JP2821367B2 - 真正さがチェックされるカード状の被検出物とその製造方法 - Google Patents

真正さがチェックされるカード状の被検出物とその製造方法

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JP2821367B2
JP2821367B2 JP6128878A JP12887894A JP2821367B2 JP 2821367 B2 JP2821367 B2 JP 2821367B2 JP 6128878 A JP6128878 A JP 6128878A JP 12887894 A JP12887894 A JP 12887894A JP 2821367 B2 JP2821367 B2 JP 2821367B2
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card
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、銀行カードやクレジ
ットカード、プリペイドカード、有価証券、商品券、乗
物券等の各種券類のように、偽造を防止する必要があり
かつ真正さがチェックされるカード状の被検出物とその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】書類等の真正さをチェックするための手
段として、特開平5-270181号公報あるいは特許出願公表
昭63-501250 号(USP 4,820,912号)に見られるよう
に、マイクロ波を用いたチェック方法と装置が公知であ
る。上記先行技術は、書類等の中にランダムに分布され
た多数のステンレススチール等の金属線にマイクロ波を
入射させ、応答マイクロ波束に応じた固有のディジタル
マークを、一定のルールで書類の適宜箇所に記録してい
る。そして書類の真正さを判断する際には、書類にマイ
クロ波を入射させるとともに、応答マイクロ波束と上記
ディジタルマークとを照合することにより、両者が一致
した時に、本物であると判断している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記先行技術のような
マイクロ波を用いるチェック手段では、応答マイクロ波
束を計測する際に、外部ノイズの影響を受けやすいた
め、SN比が悪くなる。また上記先行技術の装置はマイ
クロ波を発振するため、ノイズ源になることも考えられ
る。更に、マイクロ波の発信器および受信器は一般に大
形であり、コストも高い。
【0004】また、例えば紙のように薄い被検出物に金
属線を混入すると金属線が表面に露出するおそれがあ
る。金属線が露出すると外観上目立つため、セキュリテ
ィ性の点で好ましくない。しかも金属線が含まれた被検
出物をカッタによって所望の大きさに切断する場合、金
属線の一部が被検出物の切断面から飛び出たり、カッタ
の寿命が著しく短くなるといった問題がある。金属線は
被検出物に印刷や着色を施す際の障害になるし、錆が生
じることもある。
【0005】また被検出物が折曲げられた時に、金属線
が折れたり屈曲することによって被検出物の表面に突出
したり、金属線の分布状態が被検出物の作成時と異なっ
てしまい、コードの照合が不可能になるおそれがある。
これらの問題は、金属線の線径をより細くすることで多
少改善されるが、根本的な解決策にはなり得ない。ま
た、金属線を細くすることはSN比が悪化する原因にな
るだけでなくコストアップにつながるため現実的でな
い。なお、特開昭50−69999号公報に記載されて
いる粒子のように、繊維の外表面にメッキ,蒸着,吹
付,印刷等のコーティング手段によって磁性材料を成層
し、この粒子を文書中の走査領域に混入し、走査領域中
の上記粒子の数を磁気的にカウントすることにより、文
書等のチェックを行うことも提案されている。しかしな
がら、このように繊維の外表面に磁性材料(金属層)を
コーティングした粒子は、むくの金属線を埋設する場合
と同様に、紙やプラスチックなどの基材に対して粒子の
外表面の相性が悪く、両者がなじみにくいため、粒子が
基材から剥離したり、粒子が基材表面にささくれ立つお
それがある。しかも金属でコーティングされた粒子を紙
やプラスチックなどの基材に埋設した場合、外観上、粒
子が目立つようになるため、セキュリティ性の点でも好
ましくないし、被検出物を曲げたときにコーティング層
が割れて検出波形が変化することもある。またこの粒子
のように表面に磁性材料を均一にコーティングしたもの
は、個々の粒子が均一な特性をもつようになり、しかも
この粒子の数を単にカウントしているに過ぎないから、
偽造を試みる者が粒子の配列を本物と同じにすることで
カウント数が本物と一致してしまう可能性があり、比較
的容易に偽造されてしまう。
【0006】従って本発明の目的は、金属線を埋設する
