JP2823902B2 - 含フッ素アリーグアナミン縮合物 - Google Patents

含フッ素アリーグアナミン縮合物

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JP2823902B2 JP28201589A JP28201589A JP2823902B2 JP 2823902 B2 JP2823902 B2 JP 2823902B2 JP 28201589 A JP28201589 A JP 28201589A JP 28201589 A JP28201589 A JP 28201589A JP 2823902 B2 JP2823902 B2 JP 2823902B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、重合性モノマー、各種含フッ素樹脂の原料
等として有用である新規な含フッ素アリールグアナミン
縮合物に関する。
〔従来の技術〕
従来、含フッ素置換基を有するグアナミン化合物とし
ては、 (式中、mは1〜15の中から選ばれる整数を示す)、 等が知られている。
しかしながら、前者公知の化合物は、含フッ素脂肪酸
エステルとビグアニドを原料としてのみ製造されるが、
該原料の製造に際し複雑な工程を要すること、該原料の
安定性が良くないため取扱いが難しいこと、前者公知化
合物の製造における収率が好ましくなく、精製分離等の
工程が煩雑であること、更には該化合物におけるアミノ
基の反応性が著しく乏しく、アミノ基を反応させること
によって提供される有用な各種含フッ素化合物誘導体、
含フッ素樹脂の製造が著しく制限されること等の欠陥を
有し、また後者公知の化合物は、製造に際し副生物の生
成が多く、更にその精製分離が難しいこと、該公知化合
物中の含フッ素置換基が加水分解、熱、光等により容易
に離脱し、所期の機能を長期にわたり維持することが困
難であること等の欠陥を有し、これらの公知化合物は、
製造及び使用にあたり技術的、経済的に著しく制限を受
けていた。
本発明者は、含フッ素置換基を有するグアナミン化合
物における上記欠陥を克服すべく広く研究を行った結
果、製造が簡易であり、各種の官能基を有する化合物と
著しく優れた反応性を示す活性アミノ基を有し、且つ加
水分解、熱、光等による含フッ素置換基の離脱が殆どな
く、機能を長期にわたり維持することができ、更には長
鎖ペルフルオルアルキル基を有する為極めて優れた表面
特性等を有し、ゴム材料、離型剤、撥水撥油剤、光学材
料、ガス分離膜材料、レジスト材料、防汚塗料、耐候性
塗料、紙加工剤、繊維処理剤、耐熱性樹脂、界面活性剤
等として有用な含フッ素重合体、含フッ素化合物、含フ
ッ素組成物を提供することができる。次式で表わされる
極めて広汎な用途、有用性を有している新規な含フッ素
アリールグアナミン化合物を提供した(特願平1−2463
37号)。
(式中、nは1〜14の中から選ばれる整数を示す) 〔発明が解決しようとする課題〕 本発明は、かかる有用な新規含フッ素アリールグアナ
ミン化合物の誘導体である優れた新規な含フッ素アリー
ルグアナミン縮合物を提供することを目的とするもので
ある。
〔課題を解決する為の手段〕
本発明者は、かかる有用な含フッ素アリールグアナミ
ン化合物の誘導体を鋭意検討した結果、製造が容易であ
り、各種の官能基を有する化合物と著しく優れた反応性
を示す活性基を有し、且つ加水分解、熱、光等による含
フッ素置換基の離脱が殆どなく、機能を長期にわたり維
持することができ、ゴム材料、離型剤、撥水撥油剤、光
学材料、ガス分離膜材料、レジスト材料、防汚塗料、耐
候性塗料、紙加工剤、繊維処理剤、耐熱性樹脂、界面活
性剤等として含フッ素重合体、含フッ素組成物等を提供
することができる新規な含フッ素アリールグアナミン縮
合物を見出して本発明に到達した。
すなわち、本発明は、 (1)一般式 (式中、nは1〜14の中から選ばれる整数を示す)で表
わされる含フッ素アリールグアナミン化合物の中から選
ばれる少なくとも1種とあるいはかかる含フッ素アリー
ルグアナミン化合物の中から選ばれる少なくとも1種と
グアナミン化合物類、尿素、アルキル尿素類、チオ尿
素、アルキルチオ尿素類、フェノール、アルキルフェノ
ール類、アニリン及びアンメリンからなるその他の共縮
合可能な化合物の中から選ばれる少なくとも1種とをモ
ル比で1:1〜0.5となるように配合したものとをホルムア
ルデヒド類の中から選ばれる少なくとも1種と縮合反応
せしめて得られるメチロール化含フッ素アリールグアナ
ミン縮合物。及び (2)(1)項記載のメチロール化含フッ素アリールグ
アナミン縮合物と炭素数1〜20個を有する脂肪族アルコ
ールおよび脂環族アルコールの中から選ばれる少なくと
も1種とをエーテル化反応せしめて得られるエーテル化
含フッ素アリールグアナミン縮合物である。
本発明に係わる含フッ素アリールグアナミン化合物
(I)において、nは1〜14の中から選ばれる整数であ
るが、原料入手の容易さ等から奇数であることが好まし
く、またnが3以上の整数である場合、防汚性、撥水撥
油性、潤滑性、非粘着性等の表面特性が優れ特に有用で
ある。
かかる含フッ素アリールグアナミン化合物(I)の具
体例としては、2,4−ジアミノ−6−(4−ペンタフル
オルエチルフェニル)−s−トリアジン、2,4−ジアミ
ノ−6−(4−ヘプタフルオルプロピルフェニル)−s
−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−(4−ノナフルオ
ルブチルフェニル)−s−トリアジン、2,4−ジアミノ
−6−(4−ウンデカフルオルペンチルフェニル)−s
−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−(4−トリデカフ
ルオルヘキシルフェニル)−s−トリアジン、2,4−ジ
アミノ−6−(4−ペンタデカフルオルヘプチルフェニ
ル)−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−(4−ヘ
プタデカフルオルオクチルフェニル)−s−トリアジ
ン、2,4−ジアミノ−6−(4−ノナデカフルオルノニ
