JP2822170B2 - 小型滑走艇の排気装置 - Google Patents

小型滑走艇の排気装置

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JP2822170B2
JP2822170B2 JP8000499A JP49996A JP2822170B2 JP 2822170 B2 JP2822170 B2 JP 2822170B2 JP 8000499 A JP8000499 A JP 8000499A JP 49996 A JP49996 A JP 49996A JP 2822170 B2 JP2822170 B2 JP 2822170B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は小型滑走艇用エンジンの
排気装置に関するもので、とくに小型滑走艇に搭載する
4サイクルエンジンの排気装置に関する。
【0002】
【従来の技術】小型滑走艇は、水上を滑走する小型の乗
り物である。推進手段としてはウォータジェットポンプ
やスクリューが使用されるが、その駆動用のエンジン
は、吸気系・排気系の装置とともに船底ハルやフードま
たはシート等、いわゆる船体外板にて囲まれた空間のう
ちに搭載されている。
【0003】しかしながら、一人乗り乃至三人乗りの小
型滑走艇においてエンジンが設けられる上記の空間(す
なわちエンジンルーム)は一般にその容積がかなり制限
されている。容積を広くとりすぎると小型滑走艇自体が
大きくなってスピードや旋回性といった特有の運動特性
が低下しがちであり、シートの幅を大きくするなら、そ
れを跨いで乗ることが難しくなる。
【0004】そのため、従来は、小型滑走艇の推進用エ
ンジンとして2サイクルエンジンが使用されている。2
サイクルエンジンはオイルパンやバルブ・動弁機構等を
備えないためにコンパクトで、しかも燃焼頻度からして
出力も高いことから、小型滑走艇には適しているのであ
る。
【0005】なお、小型滑走艇に2サイクルエンジンが
搭載されている例は、たとえば実開平3−61152号
公報に記載がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】近年では、騒音や環境
改善の観点から、小型滑走艇などに関しても4サイクル
エンジンの使用可能性が検討され始めている。
【0007】しかし、4サイクルエンジンは同等の出力
をもつ2サイクルエンジンよりも大型であることから、
推進用機関としてそれを小型滑走艇に搭載するために
は、船体内の空間にどのように配置するかが課題とな
る。そしてその課題は、つぎのような事情により、解決
され難いものである。すなわち、イ ) 小型滑走艇におけるエンジンルームは、2サイクル
エンジンを搭載していた場合と変わることなくその容積
が制限される。とくに、シートの上に人が騎乗するタイ
プの小型滑走艇では、体格の面からシートの幅が制限さ
れるので、シートの下部にあたるエンジンルームの幅も
極めて狭いものになる。
【0008】ロ) 4サイクルエンジンが2サイクルエン
ジンよりも大型であることに加え、吸気サイレンサやキ
ャブレターといった吸気系の装置を、エンジンに対して
一定の条件を満たし、かつあまり離れることのない位置
関係(2サイクルエンジンの場合と同様の関係)に配置
しなければならないという制約がある。つまり、大型の
4サイクルエンジンを、吸気系の装置とほぼ一体的に結
合した一層大きなブロックとしてエンジンルーム内に収
容しなければならない。なお、4サイクルエンジンが大
型になる理由は、吸・排気バルブ(きのこ弁)を備える
ためシリンダ上に大きなスペースが不可欠であること、
一般的な4サイクルエンジンの例に倣ってクランクケー
ス内にオイルを溜めるウェットサンプの潤滑方式をとる
限りは下部にオイルパンとしてのスペースが必要である
こと、2サイクルのものと比べて燃焼頻度が少ないので
