JP2827527B2 - フォトレジスト除去装置 - Google Patents

フォトレジスト除去装置

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JP2827527B2
JP2827527B2 JP3024218A JP2421891A JP2827527B2 JP 2827527 B2 JP2827527 B2 JP 2827527B2 JP 3024218 A JP3024218 A JP 3024218A JP 2421891 A JP2421891 A JP 2421891A JP 2827527 B2 JP2827527 B2 JP 2827527B2
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plasma
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直樹 稲垣
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  • Drying Of Semiconductors (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フォトレジスト除去
置に関し、特に、乾式のフォトレジスト除去装置に関す
【0002】
【従来の技術】よく知られているように、集積回路をは
じめとする半導体デバイスは、回路設計、パターン設
計、ウェハ処理、組み立て、特性試験などの各段階を経
て製造される。このうちのウェハ処理においては、ウェ
ハは、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜のような絶縁膜
を形成する工程、アルミニウムを代表とする高導電性金
属膜および多結晶シリコンなどの高融点金属膜を形成す
る工程、フォトレジスト工程、不純物拡散工程などの工
程を何回か繰り返して処理される。
【0003】フォトレジスト工程では、上述の絶縁膜や
金属膜などを選択的にエッチングするためのマスクを形
成する。マスクとしてはフォトレジストが用いられ、マ
スクパターンの形成は、光露光技術や電子ビーム露光技
術によって行なわれる。フォトレジストは、絶縁膜や金
属膜を選択的にエッチングするためのマスクとしてよく
用いられるが、拡散工程で不純物の導入にイオン注入法
が適用されるような時にもマスクとして用いられること
がある。
【0004】上述したフォトレジストは、エッチングや
イオン注入が終了した後に完全に除去されなくてはなら
ない。半導体デバイスの製造工程では、フォトレジスト
を除去した後の工程で、不純物を拡散するために800
℃から1000℃程度の熱をウェハに加えたり、金属膜
をアニールするために400℃から500℃程度の熱を
加えることがある。フォトレジストが完全に除去されず
少しでも残留していると、フォトレジストの成分中の炭
素や或いはフォトレジスト中に不純物として混入してい
る重金属やナトリウムなどがウェハ中に熱拡散して入り
こみ、トランジスタの接合リークを増加させたり、しき
い値電圧を不安定にさせたりする。長期間のうちには半
導体デバイスの電気特性を変化させてしまう。
【0005】フォトレジストの除去装置には、湿式と乾
式とがある。湿式除去は、化学薬品の水溶液を用いてフ
ォトレジストをウェハ表面から除去する方法である。こ
の方法では、化学薬品の水溶液を用いることに起因する
欠点がある。強酸や塩素系有機薬品には不純物が混入し
ており、この不純物が、フォトレジスト除去工程でウェ
ハを汚染する。また、強酸や塩素系有機薬品を用いるの
で、作業上の安全性を確保したり、環境汚染を起さない
ように十分な廃液処理を行なうのに多大な投資をしなけ
ればならない。
【0006】乾式の除去方法においては、ウェハが酸素
を主成分とするガス雰囲気中に曝され、エッチャントと
して、酸素ガス中に含まれる酸素ラジカルが用いられ
【0007】原理的には、フォトレジストの成分である
不揮発性高分子有機化合物が、酸素ラジカルと反応し
て、揮発性の低分子有機化合物の形で気相に放出され、
この低分子有機化合物が更に酸化されて炭酸ガスと水に
分れるというプロセスを経てフォトレジストが除去され
るものと考えらている。
【0008】従来、乾式のフォトレジスト除去装置とし
