JP2827699B2 - セラミックスグリーンシートの製造方法 - Google Patents
セラミックスグリーンシートの製造方法Info
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- JP2827699B2 JP2827699B2 JP4134957A JP13495792A JP2827699B2 JP 2827699 B2 JP2827699 B2 JP 2827699B2 JP 4134957 A JP4134957 A JP 4134957A JP 13495792 A JP13495792 A JP 13495792A JP 2827699 B2 JP2827699 B2 JP 2827699B2
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- green sheet
- drying
- ceramic green
- ceramic
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、坏土を押し出し成形し
たのち乾燥させるセラミックスグリーンシートの製造方
法に関する。
たのち乾燥させるセラミックスグリーンシートの製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、セラミックスグリーンシート
の製造方法として、セラミックス原料粉末、メチルセル
ローズ系のバインダー、および水を混練して坏土を形成
し、この坏土を押し出し成形したのち乾燥炉で乾燥させ
る方法がある。
の製造方法として、セラミックス原料粉末、メチルセル
ローズ系のバインダー、および水を混練して坏土を形成
し、この坏土を押し出し成形したのち乾燥炉で乾燥させ
る方法がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
セラミックスグリーンシートの製造方法においては、
0.5〜2.0mmといった比較的厚みのあるセラミッ
クスグリーンシートでは上記乾燥の際にシート内部に空
洞ができやすくなるという問題があった。というのも、
このように厚みのあるセラミックスグリーンシートの場
合、乾燥炉で乾燥させるとシート表面側が先に乾燥し、
シート内部はそれより遅れて乾燥することになる。この
ような乾燥の遅れのため、シートの乾燥が表面側から内
部に進行してきて内部に含有されている水分が水蒸気と
なって表面側を介して外部に放散しようとしても、シー
ト表面が先に乾燥しているので外部には放散しにくく、
そのため、シート内部にこもってしまった水蒸気が乾燥
炉から受ける高温によって突沸して直径0.1mm〜
5.0cm程度の空洞を形成してしまった。
セラミックスグリーンシートの製造方法においては、
0.5〜2.0mmといった比較的厚みのあるセラミッ
クスグリーンシートでは上記乾燥の際にシート内部に空
洞ができやすくなるという問題があった。というのも、
このように厚みのあるセラミックスグリーンシートの場
合、乾燥炉で乾燥させるとシート表面側が先に乾燥し、
シート内部はそれより遅れて乾燥することになる。この
ような乾燥の遅れのため、シートの乾燥が表面側から内
部に進行してきて内部に含有されている水分が水蒸気と
なって表面側を介して外部に放散しようとしても、シー
ト表面が先に乾燥しているので外部には放散しにくく、
そのため、シート内部にこもってしまった水蒸気が乾燥
炉から受ける高温によって突沸して直径0.1mm〜
5.0cm程度の空洞を形成してしまった。
【0004】このような空洞はセラミックスグリーンシ
ートの表面に凹凸を形成するばかりでなく、セラミック
スグリーンシートを材料とする電子部品の特性を劣化さ
せることにもなるので大変都合が悪いものである。その
ため、比較的厚みのあるセラミックスグリーンシートを
乾燥させる場合には、このような空洞が生じないように
乾燥温度を低温に設定したうえで長時間かけて乾燥する
必要があり、このことがセラミックスグリーンシートの
生産性を大きく低下させる要因になっていた。
ートの表面に凹凸を形成するばかりでなく、セラミック
スグリーンシートを材料とする電子部品の特性を劣化さ
せることにもなるので大変都合が悪いものである。その
ため、比較的厚みのあるセラミックスグリーンシートを
乾燥させる場合には、このような空洞が生じないように
乾燥温度を低温に設定したうえで長時間かけて乾燥する
必要があり、このことがセラミックスグリーンシートの
生産性を大きく低下させる要因になっていた。
【0005】本発明はこのような課題に鑑みてなされた
ものであって、生産性を低下させることなくシート内部
の空洞発生を抑止することができるセラミックスグリー
ンシートの製造方法を提供することを目的としている。
ものであって、生産性を低下させることなくシート内部
の空洞発生を抑止することができるセラミックスグリー