出力を同等にするには気筒数や排気量を増さねばならな
いこと−などである。また、吸気系の装置をエンジン
に対してほぼ一体的に結合する必要があるのは、効率
上、燃料の粒子が重力に逆らわずに燃焼室へ入るようそ
れらの装置(とくにキャブレター)がシリンダよりも上
にあるべきで、また吸気抵抗を減らす意味でそれらがシ
リンダに近く設けられるべきだからである。そこで、複
数気筒を備えた4サイクルエンジンを縦一列に配置し、
エンジンルーム内の幅方向の一方に傾斜させ、広いスペ
ース側にキャブレターなどの吸気装置を配置すると、吸
気装置と反対側の狭いスペースに排気管などの排気装置
を配置する必要がある。
【0009】ハ) 推進性能面から4サイクルエンジンの
各気筒の出力を一定にさせることが好ましいが、このた
めには各気筒の排気ポートに接続される排気管の長さを
等しくする必要がある。
【0010】ニ) エンジンルーム内の狭くて制約された
スペースに複数本の排気管を配置する場合、エンジンル
ーム内および排気管の温度上昇を抑えるために、全ての
排気管を冷却する必要がある、また、小型滑走艇は水上
を滑走するため外部水を導入できるから、外部水を利用
した冷却を行うのが有利である。
【0011】本発明の目的は、以上のような課題を解決
できる、小型滑走艇の4サイクルエンジンの排気装置
(とくに排気管の構造)を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明の、船体外板にて囲まれた空間内に搭載さ
、4サイクルエンジンの複数気筒の各排気ポートに接
続される排気管の長さをほぼ等しくした小型滑走艇の駆
動用エンジンにおける排気装置は、A)前記4サイクルエンジンが直列複数気筒エンジンで、
全ての排気管をそれぞれ対応する排気ポートから前記共
通の排気口と反対方向にいったん延ばしたのち、ゆるや
かに屈曲させて方向を前記共通の排気口の向きに徐々に
変更した後に直線状に延ばし、各排気管の終端部を前記
排気口の中心点に対し上下左右に対称的に配置されるよ
うに全ての排気管を集合させて鋳造により一体形成する
とともに 、B)この一体成形した排気管全体の共通の排気口部分を
除く長さを、前記4サイクルエンジンの長さとほぼ等し
くしている
【0013】上記の構成を有する本発明に係る小型滑走
艇の排気装置によれば、4サイクルエンジンの性能がつ
十分に発揮される。なぜなら、上記した前段の構成のと
おり全ての排気管の長さを等しくしたから、各気筒の排
気ポートからの排気の圧力が一定になり、各気筒間で出
力差がなくなり、エンジンの出力が向上する。 4サイク
ルエンジンの排気管は、2サイクルエンジンのそれのよ
うに排気圧脈動を利用した吸気の充填効率向上の観点で
排気ポートの近傍部分を大きく膨らませた、いわゆるエ
キスパンションチャンバー(膨張室)にする必要がない
ことから、上記の構成が比較的容易に実現できるが、全
ての排気管長さをほぼ等しくしただけでは、まだ不十分
な点もあり、本発明の小型滑走艇の排気装置はその点を
考慮したものである
【0014】すなわち、上記A)の構成により、制約され
た範囲内で最大限に排気管の長さを長くでき、排気干渉
がなく、かつ排気ガスの流れもスムーズになって、エン
ジンの出力ロスが生じにくい。しかも、全ての排気管が
コンパクトにまとまり、また上記B)の構成により、全て
の排気管がエンジン本体に隣接して平行に配置されるか
ら、エンジン本体の長さに対応して制約されたスペース
に無理なく配置できるようになる
【0015】また、本発明の小型滑走艇の排気装置で
は、船底ハルやフード・シートなどで囲まれた制限され
た空間のうちに、4サイクルエンジンとその排気管など
がつぎのとおり適切に配置されるとともに、4サイクル
エンジンの性能が十分に発揮される
【0016】すなわち、2サイクルエンジンに比べ高さ
および寸法の大きな4サイクルエンジンとそれに接続す
る排気管とが、船体の、とくに幅方向に寸法が限られて
