JP2817877B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP2817877B2 JP62257093A JP25709387A JP2817877B2 JP 2817877 B2 JP2817877 B2 JP 2817877B2 JP 62257093 A JP62257093 A JP 62257093A JP 25709387 A JP25709387 A JP 25709387A JP 2817877 B2 JP2817877 B2 JP 2817877B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、磁気テープ等の磁気記録媒体に関するもの
であり、さらに詳細には非磁性支持体上に形成される磁
性層に含まれる結合剤の改良に関するものである。 〔発明の概要〕 本発明は、非磁性支持体上に強磁性粉末と結合剤とを
主体とする磁性層が形成されてなる磁気記録媒体におい
て、上記磁性層を構成する結合剤に分子中に極性基とし
て塩基性極性基及び酸性極性基を有する塩化ビニル系共
重合体を用いることにより、磁性粉末の分散性や磁性層
の表面性の改善を図り、得られる磁気記録媒体の耐久
性,磁気特性,電磁変換特性等の向上を図ろうとするも
のである。 〔従来の技術〕 近年、磁気記録媒体、特にVTR(ビデオテープレコー
ダ)用の磁気記録媒体においては、短波長記録を行った
場合にも高再生出力を得るために、磁気特性,電磁変換
特性の向上が要望されている。そして、その方策とし
て、磁性粉末の微粒子化、高磁力化が図られるととも
に、磁性層中における磁性粉末の充填密度,いわゆるパ
ッキングデンシティを増大させる傾向が強くなってい
る。 一方、従来から使用されている磁気記録媒体用の結合
剤としては、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビ
ニル−プロピオン酸共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル
−ビニルアルコール共重合体等の塩化ビニル系の結合剤
が挙げられ、なかでもビニルアルコールの水酸基が磁性
粉末の分散性に寄与すること、および水酸基の活性水素
がイソシアネート化合物等と反応して架橋構造を形成し
塗膜の機械的強度が増すこと等から塩化ビニル−酢酸ビ
ニル−ビニルアルコール共重合体が広く利用されてい
る。 ところが、上述のような磁性粉末の微粒子化による比
表面積の増大や高磁力化による凝集力の増大に伴い、前
述の結合剤では満足のいく分散性や表面性が得られず、
磁性粉末のパッキングデンシティを増大させることも困
難なものとなっている。 したがって、耐久性、磁気特性、電磁変換特性につい
ても不充分であった。あるいは、例えば界面活性剤を分
散剤として使用する等の方法が考えられているが、この
場合、界面活性剤が低分子であるために、磁性層中にこ
の界面活性剤が存在することによって粉落ち,経時変化
によるブルーミング等の機械的強度や耐久性等に問題が
生じている。 かかる状況から、このような特性をより一層向上させ
得る結合剤が要請され、例えば塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体あるいは塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアル
コール共重合体の側鎖にスルホン酸またはそのアルカリ
金属塩,酸性硫酸エステルまたはそのアルカリ金属塩,
カルボン酸またはそのアルカリ金属塩等の極性基を導入
したポリマーを結合剤として応用する技術が提案されて
いる。 しかしながら、これらの技術による結合剤は、極性基
の導入されていない従来の結合剤と比較して分散性改良
にある程度の効果は示すものの、超微粒子化された磁性
粉末や高い磁化量を有する磁性粉末に対しての性能は不
充分であり実用性に欠けるものであった。 〔発明が解決しようとする問題点〕 このように、超微粒子化した磁性粉末に対しても充分
な分散性を示す結合剤は知られておらず、この超微粒子
磁性粉末を使用する磁気記録媒体においては所定の耐久
性,磁気特性,電磁変換特性を確保することが難しかっ
た。 そこで本発明は、当該技術分野の前記欠点を解消する
ために提案されたものであって、磁性粉末の分散性をよ
り一層の改善することが可能な結合剤を提供し、表面性
