JP2826254B2 - 触媒燃焼装置 - Google Patents

触媒燃焼装置

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JP2826254B2 JP15750993A JP15750993A JP2826254B2 JP 2826254 B2 JP2826254 B2 JP 2826254B2 JP 15750993 A JP15750993 A JP 15750993A JP 15750993 A JP15750993 A JP 15750993A JP 2826254 B2 JP2826254 B2 JP 2826254B2
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安昭 坂根
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は酸化触媒を利用して触媒
燃焼を行い暖房,乾燥,加熱等を行う触媒燃焼装置に関
し、特にその触媒燃焼状態を簡単な構成で正確に検知し
得る触媒燃焼装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の触媒燃焼装置、例えば気
体燃料及び気化された液体燃料を空気と混合させた後に
触媒層へ送って触媒と接触させ、その表面上で無炎燃焼
させる触媒燃焼装置の一例として出願人が提案した図3
及び図4に示すような触媒燃焼装置がある。
【0003】図3及び図4において、1はセラミックハ
ニカム担体に触媒を担持した触媒層であり、箱体2の開
口部に装着されている。箱体2は外箱、中箱4と内箱5
とで略3重に構成されている。内箱底面5aの上方には
バーナ取付板6が内箱内面に四辺を密接して取着されて
いる。バーナ取付板6と内箱底面5aの間には、第1の
仕切板7と第2の仕切板8が四辺をバーナ取付板6と内
箱5に密接して取着されて減圧室9を形成している。減
圧室9側壁には調整孔10が設けられ、予熱用バーナ1
1のスロート部11aに供給される一次空気を略大気圧
に調整できるようになっている。
【0004】仕切板7には予熱用バーナのスロート部1
1aが埋設されている。仕切板8には気化器12のノズ
ル部12aが埋設されており、スロート部11aの中心
軸はノズル部12aの中心軸と略一致するように配設さ
れている。内箱底面5aには1つ以上の二次空気孔13
が設けられている。外箱底面と中箱底面及び外箱側壁と
で包囲される空間は加圧室14を形成し、送風機15か
ら送られる燃焼用全空気は外箱側壁に設けられた送風口
15aから先ず加圧室14に入る。
【0005】次に、外箱3と中箱4の空間を通って上方
に送られる。そうして、箱体2の上部に達した上記全空
気は中箱天面と内箱天面及び中箱側壁とで形成される戻
口19から中箱側壁4bと内箱側壁5bとの空間20を
下方に進む。その後、この全空気は予熱燃焼時の呼び方
で一次空気と二次空気に別れ、一次空気は調整孔10か
ら減圧室9に入り、気化器のノズル部12aから噴出す
る気化ガスのエジェクション効果によって予熱用バーナ
のスロート部11aに吸込まれる。一方の二次空気は二
次空気孔13から予熱用バーナ11とバーナ取付板6の
間隙を通って混合室21へ供給される。
【0006】また、内箱側壁5bには予熱燃焼時の火炎
又は触媒燃焼時の予混合ガスと二次空気孔から供給され
る燃焼用空気の混合と拡散を促進し、触媒体1に均一な
燃焼熱、又は予混合ガスを供給するための断面へ字状の
拡散板22が取着してある。この拡散板22の曲げ角度
を調整することによって、触媒体1を予熱するための火
炎燃焼時及び触媒燃焼熱の触媒体1の均熱化が図られる
ように形成されている。23は点火用ヒータ、24はフ
レームセンサ、25は温度センサである。
【0007】このような構成において、まず触媒層1を
活性化温度以上に予熱するために予熱用バーナー11に
点火して火炎燃焼を行い、その燃焼熱で触媒層1全体を
予熱する。触媒層1が活性化温度以上に達したことを温
度センサー25によって検知したら、送油ポンプを5〜
6秒間停止させて予熱用バーナー上の火炎を消し、直ち
に送油ポンプの運転を開始して燃料の供給を行う。
【0008】このとき、予熱用バーナー11上では火炎
を形成することなくバーナーから排出し、二次空気孔1
3からの二次空気と混合した後、拡散板22によって触
媒層1の入り口面に供給される。触媒層1内では活性化
温度以上に予熱されているため、予混合ガスは直ちに触
媒燃焼を開始し、400〜800℃の燃焼温度で定常燃
焼を行う。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが上記した触媒
燃焼装置では、触媒燃焼状態を検知するのに温度センサ
ーを用いて触媒層の入口面若しくは出口面の温度を測定
する方法により行っている。すなわち、温度センサーに
より測定された触媒温度とこの時の燃焼条件によって決
まる正常触媒温度と随時比較することにより、正常燃焼
であるか否かを判定するものである。このとき、直接触
媒面に温度センサーを接触させて応答性の良い検知方法
を採る場合、触媒面は400〜800℃の高温であるた
めに高価な耐熱性のシース熱電対を用いる必要があり、
装置が高価なものとなってしまう。一方、温度センサー
に安価なサーミスタを使用するためには耐熱性が悪いた
めに直接触媒面に接触させることができず、触媒面付近
の温度が低い混合室壁等に取り付けて触媒面の温度を間
接的に測定する必要があり、極端に応答性が悪く安全面
においても問題となる。いずれの温度センサーを用いて
も、触媒層全体の温度を局所的な一点の温度で代表する
ことは、触媒層の局所的な劣化、触媒層の温度ムラを考
慮した場合に信頼性に欠けたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を鑑
みてなされたものであり、担体としてNi−Cr材を発
泡状若しくはハニカム状に成型したものを用い、該担体
にアルミナ層をコーティングした後に白金族系金属触媒
を担持して成り、さらに予混合ガスを供給する入口面に
プラス側電極を、また該入口面と出口面の中間部一箇所
にマイナス側電極を配設したものである。
【0011】
【作用】上記の構成において、触媒層の予熱動作時及び
定常触媒燃焼時に前記両電極間に生ずる起電力は、その
燃焼条件の正常燃焼状態にあるならば燃焼条件すなわち
燃焼量のみによって決まるある一定値となる。該起電力
を随時検知し、燃焼条件によって決まる前記正規起電力
と比較することにより、燃焼状態が正常であるか否かを
判定するものである。
【0012】
【実施例】以下、本発明の触媒燃焼装置の実施例を示す
図1及び図2に基づいて詳述する。図1は本発明の一実
施例に係る触媒燃焼装置の触媒層を中心とした要部断面
図であり、図2は本発明の一実施例に係る触媒燃焼装置
の(Pd1g/l担持)の送風量と起電力の関係を示す
図である。
【0013】31a,31bはNi−Cr等の金属をハ
ニカム状または発泡状に成型した担体にアルミナをコー
トした後、Pt、Pd等の白金族系酸化触媒を担持した
触媒層であり、該触媒層31は予混合ガスの流れ方向に
対して2枚に分割されている。予混合ガスの入口側と出
口側の分割比は1:2であり、該2枚の触媒層31a,
31bの間にはステンレス板によるマイナス電極32が
挟まれており、入口側触媒層31aの入口面にもステン
レス板によるプラス電極33が触媒層31aの入口面に
接触して保持されている。
【0014】触媒層31及び両電極は断熱材34によっ
て外周部から支持され、触媒燃焼装置の混合室35に絶
縁状態で配設されている。両電極にリード線が取り付け
られ、その一端は図示していないコントロールユニット
に接続されている。
【0015】上記構成の触媒燃焼装置において、定常触
媒燃焼装置においては混合室35から触媒層31の入口
面に予混合ガスが供給され、触媒層を通過する間に触媒
作用により400〜800℃の低温で無縁燃焼を完了
し、燃焼ガスは触媒層出口面より排出される。
【0016】このとき、両電極32と33の間には図2
に示す燃焼量と空気比(送風量)によって決まる一定の
起電力を発生する。この起電力は同一燃焼量に対して完
全燃焼時には空気比(送風量)に無関係に一定の値を示
し、空気比が完全燃焼範囲を越えて大きくなり不完全燃
焼を生じたならばこの一定値よりも低下する。
【0017】両電極32,33間の起電力をコントロー
ルユニット内のマイコンにより随時計測し、完全燃焼起
電力と比較することにより正常燃焼状態か否かを判定す
る構成となっている。定常触媒燃焼を行う前に触媒層を
活性化温度まで別途加熱手段で予熱する予熱動作時にお
いても同様にして起電力を検知し、ある起電力値になれ
ば触媒燃焼へ移行する。
【0018】
【発明の効果】本発明の触媒燃焼装置は上記のような構
成であるから、温度センサー等を用いる必要がないため
装置の簡素化を図れて安価となり、局所的な触媒劣化が
生じても触媒層全体の燃焼状態を管理できるため、信頼
性の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る触媒燃焼装置の触媒層
を中心とした要部断面図である。
【図2】本発明の一実施例に係る触媒燃焼装置の送風量
と起電力の関係を示す図である。
【図3】従来の触媒燃焼装置の要部断面図である。
【図4】図3のA−A線の要部断面図である。
【符号の説明】
31a,31b 触媒層 32 マイナス電極 33 プラス電極 34 断熱材 35 混合室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F23D 11/40 F23D 11/02 F23D 14/18