いる上記の空間内にコンパクトに収容される。なぜな
ら、上記A)の構成により、全ての排気管を鋳造により一
体成形したから、自動車用エンジンの排気装置のように
板金にて形成された全ての排気管が独立分離したものに
比べて、少なくとも隣接する排気管の間のスペースをな
くし、また隣接する排気管の管壁を共通にすることもで
き、コンパクトにまとまる
【0017】請求項2記載のように、C)前記排気管全体
の周囲を筺状のウォータジャケットハウジングで取り囲
み、該ウォータジャケットハウジング内に冷却水を流通
して前記各排気管を冷却するとよい
【0018】請求項2の排気装置によれば、上記C)の構
成により、排気管全体が冷却水で冷却されるから、高温
の排気ガスで晒される排気管の温度上昇が抑えられる。
またウォータジャケットハウジングは排気管の全体を覆
うことができる大きさをもつ筺体にすれば済むから、ウ
ォータジャケットの構造が極めて簡単になる。とくにウ
ォータジャケットハウジングはエンジン本体に隣接して
設置することになるから、エンジンを冷却するための冷
却水をウォータジャケットハウジングに簡単に導入でき
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の小型滑走艇の排気
装置についてその実施の形態を図面に基づいて説明す
る。
【0020】図1〜図6に本発明の一実施例を示す。こ
の例は小型滑走艇とこれに搭載される4サイクルエンジ
ンの排気装置に関するもので、図1は船体内部を透視し
て示す小型滑走艇の全体概要側面図、図2は小型滑走艇
やエンジンなどを船体後方から見た横断面図(図1にお
けるII−II断面図)、図3は排気装置を側方から見た縦
断面図、図4は図3の排気装置を上方から見た横断面
図、図5は図3のV−V断面図、図6(a)〜(h)は図3
のa〜hの各位置における断面図である。
【0021】小型滑走艇1はレジャーを主目的とする水
上の乗り物で、図1に示すように、船底ハル2の上にフ
ード3やシート4、ハンドル5などを取り付けて一人〜
三人が搭乗できるようになっている。推進手段としては
船体の下部後方にウォータジェットポンプ45を備えて
おり、それにて加圧し噴出するウォータジェットにより
推進力を得て水面上を滑走する。ウォータジェットを形
成するためのポンプ45はエンジン6により駆動される
が、そのエンジン6は、吸気装置10(図2)などとと
もに船体の前後ほぼ中央で船底ハル2やフード3・シー
ト4などに囲まれた船体内の空間(エンジンルーム)に
搭載されている。エンジン6の出力は弾性継手を介して
駆動軸44へ伝えられ、その駆動軸44がポンプ45
(のインペラ)を回転させるのである。
【0022】エンジン6としては、図1・図2に示すよ
うに4サイクル・直列4気筒のものを搭載している。こ
のエンジン6は、運転時の振動が船体に直接伝わらない
ように、図2に示すように船底ハル2の上にダンパー2
0を介して支持パイプ20aを架設し、この支持パイプ
20a(長手方向に複数本配置する)にエンジン6を取
り付けている。エンジン6の上部にはシリンダヘッド2
1があり、それより下にシリンダ25やクランクケース
29・オイルパン34が備わっている。シリンダヘッド
21のうちには吸気ポート22と排気ポート23があ
り、各ポート22・23を開閉するバルブとともに、カ
ムやタイミングチェーンなどの動弁機構24が組み込ま
れ、点火プラグ21aも取り付けられている。吸気ポー
ト22の上流側には吸気サイレンサ11やキャブレター
12を含む吸気装置10が接続され、排気ポート23の
下流側には排気管(排気マニホールド)71〜74や消
音器77、水マフラ81などの排気装置7が接続されて
いる。また、シリンダ25の内側には、クランク軸28
に連結されたピストン26が上下に摺動可能なように配
置されており、クランク軸28は、軸受を介してクラン
クケース29により支えられている。そしてクランクケ
