いコバルトイオン吸着量を保持し
ていることから、高温水中からコバルトイオンを吸着・
除去することが可能であり、原子炉水中のコバルトイオ
ン除去に通常用いられている冷却工程を用いることなく
使用でき、有用と考えられる。
【0036】実施例9 実施例1及び実施例6のコバルトイオン吸着材につい
て、コバルトイオンに対する分配係数を初期pHを変化
させて測定した。すなわち、20ml容量のテフロン製
密封容器に0.1M塩酸溶液又は0.1M水酸化ナトリ
ウム溶液を用いて初期pHを調製した10-4Mコバルト
イオン溶液と吸着材0.05gを入れ、25℃の恒温で
7日間保持したのち、上澄み液中の残存コバルトイオン
濃度を定量し、分配係数(Kd)値を算出した。結果を
表3に示す。
【0037】
【表3】
【0038】実施例1及び実施例6の吸着材の分配係数
はpH3以上でpHとともに増加し、pH6以上で一定
となる傾向を示す。中性から弱アルカリpH領域に水質
管理されている原子炉水への適用に際してはpH調整す
ることなく、使用可能であり非常に有用である。またp
Hを3以下にした場合、吸着量が極端に減少しているこ
とから、鉱酸を用いて吸着材の再生も可能と考えられ
る。
【0039】実施例10 実施例1及び比較例のコバルトイオン吸着材について、
コバルトイオンに対する分配係数を吸着温度を変化させ
て測定した。すなわち、20ml容量のテフロン製密封
容器に、吸着材0.05gと初期pHを4.0に調整し
た10-4Mコバルトイオン溶液10mlを入れ、25〜
150℃の範囲における各温度の恒温で7日間保持した
のち、室温まで放冷後、上澄み液中の残存コバルトイオ
ン濃度を定量し、分配係数(Kd)値を算出した。な
お、吸着試験終了時の上澄み液の平衡pHは3〜4の間
であった。結果を表4に示す。
【0040】
【表4】
【0041】脂肪族アミンを複合化させていない比較例
の吸着材(複合沈殿物)はコバルトイオンに対する選択
性がそれほど高くないことに加え、反応温度の上昇に伴
い分配係数値が低下することから耐熱性も高くないもの
と判断される。一方、本発明の吸着材は複合沈殿物に比
べ、一桁以上高い分配係数値を有することに加え、50
℃を超える高温水中でも102以上の値を保持してお
り、高い分配係数及び耐熱性を有しており、原子炉水中
のコバルトイオン除去に有用である。
【0042】実施例11 実施例1の吸着材0.5gと0.01Mコバルトイオン
水溶液200mlをオートクレーブに入れ、300℃で
24時間処理した。反応後の上澄み液中の残存コバルト
イオン濃度の分析から求めたコバルトイオン吸着量は
2.0ミリモル/gであり、300℃の高温下でもコバ
ルトイオンに対して高い吸着能を示した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 蛯名 武雄 宮城県仙台市宮城野区清水沼2丁目3番 6号 泉荘202号 (72)発明者 鳥居 一雄 宮城県仙台市太白区西中田1丁目19番13 号 (56)参考文献 特開 平7−299353(JP,A) 特開 平6−254387(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B01J 20/02

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基本構造が、一般式 Ce1+a(H1-2aPO42・xCn2n+y(NH22-y (式中のaは−0.1〜0.1の数、xは0より大きく
    2未満の数、yは0又は1、nは1〜20の整数であ
    る)で表わされる耐熱性コバルトイオン吸着材。
  2. 【請求項2】 nが5〜12の整数である請求項1記載
    の耐熱性コバルトイオン吸着材。
  3. 【請求項3】 50℃以上の高温水中で使用される請求
    項1又は2記載の耐熱性コバルトイオン吸着材。
  4. 【請求項4】 pH3〜11の範囲の溶液中で使用され
    る請求項1,2又は3記載の耐熱性コバルトイオン吸着
    材。
  5. 【請求項5】 リン酸含有溶液と四価セリウムイオン含
    有溶液を混合して複合沈殿物を生成させ、次いでこの複
    合沈殿物と一般式 Cn2n+y(NH22-y (式中のyは0又は1、nは1〜20の整数である)で
    表わされる脂肪族アミンとを反応させることを特徴とす
    る請求項1記載の耐熱性コバルトイオン吸着材の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 脂肪族アミンが炭素数5〜12のアルキ
    ルアミン及びアルキレンジアミンの中から選ばれたもの
    である請求項5記載の耐熱性コバルトイオン吸着材の製
    造方法。
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