JP2818908B2 - 魚 道 - Google Patents

魚 道

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JP2818908B2
JP2818908B2 JP2310802A JP31080290A JP2818908B2 JP 2818908 B2 JP2818908 B2 JP 2818908B2 JP 2310802 A JP2310802 A JP 2310802A JP 31080290 A JP31080290 A JP 31080290A JP 2818908 B2 JP2818908 B2 JP 2818908B2
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/60Ecological corridors or buffer zones

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  • Farming Of Fish And Shellfish (AREA)
  • Barrages (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、河川等に設置された堰堤などによって、
魚が河川等をさかのぼれないときに、そのような場所に
人工的に設けられる魚道に係り、特に、水位変動の大き
な堰堤で魚道の施設が大型になるのを防ぎ、又その操作
も面倒でない魚道に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、河川等に設置された堰堤などによって、魚が河
川等をさかのぼれない場所には、魚が河川等をさかのぼ
れるように魚道が設けられている。このような魚道とし
て、固定式のものと可動式のものが知られている。
固定式魚道は水位変動の余り大きくない場所に設けら
れ、魚道の多くは固定式が主である。固定式魚道には、
平面式、導壁式、階段式、逆流式などがある。
平面式は魚道を構成する水路の傾斜が緩やかな構造の
ものである。導壁式は水路の左右両側壁面から交互に導
壁を水路の中央まで張り出した構造で、水路を流れる水
を蛇行をさせるようにしたものである。階段式は水路に
複数の堰を階段状に配置した構造で、水路を流れる水が
各堰を越流するようにして、魚が各堰の越流をさかのぼ
るようにしたものである。逆流式は水路の途中に逆流を
生じさせるような壁面を儲けた構造のものである。
一方、可動式魚道は水位変動の大きい場所に設けられ
る。可動式魚道には、下流転倒式、上流転倒式、昇降
式、閘門式、エレベーター式などがある。
下流転倒式は魚道を構成する水路に複数のゲートを下
流側に転倒するように設けた構造のものである。上流転
倒式は水路に複数のゲートを上流側に転倒するように設
けた構造で、下流転倒式の低水位時の欠点を補うように
したものである。昇降式は水路に複数のゲートを昇降自
在に設けた構造のものである。閘門式は水路に設けた2
個のゲートが交互に昇降開閉する構造のものである。エ
レベーター式は水路の途中に魚を入れるエレベーターを
設けた構造で、このエレベーターを利用して魚を水位の
高い場所まで一気に引き上げるようにしたものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、水位変動の大きい場所に設けられる従来の
可動式魚道は以下の理由により、魚道の施設が大型にな
ったり、又はその操作が非常に面倒である等の欠点があ
った。
下流転倒式及び上流転倒式では、魚道を構成する水路
の最も上流側に設置されるゲートは最高水位時を考慮し
た高さが要求され、水位変動の大きい場所に設置される
ゲートは大型にならざるを得ない。しかも、魚が越流で
きる高さは精々30cm程度であるため、一つのゲートで水
位高さを調整できる範囲は最大30cm程度が限度である。
このため、水位変動が大きい場所には、上流側から下流
側に向かて順次高さが小さくなるゲートを多数設置しな
ければならず、しかも、各ゲートはその高さが全て異な
るものでなければならない。さらに、各ゲートの設置に
際しては、各ゲートの転倒時に隣接するゲート同士が当