ース29の最低部分には、オイルを溜めるオイルパン3
4が密に取り付けてあり、その窪みになった下部に円筒
状のストレーナ35が配置され、それが給油ポンプ(図
示せず)に接続されている。なお、クランク軸28には
発電機やスタータなどが接続されている。以上に述べた
点は、ごく一般的な4サイクルエンジンの構成ととくに
異なるものではないが、上部に動弁機構24などを備え
ていて下部にもオイルパン34を有することから、この
4サイクルエンジン6は2サイクルエンジンに比べて高
さ寸法がかなり大きく、また4気筒であるうえオイルパ
ン34に幅があることから水平方向にも相当に大きい。
【0023】小型滑走艇1のエンジンルーム8内には、
以上のように大型で重量もある4サイクルエンジン6
を、図1のとおり推進用の機関として搭載している。容
積の限られた小型滑走艇1の船体のうちに4サイクルエ
ンジン6を搭載する場合、次のような課題を解決する必
要がある。すなわち、従来一般に搭載されていた2サイ
クルエンジンに比べて4サイクルエンジン6はかなり大
型であるため、上方の接近した位置に配置されるべき吸
気装置10(図2)などとともに船体内に適切に配置す
ることが難しい、また4サイクルエンジン6は重いた
め、小型滑走艇1における重量配分、とくに船体の左右
いずれかにエンジン6の重量が偏らないように配慮する
必要がある−といった課題である。その点、本例では
以下のような構成をとることにより、かかる課題を解決
している。
【0024】まず上記の課題に対しては、4サイクルエ
ンジン6と吸気装置10などを船体内に図2のように配
置するものとしている。すなわち、4気筒のエンジン6
をいわゆる縦置き(クランク軸28を船体の前後方向に
向け、シリンダ25をそれに沿って並べる)としてその
クランク軸28を船体幅の中央に位置させるとともに、
当該エンジン6の全シリンダ25を船体の右側(進行方
向右側)へ傾斜させ、その反傾斜側である船体左側に吸
気装置10を配置する。また排気装置7のうち消音器7
7や水マフラ81などは、図1のように船体内のうちエ
ンジン6の位置よりも後方に配置している。
【0025】このようなレイアウトとすることにより、
上記の課題を解決しつつ船体内の狭い空間に4サイクル
エンジン6等を適切に配置することができる。その理由
は次のとおりである。図2のように、クランク軸28の
位置から上に延びる4つのシリンダ25をすべて右側へ
傾斜させることにより、吸気装置10を配置できる空間
が反傾斜側に確保される。シリンダ25の斜め上に相当
するその反傾斜側の空間内に吸気装置10を配置する以
上は、キャブレター12等をシリンダ25に対して上方
に、かつ近づけて設けることも容易である。
【0026】ところで、上記のようにエンジン6を船体
右側に傾斜させたレイアウトとしたことにより、エンジ
ンルーム8内においてエンジン6の右側に、図2のよう
に船体の幅方向には狭いが長さ方向には長いスペースS
が生じる。そこで、このスペースSに、エンジン6の各
排気ポート23に接続される排気管71〜74を配置す
ることにした。小型滑走艇1に搭載される4サイクルエ
ンジン6の排気管71〜74については、次のような課
題を解決する必要がある。すなわち、制約された上記
スペースSに4本の全ての排気管71〜74を無駄な
く、かつバランスよく収納する必要がある、消音器7
7や水マフラ81は4本の排気管に共通のものを使用す
るのが、設置スペースや経済面から有利であるから、4
本の排気管71〜74の終端部分では1本に集合する必
要があり、またエンジン6の右側のスペースSは排気管
71〜74だけでも一杯であるから、排気管71〜74
の終端部分はエンジン6の後方へ向け、消音器77や水
マフラ81をエンジン6の後方のスペースに設けるのが
望ましい、4サイクルエンジン6の複数の各気筒の出
力は、排気管71〜74の長さの長短に左右され、また
排気管71〜74の長さが短か過ぎると、他の気筒の排