場合に見られるような問題を回避することができ、セキ
ュリティ性が高くかつSN比の高いカード状の被検出物
とその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を果たすため
に開発された本発明の被検出物は、所定の大きさに形成
された合成樹脂または紙製のカード基体と、上記カード
基体に積層されるとともに所定位置に走査領域が設定さ
れる磁性ポリマー混入層とを有し、上記磁性ポリマー混
入層は、合成樹脂または紙を主体とする非磁性材料製の
基材と、上記基材の走査領域中に不特定多数の方向を向
くようにランダムに混入された素子であって高分子材料
からなる繊維状の素子本体に磁性金属粉を混入した多数
の磁性ポリマー素子とを具備し、上記走査領域中の磁性
ポリマー素子に含まれている上記磁性金属粉に応じて得
られる固有の検出信号に関する情報をコード化して記録
するコード表示部を具備している。
【0008】上記走査領域中の磁性ポリマー素子に応じ
て得られる固有の検出信号に関する情報がコード表示部
に記録される。このコード表示部としては、例えば磁気
ストライプのように磁気的に読取り可能な記録媒体、あ
るいはバーコードのように光学的に読取り可能な記録媒
体が採用されるが、場合によってはホストコンピュータ
等のメモリに記憶するようにしてもよい。その場合に
は、磁気ストライプ等を省略できる。
【0009】磁性ポリマー混入層の基材が紙を主体とす
るものである場合、基材のパルプ繊維と一緒に磁性ポリ
マー素子をすき込むとよい。また、基材が合成樹脂を主
体とするものである場合には、合成樹脂中に磁性ポリマ
ー素子がランダムに埋設される。
【0010】上記磁性ポリマー素子の素子本体に使われ
る高分子材料の一例は、アクリル樹脂である。上記磁性
金属粉として例えばパーマロイ,センダスト,Co系ア
モルファス,ソフトフェライトなどのように磁気的に軟
質な高透磁率磁性材料からなる粉体、あるいは、例えば
フェライトやSm−Co合金,Nd合金等のように磁気
的に硬質な高保磁力材料からなる粉体が適している。磁
性金属粉に高保磁力材料を使う場合には、磁性ポリマー
素子を予め着磁させておくことができる。
【0011】また必要に応じて、上記磁性ポリマー素子
の外周面全体が上記基材と同系色のコーティング層で覆
われる。コーティング層は、例えば酸化チタン等によっ
て白色にしたものである。あるいは、磁性ポリマー素子
自体に上記基材と同系色の顔料(例えば酸化チタン等)
を含有させてもよい。カード基体の表面は、必要に応じ
て、透明な合成樹脂製の保護層(オーバーレイフィル
ム)で覆われている。
【0012】
【作用】被検出物を作成するための作成プロセスにおい
て、少なくとも磁性ポリマー混入層の走査領域に上記磁
性ポリマー素子をランダムに多数混入しておき、この走
査領域を磁気的に走査することによって得られる固有の
検出信号を被検出物の真正さのチェックに利用する。
【0013】すなわち、被検出物を所定速度で移動させ
ながら、走査領域に含まれる磁性ポリマー素子の分布に
応じた検出信号を、MR素子等を用いた検出手段によっ
て、とらえる。この検出信号は、磁性ポリマー素子の混
入密度や埋設深さ、磁性ポリマー素子のサイズあるいは
ランダムな配置方向、および各々の磁性ポリマー素子に
含まれている磁性金属粉のランダムな混入状況などの相
乗作用などによって、走査領域の微小部分ごとに複雑に
変化するため、個々の走査領域に固有の出力パターンを
もっている。この検出信号は、被検出物を作成する際に
特定のルールで暗号化されてコード表示部に記録され
る。
【0014】被検出物が真正なものであるか否かを照合
するプロセスでは、上記走査領域を再び走査することに
より、この走査領域に固有の検出信号を得るとともに、
コード表示部に記録されている暗号コードを読取り、こ
の暗号コードと上記検出信号とが対応した時に、被検出
物が真正なものであると判断する。
【0015】本発明の被検出物に混入されている磁性ポ
リマー素子は、金属線に比べて十分に柔軟であり、被検
出物が折曲げられても、この素子が被検出物の表面に突
出したり折れてしまうといった不具合は生じない。しか
も錆びることがなく、カッタによる切断も容易である。
【0016】上記磁性ポリマー混入層は合成樹脂等から
なるカード基体に積層されており、カード基体によって
形状が保持されるため丈夫であり、破損や変形、皺など
を生じにくい。しかも磁性ポリマー素子自体が伸縮性お
よび可撓性に富んでいるためこの被検出物は折曲げに強
く、素子の分布状態が変化することも回避される。
【0017】磁性ポリマー混入層は、パルプ繊維に磁性
ポリマー素子をすき込んだものであれば、パルプ繊維と
磁性ポリマー素子とが立体的(三次元的)に絡み合って
いるため、磁性ポリマー素子の固定強度がきわめて高い
とともに、磁性ポリマー素子の分布状態(特に埋設深