ルフェニル)−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−
(4−ヘンエイコサフルオルデシルフェニル)−s−ト
リアジン、2,4−ジアミノ−6−(4−ペンタコサフル
オルドデシルフェニル)−s−トリアジン、2,4−ジア
ミノ−6−(4−ノナコサフルオルテトラデシルフェニ
ル)−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−(4−ヘ
ントリアコンタフルオルペンタデシルフェニル)−s−
トリアジン等が挙げられるが、これらの化合物に限定さ
れるものではない。
かかる含フッ素アリールグアナミン化合物(I)は、 一般式 (式中、nは前記と同じ意味を示す) で表わされる含フッ素ニトリルとジシアンジアミドと
を、アルコール類、アミン類、カルボン酸アミド類、ス
ルホラン類、スルホキシド類等の非水溶媒中、アミン
類、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属アルコラート
等の塩基性化合物の存在下、通常温度80℃〜150℃にて
反応を行わしめることにより得ることができる。
又、上記した含フッ素ニトリル(II)は、例えば1−
ペルフルオルアルキルヨウ化物、臭化物、塩化物等、4
−ハロゲン置換ベンゾニトリル及び金属銅とを、非プロ
トン極性溶媒中にて反応せしめることにより得ることが
できる。
また、本発明に係わるその他の共縮合可能な化合物と
しては、例えばメラミン、N−フェニルメラミン、ベン
ゾグアナミン、アセトグアナミン、ホルモグアナミン等
のグアナミン化合物、尿素、N−メチル尿素、N−エチ
ル尿素、N,N′−ジメチル尿素等のアルキル尿素、チオ
尿素、N−メチルチオ尿素、N−ブチルチオ尿素等のア
ルキルチオ尿素、フェノール、p−メチルフェノール、
p−ノニルフェノール、m−エチルフェノール等のアル
キルフェノール、アニリン、アンメリン等が有用であ
り、更にメラミン、ベンゾグアナミン、尿素、フェノー
ルが好ましいが、これらの化合物に限定されるものでは
ない。
本発明に係わるホルムアルデヒド類としては、例えば
ホルムアルデヒド、ホルマリン、パラホルム、ヘキサメ
チレンテトラミン、メチルヘミホルマール、ブチルヘミ
ホルマール、ホルムアルデヒド重亜硫酸ソーダ付加物等
が挙げられるが、ホルムアルデヒド源として作用するも
のであればよく、これらの化合物に限定されるものでは
ない。
また、かかる縮合反応は、溶媒中、アルカリ性条件下
に温度50〜80℃にて予め反応を行わしめた後、弱アルカ
リ性ないし酸性条件下に温度60〜80℃にて反応を行わし
める方法、強アルカリ性条件下に温度50〜80℃にて反応
を行わしめる方法、pH6〜9の微酸性ないしアルカリ性
条件下に温度60〜80℃にて反応を行わしめる方法等が挙
げられ、必要に応じて適宜pHを調整して反応を行わしめ
ることにより所期のメチロール化含フッ素アリールグア
ナミン縮合物を得ることができるが、通常pH5以下の酸
性条件下ではホルムアルデヒドの付加反応が遅く、また
pH10以上のアルカリ性条件下では、所期目的縮合物に多
量の塩が含まれ使用に際し制約がある為好ましくない。
尚、かかる反応は、これらの方法に限定されるものでは
ない。
また、かかる溶媒としては、例えば水、メタノール、
エタノール、ブチルアルコール、シクロヘキサノール等
のアルコール類、エステル類、ケトン類、エーテル類、
カルボン酸アミド類等が挙げられるが、特に水、アルコ
ール類が好ましい。
尚、これらの溶媒は単独あるいは水とアルコールの混
合溶媒のごとく2種以上の混合系にて使用してもよく、
場合により適宜選択することができる。
更に、本発明は、かかるメチロール化含フッ素アリー
ルグアナミン縮合物と炭素数1〜20個を有する脂肪族ア
ルコールおよび脂環族アルコールの中から選ばれる少な
くとも1種とをエーテル化反応せしめて得られる新規な
エーテル化含フッ素アリールグアナミン縮合物を提供す
るものである。
かかる炭素数1〜20個を有する脂肪族アルコールおよ
び脂環族アルコールにおいて、炭素数1〜20個を有する
直鎖又は側鎖を有する飽和脂肪族アルコール、不飽和脂
肪族アルコールおよび分枝鎖を有することもある飽和脂
環族アルコール、不飽和脂環族アルコールが有用であ
り、更に、製造の簡便さ、該含フッ素アリールグアナミ
ン縮合物の有用性、反応性等から炭素数1〜6個を有す
る飽和脂肪族アルコールおよびシクロヘキサノールが特
に好ましい。
かかる炭素数1〜20個を有する脂肪族アルコールおよ
び脂環族アルコールの具体例としては、メタノール、エ
タノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルア
ルコール、アリルアルコール、n−ブチルアルコール、
iso−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、プ
ロパルギルアルコール、ネオペンチルアルコール、n−
ヘキシルアルコール、n−オクチルアルコール、2−エ
チルヘキシルアルコール、n−ノニルアルコール、n−
ドデシルアルコール、n−ヘキサデシルアルコール、n
−オクタデシルアルコール、n−エイコシルアルコール
等の脂肪族アルコール、シクロヘキサノール、シクロヘ
キセノール、4−メチルシクロヘキサノール、3−メチ
ルシクロヘキサノール、シクロヘキシルカルビノール、
4−エチルシクロヘキサノール、4−ヘキシルシクロヘ
キサノール、3,5−ジn−ヘキシルシクロヘキサノール
等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、かかるメチロール化含フッ素アリールグアナミ
ン縮合物と炭素数1〜20個を有する脂肪族アルコールお
よび脂環族アルコールの中から選ばれる1種とのエーテ
ル化反応としては、分離して得られるメチロール化含フ
ッ素アリールグアナミン縮合物あるいは水分20%以下で
あるメチロール化含フッ素アリールグアナミン縮合物と
かかる脂肪族アルコールおよび脂環族アルコールの中か
ら選ばれる1種とを用い、酸性条件下、好ましくはpH1.
