JP2818153B2 - Ofdm伝送システムとofdm送信装置 - Google Patents

Ofdm伝送システムとofdm送信装置

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JP2818153B2
JP2818153B2 JP8338238A JP33823896A JP2818153B2 JP 2818153 B2 JP2818153 B2 JP 2818153B2 JP 8338238 A JP8338238 A JP 8338238A JP 33823896 A JP33823896 A JP 33823896A JP 2818153 B2 JP2818153 B2 JP 2818153B2
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二郎 廣野
知弘 木村
正典 斉藤
定司 影山
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株式会社次世代デジタルテレビジョン放送システム研究所
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、OFDM(直交周
波数分割多重伝送)方式を用いて、複数の送信設備ある
いは送信装置から同一周波数、同一内容のOFDM信号
を送出するOFDM伝送システムに係り、特にサービス
エリア内の受信不能状態を排除する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、テレビジョン放送サービスを
より一層充実させていくため、地上放送等でもディジタ
ル放送化の要望が高まりつつある。特に地上ディジタル
放送の伝送方式にあっては、マルチパス(放送において
はゴースト)に強いOFDM方式が有望視され、OFD
M信号の特性を利用して、送信局を分散配置し、各送信
局から同一周波数、同一内容のOFDM信号を送出する
分散送信方式によるOFDM放送ネットワークシステム
の開発が進められている。このような放送ネットワーク
システムは一般にシングル・フリークエンシー・ネット
ワーク(略称SFN)と呼ばれている。
【0003】ところで、上記のOFDM放送ネットワー
クを構築した場合、サービスエリア内の各地点では複数
の送信局からの到来信号が合成されて受信されることに
なる。したがって、受信地点によっては、これらの多数
の波が互いに干渉し合い、いわゆるマルチパス歪みを受
けて、ある周波数では複数の到来信号同士が互いに強め
合い、別の周波数では互いに弱め合うといった問題が発
生する。
【0004】この問題について図12乃至図14を参照
しながら具体的に説明する。
【0005】まず、電界強度のほぼ等しい2波が遅延時
間を伴って受信された地域では、その合成電界の周波数
特性は、図12に示すように、2波の到来時間差の逆数
の間隔で大きな落ち込み(周波数ディップ)が生じる。
このため、同じ電力で受信しても、周波数特性が平坦な
場合よりも伝送品質が劣化する。
【0006】これに対し、到来波の数が3波以上となる
地域の場合は、図13に示すように、2つ以上の到来時
間差によってはうまく周波数ディップが打ち消され、周
波数特性がほぼ平坦になる。しかしながら、サービスエ
リア全体においては、3波以上がほぼ等しい電界で到来
するように置局することができないため、必ず電界強度
の大きい到来波数が2つになる地域が発生する。
【0007】特に、この2つの到来波の到来時間差が殆
どない場合(近接ゴースト)には、OFDM信号の持つ
多数の搬送波が干渉によって互いに弱め合うため、大き
なディップを生じてしまい、受信品質の劣化が著しい。
【0008】以上のことから、単一周波数による放送ネ
ットワークシステムでは、サービスエリア内に電界強度
のほぼ等しい2波が遅延時間を伴って同時に到来する地
域が必ず生じてしまう。この地域では周波数特性の劣化
により受信不能となる。図14にその様子を示す。
【0009】図14において、TX1〜TX3はSFN
の送信局を示している。各送信局TX1〜TX3は、同
一周波数、同一内容のOFDM信号を互いに同一の電力
で送信しているものとする。
