JP2819881B2 - 反応性粘着剤 - Google Patents

反応性粘着剤

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JP2819881B2 JP3224548A JP22454891A JP2819881B2 JP 2819881 B2 JP2819881 B2 JP 2819881B2 JP 3224548 A JP3224548 A JP 3224548A JP 22454891 A JP22454891 A JP 22454891A JP 2819881 B2 JP2819881 B2 JP 2819881B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ラベル・シール用、テ
ープ用、建材用、包装材料用、エレクトロニクス材料用
などに使用される反応性粘着剤に関し、より詳しくは、
その反応性を利用して、反応前には充分な接着力を有
し、電子線、紫外線等を照射し反応させた後には接着力
を低減することのできる反応性粘着剤に関する。
【0002】
【従来技術】従来、粘着剤の成分としては、天然ゴム、
合成ゴム等の弾性体またはアクリル系樹脂が使用され、
これらの粘着剤を支持体面に形成してなる粘着ラベル・
シート及びテープ類は、常温において指圧程度の圧力で
物体面に接着が容易であるため各種用途に幅広く普及さ
れている。しかし、これら一般の粘着剤は接着力を大き
くすると、被接着体を粘着シートから剥離しようとする
際の剥離性が良好とは言えず、また、逆に剥離性を容易
にしようとすると、初期の接着力が小さくなってしまい
粘着剤としての機能を充分に発揮することが難しいとい
う欠点を有していた。これを改良する目的で、粘着剤組
成中に多官能モノマーを添加し、剥離の際に電子線、紫
外線等の照射を行い、粘着剤を架橋させ剥離させる方法
が知られている。これは、架橋により粘着剤の凝集力が
増し、それに伴い被接着体との接着力が低下することを
利用している。しかし、添加する多官能モノマーの分子
量が小さいと、架橋前の初期状態における凝集力が弱く
なってしまい、被接着体との保持力の低下を引き起こす
という問題点が発生する。そのため、添加する多官能モ
ノマーは分子量の面で大きな制約を受けてしまい、架橋
による接着力の低下と、初期の凝集力を両立させること
は困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者らは、
これら従来の粘着剤の持つ欠点を解決すべく鋭意研究を
重ねた結果、粘着剤に内部が三次元架橋した反応性マイ
クロゲル微粒子が含まれているとき、反応前は接着力、
凝集力は通常の粘着剤レベルを維持し、電子線、紫外線
等の照射による反応後には接着力を低減することができ
ることを見いだし本発明を完成した。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、重合性二重結
合を有するモノマーを、少なくとも第4級アンモニウム
塩含有多官能反応性高分子乳化剤を用いて乳化重合によ
り合成したマイクロゲル微粒子(A)と、少なくとも1
つの重合性二重結合および第4級アンモニウム塩と反応
する官能基を有する化合物(B)とを反応させ表面に重
合性二重結合を導入した反応性マイクロゲルを含む反応
性粘着剤に関する。本発明の反応性粘着剤に用いられる
マイクロゲル微粒子(A)は、重合性二重結合を有する
モノマーを、第4級アンモニウム塩含有多官能反応性高
分子乳化剤を用いて乳化重合してなることを特徴として
いる。本発明において、重合性二重結合を有するモノマ
ーのうち、1官能のものとしては、(メタ)アクリル酸
メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル
酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メ
タ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、
(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ラウ
リル等の(メタ)アクリル酸のC1 〜C18アルキルエス
テル:グリシジル(メタ)アクリレート:アリル(メ
タ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のC2 〜C20
アルケニルエステル:ヒドロキシルエチル(メタ)アク
リレート、ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレート、
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸
のC2〜C20ヒドロキシルアルキルエステル:アリルオ
キシルエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリ
ル酸のC3 〜C19アルケニルオキシルアルキルエステ
ル:(メタ)アクリル酸等が挙げられる。また、2つ以
上の重合性二重結合を有する多官能モノマーとしては、
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリル酸エステ