気ガスが干渉して悪影響を及ぼすおそれがあるから、排
気管71〜74の長さは等しくし、しかも長さを十分に
とる必要がある、本例の小型滑走艇1のように、エン
ジンルーム8がシート4下方の密閉された空間でしかも
狭い場合には、排気管71〜74の温度上昇を抑えるた
め、冷却する必要がある、排気管71〜74を冷却す
る場合に、水上を走行する小型滑走艇1は常に水と接し
ているから、外部水を利用した冷却が好適でかつ冷却能
力も高いが、4本の排気管71〜74を冷却しようとす
ると、ウオータジャケットの構造が複雑になる−とい
った課題である。そして、本例では以下のような構成を
とることにより、かかる課題を解決している。
【0027】まず上記〜の課題に対しては、図3〜
図6に示すように、4気筒の各排気ポート23に接続さ
れる排気管71〜74の長さを等しくするとともに、各
排気管71〜74の終端部分を徐々に集合して共通の排
気口部75にし、全ての排気管71〜74を鋳造により
一体的に成形している。すなわち、4本の排気管71〜
74をそれぞれ対応する排気ポート23から終端部分の
共通の排気口部75と反対方向(前方)にいったん延ば
した後、ゆるやかに屈曲させて徐々に共通の排気口部7
5の方向(後方)に変更した後にエンジン6本体と平行
に直線状に延ばし、各排気管71〜74の終端部を共通
の排気口部75の中心点O(図5参照)に対し上下左右
に対称的に配置されるように各排気管71〜74を一体
に集合し、全排気管71〜74の終端部分の共通の排気
口部75を含めて鋳造により一体成形している。
【0028】より詳しくは、最前端の排気ポート23に
接続された排気管71は、エンジン6(図2)本体に近
接した位置(図7(a))において、図7(b)に示すよう
に下方から前方および上方へJの字状にゆるやかに屈曲
させた後、4つの排気ポート23の上側を一直線状に後
方へ延ばし、最後端の排気ポート23のすぐ後方で下方
にゆるやかに屈曲させ、排気ポート23のすぐ下方で後
方へ向けゆるやかに屈曲させて徐々に集合して共通の排
気口部75にしている。前方から2番目の排気ポート2
3に接続された排気管72は、エンジン6本体から離れ
るように延ばし、その離間位置(図8(a))において、
図8(b)に示すように前方および下方に向けてゆるやか
に屈曲させ、エンジン6本体の最下位置を後方に向け直
線状に延ばした後、最後端のすぐ後方でやや上方にゆる
やかに屈曲させ、さらに後方へゆるやかに屈曲させて後
方へ延ばし、徐々に集合して共通の排気口部75にして
いる。
【0029】前方から3番目の排気ポート23に接続さ
れた排気管73は、エンジン6本体に近接した位置(図
9(a))において排気ポート23のすぐ下方の位置を前
方へ延ばした後、エンジン6本体から離れるように屈曲
させてその離間位置(図9(a))において、図9(b)
に示すように後方に向け直線状に延ばし、徐々に集合し
て共通の排気口75にしている。最後端の排気ポート2
3に接続される排気管74は、エンジン6本体に近接し
た位置(図10(a))において排気管73のすぐ下方の
位置を前方へ延ばした後、エンジン6本体から離れるよ
うに屈曲させてその離間位置(図10(a))において、
図10(b)に示すように後方に向け直線状に延ばした
後、エンジン6本体に近接させ、その近接した位置(図
10(a))において後方へ直線状に延ばし、徐々に集
合して共通の排気口部75にしている。
【0030】上記の構成からなる全ての排気管71〜7
4は、排気ポート23との接続位置から共通の排気口部
75までの終端部分までの長さが同一である。そして、
排気管71〜74および排気口部75をアルミニウム合
金を用い、砂型鋳造により一体成形している。また、図
7(b)・図8(b)・図9(b)・図10(b)のように各排
気管71〜74の開口端周囲にはフランジ71c〜74
cを形成し、エンジン6本体との接続用ボルト穴71d