さ)を改ざんすることが不可能であるためセキュリティ
性の高い被検出物である。
【0018】
【実施例】以下に本発明の実施例について、図面を参照
して説明する。図1〜図3に示されるように、カード状
の被検出物1は、所定の大きさに形成された合成樹脂製
の第1のカード基体2と、同じく所定の大きさに形成さ
れた合成樹脂製の第2のカード基体3と、これらカード
基体2,3の間に挟まれるようにして積層された磁性ポ
リマー混入層4を有している。カード基体2,3の材料
は、例えばポリエチレンあるいは塩化ビニール等の熱可
塑性合成樹脂が一般的であるが、要するに、ある程度の
剛性があって形状を保持できるものであればよいから、
上記以外の合成樹脂、あるいは厚紙などのプレート状ま
たはシート状の非磁性材料が使われてもよい。
【0019】また、被検出物1の所定位置に走査領域5
が設定されているとともに、一方のカード基体2の表面
にコード表示部6が設けられている。コード表示部6に
は、走査領域5に含まれている下記磁性ポリマー素子1
2の分布等に応じた固有の情報が、下記の処理装置50
によって暗号化されて書込まれる。コード表示部6は図
示例のようにカード基体2よりも幅の狭い磁気ストライ
プであってもよいが、通常のバーコードや二次元バーコ
ードあるいはOCR文字等のように光学的に読取り可能
な記録媒体によって記録するようにしてもよい。
【0020】磁性ポリマー混入層4は、紙を主体とする
基材11に、多数の磁性ポリマー素子12をランダムに
混入したものである。図4に示されるように、基材11
には多数のパルプ繊維13が含まれており、これらのパ
ルプ繊維13と磁性ポリマー素子12が、基材11中に
一体にすき込まれている。磁性ポリマー混入層4は、カ
ード基体2,3と同じ大きさ(広さ)でもよいし、ある
いは、少なくとも走査領域5に短冊状の磁性ポリマー混
入層4を設けるようにしてもよい。
【0021】図5に示されるように、磁性ポリマー素子
12は、高分子材料からなる素子本体15の断面全体
に、磁性金属粉16を混入した繊維状の素子である。素
子本体15に使われる高分子材料の一例はアクリル樹脂
が適しているが、ポリエチレンやポリエステルあるいは
ウレタンなどの樹脂が使われてもよく、要するに適当な
可撓性と伸縮性を有する周知の合成樹脂を適用できる。
【0022】上記磁性ポリマー素子12は、図6に示す
製造装置20を用いて作ることができる。この製造装置
20は、アクリル溶液を噴出するノズル21を有するア
クリル溶液供給部22と、凝固溶液23を収容する溶液
槽24などを備えている。
【0023】図7に拡大して示すように、多数の磁性金
属粉16が混入されたアクリル溶液25をノズル21か
ら引き出して凝固溶液23中を通すことにより、アクリ
ル製の素子本体15の内部に多数の磁性金属粉16が混
在する磁性ポリマー素子12が得られる。この磁性ポリ
マー素子12は、例えば2mm〜10mm位の長さに切断さ
れる。
【0024】なお、磁性ポリマー素子12の断面形状は
丸に限ることはなく、ノズル21の開口断面を矩形にす
るなどして、偏平な矩形や長円形の断面、あるいは多角
形断面等の磁性ポリマー素子を製造するようにしてもよ
い。磁性ポリマー素子12を偏平な形状に成形すれば、
基材11が薄い場合に素子12を混入する上で有利とな
る。
【0025】磁性ポリマー素子12の素子本体15にア
クリル樹脂を用いた場合には、磁性ポリマー素子12の
比重がパルプ繊維13に近いため、パルプ繊維13と磁
性ポリマー素子12とが互いにパルプ溶液中で良く混ざ
り、しかもアクリル樹脂の表面(磁性ポリマー素子12
の表面)を顕微鏡で見ると無数の小突起がささくれ立っ
た状態になっているから、磁性ポリマー素子12とパル
プ繊維13との絡みつきがきわめて強固となる。従来の
金属製磁性ワイヤの場合、パルプ溶液の下にワイヤがた
まりやすいため、パルプ繊維と混ざりにくかった。また
従来の金属製磁性ワイヤは表面が平滑であるから、パル
プ繊維に対する食い付きが悪かった。
【0026】なお、図8に示した磁性ポリマー素子12
のように、素子12の外面を全周にわたって前記基材1
1と同系色のコーティング層30で覆うようにしてもよ
い。コーティング層30の一例は、基材11が白色の場
合、高分子材料に酸化チタン31を含有させた白色系の
ものが採用される。また、基材11が茶色系の場合に
は、コーティング層30を茶色にするとよい。
【0027】上記磁性ポリマー素子12をパルプ繊維1
3と一緒にすき込む工程は、通常の紙パルプ製造プロセ
スにより、問題なく実施できる。すなわち、パルプ繊維
13と磁性ポリマー素子12とを混合したパルプ溶液を
得る工程と、上記パルプ溶液をすくことによってパルプ
繊維13と磁性ポリマー素子12とが立体的に絡み合う
所定厚さのシート状物を得る工程と、上記シート状物を
カッタによって所定の大きさに切断する工程とを経るこ