【0010】この場合、図中A1〜A3に示される地域
では、それぞれTX1とTX2、TX2とTX3、TX
3とTX1からの到来波が支配的となり、かつ、それら
の送信局からの到来信号の電界強度がほぼ等しいため、
いずれも受信品質が所要の誤り率の値を越えてしまい、
受信不能となりやすい。
【0011】ところで、OFDM伝送システムの一送信
設備として、任意の箇所にオンチャンネルリピータやギ
ャップフィラー送信機(同一周波数再送信機)を設置
し、同一周波数、同一内容のOFDM信号を再送する中
継局も考えられる。このような場合、送信エリア内で
は、その送信信号と親局からの到来信号との間でOFD
M信号の持つ多数の搬送波が互いに干渉し合って、いわ
ゆるマルチパス歪みを受ける。このため、ある周波数で
は複数の到来信号同士が互いに強め合い、別の周波数で
は互いに弱め合うことになり、SFNの場合と同様の問
題を生じてしまう。
【0012】さらに、任意の地点からテレビジョン素材
情報をOFDM変調して無線伝送するテレビジョン素材
伝送システムや、ワイヤレステレビジョンカメラから撮
影したテレビジョン信号をOFDM変調して無線伝送す
るワイヤレスカメラ装置でも、直接波と間接波の干渉に
より、ある周波数では複数の到来信号同士が互いに強め
合い、別の周波数では互いに弱め合うことになり、やは
りSFNの場合と同様の問題を生じてしまう。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、単
一周波数ネットワークによるOFDM放送ネットワーク
システムに代表されるOFDM伝送システムやテレビジ
ョン素材伝送システム等に用いるOFDM送信装置で
は、電界強度がほぼ等しい2波が遅延時間を伴って受信
される地域が生じ、送信エリア内に受信不能となる地域
が生じるという問題が内在していることが明らかになっ
た。
【0014】本発明の課題は、上記の問題を解決し、送
信エリア内において、受信不能となる地域を生じないO
FDM伝送システム及びOFDM送信装置を提供するこ
とにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明に係るOFDM伝送システムは、以下のよう
に構成する。
【0016】(1)直交周波数分割多重方式によるOF
DM信号を伝送するOFDM伝送システムにおいて、前
記OFDM信号を互いに異なる地点から同一周波数で略
同時に送信し、互いに隣接する送信エリアが一部重複す
る複数のOFDM送信手段を備え、前記複数のOFDM
送信手段の重複する送信エリア内で到来波が互いに打ち
消し合うことによる受信不能地域が生じないように、前
記複数のOFDM送信手段の少なくとも1つの伝送経路
に振幅フィルタ、位相フィルタの少なくともいずれか一
方を介在させ、当該フィルタにより送信信号の周波数振
幅特性か周波数位相特性の少なくともいずれか一方を制
御する構成とする。
【0017】また、本発明に係るOFDM送信装置は、
以下のように構成される。
【0018】(2)直交周波数分割多重方式によるOF
DM信号を互いに異なる地点から同一周波数で略同時に
送信し、互いに隣接する送信エリアが一部重複するOF
DM伝送システムに用いられ、自己の送信エリアと他の
送信エリアとが重複する地域で到来波が互いに打ち消し
合うことによる受信不能が生じないように、送信経路に
振幅フィルタ、位相フィルタの少なくともいずれか一方
を介在させ、当該フィルタにより送信信号の周波数振幅
特性か周波数位相特性の少なくともいずれか一方を制御
る構成とする。
【0019】(3)(2)の構成において、前記OFD
M伝送システムが、複数の送信局を互いに隣接する放送
サービスエリアが一部重複するように設置し、各送信局
から同一周波数、同一内容のOFDM放送信号を送信す
るOFDM放送ネットワークシステムであるとき、前記
複数の送信局の少なくともいずれかに設けられるように
する。
【0020】(4)直交周波数分割多重方式によるOF
DM信号を互いに異なる地点から同一周波数で略同時に
送信し、互いに隣接する送信エリアが一部重複するOF
DM伝送システムに用いられ、他のOFDM送信地点か
らのOFDM信号を受信し、その周波数と同一の周波数