〜74dを多数穿設している。
【0031】共通の排気口部75は、図6(a)のように
完全に独立した4つの円形の排気口75’から、図6
(b)〜(g)のように徐々に左右の上下に分離した排気口
をそれぞれ共通の排気口にしていき、最後端において図
6(h)のように半円形の2つの排気口75”にしてい
る。そして、排気口部75の後端部内に、図3のように
円形の排気管76を接続している。
【0032】また上記・の課題に対しては、排気管
71〜74全体の周囲をウォータジャケットハウジング
9で取り囲み、このウォータジャケットハウジング9内
に冷却水を流通させて各排気管71〜74を冷却するよ
うにしている。すなわち、上記のようにして一体形成さ
れた排気管71〜74および排気口部75の周囲には、
図3・図5に示すようにそれらの部材を覆う筺体状のウ
ォータジャケットハウジング9を装着している。ウオー
タジャケットハウジング9は、本例では図5のように対
向する面がほぼ平行な断面略六角形のアルミニュウム合
金板製で、上記排気管71と72の直線部分に板状の突
起71aおよび72aを突設し、これらの突起71a・
72aにてウオータジャケットハウジング9の上下部分
を溶接により支承している。また排気管71〜74を一
体成形する際に、図7(a)に示すように内側の排気管壁
から多数のボス70を突設し、これらのボス70に対し
スタッドボルト70a(図2)にてウオータジャケット
ハウジング9を固定している。さらにウオータジャケッ
トハウジング9の後端部は、円筒形にして一端を開口
し、この開口端部91を排気口部75の後端肉厚部75
aの外周面に嵌着している。後端肉厚部75aには、図
2のように円弧状の長穴75bを円周方向に等間隔に穿
設し、長穴75bと長穴75bの間にネジ穴75cを適
宜設けている。上記の排気管76は、図3のように前端
部に一体に装着したフランジ76aを利用し、貫通する
複数のネジ76bをネジ穴75cに螺合して締め付ける
ことにより、排気口部75の後端に取り付けている。
【0033】図3に示すように排気口部75の後端部に
は、前端を開口した円筒形の消音器77の開口部77a
が相対向して配置され、蛇腹状の弾性リング78により
消音器77が接続されている。消音器77の後端面は後
方へ向け凸状の半球面77bに形成され、排気管76が
消音器77内の中心部に挿入されている。消音器77
は、図1のようにその前端部の下部に一端が接続された
接続パイプ79により、その左側に隣接して固設された
水マフラ81の前端に接続されている。図示は省略する
が、水マフラ81内は複数の部屋に仕切られ、その後端
部内に挿入された排気出口管82により、排気ガスとと
もに冷却水が排出される。前記ウオータジャケットハウ
ジング9には、本例ではエンジン6のシリンダ25やシ
リンダヘッド21のウオータジャケットを流通する冷却
水をホース(図示せず)を介して流入し、排気管71〜
74を冷却するようにしている。また消音器77内に
は、ウオータジャケットハウジング9内の冷却水が長穴
75bを通って流入するとともに、排気ガスが排気管7
6から流入する。消音器77内に流入した冷却水と排気
ガスは接続パイプ79から水マフラ81へ送られ、排気
出口管82により外部へ排出される。なお、消音器77
内に冷却水が流入した状態で、仮に小型滑走艇1が横転
した場合にも、冷却水が消音器77の内周壁に沿って移
動し、冷却水は常に排気管76の出口から離れて位置す
るので、冷却水が排気管76から排気管71〜74等に
侵入することはない。
【0034】さて、上記した例では、排気管71〜74
およびこれらに共通の排気口部75は、アルミニュウム
合金にて一体成形され、ウオータジャケットハウジング
9は排気管71〜74に一体に固定される。このため、
排気管71〜74およびウオータジャケットハウジング
9はエンジン6の振動に伴って一体的に振動することに
なる。一方、消音器77は水マフラ81とともに船底ハ