とにより、所定サイズの紙状の磁性ポリマー混入層4が
製造される。そしてこの磁性ポリマー混入層4に、カー
ド基体2,3が熱溶着あるいは接着剤等の適宜の固定手
段によって貼り合わされる。
【0028】上記磁性ポリマー混入層4のように、パル
プ繊維13と磁性ポリマー素子12とを一緒にすき込ん
だ場合には、パルプ繊維13と磁性ポリマー素子12と
が立体的(三次元的)に絡み合うため、磁性ポリマー素
子12が基材11中を動いたり、剥がれたり、基材11
の表面に磁性ポリマー素子12がささくれ立つなどの不
具合を回避できるため、磁性ポリマー素子12の固定強
度がきわめて高い。また磁性ポリマー素子12がパルプ
繊維13と三次元的に絡み合うため偽造も難しく、セキ
ュリティ性が向上する。
【0029】なお、磁性金属粉16の混入量は30wt%
〜80wt%の範囲が好ましい。30wt%未満では磁性金
属粉16による出力が実用化レベルに達しないことがあ
る。80wt%を越えると素子12の強度(主に引張り強
度)が著しく低下し、実用に耐えることができない。磁
性金属粉16の粒径は例えば1μm以下、好ましくは平
均粒径が0.2〜0.3μm前後である。
【0030】また、磁性ポリマー素子12の長さは2mm
から10mmまでの範囲が好ましい。2mm未満であると素
子12が細かくなり過ぎ、基材11中に粉のように均一
に分散してしまうため、下記の処理装置50では出力が
均一化してランダムな特徴が出にくくなる。長さが2mm
以上であれば、出力に特徴が出やすくなる。素子12の
長さが10mmを越えると、パルプ溶液中で素子12がパ
ルプ繊維13と混ざりにくくなり、現状の製紙技術では
磁性ポリマー素子12をすき込むことが困難である。
【0031】また、磁性ポリマー素子12の線径は10
μm〜100μmの間が好ましい。線径が10μm以上
であれば、磁性金属粉16の含有量が十分でありさえす
れば実用化レベルの出力が得られる。線径は大きい方が
出力が大になるため好ましいが、基材11の厚さ(磁性
ポリマー混入層4の厚さ)が100μm程度の時に、素
子12の線径が100μmを越えると、基材11の表面
に素子12の一部が露出するようになるため好ましくな
い。つまり、基材11の厚み以下の線径にする必要があ
る。
【0032】なお、磁性ポリマー混入層4は、紙製の基
材11を用いる代りに、例えばアクリル繊維等の非磁性
材料からなる多数の繊維の集合体に磁性ポリマー素子1
2を立体的に絡めるとともに、バインダ樹脂あるいはマ
トリックス樹脂によって結合してもよい。また、図9に
示した被検出物1のように、磁性ポリマー混入層4の片
面にカード基体2を設けるようにしてもよい。
【0033】上記磁性ポリマー素子12の磁性金属粉1
6に高透磁率磁性材料(例えばパーマロイ,Co系アモ
ルファス,センダスト,ソフトフェライトのように磁気
的に軟質な金属)が使われている場合、この被検出物1
は、図10に示すような処理装置50によって磁気的に
走査される。
【0034】この処理装置50は、ハウジング55と移
送機構56を備えている。移送機構56は、ベルトやロ
ーラ等を用いた移送用部材57によって、被検出物1を
所定速度(一定の速度)で図中の矢印F方向に移動させ
るようになっている。
【0035】被検出物1の移動経路の途中に磁気センサ
60が設けられている。この磁気センサ60は、一対の
磁電変換素子の一例としての第1のMR素子61と第2
のMR素子62とを被検出物1の移動方向に並べるとと
もに、MR素子61,62の背後に磁界発生手段の一例
としてのマグネット63を配置したものである。マグネ
ット63は永久磁石でもよいし、コイルを用いた電磁石
が使われてもよい。
【0036】MR素子61,62は磁界の強さに応じて
電気抵抗値が変化する磁気抵抗素子であり、要求仕様に
応じて、例えばインジウムアンチモンやガリウムヒ素な
どの化合物半導体を用いた正の磁気特性を有するもの
や、ニッケルコバルトやパーマロイ等の強磁性体などの
ように負の磁気特性を有するものが使用される。
【0037】これらのMR素子61,62は互いに電気
的に接続されており、しかも各MR素子61,62に、
マグネット63による同じ強さの磁界が及ぶようになっ
ている。また、第1のMR素子61は検出回路74を介
して下記コントローラ80に接続されている。第2のM
R素子62は直流電源回路75に接続されている。そし
てこのMR素子61,62が並んでいる方向に沿って走
査領域5が移動させられるようになっている。
【0038】MR素子61,62の下を磁性ポリマー素
子12が通る時、磁性ポリマー素子12の位置が走査方
向に変化するのに伴って、出力電圧Vout が変化する。
すなわち、MR素子61,62の近傍に磁性ポリマー素
子12が存在しない時には、各MR素子61,62にマ
グネット63の磁界が均等にかかり、MR素子61,6
2の抵抗値が互いに等しいので、入力電圧Vinに対して
