JPH0543858A - 反応性粘着剤 - Google Patents

反応性粘着剤

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JPH0543858A
JPH0543858A JP3224548A JP22454891A JPH0543858A JP H0543858 A JPH0543858 A JP H0543858A JP 3224548 A JP3224548 A JP 3224548A JP 22454891 A JP22454891 A JP 22454891A JP H0543858 A JPH0543858 A JP H0543858A
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達也 長谷川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、その反応性を利用して、反応前には
充分な接着力を有し、電子線、紫外線等を照射し反応さ
せた後には接着力を低減することのできる反応性粘着剤
に関する。 【構成】重合性二重結合を有するモノマーを、少なくと
も第4級アンモニウム塩含有化合物を含む乳化剤を用い
て乳化重合により合成したマイクロゲル微粒子(A)
と、1分子中に少なくとも1つの重合性二重結合かつ該
第4級アンモニウム塩と反応する官能基を有する化合物
(B)とを反応させ表面に重合性二重結合を導入した反
応性マイクロゲルを含む反応性粘着剤である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ラベル・シール用、テ
ープ用、建材用、包装材料用、エレクトロニクス材料用
などに使用される反応性粘着剤に関し、より詳しくは、
その反応性を利用して、反応前には充分な接着力を有
し、電子線、紫外線等を照射し反応させた後には接着力
を低減することのできる反応性粘着剤に関する。
【0002】
【従来技術】従来、粘着剤の成分としては、天然ゴム、
合成ゴム等の弾性体またはアクリル系樹脂が使用され、
これらの粘着剤を支持体面に形成してなる粘着ラベル・
シート及びテープ類は、常温において指圧程度の圧力で
物体面に接着が容易であるため各種用途に幅広く普及さ
れている。しかし、これら一般の粘着剤は接着力を大き
くすると、被接着体を粘着シートから剥離しようとする
際の剥離性が良好とは言えず、また、逆に剥離性を容易
にしようとすると、初期の接着力が小さくなってしまい
粘着剤としての機能を充分に発揮することが難しいとい
う欠点を有していた。これを改良する目的で、粘着剤組
成中に多官能モノマーを添加し、剥離の際に電子線、紫
外線等の照射を行い、粘着剤を架橋させ剥離させる方法
が知られている。これは、架橋により粘着剤の凝集力が
増し、それに伴い被接着体との接着力が低下することを
利用している。しかし、添加する多官能モノマーの分子
量が小さいと、架橋前の初期状態における凝集力が弱く
なってしまい、被接着体との保持力の低下を引き起こす
という問題点が発生する。そのため、添加する多官能モ
ノマーは分子量の面で大きな制約を受けてしまい、架橋
による接着力の低下と、初期の凝集力を両立させること
は困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者らは、
これら従来の粘着剤の持つ欠点を解決すべく鋭意研究を
重ねた結果、粘着剤に内部が三次元架橋した反応性マイ
クロゲル微粒子が含まれているとき、反応前は接着力、
凝集力は通常の粘着剤レベルを維持し、電子線、紫外線
等の照射による反応後には接着力を低減することができ
ることを見いだし本発明を完成した。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、重合性二重結
合を有するモノマーを、少なくとも第4級アンモニウム
塩含有化合物を含む乳化剤を用いて乳化重合により合成
したマイクロゲル微粒子(A)と、1分子中に少なくと
も1つの重合性二重結合かつ該第4級アンモニウム塩と
反応する官能基を有する化合物(B)とを反応させ表面
に重合性二重結合を導入した反応性マイクロゲルを含む
反応性粘着剤に関する。本発明の反応性粘着剤組成物に
用いられるマイクロゲル微粒子(A)は、重合性二重結
合を有するモノマーを、乳化重合することを特徴として
いる。本発明において、重合性二重結合を有するモノマ
ーとしては、1官能のものとしては、(メタ)アクリル
酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリ
ル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メ
