JP2825691B2 - 窒化アルミニウム質セラミックのバインダー除去方法 - Google Patents
窒化アルミニウム質セラミックのバインダー除去方法Info
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Description
結体を製造するに際し、成形体中のバインダーである有
機高分子を分解除去するための窒化アルミニウム質セラ
ミックのバインダー除去方法に関するものである。
用材料として知られていたが、最近では、高熱伝導性を
有することから半導体収納用パッケージや基板用材料等
の電子部品用材料としての応用が研究されている。この
窒化アルミニウム焼結体は、通常、調合された原料粉末
に成形用バインダーとして有機結合剤,可塑剤,更に必
要に応じて増粘剤や解ごう剤を添加し、任意の成形方法
で成形した後、所定の焼成条件で焼成することにより得
られるが、前記有機バインダーはそれ自体焼結体中に残
存するとセラミックの特性を劣化させることから、焼成
前に成形体を一旦加熱処理して有機高分子を分解除去し
た後、焼成される。
スにおけるバインダーの除去は、非酸化性雰囲気で有機
バインダーの分解温度以上で加熱することにより行われ
ている(例えば、特開平2−293308号公報等参
照)。
のバインダー除去方法によれば、バインダーの除去が不
十分であり、最終焼結体中に残留カーボンが多量に含ま
れてしまうという問題があった。そのため、焼結体の特
性に大きく影響を与えるとともに、例えば、電子部品へ
の応用の際、成形体表面にW等のメタライズペーストが
被着形成されると、Wと残留カーボンが反応し、導体の
導通抵抗が大きくなるなど、電気特性に悪影響を与える
ことから、窒化アルミニウム質焼結体の電子部品への応
用を阻害する大きな要因となっていた。
を含有する雰囲気、例えば、大気中で加熱処理すること
により除去することも試みられているが、W等が含有さ
れたメタライズペーストが塗布された成形体を加熱処理
する場合には、ペースト中のメタライズ金属が酸化さ
れ、電気特性の劣化が生じるという問題があった。ま
た、W台板を焼成用治具として使用する場合、加熱処理
と焼成を同一W台板で行うことができず、成形体の移し
変えを行う必要があった。
点に対し検討を重ねた結果、バインダーの除去を行う雰
囲気中の条件を変更することにより、窒化アルミニウム
質セラミック成形体中の残留カーボンを水と反応させ、
これにより、成形体に悪影響を及ぼすことなく、残留カ
ーボンを有効に除去することができることを知見した。
即ち、本発明は、有機バインダー、可塑剤、更に必要に
応じて増粘剤や解こう剤を含有する窒化アルミニウム質
セラミック成形体を非酸化性雰囲気中で加熱処理し、有
機バインダーを分解除去する窒化アルミニウム質セラミ
ックのバインダー除去方法において、加熱処理を、露点
−40〜28℃の非酸化性雰囲気中670〜1000℃
で行うことを特徴とする。
ボンと水を反応させること、即ち、下記化1
体中の残留カーボンを低減することを特徴とする。
〜28℃としたのは、−40℃よりも低いと殆どカーボ
ンの除去効果が見られないからである。また、28℃よ
りも高いとAlNと水との反応が急激に進み過ぎて脱脂
体中の酸素量の制御が困難になるからである。
理を行うこととしたのは、670℃よりも低いと、残留
カーボンと水との反応が生じ難くなるからである。即
ち、670℃よりも低いと上記化1の反応におけるΔG
(ギブスの自由エネルギー)がΔG>0となり、前述し
た残留カーボンと水との反応が生じ難くなるからであ
る。また、1000℃以下としたのは、1000℃より
も高いとAlNの酸化が生じやすくなり、熱伝導率等の
特性が劣化するからである。
化1の反応が右方向に進行するガスであれば良く、特に
反応に関与しないN2 ,Ar,He等の中性または希ガ
スが好ましい。また、バランスガス中にCO,H2 を多
量に含む場合、上記反応が右方向に進行し難くなり、雰
囲気温度が900℃〜1000℃以上となり、AlNの
酸化が進行することとなる。このような理由からも上記
のように加熱処理の温度条件を1000℃以下としたの
である。本発明の窒化アルミニウム質セラミックのバイ
ンダー除去方法は、例えば、成形用バインダーとしてポ
リアクリレート,ポリメタアクリレート,セルロースア
セテート,ポリエチレンオキサイド等の有機結合剤を1
〜20重量%、Y2 O3 等の焼結助剤を0.1〜20重
量%、可塑剤としてグリセリン,ジブチルフタレート,
ポリエチレングリコールを0〜10重量%,解ごう剤と
して天然魚油、脂肪酸,脂肪酸のグリセリンまたはソル
ビタンエステル等を0.1〜1重量%、残部が原料Al
N(含有酸素量0.5〜3重量%)からなる窒化アルミ
ニウム質セラミック成形体を、N2 ,Ar,He等の非
酸化性雰囲気中、露点−40〜60℃、温度670〜1
000℃で0.1〜100時間加熱することにより行わ
れる。そして、前述した有機結合剤の分子量は適宜選択
できるが、数千〜数十万の高分子化合物であることが好
ましい。
有炭素量が0.15重量%以下の脱脂体とすることがで
きる。即ち、加熱処理を、露点−40〜60℃の非酸化