出力電圧Vout は約半分(Vin/2)となる。そして矢
印F方向に磁性ポリマー素子12が移動することによっ
て、MR素子61,62の下を磁性ポリマー素子12が
通ると、磁性ポリマー素子12の位置に応じて、各MR
素子61,62を通る磁束が経時的に変化するととも
に、各MR素子61,62の抵抗値に差が出るため、出
力電圧Vout がほぼ(Vin/2)を上下するようにな
る。
【0039】ここで第1のMR素子61の抵抗をR1
第2のMR素子62の抵抗をR2 とすると、出力電圧V
out は Vout =Vin×{R2 /(R1 +R2 )} で
表される。そしてこの出力電圧Vout は、磁性ポリマー
素子12の分布密度や埋設深さ、磁性ポリマー素子12
の径(または厚さ)、長さ、方向などの分布状態に応じ
て大きさが変化するので、固有の出力電圧パターンが検
出される。
【0040】この処理装置50は、マイクロコンピュー
タ等を用いたコントローラ80と、被検出物1のコード
表示部6に下記暗号コードを記録するためのコード書込
み部81と、コード表示部6に記録された暗号コードを
読取るためのコード読取り部82などを備えている。コ
ード書込み部81と読取り部82は、読取り/書込み用
の回路83に接続されている。コントローラ80は、A
/D変換器90や比較器91および暗号コード変換器9
2などを含んでいる。コントローラ80に表示器95が
接続されている。
【0041】次に、上記実施例装置50の作用などにつ
いて説明する。図11は被検出物1を作成するためのプ
ロセスの概略を示している。ステップS1においては、
被検出物1が製造される際に、磁性ポリマー混入層4に
磁性ポリマー素子12が混入される。走査・検出ステッ
プS2は、走査ステップS3と検出ステップS4を含
み、被検出物1が移送機構56によって所定速度で図1
0の矢印F方向に移動させられることにより、走査領域
5の中の磁性ポリマー素子12に応じた固有の検出信号
が得られる。
【0042】つまり走査ステップS3において、移送機
構56によって被検出物1を所定速度で矢印F方向に移
動させると、走査領域5の複数の微小部分がMR素子6
1,62の近傍を順次通過する。この時、磁性ポリマー
素子12の密度や径、方向、長さ、埋設深さ、磁性金属
粉16の性質等に応じて各MR素子61,62を通る磁
束が経時的に変化するため、MR素子61,62の抵抗
値R1 ,R2 に差が出ることにより、出力電圧Vout
固有の出力電圧パターンとして測定される。この実施例
では、検出ステップS4において走査領域5が微小時間
ごとに区切られて検出が行われ、各微小時間ごとの出力
電圧が複数段階にランク付けされてディジタル化され
る。こうして走査領域5に固有のコード化された検出信
号が得られる。
【0043】上述の検出信号を、暗号化ステップS5に
おいて、暗号コード変換器92によって、特定のルール
に従って暗号化する。こうして暗号化されたコードが、
書込みステップS6において、コード書込み部81の磁
気ヘッドによって、コード表示部6に記録される。
【0044】この実施例のコード表示部6は磁気帯であ
るが、例えば印字ヘッドを用いて上記暗号コードをコー
ド表示部6に光学的に読取り可能な標識およびコード
(例えばバーコードや二次元バーコード,OCR文字な
ど)で記録するようにしてもよいし、コードを記録した
ホログラムを暗号コードにしたがって順番にスタンプし
てもよい。また、ホストコンピュータのコード記憶領域
に上記暗号コードを記憶させるようにしてもよい。
【0045】被検出物1が真正であるか否かのチェック
も上記処理装置50を使って行われる。図12は、被検
出物1の真正さをチェックするための照合プロセスの概
略を示している。ステップS11は、前述した被検出物
1の作成プロセスと同様の走査ステップS3と検出ステ
ップS4を含んでおり、磁気センサ60によって走査領
域5を所定速度で走査することにより、磁性ポリマー素
子12の分布等に応じた検出信号を得る。
【0046】コード読取りステップS12においては、
コード表示部6に記録されている暗号コードがコード読
取り部82によって読取られる。この暗号コードが、コ
ード再生ステップS13において、暗号コード変換器9
2によって所定のルールに基いて解読されることによ
り、照合用コードが再生される。そして判別ステップS
14において、上記照合用コードと、検出ステップS4
で検出された検出信号とが比較器91によって比較さ
れ、両者が一致した時のみ、この被検出物1が本物であ
ると判断され、その照合結果が表示器95に表示され
る。
【0047】上記処理装置50によれば、被検出物1に
与える外部磁界が微弱でも走査領域5の検出が可能であ
るから、暗号コードやその他の情報がコード表示部6あ
るいはそれ以外の箇所に磁気的に記録されていても、こ
れらの磁気的情報を破壊することがない。
