JP2824742B2 - 破砕装置 - Google Patents

破砕装置

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JP2824742B2
JP2824742B2 JP6191237A JP19123794A JP2824742B2 JP 2824742 B2 JP2824742 B2 JP 2824742B2 JP 6191237 A JP6191237 A JP 6191237A JP 19123794 A JP19123794 A JP 19123794A JP 2824742 B2 JP2824742 B2 JP 2824742B2
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五男 多川
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SANGO JUKI KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、構築物を挾圧破砕する
破砕装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】アームを油圧シリンダで駆動して構築物
の挾圧破砕作業を行うようにした破砕装置が既に公知で
ある。この種の破砕装置は、中間支軸部を介して側板に
枢着された一対のアームと、これらのアームを開閉駆動
するための油圧シリンダとを基本的な構成要件として有
し、アームの駆動機構としては、前記各アームの一端
部、即ち、挾圧破砕作業に用いる側とは逆の側の端部
に、単一の油圧シリンダのシリンダボトムとそのピスト
ンロッドの先端を枢着して用いるもの、または、2ロッ
ド型油圧シリンダの各ピストンロッドの先端を枢着して
用いるものが一般的である。この結果、油圧シリンダの
ピストンロッドを突出させて各アームの一端部を相互に
離間させるようにすれば各アームの他端部が閉じて閉鎖
され、また、これとは逆にピストンロッドを縮退させれ
ば各アームの他端部が離間して開かれるのである。
【0003】アームの他端部を閉じて挾圧破砕作業を行
うためには、中間支軸部を中心として各アームの夫々に
強力な回転モーメントを与える必要があり、そのために
は、中間支軸部を中心に円弧を描くようにして移動する
アームの一端部に対し、可能な限り、その移動方向に沿
った力を作用させることが望ましい。ここで、中間支軸
部とアームの一端部とを結んだ直線とピストンロッドの
突出方向とが成す角を「力の作用角」と呼ぶとするなら
ば、この「力の作用角」が直角に近ければ近いほど強力
な回転モーメントを発生させることができるのである。
また、「力の作用角」がアームの開閉角度に応じて変動
してしまうと、破砕対象物の大きさ、つまり、アームの
開閉角度によって回転モーメントの有効値が変わってし
まうので、破砕対象物の大きさによっては十分な破砕作
業を行えなくなるといった問題が生じる。
【0004】従来の破砕装置は、上述した通り、各アー
ムの一端部間に単一の油圧シリンダの両端を装着してそ
の伸縮動作によってアームの開閉駆動を行っていたた
め、ピストンロッドを突出させアームの一端部を外側に
回転させてアームの他端部を閉じると各アームの一端部
間を結ぶ直線上に位置する油圧シリンダが中間支軸部に
接近し、また、ピストンロッドを縮退させアームの一端
部を内側に回転させてアームの他端部を開くと前記直線
上に位置する油圧シリンダが中間支軸部から離間すると
いった挙動を呈する。つまり、一対のアームが均等の角
度で開閉される限り、油圧シリンダ自体の姿勢は常に一
定(アームの開閉角の二等分線に対して直角)のままで
ある。これは、アームの回転角度が変化しても油圧シリ
ンダの姿勢が一定に保持されるということで、中間支軸
部とアームの一端部とを結んだ直線とピストンロッドの
突出方向とが成す角、要するに、前述した「力の作用
角」がアームの開閉角度に応じて変動してしまうことを
意味する。これでは、中間支軸部の回りに生じる回転モ
ーメントの有効値を一定の値に保持することは不可能で
あり、当然、破砕対象物の大きさに関わりなく安定した
破砕作業を行うといったこともできない。
【0005】より具体的にいうなら、従来の破砕装置は
