JP2828059B2 - ヒートシンクの実装構造 - Google Patents

ヒートシンクの実装構造

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  • Cooling Or The Like Of Electrical Apparatus (AREA)
  • Cooling Or The Like Of Semiconductors Or Solid State Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント基板に搭
載された複数個の集積回路から放射される電磁波を遮断
し、且つ各々の集積回路を効率良く放熱させるヒートシ
ンクの実装構造に関し、特にCPU、キャシュメモリー
等の複数のLSIからの電磁波を遮断すると共にLSI
を放熱させるヒートシンクの実装構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のヒートシンクの実装構造
は、特開平2−17659号公報に示されるように、プ
リント基板に複数個実装されたLSIを大型のヒートシ
ンクで一括して放熱させ、大型のヒートシンクとプリン
ト基板とで複数個のLSIをまとめて覆うことにより電
磁波を遮断し電磁障害(EMI)を防いでいた。特開平
2−17659号公報に記載されたヒートシンクの実装
構造は、図5に示す様にプリント基板51に搭載された
複数個のLSI52を覆う大型のヒートシンク54がプ
リント基板51と導電性金属片55を介して導通され、
複数個のLSI52から放射される電磁波を遮断してい
る。また、複数個のLSI52はクッション材53を介
してヒートシンク54に熱を逃がす構造である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】特開平2−17659
号公報に記載されたヒートシンクの実装構造は、LSI
の熱をクッションを介してヒートシンクに伝え放熱して
いる。よって、LSIの寸法公差やヒートシンク、導伝
性金属片の寸法公差を吸収する為には、クッションには
熱伝導性と相反する軟度及び厚みが要求される。また最
近のLSIには高密度パッケージとしてBGA(ボール
グリッドアレイ)が採用されているが、この場合半田バ
ンプへの加重は接続信頼性上極力低く抑える事が必要で
あり、クッションを使用するにあたっては更なる軟度が
要求される事になり、熱伝導性が一層悪化する。LSI
の寸法公差を吸収する為に、クッションの厚みを更に増
して弾性変形量を増大させる方法もあるが、当然この場
合も厚みが増す事による熱伝達経路の増大、熱伝導性悪
化となる。
【0004】以上のように従来のヒートシンクの実装構
造は、LSIとヒートシンクの間にクッションを介す構
造で、熱伝導性が悪いという欠点があった。BGAパッ
ケージにも適用できる熱伝導性に優れ、且つLSIへの
加圧力すなわち半田バンプへの加重を低く抑える事ので
きる構造が必要となってきている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のヒートシンクの
実装構造は、プリント基板(図1の1)と、このプリン
ト基板に実装された第1及び第2の集積回路(図1の2
及び3)と、前記第1の集積回路の上面に載置されかつ
前記プリント基板の少くとも前記第1及び第2の集積回
路の周辺部分を覆う第1のヒートシンク(図1の5)
と、この第1のヒートシンクに設けられた穴(図2の1
8)を挿通して前記第2の集積回路の上面に載置された
第2のヒートシンク(図1の13)と、前記第1のヒー
トシンクを前記プリント基板及び前記第1の集積回路に
対して固定する固定手段(図1の6)とを備えている。
【0006】本発明のヒートシンクの実装構造は、プリ
ント基板(図1の1)と、このプリント基板に実装され
た第1及び第2の集積回路(図1の2及び3)と、前記
第1の集積回路の上面に載置されかつ前記プリント基板
の少くとも前記第1及び第2の集積回路の周辺部分を覆
う第1のヒートシンク(図4の19)と、前記第2の集
積回路の上面に載置され上面に設けられたフィン(図4
の21)が前記第1のヒートシンクに設けられた前記フ
ィンの断面とほぼ同一形状の穴(図4の22)を挿通す
る第2のヒートシンク(図4の20)と、前記第1のヒ