ては、酸素ラジカルの発生のさせ方およびウェハと酸素
ラジカルとの接触のさせ方などによって、幾つかの型の
除去装置が実用化されている。
【0009】その一つは、ソリッド・ステート・テクノ
ロジー(Solid StateTechnol
g.),第19巻,1977年,第5号,第31から第
36頁に記載されているような、円筒型プラズマ除去装
置である。この除去装置は、真空チャンバの中で酸素ガ
スを放電させて弱電離酸素プラズマを発生させ、この弱
電離酸素プラズマ中にウェハを置いて、このプラズマ中
に含まれる酸素ラジカルでフォトレジストを灰化するも
のである。
【0010】つぎに、上述の円筒型プラズマ除去装置の
欠点を改良した装置が、ヤスヒロ・ホリイケ(Yasu
hiro Horiike)らが、ジャパン・ジャーナ
ル・オブ・アプライド・フィジクス(Jpn.J.Ap
pl.Phys.Suppーl.),第13巻,197
3年,第45頁やエッチ・アール・ホフ(H.R.Ho
ff)及びイー・ジルトル(E.Sirtle)監修,
電子協会・ソフトーバウンド・シンポジウム・シリーズ
(Electron Soc.Soft−bound
Sympo.Series),半導体シリコン(Sem
iconーductor Silicon),第107
1頁,1976年に記載しているような放電室分離型プ
ラズマ除去装置である。この除去装置においては、酸素
の弱電離プラズマを、真空チャンバとは別に設けられた
放電室の内部で発生させ、この弱電離酸素プラズマをウ
ェハの位置にまで輸送してウェハと接触させている。
【0011】乾式によるフォトレジスト除去装置の第3
のものは、ケー・オザワ(K.Oーzawa)らが、エ
クステンデッド・アブストラクト・オブ・ザ・コンファ
レンス・オン・ソリッド・ステート・デバイス・アンド
・マテリアルズ・トーキョー(Extended Ab
structs of the Conferenーc
e on Solid State Device a
nd Materiーals,Tokyo),1983
年,第125から第128頁にユーブイ・レジストスト
リッピング・フォー・ハイスピード・アンド・ダメージ
フリー・プロセス(UV Resist−Stripp
ing for High−Speedand Dam
age−Free Process)の題名で発表した
論文に記載されている紫外線ーオゾン・フォトレジスト
除去装置である。この除去装置は上に述べた2つの除去
装置とは、酸素ラジカルの発生方法が異なっている。こ
の除去装置の特徴は、オゾンに対して紫外線を照射して
酸素ラジカルを発生させる点にある。この除去装置で
は、オゾン発生器により発生させたオゾンを酸素ガスと
の混合ガスとしてチャンバに導入する。チャンバは、オ
ゾンを閉じ込め、ここで酸素ラジカルを発生させ、ウェ
ハと接触させ、フォトレジストの除去を行なうための容
器であり、真空を保持するためのものではない。チャン
バの内部は、真空ではなく常圧である。チャンバの上部
には、紫外線光源ランプが設置されており、ウェハはこ
の紫外線光源ランプに照射されるように配置される。こ
の除去装置で用いる紫外線としては、波長が300nm
以下の紫外線を用いると、酸素ラジカルの発生効率が高
い。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の乾式の
フォトレジスト除去装置においては、以下に述べるよう
な理由により、フォトレジスト除去中にウェハが帯電し
たりフォトレジスト中の不純物によってウェハが汚染さ
れたりして、半導体デバイスの電気的特性が劣化してし
まうという問題が生ずることがある。以下にその説明を
行なう。
【0013】先ず、円筒型プラズマ除去装置の場合、フ
ォトレジスト除去装置の構造が、基本的にウェハが弱電
離酸素プラズマの中に置かれる構造であるため、次のよ
うな不都合なことが起る。
【0014】第1に、弱電離酸素プラズマ中に存在する
酸素イオンによってウェハが帯電する。この結果、MO
S電界効果型トランジスタのゲート酸化膜の耐圧が劣化
しゲートショートが発生したり、接合リーク電流が増大
したり、トランジスタのしきい値電圧が変動したりす
る。
【0015】第2に、フォトレジスト除去中にウェハの
温度が200℃から250℃程度にまで上昇する。この