たらないように十分な間隔をとらねばならず、このた
め、水路の流れ方向にある程度の長い距離が必要であ
り、魚道の施設は大型となった。
また、昇降式では、上記の転倒式と同様、水位変動の
大きい場所に設置する場合、大型のゲートや高さの異な
るゲートを多数必要とし、しかも、ゲートが昇降するた
め、各ゲート毎に高さの異なる昇降用の設備が必要であ
った。
また、閘門式では、ゲートは最高水位時を考慮した高
さが要求され、水位変動の大きい場所に設置されるゲー
トは大型にならざるを得ず、しかも、水路に設置された
2個のゲートを交互にバランス良く昇降させて開閉し
て、魚のさかのぼりの妨げにならないように配慮せねば
ならず、その操作は非常に面倒であった。
また、エレベーター式では、同様に魚のさかのぼりの
妨げにならないように、エレベータの昇降を配慮せねば
ならず、その操作は非常に面倒であった。
更にまた、一般的に魚道においては、魚のさかのぼり
の能力などから、魚道の水路底面の最大傾斜は10の1程
度が限度である。このため、水位変動の大きさに比例し
て魚道の水路を長くしなければならず、水位変動の大き
い場所に設置する場合、魚道の施設が大型になった。
この発明は、上記のような問題点に鑑み、その問題点
を解決すべく創案されたものであって、その目的とする
ところは、水位変動の大きな堰堤に設けられる施設が大
型になるのを防ぎ、又その操作も面倒になることのない
魚道を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
以上の目的を達成するためにこの発明は、河川等に設
置された堰堤の下流側に内部が中空な魚導入塔を設け、
魚導入塔内部と堰堤の上流側とを開通する魚導孔を形成
し、魚導入孔にゲートを設け、魚導入塔の外周に緩やか
な傾斜で高さ方向に延びる魚道用水路を形成し、該魚道
用水路の各所定高さに合わせて魚導通孔を魚導入塔の壁
面に複数形成すると共に、各魚導通孔に開閉扉を設けた
構成よりなるものである。
ここで、水路は、緩やかな傾斜で高さ方向に延びる螺
旋状水路、又は所定の範囲内を折り返しながら緩やかな
傾斜で高さ方向に延びる水路からなる。また、開閉扉に
はフロートが取付けられていてもよい。
〔作用〕
以上のような構成を有するこの発明は次のように作用
する。
すなわち、魚導入塔内部の水位に最も近い高さに形成
された魚導通孔を開口し、それより下方に位置する魚導
通孔は閉じたままにする。また、魚導入塔内部と堰堤の
上流側とを開通する魚導入孔を開口する。
堰堤の上流側の水は魚導入孔を通って魚導入塔内部に
入り、魚導入塔内部の水は開口された魚導通孔を通り抜
けて、堰堤の下流側に流出する。魚導入塔の外周には緩
やかな傾斜で高さ方向に延びる螺旋状の魚道用水路、又
は所定の範囲内を折り返しながら緩やかな傾斜で高さ方
向に延びる魚道用水路が設けられており、また各魚導通
孔は魚道用水路の各所定高さに合わせて形成されている
ので、魚導通孔を通り抜けた水は魚導入塔外周に形成さ
れた魚道用水路に流れ込み、そして、緩やかな傾斜から
なる魚道用水路を下方に向かって流れ、堰堤の下流側の
河川に流れ込む。
開口された魚導通孔より下方の魚道用水路には、この
魚導通孔から流れ出る水によって魚がさかのぼることが
可能な水量が流れ、水位の高い堰堤の上流側と水位の低
い下流側とは、魚導入孔、魚導入塔、緩やかな傾斜から
なる魚道用水路を通して、連続して流れる水の路が形成
される。川をさかのぼる魚はこの魚道用水路をさかのぼ
り、魚導入塔の開口された魚導通孔を通り抜けて魚導入
塔の内部に入り、そこから、魚導入孔を通って堰堤の上
流側に入ることができる。
〔実施例〕
以下、図面に記載の実施例に基づいてこの発明をより
具体的に説明する。
−第1実施例− ここで、第1図は側断面図、第2図は平面図である。
図において、河川等に設置された堰堤1を構成する躯
体2は、河川等の水路を遮断する状態に設置されてお
り、河川等をさかのぼる魚にとって障害物になってい
る。魚にとって障害物となる躯体2は、その上流側壁面
2aが垂直面に形成されており、又下流側壁面2bが傾斜面
に形成されている。障害物となる躯体2を魚が通過でき
るように、堰堤1の下流側には、内部が中空な魚導入塔