ピストンロッドを突出させて油圧シリンダを中間支軸部
に接近させるにつれて「力の作用角」がより鋭角的とな
るものであり、この結果、小物の対象物に対する挾圧破
砕作業に対しては十分な挾圧破砕力を発揮することがで
きないという問題があった。更に、小物の対象物に対す
る挾圧破砕作業を連続して行ったりすると、その効率の
悪さから作業が長時間に亘り、作業者に負担をかけるば
かりか、場合によっては破砕装置自体に損傷を生じる危
険もあった。各々のアームの一端部には油圧シリンダの
最大出力が作用しているにもかかわらず、挾圧破砕作業
を行うべき各アームの他端部では十分な挾圧力を得るこ
とができないために作業が長引き、その間、前記一端部
には油圧シリンダの強大な力が作用し続けるために損傷
の弊害が生じるのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、前記従来技術の欠点を解消し、アームの開閉角度や
破砕対象物の大小には関わりなく、常に安定した力で挾
圧破砕作業を行うことのできる破砕装置を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、一対のアーム
の中間支軸部を側板に枢着し、前記アームの一端部を油
圧シリンダで駆動して該アームの他端部で構築物を挾圧
破砕するようにした破砕装置において、前記一対のアー
ムを閉じた状態で前記中間支軸部よりも上方の両側に前
記各アームの前記一端部が張り出すようにアームの形状
を形成し、前記各アーム毎に個別に設けた油圧シリンダ
シリンダ本体の端部を相互に接近させて前記各アーム
の中間支軸部から前記一端部寄りにオフセットして前記
側板に揺動自在に枢着し、前記各油圧シリンダのピスト
ンロッド先端を各アームの前記一端部に枢着したことを
特徴とする構成により前記目的を達成した。
【0008】また、前記各油圧シリンダ本体に各々リン
ク部材を枢着し、該リンク部材の先端を相互に枢着する
と共に、前記側板にガイド溝を形成して前記リンク部材
先端の枢着点を係合させることによって、前記各アーム
の動きを同期させるようにした。
【0009】更に、前記各アームの中間支軸部の近傍に
鉄筋切断用の剪断刃を設けることにより、切断対象とな
る鉄筋の径に関わりなく安定した力で切断作業を行える
ようにした。
【0010】
【作用】各アーム毎に設けられた油圧シリンダのピスト
ンロッドを突出させると各々のアームの一端部がピスト
ンロッドに押され、各アームの一端部が中間支軸部を中
心に夫々外側に回転して各アームの他端部が閉じ、同時
に、各々の油圧シリンダがシリンダ本体の枢着部位を中
心としてこれに対応する各々のアームと同方向に揺動す
る。また、各アーム毎に設けられた油圧シリンダのピス
トンロッドを縮退させると各々のアームの一端部がピス
トンロッドに引かれ、各アームの一端部が中間支軸部を
中心に夫々内側に回転して各アームの他端部が開き、同
時に、各々の油圧シリンダがシリンダ本体の枢着部位を
中心としてこれに対応する各々のアームと同方向に揺動
する。このようにして、アームの開閉に際し、アームと
これに対応する油圧シリンダが常に同方向に回転する結
果、中間支軸部とアームの一端部とを結んだ直線とピス
トンロッドの突出方向とが成す角が常に略一定の値に保
持される。このため、中間支軸部の回りに生じる回転モ
ーメントの値が油圧シリンダの出力に応じた略一定の値
となり、アームの開閉角度や破砕対象物の大小には関わ
りなく、常に安定した力で挾圧破砕作業を行うことがで
きる。
【0011】また、シリンダ本体の枢着部位を中心とす
る各々の油圧シリンダの回転角度は、各々の油圧シリン
ダの本体に枢着されたリンク部材に共通する先端位置、
つまり、各々のリンク部材先端の枢着点の位置によって
拘束される。そして、この枢着点の位置が側板のガイド
溝によって規制されるので、各アームの開閉動作自体が
完全に左右対称となって同期する。
【0012】各アームの中間支軸部の近傍には鉄筋切断
用の剪断刃が設けられているので、挾圧破砕作業のみな
らず、鉄筋の切断に関しても、アームの開閉角度や切断
対象となる鉄筋の径に関わりなく常に安定した力で切断
作業を行うことができる。
【0013】
【実施例】図1は本発明の一実施例の破砕装置1をアー
ム2a,2bの完全閉鎖状態で示す正面図、図2は同破
