JP2823636B2 - 高耐熱性エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

高耐熱性エポキシ樹脂組成物

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JP2823636B2
JP2823636B2 JP2042498A JP4249890A JP2823636B2 JP 2823636 B2 JP2823636 B2 JP 2823636B2 JP 2042498 A JP2042498 A JP 2042498A JP 4249890 A JP4249890 A JP 4249890A JP 2823636 B2 JP2823636 B2 JP 2823636B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はエポキシ樹脂に特定の硬化剤を配合して成る
耐熱性に優れたエポキシ樹脂組成物に関するものであ
り、更に詳しくは半導体封止材料に好適なエポキシ樹脂
組成物に関するものである。
(従来の技術) 近年IC,LSI、トランジスター、ダイオードなどの半導
体素子や電子回路等の封止には特性、コスト等の点から
樹脂組成物が多量に、かつ最も一般的に用いられてい
る。
しかし電子部品は量産指向、高集積化や表面実装化の
方向に進んで来ており、これに伴い封止樹脂に対する要
求は厳しくなって来ている。
特に高集積化に伴うチップの大型化、パッケージの薄
肉化や表面実装時における半田浸漬(200〜300℃)によ
って装置にクラックが発生し易くなっており信頼性向上
の為に半導体封止用樹脂のベースレジンとしては耐湿性
に優れ、耐熱性を向上したものが強く望まれている。
半導体封止用樹脂としては現在エポキシ樹脂が主流で
あるが耐熱性の点で未だ満足させるものは得られていな
い。
これらに対処するために、エポキシ基の多官能化や様
々な骨格構造をもつエポキシ樹脂の開発が行われている
が、通常の炭化水素構造を導入している限りは改良に限
界があり、表面実装時の半田浸漬後の信頼性の高いもの
は得られていない。
高耐熱性を有する樹脂としてはマレイミド樹脂が挙げ
られるが、硬化性が悪く、堅くて脆い、耐湿性に劣ると
いう欠点がある。ポリアミノマレイミド樹脂においては
堅くて脆いという欠点は改良されているが硬化性、耐湿
性の面では未だ不十分である。
多官能マレイミド化合物をアリル化合物で変性して用
いる例もあるが(特開昭55−92714,62−184024,62−280
254,63−3033,63−230727,63−230728,63−230729)、
マレイミド化合物が多官能である場合には低い反応率で
ゲル化しやすく、樹脂を充分反応せしめたプレポリマー
として得ることが不可能であり、一方、作業性を重視し
て低軟化点樹脂を得ようとすると樹脂中には未反応の原
料分子、官能基が多量に残存することになる。これら残
存成分については成形、後硬化においてマレイミド基の
大部分に単独重合を起こして消費させる必要があるが、
通常の有機ホスフィン系触媒では充分に反応を完結させ
ることが困難である。一方、アリル基は大部分が未反応
のまま残存してしまうことになり、アリル化合物で変性
した効果を充分に発揮できていない。
各種変性マレイミド樹脂を含むマレイミド樹脂の硬化
性向上を図るため、耐湿特性が良好ではあるが、マレイ
ミド基の硬化性には劣る有機ホスフィン系に代わるもの
として、イミダゾール系、過酸化物系等の各種硬化触媒
の検討がなされているが(特開昭63−8414)、硬化性が
向上する反面、耐湿性が低下してしまうなど、耐熱性、
硬化性、耐湿性等のバランスのとれた性能を発揮できて
いない。
一方、エポキシ樹脂の耐熱性を向上させる試みとし
て、エポキシ樹脂組成物中にマレイミド樹脂成分を導入
する試みが数多く成されている。
その例として、エポキシ樹脂組成物中に多官能マレイ
ミド化合物を添加し、エポキシ樹脂の硬化と同時にマレ
イミド基の重合をも併せて行おうとするもの(特開昭56