ートシンクを前記プリント基板及び前記第1の集積回路
に対して固定する固定手段(図1の6)とを備えてい
る。
【0007】本発明のヒートシンクの実装構造は、第1
の集積回路へ作用する第1のヒートシンクの加圧力が過
大にならないようにするために前記第1のヒートシンク
と固定手段との間に設けられたスプリング(図2の8)
を備え、第2のヒートシンクを第2の集積回路に押し付
ける加圧手段(図2の14,図4の16)を備え、第2
のヒートシンクに設けられ前記第1のヒートシンクを前
記プリント基板及び第1の集積回路から取り外した時に
前記第2のヒートシンクが前記第1のヒートシンクに設
けた穴から抜け落ちないようにする係止部(図2の1
5,図4の17)を備えることが望ましい。
【0008】この本発明のヒートシンクの実装構造は、
第1及び第2のヒートシンクの少くともいずれか一方は
放熱シート(図2及び図4の4)を介して第1及び第2
の集積回路の少くともいずれか一方の上面に載置された
ようにすることもでき、この場合は放熱シートは第1ま
たは第2のヒートシンクに接着することが望ましく、ま
た第1及び第2のヒートシンクの少くともいずれか一方
はグリスを介して第1及び第2の集積回路の少くともい
ずれか一方の上面に載置されたようにすることもでき
る。
【0009】さらに、本発明のヒートシンクの実装構造
は、第1のヒートシンクの周縁部とプリント基板の間に
EMIガスケットを挟む構造であることが望ましい。
【0010】さらに上述の本発明のヒートシンクの実装
構造で、例えば第1の集積回路はCPUであり第2の集
積回路はプリント基板の前記第1の集積回路の周辺に搭
載された複数のLSIである。
【0011】
【0012】
【発明の実施の形態】次に、本発明について図面を参照
して詳細に説明する。図1は本発明の実施の形態のヒー
トシンクの実装構造の斜視図であり、図2及び図3はそ
れぞれ図1のAA断面図及びBB矢視図である。
【0013】図1〜図3を参照すると、本実施の形態で
はプリント基板1にCPU2及びCPU2の周辺の複数
のキャシュメモリー等のLSI3が実装されている。プ
リント基板1はCPU2及びLSI3を取り囲むように
グランドパッド9を有し、グランドパッド9上には導電
性補強片10が実装され、補強片10はプリント基板1
に設けられた穴を通るネジ11により固定されている。
補強片10に導電性材料からなるEMIガスケット12
が接着されている。CPU冷却用大型ヒートシンク5
は、下面中央部に設けられた凸部がCPU2上に放熱シ
ート4を介して載置され、ヒートシンク5及びプリント
基板1に設けられた穴を通るねじ6及びナット7によっ
てヒートシンク5はCPU2上に固定されている。ねじ
6の頭部とヒートシンク5の間に介在するスプリング8
により、ねじ6を締め付けてもヒートシンク5からCP
U2に一定以上の力が加わらないよう調整されている。
放熱シート4はCPU用ヒートシンク5に接着されるべ
きである。また、弾性のあるEMIガスケット12がC
PU用ヒートシンク5の周縁部に接触し、CPU2及び
LSI3から放射される電磁波を遮断する。
【0014】LSI用ヒートシンク13はCPU用ヒー
トシンク5のLSI3の上側の部分に設けられた穴18
を挿通してCPU用ヒートシンク5に各々独立して取り
付けられており、LSI用ヒートシンク13は爪15に
よりCPU用ヒートシンク5の穴18からの脱落が防止
される。LSI用ヒートシンク13とCPU用ヒートシ
ンク5の間に挟まれた板状スプリング14がヒートシン
ク13をLSI3に押し付けている。この板状スプリン
グ14は十分な弾性を有し、LSI用ヒートシンク13
をLSI3に接触させるに際し、LSI3への加圧力を
低く抑え且つLSI3及び各部材の寸法公差を吸収して
いる。
【0015】LSI用ヒートシンク13は各LSI3ご
とに独立して設けられ板状スプリング14により、寸法
公差が吸収されている為、LSI用ヒートシンク13と
LSI3との接触部は放熱性に優れた厚みの薄い放熱シ
ート4を介するだけにする事が可能であり、LSI3か
ら熱伝導性の良い、効率良い放熱を行える。
【0016】図4(A)及び(B)それぞれは本発明の
他の実施の形態のヒートシンクの実装構造のLSI3の
近傍部分の断面図及び平面図である。本実施の形態は図
1〜図3に示した実施の形態に対しプリント基板1,C