を用いて受信したOFDM信号を再送信する中継用のO
FDM送信装置において、前記再送信するOFDM送信
信号が自局の受信アンテナに回り込む量を調整すること
によって、前記OFDM送信信号の周波数振幅特性か周
波数位相特性の少なくともいずれか一方を制御する構成
とする。
【0021】
【0022】()(2)の構成において、任意の地点
からテレビジョン素材情報をOFDM変調して無線で送
信するテレビジョン素材送信設備に適用されるとき、そ
の送信設備に組み込まれる構成とする。
【0023】()(2)の構成において、ワイヤレス
テレビジョンカメラから撮影したテレビジョン信号をO
FDM変調して無線で送信するワイヤレスカメラ装置に
適用されるとき、そのカメラ装置内に組み込まれる構成
とする。
【0024】(7)直交周波数分割多重方式によるOF
DM信号を互いに異なる地点から同一周波数で略同時に
送信し、互いに隣接する送信エリアが一部重複するOF
DM伝送システムに用いられ、自己の送信エリアと他の
送信エリアとが重複する地域で到来波が互いに打ち消し
合うことによる受信不能が生じないように、送信データ
のマッピングの位相か振幅の少なくともいずれか一方を
制御することで前記OFDM送信信号の周波数振幅特性
か周波数位相特性の少なくともいずれか一方を制御する
構成とする。
【0025】
【0026】()()の構成において、前記フィル
タは、前記伝送経路中のOFDM送信信号から遅延波を
生成する遅延手段と、この手段で得られた遅延波を元の
OFDM送信信号に合成する合成手段とを備える構成と
する。
【0027】()()の構成において、前記フィル
タは、前記伝送経路中のOFDM送信信号から遅延波及
び前置波を生成する遅延波・前置波生成手段と、この手
段で得られた遅延波及び前置波を合成する合成手段とを
備える構成とする。
【0028】(10)()の構成において、前記フィ
ルタは、前記伝送経路中のOFDM送信信号から互いに
遅延時間の異なる複数の遅延波を生成する遅延波生成手
段と、この手段で生成される複数の遅延波を合成する合
成手段とを備える構成とする。
【0029】すなわち、本発明に係るOFDM伝送シス
テムでは、基本的にOFDM送信手段のうち任意の送信
出力の周波数振幅特性か周波数位相特性の少なくともい
ずれか一方を制御することで、電界強度がほぼ等しい2
波が遅延時間を伴って受信された地域における受信信号
の周波数振幅特性において、到来波が互いに打ち消され
ることによって生じる大きな周波数ディップをできるだ
け生じないようにしている。
【0030】同様に、本発明に係るOFDM送信装置で
は、送信出力の周波数振幅特性か周波数位相特性の少な
くともいずれか一方を制御することで、電界強度がほぼ
等しい直接波と間接波が遅延時間を伴って受信された地
域における受信信号の周波数振幅特性において、到来波
が互いに打ち消されることによって生じる大きな周波数
ディップをできるだけ生じないようにしている。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、図1乃至図11を参照して
本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0032】まず、本発明の動作原理について説明す
る。ネットワークを構成する送信設備の数が2の場合、
サービスエリア内の受信地点における合成電界の周波数
特性は(1)式で表される。
【0033】
【数1】
【0034】(1)式の各項は、各送信設備からの到来
信号に対応しており、これらの関係をベクトル表現した
ものが図1である。
【0035】すなわち、OFDM信号では、各搬送波に
ついて、各到来信号の到来時間とその電界強度によって
各ベクトルの向きと大きさが決まる。図1(a),
(b)はいずれも電界強度がほぼ等しい大きさで到来す
るエリアの合成電界を示している。図1(a)に示すよ
うな場合は比較的小さな周波数ディップが生じるだけで
すむが、図1(b)に示すように互いに打ち消し合う関
係が成立する場合には、その周波数で大きなディップが
発生しまう。この例では、周波数軸方向に1/τ1周期
での大きなディップが生じる。
【0036】そこで、本発明では、2局により単一周波