タ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、
(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ラウ
リル等の(メタ)アクリル酸のC1〜C18アルキルエス
テル:グリシジル(メタ)アクリレート:アリル(メ
タ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のC2〜C20
アルケニルエステル:ヒドロキシルエチル(メタ)アク
リレート、ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレート、
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸
のC2〜C20ヒドロキシルアルキルエステル:アリルオ
キシルエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリ
ル酸のC3〜C19アルケニルオキシルアルキルエステ
ル:(メタ)アクリル酸等が挙げられる。また、2つ以
上の官能基を持つ多官能モノマーとしては、トリメチロ
ールプロパントリ(メタ)アクリル酸エステル、グリコ
ール類のジ(メタ)アクリル酸エステル、ポリオールの
ジ(メタ)アクリル酸エステル、ポリウレタン類のジ
(メタ)アクリル酸エステル、ポリエステルのジ(メ
タ)アクリル酸エステル、ブタジエン、イソプレン、ク
ロロプレン、ジビニルベンゼン等を挙げることができ
る。 これらのモノマーは所望の物性に応じて適宜選択
され、それぞれ単独で用いてもよく、あるいは2種また
はそれ以上組み合わせて使用することができる。但し、
1官能モノマーを用いる際は、単独では三次元架橋しな
いため、多官能モノマーとの併用もしくは後に示す乳化
剤に多官能の反応性高分子乳化剤を使用することが必要
となる。
【0005】乳化剤として用いられる第4級アンモニウ
ム塩含有化合物は、通常3級アミノ基を有する化合物を
酸により中和して第4級化したものである。そのような
乳化剤のうち低い分子量の乳化剤としては、ジメチルラ
ウリルアミン、ジメチルミリスチルアミン、ジメチルパ
ルミチルアミン、ジメチルステアリルアミン、ジエチル
ラウリルアミン、ジエチルミリスチルアミン、ジエチル
パルミチルアミン、ジエチルステアリルアミン等のC6
〜C20アルキル及びアルケニル3級アミン、2,2-ジメチ
ルアミノエチル(メタ)アクリレート、2,2-ジエチルア
ミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基を持つ反
応性モノマーの3級アミンの塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、
プロピオン酸、酪酸、(メタ)アクリル酸等の酸との反
応物があり、また高分子乳化剤として2,2-ジメチルアミ
ノエチル(メタ)アクリレート、2,2-ジエチルアミノエ
チル(メタ)アクリレート等のアミノ基を持つ反応性モ
ノマーと他の反応性モノマー、例えば(メタ)アクリル
酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリ
ル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メ
タ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、
(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ラウ
リル等の(メタ)アクリル酸のC1〜C18アルキルエス
テル:グリシジル(メタ)アクリレート:アリル(メ
タ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のC2〜C8ア
ルケニルエステル:ヒドロキシルエチル(メタ)アクリ
レート、ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレート、ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸の
C2〜C8ヒドロキシルアルキルエステル:アリルオキシ
ルエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸
のC3〜C19アルケニルオキシルアルキルエステル:
(メタ)アクリル酸等の中から選ばれたビニルモノマー
1種以上とを共重合させその後酸により中和することに
より得られるものを挙げることができる。またキトサン