ため、フォトレジスト中に含まれる鉄、クロム、亜鉛な
どの重金属やナトリウムのような汚染不純物がウェハ中
に熱拡散により侵入して上に述べたような半導体デバイ
スの電気特性の劣化を引き起す。
【0016】上記の静電破壊という問題点を改良したの
が放電室分離型プラズマ除去装置である。この除去装置
では、ウェハと放電室とが分離されているので、酸素イ
オンによるウェハの帯電という現象は確かに減る。
【0017】しかし、この除去装置では、弱電離酸素プ
ラズマをウェハの位置まで輸送しなけらばならないこと
から、次のような別の問題が起る。すなわち、酸素ラジ
カルは寿命が短いので、輸送中に減衰してしまい、ウェ
ハ近傍での酸素ラジカルの濃度が低下し、このままでは
フォトレジスト除去の速度が低下してしまう。フォトレ
ジスト除去工程では、経済的な実用除去速度としては、
枚葉式では200nm/分以上、バッチ式では50nm
/分以上であることが望ましいが、上記の状態ではこの
除去速度を達成することができない。そこで、この放電
室分離型プラズマ除去装置では、実用的な除去速度を得
るために、ウェハの温度を上げるということが行なわれ
る。これは、フォトレジストの除去速度が、ウェハ温度
に対して指数関数的に増大することを利用したものであ
る。ウェハ温度としては200℃から300℃に加熱す
る必要がある。ところが、この温度範囲は、先に述べた
円筒型プラズマ除去装置におけるウェハの温度範囲と同
等であり、円筒型プラズマ除去装置の場合と同様に、や
はりフォトレジストからの重金属汚染の問題は避けられ
ない。
【0018】次に紫外線ーオゾン・フォトレジスト除去
装置の場合、ウェハ近傍でオゾンに紫外線を照射するこ
とにより、オゾンを酸素ラジカルに変換し、この酸素ラ
ジカルで、有機物であるフォトレジストを酸化・分解し
て除去することを原理としている。従って、この除去装
置においては、原理的に酸素イオンが存在せず、ウェハ
の帯電現象に基づく問題は本質的に解決される。
【0019】しかるに、この装置は、常圧化でオゾンに
紫外線を照射するという方法で酸素ラジカルを発生させ
ていることから、以下のような問題を抱えている。
【0020】第1に、紫外線による常圧での酸素ラジ
カルの発生では、酸素ラジカルの濃度が高くならず、フ
ォトレジストを除去する速度が遅い。このため、この装
置でも、実用的な除去速度を得るためには、やはりウェ
ハを300℃程度まで上昇させる必要がある。この結
果、フォトレジスト中の重金属の熱拡散によるウェハの
不純物汚染の問題は未解決のまま残る。
【0021】第2に、大気中で、しかもウェハ温度を上
げてフォトレジスト除去処理を行なうため、大気中の水
分によってウェハ表面が酸化される。従って、この除去
装置を、例えば、コンタクト孔をエッチングした後のフ
ォトレジストを除去するのに用いると、配線金属と半導
体の高濃度領域の表面との間のコンタクト抵抗が増加し
たり、安定したコンタクトが取れなくなるというような
問題が起る。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明のフォトレジスト
除去装置は、真空チャンバと、前記真空チャンバ内に半
導体ウェハを設置する手段と、前記真空チャンバ内に設
置され前記半導体ウェハ表面に紫外線を照射する紫外線
光源ランプと、前記真空チャンバの外部に設けられ高周
波放電により弱電離酸素プラズマを発生させる手段と、
前記弱電離酸素プラズマを前記真空チャンバ内へ輸送す
る手段とを有し、前記弱電離酸素プラズマを前記真空チ
ャンバ内に輸送する手段が、その内部に多段の浮遊電極
を備え各々の浮遊電極の電位を独立に可変する手段を備
えている。
【0023】
【作用】本発明のフォトレジスト除去装置では、真空チ
ャンバとは別に設けた放電室の中で酸素ガスを高周波放
電させて弱電離プラズマを発生させる。そして、この弱
電離酸素プラズマをプラズマ輸送管で真空チャンバに輸
送する。この時、弱電離酸素プラズマ中の酸素ラジカル
や酸素分子などの中性粒子だけが輸送される。真空チャ
ンバ内にはフォトレジストのついたウェハを配置し、こ
のウェハを紫外線光源ランプで照射する。
【0024】真空チャンバに輸送された弱電離酸素プラ
ズマ内の酸素ラジカルは、紫外線によってエネルギーを
与えられ、寿命が長くなり密度が濃くなる。この酸素ラ
ジカルの長寿命化、高密度化はウェハの近傍で起るの