数ネットワークを構成する場合、一方の局の送信設備T
X1はそのままとし、他方の局の送信設備TX2におい
てはOFDM送信信号の伝送経路に振幅フィルタ或いは
位相フィルタを介在させ、当該フィルタによりOFDM
送信信号の周波数振幅特性か周波数位相特性の少なくと
もいずれか一方を強制的に適当な周期で変化させる。
【0037】上記振幅フィルタとして、図2に示すよう
な遅延回路を介在させることが考えられる。この遅延回
路は、分配器11によりOFDM信号をα:1−αの割
合で分配し、α側の信号を遅延器(遅延量τd)12で
遅延させ、1−α側の信号と加算器13で加算出力する
ようにしたものである。この場合、その送信局からの送
信信号の周波数振幅特性は(2)式で表され、また、サ
ービスエリア内の受信地点における合成電界の周波数振
幅特性は(3)式で表される。
【0038】
【数2】
【0039】
【数3】
【0040】以上の関係を考慮し、送信設備TX2の出
力周波数振幅特性を図3に示すように変化させる(図3
において、n=2、α=0.5、τd=1.0×10-6
とする)。これにより、各送信設備TX1,TX2のサ
ービスエリアが重なる領域での受信信号の周波数振幅特
性は、図4に示すように大きく生じていたディップが図
5に示すように許容範囲内まで改善される(図4及び図
5において、α=0.5、τ1=τd=1.0×10-6
とし、図4ではn=2、図5ではn=3とする)。
【0041】図6(a),(b)にこの場合のベクトル
表現を示す。すなわち、2つの送信設備TX1,TX2
から同一のOFDM信号が送信されるとき、ディップが
発生する周波数では、図1(b)に示したように互いに
完全に搬送波が打ち消し合う。これに対し、本発明の構
成によれば、図6(b)に示すように送信設備TX2の
遅延回路の出力に対応するベクトルが追加されるので、
完全に打ち消されることがなくなる。
【0042】図7は、この効果がサービスエリア内の広
い範囲にみられることを示している。すなわち、図7
(a)に示す送信設備TX1,TX2の各送信エリアの
電界強度がほぼ等しい境界部分を見ると、各送信設備T
X1,TX2の送信電力の和が従来方式と本発明の方式
とで等しいとすれば、従来方式では図7(b)に示すよ
うに誤り率が全体的に1.00E-02 を越えてしまう
が、本発明の方式によれば、図7(c)に示すように全
体的に1.00E-02 を下回るようになり、ほぼ完全に
受信不能地域をなくすことができるようになる。
【0043】ところで、任意の地点からテレビジョン素
材情報をOFDM変調して放送局へ無線伝送するテレビ
ジョン素材伝送システムでは、OFDM信号がビル等に
より反射され、多数のOFDM信号となって受信局に到
達する。このとき、同一のOFDM信号が同レベルで受
信され、上記のOFDM伝送システムと同様の問題を生
じる。
【0044】本発明は上記問題にも対応可能である。す
なわち、OFDM信号の反射波、回折波はそれぞれOF
DM送信源とみなすことができるので、少なくともいず
れかの反射波、回折波の周波数振幅特性か周波数位相特
性の少なくともいずれか一方を制御すれば、受信不能地
域をなくすことができる。
【0045】この場合のシステム構成を図8に示す。図
8(a)は、カメラを搭載した中継車が送信アンテナT
Xから撮影したテレビジョン素材のOFDM信号を送出
し、ビルの谷間にある受信アンテナRXにより受信する
様子を示している。このとき、中継車の送信アンテナT
Xから送信されたOFDM信号は、ビルによって反射、
回折され、多数のOFDM信号となって受信アンテナT
Xに到達する。
【0046】そこで、中継車の送信設備を例えば図8
(b)に示すようなダイバーシティ送信の構成とする。
【0047】図8(b)において、カメラ等で得られた
テレビジョン信号は、符号器14でベースバンドデジタ
ル信号に変換され、OFDM変調器15でOFDM変調
された後、IF分配器16で2分配される。
【0048】一方のOFDM信号は、第1の送信高周波
部171でそのまま電力増幅された後、第1の送信アン
テナ181から送出される。また、他方のOFDM信号
は、フィルタ(例えば図2の構成)19により周波数振