3が設けられ、又この魚導入塔3の外周に魚道用水路4
が螺旋状に設けられている。
魚導入塔3は円筒状に形成されており、魚導入塔3の
上面は開放されている。円筒状の魚導入塔3は堰堤1の
上流側と2つの魚導入孔5を介して連通している。即
ち、この魚導入塔3と堰堤1の上流側を開通する2つの
魚導入孔5が躯体2の上部及び下部に各々形成されてい
る。
魚道用水路4は魚導入塔3の外周壁面3aに沿って螺旋
状に設けられ、緩やかな傾斜で高さ方向に延びている。
つまり、魚道用水路4は魚導入塔3の外周壁面3aを旋回
しながら緩やかな傾斜で高さ方向に延び、その上端側は
魚導入塔3の壁面3aの最も上部に形成された後述の魚導
通孔6に臨んでいる。また、魚道用水路4の下流側は河
川等の岸側に沿って設けられている。魚道用水路4の緩
やかな上向きの傾斜は、魚のさかのぼりを考慮して10分
の1〜15分の1に形成されている。
魚道用水路4は左右に側壁が延長方向に形成されて溝
状になっており、その内部には所定間隔毎に堰4aが配置
されている。魚導入塔3の外周壁面3aに沿って設けられ
ている領域では、魚道用水路4の側壁の片方が省略され
ている。堰4aは両側壁より高さが低く、又堰4aの各上端
は上流側に向かって少しづつ順次高くなっている。魚が
越流できる高さは精々30cm程度であるため、各堰4aの差
は30cm以内になるように配置されている。このため、魚
道用水路4を流れる水は各堰4aを越流し、又魚道用水路
4内の魚は各堰4aの越流をさかのぼることができる。
魚導入塔3の壁面3aには、魚導入塔3内と堰堤1の下
流側とを開通する魚導通孔6が複数形成されている。魚
導通孔6は壁面3aを貫通しており、又各魚導通孔6は壁
面3aの異なる高さ位置に形成されている。
各魚導通孔6は、堰堤1の上流側の通常の水位変動範
囲に対応できる高さに各々形成されている。即ち、魚導
通孔6は通常の水位変動範囲での高水位及び低水位の位
置に各々形成され、高水位及び低水位で上流側の水が魚
導通孔6内を流れ、魚がこの魚導通孔6内をさかのぼる
ことができるようになっている。また、魚導通孔6はそ
の高水位と低水位の中間にも複数形成されている。
このうち、魚導入塔3の壁面3aの高位置に形成されて
いる魚導通孔6Hは魚道用水路4の上流端に連通してい
る。
また、魚導入塔3の壁面3aの低位置に形成されている
魚導通孔6Lは、下方に位置する魚道用水路4に連通して
いる。更に、魚導入塔3の壁面3aの中間位置に複数形成
されている魚導通孔6Mは、その中間に位置する魚道用水
路4に連通している。
魚導入塔3の壁面3aを貫通する各魚導通孔6には開閉
扉7が各々設けられている。開閉扉7は魚導入塔3の内
側壁面3aに設けられている。開閉扉7は魚導通孔6を完
全に密閉し、又例えば昇降式の構造からなっている。
開閉扉7には必要に応じてフロート8が取付けられて
いる。フロート8は内部が中空になっていて、水中では
浮力が作用するようになっており、開閉扉7を押し上げ
る機能を果たす。特に、高位置の魚導通孔6Hに設けられ
る開閉扉7にはフロート8が取付けられていて、フロー
ト8に作用する浮力によって、水位の変動に追従して魚
導通孔6Hを自動的に開閉できるようになっている。
また、河川等を堰き止めるように設置された堰堤1の
躯体2の上部及び下部には、前述したように、魚導入塔
3と堰堤1の上流側とを開通する魚導入孔5が各々形成
されている。各魚導入孔5は略水平か僅かに下向きに傾
斜した状態で躯体2を貫通している。
躯体2を貫通する各魚導入孔5にはこれを開閉するゲ
ート9が各々設けられている。例えば、堰堤1の上流側
が異常な高水位となり、魚導入塔3の開放された上部か
ら水が流出する恐れがある場合、魚導入塔3内にかなり
高い水圧が作用する場合、又は魚導入塔3の保守点検な
どを行う場合には、必要となる。
ゲート9は躯体2の上流側壁面2aに設けられている。
ゲート9は魚導入孔5を密閉し、又昇降式の構造からな
り、ゲート9は躯体2の垂直な上流側壁面2aを昇降する
ようになっている。
このため、ゲート9には昇降用の索条9aの下端が連結
されている。この索条9aの上端側は躯体2の上端に設置
された昇降用の駆動ドラム9bに巻装されている。また、