−109219,58−65718,59−210931,63−8414,特開平1−9
0747,1−104648,1−126321)、あるいはエポキシ樹脂組
成物中にアリル化合物と多官能マレイミド化合物との併
用系を導入する試みもあるが(特開昭52−154897,53−1
34099,57−28416,57−154896,62−127316,63−230726,6
3−291919)、前記したように本質的にマレイミド基の
重合を伴う場合には耐湿性、硬化性を両立させるような
触媒が見いだされておらず、かつ低軟化点の組成物を得
るには至っていないのが現状である。
また別の例としては、多官能マレイミド化合物と芳香
族ジアミンのプレポリマーをエポキシ樹脂組成物中に導
入する提案も数多いが(特開昭59−136324)、これらは
エポキシ基とアミノ基との反応による硬化系であるため
に、耐湿性に劣り且つ保存安定性に劣るという重大な欠
点を有するため、高信頼性の半導体封止材料としては使
用に耐えないものである。
(発明が解決しようとする課題) 本発明の目的とするところは、エポキシ樹脂の諸特性
を低下させることなく高耐熱性を有し、半田浸漬後の信
頼性に優れた半導体封止用樹脂組成物を提供することに
ある。
(課題を解決するための手段) 本発明はエポキシ樹脂の諸特性を低下させることなく
高耐熱性を付与するためにイミド化合物をエポキシ樹脂
組成物中に導入させた系について鋭意検討を重ねた結
果、モノマレイミド化合物とエポキシ樹脂の硬化剤成分
であるフェノール化合物とを予め反応させることによ
り、作業性、高耐熱性、耐湿性に優れたエポキシ樹脂組
成物を発明するに至つたものである。
すなわち、本発明は以下の組成よりなるものである。
(1)A)アリル基含有フェノール化合物100重量部に
対し、下記式(I)で示されるモノマレイミド化合物を
官能基比マレイミド基/アリル基が0.5〜3.0になるよう
に10〜500重量部を反応瀬締めて得られるイミド基含有
フェノール化合物 (式中R1は水素原子または水酸基、Arは炭素数6〜20の
二価の芳香族残基を表す。) B)多官能エポキシ化合物 C)多官能マレイミド化合物 D)無機質充填剤 E)硬化触媒 を必須成分とすることを特徴とする高耐熱性エポキシ樹
脂組成物 (2)前記A成分のアリル基含有フェノール化合物がo
−アリルフェノールである(1)の高耐熱性エポキシ樹
脂組成物 (3)前記A成分のアリル基含有フェノール化合物が下
記式(II)で表されるビスo−アリルフェノール系化合
物である(1)の高耐熱性エポキシ樹脂組成物 (式中Xは直接結合、 の中のいずれかである。) (4)前記A成分のアリル基含有フェノール化合物が下
記式(III)で表されるフェノール類ノボラック樹脂で
ある(1)の高耐熱性エポキシ樹脂組成物 (式中R2のいずれかであり、R3は水素原子または炭素数1〜10の
1価の炭化水素基を表し、m,n=0〜20の整数、但し、
1≦m+n≦20である (5)前記A成分のアリル基含有フェノール化合物が下
記式(IV)で表されるトリフェノールアルカン型樹脂で
ある(1)の高耐熱性エポキシ樹脂組成物 (式中R4は水素原子または炭素数1〜10の同種または異
種の1価の炭化水素基を表し、R5はアリル基、水素原
子、炭素数1〜10の同種または異種の1価の炭化水素基
を表し、l=1〜10の整数である。) (6)(2)の硬化触媒が有機ホスフィン類である封止
用樹脂組成物 (作用) 本発明に用いられるアリル基含有フェノール化合物
は、具体的には先ずo−アリルフェノールが挙げられ
る。o−アリルフェノール1分子で複数のマレイミド基
と反応するため、また未反応アリルフェノールを容易に
除去できるため、エポキシ樹脂中に充分に効率的にイミ
ド基を導入できる。更に3,3′−ジアリル−4,4′−ジハ
イドロキシプロパン等のアリル基、フェノール性OH基を
それぞれ2個有するフェノール化合物を用いた場合には
より多官能の硬化剤として作用するためより強固な架橋
構造を形成することができる。この場合には未反応成分