幅特性、周波数位相特性の少なくともいずれか一方が制
御された後、第2の送信高周波部172で電力増幅さ
れ、第2の送信アンテナ182から送出される。
【0049】このように、中継車の送信設備において、
被伝送OFDM信号を2つ以上に分配し、いずれかのO
FDM信号の周波数振幅特性か周波数位相特性の少なく
ともいずれか一方を制御してダイバーシティ送信するよ
うにした結果、送信エリア内のどの地点で受信しても、
いずれかの反射波、回折波の周波数振幅特性か周波数位
相特性の少なくともいずれか一方が制御されているの
で、図8(c)に示すように到来波が互いに打ち消し合
って大きな周波数ディップが発生することを防止するこ
とができる。
【0050】尚、図8(b)では、中間周波数段で分岐
したダイバーシティ送信の場合の構成を示しているが、
ベースバンド段、RF段で分岐したダイバーシティ送信
でも同様な効果が得られることはいうまでもない。
【0051】この技術は、例えばスタジオ内のワイヤレ
ステレビジョンカメラから撮影したテレビジョン信号を
OFDM変調し無線伝送するワイヤレスカメラシステム
においても適用できる。
【0052】すなわち、ワイヤレスカメラ装置から送信
されるOFDM信号はスタジオ内の壁や舞台装置等によ
り多数反射されて受信アンテナに到達する。このとき、
カメラ装置の位置によっては、OFDM信号が互いに打
ち消し合って受信不能となる。
【0053】そこで、ワイヤレスカメラ装置の送信系
を、被伝送OFDM信号を2つ以上に分配してダイバー
シティ送信を行う構成とし、いずれか一方の送信信号の
周波数振幅特性か周波数位相特性の少なくともいずれか
一方を制御する。これにより、ず8(a)に示した中継
車によるテレビジョン素材伝送システムの場合と同様
に、受信不能エリアをなくすことができる。但し、2局
以上の送信設備において本手法を適用するときは、それ
らの送信信号の周波数特性が等しくならないように制御
することが必要である。
【0054】前述のOFDM送信信号の周波数振幅特
性、周波数位相特性の制御は、図9(a)〜(d)に示
すフィルタをOFDM信号の送信経路に挿入することで
実現できる。
【0055】図9(a)は周波数振幅特性がフラットで
周波数位相特性のみをもつオールパスフィルタ21によ
り制御する構成を示している。同図(b)はOFDM送
信信号の伝送経路において、遅延器(遅延量τd)22
による遅延波を加算器23でもとのOFDM信号に合成
することで制御する構成を示している。同図(c)はO
FDM送信信号の伝送経路において、遅延器(遅延量2
τd)24による遅延波及び遅延器(遅延量τd)25
による波を、加算器26でインバータ27により反転さ
れた前置波(時間的に先行している波)とのOFDM信
号に合成することで制御する構成を示している。同図
(d)はOFDM送信信号の伝送経路において、遅延器
28,29により2波以上の遅延波を加算器30でもと
のOFDM信号に合成することで制御する構成を示して
いる。
【0056】本発明は、図10に示すようなOFDM伝
送システムにも適用可能である。図10は、(a)に示
す親局の送信アンテナTXから送出されるOFDM信号
(周波数f1)を(b)に示す子局で受信して再送信す
る中継送信システムの構成を示している。
【0057】ここで、子局は親局からの周波数fのOF
DM信号を受信する受信アンテナRXと、この受信アン
テナRXで受信したOFDM信号を同一周波数fで送信
する送信アンテナTXを備える。このような同一周波数
再送信局では、自局の送信信号が受信アンテナに回り込
むことによって、等価的に図11に示すように遅延器3
1、加算器32及び増幅器33によるフィードバック回
路が構成され、送受信アンテナの取り付け位置、方向、
アンテナ指向性を調節することで、受信アンテナRXに
回り込むOFDM信号の強度と遅延時間を調整すること
ができる。また、受信信号を増幅して送信するまでの信
号経路にフィルタを挿入することでも調整できることは
いうまでもない。
【0058】これにより、親局からのOFDM信号と子
局からのOFDM信号が同一の強度で到達する地域であ
っても、子局の送信出力がその受信系への回り込みによ
って周波数振幅が変化しているため、完全に互いに打ち