で、ウェハ温度を従来の乾式フォトレジスト除去装置ほ
どには上げなくても、実用的なフォトレジスト除去速度
を得ることができる。しかも荷電粒子によるウェハの帯
電もない。従って、本発明によるフォトレジスト除去装
置を用いれば、半導体デバイスの電気特性に悪影響を与
えることなくフォトレジストを除去することができる。
【0025】高周波放電、真空チャンバ内の圧力、紫外
線の波長などの条件は、従来の乾式除去装置とほぼ同等
の条件でよい。フォトレジトの除去速度として、ポジ型
フォトレジストおよびネガ型フォトレジストの場合と
も、少なくとも100nm/分以上の除去速度が得られ
る。
【0026】
【実施例】次に、本発明の最適な実施例について、図面
を参照して説明する。始めに、本発明の理解を容易にす
るために、本発明の参考例について説明する。図1は、
本発明の一参考例のフォトレジスト除去装置の構成を示
す概略図である。
【0027】図1を参照すると、本発明の参考例による
フォトレジスト除去装置はベルジャー形の真空チャンバ
11と円筒形の放電室12とを有し、両者は非導電性の
円筒形のプラズマ輸送管13でつながれている。真空チ
ャンバ11は石英で作られており、直径200mm,高
さ100mmである。この真空チャンバ11の内部に
は、ウェハホルダ14とウェハの上部から紫外線を照射
するための紫外線光源ランプ15とが設けられている。
紫外線の波長は260nmである。ウェハホルダ14は
ウェハ16を水平に保持するものであって、内部にヒー
タ(図示せず)を備えている。このヒータは真空チャン
バ11の外部に設けられた温度コントローラ17によっ
て制御され、ウェハホルダ14上のウェハ16の温度を
フォトレジスト除去時に40℃から150℃の範囲に保
持する。
【0028】放電室12は石英で作られており、直径が
200mm,長さが100mmである。この放電室12
の外部には、放電室12を挟んで対向するように高周波
(以下RFという)放電用電極18が設けられている。
そして、この一対のRF放電用電極18にRF発振器1
9から、周波数が2.45GHzのマイクロ波帯の電力
が供給される。
【0029】プラズマ輸送管13は石英製であり、直径
50mm,長さ70mmである。
【0030】真空チャンバ11には排気システム21が
接続されており、放電室12には酸素ガスを供給するガ
ス供給システム20が接続されている。フォトレジスト
を除去するときは、排気システム21のメインバルブ2
9を開けて、ガス供給システム20のガス配管、ガス導
入管27、放電室12、プラズマ輸送管13および真空
チャンバ11をロータリーポンプ24で予めベース圧力
まで排気してから、ガス供給システム20の圧力調整器
22によって一定圧力に制御されたガスボンベ23内の
酸素ガスを流量計25を経て放電室12のガス導入管2
7に供給して真空チャンバ11内の真空度を調整する。
排気システム21には、圧力計26が備えられていて、
系内の真空度を監視・制御している。
【0031】尚、この参考例の除去装置では、酸素ガス
をガスボンベ23から供給しているが、酸素ガスとして
は、勿論工場内で一括して集中管理され、配管で供給さ
れている酸素ガスを用いることもできる。また排気シス
テム21の真空ポンプとしては、ロータリーポンプを用
いているが、これは他の型の真空ポンプ、例えばメカニ
カルブースターポンプとロータリーポンプとの組み合わ
せ、或いは拡散ポンプとロータリーポンプの組み合わせ
でもよい。またクライオポンプなどのオイルフリーの真
空ポンプを用いることもできる。
【0032】上述のような構成の除去装置においては、
ガス導入管27から放電室12に導入された酸素ガス
は、放電室12において高周波放電によって弱電離酸素
プラズマとなる。この弱電離酸素プラズマ中には、酸素
ラジカルと酸素イオンとが含まれている。そして、この
酸素ラジカルと酸素イオンとを含む弱電離プラズマが、
プラズマ輸送管13を通して真空チャンバ11に導かれ
る。真空チャンバ11に導入された弱電離酸素プラズマ
においては、酸素イオンなどのように電荷を有するもの
は非常にわずかである。これは、このような荷電粒子の
ほとんどが、電場が形成されている放電室12内に残さ
れるためである。真空チャンバ11内に流入した電荷を
もたない酸素ラジカルおよび酸素分子などは、真空チャ