【0048】そして上記磁気センサ60は、2つのMR
素子61,62の出力比に基く検出信号を得るようにし
ているので、温度変化やノイズの影響を受けにくい。ま
た、一般の磁気ヘッドでは被検出物の移動速度によって
出力の大きさが変化してしまうが、本実施例の磁気セン
サ60を備えた処理装置50であれば、移動速度や温度
変化の影響を受けにくく、出力が常にほぼ一定の大きさ
を示すようになる。
【0049】なお、前述した被検出物1の作成プロセス
において暗号コードをホストコンピュータのコード記憶
領域に登録した場合、照合プロセスにおいてこのホスト
コンピュータから暗号コードを呼び出し、検出信号と照
合させるようにしてもよい。あるいは、照合プロセスに
おいて、検出ステップS4で得た検出信号を作成プロセ
スの場合と同じルールで暗号化し、この暗号コードを、
コード読取りステップS12で読取った暗号コードと照
合させるようにしてもよい。
【0050】上記コードをホストコンピュータ等に記録
可能な場合は、使用者が入力する暗証番号あるいは被検
出物1に記録された他のコードを、ホストコンピュータ
等に記録されているコードと照合する必要がある。この
場合、通常の銀行カードやクレジットカード以外に、例
えば入退室管理等の警備や、特殊なセキュリティシステ
ムに応用できる。
【0051】上記実施例の被検出物1に使用される磁性
ポリマー素子12はきわめて柔軟であり、しかも基材1
1のパルプ繊維13と磁性ポリマー素子12が立体的に
絡み合っているから、紙のように薄い磁性ポリマー混入
層4にも良好な状態で混入される。また、磁性ポリマー
素子12を基材11と同系色のコーティング層30で覆
った場合には、素子12の存在を目立たないようにする
ことができ、さらにセキュリティ性の高いものとなる。
【0052】図13および図14に示したカード状の被
検出物1(銀行カードの一例)は、所定の大きさに形成
された合成樹脂製の第1のカード基体2と、同じく所定
の大きさに形成された合成樹脂製の第2のカード基体3
と、これらカード基体2,3の間に挟まれるようにして
積層された磁性ポリマー混入層4と、カード基体2,3
の表面に設けられた保護層(オーバーレイフィルム)1
00,101を有している。カード基体2,3の材質を
はじめとして、磁性ポリマー混入層4、走査領域5、コ
ード表示部6等の構成は前記実施例と同様である。カー
ド基体2,3の表面に、必要に応じて文字・記号等の表
示内容102が印刷されている。印刷された文字・記号
等の表示内容102を保護するための保護層100,1
01は、表示内容102を透視できるように透明な合成
樹脂、例えば塩化ビニールやポリエチレンテレフタレー
トなどからなる。
【0053】この被検出物1を製造する方法としては、
例えば、塩化ビニール等の合成樹脂または紙を用いてカ
ード基体2,3を製造する工程と、磁性ポリマー素子1
2を製造する工程と、基材11中に磁性ポリマー素子1
2を混入することによって磁性ポリマー混入層4を作製
する工程と、カード基体2,3および磁性ポリマー混入
層4を互いに熱溶着または接着剤により一体化させる工
程とを具備している。磁性ポリマー混入層4の基材11
が合成樹脂の場合、この樹脂が固まる前に磁性ポリマー
素子12をランダムに混入させる。
【0054】上記実施例のように、被検出物1の厚さの
中心に設けられた磁性ポリマー混入層4に対してカード
基体2,3が対称となるように積層すれば、被検出物1
の反りを防止できる。なお、磁性ポリマー混入層4を被
検出物1の厚み方向の中心に設けないと、使用中に被検
出物1が反ることがある。
【0055】また、上記実施例のように被検出物1の厚
み方向中央に磁性ポリマー混入層4を設け、カード基体
2,3に不透明な材料を用いれば、外部から磁性ポリマ
ー素子12が見えなくなるため好ましい。そして磁性ポ
リマー素子12が立体的に配置されるので、セキュリテ
ィ性が高いものである。
【0056】なお、図15に示すように、磁性ポリマー
混入層4の表裏両面に、保護層を兼ねたカード基体11
0,111を熱溶着または接着剤によって積層してもよ
い。磁性ポリマー混入層4に文字・記号等の表示内容1
02を印刷した場合には、保護層を兼ねたカード基体1
10,111は透明な合成樹脂を用いるとよい。この場
合、必要に応じて磁性ポリマー素子12に白色化処理を
施してもよい。白色化処理は、例えば磁性ポリマー素子
12の表面に前記実施例(図8)と同様に酸化チタン等
の白色系コーティング処理を行ったり、あるいは素子本
体15に酸化チタン等の白色系の粉末または顔料等を混
入することによって、磁性ポリマー素子12を外部から
目立たなくすることができる。
【0057】また、図16に示したように、複数層(図
示例は2層)の磁性ポリマー混入層4a,4bの表面側
に、保護層を兼ねたカード基体110,111を熱溶着