ンシートの製造方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、セラミックス原料粉末とバインダーとを
混練して坏土を形成し、この坏土を押し出し成形したの
ち該グリーンシート成形体を乾燥炉で加熱乾燥させるセ
ラミックスグリーンシートの製造方法であって、前記坏
土を形成する際に、ポリオール化合物ないしポリアルキ
レンオキシドからなる乾燥助剤と単分子グリコールから
なる離形剤とを前記坏土に添加することに特徴を有して
いる。
成するために、セラミックス原料粉末とバインダーとを
混練して坏土を形成し、この坏土を押し出し成形したの
ち該グリーンシート成形体を乾燥炉で加熱乾燥させるセ
ラミックスグリーンシートの製造方法であって、前記坏
土を形成する際に、ポリオール化合物ないしポリアルキ
レンオキシドからなる乾燥助剤と単分子グリコールから
なる離形剤とを前記坏土に添加することに特徴を有して
いる。
【0007】
【作用】上記構成によれば、ポリオール化合物からなる
乾燥助剤を坏土中に添加しておくと、乾燥中に、ポリオ
ール化合物が坏土中の水分と結合してその沸点を上昇さ
せるので、突沸が起こりにくくなる。
乾燥助剤を坏土中に添加しておくと、乾燥中に、ポリオ
ール化合物が坏土中の水分と結合してその沸点を上昇さ
せるので、突沸が起こりにくくなる。
【0008】また、乾燥助剤としてポリアルキレンオキ
シドを添加した場合、乾燥中にこのポリアルキリンオキ
シドが加水分解してポリオール化合物となるので、ポリ
オール化合物を添加したのと同様突沸が起こりにくくな
る。
シドを添加した場合、乾燥中にこのポリアルキリンオキ
シドが加水分解してポリオール化合物となるので、ポリ
オール化合物を添加したのと同様突沸が起こりにくくな
る。
【0009】これら乾燥助剤は粘着性が強いという性質
を有しおり、これら乾燥助剤を添加するとセラミックス
グリーンシートの離型性が悪くなることが考えられる
が、離型剤として単分子グリコールを添加するので離型
性が悪化することはない。
を有しおり、これら乾燥助剤を添加するとセラミックス
グリーンシートの離型性が悪くなることが考えられる
が、離型剤として単分子グリコールを添加するので離型
性が悪化することはない。
【0010】
【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて
詳細に説明する。
詳細に説明する。
【0011】ポリオール化合物(例えばポリエチレンオ
キシド)もしくはポリアルキレンオキシドからなる乾燥
助剤と単分子グリコールからなる離型剤とを3:1〜
1:1の比で混合し混合添加剤を形成しておく。一方、
セラミックス原料粉末にメチルセルローズ系のバインダ
ーおよび水を適量混合したグリーンシート材料を用意
し、このグリーンシート材料に前記した混合添加剤を添
加する。混合添加剤の添加量はセラミックス原料粉末に
対して6%程度が適当である。混合添加剤を添加したの
ち、グリーンシート材料を真空土練機を用いて混練し坏
土を形成する。
キシド)もしくはポリアルキレンオキシドからなる乾燥
助剤と単分子グリコールからなる離型剤とを3:1〜
1:1の比で混合し混合添加剤を形成しておく。一方、
セラミックス原料粉末にメチルセルローズ系のバインダ
ーおよび水を適量混合したグリーンシート材料を用意
し、このグリーンシート材料に前記した混合添加剤を添
加する。混合添加剤の添加量はセラミックス原料粉末に
対して6%程度が適当である。混合添加剤を添加したの
ち、グリーンシート材料を真空土練機を用いて混練し坏
土を形成する。
【0012】作成した坏土を真空押し出し土練成形機を
用いて0.8〜2.0mmの厚さのグリーンシート成形
体を形成する。このとき、坏土には乾燥助剤としてポリ
オール化合物ないしポリアルキレンオキシドが添加され
ており粘着性が増して押し出し成形がやりにくくなる。
しかしながら、離型材として単分子グリコールが添加さ
れており、離型性が向上するので押し出し成形がやりに
くくなることはない。そして、グリーンシート成形体を
乾燥炉にて加熱乾燥させてセラミックスグリーンシート
が完成する。
用いて0.8〜2.0mmの厚さのグリーンシート成形
体を形成する。このとき、坏土には乾燥助剤としてポリ
オール化合物ないしポリアルキレンオキシドが添加され
ており粘着性が増して押し出し成形がやりにくくなる。
しかしながら、離型材として単分子グリコールが添加さ
れており、離型性が向上するので押し出し成形がやりに
くくなることはない。そして、グリーンシート成形体を
乾燥炉にて加熱乾燥させてセラミックスグリーンシート
が完成する。
【0013】このような方法で製造されたセラミックス
グリーンシート、および従来の方法、すなわち同等の条
件で乾燥助剤および離型剤のみを添加しない方法で製造
されたセラミックスグリーンシートそれぞれにおいて発
生する空洞数を乾燥速度を変えて比較した結果を表1に
示す。なお、表中の各数字は、単位面積(100c