ンバ11内で紫外線光源ランプ15から紫外線を照射さ
れ、エネルギーを与えられる。そしてこの結果、酸素ラ
ジカルの寿命が長くなり密度も高くなる。しかも、上記
のような酸素ラジカルの長寿化や高密度化は、ウェハ1
6のすぐ近くで起るので、ウェハの温度が40℃から1
50℃程度という比較的低い温度でも、実用的なフォト
レジストの除去速度を得ることができる。
【0033】次に、本発明の実施例について述べる。図
2は、本発明の一実施例のフォトレジスト除去装置の構
成を示す概略図である。
【0034】図2を参照すると、本発明の実施例のフォ
トレジスト除去装置は、図1に示した参考例の除去装置
に追加して、プラズマ輸送管13の中に浮遊電極28を
備えている。この浮遊電極28は、円板状の金属板に直
径3mmの小さな穴を間隔5mmで多数あけた構造のも
ので、接地電位を与えられている。このような浮遊電極
28は、弱電離酸素プラズマ中に存在する酸素イオンや
電子などの荷電粒子をトラップしてしまう。このことか
ら、この実施例の除去装置によれば、ウェハ16での帯
電現象をほぼ完全になくすることができる。尚、この除
去装置では浮遊電極は1つだけ設けたが、これを多段に
し、更にその電位を変えられるようにしてもよい。本実
施例のその他の構成は参考例と全く同じなので説明を省
略する。
【0035】ここで、上述の実施例の除去装置を用いて
フォトレジストを除去した場合に、この除去装置が半導
体デバイスに与える影響、特に重金属汚染による電気的
特性の変動とウェハ温度との関係について実験した結果
を説明する。実験は、図3に示すMOSダイオードを試
料として行なった。このMOSダイオードは以下のよう
にして作成した。
【0036】先ず、面方位(100),比抵抗10Ω・
cmから15Ω・cmのP型シリコン基板30上に、パ
イロジェニック熱酸化法により950℃で100nmの
ゲート酸化膜31を形成した。次に、フォトレジスト
(図示せず)を塗布し、プリベークおよびポストベーク
を施した後、第2の実施例のフォトレジスト除去装置を
用いてこのフォトレジストを全部除去した。フォトレジ
ストには、厚さ1.3μmのポジ型フォトレジストまた
は厚さ1.5μmのネガ型フォトレジストを用いた。ポ
ストベークはN2 ガス中で行ない、ポジ型フォトレジス
トは温度120℃で30分間ベークした。またネガ型フ
ォトレジストの場合は温度130℃で30分間ベークし
た。フォトレジストの除去条件は下記の通りである。 (1) 高周波放電条件;周波数2.45GHz、電力10
00W (2) 真空チャンバ内真空度;1.0torr (3) ガス条件;酸素ガス濃度100%、流量500SC
CM (4) 紫外線照射条件;波長260nm (5) ウェハ温度;40℃,150℃および200℃ (6) ウェハ・紫外線光源ランプ間距離;15mm このプロセスでフォトレジストの除去に要した時間は、
ウェハ温度が40℃のときは40秒/1ウェハであっ
た。ウェハ温度が150℃および200℃の場合には、
それぞれ、20秒/1ウェハおよび15秒/1ウェハで
あった。このフォトレジスト除去の後、露出したゲート
酸化膜31上にN型のドープトポリシリコンのゲート電
極32を形成した。
【0037】上記のようなプロセスをへたウェハに、プ
ラス及びマイナスのBT(BiasTemperatu
re)処理を施した。プラスのBT処理は、電界強度+
3MV/cmの電界を温度250℃で10分間印加する
ことで行ない、マイナスのBT処理は、−3MV/cm
の電界を250℃で10分間印加して行なった。
【0038】その結果のMOSダイオードの容量ー特性
を、図4(a),4(b)および4(c)に示す。
【0039】図4(a)は、フォトレジスト除去の時の
ウェハ温度を40℃に設定した場合の測定結果である。
図4(b)は150℃のときの特性を示し、図4(c)
は200℃のときの特性を示す。図において、破線はB
T処理前の初期状態の特性を表し、実線はプラスBT処
理後の特性を表し、一点鎖線はマイナスBT処理後の特
性を表している。縦軸のCはシリコン基板30とゲート
電極32との間の容量を示し、Coxはゲート酸化膜31
の容量を示す。横軸は電圧を示す。
【0040】図4(a)および4(b)から明らかなよ
うに、フォトレジスト除去中の温度を40℃および15
0℃にそれぞれ設定した場合には、BT処理による容量