または接着剤によって貼付けてもよい。磁性ポリマー混
入層4a,4bも互いに熱溶着または接着剤によって一
体化される。このように、2枚以上の磁性ポリマー混入
層4a,4bを厚み方向に重ねるようにすれば、磁性ポ
リマー素子12が混入層4の厚み方向に偏在しにくくな
ってほぼ均一に分散するため、検出信号の出力を安定化
させる上で好ましい。この場合も、必要に応じて磁性ポ
リマー素子12に前記白色化処理が行われる。
【0058】図17に示された磁性ポリマー混入層4
は、合成樹脂を主体とする2枚の板状の基材11a,1
1bの間に磁性ポリマー素子12を分布させるととも
に、基材11a,11bを互いに一体化させたものであ
る。この被検出物1を製造するには、合成樹脂または紙
からなるカード基体110,111を製造する工程と、
磁性ポリマー素子12を製造する工程と、合成樹脂等の
非磁性材料からなる板状の基材11a,11bを製造す
る工程と、これら基材11a,11bの間に磁性ポリマ
ー素子12を分布させた状態で、基材11a,11bと
カード基体110,111を熱溶着または接着剤によっ
て一体化させる工程が行われる。
【0059】この実施例のように被検出物1の厚さの中
心に磁性ポリマー素子12の混入部分が配置されている
と、被検出物1に反りが生じない。この場合、基材11
a,11bに不透明な材料を用いれば、外部から磁性ポ
リマー素子12が見えないため好ましい。
【0060】図18に示した磁性ポリマー混入層4は、
3層あるいはそれ以上の枚数の基材11a,11b,1
1cの間に、それぞれ磁性ポリマー素子12を分布させ
たものであり、多様な積層パターンが得られている。こ
の場合、被検出物1が反ることを防ぐために、被検出物
1の厚さの中心に対して磁性ポリマー素子12の混入部
分が対称となるように積層するとよい。
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、被検出物を折曲げるな
どしても、素子が飛び出たり屈曲したり折れるなどの不
具合を生じることがなく、曲げに対して強くかつ損傷し
にくい被検出物が得られる。しかも素子が外観上目立つ
ことがなく、セキュリティ性が高く、錆の発生も回避さ
れる。また、所定の大きさに切断した時に切断面から素
子が引き出されることがなく、切断が容易であり、カッ
タの寿命に悪影響を与えることもない。そして走査領域
に混入された磁性ポリマー素子を磁気的に検出できるた
め、マイクロ波使用のチェック手段に比べて装置からの
ノイズ発生が回避され、SN比も高い。本発明の被検出
物に使われる磁性ポリマー素子は、繊維状の素子本体に
磁性金属粉を混入させたものであり、しかもこの磁性ポ
リマー素子を紙あるいは合成樹脂製の基材の走査領域中
にランダムに多数混入させるから、走査領域中での磁性
ポリマー素子の分布状態が多様になることに加えて、個
々の磁性ポリマー素子に含まれている磁性金属粉の混入
状況にも変化をもたせることができる。このためこの走
査領域は、あたかも人間の指紋に匹敵する特徴付けをも
つようになり、偽造を試みる者が単に磁性ポリマー素子
の配置を真正なものと同じにしたとしても真正な検出信
号を得ることは不可能であり、セキュリティ性の高い被
検出物が得られる。しかも本発明における磁性ポリマー
素子は、素子本体の高分子材料に磁性金属粉がくるまれ
た状態となり、磁性ポリマー素子の外表面に高分子材料
が存在するため、紙あるいは合成樹脂等の基材に対して
良くなじみ、外観上も磁性ポリマー素子が目立たないも
のにすることができる。 そして本発明における磁性ポリ
マー混入層は合成樹脂等からなるカード基体に積層され
ており、カード基体によって形状が保持されるため丈夫
であり、破損や変形、皺などを生じにくい。
【0062】更に、以下に述べる効果も奏することがで
きる。磁性ポリマー素子は金属線(金属ワイヤ)に比べ
て金属成分が微量なため、リサイクルが可能である。ま
た、磁性ポリマー素子の熱膨張率は金属線に比べて基材
(紙や合成樹脂)の熱膨張率に近いため、カード状の被
検出物に割れや剥離が生じにくくなる。そして磁性ポリ
マー素子は金属線よりも伸縮性と可撓性に富んでいるた
め、合成樹脂製のカード基体にエンボス加工を行う時
に、磁性ポリマー素子が表面に出ることがない。
【0063】また、磁性ポリマー素子の表面は無数の小
突起がささくれ立った状態になっているため、基材に対
する磁性ポリマー素子の食い付きが良く、被検出物の切
断面(端面)などから磁性ポリマー素子の一部が飛び出
すなどの不具合も回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す被検出物の一部を切欠
いて示す平面図。
【図2】図1に示された被検出物の側面図。
【図3】図1に示された被検出物の一部の拡大断面図。
【図4】図1に示された被検出物の磁性ポリマー混入層
の一部の拡大図。
