JP2820426B2 - ゴム補強用耐熱性紡績糸 - Google Patents

ゴム補強用耐熱性紡績糸

Info

Publication number
JP2820426B2
JP2820426B2 JP1055017A JP5501789A JP2820426B2 JP 2820426 B2 JP2820426 B2 JP 2820426B2 JP 1055017 A JP1055017 A JP 1055017A JP 5501789 A JP5501789 A JP 5501789A JP 2820426 B2 JP2820426 B2 JP 2820426B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
spun yarn
fiber
heat
yarn
strength
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1055017A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02234932A (ja
Inventor
孔基 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
Priority to JP1055017A priority Critical patent/JP2820426B2/ja
Publication of JPH02234932A publication Critical patent/JPH02234932A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2820426B2 publication Critical patent/JP2820426B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は300℃以上の耐熱性を有し、高強度で接着性
能を良好な耐熱紡績糸に関する。
[従来技術] 耐熱性紡績糸については、特開昭58−81637号公報が
知らているが、ここでは従来の巻縮トウを短くカットし
た後、打綿,梳綿,練条,粗紡,巻返しといった煩雑な
工程を通して得る紡績糸を改良し、ローラー間で巻縮の
付与されていないトウを130mmから600mmに牽切しひきつ
づき連続的に巻縮を付与することなく、かつ強く弛緩す
ることなく抱合性を付与して紡績糸を得ている。これに
より、従来の紡績糸に比べ強度が高く耐クリープ性の良
好な紡績糸が得られている。
しかし、ホースの補強材等の分野では、さらに強度ア
ップ及び接着性の改良が要望されるようになって来た。
[発明が解決しようとする課題] ポリメタフェニレンイソフタラミド繊維は乾式紡糸法
あるいは湿式紡糸法により繊維化される場合が殆んどで
ある。
この場合、フイラメントにするよりもスフにするのが
コストその他の点で有利である。しかしながらスフにす
る場合は数万〜数十万デニールというきわめて太いトウ
を用い、かつ紡糸工程で完全に溶媒を除去するのが難し
いために高倍率の延伸が困難であり、どうしても得られ
る繊維の物性は、繰返単位から期待される強伸度,ヤン
グ率に比し、低強伸度,低ヤング率の傾向を示す。さら
に、紡績糸とするためには、このトウに捲縮を付与した
のち短かくカットし、打綿,梳綿,練条,粗紡,精紡,
巻返しといった煩雑な工程を通す必要がある。
その結果、捲縮や繊維配向の乱れを伴うことになり、
どうしても高伸度低強度化の傾向を示す。さらにこのた
め一般に紡績糸にするとクリープによる変形率が大きく
なり易く200℃以上の高温雰囲気中では特にその傾向顕
著となり、たとえば高温雰囲気下で使用するパッグフイ
ルターなどに利用することは困難であった。耐熱性紡績
糸は高温雰囲気下で使用するホースの補強材としても利
用されるが、この分野でも従来の耐熱性紡績糸は,強度
が低いうえに、接着性能が十分でないため、これらの改
良が望まれている。
[問題を解決するための手段] 本発明者らは、全芳香族ポリアミドからなる耐熱性繊
維を用いて、高温雰囲気中でクリープ変形が少なく、従
来の耐熱性紡績糸よりも更に高強度で、ゴム補強効果の
大きい紡績糸を得ることを目的として検討を重ねた結
果、本発明に到達したものである。
すなわち、本発明は、ポリマー繰り返し単位の85モル
%以上がメタフェニレンイソフタラミドである全芳香族
ポリアミドからなる、捲縮を有しない連続糸条を牽切
し、引き続き連続的に抱合性を付与してなる紡績糸にお
いて、該紡績糸は、単繊維の巻縮度が1%以下、セクシ
ョン比率aが1.5以上,単繊維の破断強度が6.5g/de以
上、平均繊維長が130〜1500mmであることを特徴とする
耐熱性紡績糸である。紡績糸を構成する単繊維の繊度は