0〜5.0にて、反応温度30〜80℃にて、場合に応じて適宜
に非水溶媒あるいは上記した脂肪族アルコールあるいは
脂環族アルコールを過剰に用いて溶液あるいは懸濁液に
てエーテル化反応を行わしめる方法等が挙げられ、本発
明のエーテル化含フッ素アリールグアナミン縮合物を得
ることができるが、これらの方法に限定されるものでは
ない。
本発明に係わる新規な含フッ素アリールグアナミン縮
合物は、活性なメチロール基および/又はエーテル基を
有し、各種の官能基を有する化合物、樹脂等との反応性
に著しく優れ、各種含フッ素化合物誘導体、重合性モノ
マーの原料等として有用であり、例えばアルコール類、
カルボン酸類、イソシアナート類、エポキシ類と反応せ
しめて公知化合物からは得難い化合物、樹脂を提供する
ことができ、更にアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタ
ン樹脂、アミノアルキッド樹脂、フェノール樹脂、フッ
素樹脂、ビニル樹脂等の各種重合体の鎖伸長剤、架橋
剤、硬化剤等、繊維、例えばポリエステル繊維、アクリ
ル酸繊維等の合成繊維、木綿、羊毛等の天然繊維等の撥
水撥油剤等の優れた表面改質剤等として用いることがで
きるが、これらに限定されるものではない。
上記した如く、該含フッ素アリールグアナミン縮合物
は、種々の化合物、樹脂との重合性に優れているが、か
かる重合は、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、塊状重
合、界面重合等いずれの重合形態でもよく、場合により
適宜選択することができる。
本発明に係わる新規な含フッ素アリールグアナミン縮
合物において、該縮合物の有する活性なメチロール基お
よび/又はエーテル基は、各種の官能基を有する化合物
と優れた反応性を示し、又該縮合物の有する含フッ素置
換基は、化学的、物理的に非常に安定であり、加水分
解、熱、光等による含フッ素置換基の離脱が殆ど起らな
い為、所期の機能を長期にわたり維持することができ、
本発明の新規な含フッ素アリールグアナミン縮合物は、
公知化合物では得難い機能性の優れた各種含フッ素重合
体、含フッ素組成物等を提供することができる極めて有
用なものである。
又、本発明に係わる含フッ素アリールグアナミン縮合
物は、上記した特定の化合物、樹脂を用い、溶媒、反応
助剤、pH、反応温度等を適宜選定することにより、製造
が簡便であり、且つ所期目的縮合物を高収率で得ること
ができ、技術的、経済的に優れ、極めて実用性のあるも
のである。
かかる新規な含フッ素アリールグアナミン縮合物は、
アルコール類、カルボン酸類、、イソシアナート類等種
々の化合物との反応性に優れ、且つ各種樹脂との重合性
にも優れて誘導体原料、樹脂原料とすることができ、ゴ
ム材料、フィルムのブロッキング防止、樹脂の摩擦係数
低下等として樹脂への添加剤、潤滑添加剤、離型剤、カ
ーワックス等のワックス、テープの背面処理剤、静電印
刷用キャリーの非粘着剤、凸版印刷の耐刷性向上剤、カ
メラ、機械等の撥油剤、撥水撥油剤、光学材料、ガス分
離膜材料、レジスト材料、家電製品、自動車等の防汚性
塗料、防食性塗料、耐候性塗料、着氷防止塗料、氷結防
止塗料、プリント基板の防湿絶縁、半導体樹脂の防湿性
向上等として電気部品、回路板等の防湿処理剤、包装用
紙の油出にじみ防止、記録紙、ラベルの汚染防止、剥離
紙の非粘着性付与等の紙加工剤、カーテン、ソファー、
壁布、カーペット等のインテリア製品の防汚加工、繊維
の透湿防止加工、吸汗加工、SR加工等の繊維加工剤、皮
革処理剤、耐熱性樹脂、腐食防止剤、界面活性剤、除虫
剤、防黴剤、医薬等として極めて有用な含フッ素重合
体、含フッ素組成物等を提供することができる。
〔実施例〕
次に、本発明を参考例、実施例、応用例により詳細に
説明する。但し、これらの参考例、実施例、応用例記載
は、本発明の範囲をこれらのみに限定するものではな
い。
参考例1 4−ノナフルオルブチルベンゾニトリル〔C4F9C6H4CN〕
の製造: 撹拌機、温度計、還流冷却器、滴下ロート、N2吹込管
を装着した500mlフラスコに、4−ヨードベンゾニトリ
ル34.4g(0.15モル)、銅粉25.4g(0.40モル)、ジメチ
ルスルホキシド200mlを加え、撹拌する。次いで、窒素
雰囲気下にて徐々に加熱し、内温を110℃に保持しなが
ら、1−ヨードペルフルオルブタン58.8g(0.17モル)
を滴下ロートにて加え、1時間で滴下終了する。添加終
了後、更に内温を130℃まで昇温させ、撹拌しながら2
時間反応させた。この反応混合物を蒸留水500mlに注ぎ
込み、エーテルにて抽出を行い、この抽出分のエーテル
を除去して得られた固形分を減圧乾燥させた。次に、こ