PU2,LSI3等は同一でLSI用ヒートシンク20
等が異なっている。本実施の形態でのCPU用ヒートシ
ンク19もLSI3の上側の部分は図1〜図3に示した
実施の形態と異なるがその他の部分は図1〜図3に示し
た実施の形態でのCPU用ヒートシンク5と同一であ
る。
【0017】図4を参照すると、放熱シート4を介して
LSI3上に載置されるLSI用ヒートシンク20の上
面には複数の棒状のフィン21が形成されている。
【0018】LSI用ヒートシンク13の棒状フィン2
1とフィン21を通す為にCPU用ヒートシンク19に
空けられた穴22との隙間はわずかであり、CPU2及
びLSI3からの電磁波の遮断をより効果的に行うこと
ができる。棒状フィン21に設けられた溝に装着された
ワッシャ17がヒートシンク20のCPU用ヒートシン
ク19からの脱落を防ぎ、LSI用ヒートシンク20と
CPU用ヒートシンク19の間にはスプリング16を有
し、LSI用ヒートシンク20をLSIへ小さな力で加
圧している。
【0019】放熱シート4は、例えばシリコン樹脂のシ
ートを用いることができ、CPU用ヒートシンク5,1
9またはLSI用ヒートシンク13,19に接着してお
けば取り扱い易くなるが、接着してなくても本発明は適
用可能である。
【0020】また、放熱シート4を用いないでCPU2
及びLSI3の上面にシリコングリース等のグリースを
塗っておいてCPU2とCPU用ヒートシンク5,19
との間及びLSI3とLSI用ヒートシンク13,20
との間にグリースを挟むようにしてもよい。この場合に
グリースを薄くしても本発明では十分な放熱効果を得る
ことができる。
【0021】さらに、CPU2及びLSI3の上面並び
にヒートシンクのこれらCPU2及びLSI3に対向す
る面の平面度及び表面粗さを十分に小さくしておけば、
放熱シートもグリースも用いずにCPU2及びLSI3
の上面にヒートシンクを直接に接触させるだけでもよ
い。この場合にも本発明はCPU用ヒートシンク及びL
SI用ヒートシンクが独立して動き得るように取り付け
られ、別個のスプリングで加圧されるためCPU2,L
SI3等の寸法のばらつきを吸収してCPU2及びLS
I3の上面にヒートシンクを密着させることができ、十
分な放熱効果を得ることができる。
【0022】なお、CPU2とCPU用ヒートシンクと
の間にのみ放熱シート4を挟み、LSI3とLSI用ヒ
ートシンクとは直接に接触させることも勿論可能であ
る。
【0023】図4には丸棒状のフィン21を示してある
が、LSI用ヒートシンクの上面に角棒状または平板状
のフィンを設け、CPU用ヒートシンクにこれらを通す
ための角穴や長穴を開けるようにしてもよい。このよう
な場合にはLSI用ヒートシンクをLSIに押し付ける
ためのスプリングを取り付け易いようにコイル状スプリ
ングまたは板状スプリング等の適切なものにすればよ
い。
【0024】また、プリント基板1の無振動が確保され
ているような場合は、LSI用ヒートシンクをLSIに
押し付ける加圧手段としてスプリングの代わりにLSI
ヒートシンクの自重を用いることができる場合もあり、
さらに加圧手段として磁力の利用も考えられる。
【0025】
【発明の効果】本発明のヒートシンクの実装構造は、プ
リント基板に実装された第1及び第2の集積回路及びそ
の周辺を第1及び第2のヒートシンクで覆い、第1及び
第2の集積回路から放射される電磁波を遮断し電磁障害
を防ぐことができる。
【0026】また、第1及び第2の集積回路それぞれを
放熱させる第1及び第2のヒートシンクを独立に取り付
けることにより、各部材の寸法公差を吸収し、第1及び
第2の集積回路と第1及び第2のヒートシンクとの間に
介在させた場合に放熱シートを薄くし軟度が低いものに
しても第1及び第2のヒートシンクを放熱シートを介し
て第1及び第2の集積回路に十分に接触させることがで
き、第1及び第2の集積回路に対する熱伝導性の良い効
率の良い放熱、冷却が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のヒートシンクの冷却構造
の分解斜視図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図1のB−B矢視図である。
【図4】(A)は本発明の他の実施の形態のヒートシン
クの冷却構造の部分断面図である。(B)(A)の部分