0.5〜10デニールが好ましい。200〜300℃の雰囲気下で
使用する耐熱性ホースの補強材などへの利用を考える
と、単繊維の巻縮度を1%以下,セクション比率aが1.
5以上、単繊維の破断強度が6.5g/de以上、平均繊維長が
130mm以上1500mm以下とからなる破断強度5.7g/de以上の
紡績糸とする必要がある。セクション比率aは単繊維の
断面の長径をb,短径をcとしたときa=b/cで表す(図
−1)。
ポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維の場合かか
る紡績糸は通常の湿式紡糸法あるいは乾式紡糸法,通常
の延伸熱処理法によっては達成することができない。こ
れを達成するためには、たとえば特開昭62−231014号公
報の製法により強度の高い単繊維とする必要がある。さ
らにセクション比率aを1.5以上にするためには、口金
孔を丸形状としておき特開昭62−231014号公報の実施例
1の凝固浴温度を75℃としても得られるし、異型口金を
使用し異型糸をつくることによっても得られる。これら
の方法により得た連続糸条を、これに巻縮を付与するこ
となく目的に応じ平均繊維長を130mmから1500mmの間の
適当な値となるようにニップローラー間隔を調整して牽
切し、ひきつづき連続的に巻縮を付与することなく、か
つ強く弛緩することなく抱合性を付与して紡績糸とする
ことによりはじめて可能となる。
また抱合手段としては、インターレース法が好ましい
が、旋回流による毛羽巻付け、捲糸、糊付けなど繊維配
列を強く乱さずに抱合性を付与できるものならばなんで
もよい。ただし、抱合性を付与するときの糸のオーバー
フィード率は4%以下にしてなるべく緊張状態を維持す
るのが好ましい。すなわち4%を越えて抱合性を付与す
ると伸度が高くなり初期ヤング率が低下する。さらに牽
切したのち捲縮を付与することなく牽切後ひきつづいて
連続的に抱合性を付与することが必要である。すなわち
ターボステープラーやトウリアクターなどを利用するト
ウ紡績方式では牽切したのち捲縮を付与しなければなら
ないため捲縮率が10〜15%と高くなり本発明の紡績糸の
ようにクリープ変形の少ないものが得られない。
セクション率aがゴム補強効果と関係するという予期
しなかった現象は、いまだ解明できていないが、次のよ
うに推定される。つまり、従来の巻縮を付与した後、繊
維をカットし、その後紡績糸としたものは、単繊維が密
に集合して紡績糸が構成されているため、ゴムの中へ埋
め込んだ場合、ゴムと直接接触する単繊維の割合が少な
いため、セクション比率aの効果が発現しない。
ところが本発明の紡績糸は、巻縮が実質的にないうえ
に空気等で抱合させているだけのため、ゴムの中へ埋込
んだ場合、単繊維がばらけやすく、ゴムと直接接触する
単繊維の割合が多くなるため、セクション比率aが大き
くなると、繊維とゴムとの接触チャンスが増加し顕著な
効果が発現すると考えられる。
接着性向上のためには、セクション比率aは2.0以上
がさらに好ましい。平均繊維長についても130mmから150
0mmが好ましい。130mm未満では繊維長が短くなり毛羽立
ちが多くなり、強度が低目傾向となるため好ましくな
い。1500mmを越えると生産設備が大型化するため作業性
等に問題が生じやすく、また1500mmを越えた場合紡績糸
の性能がこれ以上向上しない。平均繊維長で最も好まし
いのは600mmから1500mmの範囲である。
本発明における紡績糸のデニールは200デニール以上
が好ましい。200デニール未満では牽切時に断糸しやす
くなり、糸斑も増加傾向となる。紡績糸を構成する単糸
のデニールは、0.5de以上10de以下が好ましい。0.5de未
満では、延伸糸そのものの強度が上がりにくい。またセ
クション比率aを変更しても、たとえばゴムホースの補
強材として使用した場合その効果が発現しにくくなる。
10deを越える場合には、紡績糸を構成する単糸数が減少
するため、抱合性に問題が生じ、強度が低下傾向とな
り、糸斑も顕著となってくる。単糸デニールの最好適範
囲は0.8de以上5de以下である。
[発明の効果] 本発明のゴム補強用の耐熱性紡績糸は、高温雰囲気中
でクリープ変形が少なく、従来の耐熱性紡績糸よりも高
強度で且つ接着性能が良好で、補強性能が改良されてお
り、ゴムホースの補強材として使用した場合その効果が
顕著となる。
[実施例] 以下、実施例により本発明を詳述する。融点または分
解点,強伸度,巻縮度,耐クリープ性,セクション比率
aの測定は以下の方法に従った。
(1) 融点または分解点 繊維の融点または分解点は、示差熱分析(DTA)によ
り測定した。
(2) 強伸度 繊維の強伸度はインストロン引張試験機により測定し
た。
(3) 捲縮度 JIS PL1074(6112)の方法に従って測定した。