ー電圧特性の変動はほとんど起らない。ところが、図4
(c)に示すように、ウェハ温度を200℃に設定した
場合には特性が変動しており、特に、プラスBT処理に
よる特性の変動が大きい。これは、フォトレジスト除去
中に、重金属イオンがゲート酸化膜31中に侵入し、こ
の重金属イオンがプラスBT処理によってゲート酸化膜
31とシリコン基板30との界面に移動したことを示し
ている。
【0041】ゲート酸化膜31上にフォトレジストを塗
布せずにフォトレジスト除去装置にウェハを設置し、ウ
ェハ温度を200℃に設定して上記の(1)から(4)
および(6)と同一の条件で15秒間処理した後ゲート
電極32を形成したMOSダイオードの容量ー電圧特性
測定したところ、図5のグラフが得られた。この図から
明らかなように、この実施例の除去装置では、フォトレ
ジストが無いならば、ウェハを温度200℃に上げて弱
電離酸素プラズマに曝しても何ら問題がないと言える。
すなわち、図4(c)に示す容量ー電圧特性の変動は、
フォトレジスト中の重金属によるものであり、そのウェ
ハ中への熱拡散は約200℃以上の温度で起ると見られ
る。従って、フォトレジスト除去中のウェハ温度を15
0℃以下に抑えれば、汚染不純物の影響を受けることが
少ないと考えることができる。この場合、ウェハ温度が
150℃以下でも、200nm/分以上のフォトレジス
ト除去速度が確保されているので、本実施例の除去装置
は十分実用に供されうる。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の実施例に
よるフォレジスト除去装置は、RF放電により弱電離酸
素プラズマを別室で発生させ、酸素イオン等の荷電粒子
を別室の中にトラップした状態で、プラズマ輸送管を通
して弱電離酸素プラズマを真空チャンバ内に送りこみ、
真空チャンバ内の紫外線光源ランプによりウェハ近傍の
酸素ラジカルを長寿命化・高密度化して40℃から15
0℃の温度範囲でフォトレジストの除去を行なうことに
より、ウェハの帯電現象を苦慮せずに、大気中の水分に
よる酸化が起ることなく、重金属の熱拡散が起る温度よ
り低温で、実用的な処理速度でフォトレジストの除去を
行なうことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一参考例のフォトレジスト除去装置の
構成を示す概略図である。
【図2】本発明の一実施例のフォトレジスト除去装置の
構成を示す概略図である。
【図3】フォトレジスト除去工程が半導体デバイスの電
気的特性に及ぼす影響を調査するためのMOSダイオー
ドの構造を示す概略断面図である。
【図4】図3に示すMOSダイオードを図2のフォトレ
ジスト除去装置を用いて処理した場合の、MOSダイオ
ードの容量ー電圧特性を示す図である。
【図5】図3に示すMOSダイオードを図2のフォトレ
ジスト除去装置を用いて処理した場合の、MOSダイオ
ードの容量ー電圧特性を示す図である。
【符号の説明】
11 真空チャンバ 12 放電室 13 プラズマ輸送管 14 ウェハホルダ 15 紫外線光源ランプ 16 ウェハ 17 温度コントローラ 18 RF放電用電極 19 RF発振器 20 ガス供給システム 21 排気システム 22 圧力調整器 23 酸素ガスボンベ 24 ロータリーポンプ 25 流量計 26 圧力計 27 ガス導入管 28 浮遊電極 29 メインバルブ 30 シリコン基板 31 ゲート酸化膜 32 ゲート電極

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空チャンバと、前記真空チャンバ内に
    半導体ウェハを設置する手段と、前記真空チャンバ内に
    設置され前記半導体ウェハ表面に紫外線を照射する紫外
    線光源ランプと、前記真空チャンバの外部に設けられ高
    周波放電により弱電離酸素プラズマを発生させる手段
    と、前記弱電離酸素プラズマを前記真空チャンバ内へ輸
    送する手段とを有し、 前記弱電離酸素プラズマを前記真空チャンバ内に輸送す
    る手段が、その内部に多段の浮遊電極を備え各々の浮遊
    電極の電位を独立に可変する手段を備えるフォトレジス
    ト除去装置。
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