などの天然高分子やポリエチレンイミンなどの合成高分
子といったアミノ基を含むポリマーを酸により中和した
ものも挙げることができる。これらの高分子乳化剤はそ
のまま、または4級アンモニウム塩の一部を、グリシジ
ル(メタ)アクリレート等の1分子中に4級アンモニウ
ム塩と反応し得るエポキシ基などの官能基及び少なくと
も1つの重合性二重結合を有する化合物と反応させるこ
とにより、高分子乳化剤に重合性二重結合が導入された
反応性高分子乳化剤として使用することができる。
【0006】マイクロゲルは、重合性二重結合を有する
モノマーを、乳化剤を用いて乳化重合により合成する
が、用いられる乳化剤の反応性の有無は、重合性二重結
合を有するモノマーが1官能モノマーのみの場合は、反
応性乳化剤を用いる必要があり、また重合性二重結合を
有するモノマーが多官能モノマー単独もしくは多官能モ
ノマーと1官能モノマーとの併用の場合は、反応性の有
無に特に制限はない。上記高分子乳化剤は水溶性の程度
を制御できるため、耐水性の要求される用途においては
好ましい乳化剤である。これらの乳化剤はモノマーに対
して0.1〜50重量%、望ましくは3〜20重量%用いられ
る。また、上記の高分子乳化剤と併用することのできる
乳化剤としては、低分子界面活性剤を用いる際には、ノ
ニオン系界面活性剤もしくはカチオン性界面活性剤が挙
げられる。ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシ
エチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステア
リルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル等の
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチ
レンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノ
ニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキル
アリルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、オキシエ
チレン・オキシプロピレンブロックコポリマー、グリセ
リン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステ
ル等が挙げられる。カチオン性界面活性剤としては、モ
ノメチルアミン、モノエチルアミン、ステアリルアミン
等の1級アミンの塩酸塩、ジメチルアミン、ジエチルア
ミン、ジステアリルアミン等の2級アミンの塩酸塩、ト
リメチルアミン、トリエチルアミン、ステアリルジメチ
ルアミン等の3級アミンの塩酸塩、モノエタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のエ
タノールアミン類の塩酸塩、エチレンジアミン、ジエチ
レントリアミン等のポリエチレンポリアミン類の塩酸塩
等が挙げられる。上記低分子界面活性剤を、高分子乳化
剤と併用する際には、モノマーに対して0.1〜50重量%
が好ましく、さらに好ましくは0.1〜20重量%である。
マイクロゲルは、重合性二重結合を有するモノマーを、
乳化剤を用いて乳化重合により合成するが、乳化重合を
行なう際の温度は50〜95℃、好ましくは65〜80℃であ
る。
【0007】また、乳化重合を行なう際のモノマーと乳
化剤を合わせた固形分率は10〜50重量%が好ましく、さ
らに好ましくは15〜30重量%である。本発明において、
乳化重合によって生成したマイクロゲルの粒径は通常、
光散乱法による測定で10〜500nmである。このように
して生成したマイクロゲル微粒子(A)の表面に存在す
る第4級アンモニウム塩と、1分子中にエポキシ基など
の官能基及び少なくとも1つの重合性二重結合を有する
化合物(B)とを反応させ、マイクロゲル微粒子の表面
に重合性二重結合を導入する。
【0008】この化合物(B)としてはグリシジル(メ
タ)アクリレート、N−グリシジル(メタ)アクリルア
ミド、グリシジルアリルエーテル、1,2-エポキシ-5-ヘ
キセン等の不飽和二重結合を有するエポキシ化合物、グ
リシジルシンナメート等が挙げられる。これらの化合物
(B)は所望の物性に応じて適宜選択され、それぞれ単
独で用いてもよく、あるいは2種またはそれ以上組み合
わせて使用することができる。化合物(B)はマイクロ
ゲル粒子表面の4級アンモニウム塩に対し1〜100モル%
まで自由な割合で反応させることができる。この反応は
マイクロゲルのエマルションに化合物(B)を混合し30