(4) 耐クリープ性 繊維に500ケ/mの追撚を施した後、乾熱250℃の雰囲気
下で0.3g/dの荷重をかけ、2時間後の変形率を測定し
た。
(5) セクション比率a 繊維の断面写真をとり、断面のうちの最長部の長さ
(b)と、最短部の長さ(c)を実測し、a=b/cとし
て算出した値をセクション比率aとした。
(6) 伸長・圧縮耐久率 JIS L1017のチューブ疲労強さの測定方法として記載
されているA法(グッドイヤ法)にて測定 実施例1 特開昭47−10863号公報に記載の界面重合法により製
造された固有粘度[η]1.45のポリメタフェニレンイソ
フタラミド重合体をN−メチル−2−ピロリドンからな
る溶媒に20.5重量%の濃度で溶解して紡糸ドープを調製
し、この紡糸ドープを用いて特公昭48−17551号公報に
記載の湿式紡糸法に従って、孔径0.10mmの紡糸孔を6000
個設けた紡糸口金から塩化カルシウム濃度42%,温度75
℃の塩化カルシウム水溶液からなる凝固浴中に紡糸し
た。
凝固した未延伸繊維は、凝固浴から引出された段階で
45重量%の溶媒を含んでいた。
この未延伸繊維を、第1水洗工程において、30重量%
の溶媒を含む30℃の水浴中の通して繊維中の溶媒含有率
を25重量%に低下させた。次に、この繊維を第1次温水
浴延伸工程において表−1に示す条件で2段延伸した。
このように第1次温水浴延伸を行った繊維を、第2次
水洗工程において50℃の水浴中で水洗して溶媒含有率を
10重量%まで低下させた。引続き、第2次温水浴延伸工
程において90℃の温水浴中で2.1倍に延伸した後、120℃
で乾燥し、次の乾熱延伸工程において350℃の熱板上で
1.7倍に延伸した。紡糸後の全延伸倍率は4.7倍であっ
た。この方法により単糸デニール2.0のポリメタフェニ
レンイソフタルアミド繊維を得た。
該ポリメタフェニレンイソフタラミド繊維を集束して
全デニール12000デニールの実質的に巻縮を有しないト
ウとした。ここでトウに巻縮を付与すると紡績糸の巻縮
度が1%以上になり易いので好ましくない。ついで該ト
ウを1800mmの間隔の対のローラー間で牽切比24倍で牽切
し、平均繊維長690mmの短繊維束とし、下記条件にて抱
合性を付与し紡績糸とした。
引取ノズル圧 ;4kg/cm2 抱合ノズル圧 ;5kg/cm2 糸のオーバーフィード率;3% 比較例1 実施例1と同様にドープを得て湿式紡糸した後、未延
伸繊維を60℃の温水浴中で水洗して溶媒含有率を8重量
%まで低下せしめた後、95℃の温水浴中で2.4倍に延伸
し、130℃で乾燥後350℃の熱板上で1.75倍に延伸し単糸
デニール2.0のポリメタフェニレンイソフタルアミド繊
維を得た。
この後実施例1と同方法にて紡績糸を得た。
比較例2 凝固浴の温度を90℃とした以外は実施例1と同条件に
て紡績糸を得た。
比較例3 実施例1における延伸後のポリメタフェニレンイソフ
タルアミド繊維のトウ(トータルデニール36万デニー
ル,単糸デニール2デニール)に押込捲縮を付与した
後、2インチにカットし、通常の紡績工程を通して10番
平の紡績糸を得た。
該紡績糸の分解点,巻縮度,セクション比率a,単糸破
断強度,紡績糸破断強度,平均繊維長,耐クリープ性,
該紡績糸を使用した伸長・圧縮耐久率の測定結果を表−
2に示す。
この表が示すように、セクション比率aを大きくした
場合、伸長・圧縮耐久率アップが認められる。また紡績
糸破断強度が低いと伸長・圧縮耐久率が低下するので紡
績糸破断強度のアップも要求される。平均繊維長が短い
比較例3では紡績糸破断強度が低いのでセクション比率
を上げているにもかかわらず伸長・圧縮耐久率が低い。
【図面の簡単な説明】
図−1(1),(2),(3)は各種の繊維断面を示
し、これらの断面のセクション比率aの測定場所を示
す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリマー繰返し単位の85モル%以上がメタ
    フェニレンイソフタラミドである全芳香族ポリアミドか
    らなる、捲縮を有しない連続糸条を牽切し、引き続き連
    続的に抱合性を付与してなる紡績糸において、該紡績糸
    は、単繊維の捲縮度が1%以下、セクション比率aが1.
    5以上、単繊維の破断強度が6.5g/de以上、平均繊維長が
    130〜1500mmであることを特徴とするゴム補強用耐熱性
    紡績糸。
JP1055017A 1989-03-09 1989-03-09 ゴム補強用耐熱性紡績糸 Expired - Lifetime JP2820426B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1055017A JP2820426B2 (ja) 1989-03-09 1989-03-09 ゴム補強用耐熱性紡績糸

