JP2824369B2 - 回路遮断器の電源回路 - Google Patents

回路遮断器の電源回路

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、回路遮断器を挿入し
た主回路に流れる負荷電流をもとに回路遮断器を構成す
る諸回路の電源電圧を発生する回路遮断器の電源回路に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】図3は従来の回路遮断器の構成を示すブ
ロック図である。図において、U,V,W,Nは交流電
源(図示しない)の各相、1は各相と負荷を結ぶ相導体
からなる主回路、3はトリップコイルであり、励磁され
た時に遮断機構4を介して遮断器接点2を開かせ、また
消磁された時に閉じさせる。5は主回路1の各相導体を
1次巻線とする変流器、6は変流器5の二次側に接続さ
れ主回路1の交流を直流に変換する整流回路、7はこの
整流回路6に接続され後述する諸回路に電源電圧を供給
する電源回路、8はこの電源回路7の両端間でトリップ
コイル3と共に直列に接続された電子式スイッチであ
り、この電子式スイッチ8の閉成によりAL出力回路8
Aが作動しAL出力リレー8Bを励磁させる。
【0003】9は主回路1の各相導体に電磁結合された
電流検出コイルとしての空心コイルであり、各相導体に
発生した磁束により主回路1に流れる負荷電流を検出す
るとコイル両端に誘起電圧を発生する。10はこれら空
心コイル9の両端に接続され、発生した誘起電圧を電流
信号に再生する過電流信号再生回路、11は空心コイル
9の両端に発生した誘起電圧からなる電流信号のベクト
ル合成に従って零相電流に相当する地絡電流信号を再生
する地絡信号再生回路、12は地絡信号再生回路11に
よる地絡検出時に地絡引外し信号を電子式スイッチ8に
出力しオン動作させる地絡引外し回路、13は地絡引外
し回路14からの地絡引外し信号によって作動しLED
やランプを点灯させる地絡動作表示回路である。これら
以外の諸回路はこの発明に直接関係しないので、ここで
はその説明を省略する。
【0004】尚、回路遮断器を構成する各回路は、主回
路1より変流器5で検出した負荷電流の検出電圧をもと
に電源回路7で生成された直流電源電圧が供給されてて
いる。しかしながら地絡信号再生回路11は回路遮断器
の定格電流(1600A)の10%である160Aの負
荷電流の範囲で地絡検出を行っている。従って、電源回
路7がこの負荷電流検出値をもとに直流電圧を生成した
場合、各全回路に電圧を供給出来るだけの電力が賄い切
れない。そこで地絡信号再生回路11、地絡引外し回路
12に関しては外部より回路電源を供給し、負荷電流が
小さい場合の電源回路7の電力不足を補っている。
【0005】以上の様に構成された回路遮断器におい
て、地絡引外し回路12を含む各引外し回路の出力側の
接点が閉じている状態で、例えば地絡引外し回路12が
地絡信号再生回路11より地絡検出信号を受けてトリッ
プ信号を出力すると、このトリップ信号によって電子式
スイッチ8が閉じられトリップコイル3が励磁される。
【0006】この結果遮断機構4が動作し遮断接点2が
開かれる。即ち回路遮断器がトリップする。これと同時
に、トリップ信号によってAL出力回路8AひいてはA
L出力リレー8Bが作動する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の回路遮断器の電
源回路は、負荷電流が小さい時の電力不足に備えて地絡
信号再生回路、地絡引外し回路の電源を外部より取り込
んでいた。そのため外部電源を備える必要があり使い勝
手に劣ると共に、外部電源が何等かの理由で停電した場
合には地絡検出が停止してしまうといった問題点があっ
た。
【0008】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、負荷電流が小さい間は地絡信号
再生回路、地絡引外し回路のみに電源を供給し、負荷電
流が増加した場合に他の回路にも電源を供給することが
できる回路遮断器の電源回路を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明に係る回路遮断
器の電源回路は、主回路中に接続された遮断器接点を、
前記主回路に流れる漏電電流および負荷電流を対応する
各制御回路で検知してその値に応じて遮断する回路遮断
器の電源回路において、前記主回路に流れる負荷電流の
大きさに応じた出力を発生する電圧発生部と、この電圧
発生部の出力レベルを予め設定した基準レベルと比較
し、前記出力レベルが前記基準レベルを超過した時に信