〜90℃、望ましくは60〜80℃の温度で2時間以上撹拌す
るだけで終了する。このように本発明においては水性分
散液中でも反応させることができるという利点がある。
また、前述の高分子乳化剤を高分子乳化剤に重合性二重
結合を導入された反応性高分子乳化剤として使用する際
に、その反応に用いられるグリシジル(メタ)アクリレ
ート等の1分子中に4級アンモニウム塩と反応し得るエ
ポキシ基などの官能基及び少なくとも1つの重合性二重
結合を有する化合物の例は、上記化合物(B)と同一で
ある。使用する化合物は、乳化剤に重合性二重結合を導
入する際とマイクロゲル微粒子(A)の表面に重合性二
重結合を導入する際で、同一の化合物であっても、異な
る化合物であっても良い。
【0009】本発明は、以上のようにして得られる反応
性マイクロゲルを粘着剤中に含むことを特徴とするが、
反応性マイクロゲルが粘着剤組成物中に含まれることに
よって凝集力が向上するのは、マイクロゲルがコア/シ
ェル構造を有し、そのコア部分が既に高分子量の三次元
架橋構造をとっているため、通常、架橋剤により架橋処
理を施し分子量アップを図り、それに伴い凝集力を増大
させる場合と同じ効果が発揮できるためである。
【0010】反応性マイクロゲル以外の粘着剤組成物の
成分としては、水系で粘着特性を有するものであれば特
に制限はなく、アクリル系、ゴム系等を用いることがで
きる。また、マイクロゲル微粒子(A)と化合物(B)
との反応工程を経ない表面に重合性二重結合を有してい
ない非反応性マイクロゲルも、反応性マイクロゲル以外
の粘着剤組成物成分として用いることができる。アクリ
ル系としては、一般にエマルション型が多く、(メタ)
アクリル系重合体が広く用いられるが、(メタ)アクリ
ル系共重合体の主成分として用いられる酸アルキルエス
テルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)ア
クリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メ
タ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチ
ル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸
オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アク
リル酸2−エチルヘキシル等の(メタ)アクリル酸のC
1〜C14アルキルエステルが用いられ、好ましくは、使
用される(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキ
ル基の炭素数が4〜12のアルキルエステルである。ま
た、(メタ)アクリル系共重合体の他成分としては、グ
リシジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
レート、アクリルアミド、(メタ)アクリル酸、無水マ
レイン酸、マレイン酸、ポリエチレングリコールアクリ
レート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ート、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル、ブタ
ジエン、クロロプレン等を挙げることができる。これら
のモノマーは所望の物性に応じて適宜選択され、それぞ
れ単独で用いてもよく、あるいは2種またはそれ以上組
み合わせて使用することができる。
【0011】粘着剤中の反応性マイクロゲルの含有量は
1〜100重量%が好ましく、さらに好ましくは10〜
100重量%である。粘着剤中の反応性マイクロゲルの
含有量が1重量%以下であると、電子線、紫外線等を当
て架橋させた後の接着力の変化がほとんどなく、反応性
マイクロゲルを粘着剤組成物中に入れた効果が見られな
い。また、架橋させた後の接着力の変化は、粘着剤中の
重合性二重結合の量によってコントロールすることがで
きる。粘着剤中への反応性マイクロゲルの添加量が多く
なるほど、重合性二重結合の量は多くなるため、電子
線、紫外線等を当てて架橋させた際の架橋密度は増し、
その結果、凝集力が大きくなり接着力の低下量は多くな
る。同様の効果は、反応性マイクロゲル表面の重合性二
重結合の量を変化させることによっても達成される。す
なわち、粘着剤中の反応性マイクロゲルの含有量が同じ
場合、反応性マイクロゲル表面の重合性二重結合の量が
多いほど、架橋させた際の架橋密度は大きくなり、その
結果、凝集力が増し、接着力の低下量は多くなる。反応
性マイクロゲル表面の重合性二重結合の量は、マイクロ
ゲル微粒子(A)の表面に存在する第4級アンモニウム