砕装置1をアーム2a,2bの完全開放状態で示す正面
図、また、図3は図2の状態に対応して破砕装置1の形
状を示す左側面図である。
【0014】アーム2a,2bの各々はその一端にピス
トンロッド枢着孔3を、また、その他端部に挾圧破砕用
の圧壊刃4,11を有する一対のアームであり、各々の
略中央部に設けられた中間支軸部5を介し、相互に間隔
を置いて重合された側板6a,6bからなるブラケット
部6の両側に揺動自在に枢着されている。図1に示す通
り、アーム2a,2bにおいてピストンロッド枢着孔3
を有する側の一端部は、アーム2a,2bを閉じた状態
で中間支軸部5よりも上方の両側に張り出すように形成
されている。アーム2a,2bにおける中間支軸部5の
近傍、圧壊刃4寄りの位置には、各々可動側ブレードマ
ウント7が突出して一体的に設けられ、各可動側ブレー
ドマウント7にはボルト等の固定手段を用いて交換可能
とされた剪断刃8が装着されている。これに対応して、
ブラケット部6の下端部には、舌片状に突出する固定側
ブレードマウント9が一体的に設けられ、その両側に
は、可動側ブレードマウント7の場合と同様に交換可能
な剪断刃10が装着され、アーム2a,2bの完全閉鎖
状態で、可動側ブレードマウント7の剪断刃8と固定側
ブレードマウント9の剪断刃10とが衝合するようにな
っている。
【0015】アームの各々に剪断刃を設けて鉄筋の切断
作業等を行えるようにした破砕装置は既に公知である
が、それらのものは、アームの各々に対向して設けられ
た剪断刃同志を直に衝合させることによって切断作業を
行うものであって、ブラケット部6に固着された不動の
剪断刃10に対してアーム2aの剪断刃8もしくはアー
ム2bの剪断刃8を衝合させることによって鉄筋等の切
断作業を行う本実施例の破砕装置1とでは構成が全く相
違する。前述の構成により、本実施例の破砕装置1で
は、鉄筋等を切断するための剪断刃機構が2組設けられ
ることになり、その刃先角度や焼入れ硬度を変えたりす
ることにより、様々な材質や径の鉄筋の切断に対処する
ことが可能である。当然、アームの各々に対向して設け
られた剪断刃同志を衝合させることによって切断作業を
行う従来の破砕装置においても刃先角度や焼入れ硬度の
異なる剪断刃を縦列状に配備することは可能であるが、
そうした場合、中間支軸部から各種の剪断刃までの距離
が相違してしまうので、中間支軸部から遠距離の側に配
備された剪断刃に強力な挾圧力を与えることはできな
い。また、各種の剪断刃を縦列状に配備すると、鉄筋の
材質や径に応じて剪断刃を適確に選択して用いるといっ
たことも困難となってしまう。鉄筋等の切断対象物を確
実にくわえるためには剪断刃の根元、つまり、中間支軸
部寄りの位置で鉄筋を位置決めして捕える必要がある
が、中間支軸部から遠距離の側に縦列して配備された剪
断刃においてはそれができず、ややもすると、根元、つ
まり、中間支軸部に近い側に縦列して配備した剪断刃の
位置にまで鉄筋が滑り込んでしまうからである。実施例
の破砕装置1では2組の剪断刃機構が並列的に配備され
るので、そのような心配は全くない。
【0016】12a,12bは各アーム2a,2b毎個
別に設けられた油圧シリンダであり、シリンダ本体13
a,13bの端部、要するに、シリンダ本体13a,1
3bのシリンダボトムを相互に接近させるようにして
各々アーム2a,2bの中間支軸部5からアーム2a,
2bの枢着孔3寄り(図1で天の方向)にオフセットし
て、シリンダ本体13a,13bのトラニオンを介し、
ブラケット部6の両側に揺動自在に枢着され、各油圧シ
リンダ12a,12bのピストンロッド14a,14b
の先端が、各アーム2a,2bの枢着孔3に枢着されて
いる。また、シリンダ本体13a,13bのシリンダボ
トム側には各々長さの等しいリンク部材15a,15b
の端部が揺動自在に枢着され、リンク部材15a,15
bの先端がピン16により枢着されている。ブラケット
部6を構成する側板6a,6bの対向面には、各々、所
定の間隔を有して形成された一対の壁部17a,17b
が突設され、壁部17a,17b間の間隙によってピン
16のためのガイド溝17が形成されている。ガイド溝
17は油圧シリンダ12aの中心軸と油圧シリンダ12
bの中心軸とが成す角の二等分線に沿って各側板6a,
6bの中心に設けられたものであるから、ピン16がガ