を出力する比較器と、この出力された信号をもとに、
前記電圧発生部より出力される電力を負荷電流制御回路
に供給する出力供給経路を形成する経路形成手段とを備
えたものである。
【0010】
【作用】この発明における回路遮断器の電源回路は、電
圧発生部より発生される出力、即ち電力が基準レベル以
下の時は回路遮断器中において最小の回路のみに電源を
供給し、電力が基準レベルを越えた時には他の複数の回
路に対しても電源を供給できる経路を形成するものであ
る。
【0011】
【実施例】実施例1.以下、この発明の一実施例を図に
ついて説明する。図1は本実施例による回路遮断器の全
体構成を示すブロック図である。尚、図中図3と同一符
号は同一又は相当部分を示す。図において、7Aは本実
施例による電源回路であり、電源ラインP、Nは常時本
実施例よる地絡信号再生回路11A、地絡引外し回路1
2Aの電源端子に接続され回路電源を供給している。ま
た電源ラインP1、N1は回路遮断器を構成する複数の
回路の電源端子に接続されているが、電源出力すなわち
電力が一定値以下の時は、電源ラインP1、N1に接続
される図示しないリレー接点が開放され回路電源の供給
は遮断される。Dは電子式スイッチ8が開放時に電源電
圧がトリップコイル3の両端に印加されるのを阻止する
ためのダイオードである。
【0012】図2は本実施例による電源回路7Aの内部
構成を示す回路図である。図において、70は定電圧回
路であり、整流回路6より出力される全波整流後の変流
器5の出力に従って一定レベルの直流電圧をプラス、マ
イナスの電源ラインP,Nに出力すると共に、基準電源
ラインXを通して0.5Vの基準電圧VREFを出力す
る。71はプラス電源ラインPを遮断制御するスイッチ
ング回路であり、トランジスタ71Qのエミッタとコレ
クタがコレクタ抵抗71Cを介してプラス電源ラインP
間に直列に接続され、ベースとコレクタ間にはコレクタ
抵抗71Cを介してベース抵抗71Bが接続されてい
る。従って、トランジスタ71Qは通常ベース抵抗71
Bによってベース電圧を受けてオン状態となっており、
図1に示す電子式スイッチ8がONになるとベースの電
位は電子式スイッチ8を通してマイナス電位に下がるた
めトランジスタ71QはOFFする。
【0013】72はスイッチング回路71を通して定電
圧回路70より入力した直流電圧をもとに一定電圧レベ
ルのプラス、マイナス電圧を発生する電圧発生部であ
る。その構成として各コンデンサ72A,72Bのそれ
ぞれがグランドGGとプラス電源ラインP、マイナス電
源ラインN間に接続されると共に、コンデンサ72Aに
はツェナーダイオード72Cが並列接続され、コンデン
サ72Bには抵抗72Dが並列接続されている。
【0014】73はマイナス電源ラインN間に接続され
た10Ω程度の電流検出抵抗であり、電圧発生部72よ
り負荷である地絡信号再生回路11A、地絡引外し回路
12Aに流れる電流を電圧換算にして検出する。74は
比較器であり、基準電圧VRE Fと電流検出抵抗73間に
発生した電位を比較し、その電位が基準電圧VREFを超
えた時に出力信号74A,74Bの信号レベルは反転す
る。
【0015】75は比較器74の出力信号74Bのレベ
ルが反転時にONからOFFに切り替わるリレー接点で
あり、抵抗76、ツェナーダイオード77と共に直列回
路を構成しプラス電源ラインPとマイナス電源ラインN
間に接続されている。78は比較器74の出力信号74
Aのレベルが反転時にOFFかONに切り替わるリレー
接点であり夫々プラス電源ラインP、マイナス電源ライ
ンNより分岐したプラス電源ラインP1、マイナス電源
ラインN1に挿入されている。尚、比較器74とリレー
接点78で経路形成手段を構成している。
【0016】次に、本実施例の動作を電源回路7Aの動
作に注目して説明する。遮断器接点2の投入直後、或は
主回路1に接続された負荷が小さい内は、主回路1に流
れる負荷電流は回路遮断器の定格電流の10%程度であ
る。従って、このような値の負荷電流をもとに定電圧回
路70で生成された直流電圧は、比較的低い不安定な電
圧レベルである。このため、電圧発生部72は低電圧レ
ベルの直流電圧でコンデンサ72A,72Bを充電し、
充電電圧を電源電圧とした場合、電力が低く回路遮断器
の諸回路に回路電源を供給することはできない。
【0017】そこで諸回路への回路電源供給を決めるた
め、比較器74は電圧発生部72の出力電流が流れる電
流検出抵抗73の端子間電圧と定電圧回路70より出力
された基準電圧VREFとを比較する。この時、端子間電
圧が基準電圧VREFより低いと判定されたならば、比較
