JP3317142B2 - セラミックシートの製造方法 - Google Patents
セラミックシートの製造方法Info
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- JP3317142B2 JP3317142B2 JP14538196A JP14538196A JP3317142B2 JP 3317142 B2 JP3317142 B2 JP 3317142B2 JP 14538196 A JP14538196 A JP 14538196A JP 14538196 A JP14538196 A JP 14538196A JP 3317142 B2 JP3317142 B2 JP 3317142B2
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- plasticizer
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はセラミックシートの
製造方法に関するものである。
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の厚み0.1〜1.0mmのセラミッ
クシートの製造方法としては、セラミック原料粉末に、
バインダーとしてメチルセルロース、可塑剤としてグリ
セリンあるいはプロピレングリコールの水溶液を添加、
混練した坏土を10〜100kg/cm2の圧力でシート状
に押出成形し、その後、乾燥、打抜、焼成する製造方法
が一般的に用いられていた。
クシートの製造方法としては、セラミック原料粉末に、
バインダーとしてメチルセルロース、可塑剤としてグリ
セリンあるいはプロピレングリコールの水溶液を添加、
混練した坏土を10〜100kg/cm2の圧力でシート状
に押出成形し、その後、乾燥、打抜、焼成する製造方法
が一般的に用いられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来のバ
インダー、可塑剤を用いる製造方法においては、押出成
形に適した高粘度の状態では坏土中のセラミック原料粉
末粒子相互間の滑りが悪く、その結果押出成形後のシー
ト品質が安定せず、生産効率の良いものとはいえなかっ
た。
インダー、可塑剤を用いる製造方法においては、押出成
形に適した高粘度の状態では坏土中のセラミック原料粉
末粒子相互間の滑りが悪く、その結果押出成形後のシー
ト品質が安定せず、生産効率の良いものとはいえなかっ
た。
【0004】つまり、上記従来例では、押出成形する場
合、シートの幅方向の中央部と両端部では、押出時に坏
土にかかる抵抗が異なる為に坏土の押出されるスピード
や量が異なり、この結果次の乾燥工程において、シート
両端部の厚みが中央部より薄くなったり、両端が波打っ
たりして部分的に亀裂が生じてしまう。このために実際
の生産工程では、両端部を大幅に切断し欠陥部分を除去
していた。
合、シートの幅方向の中央部と両端部では、押出時に坏
土にかかる抵抗が異なる為に坏土の押出されるスピード
や量が異なり、この結果次の乾燥工程において、シート
両端部の厚みが中央部より薄くなったり、両端が波打っ
たりして部分的に亀裂が生じてしまう。このために実際
の生産工程では、両端部を大幅に切断し欠陥部分を除去
していた。
【0005】本発明は、セラミック原料粉末粒子相互間
の滑りを良くした坏土を用いることで品質の安定した良
質のセラミックシートを提供することを目的とするもの
である。
の滑りを良くした坏土を用いることで品質の安定した良
質のセラミックシートを提供することを目的とするもの
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明のセラミックシートの製造方法は、バインダー
の他に、可塑剤として部分的にエステル化したグリセリ
ン系脂肪酸エステルを添加するものである。本発明の可
塑剤によって坏土中のセラミック原料粉末粒子間の滑り
を良くし、押出成形時に、シートの幅方向の押出抵抗差
を緩和できるので、両端部と中央部との厚み差を少なく
した優れたセラミックシートが得られる。
に本発明のセラミックシートの製造方法は、バインダー
の他に、可塑剤として部分的にエステル化したグリセリ
ン系脂肪酸エステルを添加するものである。本発明の可
塑剤によって坏土中のセラミック原料粉末粒子間の滑り
を良くし、押出成形時に、シートの幅方向の押出抵抗差
を緩和できるので、両端部と中央部との厚み差を少なく
した優れたセラミックシートが得られる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、セラミック原料粉末に、バインダーの他に、部分的
にエステル化したグリセリン系脂肪酸エステルを可塑剤
として添加・混練し坏土とするものであり、このエステ
ル化したグリセリン系脂肪酸エステルがセラミック原料
の親水性を制御し、坏土中のセラミック原料粉末粒子間
の滑りを良くし押出成形に適した高粘度の坏土を得るこ
とができる。
は、セラミック原料粉末に、バインダーの他に、部分的
にエステル化したグリセリン系脂肪酸エステルを可塑剤
として添加・混練し坏土とするものであり、このエステ
ル化したグリセリン系脂肪酸エステルがセラミック原料
の親水性を制御し、坏土中のセラミック原料粉末粒子間
の滑りを良くし押出成形に適した高粘度の坏土を得るこ
とができる。
【0008】本発明の請求項2に記載の発明は、可塑剤
として添加する部分的にエステル化されたグリセリン脂
肪酸系エステルとして、グリセリン脂肪酸エステル、ま
たはプロピレングリコール脂肪酸エステルを用いたもの
であり、これは押出成形用に適した高粘度坏土中のセラ
ミック原料粉末粒子間の滑りを良くするものである。
として添加する部分的にエステル化されたグリセリン脂
肪酸系エステルとして、グリセリン脂肪酸エステル、ま
たはプロピレングリコール脂肪酸エステルを用いたもの
であり、これは押出成形用に適した高粘度坏土中のセラ
ミック原料粉末粒子間の滑りを良くするものである。
【0009】本発明の請求項3に記載の発明は、添加す
る可塑剤量を、セラミック原料に対して、0.2〜5重
量部に定めたものであり、これは少ない量で坏土中のセ
ラミック原料粉末粒子間の滑り性を良くするものであ
る。
る可塑剤量を、セラミック原料に対して、0.2〜5重
量部に定めたものであり、これは少ない量で坏土中のセ
ラミック原料粉末粒子間の滑り性を良くするものであ
る。
【0010】以下本発明の実施の形態について説明す
る。 (実施の形態1)まず、圧電セラミック原料に対しバイ
ンダーとしてのメチルセルロース、および(表1)、
(表2)に示す各種の可塑剤を各々秤量し、さらに適量
の純水を添加・混合後、真空加熱ニーダーを用いて押出
成形用坏土を作成した。
る。 (実施の形態1)まず、圧電セラミック原料に対しバイ
ンダーとしてのメチルセルロース、および(表1)、
(表2)に示す各種の可塑剤を各々秤量し、さらに適量
の純水を添加・混合後、真空加熱ニーダーを用いて押出
成形用坏土を作成した。
【0011】
【表1】
【0012】
【表2】
【0013】前記坏土を、約90cmのシート幅に押し出
せる口金を取りつけた押出成形機を用い、成形圧力30
〜50kg/cm2で、厚さ0.50mmのグリーンシートを
成形し、次いで40〜80℃の温度のベルト乾燥機で乾
燥処理しセラミックシートを得た。このとき用いた添加
量は原料粉末に対し、メチルセルロースは4重量部、可
塑剤は3重量部とした。これは少ない添加量で押出成形
用高粘度坏土に効果的に働き、尚且つ焼成時にセラミッ
クに悪影響を与えないように配慮したものである。また
一部は限界値を知るために本発明の請求範囲外のものも
作成し、その評価結果を(表1)および(表2)に示
す。なお、表中の成形体品質とは、セラミックシートの
表面粗さ、及びその平坦度を目視にてその良否を評価
し、またセラミックシートの脆さ、あるいは硬さは、次
工程の打抜処理工程に影響を与えるため触手感覚にてそ
の良否を評価した。また表中の有効幅とは、セラミック
シートの厚みバラツキが±0.01mmの範囲内に収まる
シートの有効取れ幅を%表示したものである。即ち0.
50mm厚みのセラミックシートの幅方向において±0.
01mm以上の差が出始めるセラミックシートの両端から
の距離を測定し、成形幅90cmで除算して求めた。この
評価は一組成材料につき約5m長さのセラミックシート
を作成し、長さ方向を10分割して測定しその最小値を
(表1)および(表2)に示した。また比較のため従来
の可塑剤を使用したセラミックシートも本発明と全く同
一に処理し評価したものである。
せる口金を取りつけた押出成形機を用い、成形圧力30
〜50kg/cm2で、厚さ0.50mmのグリーンシートを
成形し、次いで40〜80℃の温度のベルト乾燥機で乾
燥処理しセラミックシートを得た。このとき用いた添加
量は原料粉末に対し、メチルセルロースは4重量部、可
塑剤は3重量部とした。これは少ない添加量で押出成形
用高粘度坏土に効果的に働き、尚且つ焼成時にセラミッ
クに悪影響を与えないように配慮したものである。また
一部は限界値を知るために本発明の請求範囲外のものも
作成し、その評価結果を(表1)および(表2)に示
す。なお、表中の成形体品質とは、セラミックシートの
表面粗さ、及びその平坦度を目視にてその良否を評価
し、またセラミックシートの脆さ、あるいは硬さは、次
工程の打抜処理工程に影響を与えるため触手感覚にてそ
の良否を評価した。また表中の有効幅とは、セラミック
シートの厚みバラツキが±0.01mmの範囲内に収まる
シートの有効取れ幅を%表示したものである。即ち0.
50mm厚みのセラミックシートの幅方向において±0.
01mm以上の差が出始めるセラミックシートの両端から
の距離を測定し、成形幅90cmで除算して求めた。この
評価は一組成材料につき約5m長さのセラミックシート
を作成し、長さ方向を10分割して測定しその最小値を
(表1)および(表2)に示した。また比較のため従来
の可塑剤を使用したセラミックシートも本発明と全く同
一に処理し評価したものである。
【0014】(表1)から明らかなように、可塑剤にエ
ステルしていないグリセリンまたはプロピレングリコー
ルを添加した坏土より、本発明の部分的にエステル化し
たグリセリン脂肪酸エステルおよびプロピレングリコー
ル脂肪酸エステルを添加したものは、有効幅が大きい。
即ち厚みバラツキの小さい精度の良いセラミックシート
が得られることがわかる。また完全にエステル化したも
のは乾燥後のセラミックシートは脆く、次工程の打抜処
理工程でひび割れが発生するとともに、セラミックシー
トの表面平滑度が低下し実用的ではなかった。また可塑
剤の添加量が5重量部を超えると有効幅が減少した。こ
れは坏土の粘着性が増し粘弾性が低下してくることが原
因と考えられ、さらに可塑剤の添加量が0.2重量部に
満たないとセラミックシートが硬くなりハンドリングや
打抜が困難となるため好ましくない。従って好ましいセ
ラミックシートを得るためには、可塑剤の添加量を0.
2〜5重量部の範囲に抑える必要がある。また本発明は
圧電セラミック材料を使用したが、PTCサーミスタ材
料、NTCサーミスタ材料、酸化亜鉛材料など各種セラ
ミック原料にも適用できる。
ステルしていないグリセリンまたはプロピレングリコー
ルを添加した坏土より、本発明の部分的にエステル化し
たグリセリン脂肪酸エステルおよびプロピレングリコー
ル脂肪酸エステルを添加したものは、有効幅が大きい。
即ち厚みバラツキの小さい精度の良いセラミックシート
が得られることがわかる。また完全にエステル化したも
のは乾燥後のセラミックシートは脆く、次工程の打抜処
理工程でひび割れが発生するとともに、セラミックシー
トの表面平滑度が低下し実用的ではなかった。また可塑
剤の添加量が5重量部を超えると有効幅が減少した。こ
れは坏土の粘着性が増し粘弾性が低下してくることが原
因と考えられ、さらに可塑剤の添加量が0.2重量部に
満たないとセラミックシートが硬くなりハンドリングや
打抜が困難となるため好ましくない。従って好ましいセ
ラミックシートを得るためには、可塑剤の添加量を0.
2〜5重量部の範囲に抑える必要がある。また本発明は
圧電セラミック材料を使用したが、PTCサーミスタ材
料、NTCサーミスタ材料、酸化亜鉛材料など各種セラ
ミック原料にも適用できる。
【0015】尚、部分的にエステル化とはグリセリン基
の内1〜2の水酸基を脂肪酸で置換したものである。
の内1〜2の水酸基を脂肪酸で置換したものである。
【0016】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、押出成形
用坏土を作成する際に、セラミック原料粉末にバインダ
ーとしてのメチルセルロースの他に、さらに可塑剤とし
て部分的にエステル化したグリセリンあるいはプロピレ
ングリコールの脂肪酸エステルを添加することによっ
て、均質で厚みバラツキの小さい優れたセラミックシー
トを提供することができる。
用坏土を作成する際に、セラミック原料粉末にバインダ
ーとしてのメチルセルロースの他に、さらに可塑剤とし
て部分的にエステル化したグリセリンあるいはプロピレ
ングリコールの脂肪酸エステルを添加することによっ
て、均質で厚みバラツキの小さい優れたセラミックシー
トを提供することができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 セラミック原料に、バインダーとしてメ
チルセルロース、可塑剤として部分的にエステル化され
たグリセリン系脂肪酸エステルを添加し、混練した坏土
を押出成形するセラミックシートの製造方法。 - 【請求項2】 可塑剤として添加する部分的にエステル
化されたグリセリン脂肪酸系エステルが、グリセリン脂
肪酸エステル、またはプロピレングリコール脂肪酸エス
テルであることを特徴とする請求項1に記載のセラミッ
クシートの製造方法。 - 【請求項3】 添加する可塑剤量がセラミック原料に対
して、0.2〜5重量部であることを特徴とする請求項
1または2に記載のセラミックシートの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14538196A JP3317142B2 (ja) | 1996-06-07 | 1996-06-07 | セラミックシートの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14538196A JP3317142B2 (ja) | 1996-06-07 | 1996-06-07 | セラミックシートの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09328366A JPH09328366A (ja) | 1997-12-22 |
JP3317142B2 true JP3317142B2 (ja) | 2002-08-26 |
Family
ID=15383936
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14538196A Expired - Fee Related JP3317142B2 (ja) | 1996-06-07 | 1996-06-07 | セラミックシートの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3317142B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4670174B2 (ja) * | 2000-06-30 | 2011-04-13 | 株式会社デンソー | セラミックシートの成形方法及び成形装置 |
DE10202964B4 (de) * | 2002-01-26 | 2005-08-04 | Zschimmer & Schwarz Gmbh & Co. Kg Chemische Fabriken | Verwendung einer keramischen Mischung |
-
1996
- 1996-06-07 JP JP14538196A patent/JP3317142B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09328366A (ja) | 1997-12-22 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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