を上から見た平面図である。
【図5】従来のヒートシンクの冷却構造の断面図であ
る。
【符号の説明】
1 プリント基板 2 CPU 3 LSI 4 放熱シート 5 CPU用ヒートシンク 6 ねじ 7 ナット 8 スプリング 9 グランドパッド 10 導電性補強片 11 ねじ 12 EMIガスケット 13 LSI用ヒートシンク 14 板状スプリング 15 爪 16 スプリング 17 ワッシャ 18 穴 19 CPU用ヒートシンク 20 LSI用ヒートシンク 21 棒状フィン 22 穴 51 プリント基板 52 LSI 53 クッション材 54 ヒートシンク 55 導電性金属片

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プリント基板と、このプリント基板に実
    装された第1及び第2の集積回路と、前記第1の集積回
    路の上面に載置されかつ前記プリント基板の少なくとも
    前記第1及び第2の集積回路の周辺部分を覆う第1のヒ
    ートシンクと、この第1のヒートシンクに設けられた穴
    を挿通して前記第2の集積回路の上面に載置された第2
    のヒートシンクと、前記第1のヒートシンクを前記プリ
    ント基板及び前記第1の集積回路に対して固定する固定
    手段とを含むことを特徴とするヒートシンクの実装構
    造。
  2. 【請求項2】 プリント基板と、このプリント基板に実
    装された第1及び第2の集積回路と、前記第1の集積回
    路の上面に載置されかつ前記プリント基板の少なくとも
    前記第1及び第2の集積回路の周辺部分を覆う第1のヒ
    ートシンクと、前記第2の集積回路の上面に載置され上
    面に設けられたフィンが前記第1のヒートシンクに設け
    られた前記フィンの断面とほぼ同一形状の穴を挿通する
    第2のヒートシンクと、前記第1のヒートシンクを前記
    プリント基板及び前記第1の集積回路に対して固定する
    固定手段とを含むことを特徴とするヒートシンクの実装
    構造。
  3. 【請求項3】 第1の集積回路へ作用する第1のヒート
    シンクの加圧力が過大にならないようにするために前記
    第1のヒートシンクと固定手段との間に設けられたスプ
    リングを備えたことを特徴とする請求項1または2記載
    のヒートシンクの実装構造。
  4. 【請求項4】 第2のヒートシンクを第2の集積回路に
    押し付ける加圧手段を備えたことを特徴とする請求項
    1、2または3記載のヒートシンクの実装構造。
  5. 【請求項5】 第2のヒートシンクに設けられ前記第1
    のヒートシンクを前記プリント基板及び第1の集積回路
    から取り外した時に前記第2のヒートシンクが前記第1
    のヒートシンクに設けた穴から抜け落ちないようにする
    係止部を備えたことを特徴とする請求項4記載のヒート
    シンクの実装構造。
  6. 【請求項6】 第1及び第2のヒートシンクの少なくと
    もいずれか一方は放熱シートを介して第1及び第2の集
    積回路の少なくともいずれか一方の上面に載置されたこ
    とを特徴とする請求項1ないし5記載のヒートシンクの
    実装構造。
  7. 【請求項7】 放熱シートは第1または第2のヒートシ
    ンクに接着されたことを特徴とする請求項6記載のヒー
    トシンクの実装構造。
  8. 【請求項8】 第1及び第2のヒートシンクの少なくと
    もいずれか一方はグリスを介して第1及び第2の集積回
    路の少なくともいずれか一方の上面に載置されたことを
    特徴とする請求項1ないし7記載のヒートシンク実装構
    造。
  9. 【請求項9】 第1のヒートシンクの周縁部とプリント
    基板の間にEMIガスケットが挟まれたことを特徴とす
    る請求項1ないし8記載のヒートシンクの実装構造。
  10. 【請求項10】 第1の集積回路はCPUであり第2の
    集積回路はプリント基板の前記第1の集積回路の周辺に
    搭載された複数のLSIであることを特徴とする請求項
    1ないし9記載のヒートシンクの実装構造。
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