JP2826741B2 - D―パントテン酸エステルの製造法 - Google Patents

D―パントテン酸エステルの製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は医学上または生理学上重要なビタミンとして
有用なD−パントテン酸の製造における中間体であるD
−パントテン酸エステルの新規な製造法に関する。
[背景技術] 本発明者らは、先に、D−パントテン酸を工業的に製
造する方法として、D−パントテン酸エステルを原料と
して、市販酵素や微生物を用いることにより、定量的に
D−パントテン酸またはその塩に変換する方法を提供し
た(特願昭63−53571、特願昭63−53572参照)。
しかしながら、この原料となるD−パントテン酸エス
テルは、化学的に煩雑な工程を要する光学分割によつて
得られるD−パントラクトンをβ−アラニンエステルで
アミノリシスを行なうことにより得られるのであるが、
本発明者らは、別途、D−パントテン酸のプロキラル体
である2′−ケトパントテン酸エステルが、D−パント
ラクトンよりはるかにアミノリシスをうけやすいケトパ
ントラクトンとβ−アラニンエステルとの反応により、
容易に好収率で得られることを見出し、さらに、この
2′−ケトパントテル酸エステルを微生物を利用して、
不斉還元することにより、定量的にD−パントテン酸エ
ステルにて変換できることを見出した。本発明はかかる
知見に基づいてなされたものである。
[発明の開示] 本発明は、アエロバクター属、エルビニア属、アグロ
バクテリウム属、コリネバクテリウム属、アルスロバク
ター属、キサントモナス属、クルイベロミセス属、サツ
カロミセス属、ハンセヌラ属、スポロボロミセス属、キ
ヤンデイダ属、ロドトルラ属、ピチア属、モルテイエレ
ラ属に属する微生物よりなる群より選ばれた少なくとも
1種の還元能を有する微生物を用いて2′−ケトパント
テン酸エステルの不斉還元を行なうことを特徴とするD
−パントテン酸エステルの製造法を提供するものであ
る。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明者らは、各種液体培地2mlに斜面培地から各種
の各種菌を1白金耳量接種し、28℃で2日間好気的に振
盪培養後、この培養液に2′−ケトンパントテン酸エチ
ルエステルを20mgずつ加え、28℃で2日間振盪し、得ら
れる反応液につき、TLCおよびHPLCにてパントテン酸エ
チルエステルの生成量を、GLCにて、パントラクトンの
光学純度をそれぞれ測定した結果、2′−ケトパントテ
ン酸エチルエステルをD−パントテン酸エチルエステル
に変換する微生物として、アエロバクター属、エルビニ
ア属、アグロバクテリウム属、コリネバクテリウム属、
アルスロバクター属、キサントモナス属、クルイベロミ
セス属、サツカロミセス属、ハンセヌラ属、スポロボロ
ミセス属、キヤンデイダ属、ロドトルラ属、ピチア属、
モルテイエレラ属に属する不斉還元能を有するものが適
当であることを見出した。
不斉還元能の特に優れた微生物は、クルイベロミセス
属、ハンセヌラ属、スポロボロミセス属、キヤンデイダ
属、ピチア属などに見られる。
菌の培養に関する条件は、炭素源として、グルコー
ス、フラクトース、シユクロークなどの糖質やグリセロ
ールなどのアルコール類、窒素源として、硫酸アンモニ
ウム、ペプトン、カザミノ酸、コーンステイープリカ
ー、ふすま、酵母エキスなど、無機塩類として、硫酸マ
グネシウム、塩化ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸
一水素カリウム、リン酸二水素カリウムなど、他の栄養
源として、麦芽エキス、肉エキスなどを含む培地を用い
る。培養は、好気的に行ない、通常1〜7日程度、培地
pHは3〜10、培養温度は15〜50℃、更に好ましくは20〜
40℃で行なう。
本発明方法において、使用する微生物は、液体培地に
菌株を培養した培養物、培養液から分離した菌体、ある
いは菌体または培養物を処理して得られる乾燥菌体、も
しくは固定化菌体などのいずれの形態でも用いることが
できる。
2′−ケトパントテン酸エステルとしては、アルキル
エステル、アラルキルエステルなど、いずれのエステル
も使用することができる。好ましい例としては、メチル