イド溝17に沿って移動する限り、ガイド溝17を中心
線とする油圧シリンダ12a,12bの揺動角度は常に
相等しくなり、この結果、アーム2a,2bの開閉角度
もガイド溝17を中心線として左右で対象となる。
【0017】つまり、各アーム2a,2bにおいて、中
間支軸部5と枢着孔3との間の距離をa、油圧シリンダ
の枢着部と中間支軸部5との間の距離をbとするなら、
これらの値は常に不動である。また、油圧シリンダの枢
着部と枢着孔3との間の距離cはピストンロッド14
a,14bの突出量によりアーム2aの側とアーム2b
の側とで個別に変動し得るが、距離cの方向と距離bの
方向とが成す角Dの値は、前述した各部材15a,15
b,16,17の構成によりアーム2aの側とアーム2
bの側とで常に同じ値Dに保たれる。そして、アーム2
aとアーム2bの各側で枢着孔3のあるべき位置は、距
離bの方向に対して角度Dを成す直線(c′)上にあっ
て、しかも、中間支軸部5からの距離がaでなければな
らないから、最終的に、角度Dの値によって枢着孔3の
位置が一義的に決められることになる。従って、各部材
の剛性とハメアイさえ確実なものであれば、リンク部材
15a,15bとピン16およびガイド溝17からなる
前述の同期機構により、アーム2a,2bの開閉角度が
ガイド溝17を中心線として常に左右対象に保持され得
るのである。
【0018】油圧シリンダ12a,12bとしてはバネ
付の単動シリンダまたは片ロッド型の復動シリンダ等を
利用することができる。油圧シリンダ12a,12bに
対する作動油の供給は、作業機側のオイルホンプによ
り、図示しない切替弁や油圧ホース等を介し(この点は
周知事項である)、油圧シリンダ12a,12bに対し
て並列的に行われる。
【0019】なお、図3において破線で示す部分18は
側板6a,6bを一体的に結合する連絡部分であり、ブ
ラケット部6の強度保持のための要素である。また、1
9は破砕装置1を全体として回転可能に保持する従来公
知のアタッチメント装着機構であり、前述の構成を有す
る破砕装置1は、該アタッチメント装着機構19を介
し、十分なカウンターウェイトを備えたパワーショベル
等の作業機20のアーム21の先端にアタッチメントと
して装着される(図4参照)。破砕装置1の姿勢は、作
業機20側のブームシリンダやアームシリンダおよびバ
ケットシリンダ等の突出量を調整したり、上部旋回体の
旋回操作や定地旋回動作を行ったりすることにより、従
来と同様に任意に制御することができる。また、破砕装
置1に対して直接の当て回し操作を行うことにより、ア
タッチメント装着機構19に対する破砕装置1の回転角
度自体を変えることも可能である。作業機20としては
装軌式のものに限らず、当然、装輪式のものを用いるこ
ともできるが、大型の破砕装置1を装着する場合には、
作業機20の側にアウトリガー等を設けて十分なスタビ
リティを確保すべきである。
【0020】そこで、挾圧破砕作業を開始するに際して
は、まず、切替弁を中立位置にして油圧シリンダ12
a,12bのシリンダボトム側油室の作動油を回収して
ピストンロッド14a,14bを縮退させ(バネ付の単
動シリンダの場合)、または、シリンダヘッド側油室か
ら作動油を供給しシリンダボトム側油室の作動油を回収
してピストンロッド14a,14bを縮退させ(復動シ
リンダの場合)、アーム2a,2bを図2の完全開放位
置、または、任意の開閉位置にまで開かせる。
【0021】そして、従来と同様にして破砕装置1の姿
勢を制御し、アーム2a,2bが破砕対象物の両側に位
置するように位置決め作業を行った後、切替弁を操作し
て油圧シリンダ12a,12bのシリンダボトム側油室
に対し同時に作動油の供給を開始する。すると、復帰バ
ネの弾力に抗してピストンロッド14a,14bが徐々
に突出し、また、復動シリンダの場合であれば、これと
同時に、シリンダヘッド側油室の作動油が作業機20側
のオイルタンクに回収されてゆく。
【0022】そして、油圧シリンダ12a,12bの全
長が伸びることによりピストンロッド14a,14bの
先端でアーム2a,2bの枢着孔3が押され、各々の中
間支軸部5を中心としてアーム2a,2bが共に外側に
回転することによってアーム2a,2bの他端部に位置
する圧壊刃4,4および11,11が接近し、これらの