躯体2の上流側壁面2aはゲート9の昇降する領域が上下
方向に亘って一部壁面側に凹状に窪んでおり、各ゲート
9は凹状に窪んだ壁面によって上下方向に案内されるよ
うになっている。
次に、上記実施例の構成に基づく作用について説明す
る。
堰堤1の上流側の水位が高水位の場合には、魚導入塔
3の壁面3aに形成された中位置の複数の魚導通孔6M及び
低位置の魚導通孔6Lの開閉扉7を閉めたままにして、こ
れらの魚導通孔6M及び魚導通孔6Lから魚導入塔3と魚導
入孔5を介して連通する堰堤1の上流側の水が下流側に
流出するのを防ぐ。
一方、高位置の魚導通溝6Hを開閉する開閉扉7にはフ
ロート8が取付けられているので、魚導入塔3と魚導入
孔5を介して連通する堰堤1の上流側の水位がフロート
8の位置より高くなると、フロート8には浮力が作用
し、この浮力によって開閉扉7を上向きに押し上げて魚
導通孔6孔Hを開く。堰堤1の上流側の水は魚導入孔5
及び魚導入塔3を流下して開口された魚導通孔6Hを通り
抜けて魚道用水路4内に流入する。
魚道用水路4内に流入した水は、魚導入塔3の外側壁
面3aに沿って緩やかな傾斜で下方に延びる螺旋状の魚道
用水路4内を流れ、下方の魚道用水路4を経て、堰堤1
の下流側の河川等に流れ込む。
これにより、水位の高い堰堤1の上流側と水位の低い
下流側とは連続して流れる水の路が形成される。
この場合において、魚道用水路4内には堰4aが所定間
隔毎に配置されているので、魚道用水路4内を流れる水
は各堰4aを越流しながら下流側に流れる。
河川等をさかのぼる魚はこの魚道用水路4内の各堰4a
の越流を順次さかのぼり、魚道用水路4の上端に到達す
る。上端に到達した魚は、魚道用水路4の上端から魚導
通孔6Hを通り抜けて、魚導入孔3に入る。
魚導入塔3に入った魚は、魚導入塔3から魚導入孔5
内に入り、その中を上流に向かってさかのぼり、魚導入
孔5を通り抜けて、堰堤1の上流側に入り込むことがで
きる。
これに対して、堰堤1の水位が低水位の場合には、低
位置の魚導通孔6Lを閉じている開閉扉7を開ける。低位
置の魚導通孔6Lが開口されると、堰堤1の上流側の水は
魚導入孔5及び魚導入塔3を流下して開口された魚導通
孔6Hを通り抜けて魚道用水路4内に流入する。魚道用水
路4内に流入した水は、下方の魚道用水路4を経て、堰
堤1の下流側の河川等に流れ込む。
このようにして、水位の低い堰堤1の上流側と下流側
とは連続して流れる水の路が形成され、魚はこの水の路
をさかのぼって堰堤1の上流側に入り込むことができ
る。
また、堰堤1の水位が中位置の場合には、低位置の魚
導通孔6Lの開閉扉7を閉じたままとし、中位置の最適高
さの魚導通孔6Mの開閉扉7を開ける。それ以後は、上記
の場合と同様であるので、その説明を省略する。
−第2実施例− ここで、第3図は魚導入塔の平面図である。
この第2実施例が前記第1実施例と異なるところは、
魚導入塔3の外周に設けられた魚道用水路4が周回する
螺旋状でなく、ある範囲内で折り返しているとこであ
り、また、魚導入塔3も円筒状でなく、中空の角型状か
らなることである。
即ち、魚道用水路4の下流側は河川等の岸側に沿って
設けられ、又上流側に延びる側の魚道用水路4は魚導入
塔3の下部で90度曲がってその方向を変え、魚導入塔3
の外側壁面3aの一側面方向に直線状に延び、又緩やかな
傾斜で上向きに延びている。
そして、魚導入塔3の外側壁面3aの一側面方向を直線
状に延びた魚道用水路4は、そこから延び方向が外側壁
面3aの別の側面方向に90度曲がり、緩やかな傾斜で上向
きに直線状に延びている。上流側に延びる魚道用水路4
は、そこで180度折り返して逆向きになり魚導入塔3の
外側壁面3aに沿って緩やかな傾斜で上向きに直線状に延
びている。
上流画に延びる魚道用水路4は、このような直線的な
延びと180度折り返しと90度の曲がりを経ながら、堰堤
1の下流側に設けられた魚導入塔3の二側方の外側壁面
3aに沿って高さ方向に緩やかな傾斜で延び、その上端側
は魚導入塔3の壁面3aの最も上部に形成された魚導通孔
6に臨んでいる。
これ以外の構成は、前記第1実施例の構成と同様であ
り、同一の符号を付して、その説明を省略する。