消し合うことはなくなり、OFDM信号を受信可能とな
る。
【0059】尚、以上の説明では周波数特性の制御にフ
ィルタを用いるものとして説明したが、いずれかの送信
局、送信設備、送信装置に対して、送信データのマッピ
ングの位相か振幅の少なくともいずれか一方を制御する
ことでOFDM送信信号の周波数振幅特性か周波数位相
特性の少なくともいずれか一方を制御することも可能で
ある。
【0060】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、送信エリ
ア内において、受信不能となる地域を生じないOFDM
伝送システム及びOFDM送信装置を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の動作原理を説明するための合成電界
ベクトル表現図。
【図2】 本発明に係るOFDM伝送システムに用いる
振幅フィルタの一例を示すブロック図。
【図3】 同システムの送信設備に対する出力周波数振
幅特性の一例を示す周波数特性図。
【図4】 同システムで制御を行わない場合の出力周波
数振幅特性を示す周波数特性図。
【図5】 同システムで制御を行った場合の出力周波数
振幅特性を示す周波数特性図。
【図6】 同システムで制御を行った場合の合成電界ベ
クトル表現図。
【図7】 同システムによる効果がサービスエリア内の
広い範囲にみられることを示す図。
【図8】 本発明が適用されるテレビジョン素材伝送シ
ステムの構成を示す概念図。
【図9】 本発明に用いられるフィルタの各種構成を示
すブロック図。
【図10】 本発明を中継送信局を含むOFDM伝送シ
ステムに適用した場合の構成を示す概念図。
【図11】 本発明に用いられる他のフィルタ構成を示
すブロック図。
【図12】 従来のOFDM伝送システムにおいて、電
界強度のほぼ等しい2波が遅延時間を伴って受信された
地域の合成電界の周波数特性を示す周波数特性図。
【図13】 従来のOFDM伝送システムにおいて、電
界強度のほぼ等しい3波が遅延時間を伴って受信された
地域の合成電界の周波数特性を示す周波数特性図。
【図14】 従来の単一周波数による放送ネットワーク
システムで受信不能地域が生じる様子を示す図。
【符号の説明】
11…分配器 12…遅延器 13…加算器 14…符号器 15…OFDM変調器 16…IF分配器 171,172…送信高周波部 181,182…送信アンテナ 19…フィルタ 21…オールパスフィルタ 22…遅延器 23…加算器 24…遅延器 25…遅延器 26…加算器 27…インバータ 28,29…遅延器 30…加算器 31…遅延器 32…加算器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斉藤 正典 東京都港区赤坂5丁目2番8号 株式会 社次世代デジタルテレビジョン放送シス テム研究所内 (72)発明者 影山 定司 東京都港区赤坂5丁目2番8号 株式会 社次世代デジタルテレビジョン放送シス テム研究所内 (56)参考文献 特開 昭58−194438(JP,A) 特開 平3−230631(JP,A) 実開 昭63−38430(JP,U) 特許86645(JP,C2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H04J 11/00 H04H 3/00 H04N 7/08

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直交周波数分割多重方式によるOFDM
    信号を伝送するOFDM伝送システムにおいて、 前記OFDM信号を互いに異なる地点から同一周波数で
    略同時に送信し、互いに隣接する送信エリアが一部重複
    する複数のOFDM送信手段を備え、 前記複数のOFDM送信手段の重複する送信エリア内で
    到来波が互いに打ち消し合うことによる受信不能地域が
    生じないように、前記複数のOFDM送信手段の少なく
    とも1つの伝送経路に振幅フィルタ、位相フィルタの少
    なくともいずれか一方を介在させ、当該フィルタにより
    送信信号の周波数振幅特性か周波数位相特性の少なくと