圧壊刃4,4および11,11によって対象物の挾圧破
砕作業が行われるのである。
【0023】ここで本実施例の破砕装置1が従来装置と
相違するのは、アーム2a,2bの回転に同期して各々
の油圧シリンダ12a,12bがアーム2a,2bと同
方向に回転する点である。つまり、アーム2a,2bが
閉じるときにはアーム2aと油圧シリンダ12aが共に
図1において反時計方向に回転し、また、アーム2bと
油圧シリンダ12bは共に時計方向に回転するのであ
る。これは、中間支軸部5と枢着孔3との間の距離aお
よび油圧シリンダの枢着部と中間支軸部5との間の距離
bが共に固定されているにも関わらず油圧シリンダの枢
着部と枢着孔3との間の距離cが増大するために生じる
現象であって、図2と図1とを比較すれば明らかなよう
に、当然、アーム2bを時計方向に回転させるために距
離cを増大させれば角度Dが減少し、油圧シリンダ12
bが時計方向に回転することになる。アーム2aと油圧
シリンダ12aとの関係もこれと同様であり、アーム2
aを反時計方向に回転させて閉じるためにピストンロッ
ド14aを突出させれば、距離cに対応す値が増大して
角度Dに対応する値が減少し、油圧シリンダ12aが反
時計方向、つまり、アーム2aと同方向に回転すること
になる。このようにして、一対の油圧シリンダとアーム
とが同期して同方向に回転する結果、距離aの方向と距
離cの方向とが成す角Eの値がアームの開閉角度と殆ど
関わりなく常に略一定の値に保持される。これは、中間
支軸部5と枢着孔3とを結んだ直線とピストンロッドの
突出方向とが成す角Eが常に略一定の値に保持されて中
間支軸部5の回りに生じる回転モーメントの値が略一定
の値となることを意味し、アーム2a,2bを大きく開
いた場合であっても、また、殆ど開かない場合であって
も、言い換えれば、破砕対象物が大きな場合であっても
小さな場合であっても、このような事情とは殆ど関わり
なく常に安定した力で挾圧破砕作業を行えるということ
に他ならない。当然、角度Eの値が90°に近くなるに
越したことはないが、図1および図2からも明らかなよ
うに、この角度が90°近くになるように構成しようと
すれば、油圧シリンダ12a,12bを中間支軸部5か
ら極端にオフセットして装着しなければならず、破砕装
置1のサイズ自体にも影響することなので、その角度
は、必要とされる挾圧力等に応じて設計の段階で適宜決
めるようにしなければならない。本実施形態において
は、図1に示すように、アーム2a,2bにおいてピス
トンロッド枢着孔3を有する側の一端部がアーム2a,
2bを閉じた状態で中間支軸部5よりも上方の両側に張
り出すように形成し、しかも、シリンダ本体13a,1
3bのシリンダボトムを相互に接近させるようにして側
板6a,6b上に油圧シリンダ12a,12bを配備す
るようにしているので、ブラケット部6に対して油圧シ
リンダ12a,12bが大きく斜交して取り付けられる
かたちとなり、破砕装置1全体の上下方向長さが短縮さ
れて破砕装置1が全体として小型化され、破砕装置1の
軽快な取り回しが達成されている
【0024】枢着孔3,3間に単一の油圧シリンダのピ
ストンロッドとシリンダボトムとを枢着した従来の破砕
装置と本実施例の破砕装置1とを比較すると、図2の状
態で圧壊刃4,4間に作用する挾圧力に関してみる限り
両者に差はないが、アーム2a,2bを閉鎖した図1の
状態で比較すると、その差は歴然とする。図1に示す二
点鎖線Xはアーム2a,2bを閉鎖したときに従来の破
砕装置の油圧シリンダがあるべき位置を示すものであ
り、中間支軸部5と枢着孔3とを結んだ直線とピストン
ロッドの突出方向とが成す角E′が本実施例の破砕装置
1における角度Eに比べて極端に鋭角的になっているこ
とが分る。これでは中間支軸部5の回りに十分な回転モ
ーメントが生じよう筈もなく、効率の良い小割り作業は
殆ど不可能である。もし小割り作業が可能であったとし
てもそれに要する作業時間は相当なもので、作業者の労
働時間が無闇に増大するばかりか、この間、アーム2
a,2bの枢着孔3には油圧シリンダからの強力な力が
定常的に作用し続け、場合によっては、この部位に破断
等の損傷が生じる場合もある。本実施例の破砕装置1に
よれば、破砕対象物が大きな場合であっても小さな場合
であっても、このような事情とは殆ど関わりなく、常に