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気化した液体燃料若しくは気体燃料と、
    燃焼用空気を混合してなる予混合ガスを予熱された触媒
    体上に流入して酸化反応を促すことにより燃焼させるよ
    うにした触媒燃焼装置ににおいて、担体として耐熱金属
    を発泡状若しくはハニカム状に成型したものを用い、該
    担体に白金族系金属触媒を担持し、予混合ガスを供給す
    る入口面にプラス側電極を配設するとともに、該入口面
    と出口面の触媒層中間部一箇所にマイナス側電極を配設
    し、触媒予熱時及び定常触媒燃焼時に両電極間に生ずる
    起電力を検知する検知手段を設けてなることを特徴とす
    る触媒燃焼装置。
  2. 【請求項2】 前記マイナス側電極を取り付ける位置
    が、触媒層入口面から触媒層厚さの1/3の距離である
    ことを特徴とする請求項1記載の触媒燃焼装置。
  3. 【請求項3】 前記触媒層を流れ方向に対して2枚に分
    割し、この分割した触媒層の間に金属板によるマイナス
    側電極板を挟み、入り口面にプラス側電極板を接触保持
    し、この触媒層を断熱材で触媒燃焼機へ絶縁保持するこ
    とを特徴とする請求項1記載の触媒燃焼装置。
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