    もいずれか一方を制御することを特徴とするOFDM伝
    送システム。
  2. 【請求項2】 直交周波数分割多重方式によるOFDM
    信号を互いに異なる地点から同一周波数で略同時に送信
    し、互いに隣接する送信エリアが一部重複するOFDM
    伝送システムに用いられ、 自己の送信エリアと他の送信エリアとが重複する地域で
    到来波が互いに打ち消し合うことによる受信不能が生じ
    ないように、送信経路に振幅フィルタ、位相フィルタの
    少なくともいずれか一方を介在させ、当該フィルタによ
    送信信号の周波数振幅特性か周波数位相特性の少なく
    ともいずれか一方を制御することを特徴とするOFDM
    送信装置。
  3. 【請求項3】 前記OFDM伝送システムが、複数の送
    信局を互いに隣接する放送サービスエリアが一部重複す
    るように設置し、各送信局から同一周波数、同一内容の
    OFDM放送信号を送信するOFDM放送ネットワーク
    システムであるとき、前記複数の送信局の少なくともい
    ずれかに設けられることを特徴とする請求項2に記載の
    OFDM送信装置。
  4. 【請求項4】 直交周波数分割多重方式によるOFDM
    信号を互いに異なる地点から同一周波数で略同時に送信
    し、互いに隣接する送信エリアが一部重複するOFDM
    伝送システムに用いられ、他のOFDM送信地点からの
    OFDM信号を受信し、その周波数と同一の周波数を用
    いて受信したOFDM信号を再送信する中継用のOFD
    M送信装置において、 前記再送信するOFDM送信信号が自局の受信アンテナ
    に回り込む量を調整することによって、前記OFDM送
    信信号の周波数振幅特性か周波数位相特性の少なくとも
    いずれか一方を制御する ことを特徴とするOFDM送信
    装置。
  5. 【請求項5】 任意の地点からテレビジョン素材情報を
    OFDM変調して無線で送信するテレビジョン素材送信
    設備に適用されるとき、その送信設備に組み込まれるこ
    とを特徴とする請求項2に記載のOFDM送信装置。
  6. 【請求項6】 ワイヤレステレビジョンカメラから撮影
    したテレビジョン信号をOFDM変調して無線で送信す
    るワイヤレスカメラ装置に適用されるとき、そのカメラ
    装置内に組み込まれることを特徴とする請求項2に記載
    のOFDM送信装置。
  7. 【請求項7】 直交周波数分割多重方式によるOFDM
    信号を互いに異なる地点から同一周波数で略同時に送信
    し、互いに隣接する送信エリアが一部重複するOFDM
    伝送システムに用いられ、 自己の送信エリアと他の送信エリアとが重複する地域で
    到来波が互いに打ち消し合うことによる受信不能が生じ
    ないように、送信データのマッピングの位相か振幅の少
    なくともいずれか一方を制御することで前記OFDM送
    信信号の周波数振幅特性か周波数位相特性の少なくとも
    いずれか一方を制御することを特徴とするOFDM送信
    装置。
  8. 【請求項8】 前記フィルタは、前記伝送経路中のOF
    DM送信信号から遅延波を生成する遅延手段と、この手
    段で得られた遅延波を元のOFDM送信信号に合成する
    合成手段とを備えることを特徴とする請求項に記載の
    OFDM送信装置。
  9. 【請求項9】 前記フィルタは、前記伝送経路中のOF
    DM送信信号から遅延波及び前置波を生成する遅延波・
    前置波生成手段と、この手段で得られた遅延波及び前置
    波を合成する合成手段とを備えることを特徴とする請求
    に記載のOFDM送信装置。
  10. 【請求項10】 前記フィルタは、前記伝送経路中のO
    FDM送信信号から互いに遅延時間の異なる複数の遅延
    波を生成する遅延波生成手段と、この手段で生成される
    複数の遅延波を合成する合成手段とを備えることを特徴
    とする請求項に記載のOFDM送信装置。
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