ル、グリコール類のジ(メタ)アクリル酸エステル、ポ
リオールのジ(メタ)アクリル酸エステル、ポリウレタ
ン類のジ(メタ)アクリル酸エステル、ポリエステルの
ジ(メタ)アクリル酸エステル、ブタジエン、イソプレ
ン、クロロプレン、ジビニルベンゼン等を挙げることが
できる。これらのモノマーは所望の物性に応じて適宜選
択され、それぞれ単独で用いてもよく、あるいは2種ま
たはそれ以上組み合わせて使用することができる。ま
た、1官能モノマーと多官能モノマーとを併用すること
もでき、これによりコア部分が三次元架橋をとっている
マイクロゲル微粒子(A)を得ることができる。
【0005】第4級アンモニウム塩含有多官能反応性高
分子乳化剤は、通常3級アミノ基を有する高分子化合物
を酸により中和して第4級化してなる高分子乳化剤の第
4級アンモニウム塩の一部を、グリシジル(メタ)アク
リレート等の1分子中に第4級アンモニウム塩と反応し
得るエポキシ基などの官能基及び少なくとも1つの重合
性二重結合を有する化合物と反応させることにより、高
分子乳化剤に2個以上の重合性二重結合が導入された多
官能反応性高分子乳化剤である。高分子乳化剤として
は、2,2-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
2,2-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のア
ミノ基を持つ反応性モノマーと他の反応性モノマー、例
えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エ
チル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル
酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)
アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、
(メタ)アクリル酸ラウリル等の(メタ)アクリル酸の
C1〜C18アルキルエステル:グリシジル(メタ)アク
リレート:アリル(メタ)アクリレート等の(メタ)ア
クリル酸のC2 〜C8 アルケニルエステル:ヒドロキシ
ルエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシルエチル
(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート
等の(メタ)アクリル酸のC2 〜C8 ヒドロキシルアル
キルエステル:アリルオキシルエチル(メタ)アクリレ
ート等の(メタ)アクリル酸のC3 〜C19アルケニルオ
キシルアルキルエステル:(メタ)アクリル酸等の中か
ら選ばれたビニルモノマー1種以上とを共重合させ、そ
の後酸により中和することにより得られるものを挙げる
ことができる。また、キトサンなどの天然高分子やポリ
エチレンイミンなどの合成高分子といったアミノ基を含
むポリマーを酸により中和したものも挙げることができ
る。酸としては、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、プロピオン
酸、酪酸、(メタ)アクリル酸等を挙げることができ
る。
【0006】上記高分子乳化剤は水溶性の程度を制御で
きるため、耐水性の要求される用途においては好ましい
乳化剤である。これらの乳化剤はモノマーに対して 0.1
〜50重量%、望ましくは 3〜20重量%用いられる。ま
た、上記の高分子乳化剤と併用することのできる乳化剤
としては、低分子界面活性剤を用いる際には、ノニオン
系界面活性剤もしくはカチオン性界面活性剤が挙げられ
る。ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレ
ンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエ
ーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル等のポリオ
キシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンオ
クチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフ
ェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリル
エーテル、ポリオキシエチレン誘導体、オキシエチレン
・オキシプロピレンブロックコポリマー、グリセリン脂
肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等が
挙げられる。カチオン性界面活性剤としては、モノメチ
ルアミン、モノエチルアミン、ステアリルアミン等の1
級アミンの塩酸塩、ジメチルアミン、ジエチルアミン、
ジステアリルアミン等の2級アミンの塩酸塩、トリメチ
ルアミン、トリエチルアミン、ステアリルジメチルアミ
ン等の3級アミンの塩酸塩、モノエタノールアミン、ジ
エタノールアミン、トリエタノールアミン等のエタノー
ルアミン類の塩酸塩、エチレンジアミン、ジエチレント