ル2上に直接に固設する。このため、エンジン6の運転
時に、消音器77に対して排気口部75や排気管76等
がウオータジャケットハウジング9とともに振動するこ
とになる。そこで、それらの振動が消音器77に伝わら
ないように弾性リング78を介して消音器77に接続し
ている。また排気管76の振動時に、排気管76が消音
器77と干渉しないように図3の如く、開口部77aの
内径を排気管76の外径よりもかなり大きくしている。
【0035】上記した本例の排気装置を備えた小型滑走
艇1では、4サイクルエンジン6の各気筒の排気ポート
23からの排気ガスが、それぞれ対応する排気管71〜
74を通って排気口部75より排気管76を通って消音
器77内に排出される。同時に各排気管71〜74は内
部を通る高温の排気ガスにより加熱されるが、エンジン
6のウオータジャケットからの冷却水がウオータジャケ
ットハウジング9内を流通して排気管71〜74を冷却
したのち、排気口部75の周囲を通って消音器77内に
流入する。この結果、排気管71〜74および排気口部
75の温度上昇が抑えられる。また2サイクルエンジン
よりもかなり大型である4サイクルエンジン6を、船体
外板で囲まれた狭いエンジンルーム8内に適切に配置す
ることができる。つまり、エンジン6の全シリンダ25
を船体の一方の同じ側へ傾斜させることによって吸気装
置の配置スペースを確保できるので、4サイクルエンジ
ン6とそれに付属する吸気装置10とを、好ましい一体
的な位置関係を満たしながら、エンジンルーム8内にコ
ンパクトに収容できる。これに加えて、エンジン6を傾
斜させた側(吸気装置10と反対側)の、より狭いスペ
ースSに、全ての排気管71〜74およびそれらのウオ
ータジャケットハウジング9を収納できる。しかもウオ
ータジャケットハウジング9の構造が単純で簡素になる
だけでなく、消音器77との接続のための構造も簡単に
なる。さらに4サイクルエンジン6の各気筒25の排気
ポート23に接続される排気管71〜74は、長さが十
分に得られ排気干渉が起こらないだけでなく、全ての長
さが同一であるから、各気筒25の出力に差異がなく、
安定した出力が得られる。
【0036】上記に本発明の排気装置の一実施例を示し
たが、本発明の排気装置は、例えば小型滑走艇1に搭載
される4サイクルエンジンが複数の気筒を備えたエンジ
ンであれば、4気筒以外でも同様に実施できる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
本発明の小型滑走艇の排気装置には、次のような効果が
ある。
【0038】1) 複数の排気管を鋳造により一体的に成
形したから、、少なくとも隣接する排気管の間のスペー
スをなくせ、また隣接する排気管の管壁を共通にするこ
とができ、コンパクトにまとまる。このため、船底ハル
やフード・シートなどで囲まれた制限された空間のうち
に、2サイクルエンジンに比べ高さおよび寸法の大きな
4サイクルエンジンとその排気管などの排気装置がコン
パクトに配置されるとともに、4サイクルエンジンの性
能が十分に発揮される。
【0039】2) 全ての排気管の長さをほぼ等しくした
から、各気筒の排気ポートからの排気の圧力が一定にな
り、各気筒間で出力差がなくなり、エンジンの出力が安
定してエンジンの性能が十分に発揮される。
【0040】3) 制約された範囲内で最大限に排気管の
長さを長くでき、排気干渉がなく、かつ排気ガスの流れ
もスムーズになって、エンジンの出力ロスが生じない。
しかも、複数本の全ての排気管がコンパクトにまとま
り、また全ての排気管がエンジン本体に隣接して平行に
配置されるから、エンジン本体の長さに対応して制約さ
れたスペースに無理なく配置できる。
【0041】請求項2の小型滑走艇では、さらにつぎの
ような効果もある。すなわち、 4) 排気管全体が冷却水で冷却されるから、高温の排気
ガスにより晒される排気管の温度上昇が十分に抑えら