れをトルエンにて再結晶を行い、40.0gの4−ノナフル
オルブチルベンゾニトリル(白色結晶、融点51.0〜54.0
℃)を得た。該目的物の元素分析、赤外線吸収スペクト
ル分析、質量スペクトル分析、1H核磁気共鳴吸収スペク
トル分析結果を下記に示す。
元素分析 C H N F 測定値: 41.2 % 1.3 % 4.4 % 53.0 % 計算値: 41.14% 1.26% 4.36% 53.24% 赤外線吸収スペクトル分析(KBr法) ベンゼン環C−H及び骨格に基く吸収 3.2μ、3.3μ、6.1μ、6.6μ、11.7μ ニトリル基に基く吸収 4.5μ C−Fに基く吸収 7.3μ〜9.0μ(幅広い吸収) 質量スペクトル分析 (m/z):321(M+)、302、1521 H核磁気共鳴吸収スペクトル分析 (内部標準物質:TMS、溶媒:d6−DMSO) ベンゼン環C−Hに基く吸収 δ値 7.91〜7.94ppm(2H) δ値 8.10〜8.13ppm(2H) 参考例2 4−トリデカフルオルヘキシルベンゾニトリル〔C6F13C
6H4CN〕の製造: 撹拌機、温度計、還流冷却器、滴下ロート、N2吹込管
を装着した500mlフラスコに、4−ブロモベンゾニトリ
ル30.9g(0.17モル)、銅粉22.9g(0.36モル)、ジメチ
ルスルホキシド200mlを加え、撹拌する。次いで、窒素
雰囲気下にて徐々に加熱し、内温を110℃に保持しなが
ら、1−ヨードペルフルオルヘキサン66.9g(0.15モ
ル)を滴下ロートにて加え、1時間で滴下終了する。添
加終了後、更に内温を130℃まで昇温させ、撹拌しなが
ら5時間反応させた。この反応混合物を蒸留水500mlに
注ぎ込み、エーテルにて抽出を行い、この抽出分のエー
テルを除去して得られた固形分を減圧乾燥させた。次
に、これをトルエン−メタノール溶媒系にて再結晶を行
い、57.5gの4−トリデカフルオルヘキシルベンゾニト
リル(白色結晶、融点63.0〜64.5℃)を得た。該目的物
の元素分析、赤外線吸収スペクトル分析、質量スペクト
ル分析、1H核磁気共鳴吸収スペクトル分析結果を下記に
示す。
元素分析 C H N F 測定値: 37.1 % 0.9 % 3.3 % 58.8 % 計算値: 37.07% 0.96% 3.33% 58.64% 赤外線吸収スペクトル分析(KBr法) ベンゼン環C−H及び骨格に基く吸収 3.2μ、3.3μ、6.1μ、6.6μ、11.8μ ニトリル基に基く吸収 4.5μ C−Fに基く吸収 7.3μ〜8.9μ(幅広い吸収) 質量スペクトル分析 (m/z):421(M+)、402、1521 H核磁気共鳴吸収スペクトル分析 (内部標準物質:TMS、溶媒:d6−DMSO) ベンゼン環C−Hに基く吸収 δ値 7.92〜7.95ppm(2H) δ値 8.12〜8.15ppm(2H) 参考例3 4−ヘプタデカフルオルオクチルベンゾニトリル〔C8F
17C6H4CN〕の製造: 撹拌機、温度計、還流冷却器、N2吹込管を装着した50
0mlフラスコに、4−ブロモベンゾニトリル27.3g(0.15
モル)、銅粉25.4g(0.40モル)、1−ヨードペルフル
オルオクタン92.8g(0.17モル)、N,N−ジメチルホルム
アミド200mlを仕込み、窒素雰囲気下にて徐々に昇温さ
せ、内温を110℃に保持しながら1時間撹拌した。その
後、内温を120℃まで昇温させ、撹拌しながら5時間反
応させた。この反応混合物を蒸留水500mlに注ぎ込み、
エーテルにて抽出を行い、この抽出分のエーテルを除去
して得られた固形分を減圧乾燥させた。次に、これをメ
タノールにて再結晶を行い、57.9gの4−ヘプタデカフ
ルオルオクチルベンゾニトリル(白色結晶、融点93.0〜
94.5℃)を得た。該目的物の元素分析、赤外線吸収スペ
クトル分析、質量スペクトル分析、1H核磁気共鳴吸収ス
ペクトル分析結果を下記に示す。
元素分析 C H N F 測定値: 34.7 % 0.7 % 2.7 % 61.8 % 計算値: 34.57% 0.77% 2.69% 61.97% 赤外線吸収スペクトル分析(KBr法) ベンゼン環C−H及び骨格に基く吸収 3.2μ、3.3μ、6.1μ、6.6μ、11.6μ ニトリル基に基く吸収 4.5μ C−Fに基く吸収 7.3μ〜8.9μ(幅広い吸収) 質量スペクトル分析 (m/z):521(M+)、502、1521 H核磁気共鳴吸収スペクトル分析 (内部標準物質:TMS、溶媒:d6−DMSO) ベンゼン環C−Hに基く吸収 δ値 7.90〜7.93ppm(2H) δ値 8.10〜8.13ppm(2H) 参考例4 4−ペンタコサフルオルドデシルベンゾニトリル〔C12F
25C6H4CN〕の製造: 参考例3における1−ヨードペルフルオルオクタン9
2.8g(0.17モル)の代わりに、1−ヨードペルフルオル