エステル、エチルエステル、プロピルエステルなどの低
級アルキルエステルがあげられる。
原料として使用する2′−ケトパントテン酸エステル
の濃度は、通常、10〜150g/である。この反応温度
は、通常、10〜50℃であり、反応時間は、通常、数時間
から5日間である。反応系のpHは、通常、3〜9程度で
ある。
以下に、実施例を掲げ、本発明を更に具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
なお、本発明方法で使用される2′−ケトパントテン
酸エステルは新規化合物であるが、以下述べる如くして
製造することができる。
すなわち、2′−ケトパントテン酸エステルは、ケト
パントラクトンとβ−アラニンエステルとを用いてアミ
ノリシスをおこなうことにより得られるが、この際の反
応を行なわせる場合においては、反応溶媒としては、メ
タノール等のアルコール、酢酸エチル等のエステル類、
ヘキサン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン等の芳香族炭化
水素、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素、アセトン
等のケトン類、アセトニトリル等を使用される。反応温
度は、室温から各反応溶媒の沸点温度程度までの範囲内
で、反応時間は、通常は、1時間から1日である。反応
終了後、反応溶媒を留去し、酢酸エチルや塩化メチレン
等の有機溶媒を用いて目的とする2′−ケトパントテン
酸エステルを抽出する。これを、場合により希酸水溶液
や希アルカリ水溶液により洗浄し、精製すると、好収率
で、単一の2′−ケトパントテン酸エステルが得られ
る。
以下に、このエステルの製造例を示す。
製造例1 2′−ケトパントテン酸メチルエステルの製造 金属ナトリウム1.2g(52mモル)を無水メタノール200
mlに溶解させ、室温下、β−アラニンメチルエステル塩
酸塩7.3g(52mモル)、ケトパントラクトン6.4g(50mモ
ル)の順に加える。室温にて、1晩撹拌した後、メタノ
ールを留去する。副生した塩化ナトリウムを含む反応混
合物を、水に溶解させ、酢酸エチルで抽出する。酢酸エ
チル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、シ
リカゲルによるカラムクロマト精製を行なつて、2′−
ケトパントテン酸メチルエステル10.1g(収率:87.3%)
をoilとして得た。
IR(neat)νcm-1:3380,2955,2875,1740,1715,1680,151
5,1420,1370,1260,1200,1180,10501 H−NMR(CDCl3)δ:1.28(6H,s) 2.57(2H,t) 3.58(2H,q) 3.72(5H,s) 7.5 (1H,bs) 製造例2 2′−ケトパントテン酸エチルエステルの製造 ソジウムエトキシド3.6g(52.5mモル)を無水エタノ
ール150mlに溶解させ、これに、β−アラニンエチルエ
ステル塩酸塩8.1g(52.5mモル)およびケトパントラク
トン6.4g(50mモル)をその順序で加える。室温にて1
晩撹拌した後、エタノールを留去する。エタノール留去
後は、製造例1のメタノール留去後と同様の操作を行な
つて、2′−ケドパントテン酸エチルエステル10.8g
(収率:88.1%)をoilとして得た。
IR(neat)νcm-1:3380,2980,2945,2875,1735,1680,152
5,1480,1380,1190,1100,10501 H−NMR(CDCl3)δ:1.28(6H,s) 1.28(3H,t) 2.57(2H,t) 3.58(2H,q) 3.75(2H,s) 4.18(2H,q) 7.5 (1H,bs) 製造例3 2′−ケトパントテン酸ベンジルエステルの製造 β−アラニンベンジルエステル−p−トルエンスルホ
ン酸塩3.5g(10mモル)を10%炭酸ソーダ水に溶解し、
酢酸エチルで抽出する。酢酸エチル層を無水硫酸マグネ
シウムで乾燥後、減圧濃縮する。残留物を無水エタノー
ルに溶解し、これに、ケトパントラクトン1.3g(10mモ
ル)を加える。6時間、還流煮沸した後、メタノールを
留去し、メタノール留去後は、製造例1と同様の操作を
行なつて、2′−ケトパントテン酸ベンジルエステル1.