性雰囲気中670℃〜1000℃で行うことにより、含
有炭素量が0.15重量%以下の脱脂体とすることがで
き、これにより、焼結体表面にしみが生じ難くなり、ま
た、Wでメタライズする場合、Wと残留カーボンとの反
応が抑制され、メタライズのシート抵抗の増加を抑制す
ることができる。
有量0.86重量%、陽イオン不純物量0.1重量%以
下のAlNに対し、焼結助剤として、Y2 O3 を5重量
%添加した混合粉末に、表1、2に示すように、成形用
バインダーとして、分子量30000のポリアクリレー
ト、420000のポリメタアクリレートや分子量20
0000のポリエチレンオキサイド等の有機高分子およ
び可塑剤としてジブチルフタレート、ポリエチレングリ
コール等を所定量添加して成形用混合物とし、これをド
クターブレード法にて成形した。但し、No.16〜18
および21はプレス成形した。
メタライズペーストを塗布し、表1,2に示すような雰
囲気中において、所定温度で所定時間加熱処理した後、
冷却し、バインダー除去を行った。バインダー除去後の
脱脂体に対し、残留カーボン量,酸素量を測定するとと
もに、メタライズ金属であるWの酸化状態を観察した。
この結果を表3,4に示す。ここで、脱脂体中の酸素量
は、Y2 O3 の酸素を含んだ量で表示している。
中、1800℃で3時間焼成し、焼結体の熱伝導率を測
定した。この結果を表3,4に示す。
度が−40℃よりも低い場合(実施例No.1,2)に
は、脱脂体中の残留カーボン量が0.15重量%を超
え、一方、露点温度が28℃よりも高い場合(実施例N
o.6)には、脱脂体中の酸素量が増大し、最終焼結体の
熱伝導率が低下するとともに、メタライズ金属WがWO
2へ酸化することが判る。
(実施例No.7)には、脱脂体中の残留カーボン量が
0.15重量%を大きく超え、一方、1000℃よりも
高い場合(実施例No.10、12、15、18)には、
脱脂体中の酸素量が増大し、最終焼結体の熱伝導率が低
下することが判る。
%であり、また、焼結助剤としてY2 O3 を5重量%含
有しているので、原料混合粉末中の酸素量はバインダー
除去前の状態で1.92重量%であるが、バインダー除
去後には除去前よりも酸素量が増加している。これは、
脱脂体が水により酸化されたためと考えられる。
示す。
ニウム質セラミックのバインダー除去方法は、成形用バ
インダーとして有機結合剤および可塑剤、解こう剤(増
粘剤)を含有する窒化アルミニウム質セラミック成形体
を、露点−40〜28℃の非酸化性雰囲気中670〜1
000℃で加熱処理したので、バインダーを十分に除去
することができ、これにより、焼結体の特性に影響を与
えることなく、また、成形体表面にW等のメタライズペ
ーストが被着形成された場合でも、メタライズ金属と残
留カーボンが反応することが殆どない。
Claims (1)
- 【請求項1】成形用有機バインダーを含有する窒化アル
ミニウム質セラミック成形体を非酸化性雰囲気中で加熱
処理し、前記有機バインダーを分解除去する窒化アルミ
ニウム質セラミックのバインダー除去方法において、前
記加熱処理を、露点−40〜28℃の非酸化性雰囲気中
670〜1000℃で行うことを特徴とする窒化アルミ
ニウム質セラミックのバインダー除去方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3215012A JP2825691B2 (ja) | 1991-08-27 | 1991-08-27 | 窒化アルミニウム質セラミックのバインダー除去方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP3215012A JP2825691B2 (ja) | 1991-08-27 | 1991-08-27 | 窒化アルミニウム質セラミックのバインダー除去方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0558745A JPH0558745A (ja) | 1993-03-09 |
JP2825691B2 true JP2825691B2 (ja) | 1998-11-18 |
Family
ID=16665260
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3215012A Expired - Lifetime JP2825691B2 (ja) | 1991-08-27 | 1991-08-27 | 窒化アルミニウム質セラミックのバインダー除去方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2825691B2 (ja) |
-
1991
- 1991-08-27 JP JP3215012A patent/JP2825691B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0558745A (ja) | 1993-03-09 |
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