ドデカン126.8g(0.17モル)を用いる以外は、参考例3
と同様の手順で反応及び処理を行い、固形分を得た。次
に、これをメタノールにて再結晶を行い、4−ペンタコ
サフルオルドデシルベンゾニトリル(白色結晶、融点10
7〜111℃)を得た。該目的物の元素分析、赤外線吸収ス
ペクトル分析、質量スペクトル分析、1H核磁気共鳴吸収
スペクトル分析結果を下記に示す。
元素分析 C H N F 測定値: 31.6 % 0.5 % 2.0 % 66.0 % 計算値: 31.64% 0.56% 1.94% 65.86% 赤外線吸収スペクトル分析(KBr法) ベンゼン環C−H及び骨格に基く吸収 3.2μ、3.3μ、6.1μ、6.6μ、11.8μ ニトリル基に基く吸収 4.5μ C−Fに基く吸収 7.3μ〜8.9μ(幅広い吸収) 質量スペクトル分析 (m/z):721(M+)、702、1521 H核磁気共鳴吸収スペクトル分析 (内部標準物質:TMS、溶媒:d6−DMSO) ベンゼン環C−Hに基く吸収 δ値 7.91〜7.94ppm(2H) δ値 8.11〜8.14ppm(2H) 参考例5 2,4−ジアミノ−6−(4−ノナフルオルブチルフェニ
ル)−s−トリアジン〔C4F9C6H4−C3N3(NH2〕の
製造: 撹拌機、温度計、還流冷却器を装着した500mlフラス
コに、参考例1の方法で得られた4−ノナフルオルブチ
ルベンゾニトリル32.1g(0.1モル)、ジシアンジアミド
12.6g(0.15モル)、苛性カリ0.6g、メチルセロソルブ2
00mlを仕込み、温度120〜125℃にて撹拌しながら10時間
反応させた。この反応混合物からメチルセロソルブを減
圧下で除去した後、固形分を水洗し減圧乾燥させた。次
に、これをトルエン−メタノール溶媒系にて再結晶を行
い、37.3gの2,4−ジアミノ−6−(4−ノナフルオルブ
チルフェニル)−s−トリアジン(白色結晶、融点217.
0〜219.5℃)を得た。該目的物の元素分析、赤外線吸収
スペクトル分析、質量スペクトル分析、1H核磁気共鳴吸
収スペクトル分析結果を下記に示す。
元素分析 C H N F 測定値: 38.5 % 2.0 % 17.3 % 42.1 % 計算値: 38.53% 1.99% 17.28% 42.20% 赤外線吸収スペクトル分析(KBr法) NH2基に基く吸収 2.9μ、3.0μ ベンゼン環に基く吸収 6.3μ C−Fに基く吸収 7.3μ−8.9μ(幅広い吸収) トリアジン環に基く吸収 12.2μ 質量スペクトル分析 (m/z):405(M+)、386、2361 H核磁気共鳴吸収スペクトル分析 (内部標準物質:TMS、溶媒:d6−DMSO) NH2基に基く吸収 δ値 6.88ppm(4H、シングレット) ベンゼン環C−Hに基く吸収 δ値 7.80〜7.83ppm(2H) δ値 8.43〜8.46ppm(2H) 参考例6 2,4−ジアミノ−6−(4−トリデカフルオルヘキシル
フェニル)−s−トリアジン〔C6F13C6H4−C3N3(NH2
〕の製造: 参考例5における4−ノナフルオルブチルベンゾニト
リル32.1g(0.1モル)の代わりに、参考例2の方法で得
られた4−トリデカフルオルヘキシルベンゾニトリル4
2.1g(0.1モル)を用いる以外は、参考例5と同様の手
順で反応及び処理を行い、固形分を得た。次に、これを
トルエン−メタノール溶液系にて再結晶を行い、2,4−
ジアミノ−6−(4−トリデカフルオルヘキシルフェニ
ル)−s−トリアジン(白色結晶、融点222.5〜223.5
℃)を得た。該目的物の元素分析、赤外線吸収スペクト
ル分析、質量スペクトル分析、1H核磁気共鳴吸収スペク
トル分析結果を下記に示す。
元素分析 C H N F 測定値: 35.7 % 1.5 % 13.9 % 48.7 % 計算値: 35.66% 1.60% 13.86% 48.88% 赤外線吸収スペクトル分析(KBr法) NH2基に基く吸収 2.9μ、3.0μ ベンゼン環に基く吸収 6.3μ C−Fに基く吸収 7.3μ−9.0μ(幅広い吸収) トリアジン環に基く吸収 12.2μ 質量スペクトル分析 (m/z):505(M+)、486、2361 H核磁気共鳴吸収スペクトル分析 (内部標準物質:TMS、溶媒:d6−DMSO) NH2基に基く吸収 δ値 6.90ppm(4H、シングレット) ベンゼン環C−Hに基く吸収 δ値 7.81〜7.84ppm(2H) δ値 8.43〜8.46ppm(2H) 参考例7 2,4−ジアミノ−6−(4−ヘプタデカフルオルオクチ
ルフェニル)−s−トリアジン〔C8F17C6H4−C3N3(N
H2〕の製造: 参考例5における4−ノナフルオルブチルベンゾニト
リル32.1g(0.1モル)の代わりに、参考例3の方法で得