m 2)当たりの空洞(径0.1mm〜5.0cm)の発
生個数を表している。
グリーンシート、および従来の方法、すなわち同等の条
件で乾燥助剤および離型剤のみを添加しない方法で製造
されたセラミックスグリーンシートそれぞれにおいて発
生する空洞数を乾燥速度を変えて比較した結果を表1に
示す。なお、表中の各数字は、単位面積(100c
m 2)当たりの空洞(径0.1mm〜5.0cm)の発
生個数を表している。
【0014】
【表1】
【0015】この表から明らかなように、従来の製造方
法では、乾燥速度を遅くすれば、若干ながら空洞発生個
数を抑えることができるものの、空洞を完全にはなくす
ことはできない。一方、本発明の製造方法によれば、乾
燥時間の長短にかかわらず、空洞発生が抑えられている
ことがわかる。
法では、乾燥速度を遅くすれば、若干ながら空洞発生個
数を抑えることができるものの、空洞を完全にはなくす
ことはできない。一方、本発明の製造方法によれば、乾
燥時間の長短にかかわらず、空洞発生が抑えられている
ことがわかる。
【0016】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、乾燥中
に、ポリオール化合物が坏土中の水分と結合してその沸
点を上昇させるので、突沸に起因する空洞の発生を抑止
でき、空洞のほとんどないセラミックスグリーンシート
が得られるようになった。
に、ポリオール化合物が坏土中の水分と結合してその沸
点を上昇させるので、突沸に起因する空洞の発生を抑止
でき、空洞のほとんどないセラミックスグリーンシート
が得られるようになった。
【0017】また、乾燥助剤や離型剤を添加するだけで
あるので、空洞を抑止するために生産効率が悪化すると
いった不都合を起こすこともない。
あるので、空洞を抑止するために生産効率が悪化すると
いった不都合を起こすこともない。
【0018】さらに、これら乾燥助剤は粘着性が強いと
いう性質を有しており、乾燥助剤を添加することによっ
てセラミックスグリーンシートの離型性が悪くなること
が考えられるが、離型剤として単分子グリコールを添加
するので離型性が悪化するといった不都合を起こすこと
もない。
いう性質を有しており、乾燥助剤を添加することによっ
てセラミックスグリーンシートの離型性が悪くなること
が考えられるが、離型剤として単分子グリコールを添加
するので離型性が悪化するといった不都合を起こすこと
もない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C04B 35/622 B28B 3/20 C04B 33/13 C04B 33/30 C04B 35/632
Claims (1)
- 【請求項1】 セラミックス原料粉末とバインダー材と
を混練して坏土を形成し、この坏土を押し出し成形した
のち該グリーンシート成形体を乾燥炉で加熱乾燥させる
セラミックスグリーンシートの製造方法であって、 前記坏土を形成する際に、ポリオール化合物ないしポリ
アルキレンオキシドからなる乾燥助剤と単分子グリコー
ルからなる離形剤とをセラミック原料粉末に添加するこ
とを特徴とするセラミックスグリーンシートの製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4134957A JP2827699B2 (ja) | 1992-05-27 | 1992-05-27 | セラミックスグリーンシートの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4134957A JP2827699B2 (ja) | 1992-05-27 | 1992-05-27 | セラミックスグリーンシートの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05330896A JPH05330896A (ja) | 1993-12-14 |
JP2827699B2 true JP2827699B2 (ja) | 1998-11-25 |
Family
ID=15140533
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4134957A Expired - Fee Related JP2827699B2 (ja) | 1992-05-27 | 1992-05-27 | セラミックスグリーンシートの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2827699B2 (ja) |
-
1992
- 1992-05-27 JP JP4134957A patent/JP2827699B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05330896A (ja) | 1993-12-14 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |