JP2827644B2 - 潤滑性、成形加工性、成形後外観性および耐食性に優れた亜鉛系めっき鋼板 - Google Patents

潤滑性、成形加工性、成形後外観性および耐食性に優れた亜鉛系めっき鋼板

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JP2827644B2
JP2827644B2 JP3351632A JP35163291A JP2827644B2 JP 2827644 B2 JP2827644 B2 JP 2827644B2 JP 3351632 A JP3351632 A JP 3351632A JP 35163291 A JP35163291 A JP 35163291A JP 2827644 B2 JP2827644 B2 JP 2827644B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 この発明は、その表面上に潤滑
剤等を塗布しなくても、優れた潤滑性、成形加工性およ
成形後外観性を有し、且つ、耐食性の良好な、亜鉛系
めっき鋼板または亜鉛系合金めっき鋼板(以下、「亜鉛
系めっき鋼板」と略称する)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】亜鉛系めっき鋼板は、耐食性に優れてい
ることから、各種の産業分野において広く使用されてい
る。このような亜鉛系めっき鋼板を、複写機等の事務機
器、音響機器、家庭電気製品等の材料として使用する場
合には、亜鉛系めっき鋼板に対して、種々のプレス成形
加工が施され、また、モータカバー、カートリッジ式タ
ンク等の材料として使用する場合には、亜鉛系めっき鋼
板に対して、絞り成形加工が施される。
【0003】亜鉛系めっき鋼板の成形加工性は、冷延鋼
板に比べて劣る。その原因は、プレス等による成形加工
時の、金型に対する亜鉛系めっき鋼板の摺動抵抗が、冷
延鋼板のそれよりも大きいためである。そこで、亜鉛系
めっき鋼板の成形加工性を向上させ、成形加工後の外観
を良好にならしめるために、一般に、亜鉛系めっき鋼板
の表面上に、潤滑油や防錆油を塗布することが行われて
いる。しかしながら、亜鉛系めっき鋼板の表面上に、潤
滑油等を塗布することは、製造工程を煩雑にし、且つ、
作業環境を悪化させる。のみならず、潤滑油等を塗布し
て成形加工した場合でも、成形加工条件が厳しい場合に
は、成形物にかじりが発生して、耐食性が劣化すること
がある。
【0004】一方、亜鉛系めっき鋼板の耐食性を、より
向上させるために、亜鉛系めっき層の表面上に、クロメ
ート被膜、または、クロメート被膜および樹脂被膜が形
成されたクロメート処理亜鉛系めっき鋼板が知られてい
る。このようなクロメート処理亜鉛系めっき鋼板の、成
形加工を施さない平板状での耐食性は、良好である。し
かしながら、潤滑油等を塗布しないで成形加工を施す
と、クロメート被膜に剥離や黒化現象が発生し、耐食性
および表面性状が劣化する。従って、クロメート処理亜
鉛系めっき鋼板の場合においても、成形加工を施す場合
には、その表面上に、潤滑油等を塗布することが必要と
されている。
【0005】上述した問題を解決し、その表面上に潤滑
油等を塗布しなくても、優れた潤滑性および成形加工性
を有し、且つ、耐食性の良好な表面処理鋼板の開発が従
来から要求されており、例えば、次のような表面処理鋼
板が提案されている。 特開昭61-60886号 鋼板の表面上に形成されたクロメート被膜の上に、潤滑
剤として、水分散性潤滑添加物を含有する水系アクリル
共重合体よりなる有機複合シリケート被膜が形成され
た、潤滑性および耐食性にすぐれた表面処理鋼板(以
下、先行技術1という)。
【0006】 特開昭62-289275 号 鋼板の表面上に、潤滑剤として高融点のフッ素系樹脂パ
ウダーが配合された熱硬化性粉体塗料を塗布し、次い
で、フッ素系樹脂の融点以下の温度によって焼き付ける
ことにより、その表面上に、フッ素系樹脂パウダーが露
出する被膜が形成された表面処理鋼板(以下、先行技術
2という)。
【0007】 特開平1-110140 号 亜鉛系めっき鋼板の表面上に、予めチタネートカップリ
ング処理が施された、グラファイト、二硫化モリブデン
等の無機系固体潤滑剤、および、コロイダルシリカを含
有する、水溶性または水分散性のアクリル・エポキシ系
樹脂被膜が形成された表面処理鋼板(以下、先行技術3
という)。
【0008】 特開平2-140294 号 亜鉛系めっき鋼板の表面上に、プレス成形加工時の黒化
現象を抑制するための、モンタンワックス酸化物の薄い
被膜が形成された表面処理鋼板(以下、先行技術4とい
う)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述した先行技術に
は、次のような問題がある。 先行技術1の表面処理鋼板の場合には、水系アクリ
ル共重合体よりなる有機複合シリケート被膜中に含有さ
れている潤滑剤によって、潤滑性および成形加工性の多
少の向上は認められる。しかしながら、成形加工条件が
厳しい場合には、成形加工時の摩擦熱により、水系アク
リル共重合体よりなる有機複合シリケート被膜が劣化し
て、金型への焼きつきや被膜の黒化が避けらない。従っ
て、表面上に、潤滑油等が塗布された従来の亜鉛系めっ
き鋼板に比べて、成形後の外観性が劣る場合もある。こ
れは、水系アクリル共重合体と水分散性潤滑剤との組合
せによる限界であると考えられる。
【0010】 先行技術2の表面処理鋼板の場合に
は、被膜を構成する樹脂組成として、粉体塗料が使用さ
れているために、均一な厚さの被膜を形成することが困
難であり、特に、数μm 以下の薄い被膜を形成すること
はできない。更に、潤滑剤として添加されるフッ素樹脂
パウダーを、1μm 以下の微粒子とすることが困難であ
るために、被膜中および被膜表面に、フッ素樹脂パウダ
ーが露出した状態で存在することになる。その結果、必
ずしも、フッ素樹脂パウダーが、成形加工時の潤滑性向
上に寄与しないばかりか、逆に、フッ素樹脂パウダーが
被膜から脱離して、ピンホールの発生を招く問題が生ず
る。
【0011】 先行技術3の表面処理鋼板の場合に
は、グラファイト、二硫化モリブデン等の無機系固体潤
滑剤と、樹脂成分との親和性および密着性が多少改良さ
れる。しかしながら、成形加工条件が厳しい場合には、
先行技術1と同様に、表面上に潤滑油等が塗布された従
来の亜鉛系めっき鋼板よりも、潤滑性および成形加工性
が劣る。
【0012】 先行技術4の表面処理鋼板の場合に
は、潤滑性を付与するモンタンワックスの軟化点が低
い。従って、成形加工時の摩擦熱によって、表面温度が
100 〜150℃の高温になると、皮膜にべた付きや脱落が
生じ、良好な耐食性が得られない。
【0013】上述した先行技術のほかにも、特定の樹脂
に任意の潤滑剤が添加された潤滑性被膜を有する表面処
理鋼板が提案されている。しかしながら、このような表
面処理鋼板は、ベースとなる樹脂の性質(例えば、水
系、粉体、熱可塑性、熱硬化性等)、および、被膜の形
成方法(例えば、常温乾燥、高温焼き付け等)により、
潤滑性向上効果が制約される。即ち、どのような潤滑剤
を使用しても潤滑性向上効果が得られるものでなく、ベ
ースとなる樹脂の性能に適する特定の潤滑剤を組み合わ
せることによって、初めて満足し得る潤滑性および成形
加工性の向上効果が得られるものであり、その性能は限
定される。
【0014】 従って、この発明の目的は、上述した問
題を解決し、表面に潤滑油等を塗布することなく、優れ
た潤滑性および成形加工性が発揮され、摩擦熱が発生す
る厳しい条件で成形加工が施されても、被膜に損傷や黒
化が生じない、優れた潤滑性、成形加工性および成形後
外観性を有し、且つ、耐食性の良好な亜鉛系めっき鋼板
を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段〕本発明者等
は、上述した問題を解決すべく鋭意研究を重ねた。その
結果、特定の構造および物性を有するウレタンプレポリ
マーと、ポリイソシアネート化合物またはアミノ化合物
との架橋構造体が、被膜用ベース樹脂として優れた性能
を有していることから、このような溶剤系熱硬化型樹脂
と、固形潤滑剤と、そして、防錆顔料とが所定の割合で
配合された塗料を、亜鉛系めっき鋼板の亜鉛系めっき層
の少なくとも1つの表面上に塗布し、これを加熱し硬化
させて樹脂被膜を形成させれば、優れた潤滑性および成
形加工性を有し、且つ、耐食性の良好な亜鉛系めっき鋼
板が得られることを知見した。 【0016】 この発明は、上記知見に基づいてなされ
たもので、亜鉛めっき鋼板または亜鉛系合金めっき鋼板
の少なくとも1つの亜鉛系めっき層の上に、クロメート
被膜が形成され、そして、前記クロメート被膜の上に、
塗料の塗布そしてその加熱硬化による樹脂被膜が形成さ
れている亜鉛系めっき鋼板であって、前記クロメート被
膜の量は、金属クロム換算で、鋼板の片面当たり5〜20
0mg/m2の範囲内であり、前記樹脂被膜の厚さは、鋼板の
片面当たり、0.3 〜3.0 μm の範囲内であり、前記樹脂
被膜は、固形分換算で、 (A) 溶剤系熱硬化型樹脂 : 100重量部、 (B) 固形潤滑剤としての90〜130 ℃の融点を有するポリエチレン樹脂 :1〜30重量部、および、 (C) 防錆顔料 :3〜30重量部、 からなっており、そして、前記溶剤系熱硬化型樹脂は、 (A) 下記からなる水酸基含有ウレタンプレポリマー、 (a) ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール
およびポリエーテルポリエステルポリオールからなる群
から選ばれた少なくとも1種のポリオール、 (b) イソシアネート化合物、および、 (c) 2価のアルコール、および、 (B) 硬化剤としてのブロックポリイソシアネートプレポ
リマーおよびアミノ樹脂のうちの少なくとも1種からな
っていることに特徴を有するものである。
【0017】
【作用】この発明において、亜鉛系めっき層の表面上に
形成される樹脂被膜のための塗料中に、ベース樹脂とし
て溶剤系熱硬化型樹脂を使用する理由は、次ぎの通りで
ある。 溶剤系樹脂は、水系樹脂に比較して、樹脂中に添加
される潤滑剤および防錆剤等の添加剤との相容性、およ
び、塗料としての長期安定性に優れている。 熱可塑型樹脂と異なり、熱硬化型樹脂には融点が存
在しないので、高温時の機械的強度が高い。従って、こ
のような樹脂からなる塗料によって被膜を形成すれば、
プレス成形加工時の摩擦熱により鋼板の温度が上昇して
も、被膜の剥離や変形が生じにくい。
【0018】溶剤系熱硬化型樹脂としては、前述したよ
うに、 (A) 下記からなる水酸基含有ウレタンプレポリマー、
(a) ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール
およびポリエーテルポリエステルポリオールからなる群
から選ばれた少なくとも1種のポリオール、(b) イソシ
アネート化合物、および、(c) 2価のアルコール、 (B) 硬化剤としてのブロックポリイソシアネートプレポ
リマーおよびアミノ樹脂の少なくとも1種、からなって
いることが必要である。以下にその具体的な組成につい
て説明する。
【0019】ポリエーテルポリオールとしては、例え
ば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、グリセリンのエチレンオキサイドまたはプロピレン
オキサイド付加物の如き直鎖状ポリアルキレンポリオー
ル等が使用される。
【0020】ポリエステルポリオールとしては、例え
ば、二塩基酸と低分子ポリオールとを反応させて得られ
る分子鎖中にOH基を有する線状ポリエステルが使用さ
れる。前記塩基酸としては、例えば、アジピン酸、アゼ
ライン酸、ドデカン二酸、ダイマー酸、イソフタル酸、
ヘキサヒドロ無水フタル酸、テレフタル酸、ジメチルテ
レフタレート、イタコン酸、フマル酸、無水マレイン
酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸の如き二塩基酸またはそ
のエステル類が挙げられる。
【0021】ポリエーテルポリエステルポリオールとし
ては、前記塩基酸と前記ポリエーテルポリオール、また
は、これと前記低分子ポリオールとの混合物をエステル
化反応させて得られる分子鎖中にOH基を有する線状ポ
リエステル、並びに、末端にカルボキシル基、および/
または、水酸基を有するポリエステルに、アルキレンオ
キサイド(例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオ
キサイド等)を付加反応させて得たポリエーテルが使用
される。
【0022】イソシアネート化合物としては、例えば、
ヘキサメチレンジイソシアネート、o-,m-,またはp-フェ
ニレンジイソシアネート、2,4-または2,6-トリレンジイ
ソシアネート、芳香環が水素添加された2,4-または2,6-
トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4'−
ジイソシアネート、 3,3' −ジメチル−4,4'−ビフェニ
レンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4'
−ジイソシアネート、ω,ω’−ジイソシアネート−1.
4-ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,
3 −ジメチルベンゼン等の、芳香族環を有するイソシア
ネート化合物が挙げられ、これらを、単独または混合し
て使用する。
【0023】2価のアルコールとしては、例えば、エチ
レングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリ
コール、水添ビスフェノールAの如きジオール類が使用
される。
【0024】硬化剤としてのブロックポリイソシアネー
トプレポリマーの代表的なものを挙げれば、いわゆるポ
リイソシアネートを公知のブロック剤を使用してブロッ
ク化せしめたプロックポリイソシアネートプレポリマー
であって、例えば、「バーノックD−550 」、「バーノ
ックD−500 」、「バーノックB7-887」(以上、大日本
インキ化学工業株式会社製)、「タケネート N-815-N
」( 武田薬品工業株式会社製) 、「アヂイトール(ADD
ITOL) VXL-80 」( ヘキスト合成株式会社製) 等であ
る。
【0025】硬化剤としてのアミノ樹脂としては、メラ
ミン尿素アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、ステロ
グアナミンまたはスピログアナミンの如きアミノ成分
と、ホルムアルデヒド、パラホルム、アセトアルデヒ
ド、グリオキサールの如きアルデヒド成分と、そして、
メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタ
ノール、iso-ブタノール、sec-ブタノールの如きアルコ
ール成分とを反応させて得られる樹脂が使用される。
【0026】 塗料中に添加される固形潤滑剤として
は、ポリエチレン樹脂を使用する。ポリエチレン樹脂
は、連続プレス成形加工等によって生ずる、かじり、鋼
板の破断等を防止して、鋼板に対し、摺動、変形および
摩耗に対する抵抗を付与し、鋼板および金型の損傷を防
止する作用を有している。
【0027】 ポリエチレンは、一般に、平均分子量が
数百から数百万である結晶性熱可塑性樹脂であり、その
ガラス転移点は約−100℃であって常温よりも低く、
その融点は90〜140℃であって、常温では柔軟な性
質を有している。更に、その臨界表面張力は約30dy
ne/cmであり、表面エネルギーが低いので、濡れ性
および付着性が低いことから、潤滑作用を有している。
しかしながら、本発明のように、亜鉛系めっき層の表面
上に形成される樹脂被膜のための塗料中に、潤滑剤とし
て含有させる場合には、塗料の分散性および薄膜形成性
の観点から、その粒径が、20μm以下好ましくは10
μm以下、より好ましくは約5μmの微粉末であること
が必要であり、このような微粉末でないポリエチレンで
は、所期の効果が得られない。
【0028】 ポリエチレン樹脂の融点は、潤滑性に影
響を与える。即ち、その融点が高いほど、常温近傍にお
ける力学的強度即ち変形抵抗が高く、ポリエチレン樹脂
を含有する樹脂被膜の潤滑性(摺動性)が低下する。従
って、この発明において使用する、潤滑剤としてのポリ
エチレン樹脂の融点は、130℃以下、好ましくは、9
0〜130℃の範囲内であることが必要である。また、
成膜性の観点から、ポリエチレン樹脂の平均分子量は、
5,000以下であることが好ましい。なお、上述した
範囲内の融点、平均分子量および粒径を有する2種以上
のポリエチレン樹脂を使用してもよい。
【0029】 潤滑剤としてのポリエチレン樹脂の含有
量は、溶剤系熱硬化性樹脂の固形分100重量部に対し
て、1〜30重量部の範囲内とすべきである。ポリエチ
レン樹脂の含有量が、溶剤系熱硬化性樹脂の固形分10
0重量部に対して1重量部未満では、潤滑性の向上効果
が得られない。一方、30重量部を超えると、樹脂被膜
自体の凝集力および強度が低下する結果、成形加工時に
樹脂被膜の剥離が増加する問題が生ずる。ポリエチレン
樹脂のより好ましい含有量は、溶剤系熱硬化性樹脂の固
形分100重量部に対して、5〜20重量部の範囲内で
ある。
【0030】塗料中に潤滑剤と共に添加される防錆顔料
としては、クロム酸塩系化合物およびシリカの少なくと
も1種が使用される。クロム酸塩系化合物およびシリカ
は、防錆剤として、亜鉛系めっき鋼板の耐食性を、より
向上させる作用を有している。このように、樹脂被膜中
にクロム酸塩系化合物およびシリカの少なくとも1種か
らなる防錆顔料が含有されていることにより、成形加工
が施されていない平板状の場合の耐食性が向上すること
は勿論、成形加工によって、樹脂被膜に変形等のダメー
ジが発生した場合でも、耐食性の劣化を防止することが
できる。
【0031】クロム酸塩系化合物としては、クロム酸カ
ルシウム、クロム酸ストロンチウム、クロム酸バリウ
ム、クロム酸鉛、クロム酸亜鉛、クロム酸亜鉛カリウ
ム、クロム酸銀等が使用される。また、シリカとして
は、疏水性シリカ、親水性シリカ等が使用される。
【0032】防錆顔料の含有量は、溶剤系熱硬化性樹脂
の固形分100 重量部に対して、3〜30重量部の範囲内と
すべきである。防錆顔料の含有量が、溶剤系熱硬化性樹
脂の固形分100 重量部に対して3重量部未満では、耐食
性の向上効果が得られない。一方、30重量部を超えて
も、より以上の耐食性向上効果が得られないのみなら
ず、樹脂被膜の凝集力が低下するため、成形加工時に樹
脂被膜の剥離を増長させる問題が生ずる。防錆顔料のよ
り好ましい含有量は、溶剤系熱硬化性樹脂の固形分100
重量部に対して、5〜20重量部の範囲内である。
【0033】塗料中には、上述した溶剤系熱硬化型樹
脂、固形潤滑剤および防錆顔料のほかに、必要に応じ
て、他の成分、例えば、顔料、染料などの着色剤、溶
剤、界面活性剤、安定剤等を含有させてもよい。
【0034】上述した溶剤系熱硬化型樹脂、固形潤滑剤
および防錆顔料からなる、所定の溶剤によって希釈した
塗料を、亜鉛系めっき鋼板の表面上に塗布しそして加熱
して架橋硬化させることにより、樹脂被膜が形成され
る。
【0035】上述のようにして形成される樹脂被膜は、
亜鉛系めっき鋼板の亜鉛系めっき層の上に形成されたク
ロメート被膜の上に形成することが必要である。このよ
うに、クロメート被膜の上に樹脂被膜を形成することに
より、クロメート被膜中に含まれるCr6+のクロム酸イオ
ンによる不動態化効果、および、クロム酸イオンの還元
生成物であるCr3+のクロム水和酸化物被膜が表面を被覆
することによる、アノード面積が減少化したり、Cr3+
クロム水和酸化物被膜が水や酸素の拡散障壁となる効果
が生ずる。このような効果によって、優れた耐食性が得
られ、且つ、樹脂被膜の形成も良好になる。なお、クロ
メート被膜の形成は、塗布、電解処理、反応処理等、既
知のどのような手段で行ってもよい。
【0036】クロメート被膜の付着量は、金属クロム換
算で、鋼板片面当たり5〜200mg/m2の範囲内とすること
が必要である。クロメート被膜の量が、金属クロム換算
で、鋼板片面当たり5mg/m2 未満では、優れた耐食性向
上効果が得られない。一方、クロメート被膜の量が、金
属クロム換算で、鋼板片面当たり200mg/m2を超えると、
その量に見合った耐食性向上効果が得られないのみなら
ず、鋼板の変形を伴う曲げ加工やプレス成形加工が施さ
れた場合に、クロメート被膜の凝集破壊が発生する。ク
ロメート被膜の、より好ましい量は、金属クロム換算
で、鋼板片面当たり10〜150mg/m2の範囲内である。
【0037】亜鉛系合金めっき層と、潤滑のための最上
層の樹脂被膜との間に、上述したクロメート被膜のほ
か、潤滑剤を含まない他の樹脂被膜が形成されていても
よい。この場合、最上層の樹脂被膜との合計量が5μm
好ましくは3μm を超えない範囲内であることが必要で
ある。最上層の樹脂被膜との合計量が5μm を超える
と、溶接による接合が困難になる。
【0038】この発明において、潤滑のための樹脂被膜
が形成されるべき鋼板は、その少なくとも1つの表面上
に亜鉛めっき層を有する亜鉛めっき鋼板、亜鉛の外に、
ニッケル、鉄、マンガン、モリブデン、コバルト、アル
ミニウム、クロム、シリコン等のうちの少なくとも1つ
の成分を含有する亜鉛合金めっき層を有する亜鉛合金め
っき鋼板、または、上述した亜鉛めっき層または亜鉛合
金めっき層の複数層を有する複層亜鉛系めっき鋼板であ
ってもよい。
【0039】亜鉛系めっき鋼板の少なくとも1つの表面
に対する樹脂被膜の形成は、次のようにして行われる。
即ち、亜鉛系めっき層の少なくとも1つの表面上、また
は、亜鉛系めっき層の上に形成されたクロメート被膜の
少なくとも1つの表面上に、ロールコーター、カーテン
フローコーターまたはスプレー塗装等の既知の方法によ
って、上述した組成の塗料を塗布し、または、上述した
組成の塗料中に亜鉛系めっき鋼板を浸漬した後、ロール
や空気の吹きつけにより所定量に絞って、所定量の被膜
を形成する。次いで、これを熱風炉や誘導加熱装置によ
り、150 〜250℃の温度に加熱することによって、溶剤
を飛ばし、樹脂の架橋硬化を施す。かくして、亜鉛系め
っき鋼板の少なくとも1つの表面上に、樹脂被膜が形成
される。
【0040】亜鉛系めっき鋼板の少なくとも1つの表面
上に形成された樹脂被膜の厚さは、鋼板片面当たり、0.
3 〜3.0 μm の範囲内とすべきである。樹脂被膜の厚さ
が、鋼板片面当たり0.3 μm 未満では、成形加工時に、
亜鉛系めっき層が受ける損傷を防止することができな
い。一方、樹脂被膜の厚さが、鋼板片面当たり3.0 μm
を超えると、溶接性が劣化し、且つ、成形加工条件が特
に厳しい場合には、樹脂皮膜の剥離量が増加して、金型
への付着や、焼き付け等の問題が生ずる。
【0041】なお、この発明において、潤滑性、成形加
工性および耐食性に優れた亜鉛系めっき層を、その上に
形成すべき鋼板としては、冷延鋼板、熱延鋼板、ステン
レス系鋼板等が使用されるほか、鋼以外の例えばアルミ
ニウム等の金属板を使用してもよい。
【0042】次ぎに、この発明を、実施例により、比較
例と対比しながら説明する。
【実施例1】この発明の範囲内の亜鉛系めっき鋼板およ
びこの発明の範囲外の亜鉛系めっき鋼板を製造するため
の塗料の材料として、表1に示す成分組成の溶剤系熱硬
化型樹脂No. 1〜8、および、表2に示す成分組成の固
形潤滑剤A〜Fを準備した。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】以下に、表1のNo. 1熱硬化型樹脂である
水酸基含有ウレタンプレポリマーの製造例について述べ
る。加熱装置、攪拌機、水分離器および温度計を備えた
反応装置に、ポリエステルポリオールとしての芳香族ポ
リエステルポリオール(AR):915 重量部および脂肪族ポ
リエステルポリオール(AL):915 重量部を、不活性ガス
存在下において仕込み加熱した。上記原料が融解した
後、加熱しながら攪拌を開始した。融解した原料が100
℃まで昇温した後、その温度で30〜60分間保温し次いで
脱水した。
【0046】次いで、融解した原料の温度を70℃まで下
げ、その温度下において、2価のアルコールとしての1,
4-ブタンジオール:28重量部、イソシアネート化合物と
してのジフェニルメタン-4,4'-ジイソシアネート:313
重量部、反応触媒としてのジブチルチンラウリレート:
0.55重量部および溶剤としてのシクロヘキサノン:940重
量部を仕込み、5 〜10時間反応を継続し、所定の粘度に
達したところで、2価のアルコールとしての1,3-ブタン
ジオール:10 重量部を加えて反応を終了させた。更に、
溶剤としてのシクロヘキサノン:4,150重量部を加え、か
くして、不揮発分:30% 、粘度:1,400cpsの水酸基含有
ウレタンプレポリマーが調製された。
【0047】更に、上記と同じ方法により、表1のNo.
2〜8の各種の異なる成分組成、不揮発分および粘度を
有する水酸基含有ウレタンプレポリマーを調製した。
【0048】板厚0.8mm 、めっき量20g/m2の電気亜鉛め
っき鋼板の亜鉛めっき層の両面を、アルカリで脱脂し、
次いで、亜鉛めっき層の上に、クロメート処理液をロー
ルコーティング法により塗布した後、加熱、乾燥して、
亜鉛めっき層の上に、金属クロム換算で50mg/m2 の量の
クロメート被膜を形成した。
【0049】表1に示した樹脂No. 1〜8、表2に示し
た潤滑剤A、および、防錆顔料であるクロム酸塩系化合
物としてのクロム酸ストロンチウムからなる塗料を、上
記電気亜鉛めっき鋼板の両面に形成されたクロメート被
膜の上に、ロールコーティング法により塗布した。次い
で、これを、誘導加熱装置により200 ℃の温度まで加熱
して、クロメート被膜の上に、厚さ約1.5 μm の樹脂被
膜を形成した。このようにして、表3に示す、この発明
の範囲内の亜鉛系めっき鋼板(以下、「本発明鋼板」と
いう)No. 1〜8を調製した。
【0050】 比較のために、この発明の範囲外の樹脂
を使用した塗料により、上記と同じように、クロメート
被膜の上に厚さ約1.5μmの樹脂被膜を形成し、この
発明の範囲外の亜鉛系めっき鋼板(以下、「比較用鋼
板」という)No.1〜3、および、樹脂被膜を有せ
ず、クロメート被膜の上にプレス油を2g/m塗布し
た比較用鋼板No.4を、表3に併せて示すように調製
した。
【0051】上述した本発明鋼板および比較用鋼板の各
々について、潤滑性、プレス成形性、プレス成形後外観
性、平板耐食性および加工後耐食性を、以下に述べる性
能試験によって評価した。評価結果を表4に示す。
【0052】(1) 潤滑性 図1に概略正面図で示す試験機を使用した。試験機は、
図1に示すように、箱状の枠2の一側2aに固定されたフ
ラット面を有するビード1と、ビード1と向き合った、
先端に幅10mm、長さ1mm の突条3を有するビード4と、
ビード4を支持し、そして、ビード4をビード1に向け
て水平移動させるための、枠2の他側2bに固定された油
圧シリンダ5とからなっている。ビード4は、油圧シリ
ンダ5のロッド5aに、ロードセル6を介して固定されて
いる。
【0053】本発明鋼板および比較用鋼板から切り出さ
れた試験片を、ビード1とビード4との間の間隙に垂直
に挿入し、油圧シリンダ5を作動させて、ビード1とビ
ード4とにより試験片7を50Kgf(500 Kgf/cm2)の圧力で
押しつけた。次いで、試験片7を矢印に示すように、10
0mm/分の速度で上方に引き抜き、そのときの動摩擦係数
を調べ、これによって潤滑性を評価した。なお、試験
は、常温(20℃) の試験片のほか、実際のプレス作業時
の板温上昇を考慮して、120 ℃の温度の高温試験片につ
いても行った。
【0054】(2) プレス成形性 円板状の試験片を、ポンチ径:50mm 、ダイス径:51.91m
m、しわ押さえ力: 1トンの条件で、カップ状に成形し
たときの限界絞り比を調べ、これによって、プレス成形
性を評価した。
【0055】(3) 成形後外観性 試験片に対し、成形高さ50mmの角筒2m段絞り成形を、実
際のプレス成形機により連続して行い、30個目の成形
品の外観を目視によって調べ、傷つき程度および黒化程
度を評価した。評価基準は、次ぎの通りである。 ◎:全面にわたって殆ど変化なく、外観が均一、 ○:傷つきおよび黒化が少し発生し、外観が多少不均
一、 △:局部的に傷つきおよび黒化が発生し、外観が明らか
に不均一、 ×:コーナー部を中心に傷つきおよび黒化が激しく発
生。
【0056】(4) 平板耐食性 試験片に対し、JIS Z 2371に基づく塩水噴霧試験を施
し、白錆の発生するまでの時間を調べ、これによって評
価した。
【0057】(5) 加工後耐食性 円板状の試験片を、ブランク径:100mm 、ポンチ径:50m
m 、ダイス径:51.91mm、しわ押さえ力: 1トンの条件で
カップ状に成形し、次いで、その端縁部を、タールエポ
キシ塗料によってシールした後、JIS Z 2371に基づく塩
水噴霧試験を120 時間施して白錆の発生率を調べ、これ
によって加工後耐食性を評価した。評価基準は、次ぎの
通りである。 ◎:白錆発生率 5%未満、 ○:白錆発生率 5 〜20% 未満 △:白錆発生率 20 〜40% 未満 ×:白錆発生率 40%以上
【0058】
【表4】
【0059】第3表および第4表から明らかなように、
本発明以外の樹脂からなる塗料を使用した比較用鋼板N
o. 1〜3は、何れも、プレス成形性、成形後外観性お
よび加工後耐食性が悪かった。また、プレス油を塗布し
た比較用鋼板No. 4は、プレス成形性、成形後外観性、
平板耐食性および加工後耐食性のすべてが悪かった。こ
れに対して、本発明鋼板No. 1〜8は、プレス成形性、
成形後外観性、平板耐食性および加工後耐食性のすべて
について優れていた。
【0060】
【実施例2】実施例1と同様のクロメート被膜がその両
面に形成された鋼板の、前記クロメート被膜の上に、前
述した樹脂No. 1の固形分100 重量部に対して、潤滑剤
AまたはBおよび防錆顔料としてのクロム酸ストロンチ
ウムをこの発明の範囲の割合で含有する塗料を、実施例
1と同様の方法により塗布し次いで加熱して、クロメー
ト被膜の上に樹脂被膜を形成した。このようにして、第
5表に示す本発明鋼板No. 9〜18を調製した。
【0061】比較のために、本発明の範囲外の潤滑剤を
使用した比較用鋼板No. 5〜8、潤滑剤の含有量が本発
明の範囲を外れて少ない塗料を使用した比較用鋼板No.