は2官能硬化剤として作用するためこれを除去する必要
がなく、ロール作業性、スパイラルフロー等、作業性を
向上させうことができる。
そして更にフェノール、クレゾール、キシレノール、
p−置換のフェノールの各誘導体とアリルフェノールと
をホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、サリチルアル
デヒドなどのアルデヒドあるいはケトン系化合物と酸性
触媒の存在下で縮合反応せしめて得られるフェノール類
ノボラック樹脂を用いた場合には、より多官能硬化剤と
しての架橋構造への寄与効果もさることながら、アリル
フェノールの仕込量を変えることでアリル基含有量を必
要に応じて操作することが可能であるという利点を有す
る。
そしてまた、フェノール、クレゾール、キシレノー
ル、p−置換のフェノールの各誘導体とホルムアルデヒ
ド、アセトアルデヒド、サリチルアルデヒドなどのアル
デヒドあるいはケトン系化合物とを酸性触媒の存在下で
縮合反応せしめて得られるフェノールノボラック類をハ
ロゲン化アリルでアリルエーテル化した後にクライゼン
転移を生じせしめて得られるアリル基含有フェノール類
ノボラック樹脂を用いた場合には、多官能硬化剤として
の架橋構造への高寄与、アリル基存在量の自由度という
こと以外に、必要特性に応じて原料フェノールノボラッ
ク類を自由に選ぶことができる。またこの硬化剤自身の
分子量分布が原料フェノールノボラック類の分子量分布
にほぼ対応したものとして得られるので、原料選択によ
って必要に応じた分子量分布の硬化剤を得ることが可能
でる。これらは2種以上含まれていても何ら支障はな
い。
本発明に用いられるモノマレイミド化合物としては式
(I)で示される。
(式中R1は水素原子または水酸基、Arは炭素数6〜20の
二価の芳香族残基を表す。) 具体例としては、N−フェニルマレイミド、N−(2
−メチルフェニル)マレイミド、N−(2−エチルフェ
ニル)マレイミド、N−(2,5−ジメチルフェニル)マ
レイミド、N−(4−ハイドロキシフェニル)マレイミ
ド、N−(2−メチル−4−ハイドロキシフェニル)マ
レイミド、N−(2−エチル−4−ハイドロキシフェニ
ル)マレイミド、N−(2,5−ジメチル−4−ハイドロ
キシフェニル)マレイミド等を挙げることができる。こ
れらはモノマレイミド化合物であれば2種以上含まれて
いても何ら支障はないが、硬化物の架橋密度を高め、耐
熱性の向上を図るためにはN−(4−ハイドロキシフェ
ニル)マレイミド、N−(2−メチル−4−ハイドロキ
シフェニル)マレイミド、N−(2−エチル−4−ハイ
ドロキシフェニル)マレイミド、N−(2,5−ジメチル
−4−ハイドロキシフェニル)等のフェノール性OH基を
持つ化合物が好適である。
本発明では前記アリル基含有フェノール化合物とモノ
マレイミド化合物とを予め反応させてプレポリマー化す
ることが肝要である。このプレポリマー化によってマレ
イミド成分はエポキシ硬化剤成分として硬化物中に強固
な結合を形成しながら均一に分散し、硬化物の耐熱性を
向上させることが出来る。
プレポリマー化の反応はアリル基の炭素−炭素二重結
合へのマレイミド基の炭素−炭素二重結合の付加反応で
あり、アリル基1当量に対しマレイミド基が1〜3当量
の割合で付加させることが出来る。従って硬化物の耐熱
性とプレポリマーの軟化温度とを勘案して両者の反応比
を決定すれば良いが、好ましくはマレイミド基/アリル
基の比が0.5ないし3.0の範囲である。この比が0.5より
小さい場合、エポキシ樹脂組成物中に導入できるマレイ
ミド成分の割合が小さくなり、硬化物の耐熱性向上の効
果が小さい。また、未反応アリル基の残存量も多くなり
好ましくない。一方、この比が3.0より大きいとプレポ
リマー化反応に関与しないマレイミド成分の量が多くな
り、エポキシ樹脂組成物の硬化が著しく遅くなる。
マレイミド成分配合量としてはアリル基含有フェノー
ル化合物100重量部に対して10〜500重量部が適切であ
る。10重量部以下ではマレイミドの添加効果が小さく、