れ、4サイクルエンジンの設置される船体内の空間の温
度上昇が抑えられる。またウォータジャケットハウジン
グは排気管の全体を覆う大きさの筺体にすればよいか
ら、ウォータジャケットの構造が極めて簡単になる。と
くにウォータジャケットハウジングはエンジン本体に隣
接して設置することになるから、エンジンを冷却するた
めの冷却水をウォータジャケットに簡単に導入できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例にかかる排気装置を備えた、船
体内部を透視して示す小型滑走艇の全体概要側面図であ
る。
【図2】小型滑走艇やエンジンなどを船体後方から見
た、図1におけるII−II断面図である。
【図3】本発明の実施例にかかる排気装置をエンジンか
ら外して、エンジン側から見た側方視縦断面図である。
【図4】図3の排気装置を上方から見た横断面図であ
る。
【図5】図3のV−V断面図である。
【図6】図6(a)〜(h)はそれぞれ図3のa〜hの各位
置における断面図である。
【図7】図7(a)は図4の排気装置のうち最前端の排気
管を斜線で示す横断面図、図7(b)は図3の排気装置の
うち最前端の排気管を斜線で示す縦断面図である。
【図8】図8(a)は図4の排気装置のうち前から2番目
の排気管を斜線で示す横断面図、図8(b)は図3の排気
装置のうち前から2番目の排気管を斜線で示す縦断面図
である。
【図9】図9(a)は図4の排気装置のうち前から3番目
の排気管を斜線で示す横断面図、図9(b)は図3の排気
装置のうち前から3番目の排気管を斜線で示す縦断面図
である。
【図10】図10(a)は図4の排気装置のうち最後端の
排気管を斜線で示す横断面図、図10(b)は図3の排気
装置のうち最後端の排気管を斜線で示す縦断面図であ
る。
【符号の説明】
1 小型滑走艇 6 4サイクルエンジン 10 吸気装置 8 エンジンルーム 9 ウオータジャケットハウジング 71〜74・76 排気管 75 排気口部 77 消音器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F01N 7/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 船体外板にて囲まれた空間内に搭載さ
    、4サイクルエンジンの複数気筒の各排気ポートに接
    続される排気管の長さをほぼ等しくした小型滑走艇の駆
    動用エンジンにおける排気装置であって、前記4サイクルエンジンが直列複数気筒エンジンで、全
    ての排気管をそれぞれ対応する排気ポートから前記共通
    の排気口と反対方向にいったん延ばしたのち、ゆるやか
    に屈曲させて方向を前記共通の排気口の向きに徐々に変
    更した後に直線状に延ばし、各排気管の終端部を前記排
    気口の中心点に対し上下左右に対称的に配置されるよう
    に全ての排気管を集合させて鋳造により一体形成すると
    ともに、 この一体成形した排気管全体の共通の排気口部分を除く
    長さを、前記4サイクルエンジンの長さとほぼ等しくし
    ことを特徴とする小型滑走艇の排気装置。
  2. 【請求項2】 前記排気管全体の周囲を筺状のウォータ
    ジャケットハウジングで取り囲み、該ウォータジャケッ
    トハウジング内に冷却水を流通して前記各排気管を冷却
    するようにした請求項1記載の小型滑走艇の排気装置。
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JPH0726545B2 (ja) * 1985-10-25 1995-03-29 ヤマハ発動機株式会社 自動二輪車の排気装置
JPH0544507Y2 (ja) * 1988-10-27 1993-11-11

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