リアミン等のポリエチレンポリアミン類の塩酸塩等が挙
げられる。上記低分子界面活性剤を、高分子乳化剤と併
用する際には、モノマーに対して0.1〜50重量%が好ま
しく、さらに好ましくは 0.1〜20重量%である。マイク
ロゲルは、重合性二重結合を有するモノマーを、乳化剤
を用いて乳化重合により合成するが、乳化重合を行なう
際の温度は50〜95℃、好ましくは65〜80℃である。
【0007】また、乳化重合を行なう際のモノマーと乳
化剤を合わせた固形分率は10〜50重量%が好ましく、さ
らに好ましくは15〜30重量%である。本発明において、
乳化重合によって生成したマイクロゲルの粒径は通常、
光散乱法による測定で10〜500nmである。このように
して生成したマイクロゲル微粒子(A)の表面に存在す
る第4級アンモニウム塩と、1分子中にエポキシ基など
の官能基及び少なくとも1つの重合性二重結合を有する
化合物(B)とを反応させ、マイクロゲル微粒子の表面
に重合性二重結合を導入する。
【0008】この化合物(B)としてはグリシジル(メ
タ)アクリレート、N−グリシジル(メタ)アクリルア
ミド、グリシジルアリルエーテル、1,2-エポキシ-5- ヘ
キセン等の不飽和二重結合を有するエポキシ化合物、グ
リシジルシンナメート等が挙げられる。これらの化合物
(B)は所望の物性に応じて適宜選択され、それぞれ単
独で用いてもよく、あるいは2種またはそれ以上組み合
わせて使用することができる。化合物(B)はマイクロ
ゲル粒子表面の4級アンモニウム塩に対し 1〜100 モル
%まで自由な割合で反応させることができる。この反応
はマイクロゲルのエマルションに化合物(B)を混合し
30〜90℃、望ましくは60〜80℃の温度で2時間以上撹拌
するだけで終了する。このように本発明においては水性
分散液中でも反応させることができるという利点があ
る。また、多官能反応性高分子乳化剤の製造に用いられ
るグリシジル(メタ)アクリレート等の1分子中に4級
アンモニウム塩と反応し得るエポキシ基などの官能基及
び少なくとも1つの重合性二重結合を有する化合物の例
は、上記化合物(B)と同一である。使用する化合物
は、乳化剤に重合性二重結合を導入する際とマイクロゲ
ル微粒子(A)の表面に重合性二重結合を導入する際
で、同一の化合物であっても、異なる化合物であっても
良い。
【0009】本発明は、以上のようにして得られる反応
性マイクロゲルを粘着剤中に含むことを特徴とするが、
反応性マイクロゲルが粘着剤組成物中に含まれることに
よって凝集力が向上するのは、マイクロゲルがコア/シ
ェル構造を有し、その内部が三次元架橋構造をとってい
るため、通常、架橋剤により架橋処理を施し分子量アッ
プを図り、それに伴い凝集力を増大させる場合と同じ効
果が発揮できるためである。
【0010】反応性マイクロゲル以外の粘着剤組成物の
成分としては、水系で粘着特性を有するものであれば特
に制限はなく、アクリル系、ゴム系等を用いることがで
きる。また、マイクロゲル微粒子(A)と化合物(B)
との反応工程を経ない表面に重合性二重結合を有してい
ない非反応性マイクロゲルも、反応性マイクロゲル以外
の粘着剤組成物成分として用いることができる。アクリ
ル系としては、一般にエマルション型が多く、(メタ)
アクリル系重合体が広く用いられるが、(メタ)アクリ
ル系共重合体の主成分として用いられる酸アルキルエス
テルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)ア
クリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メ
タ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチ
ル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸
オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アク
リル酸2−エチルヘキシル等の(メタ)アクリル酸のC
1〜C14アルキルエステルが用いられ、好ましくは、使
用される(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキ
ル基の炭素数が4〜12のアルキルエステルである。ま
た、(メタ)アクリル系共重合体の他成分としては、グ
リシジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
レート、アクリルアミド、(メタ)アクリル酸、無水マ
レイン酸、マレイン酸、ポリエチレングリコールアクリ
レート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ート、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル、ブタ
ジエン、クロロプレン等を挙げることができる。これら
のモノマーは所望の物性に応じて適宜選択され、それぞ
れ単独で用いてもよく、あるいは2種またはそれ以上組
み合わせて使用することができる。
【0011】粘着剤中の反応性マイクロゲルの含有量は
1〜100重量%が好ましく、さらに好ましくは10〜
100重量%である。粘着剤中の反応性マイクロゲルの