安定した力で軽快な挾圧破砕作業を行うことができるの
で、作業者の負担は大幅に軽減され、しかも、破砕装置
1自体に無理な力が作用しないので、その実質的な耐用
期間は大幅に向上され得る。
【0025】以上、圧壊刃4や11による挾圧破砕作業
を例にとって説明したが、剪断羽8,10による鉄筋の
切断作業の場合もこれと同様であり、アーム2a,2b
の開閉角度に関わりなく、常に安定した力で鉄筋等の切
断作業を行えるという効果がある。
【0026】
【発明の効果】本発明の破砕装置は、アーム毎に個別の
油圧シリンダを設けて側板の両側に揺動自在に枢着し、
そのピストンロッドにより各アームを個別に開閉駆動す
るようにしたので、各々の油圧シリンダが各アームの回
転に同期してアームと同方向に回転するようになる。こ
の結果、中間支軸部とアームの一端部とを結んだ直線と
ピストンロッドの突出方向とが成す角が常に略一定の値
に保持され、中間支軸部の回りに生じる回転モーメント
の値が油圧シリンダの出力に応じた略一定の値となり、
アームの開閉角度や破砕対象物の大小には関わりなく、
常に安定した力で挾圧破砕作業や鉄筋の切断作業を行う
ことができる。また、リンク部材およびガイド溝によっ
て構成される同期機構によって各アームの動きを同期さ
せるようにしているので、不本意な同期ずれが解消され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による破砕装置の一実施例をアーム閉鎖
状態で示す正面図である。
【図2】同実施例の破砕装置をアーム開放状態で示す正
面図である。
【図3】同実施例の破砕装置を示す側面図である。
【図4】同実施例の破砕装置の装着例を示す図である。
【符号の説明】
1 破砕装置 2a,2b アーム 3 一端部に位置するピストンロッド装着孔 4 圧壊刃 5 中間支軸部 6 ブラケット部 6a,6b 側板 8 剪断刃 10 剪断刃 12a,12b 油圧シリンダ 13a,13b シリンダ本体 14a,14b ピストンロッド 15a,15b リンク部材 16 ピン 17 ガイド溝
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−207571(JP,A) 特開 平1−332071(JP,A) 特開 平4−153470(JP,A) 特開 平5−71229(JP,A) 実開 平3−108044(JP,U) 実開 平3−4858(JP,U) 実用新案登録2511366(JP,Y2) 実公 昭57−60609(JP,Y2) 特公 平5−52395(JP,B2) 特公 平3−36980(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E04G 23/08

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対のアームの中間支軸部を側板に枢着
    し、前記アームの一端部を油圧シリンダで駆動して該ア
    ームの他端部で構築物を挾圧破砕するようにした破砕装
    置において、前記一対のアームを閉じた状態で前記中間
    支軸部よりも上方の両側に前記各アームの前記一端部が
    張り出すようにアームの形状を形成し、前記各アーム毎
    に個別に設けた油圧シリンダのシリンダ本体の端部を相
    互に接近させて前記各アームの中間支軸部から前記一端
    部寄りにオフセットして前記側板に揺動自在に枢着し、
    前記各油圧シリンダのピストンロッド先端を各アームの
    前記一端部に枢着したことを特徴とする破砕装置。
  2. 【請求項2】 前記各油圧シリンダ本体に各々リンク部
    材を枢着し、該リンク部材の先端を相互に枢着すると共
    に、前記側板にガイド溝を形成して前記リンク部材先端
    の枢着点を係合させ、前記各アームの動きを同期させる
    ようにしたことを特徴とする請求項1記載の破砕装置。
  3. 【請求項3】 前記各アームの中間支軸部の近傍に鉄筋
    切断用の剪断刃を設け、前記側板の下部には前記剪断刃
    と衝合する剪断刃を固定して取り付けた請求項1または
    請求項2記載の破砕装置。
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