JPH06219850A - 窒化アルミニウム焼結体の製造方法 - Google Patents

窒化アルミニウム焼結体の製造方法

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JPH06219850A
JPH06219850A JP50A JP3413193A JPH06219850A JP H06219850 A JPH06219850 A JP H06219850A JP 50 A JP50 A JP 50A JP 3413193 A JP3413193 A JP 3413193A JP H06219850 A JPH06219850 A JP H06219850A
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aluminum nitride
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和子 田中
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圭一 川上
Shigeaki Yonemori
重明 米森
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Abstract

(57)【要約】 【目的】相対密度が99.5%以上のポアの少ない緻密
な窒化アルミニウム焼結体を得る。 【構成】窒化アルミニウム焼結体の製造方法であって、
窒化アルミニウム原料粉末のうちの一部にイットリウム
アルコキシドを加水分解してコーティングし、これを残
りの窒化アルミニウム粉末と混合して、焼結する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体実装用基板などに
用いる窒化アルミニウム焼結体の製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体素子の高集積化、高機能化
が進んだため、従来のアルミナ基板ではSiチップの発
熱量の増大、チップサイズの大型化による熱膨張のミス
マッチの問題への対応が難しく、新しい高熱伝導性絶縁
材料が求められている。
【0003】窒化アルミニウム(AlN)は高熱伝導性
の他に熱膨張率がSiチップに近く、また高電気絶縁性
などの優れた材料特性を有するため、半導体実装用基板
材料として特に注目を集めている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、窒化アルミ
ニウムは難焼結性物質であるため緻密な焼結体を得るこ
とが困難であり、たとえ焼結助剤を加えずにホットプレ
ス等で緻密に焼結させても原料中に含まれる不純物酸素
により熱伝導率が著しく低下することが知られていた。
この不純物酸素を取り込んで窒化アルミニウム焼結体の
緻密化、高熱伝導化をはかるため各種の焼結助剤の添加
が検討されてきており、特に酸化イットリウムを添加す
ることにより、窒化アルミニウムの焼結過程において不
純物酸素が取り込まれてアルミン酸イットリウムを生成
し、焼結体の熱伝導率を向上させ得ることがわかってい
る。
【0005】しかし、酸化イットリウムの粉末を原料粉
末と一括混合する従来の混合法においては、成形体中に
酸化イットリウムの密度ムラが発生し、その結果、一部
に焼結不足が生じ、ポアの発生・強度の低下が起こると
いう問題がおきている。このため、均一に酸化イットリ
ウムを分散させる方法としてイットリウムアルコキシド
を始めとする各種のイットリウム塩を用いて窒化アルミ
ニウム粉末上に表面処理を施すという方法が検討されて
きたが、この方法は原料粉末の凝集を招くために、表面
処理後の再粉砕を必要とするなど、成形体の成形性を著
しく損なうものであった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は前述の課題を解
決するべくなされたものであり、窒化アルミニウム焼結
体の製造方法であって、窒化アルミニウム原料粉末のう
ちの一部にイットリウムアルコキシド処理をし、これを
残りの窒化アルミニウム原料粉末と混合して、焼結する
ことを特徴とする窒化アルミニウム焼結体の製造方法を
提供するものである。
【0007】以下、本発明について詳細に説明する。な
お、以下%は重量%を意味する。まず、原料となる窒化
アルミニウム粉末としては不純物酸素が3%以下、好ま
しくは1.5%以下であることが望ましい。その粒度は
平均粒径が10μm以下好ましくは2μm以下であるこ
とが望ましい。平均粒径が10μm以上の粉は結晶性が
低下するおそれがあり、好ましくない。
【0008】本発明において焼結助剤として用いるイッ
トリウムアルコキシドとしてはイットリウムのメトキシ
ド、エトキシド、n−プロポキシド、イソプロポキシ
ド、n−ブトキシド、sec−ブトキシド、tert−
ブトキシドの単独あるいは複合体が挙げられる。添加量
については、多すぎると窒化アルミニウム以外の粒界相
が増加し、熱伝導が低下するので好ましくは酸化イット
リウムに換算して10%以下、特に好ましくは5%以下
である。
【0009】本発明では、窒化アルミニウム原料粉末の
うちの一部にイットリウムアルコキシドを用いて表面処
理する。表面処理する窒化アルミニウム原料粉末は、全
体の5%〜50%が望ましい。5%以下では分散性が不
良となり、また50%以上では凝集が多く成形性の低下
を招くおそれがあるため、好ましくない。
【0010】表面処理の方法としては乾燥雰囲気中で有
機溶媒中に溶解させたイットリウムアルコキシドに、窒
化アルミニウム原料粉末を加え、撹拌しながら空気中の
水分により加水分解させて、窒化アルミニウム原料粉末
にコーティングする方法が簡便であるが、さらに条件を
厳密に制御するために不活性雰囲気中で適量の水分を添
加してもよい。
【0011】また、この際、溶解性を向上させ、加水分
解条件を安定化させるためにアセチルアセトン等のキレ
ート剤を添加してもよい。有機溶媒としてはメタノー
ル、エタノール等のアルコール類、MEK、MIBK等
