JP2824504B2 - 液晶基板の配向処理方法および液晶セルの製造方法 - Google Patents

液晶基板の配向処理方法および液晶セルの製造方法

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JP2824504B2
JP2824504B2 JP8044146A JP4414696A JP2824504B2 JP 2824504 B2 JP2824504 B2 JP 2824504B2 JP 8044146 A JP8044146 A JP 8044146A JP 4414696 A JP4414696 A JP 4414696A JP 2824504 B2 JP2824504 B2 JP 2824504B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は液晶ディスプレイ
等に用いられる液晶セルを構成する基板上に配向処理を
施す方法および液晶セルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、広く実用されている液晶ディスプ
レイ用の液晶セルのうち、TFT(薄膜トランジスタ)
型アクティブマトリックス液晶カラーディスプレイや小
型液晶ディスプレイで使われているTN(ねじれネマテ
ィック)方式や、パソコンやワープロ等で使われている
STN(超ねじれネマティック)方式等の、ネマティッ
ク液晶を用いる液晶セルにおいては、液晶セルを構成す
る基板に液晶分子を一方向に配向させるための配向処理
を施すことが不可欠である。
【0003】そしてこの配向処理法としては、基板表面
に被着した配向用膜を、布等を巻付けた回転ドラムによ
り摩擦するという、いわゆるラビング処理が広く行われ
ている。しかし、このラビング処理では摩擦帯電により
静電気が発生すること、また布等から塵埃が発生するこ
と、ラビング処理時の圧力によりTFT等のアクティブ
素子の破壊が生じることがある等の難点が本質的に避け
られないため、液晶セル製造において大きな問題となっ
ており、ラビング処理を行わない液晶分子配向法の開発
が必要とされている。
【0004】一方、これまでに提案されたラビング処理
によらない配向処理方法としては、金や一酸化シリコン
等を真空中で基板に対して斜め方向から蒸着させる真空
斜方蒸着法や、磁界中または電界中で液晶を封入する方
法等がある。また、液晶セルの基板に樹脂材料を塗布し
てラビング以外の処理を行い、液晶分子配向機能を持た
せるものとしては、基板に塗布した樹脂材料に一軸性を
有する部材を密着させ、加熱処理した後に取り除いて液
晶分子配向機能を持たせる方法(特開平6−4345
8)や、基板上にせん断応力を加えながら薄層化された
高分子溶液薄層を形成し、乾燥し固化して配向膜を形成
する方法(特開平5−45657)などがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
真空斜方蒸着法や磁界または電界を利用した液晶分子配
向法では、基板の面積が制約されることや量産に適しな
いこと、一軸性を有する部材を密着させる方法では、密
着部材を剥離する際に静電気が発生したり、基板上にT
FT等のアクティブ素子の破壊が生じる恐れがあるこ
と、せん断力を加えた高分子溶液薄層を乾燥固化させる
方法では、高分子溶液の薄層化の他に温風による有機溶
媒などの押発成分の蒸発・乾燥、紫外線照射による固化
など、複雑な工程を必要とし経済的でないことなど、上
記した従来の配向処理方法は、いずれも種々の問題点を
有するものであった。
【0006】この発明は、上記従来の問題点を解決しよ
うとするもので、基板のラビング処理を必要とせず、塵
埃や静電気の発生や素子の破壊が生じることがなく、し
かも簡単な工程により大面積の基板においても均一良好
な配向特性が得られる、液晶基板の配向処理方法および
液晶セルの製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の液晶基板
の配向処理方法は、基板の表面に配向用膜を被着し、こ
の配向用膜の表面に、ローラまたはブレードによって液
晶を一方向に流動させつつ塗布し、この液晶を塗布した
基板を所定時間保持してこの液晶の分子が前記流動方向
に向いた状態に固定された液晶配向層を形成させること
を特徴とする。
【0008】請求項2記載の液晶基板の配向処理方法
は、基板の表面に配向用膜を被着し、この配向用膜の表
面の所定の区画に、ローラまたはブレードによって液晶
を一方向に流動させつつ塗布するとともに、前記配向用
膜の表面の前記区画とは別の区画に、ローラまたはブレ
ードによって液晶を前記流動方向とは別の方向に流動さ
せつつ塗布し、これらの液晶を塗布した基板を所定時間
保持してこれらの液晶の分子がそれぞれ前記各流動方向
に向いた状態に固定された液晶配向層を形成させること
を特徴とする。
【0009】請求項3記載の液晶基板の配向処理方法
は、基板の表面に配向用膜を被着し、この配向用膜の表
面の所定の区画に、ローラまたはブレードによって液晶
を一方向に流動させつつ塗布し、この液晶を塗布した基
板を所定時間保持してこの液晶の分子が前記流動方向に
向いた状態に固定された液晶配向層を形成させたのち、
前記配向用膜の表面の前記区画とは別の区画に、ローラ
またはブレードによって液晶を前記流動方向とは別の方
向に流動させつつ塗布し、この液晶を塗布した基板を所
定時間保持してこの液晶の分子が前記別の流動方向に向
いた状態に固定された液晶配向層を形成させることを特
徴とする。
【0010】請求項4記載の液晶基板の配向処理方法
は、基板の表面に配向用膜を被着し、この配向用膜の表
面の所定の区画に、ローラまたはブレードによって液晶
を一方向に流動させつつ塗布し、この液晶を塗布した基
板を所定時間保持してこの液晶の分子が前記流動方向に
向いた状態に固定された第1の液晶配向層を形成させた
のち、前記配向用膜の表面から前記第1の液晶配向層の
表面にわたる前記区画と一部が重複する区画に、ローラ
またはブレードによって液晶を前記流動方向とは別の方
向に流動させつつ塗布し、この液晶を塗布した基板を所
定時間保持してこの液晶の分子が前記別の流動方向に向
いた状態に固定された第2の液晶配向層を前記配向用膜
上に形成させることを特徴とする。
【0011】請求項5記載の液晶セルの製造方法は、配
向処理を施した2枚の液晶基板のうちの少なくとも一枚
の液晶基板として請求項1または2または3または4記
載の配向処理方法を施した液晶基板を用い、配向処理面
を内側にして対向させた前記2枚の液晶基板の間に液晶
を封入することを特徴とする。
【0012】請求項6記載の液晶セルの製造方法は、配
向処理を施した2枚の液晶基板のうちの少なくとも一枚
の液晶基板として請求項1または2または3または4記
載の配向処理方法を施した液晶基板を用い、配向処理面
を内側にして対向させた前記2枚の液晶基板を重ね合わ
せて、前記液晶配向層を構成する液晶を2枚の基板間に
挟持させることを特徴とする。
【0013】この発明において、基板の表面に被着した
配向用膜の表面に、ローラまたはブレードによって液晶
を一方向に流動させつつ塗布すると、この液晶塗布層に
おいては、液晶の分子(詳しくは分子長軸方向)が流動
方向に向いた配向状態となる。発明者の研究によるとこ
の液晶塗布層は、塗布後短時間のうちに、液晶の等方性
液体相に転移する相転移温度以上に加熱後当初の温度ま
で冷却すると、上記の流動方向に向いた配向状態に戻ら
ず、ランダムな配向状態となるが、上記塗布後、所定の
時間保持したのちに上記の相転移温度以上に加熱後当初
の温度まで冷却すると、上記の塗布による流動方向に液
晶の分子が向いた状態に再配向されることが知見され
た。
【0014】この発明はこの知見にもとづくものであ
り、この発明における「液晶の分子が(液晶塗布時の)
流動方向に向いた状態に固定された液晶配向層」とは、
上記の相転移温度以上の加熱と冷却によっても液晶の分
子が流動方向に再配向されるように強固に液晶分子の向
きが保持(メモリー)された状態の液晶層を称するもの
である。そしてこの液晶配向層を形成させるための保持
時間は、配向用膜の種類などに応じて実験的に求められ
るものであり、次の〔発明の実施の形態〕の項で例示す
る通りである。このようにして形成された液晶配向層
は、液晶塗布時の流動方向に一軸配向性を有するので、
ラビング処理を要することなく、液晶の塗布と所定時間
の保持という極めて簡単な工程により、液晶基板の配向
処理をおこなうことができるのである。
【0015】
【発明の実施の形態】この発明において基板の表面に被
着する配向用膜の材料としては、ポリビニルアルコール
やポリイミドなどの熱重合型樹脂材料や、アクリル系樹
脂などの光重合型樹脂材料など、従来配向用膜に用いら
れている各種材料を用いることができるが、ポリイミド
系樹脂によれば短時間で液晶の配向ができるため生産性
が高く、また樹脂の配向性能の経時変化が少ないという
点で好ましい。これらの材料は、ガラス基板の表面側に
一般に透明電極を被着して成る基板の表面に、スプレ
ー、スピンコータなどの塗装手段により塗布し乾燥させ
て被着するほか、真空蒸着、スパッタリング、化学堆積
法などの方法により被着することもできる。
【0016】この発明において配向用膜の表面に塗布す
る液晶としては、ペンチルシアノビフェル系などの、各
種ネマティック液晶材料を用いることができる。配向用
膜の表面上への液晶の塗布は、ローラまたはブレードを
用いておこなうが、図1はローラ1を用いる場合、図2
はブレード2を用いる場合の塗布状況を模式的に示す断
面図である。図中、3は基板、5はこの基板3の表面に
被着した配向用膜、10は液晶であり、これらの図は液
晶10の流動配向状況の説明のために、ローラ1および
ブレード2と配向用膜5表面の接触あるいは接近部の領
域を誇張して液晶10の量を多量に図示してあるが、実
際には液晶分子に流動作用が及ぼされればよいので、液
晶10の量はごく微量でよい。
【0017】図1においては、ローラ1を配向用膜5上
に軽く押圧しながら矢印X方向に駆動して、ローラ1を
矢印R方向に回転させながら配向用膜5を被着した基板
3上を転動させることにより、ローラ前側の液晶10は
矢印X方向に流動し、この流動方向に液晶分子が向いた
状態で液晶塗布層9が形成される。同様に図2において
は、ブレード2の先端を配向用膜5上に軽く押圧しなが
ら矢印X方向に移動させることにより、ブレード前側の
液晶10は矢印X方向に流動し、この流動方向に液晶分
子が向いた状態で液晶塗布層9が形成される。ローラ1
とブレード2を比較すると、ローラ1は配向用膜5上を
転動しブレード2のように配向用膜5上に摺接すること
がないので配向用膜5を傷付けることが一層少なく、ま
た工業的に利用でき生産性が高いという点においても、
ローラによる塗布の方が優れている。なおローラ1およ
びブレード2による塗布の際に、所定の区画に液晶を塗
布するためにテンプレートなどを用いてもよい。
【0018】上記のローラ1としては、一般の塗装用の
ローラと同様にローラ全周に液晶を付着させつつ塗布す
る形式のローラを用いるほか、オフセット印刷の要領で
外周面上にパターン状に液晶を付着させたローラを用い
て、液晶を基板面上に転写するような手法をとっても、
液晶のミクロな流動効果により液晶分子配向を行うこと
ができる。この場合には、塗装式の液晶塗布法に比べて
より高精度に、かつ微細なパターン状に液晶配向層を構
成することが可能となるので、高精度マルチドメイン液
晶ディスプレイを製造する場合には特に有効である。
【0019】そして上記の液晶塗布層9が形成された基
板3を所定時間(T)保持することにより、上記の流動
方向に液晶分子が向いた液晶塗布層9における液晶分子
(詳しくは液晶の分子長軸)が、上記流動方向に向いた
状態に固定された液晶配向層を形成させる。この液晶配
向層は上記流動方向に一軸配向性を有するものであり、
この液晶配向層形成のために必要な上記保持時間Tは、
配向用膜5の種類や保持時の周囲温度に依存する。発明
者の実験データによると、液晶塗布層9の保持温度を変
え、保持時間T経過後の液晶塗布層9を液晶10が等方
性液体相に転移する相転移温度θ以上に加熱後再び液晶
状態に戻したときに、液晶分子の配向状況(配向方向)
が塗布直後の分子配向方向に戻るか否か、すなわち前記
流動方向に液晶分子が固定されているか否かを、偏光顕
微鏡による分子配向状況の観察により点検したところ、
上記固定のための保持時間Tは、配向用膜5がポリビニ
ルアルコール膜の場合は、周囲温度=15℃のときT=
600分、周囲温度=35℃のときT=30分、配向用
膜5がポリイミド膜の場合は、周囲温度=15℃のとき
T=10分、周囲温度=25℃のときT=2分という結
果が得られた。すなわち、ポリビニルアルコール膜では
常温で数時間程度の保持時間が必要であるが、ポリイミ
ド膜では数分程度と短い保持時間Tで済み、また周囲温
度を高くすれば保持時間は短縮化できる。
【0020】この発明においては、配向膜上の二以上の
異なる区画に液晶を異なる流動方向に流動させつつ塗布
し、所定時間保持することにより、1枚の基板上に異な
る分子配向方向を有する複数個の液晶配向層を並設形成
させることができる。この場合、二つの区画が一部重複
しているときは、先に液晶を塗布し所定時間の保持によ
り形成した第1の液晶配向層上に一部が重複する形で、
次の液晶を流動方向を変えて塗布し所定時間の保持によ
り液晶配向層を形成させると、重複部においては先の液
晶流動方向、すなわち第1の液晶配向層の配向方向が維
持され、第1の液晶配向層と、この配向層と重複する部
分を除く配向方向の異なる第2の液晶配向層が、隣接形
成される。上記の重複塗布部において下層側の第1の液
晶配向層の配向方向が維持されるのは、上層側に塗布し
た液晶が、第1の液晶配向層の配向方向に配向され、所
定時間の保持により第1の液晶配向層と同方向に向いた
状態で液晶分子が固定され第1の液晶配向層と一体化す
るためと考えられる。
【0021】液晶配向層を形成した液晶基板は、他の液
晶基板(この発明による配向処理法以外の処理法を施し
た液晶基板でもよい)と、互いに配向処理面を対向さ
せ、スペーサ挾込みなどの常法により間隙を維持した両
基板間に、真空吸引などの常法により液晶を注入し、基
板縁部のシールおよび液晶注入口の封止などの常法によ
り液晶セルを製造する。上記注入用の液晶は液晶配向層
形成用の液晶と同種の液晶でも異種の液晶でもよい。ま
た配向用膜形成材としてたとえば側鎖を有するポリイミ
ド樹脂等を用いると、液晶分子が基板面に対してある程
度傾斜して配向するプレティルト状態の液晶配向層9を
形成できるので、この液晶配向層9をそなえた2枚の液
晶基板を用いてホモジニアス配列の液晶セルを製造する
場合、図3に示すように液晶塗布時の流動方向(X)が
互いに反対方向となる配置とすれば、より均一な液晶分
子配向を得ることができる。
【0022】また上記のように2枚の液晶基板間に液晶
を吸引などにより注入するかわりに、少なくとも1枚の
基板の配向用膜上に液晶を厚目に塗布して厚目の液晶配
向層を形成させ、2枚の液晶基板の配向処理面を重ね合
わせて対向面に接触させた前記液晶配向層の液晶を、基
板間に挟持させて基板間封入液晶として機能させること
もできる。この場合は、液晶中に空気の気泡が入らない
ように基板を重ね合わせることが肝要である。
【0023】
【実施例】次に実施例によってこの発明をさらに詳細に
説明する。
【0024】実施例1 図4および図5に示すように、ガラス基板3a,4aの
表面に透明電極3b,4bを形成被着して成る基板3,
4の表面に、ポリイミド樹脂(日産化学工業株式会社
製、商品名SE−2170)をスピンコータにより塗布
後加熱乾燥させて配向用膜5,6を被着する。この基板
3,4の配向用膜5,6上の図4に示す区画11,12
内に、直径60mmの硬質ゴム製のローラ1(図1参照)
を用いて、ペンチルシアノビフェニル(BDH社製、商
品名K15)から成る液晶10を互いに直交する矢印Y
およびX方向に流動させつつ塗布して液晶塗布層13,
14を形成し、その後25℃の環境下で2分間保持し
て、液晶配向層15,16を形成させた。確認のためこ
の液晶配向層15,16の液晶配向状態、およびこれら
の液晶配向層を形成した基板3,4を液晶10が等方性
液体相に転移する相転移温度θ以上の35℃に加熱後常
温まで冷却した状態の液晶配向層15,16の液晶配向
状態を、偏光顕微鏡により観察したところ、いずれも前
記流動方向(矢印YおよびX方向)に均一に配向された
良好な液晶分子配向状態が観察された。
【0025】次いで基板4を図6に鎖線矢印で示すよう
に反転させて、液晶配向層15,16部を対向させた2
枚の基板3,4を両基板間に粒径10μmのポリマビー
ズから成るスペーサ(図示しない)を介在させて重ね合
わせ、縁部をエポキシ樹脂から成るシール材17により
注入口部を除いて熱シールしたのち、前記液晶10を真
空吸引により両基板間に注入し、注入口部をシールして
液晶セル18を得た。この液晶セル18の外側に、偏光
板19A,19Bを配置して液晶ディスプレイを構成
し、透明電極3b,4bへ電圧を印加して偏光顕微鏡に
よる顕微鏡観察試験をおこなったところ、画素欠陥は全
く認められなかった。
【0026】実施例2 実施例2を示す図6および図7において、実施例1と同
一部分には図4および図5と同符号を図示してある。
(以下他の実施例も同様とする。)実施例1と同様にし
て形成した基板3の配向用膜5上の図6に示す2つの区
画21,22内に、先端部厚さが3mmの硬質ゴム製のブ
レード2(図2参照)を用いて、ペンチルシアノビフェ
ニル(BDH社製、商品名K15)から成る液晶10
を、互いに直交する矢印Y,X方向に流動させつつ塗布
して液晶塗布層24,25を形成した。また基板4に
は、図6に示すように実施例1と同様にして形成した配
向用膜6上の基板3と左右対称に位置する2つの区画2
1,22内に、基板3と同方法で同液晶10を互いに直
交する矢印Y,X方向に流動させつつ塗布して液晶塗布
層24,25を形成した。そして両基板3,4を25℃
の環境下で2分間保持して、液晶配向層27,28を形
成させた。確認のためこれらの液晶配向層の液晶配向状
態、および液晶10の前記相転移温度θ以上の35℃に
加熱後冷却した状態の液晶配向層の液晶配向状態を、実
施例1と同方法により観察したところ、いずれも各流動
方向(矢印YおよびX方向)に均一に配向された良好な
液晶分子配向状態が観察された。
【0027】次いで液晶配向層27,28と液晶配向層
28,27を対向させた2枚の基板3,4を用いて実施
例1と同方法により、2枚の基板による液晶配向方向の
配列が異なる2領域の配向部をそなえた液晶セル30を
得、この外側に偏光板19A,19Bを配置して液晶デ
ィスプレイを構成し、実施例1と同方法で顕微鏡観察試
験をおこなったところ、画素欠陥は全く認められなかっ
た。
【0028】なお基板3,4において、区画21内にの
み液晶10を塗布後上記2分間の保持により液晶配向層
27を形成させ、次に区画22内への液晶10の塗布と
2分間の保持をおこなって液晶配向層28を形成させた
場合も、上記と同様な良好な液晶配向状態が得られ、液
晶ディスプレイの画素欠陥も認められなかった。
【0029】実施例3 図8および図9に示すように、実施例1と同様にして形
成した基板3の配向用膜5上の一部が重複した区画3
1,32のうち、先ず区画31内に実施例1と同じ液晶
10を同じローラ1により矢印Y方向に流動させつつ塗
布し、その後実施例1と同条件の保持により、第1の液
晶配向層34を形成させ、次に別の区画32内に、上記
と同じ液晶10をローラ1により前記流動方向と直交す
る矢印X方向に流動させつつ塗布して、区画31と区画
32の重複部38(図8に斜線を付して図示してある)
においては第1の液晶配向層34上に液晶10を重ね塗
りし、その後上記と同じ保持工程を経て第2の液晶配向
層35を形成した。また基板4には、図8に示すように
実施例1と同様にして形成した配向用膜6上の基板3と
左右対称に位置する2つの区画31,32内に、基板3
と同方法で同液晶10の矢印Y方向への塗布と保持およ
び矢印X方向への塗布と保持をおこなって、第1の液晶
配向層34および第2の液晶配向層35を形成させた。
【0030】基板3および基板4の液晶配向状態を偏光
顕微鏡により観察したところ、第1の液晶配向層34上
に液晶を重ね塗りした重複部38を除いて配向用膜5上
に形成された第2の液晶配向層35は、矢印X方向に均
一に配向しており、また第1の液晶配向層34は矢印Y
方向に均一に配向しており、重複部38において第1の
液晶配向層34上に重ね塗りされた上側塗布層39の液
晶も下側の第1の液晶配向層34と同方向(矢印Y方
向)に配向して第1の液晶配向層34の一部(表層部)
を形成する状態となっていた。そしてこれらの液晶配向
層の液晶配向状態は、前記相転移温度θ以上の35℃に
加熱後冷却した状態においても変らなかった。
【0031】そして液晶配向層34,35と液晶配向層
35,34を対向させた基板3,4を用いて実施例1と
同方法により、2枚の基板による液晶配向方向の配列が
異なる2領域の配向部をそなえた液晶セル40を製作
し、この液晶セルと偏光板19A,19Bにより構成し
た液晶ディスプレイを実施例1と同方法により顕微鏡観
察試験したところ、画素欠陥は全く認められなかった。
【0032】実施例4 図10および図11に示すように、実施例1と同様にし
て形成した基板3,4の配向用膜5,6上の区画11,
12内に実施例1と同じ液晶10を同じローラ1により
矢印X方向に流動させつつ実施例1よりも厚目に塗布し
て実施例1よりも厚目の液晶塗布層43,44を形成
し、その後実施例1と同条件の保持工程により、実施例
1よりも厚目の液晶配向層45,46を形成させた。こ
れらの液晶配向層は、実施例1の液晶配向層15,16
と同じ液晶配向特性を示した。
【0033】次いで基板4を図10に鎖線矢印で示すよ
うに反転させて、液晶配向層45,46を対向させた2
枚の基板3,4を両基板間に粒径10μmのポリマビー
ズから成るスペーサ(図示しない)を介在させて重ね合
わせて、両液晶配向層45,46を互いに密着させて一
体化させ、両基板3,4の圧着により両液晶配向層を形
成する液晶10の一部をシール材17との空隙部へ充満
させ余剰液晶をシール材17の注入口部より排出させた
のち、シール材17による熱シールおよび注入口部のシ
ールをおこなって、液晶セル50を得た。この液晶セル
50の外側に偏光板19A,19Bを配置した液晶ディ
スプレイについて、実施例1と同試験をおこなったとこ
ろ、画素欠陥は全く認められなかった。
【0034】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
基板をラビングする必要がないため、ラビング時の問題
となっていた塵埃の発生や、静電気による塵埃の吸着、
さらには静電気やラビングの圧力等によるTFT等のデ
バイスの破壊等の問題点は解消され、基板表面への配向
用膜の被着とローラまたはブレードによる液晶の塗布と
所定時間の保持という簡単な工程により、広面積にわた
って均一良好な配向特性を有する配向処理面を迅速容易
に形成させることができ、液晶セル製造工程の簡素化お
よび製造費の低減をはかることができる。
【0035】また請求項2〜4記載の発明によれば、1
枚の基板上に配向方向の異なる複数個の配向処理面部を
並設形成でき、これによって広視野角特性をもつ液晶デ
ィスプレイが簡単に製作できる。特に請求項4記載の発
明によれば、1枚の基板上に設けた前工程の液晶配向層
上に後工程の液晶塗布層を一部重ねて形成してもよいの
で、液晶塗布範囲(境界)の厳密な管理が不要となり、
配向方向の異なる配向処理面部を隣接状態で容易に形成
することができる。
【0036】また請求項6記載の発明によれば、液晶配
向層を形成している液晶をそのまま基板間に挟持させて
基板間封入液晶としても利用するので、基板間への真空
吸引などの液晶封入工程が不要となり、液晶セル組立工
程が簡素化され組立時間も低減化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明におけるローラによる液晶の塗布状態
を示す要部断面図である。
【図2】この発明におけるブレードによる液晶の塗布状
態を示す要部断面図である。
【図3】この発明における液晶配向層をそなえた2枚の
基板の配置状態の一例を示す縦断面図である。
【図4】この発明の実施例1を示す基板の斜視図であ
る。
【図5】図4の基板を用いて構成した液晶セルの縦断面
図である。
【図6】この発明の実施例2を示す基板の斜視図であ
る。
【図7】図6の基板を用いて構成した液晶セルの縦断面
図である。
【図8】この発明の実施例3を示す基板の斜視図であ
る。
【図9】図8の基板を用いて構成した液晶セルの縦断面
図である。
【図10】この発明の実施例4を示す基板の斜視図であ
る。
【図11】図10の基板を用いて構成した液晶セルの縦
断面図である。
【符号の説明】
1…ローラ、2…ブレード、3…基板、3a…ガラス基
板、3b…透明電極、4…基板、4a…ガラス基板、4
b…透明電極、5…配向用膜、6…配向用膜、10…液
晶、13…液晶塗布層、14…液晶塗布層、15…液晶