られた4−ヘプタデカフルオルオクチルベンゾニトリル
52.1g(0.1モル)を用いる以外は、参考例5と同様の手
順で反応及び処理を行い、固形分を得た。次に、これを
メタノールにて再結晶を行い、2,4−ジアミノ−6−
(4−ヘプタデカフルオルオクチルフェニル)−s−ト
リアジン(白色結晶、融点222.0〜223.0℃)を得た。該
目的物の元素分析、赤外線吸収スペクトル分析、質量ス
ペクトル分析、1H核磁気共鳴吸収スペクトル分析結果を
下記に示す。
元素分析 C H N F 測定値: 33.8 % 1.3 % 11.6 % 53.5 % 計算値: 33.74% 1.33% 11.57% 53.36% 赤外線吸収スペクトル分析(KBr法) NH2基に基く吸収 2.9μ、3.0μ ベンゼン環に基く吸収 6.3μ C−Fに基く吸収 7.3μ−8.8μ(幅広い吸収) トリアジン環に基く吸収 12.2μ 質量スペクトル分析 (m/z):605(M+)、586、2361 H核磁気共鳴吸収スペクトル分析 (内部標準物質:TMS、溶媒:d6−DMSO) NH2基に基く吸収 δ値 6.88ppm(4H、シングレット) ベンゼン環C−Hに基く吸収 δ値 7.79〜7.82ppm(2H) δ値 8.43〜8.46ppm(2H) 参考例8 2,4−ジアミノ−6−(4−ペンタコサフルオルドデシ
ルフェニル)−s−トリアジン〔C12F25C6H4−C3N3(NH
2〕の製造: 参考例5における4−ノナフルオルブチルベンゾニト
リル32.1g(0.1モル)の代わりに、参考例4の方法で得
られた4−ペンタコサフルオルドデシルベンゾニトリル
72.1g(0.1モル)を用いる以外は、参考例5と同様の手
順で反応及び処理を行い、固形分を得た。次に、これを
酢酸エチルにて再結晶を行い、2,4−ジアミノ−6−
(4−ペンタコサフルオルドデシルフェニル)−s−ト
リアジン(白色結晶、融点212.0〜215.0℃)を得た。該
目的物の元素分析、赤外線吸収スペクトル分析、質量ス
ペクトル分析、1H核磁気共鳴吸収スペクトル分析結果を
下記に示す。
元素分析 C H N F 測定値: 31.3 % 0.9 % 8.7 % 58.8 % 計算値: 31.32% 1.00% 8.70% 58.98% 赤外線吸収スペクトル分析(KBr法) NH2基に基く吸収 2.9μ、3.0μ ベンゼン環に基く吸収 6.3μ C−Fに基く吸収 7.3μ−8.9μ(幅広い吸収) トリアジン環に基く吸収 12.2μ 質量スペクトル分析 (m/z):805(M+)、786、2361 H核磁気共鳴吸収スペクトル分析 (内部標準物質:TMS、溶媒:d6−DMSO) NH2基に基く吸収 δ値 6.89ppm(4H、シングレット) ベンゼン環C−Hに基く吸収 δ値 7.81〜7.84ppm(2H) δ値 8.43〜8.46ppm(2H) 実施例1 2,4−ジアミノ−6−(4−ノナフルオルブチルフェニ
ル)−s−トリアジンのメチロール化縮合物の製造: 参考例5の方法で得られた2,4−ジアミノ−6−(4
−ノナフルオルブチルフェニル)−s−トリアジン20.3
g(0.05モル)に、20%苛性カリ水溶液でpH12.0に調整
した37%ホルマリン22.7g(ホルムアルデヒド0.28モ
ル)を加えた。この混合物を温度70℃にて20分間反応さ
せた。この反応混合物を10%硝酸にてpH7.5に調整し、
減圧下で過剰のホルムアルデヒドおよび水分を除去した
後、メタノールを加えて溶解させた。これを分析した結
果、トリアジン核1個に対し全ホルムアルデヒド結合量
3.67当量、メチロール基3.26当量、ジメチレンエーテル
基0.41当量が結合した該化合物のメチロール化縮合物で
あった。
実施例2 2,4−ジアミノ−6−(4−トリデカフルオルヘキシル
フェニル)−s−トリアジンのメチロール化縮合物の製
造: 参考例6の方法で得られた2,4−ジアミノ−6−(4
−トリデカフルオルヘキシルフェニル)−s−トリアジ
ン25.3g(0.05モル)に、炭酸ソーダでpH7.0に調整した
37%ホルマリン25.9g(0.32モル)を加えた。この混合
物を温度65℃にて30分間反応させた。この反応混合物か
ら減圧下にて過剰のホルムアルデヒドおよび水分を除去
した後、メタノールを加えて溶解させた。これを分析し
た結果、トリアジン核1個に対し全ホルムアルデヒド結
合量3.74当量、メチロール基3.65当量、メチレン基0.09
当量が結合した該化合物のメチロール化縮合物であっ
た。
実施例3 2,4−ジアミノ−6−(4−ヘプタデカフルオルオクチ
ルフェニル)−s−トリアジンのメチロール化縮合物の
製造: 実施例2における2,4−ジアミノ−6−(4−トリデ
カフルオルヘキシルフェニル)s−トリアジン25.3g