【図5】図1に示された被検出物に使われる磁性ポリマ
ー素子の断面図。
【図6】磁性ポリマー素子を製造する装置の概略を示す
断面図。
【図7】図6に示された装置の一部を拡大して示す断面
図。
【図8】磁性ポリマー素子の他の実施例を示す断面図。
【図9】磁性ポリマー混入層の片面にカード基体を設け
た被検出物の側面図。
【図10】被検出物を処理する処理装置を一部断面で示
す側面図。
【図11】被検出物を作成する際の処理のステップを示
すフローチャート。
【図12】被検出物の照合を行う際の処理のステップを
示すフローチャート。
【図13】被検出物の変形例を一部切欠いて示す平面
図。
【図14】図13に示された被検出物の一部の断面図。
【図15】被検出物の変形例を示す断面図。
【図16】被検出物の更に別の変形例を示す断面図。
【図17】被検出物の更に別の変形例を示す断面図。
【図18】被検出物の更に別の変形例を示す断面図。
【符号の説明】
1…被検出物 2,3…
カード基体 4…磁性ポリマー混入層 5…走査
領域 6…コード表示部 11…基
材 12…磁性ポリマー素子 13…パ
ルプ繊維 15…素子本体 16…磁
性金属粉 50…処理装置 100,
101…保護層 110,111…保護層を兼ねたカード基体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小宮 実 神奈川県横浜市金沢区福浦3丁目10番地 日本発条株式会社内 (56)参考文献 特開 昭50−69999(JP,A) 特開 平6−103423(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B42D 15/10 501 G06K 19/12

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の大きさに形成された合成樹脂または
    紙製のカード基体と、上記カード基体に積層されるとともに所定位置に走査領
    域が設定される磁性ポリマー混入層とを有し、 上記磁性ポリマー混入層は、 合成樹脂または紙を主体とする非磁性材料製の基材と、 上記基材の走査領域中に不特定多数の方向を向くように
    ランダムに混入された素子であって高分子材料からなる
    繊維状の素子本体に磁性金属粉を混入した多数の磁性ポ
    リマー素子とを具備し、 上記走査領域中の磁性ポリマー素子に含まれている上記
    磁性金属粉に応じて得られる固有の検出信号に関する情
    報をコード化して記録するコード表示部 を具備したこと
    を特徴とする真正さがチェックされるカード状の被検出
    物。
  2. 【請求項2】上記磁性ポリマー混入層は、紙を主体とす
    る基材と、この基材のパルプ繊維と一緒に基材中にすき
    込まれた上記磁性ポリマー素子とを含んでいる請求項1
    記載の被検出物。
  3. 【請求項3】上記磁性ポリマー混入層は、合成樹脂を主
    体とする基材と、この基材中に混入された上記磁性ポリ
    マー素子とを含んでいる請求項1記載の被検出物。
  4. 【請求項4】上記磁性ポリマー混入層は、合成樹脂を主
    体とする複数枚の板状の基材の間に上記磁性ポリマー素
    子を分布させかつこれら基材を互いに溶着あるいは接着
    剤によって一体化させたものである請求項1記載の被検
    出物。
  5. 【請求項5】上記磁性ポリマー混入層の表裏両面に上記
    カード基体が設けられている請求項1記載の被検出物。
  6. 【請求項6】上記コード表示部は、上記カード基体に設
    けられた磁気ストライプである請求項1記載の被検出
    物。
  7. 【請求項7】合成樹脂または紙からなるカード基体を製
    造する工程と、高分子材料からなる繊維状の素子本体に
    磁性金属粉を含ませた磁性ポリマー素子を製造する工程
    と、紙または合成樹脂からなる基材中に多数の上記磁性
    ポリマー素子をランダムに混入することによって磁性ポ
    リマー混入層を作製する工程と、上記カード基体と上記
    磁性ポリマー混入層とを熱溶着または接着剤によって一
    体化させる工程とを具備したことを特徴とする被検出物
    の製造方法。
  8. 【請求項8】合成樹脂または紙からなるカード基体を製
    造する工程と、高分子材料からなる繊維状の素子本体に
    磁性金属粉を含ませた磁性ポリマー素子を製造する工程
    と、紙または合成樹脂からなる複数枚の板状の基材の間
    多数の上記磁性ポリマー素子をランダムに分布させた
    状態でこれら基材および上記カード基体を熱溶着または
    接着剤によって一体化させる工程とを具備したことを特
    徴とする被検出物の製造方法。
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