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1055017A JP2820426B2 (ja) 1989-03-09 1989-03-09 ゴム補強用耐熱性紡績糸

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02234932A JPH02234932A (ja) 1990-09-18
JP2820426B2 true JP2820426B2 (ja) 1998-11-05

Family

ID=12986898

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1055017A Expired - Lifetime JP2820426B2 (ja) 1989-03-09 1989-03-09 ゴム補強用耐熱性紡績糸

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2820426B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5032108B2 (ja) * 2006-12-27 2012-09-26 帝人テクノプロダクツ株式会社 耐熱ホース用補強糸およびゴムホース

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5887323A (ja) * 1981-11-16 1983-05-25 Teijin Ltd 耐熱性紡績糸の製造方法
JPS63309641A (ja) * 1987-06-11 1988-12-16 株式会社クラレ 高温における形態安定性に優れた混紡糸

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02234932A (ja) 1990-09-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5484383B2 (ja) ポリ(トリメチレンテレフタレート)ステープルファイバの製造方法、およびポリ(トリメチレンテレフタレート)ステープルファイバ、糸および布
JP4584503B2 (ja) すだれ織物
TWI328624B (en) Staple fibers and processes for making same
JPH11508971A (ja) 新規ポリエステルトウ
JP2003013326A (ja) ポリケトン繊維、その製造方法及びポリケトン撚糸物
JPH0674527B2 (ja) 自己捲縮性ポリアミドフイラメント
US4505100A (en) Heat-durable spun-like fasciated yarn and method for producing the same
JP3704015B2 (ja) ポリケトン繊維およびその製造方法
JP2820426B2 (ja) ゴム補強用耐熱性紡績糸
JPS6317126B2 (ja)
JP2002309442A (ja) ポリケトン繊維、コード及びその製造方法
EP0122949B1 (en) Heat-durable spun-like fasciated yarn and method for producing the same
JPH0116932B2 (ja)
KR20210086467A (ko) 고속 카딩용 파라-아라미드 스테이플 섬유 및 아라미드 방적사 제조 방법
JP4646467B2 (ja) 紡績糸
JP2003027333A (ja) ポリケトン繊維
JPH0718052B2 (ja) 高強度アクリル系繊維の製造法
JP2905553B2 (ja) 分割方法
JP2728507B2 (ja) 耐熱性紡績糸の処理方法
JPS6385105A (ja) 耐摩耗性に優れた有機系高強度繊維
CN112105765B (zh) 全芳香族聚酰胺纤维
JP2024521064A (ja) パラ-アラミドステープル繊維、アラミド紡績糸およびその製造方法
KR20230037445A (ko) 파라-아라미드 스테이플 섬유, 아라미드 방적사 및 그 제조 방법
JP2018168519A (ja) 伸縮性編地の製造方法
KR100233300B1 (ko) 타이어코드지용 위사

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090828

Year of fee payment: 11

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090828

Year of fee payment: 11