含有量が1重量%以下であると、電子線、紫外線等を当
て架橋させた後の接着力の変化がほとんどなく、反応性
マイクロゲルを粘着剤組成物中に入れた効果が見られな
い。また、架橋させた後の接着力の変化は、粘着剤中の
重合性二重結合の量によってコントロールすることがで
きる。粘着剤中への反応性マイクロゲルの添加量が多く
なるほど、重合性二重結合の量は多くなるため、電子
線、紫外線等を当てて架橋させた際の架橋密度は増し、
その結果、凝集力が大きくなり接着力の低下量は多くな
る。同様の効果は、反応性マイクロゲル表面の重合性二
重結合の量を変化させることによっても達成される。す
なわち、粘着剤中の反応性マイクロゲルの含有量が同じ
場合、反応性マイクロゲル表面の重合性二重結合の量が
多いほど、架橋させた際の架橋密度は大きくなり、その
結果、凝集力が増し、接着力の低下量は多くなる。反応
性マイクロゲル表面の重合性二重結合の量は、マイクロ
ゲル微粒子(A)の表面に存在する第4級アンモニウム
塩と反応させる1分子中にエポキシ基などの官能基及び
少なくとも1つの重合性二重結合を有する化合物(B)
の量によって容易に調整することが可能である。化合物
(B)はマイクロゲル粒子表面の4級アンモニウム塩に
対し1〜100モル%まで自由な割合で反応させることがで
きる。反応性マイクロゲル含有反応性粘着剤を得るに
は、水系粘着剤組成物中に反応性マイクロゲル分散液を
混合、撹拌するだけで容易に得ることができる。
【0012】以上のようにして得られる反応性粘着剤に
は、必要に応じて光重合開始剤を添加することができ
る。光重合開始剤としてはベンゾフェノン、2-ヒドロキ
シ2-メチル-1-フェニルプロパン1-オン、1-(4-イソプ
ロピルフェニル)2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オ
ン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]2-モル
ホリノプロパノン-1等があげられる。これらの光重合開
始剤の添加量は、樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部
の範囲で用いられる。また本発明の反応性粘着剤には各
種の機能を付与するために、必要に応じて一般的な粘着
剤に用いられる添加剤を併用することもできる。
【0013】このようにして得られた反応性マイクロゲ
ルを含む反応性粘着剤組成物は、ポリエステル、ポリプ
ロピレン、塩化ビニル等のフィルム基材、さらには上質
紙、アート紙、コート紙等の紙基材等に乾燥膜厚が5〜
50μm程度となるように塗布し、粘着シートとする。
基材は、反応性粘着剤を架橋させる際に用いられる電子
線、紫外線等の種類及び照射面(基材側及び被着体側)
により、用いられる種類が制限される。基材側より紫外
線照射を行い架橋させる場合には、基材としては、紫外
線を透過することのできる基材(ポリエステル等の透明
フィルム等)を用いる必要がある。塗布方法としては特
に制限はなく、粘着剤の粘度、塗布膜厚に応じて、一般
に用いられているコーター等を適宜用いることができ
る。このようにして得られた粘着シートは、反応前は十
分な粘着特性(接着力、凝集力)を有し、その後、電子
線、紫外線等の照射により、接着力を低減することが可
能となる。
【0014】
【実施例】例中、部及び%はそれぞれ重量部及び重量%
を示す。 (a)高分子乳化剤の作製 2−エチルヘキシルアクリレート100部、N,N−ジメチル
アミノエチルアクリレート100部、2−プロパノール200
部を2リットル反応容器中で撹拌下、窒素雰囲気中で80
℃に加熱した。アゾビスイソブチロニトリル(以後AIBN
と記す)を1.6部添加し2時間保持し、ついでAIBN0.4部
添加しその後4時間反応混合物を80℃保持して重合を完
結した。室温に冷却後酢酸42.0部と水1000部の混合物を
加え加熱して共沸蒸留により2-プロパノール及び水を
除去し、高分子乳化剤を得た。その後グリシジルメタク
リレート9.9部加え空気雰囲気中で70℃に加熱し2時間保
持することによりメタクリル基のペンダントされた反応
性高分子乳化剤を得た。
【0015】(b−1)反応性マイクロゲルの合成
(1) 2−エチルヘキシルアクリレート50部、メチルメタクリ
レート10部、(a)で合成した反応性高分子乳化剤水溶
液100部(固形分20%)、脱イオン水160部を500ml反応容
器中で撹拌下、窒素雰囲気中で80℃に加熱した。3%アゾ
ビスアミジノプロパン2塩酸塩(以後AAPDと記す)水溶
液を16部添加し2時間保持した。ついで3%AAPD水溶液4部
添加した。添加終了後反応混合物を80℃に4時間保持し
て重合を完結しマイクロゲル水系分散液を得た。このマ
イクロゲル水性分散液を一晩放置した後、グリシジルメ
タクリレート8.4部を加え空気雰囲気中で70℃に加熱し2
時間保持することにより反応性マイクロゲルを得た。光
散乱法による粒径の測定結果は約150nmであった。 (b−2)反応性マイクロゲルの合成(2) (b−1)反応性マイクロゲルの合成でグリシジルメタ
クリレートの添加量を5.6部とした以外は(b−1)反
応性マイクロゲルの合成と全く同様の方法で反応性マイ
クロゲルを得た。光散乱法による粒径の測定結果は約14