500重量部以上では作業性、硬化性が悪化する。
プレポリマー化の反応は無溶剤、溶剤系のどちらでも
行うことが出来る。前者の場合は、両化合物を加熱熔融
させた状態で撹拌することにより円滑に反応は進行す
る。通常150〜200℃の加熱下30分〜6時間で完結する。
また、後者の場合は両化合物を溶融する溶剤を用いて還
流下30分〜12時間反応させれば充分である。
この反応は無触媒で進行させることが出来るため、触
媒の添加は必要でない。むしろ触媒の存在によりマレイ
ミド基の単独重合が進行したり、あるいは最終硬化物の
耐湿性を低下させる原因となるので好ましくない。
プレポリマーの反応は完結させることが望ましいが、
プレポリマーの低軟化点化を重視する場合には、ある反
応率以上の時点で停止させることが出来る。これは最終
硬化物を成形した後、反応を完結させるために後硬化と
して加熱処理を施すのが半導体封止材料の場合通常であ
り、本発明に於いてもこの後硬化の時点で未反応マレイ
ミド基とアリル基との反応が完結することが確認されて
いるからである。成形時の硬化性と硬化時の反応完結性
を勘案すると、このプレポリマー化反応の反応率はなる
べく高い方が好ましいが、作業性を非常に重視する場合
には40〜50%程度にとどめておくことが望ましい。
本発明では必要に応じて硬化剤成分としてフェノール
ノボラック類を配合することが可能であり、具体例とし
てはフェノール、クレゾールキシレノール、p−置換の
フェノールの各誘導体と、ホルムアルデヒド、アセトア
ルデヒドなどのアルデヒド、サリチルアルデヒドあるい
はケトン系化合物とを酸性触媒の存在下で、縮合反応せ
しめて得られるものである。これらは硬化剤成分として
の前記A成分を補う形で配合されるものであり、使用し
なくてもよい。
本発明に用いる多官能エポキシ化合物としては例えば
ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、等の2官能
のエポキシ化合物からエポキシ化o−クレゾールノボラ
ック、等の3官能以上のエポキシ化合物が挙げられる。
これらは2種以上含まれていても何ら支障はない。
本発明に用いられる多官能マレイミド化合物としては
一般式(V)示される化合物及びこれを前記アリル化合
物で変性せしめたプレポリマーである。
(但しn≧0、R6は、−OH、−H、−R7は−Hまたは炭
素数1〜6の一価の脂肪族残基を表し、R8は−CH2−,
−O−,−SO2−,−S−,S2−, −O−C6H4−O−C6H4−,またはベンゼン核同士が直接
結合していることを示すものであり、かつ上記多結合基
の1種またはそれ以上の結合基の混合でベンゼン核同士
が結合していることを示す。) これらの多官能マレイミド化合物としては例えばN,
N′−4,4′−ジアミノフェニルメタンビスマレイミド、
N,N′−4,4′−ジアミノジフェニルエーテルビスマレイ
ミド、N,N′−4,4′−ジアミノジフェニルスルホンビス
マレイミド、N,N′−2,2′−ジ(p−アミノフェニル)
プロパンビスマレイミド、N,N′、N″、N−3,4,
3′,4′−テトラアミノ−ジフェニルメタンテトラマレ
イミドとか、アニリンとホルムアルデヒドから得られる
アニリン樹脂等の芳香族ポリアミンをマレイミド化した
ポリアレイミド等を挙げることができる。これら多官能
マレイミド化合物は、アリル化合物等で予め変性してお
いて用いることも可能である。
上記多官能マレイミド化合物の硬化反応への寄与はあ
くまでも補助的であり、主たる硬化反応は通常のエポキ
シ化合物の反応である。モノマレイミドとアリル化合物
とのプレポリマーが作業性を重視するために反応率を40
〜50%程度にとどめられた未反応成分が多いものであ
り、硬化触媒がマレイミド基の重合触媒としては活性の
低い有機ホスフィン類である場合には、成形及び後硬化
時でのマレイミド基とアリル基の反応、マレイミド基同
士の重合についてその反応性の低さが問題になるが、こ
の系に多官能マレイミド化合物を添加すると、その多官
能性を持つ骨格構造の寄与により、低反応性を補い、実