(0.05モル)の代わりに、参考例7の方法で得られた2,
4−ジアミノ−6−(4−ヘプタデカフルオルオクチル
フェニル)−s−トリアジン30.3g(0.05モル)を用い
る以外は、実施例2と同様の手順で反応及び処理を行っ
た。これを分析した結果、トリアジン核1個に対し全ホ
ルムアルデヒド結合量3.73当量、メチロール基3.62当
量、メチレン基0.11当量が結合した該化合物のメチロー
ル化縮合物であった。
実施例4 2,4−ジアミノ−6−(4−ペンタコサフルオルドデシ
ルフェニル)−s−トリアジンのメチロール化縮合物の
製造: 実施例2における2,4−ジアミノ−6−(4−トリデ
カフルオルヘキシルフェニル)−s−トリアジン25.3g
(0.05モル)の代わりに、参考例8の方法で得られた2,
4−ジアミノ−6−(4−ペンタコサフルオルドデシル
フェニル)−s−トリアジン40.3g(0.05モル)を用い
る以外は、実施例2と同様の手順で反応及び処理を行っ
た。これを分析した結果、トリアジン核1個に対し全ホ
ルムアルデヒド結合量3.67当量、メチロール基3.60当
量、メチレン基0.07当量が結合した該化合物のメチロー
ル化縮合物であった。
実施例5 2,4−ジアミノ−6−(4−ノナフルオルブチルフェニ
ル)−s−トリアジンのエーテル化縮合物の製造: 実施例1で得られた2,4−ジアミノ−6−(4−ノナ
フルオロブチルフェニル)−s−トリアジン10gのメチ
ロール化縮合物のメタノール溶液を20%硝酸でpH4.0に
調整し、温度60℃にて1時間反応させた。この反応混合
物は透明な液であり、これを分析した結果、トリアジン
核1個に対し全ホルムアルデヒド結合量3.69当量、メチ
ルエーテル基1.83当量、メチロール基1.65当量、メチレ
ン基0.21当量が結合した該化合物のエーテル化縮合物で
あった。
実施例6 2,4−ジアミノ−6−(4−トリデカフルオルヘキシル
フェニル)−s−トリアジンのエーテル化縮合物の製
造: 実施例2の方法で得られた2,4−ジアミノ−6−(4
−トリデカフルオルヘキシルフェニル)−s−トリアジ
ンのメチロール化縮合物のメタノール溶液を、30%硫酸
にてpH5.5に調整し、温度70℃で1時間反応させた。こ
の反応混合物は透明な液であり、これを分析した結果、
トリアジン核1個に対し全ホルムアルデヒド結合量3.73
当量、メチルエーテル基1.78当量、メチロール基1.82当
量、メチレン基0.13当量が結合した該結合物のエーテル
化縮合物であった。
実施例7 2,4−ジアミノ−6−(4−トリデカフルオルヘキシル
フェニル)−s−トリアジンとメタミンのエーテル化縮
合物の製造: 参考例6の方法で得られた2,4−ジアミノ−6−(4
−トリデカフルオルヘキシルフェニル)−s−トリアジ
ン25.3g(0.05モル)及びメラミン6.3g(0.05モル)の
混合物に、メチルヘミホルマール74.4g(1.20モル)と
メタノール50gを加え、30%苛性カリ水溶液にてpH8.0に
て調整し、温度75℃にて30分間反応させた。次に、30%
硫酸にてpH4.0に調整後、温度70℃にて1時間反応させ
た。この反応混合物は透明な液であり、更に、これをpH
7.5に調整し、減圧下で過剰のホルムアルデヒド、メタ
ノール及び水分を除去した後、n−ブチルアルコールを
加えて溶解させた。これを分析した結果、トリアジン核
1個に対し全ホルムアルデヒド結合量4.38当量、メチル
エーテル基2.29当量、メチロール基1.98当量、メチレン
基0.11当量が結合したエーテル化共縮合物であった。
応用例1 含フッ素アリールグアナミンのメチロール化縮合物の重
合及び該樹脂の撥水性試験: 実施例1〜4で得られた含フッ素アリールグアナミン
のメチロール化縮合物を用い、水−メタノール(重量比
20/80)の溶媒にて5重量%溶液を作製した。これ
に、触媒として塩化アンモニウム30重量%(該縮合物固
形分に対し)を添加した。この溶液を用いて、綿布に該
縮合物を1重量%(布重量に対し)付着させ、次に、こ
の処理した綿布を乾燥させ、140℃−5分の条件にて硬
化させた。この硬化処理した綿布を用い、撥水性試験を
行った結果を第1表に示す。
第1表に示す如く、この新規なメチロール化合フッ素
アリールグアナミン縮合物は、非常に優れた撥水性を示
し、該縮合物は極めて優れた性質を有するものであっ
た。
尚、撥水性試験は、JIS L 1005(スプレー法)に準拠
して試験を行った。
応用例2 2,4−ジアミノ−6−(4−トリデカフルオルヘキシル
フェニル)−s−トリアジンのメチロール化縮合物の重
合及び含フッ素置換基の安定性試験: 実施例2で得られた2,4−ジアミノ−6−(4−トリ
デカフルオルヘキシルフェニル)−s−トリアジンのメ