9、潤滑剤の含有量が本発明の範囲を外れて多い塗料を
使用した比較用鋼板No. 10、防錆顔料の含有量が本発明
の範囲を外れて少ない塗料を使用した比較用鋼板No.1
1、防錆顔料の含有量が本発明の範囲を外れて多い塗料
を使用した比較用鋼板No.12 、クロメート被膜の量が本
発明の範囲を外れて多い比較用鋼板No.13 、および、樹
脂被膜の量が本発明の範囲を外れて少ない比較用鋼板N
o.14 を調製した。
【0062】上述した本発明鋼板No. 9〜18および比較
用鋼板No. 5〜14の各々について、潤滑性、プレス成形
性、成形後外観性、平板耐食性および加工後耐食性を、
前述した性能試験によって評価した。評価結果を表6に
示す。
【0063】
【表6】
【0064】表5および表6から明らかなように、本発
明の範囲外の潤滑剤を使用した比較用鋼板No. 5〜8
は、潤滑性、プレス成形性、成形後外観性、平板耐食性
および加工後耐食性のうちの何れかが悪かった。潤滑剤
の含有量が本発明の範囲を外れて少ない塗料を使用した
比較用鋼板No. 9は、潤滑性、プレス成形性、成形後外
観性および加工後耐食性が悪かった。潤滑剤の含有量が
本発明の範囲を外れて多い塗料を使用した比較用鋼板N
o. 10は、被膜の凝集力の低下に基づく剥離量の増加の
ために、加工後耐食性が悪かった。
【0065】防錆顔料の含有量が本発明の範囲を外れて
少ない塗料を使用した比較用鋼板No. 11は、平板耐食性
および加工後耐食性が悪かった。防錆顔料の含有量が本
発明の範囲を外れて多い塗料を使用した比較用鋼板No.1
2 は、潤滑性、プレス成形性、成形後外観性および加工
後耐食性が悪かった。クロメート被膜の量が本発明の範
囲を外れて多い比較用鋼板No.13 は、プレス成形性、成
形後外観性および加工後耐食性が悪かった。そして、樹
脂被膜の量が本発明の範囲を外れて少ない比較用鋼板N
o.14 は、潤滑性、プレス成形性、成形後外観性、平板
耐食性および加工後耐食性のすべてが悪かった。
【0066】 これに対して、本発明鋼板No.9〜1
8は、潤滑性、プレス成形性、プレス成形後外観性、平
板耐食性および加工後耐食性のすべてについて優れてい
た。
【0067】 以上延べたように、この発明の亜鉛系め
っき鋼板によれば、表面に潤滑油等を塗布することな
く、優れた潤滑性および成形加工性を有し、摩擦熱が発
生する厳しい条件で成形加工が施されても、被膜に損傷
や黒化が生せず、優れた成形後外観性および耐食性が得
られる、工業上有用な効果が発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験片の潤滑性を評価するための試験機の概略
正面図である。 1 ビード 2 枠 3 突条 4 ビード 5 油圧シリンダ 6 ロードセル 7 試験片
【表3】
【表5】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 豊文 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−237173(JP,A) 特開 昭64−11830(JP,A) 特開 平2−263633(JP,A) 特公 昭63−28935(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B05D 7/14 B05D 3/10 B05D 7/24 302 B32B 15/08 C23C 22/24

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜鉛めっき鋼板または亜鉛系合金めっき
    鋼板の少なくとも1つの亜鉛系めっき層の上に、クロメ
    ート被膜が形成され、そして、前記クロメート被膜の上
    に、塗料の塗布そしてその加熱硬化による樹脂被膜が形
    成されている亜鉛系めっき鋼板であって、 前記クロメート被膜の量は、金属クロム換算で、鋼板の
    片面当たり5〜200mg/m2の範囲内であり、 前記樹脂被膜の厚さは、鋼板の片面当たり、0.3 〜3.0
    μm の範囲内であり、前記樹脂被膜は、固形分換算で、 (A) 溶剤系熱硬化型樹脂 : 100重量部、 (B) 固形潤滑剤としての90〜130 ℃の融点を有するポリエチレン樹脂 :1〜30重量部、および、 (C) 防錆顔料 :3〜30重量部、 からなっており、そして、前記溶剤系熱硬化型樹脂は、
    (A) 下記からなる水酸基含有ウレタンプレポリマー、 (a) ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール
    およびポリエーテルポリエステルポリオールからなる群
    から選ばれた少なくとも1種のポリオール、 (b) イソシアネート化合物、および、 (c) 2価のアルコール、 および、 (B) 硬化剤としてのブロックポリイソシアネートプレポ
    リマーおよびアミノ樹脂のうちの少なくとも1種、 からなっていることを特徴とする、潤滑性、成形加工
    性、成形後外観性および耐食性に優れた亜鉛系めっき鋼
    板。
  2. 【請求項2】 前記水酸基含有ウレタンプレポリマー中
    の前記イソシアネート化合物は、芳香族環を有するイソ
    シアネートである、請求項1記載の亜鉛系めっき鋼板。
  3. 【請求項3】 前記固形潤滑剤は、平均分子量が5,000
    以下で且つ粒径が20μm以下であるポリエチレン樹脂か
    らなっている、請求項1記載の亜鉛系めっき鋼板。
  4. 【請求項4】 前記防錆顔料は、クロム酸塩系化合物お
    よびシリカのうちの少なくとも1種からなっている、請
    求項1記載の亜鉛系めっき鋼板。
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