塩と反応させる1分子中にエポキシ基などの官能基及び
少なくとも1つの重合性二重結合を有する化合物(B)
の量によって容易に調整することが可能である。化合物
(B)はマイクロゲル粒子表面の4級アンモニウム塩に
対し1〜100モル%まで自由な割合で反応させることがで
きる。反応性マイクロゲル含有反応性粘着剤を得るに
は、水系粘着剤組成物中に反応性マイクロゲル分散液を
混合、撹拌するだけで容易に得ることができる。
【0012】以上のようにして得られる反応性粘着剤に
は、必要に応じて光重合開始剤を添加することができ
る。光重合開始剤としてはベンゾフェノン、2-ヒドロキ
シ2-メチル-1-フェニルプロパン1-オン、1-(4-イソプ
ロピルフェニル)2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オ
ン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]2-モル
ホリノプロパノン-1等があげられる。これらの光重合開
始剤の添加量は、樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部
の範囲で用いられる。また本発明の反応性粘着剤には各
種の機能を付与するために、必要に応じて一般的な粘着
剤に用いられる添加剤を併用することもできる。
【0013】このようにして得られた反応性マイクロゲ
ルを含む反応性粘着剤組成物は、ポリエステル、ポリプ
ロピレン、塩化ビニル等のフィルム基材、さらには上質
紙、アート紙、コート紙等の紙基材等に乾燥膜厚が5〜
50μm程度となるように塗布し、粘着シートとする。
基材は、反応性粘着剤を架橋させる際に用いられる電子
線、紫外線等の種類及び照射面(基材側及び被着体側)
により、用いられる種類が制限される。基材側より紫外
線照射を行い架橋させる場合には、基材としては、紫外
線を透過することのできる基材(ポリエステル等の透明
フィルム等)を用いる必要がある。塗布方法としては特
に制限はなく、粘着剤の粘度、塗布膜厚に応じて、一般
に用いられているコーター等を適宜用いることができ
る。このようにして得られた粘着シートは、反応前は十
分な粘着特性(接着力、凝集力)を有し、その後、電子
線、紫外線等の照射により、接着力を低減することが可
能となる。
【0014】
【実施例】例中、部及び%はそれぞれ重量部及び重量%
を示す。 (a)高分子乳化剤の作製 2−エチルヘキシルアクリレート100部、N,N−ジメチル
アミノエチルアクリレート100部、2−プロパノール200
部を2リットル反応容器中で撹拌下、窒素雰囲気中で80
℃に加熱した。アゾビスイソブチロニトリル(以後AIBN
と記す)を1.6部添加し2時間保持し、ついでAIBN0.4部
添加しその後4時間反応混合物を80℃保持して重合を完
結した。室温に冷却後酢酸42.0部と水1000部の混合物を
加え加熱して共沸蒸留により2-プロパノール及び水を
除去し、高分子乳化剤を得た。その後グリシジルメタク
リレート9.9部加え空気雰囲気中で70℃に加熱し2時間保
持することによりメタクリル基のペンダントされた反応
性高分子乳化剤を得た。
【0015】(b−1)反応性マイクロゲルの合成
(1) 2−エチルヘキシルアクリレート50部、メチルメタクリ
レート10部、(a)で合成した反応性高分子乳化剤水溶
液100部(固形分20%)、脱イオン水160部を500ml反応容
器中で撹拌下、窒素雰囲気中で80℃に加熱した。3%アゾ
ビスアミジノプロパン2塩酸塩(以後AAPDと記す)水溶
液を16部添加し2時間保持した。ついで3%AAPD水溶液4部
添加した。添加終了後反応混合物を80℃に4時間保持し
て重合を完結しマイクロゲル水系分散液を得た。このマ
イクロゲル水性分散液を一晩放置した後、グリシジルメ
タクリレート8.4部を加え空気雰囲気中で70℃に加熱し2
時間保持することにより反応性マイクロゲルを得た。光
散乱法による粒径の測定結果は約150nmであった。 (b−2)反応性マイクロゲルの合成(2) (b−1)反応性マイクロゲルの合成でグリシジルメタ
クリレートの添加量を5.6部とした以外は(b−1)反
応性マイクロゲルの合成と全く同様の方法で反応性マイ
クロゲルを得た。光散乱法による粒径の測定結果は約14
5nmであった。 (b−3)反応性マイクロゲルの合成(3) (b−1)反応性マイクロゲルの合成でグリシジルメタ
クリレートの添加量を2.8部とした以外は(b−1)反
応性マイクロゲルの合成と全く同様の方法で反応性マイ
クロゲルを得た。光散乱法による粒径の測定結果は約13
5nmであった。
【0016】実施例1 (b−1)で作製した反応性マイクロゲル水系分散液を