器74の各出力信号74A,74Bの信号レベルは反転
せず、リレー接点75をON,リレー接点78をOFF
にして地絡信号再生回路11A、地絡引外し回路12A
のみにプラス、マイナス電源ラインP,Nを介して回路
電源を供給する。
【0018】だが、主回路1に定格電流の15%の負荷
電流が流れると、それに伴って定電圧回路70の出力電
圧が増加するため電圧発生部72のコンデンサ充電電圧
も上昇し、地絡信号再生回路11A、地絡引外し回路1
2Aとっては過大な出力が供給されることになり、これ
を余剰エネルギとして消費する必要がある。そのためリ
レー接点75を介してツェナーダイオード77に過大な
電源電圧がかかると、ツェナーダイオード77はブレー
クダウンを起こし、地絡信号再生回路11A、地絡引外
し回路12Aにはツェナーダイオード77で制限された
だけの電源電圧が供給される。
【0019】しかして、主回路1に定格電流の20%の
負荷電流が流れると電圧発生部72の電力も増加し、現
在の負荷電流値に対応した50mA以上の電流が電流検
出抵抗73に流れると端子間電圧は基準電圧VREF
0.5Vを超え比較器74の出力信号74A,74Bは
信号レベルを反転する。この結果リレー接点75はON
からOFFに切り替わり、またリレー接点78はOFF
からONに切り替わることで地絡信号再生回路11A、
地絡引外し回路12A以外の総ての回路に対しプラス、
マイナス電源ラインP1、N1を介して回路電源が供給
される。だが、負荷電流が定格電流の20%を下廻った
ことを、電流検出抵抗73の端子間電圧より検出された
ならば地絡信号再生回路11A、地絡引外し回路12A
の動作を保護するためリレー接点78をOFFにし諸回
路への回路電源の供給を遮断する。
【0020】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、主回路
中に接続された遮断器接点を、前記主回路に流れる漏電
電流および負荷電流を対応する各制御回路で検知してそ
の値に応じて遮断する回路遮断器の電源回路において、
前記主回路に流れる負荷電流の大きさに応じた出力を発
生する電圧発生部と、この電圧発生部の出力レベルを予
め設定した基準レベルと比較し、前記出力レベルが前記
基準レベルを超過した時に信号を出力する比較器と、こ
の出力された信号をもとに、前記電圧発生部より出力さ
れる電力を負荷電流制御回路に供給する出力供給経路を
形成する経路形成手段負荷電流の大きさに応じて電源供
給を行う回路の数を増やすことができるため電源供給範
囲の設定が容易になると共に、負荷電流の大きさに応じ
て外部電源を回路遮断器に備える必要がないため使い勝
手に優れた回路遮断器が得られるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による回路遮断器の一実施例の構成を
示すブロック図である。
【図2】本実施例による回路遮断器の電源回路の構成を
示す回路図である。
【図3】従来の回路遮断器の構成を示すブロック図であ
る。
【符号の説明】
1 主回路 7A 電源回路 72 電圧発生部 74 比較器 78 リレー接点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柏原 明夫 広島県福山市水呑町194番地の1 福山 電子株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−270631(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H02H 3/08 - 3/52

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主回路中に接続された遮断器接点を、前
    記主回路に流れる漏電電流および負荷電流を対応する各
    制御回路で検知してその値に応じて遮断する回路遮断器
    の電源回路において、前記主回路に流れる負荷電流の大
    きさに応じた出力を発生する電圧発生部と、この電圧発
    生部の出力レベルを予め設定した基準レベルと比較し、
    前記出力レベルが前記基準レベルを超過した時に信号
    出力する比較器と、この出力された信号をもとに、前記
    電圧発生部より出力される電力を負荷電流制御回路に供
    給する出力供給経路を形成する経路形成手段とを備えた
    ことを特徴とする回路遮断器の電源回路。
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