用上充分に堅固な架橋構造が形成された硬化物を得るこ
とができる。また、これら多官能マレイミド化合物をア
リル化合物等で予め変性しておくことは、作業性向上
と、多官能性を持つ骨格構造の寄与を更に増幅するため
にも有効である。
尚、配合量としては、樹脂成分100重量部中10〜40重
量部配合することが望ましい。10重量部以下では添加効
果が薄く、40重量部以上では作業性、硬化性が悪化す
る。
本発明に用いる無機質充填剤としては、シリカ粉末、
アルミナ、三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム水和
物、酸化チタン等が挙げられ、これらを単独または2種
以上混合して用いることが可能である。これら無機充填
剤のうち半導体封止材料としてはシリカ粉末が好んで用
いられる。尚、配合量としては、樹脂成分100重量部に
対して50〜600重量部配合することが好ましい。50重量
部以下では硬化組成物の性能が不十分であり、600重量
部以上では成形性が悪化してしまい実用に適さない。
本発明に用いられる硬化触媒は、硬化物の耐湿性を重
視する観点から有機ホスフィン類が好適である。有機ホ
スフィン類は例えばトリフェニルホスフィン、トリブチ
ルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、メチル
ジフェニルホスフィン、ブチルフェニルホスフィン、ジ
フェニルホスフィン、フェニルホスフィン、オクチルホ
スフィン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタ
ン、及びビス(ジフェニルホスフィノ)メタン等が挙げ
られる。
上記有機ホスフィン化合物の配合量は樹脂成分全体10
0重量部に対して0.5〜3.0(好ましくは1.0〜2.0)重量
部が適当である。0.5重量部未満であれば、硬化速度が
著しく低下し成形及びポストキュアーに長時間を要す
る。3.0重量部を越えると流動性の低下を引き起こし、
作業性が悪化する。
また、これらの必須成分以外のものとして成形材料化
に際して各種滑剤、難燃化剤、離型剤、シランカップリ
ング剤等を適宜配合添加することができる。
本発明の半導体封止用樹脂組成物を成形材料として製
造する場合の一般的な方法としては、これらの必須成分
に各種添加剤を加えて均一に混合した組成物をニーダ
ー、熱ロール等により混練処理を行い、冷却後粉砕して
成形材料とする。
得られた成形材料を半導体封止用として用いれば高耐
熱性を有し、しかもエポキシ樹脂の諸特性を低下させて
いない非常に信頼性に優れた封止用樹脂組成物を得るこ
とができる。
上記手段を用いることにより、エポキシ樹脂の諸特性
を低下させることなく高耐熱性を有し、半田浸漬後の信
頼性に優れた半導体封止用のエポキシ樹脂組成物を得る
ことができる。
これらの特性を得られる要因としては、 高耐熱性を有するイミド系ユニットを含有するため
に、エポキシ樹脂系としては非常に高い耐熱性を発揮す
る。
イミド系ユニットが予め硬化剤分子内に組み込まれて
いるために、イミド成分が分離することなく樹脂全体と
して均質な硬化物を与えることができる。
モノマレイミド化合物のマレイミド基は予め硬化剤中
のアリル基と充分に反応せしめられており、樹脂の硬化
反応自体は主として通常のエポキシ樹脂と同様にグルシ
ジル基とフェノール性水酸基との間で行われるため、エ
ポキシ樹脂のもつ優れた硬化性、高耐湿性を損なう事な
く高耐熱性を付与している。
多官能マレイミド化合物を系中に含めため、成形及び
後硬化時に形成される架橋構造がより堅固なものとな
り、強度が向上する。
各種エポキシ主剤及びその他の樹脂との配合、反応が
容易なことから、これらを配合、反応させて望みの作業
性、硬化物の諸特性を付与させることが可能である。
有機ホスフイン系の硬化触媒で充分に硬化できるの
で、耐湿性の面でも有利である。
(実施例) 参考例1〜8(イミド基含有フェノール化合物の合成) N−(4−ハイドロキシフェニル)マレイミド(三井