また、第2実施例の構成に基づく作用は前記第1実施
例の場合と同様であるので、その説明を省略する。
なお、この発明は上記実施例に限定されるものではな
く、この発明の精神を逸脱しない範囲で種々の改変をな
し得ることは勿論である。
例えば、上記実施例では開閉扉が昇降式の構造からな
っている場合で説明したが、これに限定されるものでは
なく、例えば回転式、ラジアル式などの構造でもよい。
また、高位置の魚導通孔の開閉扉にはフロートが取付け
られている場合で説明したが、省略してもよい。
更に、上記実施例では、魚導入孔が2つ設けられてい
る場合で説明したが、堰堤の上流側の水位の変動範囲が
大きい場合には、魚導入孔の数を高さ方向に更に増やし
て設けてもよく、又堰堤の上流側の水位の変動範囲が小
さい場合には魚導入孔を1つにしてもよい。
〔発明の効果〕
以上の記載より明らかなように、この発明に係る魚道
によれば、河川等に設置された堰堤の下流側に内部が中
空な魚導入塔を設け、魚導入塔内部と堰堤の上流側とを
開通する魚導入孔を形成し、魚導入孔にゲートを設け、
魚導入塔の外周に緩やかな傾斜で高さ方向に延びる魚道
用水路を形成し、該魚道用水路の各所定高さに合わせて
魚導通孔を魚導入塔の壁面に複数形成すると共に、各魚
導通孔に開閉扉を設けたので、水位変動の大きい場所で
も、魚がさかのぼることができる範囲内に水路の傾斜を
維持しながら、魚道用水路の直線状的な長さ方向を小さ
く抑えることができ、しかも、魚導入塔内部の水位に最
も近い魚導通孔を開口することで、水位の変動に容易に
対処でき、その操作も簡単である。
また、開閉扉にフロートが取付けられている場合に
は、フロートに作用する浮力と開閉扉自体の自重を利用
して、開閉扉の自重による下向きの力とフロートによる
上向きの力のバランスによって、魚導通孔の開閉扉を自
動的に開閉することができる。
このように、この発明の魚道は、従来の転倒式や昇降
式のように、ゲートが大型になったり、ゲートの全ての
大きさが異なるということもなく、また、閘門式やエレ
ベーター式のように操作が非常に面倒になることもな
く、更に、一般の魚道のように長くなることもない。
その結果、水位変動の大きな堰堤に設けられる魚道の
直線状的な距離が長くなるのを防ぐことができ、地形的
に長い距離を確保できない場所にも魚道を設置すること
が可能となり、しかも、その操作が面倒になることがな
い等、極めて新規的有益なる効果を奏するものである。
〔符号の説明〕
1:堰堤、2:躯体 2a:上流側壁面、2b:下流側壁面 3:魚導入塔、3a:壁面 4:魚道用水路、4a:堰 5:魚導入孔、6:魚導通孔 6H:高位置の魚導通孔、6L:低位置の魚導通孔 6M:中位置の魚導通孔、7:開閉扉 8:フロート、9:ゲート 9a:索条、9b:駆動ドラム
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−197309(JP,A) 実開 昭52−5439(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E02B 8/08

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】河川等に設置された堰堤の下流側に内部が
    中空な魚導入塔を設け、魚導入塔内部と堰堤の上流側と
    を開通する魚導入孔を形成し、魚導入孔にゲートを設
    け、魚導入塔の外周に緩やかな傾斜で高さ方向に延びる
    魚道用水路を形成し、該魚道用水路の各所定高さに合わ
    せて魚導通孔を魚導入塔の壁面に複数形成すると共に、
    各魚導通孔に開閉扉を設けたことを特徴とする魚道。
  2. 【請求項2】魚道用水路は緩やかな傾斜で高さ方向に延
    びる螺旋状水路からなる請求項1記載の魚道。
  3. 【請求項3】魚道用水路は所定の範囲内を折り返しなが
    ら緩やかな傾斜で高さ方向に延びる水路からなる請求項
    1記載の魚道。
  4. 【請求項4】開閉扉にはフロートが取付けられている請
    求項1記載の魚道。
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