配向層、16…液晶配向層、17…シール材、18…液
晶セル、21…区画、22…区画、24…液晶塗布層、
25…液晶塗布層、27…液晶配向層、28…液晶配向
層、30…液晶セル、31…区画、32…区画、34…
第1の液晶配向層、35…第2の液晶配向層、38…重
複部、40…液晶セル、43…液晶塗布層、44…液晶
塗布層、45…液晶配向層、46…液晶配向層、50…
液晶セル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02F 1/1337

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の表面に配向用膜を被着し、この配
    向用膜の表面に、ローラまたはブレードによって液晶を
    一方向に流動させつつ塗布し、この液晶を塗布した基板
    を所定時間保持してこの液晶の分子が前記流動方向に向
    いた状態に固定された液晶配向層を形成させることを特
    徴とする液晶基板の配向処理方法。
  2. 【請求項2】 基板の表面に配向用膜を被着し、この配
    向用膜の表面の所定の区画に、ローラまたはブレードに
    よって液晶を一方向に流動させつつ塗布するとともに、
    前記配向用膜の表面の前記区画とは別の区画に、ローラ
    またはブレードによって液晶を前記流動方向とは別の方
    向に流動させつつ塗布し、これらの液晶を塗布した基板
    を所定時間保持してこれらの液晶の分子がそれぞれ前記
    各流動方向に向いた状態に固定された液晶配向層を形成
    させることを特徴とする液晶基板の配向処理方法。
  3. 【請求項3】 基板の表面に配向用膜を被着し、この配
    向用膜の表面の所定の区画に、ローラまたはブレードに
    よって液晶を一方向に流動させつつ塗布し、この液晶を
    塗布した基板を所定時間保持してこの液晶の分子が前記
    流動方向に向いた状態に固定された液晶配向層を形成さ
    せたのち、前記配向用膜の表面の前記区画とは別の区画
    に、ローラまたはブレードによって液晶を前記流動方向
    とは別の方向に流動させつつ塗布し、この液晶を塗布し
    た基板を所定時間保持してこの液晶の分子が前記別の流
    動方向に向いた状態に固定された液晶配向層を形成させ
    ることを特徴とする液晶基板の配向処理方法。
  4. 【請求項4】 基板の表面に配向用膜を被着し、この配
    向用膜の表面の所定の区画に、ローラまたはブレードに
    よって液晶を一方向に流動させつつ塗布し、この液晶を
    塗布した基板を所定時間保持してこの液晶の分子が前記
    流動方向に向いた状態に固定された第1の液晶配向層を
    形成させたのち、前記配向用膜の表面から前記第1の液
    晶配向層の表面にわたる前記区画と一部が重複する区画
    に、ローラまたはブレードによって液晶を前記流動方向
    とは別の方向に流動させつつ塗布し、この液晶を塗布し
    た基板を所定時間保持してこの液晶の分子が前記別の流
    動方向に向いた状態に固定された第2の液晶配向層を前
    記配向用膜上に形成させることを特徴とする液晶基板の
    配向処理方法。
  5. 【請求項5】 配向処理を施した2枚の液晶基板のうち
    の少なくとも一枚の液晶基板として請求項1または2ま
    たは3または4記載の配向処理方法を施した液晶基板を
    用い、配向処理面を内側にして対向させた前記2枚の液
    晶基板の間に液晶を封入することを特徴とする液晶セル
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 配向処理を施した2枚の液晶基板のうち
    の少なくとも一枚の液晶基板として請求項1または2ま
    たは3または4記載の配向処理方法を施した液晶基板を
    用い、配向処理面を内側にして対向させた前記2枚の液
    晶基板を重ね合わせて、前記液晶配向層を構成する液晶
    を2枚の基板間に挟持させることを特徴とする液晶セル
    の製造方法。
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