チロール化縮合物5.0gをn−ブチルアルコール10mlに溶
解させ、硬化触媒としてp−トルエンスルホン酸0.025g
を加え、亜鉛メッキ鋼板に塗布後、140℃−20分の条件
で加熱硬化させた。
この塗装鋼板を用い、耐湿潤性試験(温度50℃、湿度
98%、500時間)を行った。該試験鋼板の塗膜表面にお
いてブリスター、変色等は見られず、更に該塗膜を剥離
し元素分析を行った結果、F含有量42.2%(試験前測定
値F含有量42.1%)であった。
上記に示した如く、この新規なメチロール化含フッ素
アリールグアナミン縮合物は、重合性に優れ、更に該縮
合物の含フッ素置換基は、熱、水等で離脱し難く、極め
て優れた性質を有するものであった。
応用例3 2,4−ジアミノ−6−(4−トリデカフルオルヘキシル
フェニル)−s−トリアジンのエーテル化縮合物の重合
性及び含フッ素置換基の安定性試験: 実施例6で得られた2,4−ジアミノ−6−(4−トリ
デカフルオルヘキシルフェニル)−s−トリアジンのエ
ーテル化縮合物5.0gをiso−プロピルアルコール10mlに
溶解させ、アクリル樹脂(不揮発分50重量%、固形分OH
価60)40gと混合した。次に、この樹脂溶液を亜鉛メッ
キ鋼板に塗布後、150℃−30分の条件で加熱硬化させ
た。
この塗装鋼板を用い、耐湿潤性試験(温度50℃、湿度
98%、500時間)を行った。該試験鋼板の塗膜表面にお
いてブリスター、変色等は見られず、更に該塗膜を剥離
し元素分析を行った結果、F含有量7.8%(試験前測定
値 F含有量7.9%)であった。
上記に示した如く、この新規なエーテル化含フッ素ア
リールグアナミン縮合物は、重合性に優れ、更に該縮合
物の含フッ素置換基は、熱、水等で離脱し難く、極めて
優れた性質を有するものであった。
〔発明の効果〕
本発明に係わる新規なメチロール化含フッ素アリール
グアナミン縮合物及びエーテル化含フッ素アリールグア
ナミン縮合物は、活性はメチロール基および/又はエー
テル基を有し各種の官能基を有する化合物、重合体等と
の反応性、重合性等に優れ、且つ含フッ素置換基の安定
性、耐久性等に優れ、公知化合物からは得難い化合物、
樹脂を提供することができ、広範囲な産業分野に適用さ
れ、産業上極めて優れた発明であります。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (式中、nは1〜14の中から選ばれる整数を示す)で表
    わされる含フッ素アリールグアナミン化合物の中から選
    ばれる少なくとも1種とあるいはかかる含フッ素アリー
    ルグアナミン化合物の中から選ばれる少なくとも1種と
    グアナミン化合物類、尿素、アルキル尿素類、チオ尿
    素、アルキルチオ尿素類、フェノール、アルキルフェノ
    ール類、アニリン及びアンメリンからなるその他の共縮
    合可能な化合物の中から選ばれる少なくとも1種とをモ
    ル比で1:1〜0.5となるように配合したものとをホルムア
    ルデヒド類の中から選ばれる少なくとも1種と縮合反応
    せしめて得られるメチロール化含フッ素アリールグアナ
    ミン縮合物。
  2. 【請求項2】請求項1記載のその他の共縮合可能な化合
    物が、メラミン、ベンゾグアナミン、尿素、フェノール
    の中から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とす
    るメチロール化含フッ素アリールグアナミン縮合物。
  3. 【請求項3】請求項1記載のホルムアルデヒド類が、ホ
    ルムアルデヒド、ホルマリン、パラホルム、ヘキサメチ
    レンテトラミン、メチルヘミホルマール、ブチルヘミホ
    ルマールの中から選ばれる少なくとも1種であることを
    特徴とするメチロール化含フッ素アリールグアナミン縮
    合物。
  4. 【請求項4】請求項1、2および3記載のメチロール化
    含フッ素アリールグアナミン縮合物と炭素数1〜20個を
    有する脂肪族アルコールおよび脂環族アルコールの中か
    ら選ばれる少なくとも1種とをエーテル化反応せしめて
    得られるエーテル化含フッ素アリールグアナミン縮合
    物。
  5. 【請求項5】請求項4記載の炭素数1〜20個を有する脂
    肪族アルコールおよび脂環族アルコールの中から選ばれ
    る少なくとも1種が、炭素数1〜6個を有する飽和脂肪
    族アルコールおよびシクロヘキサノールの中から選ばれ
    る少なくとも1種であることを特徴とするエーテル化含
    フッ素アリールグアナミン縮合物。
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