5nmであった。 (b−3)反応性マイクロゲルの合成(3) (b−1)反応性マイクロゲルの合成でグリシジルメタ
クリレートの添加量を2.8部とした以外は(b−1)反
応性マイクロゲルの合成と全く同様の方法で反応性マイ
クロゲルを得た。光散乱法による粒径の測定結果は約13
5nmであった。
【0016】実施例1 (b−1)で作製した反応性マイクロゲル水系分散液を
単独で反応性粘着剤組成物として用い、この反応性粘着
剤組成物40部(固形分25%)に、タ゛ロキュア2959(メルク社
製)を0.25部加え、その後、コロナ処理を施した厚さ2
5μmのポリエステルフィルムに塗布し、100℃で2
分間乾燥を行ない、乾燥膜厚が25μmの粘着シートを
得た。
【0017】実施例2 (b−1)で作製した反応性マイクロゲル水系分散液40
部(固形分25%)を2−エチルヘキシルアクリレート80
部、メチルメタクリレート10部、アクリルアミド3部を
イオン交換水、界面活性剤、重合開始剤を用いて乳化重
合により得られたアクリル系エマルション粘着剤組成物
180部(固形分50%)に加え、撹拌を行なうことによ
り、反応性マイクロゲル含有反応性粘着剤組成物を得
た。実施例2における反応性マイクロゲルの含有率は、
10重量%である。この反応性粘着剤組成物22部(固形
分45.5%)に、タ゛ロキュア2959を0.25部加え、その後、実施
例1と同様にして粘着シートを得た。
【0018】実施例3 実施例2において反応性マイクロゲル水系分散液の添加
量を360部(固形分25%)とし、この反応性粘着剤組成
物30部(固形分33.3%)に、タ゛ロキュア2959を0.25部加え、
その後、実施例1と同様にして粘着シートを得た。実施
例3における反応性マイクロゲルの含有率は、50重量
%である。
【0019】実施例4 実施例1で、(b−1)で作製した反応性マイクロゲル
水系分散液の代わりに(b−2)で作製した反応性マイ
クロゲル水系分散液(固形分25%)を用いた以外は実施
例1と同様にして粘着シートを得た。
【0020】実施例5 実施例1で、(b−1)で作製した反応性マイクロゲル
水系分散液の代わりに(b−3)で作製した反応性マイ
クロゲル水系分散液(固形分25%)を用いた以外は実施
例1と同様にして粘着シートを得た。
【0021】比較例1 実施例2で反応性マイクロゲル水系分散液の代わりに、
トリメチロールプロパントリアクリレート10部をアクリ
ル系エマルション粘着剤組成物に添加し、撹拌を行なう
ことにより、反応性粘着剤組成物を得た。この反応性粘
着剤組成物19部(固形分52.6%)に、タ゛ロキュア2959を0.25
部加え、その後、実施例1と同様にして粘着シートを得
た。
【0022】(粘着性評価)実施例1〜5、比較例1で
得られた粘着シートについて以下の物性の粘着性の比較
を行なった。(a)接着力評価 幅25mm、長さ100mmに切断した粘着シートを、紙やすり#
400で研磨した厚さ0.4mmのステンレス板(SUS30
4)に貼着し、30分放置した後に、25℃65%RHの環境下
にて、剥離速度300mm/minの条件で180度剥離強度を測定
した。また、30分間放置後に、基材であるポリエステル
フィルム側より、80W/cmの高圧水銀灯で照射距離10
cmの所より20秒間紫外線照射を行ない、粘着シートを
架橋させ、その後、同様の剥離強度測定を行なった。 (b)凝集力測定 幅25mm、長さ100mmに切断した粘着シートを、紙やすり#
400で研磨した厚さ0.4mmのステンレス板(SUS30
4)に貼り合わせ面積が25mm×25mmとなるように貼着
し、40℃の環境下にて、1kgの荷重をかけ、粘着シー
トがステンレス板より落下するまでの時間(秒)を測定
した。また、貼り合わせた後に、接着力測定の際に用い
た条件と同様の紫外線照射条件で架橋させ、その後、同
様の凝集力測定を行なった。表1に接着力、凝集力の測
定結果を示す。
【0023】
【表1】
【0024】このように、本発明では、反応性マイクロ
ゲルを粘着剤中に含有させることによって、初期状態で
の粘着特性(接着力、凝集力)に優れ、かつ電子線、紫
外線等の照射を行なった場合、反応性マイクロゲルの含
有量または反応性マイクロゲル表面の重合性二重結合の
量に応じて接着力の低下量をコントロールすることが可
能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09J 151/00 - 155/00 C08F 299/00 C09J 5/00 C09J 133/04 - 133/12

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重合性二重結合を有するモノマーを、少な
    くとも第4級アンモニウム塩含有多官能反応性高分子
    化剤を用いて乳化重合により合成したマイクロゲル微粒
    子(A)と、少なくとも1つの重合性二重結合および
    4級アンモニウム塩と反応する官能基を有する化合物
    (B)とを反応させ表面に重合性二重結合を導入した反
    応性マイクロゲルを含むことを特徴とする反応性粘着
    剤。
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