東圧製)とo−アリルフェノール、3,3′−ジアリル−
4,4′−ジハイドロキシプロパン(三井東圧製)、アリ
ル基含有フェノール化合物a、アリル基含有フェノール
化合物bを表1に示す割合、条件にて加熱反応し、イミ
ド基含有フェノール化合物を合成した。
実施例1〜6(封止用樹脂組成物の配合、成形、及び性
能評価) 参考例1〜6で得たイミド基含有フェノール化合物、
多官能マレイミド化合物を用い、表2に示す組成で配合
し、熱ロールで混練して成形材料を得た。
得られた成形材料をトランスファー成形により180
℃、3分で成形し更に200℃、8時間後硬化を行い評価
した。結果を第2表に示した。
比較例1〜4 参考例7〜8で得たイミド基含有フェノール化合物、
多官能マレイミド化合物を用い、また、イミド基含有フ
ェノール化合物、多官能マレイミド化合物を用いない系
について、表2に示す組成で配合し、実施例1〜6と同
様に成形材料化、成形、後硬化、評価を行った。結果を
第2表に示した。
(発明の効果) 本発明による半導体封止用樹脂組成物を用いた硬化物
は作業性、硬化性に優れ、耐熱性、耐湿性にも優れてい
るため、半田浸漬後の信頼性に優れた性能を発揮する。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 23/31 (C08K 13/02 5:3417 3:00) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 63/00 - 63/10 C08G 59/40 C08G 59/62 H01L 23/29

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】A)アリル基含有フェノール化合物100重
    量部に対し、下記式(I)で示されるモノマレイミド化
    合物を官能基化マレイミド基/アリル基が0.5〜3.0にな
    るように10〜500重量部を反応せしめて得られるイミド
    基含有フェノール化合物。 (式中R1は水素原子または水酸基、Arは炭素数6〜20の
    二価の芳香族残基を表す。) B)多官能エポキシ化合物 C)多官能マレイミド化合物 D)無機質充填剤 E)硬化触媒 を必須成分とすることを特徴とする高耐熱性エポキシ樹
    脂組成物。
  2. 【請求項2】前記A成分のアリル基含有フェノール化合
    物がo−アリルフェノールである特許請求範囲第1項記
    載の高耐熱性エポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】前記A成分のアリル基含有フェノール化合
    物が下記式(II)で表されるビスo−アリルフェノール
    系化合物である特許請求範囲第1項記載の高耐熱性エポ
    キシ樹脂組成物。 (式中Xは直接結合、 の中のいずれかである。)
  4. 【請求項4】前記A成分のアリル基含有フェノール化合
    物が下記式(III)で表されるフェノール類ノボラック
    樹脂である特許請求範囲第1項記載の高耐熱性エポキシ
    樹脂組成物。 (式中R2のいずれかであり、R3は水素原子または炭素数1〜10の
    1価の炭化水素基を表し、m,n=0〜20の整数、但し、
    1≦m+n≦20である。
  5. 【請求項5】前記A成分のアリル基含有フェノール化合
    物が下記式(IV)で表されるトリフェノールアルカン型
    樹脂である特許請求範囲第1項記載の高耐熱性エポキシ
    樹脂組成物。 (式中R4は水素原子または炭素数1〜10の同種または異
    種の1価の炭化水素基を表し、R5はアリル基、水素原
    子、炭素数1〜10の同種または異種の1価の炭化水素基
    を表し、l=1〜10の整数である。)
  6. 【請求項6】特許請求範囲第2項の硬化触媒が有機ホス
    フイン類である封止用樹脂組成物。
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