6g(収率:52%)をoilとして得た。
IR(neat)νcm-1:3400,2975,2940,2875,1735,1680,152
0,1475,1460,1390,1360,1260,1180,1105,10501 H−NMR(CDCl3)δ:1.26(6H,s) 2.62(2H,t) 3.58(2H,q) 3.73(2H,s) 5.14(2H,s) 7.35(5H,s) 実施例1〜6 グルコース5%、コーンステイープリカー5%、炭酸
カルシウム1%からなる液体培地(pH7.0)を6つの試
験管に2mlずつ分注し、オートクレーブ中で121℃で20分
間、加熱滅菌した。各試験管内の培地に、斜面培地から
第1表に記載した各種の菌株を1白金耳量ずつとり、接
種し、28℃で2日間、好気的に振盪培養した。この各種
試験管内の培養液に対し、2′−ケトパントテン酸エチ
ルエステルを20mgずつ加え、28℃で2日間振盪した。反
応後、HPLC(Cosmosil5C18φ4.6×l100mm、溶離液30%
メタノール(pH2.5)、流速1ml/min、検出波長230nm)
にて各試験管におけるパントテン酸エチルエステル生成
量を測定した。更に、反応液より、酢酸エチルを用いて
パントテン酸エチルエステルを抽出し、塩酸で加水分解
した後、生成したパントラクトンの光学純度をGLC(Ana
lytical Biochemistry,112,9−16(1981))にて測定し
た。その結果は第1表に示す通りである。第1表中、IF
O No.は、財団法人醗酵研究所カタログ番号を示し、IAM
No.は東京大学応用微生物研究所カタログ番号を示す
(以下、同じ)。
実施例7〜14 実施例1〜6において使用した液体培地に代えてグル
コース5%、コーンステイープリカー5%からなる液体
培地(pH6.0)を使用し、第2表の実施例No.7〜14の各
欄に示す各種の菌株のそれぞれを用いて、実施例1〜6
に記載したようにして同様の条件下において操作を行な
い、第2表に示す結果を得た。
実施例15 実施例7〜14において使用した液体培地200mlを使用
し、キヤンデイダ・マセドニエンシス(IFO960)の培養
を、28℃で3日間、坂口フラスコによる振盪培養により
行ない、培養後、遠心分離により集菌した。2′−ケト
パントテン酸エチルエステルおよびグルコースを、0.2M
リン酸緩衝液に、各5%濃度になるように溶解した溶液
(pH5.0)100mlを上記で得られた菌体に加え、28℃で2
日間振盪した。反応後、反応液を食塩で塩析し、酢酸エ
チルで抽出をおこない、酢酸エチル層を無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥し、減圧濃縮することにより、D−パントテ
ン酸エチルエステル4.6g(収率:92%,光学純度:98%e.
e.)を得た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI (C12P 13/02 C12R 1:15) (C12P 13/02 C12R 1:06) (C12P 13/02 C12R 1:64) (C12P 13/02 C12R 1:645) (C12P 13/02 C12R 1:85) (C12P 13/02 C12R 1:78) (C12P 13/02 C12R 1:72) (C12P 13/02 C12R 1:84)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アエロバクター属、エルビニア属、アグロ
    バクテリウム属、コリネバクテリウム属、アルスロバク
    ター属、キサントモナス属、クルイべロミセス属、サツ
    カロミセス属、ハンセヌラ属、スポロボロミセス属、キ
    ヤンデイダ属、ロドトルラ属、ピチア属、モルテイエレ
    ラ属に属する微生物よりなる群より選ばれた少なくとも
    1種の還元能を有する微生物を用いて2′−ケトパント
    テン酸エステルの不斉還元を行なうことを特徴とするD
    −パントテン酸エステルの製造法。
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