単独で反応性粘着剤組成物として用い、この反応性粘着
剤組成物40部(固形分25%)に、タ゛ロキュア2959(メルク社
製)を0.25部加え、その後、コロナ処理を施した厚さ2
5μmのポリエステルフィルムに塗布し、100℃で2
分間乾燥を行ない、乾燥膜厚が25μmの粘着シートを
得た。
【0017】実施例2 (b−1)で作製した反応性マイクロゲル水系分散液40
部(固形分25%)を2−エチルヘキシルアクリレート80
部、メチルメタクリレート10部、アクリルアミド3部を
イオン交換水、界面活性剤、重合開始剤を用いて乳化重
合により得られたアクリル系エマルション粘着剤組成物
180部(固形分50%)に加え、撹拌を行なうことによ
り、反応性マイクロゲル含有反応性粘着剤組成物を得
た。実施例2における反応性マイクロゲルの含有率は、
10重量%である。この反応性粘着剤組成物22部(固形
分45.5%)に、タ゛ロキュア2959を0.25部加え、その後、実施
例1と同様にして粘着シートを得た。
【0018】実施例3 実施例2において反応性マイクロゲル水系分散液の添加
量を360部(固形分25%)とし、この反応性粘着剤組成
物30部(固形分33.3%)に、タ゛ロキュア2959を0.25部加え、
その後、実施例1と同様にして粘着シートを得た。実施
例3における反応性マイクロゲルの含有率は、50重量
%である。
【0019】実施例4 実施例1で、(b−1)で作製した反応性マイクロゲル
水系分散液の代わりに(b−2)で作製した反応性マイ
クロゲル水系分散液(固形分25%)を用いた以外は実施
例1と同様にして粘着シートを得た。
【0020】実施例5 実施例1で、(b−1)で作製した反応性マイクロゲル
水系分散液の代わりに(b−3)で作製した反応性マイ
クロゲル水系分散液(固形分25%)を用いた以外は実施
例1と同様にして粘着シートを得た。
【0021】比較例1 実施例2で反応性マイクロゲル水系分散液の代わりに、
トリメチロールプロパントリアクリレート10部をアクリ
ル系エマルション粘着剤組成物に添加し、撹拌を行なう
ことにより、反応性粘着剤組成物を得た。この反応性粘
着剤組成物19部(固形分52.6%)に、タ゛ロキュア2959を0.25
部加え、その後、実施例1と同様にして粘着シートを得
た。
【0022】(粘着性評価)実施例1〜5、比較例1で
得られた粘着シートについて以下の物性の粘着性の比較
を行なった。(a)接着力評価 幅25mm、長さ100mmに切断した粘着シートを、紙やすり#
400で研磨した厚さ0.4mmのステンレス板(SUS30
4)に貼着し、30分放置した後に、25℃65%RHの環境下
にて、剥離速度300mm/minの条件で180度剥離強度を測定
した。また、30分間放置後に、基材であるポリエステル
フィルム側より、80W/cmの高圧水銀灯で照射距離10
cmの所より20秒間紫外線照射を行ない、粘着シートを
架橋させ、その後、同様の剥離強度測定を行なった。 (b)凝集力測定 幅25mm、長さ100mmに切断した粘着シートを、紙やすり#
400で研磨した厚さ0.4mmのステンレス板(SUS30
4)に貼り合わせ面積が25mm×25mmとなるように貼着
し、40℃の環境下にて、1kgの荷重をかけ、粘着シー
トがステンレス板より落下するまでの時間(秒)を測定
した。また、貼り合わせた後に、接着力測定の際に用い
た条件と同様の紫外線照射条件で架橋させ、その後、同
様の凝集力測定を行なった。表1に接着力、凝集力の測
定結果を示す。
【0023】
【表1】
【0024】このように、本発明では、反応性マイクロ
ゲルを粘着剤中に含有させることによって、初期状態で
の粘着特性(接着力、凝集力)に優れ、かつ電子線、紫
外線等の照射を行なった場合、反応性マイクロゲルの含
有量または反応性マイクロゲル表面の重合性二重結合の
量に応じて接着力の低下量をコントロールすることが可
能となる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合性二重結合を有するモノマーを、少
    なくとも第4級アンモニウム塩含有化合物を含む乳化剤
    を用いて乳化重合により合成したマイクロゲル微粒子
    (A)と、1分子中に少なくとも1つの重合性二重結合
    かつ該第4級アンモニウム塩と反応する官能基を有する
    化合物(B)とを反応させ表面に重合性二重結合を導入
    した反応性マイクロゲルを含むことを特徴とする反応性
    粘着剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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