のケトン類、1,1,1−トリクロロエタン等の塩素系
有機溶剤が挙げられるが、イットリウムアルコキシドを
適度に溶解するものであればこれらに限定されない。ア
ルコキシドが完全に加水分解した後、速やかに有機溶媒
を乾燥させ、表面処理された原料粉末を得る。
【0012】さらに不純物酸素を除去し、焼結体の熱伝
導を向上させるために成形体中に炭素粉末が添加される
ことが好ましい。添加量については窒化アルミニウム原
料に含まれる不純物酸素量、焼結助剤の種類とその量、
焼成温度、保持時間などに依存するが、通常は、成形体
中の窒化アルミニウム粉末に対し0.1重量%〜3.0
重量%であることが望ましい。炭素量が0.1重量%よ
り少ないと熱伝導率の向上は期待できず、3.0重量%
を超えると相対密度、体積抵抗、熱伝導率の低下を生じ
るおそれがあるので、いずれも好ましくない。
【0013】かかる表面処理した窒化アルミニウム粉
末、炭素粉末、残りの窒化アルミニウム原料粉末に適当
な有機バインダーを加えたものを有機溶剤を用いてボー
ルミルで湿式混合し、スラリー化したものをドクターブ
レード法により成形しグリーンシートとする。
【0014】以上に述べた方法により作成したグリーン
シートを空気中または非酸化性雰囲気下で脱脂する。脱
脂は、空気中または不活性雰囲気で炭素粉末の熱分解率
が小さく、かつ有機バインダーが充分に分解される温度
範囲で行う。具体的には350℃〜500℃が望まし
い。脱脂後、焼成炉からの炭素の侵入を防ぐために焼成
用サヤに収納し不活性雰囲気下で1500℃〜2000
℃で焼成を行いポアの無い緻密な焼結体を得る。なお、
分散状態の評価は焼結体のEPMA観察によることがで
きる。
【0015】なお、成形法はドクターブレード法による
シート成形になんら限定されることなく、粉末プレス
法、押し出し成形法、射出成形法のいずれによっても同
様に酸化イットリウムの分散効果が得られる。
【0016】以上述べてきたように本発明の製造方法に
よれば、成形体中の酸化イットリウムの分散性を向上さ
せ、これによって緻密な焼結体を作ることが可能であ
る。
【0017】
【実施例】平均粒径が2.5μmであるような窒化アル
ミニウム原料粉末を用意し、このうちの一部について、
表面処理を施した。表面処理を施した窒化アルミニウム
原料粉末の割合は、表1に示したような種々の値とし
た。なお、表1で、0%とあるのは、表面処理を施さな
かったもの、100%とあるのは、すべての窒化アルミ
ニウム原料粉末に表面処理を施したものである。表面処
理は、イットリウムトリイソプロポキシドをイソプロパ
ノールに、酸化イットリウムに換算して3重量%溶解
し、これに所定の量の窒化アルミニウム原料粉末を加
え、空気中で1時間撹拌しながら加水分解させた。
【0018】表面処理した窒化アルミニウム原料粉末を
乾燥させ、残りの窒化アルミニウム原料粉末と0.5重
量%の炭素粉末、および有機バインダーとしてポリビニ
ルブチラールを10重量%加え、ボールミルを用いて有
機溶剤中で一括混合し、スラリー化した後成形し、グリ
ーンシートとする。グリーンシートの成形性を表1に示
す。成形性は窒化アルミニウム粉末すべてを表面処理し
たものに比べて良好であり、酸化イットリウム粉末を加
えたものと同等であった。
【0019】これらのグリーンシートを空気中450
℃、10時間という条件で脱脂後、1800℃において
20時間焼成し焼結体を得た。こうして得られた焼結体
の強度および相対密度を表1に併記する。
【0020】
【表1】
【0021】例3、例4では、成形性については表面処
理をほとんどしない例1、例2と同等であり、密度、強
度については、ともに高くなっているのがわかる。また
EPMAによるイットリウムの分散状態の観察による
と、例3、例4の焼結体のイットリウム濃度勾配は例1
の焼結体の半分になっていることがわかった。
【0022】
【発明の効果】本発明の窒化アルミニウム焼結体の製造
方法を用いることにより相対密度が99.5%以上のポ
アの少ない緻密な焼結体を得ることが可能である。この
ため焼結体の強度が向上し、実装基板において信頼性が
向上し、商品価値の高い製品となる。またポアの少ない
基板であるので薄膜用基板としても有用である。原料の
一部を処理するため量産性にも優れており、その工業的
価値は大である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】窒化アルミニウム焼結体の製造方法であっ
    て、窒化アルミニウム原料粉末のうちの一部にイットリ
    ウムアルコキシド処理をし、これを残りの窒化アルミニ
    ウム原料粉末と混合して、焼結することを特徴とする窒
    化アルミニウム焼結体の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001068551A1 (fr) * 2000-03-13 2001-09-20 Ibiden Co., Ltd. Substrat en ceramique
US6825555B2 (en) 2000-06-16 2004-11-30 Ibiden Co., Ltd. Hot plate
JP2013512794A (ja) * 2009-12-02 2013-04-18 セラムテック ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 高熱伝導性セラミック製の機能性押出成形体
JP2022515808A (ja) * 2019-07-23 2022-02-22 南充三環電子有限公司 ジルコニアーアルミナ複合セラミック焼結体、その製造方法及び応用

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JP2022515808A (ja) * 2019-07-23 2022-02-22 南充三環電子有限公司 ジルコニアーアルミナ複合セラミック焼結体、その製造方法及び応用

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