や耐久性に優れ磁性特性,電磁変換特性等に優れた磁気
記録媒体を提供することを目的とする。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明者等は、上述の目的を達成せんものと長期に亘
り鋭意研究の結果、側鎖に塗膜粘度は高いが高い親和性
を示し分散性が向上するリン酸基,スルホン酸基,硫酸
基,カルボキシル基等の酸性極性基と、さらにより一層
分散性や耐久性を改善する効果を有する第3アミンの塩
基性極性基を併用して塩化ビニル系共重合体中に導入す
ることにより両者の効果が相乗的に発揮され、分散性,
耐久性に非常に優れた磁性層を提供できるとの知見を得
るに至り本発明を完成したものである。本発明は上述の
知見に基づき得られたものであって、非磁性支持体上に
強磁性粉末と結合剤とを主体とする磁性層が形成されて
なる磁気記録媒体において、前記結合剤は、第3アミン
基を有する単量体及びリン酸基、スルホン酸基、カルボ
キシル基の少なくとも1種を有する単量体を共重合させ
てなり、側鎖に第3アミン基及びリン酸基、スルホン酸
基、カルボキシル基の少なくとも1種をそれぞれ0.001m
mol/g以上、合計で0.01〜1.0m mol/g含有する塩化ビニ
ル系共重合体を含有することを特徴とするものである。 本発明において結合剤に含有される塩化ビニル系樹脂
は、塩化ビニル系共重合体の側鎖に極性基(第3アミン
及びリン酸基,スルホン酸基,硫酸基,カルボキシル基
の少なくとも1種)に導入したものであって、一般式、 (式中Xは塩化ビニルと共重合可能なビニル基を有する
モノマーを表し、Yは塩化ビニルと共重合可能なビニル
基と第3アミンを有するモノマーを表し、Zは塩化ビニ
ルと共重合可能なビニル基とリン酸基,スルホン酸基,
硫酸基,カルボキシル基の少なくとも1種を有するモノ
マーを表し、i,j,k,lはそれぞれ重合度を表す。)で示
される化合物である。なお、上記一般式において、化合
物の各成分は順次規則的に配列しているように便宜的に
記載しているが、上記一般式で示した場合以外に、各成
分は一定割合ずつ規則的に繰り返し配列されていてもよ
いし、または、ランダムに配列されていてもよいのは当
然である。 ここで、上記塩化ビニル系共重合体の重合度(i+j
+k+l)は100≦(i+j+k+l)≦1000の範囲内
であることが好ましい。この値が100未満であると、得
られる塗膜の耐久性が劣化し、逆に1000を越えると、溶
剤への溶解性が劣化し塗料化が困難なものとなる。 上記塩化ビニル系共重合体に含まれる塩化ビニル成分
の占める割合は、30〜95重量%であることが好ましい。
この値が30重量%未満では耐久性が劣化し、逆に95重量
%を越えると熱劣化が起こり易くなる。 上記塩化ビニル系共重合体に導入される第3アミンの
導入量は0.001m mol/g以上であることが好ましく、また
塩化ビニル系共重合体に導入されるリン酸基,スルホン
酸基,硫酸基,カルボキシル基の少なくとも1種の導入
量も0.001m mol/g以上であることが好ましい。そして、
第3アミンとリン酸基,スルホン酸基,硫酸基,カルボ
キシル基の少なくとも1種を合わせた含有量は、0.01〜
1.0m mol/gの範囲内であることが好ましい。この値が0.
01m mol/g未満では分散性が劣化し、逆に1.0m mol/gを
越えると溶剤への溶解性が低下すると同時に塗膜形成時
の耐湿性が劣化する。 次に、上記モノマーX,Y,Zについて順に説明する。 まず上記モノマーXとしては、酢酸ビニル,ビニルア
ルコール,マレイン酸,無水マレイン酸,アクリル酸,
アクリル酸エステル,メタクリル酸,メタクリル酸エス
テル,アクリロニトリル,塩化ビニリデン,プロピオン
酸ビニルや2ヒドロキシエチルメタクリレート,2ヒドロ
キシエチルアクリレート,2ヒドロキシプロピルアクリレ
ート等の水酸基含有モノマー等が挙げられる。これらは
溶剤への溶解性や、架橋性の改良,塗膜強度の改良等の
点から適宜添加されるものであり、2種以上を混合して
用いても良い。 次に、モノマーYであるが、該モノマーYを構成する
第3アミンは−NR2(Rは炭素数1〜12の化合物を示
す。)で示されるもので、例えば次に示すような物質を
挙げることができる。 (ただし、式中Rは炭素原子数1〜3のアルキル基を表
し、R′は水素またはメチル基をそれぞれ表す。)等が
挙げられる。 また、モノマーZを構成するリン酸基,スルホン酸
基,硫酸基,カルボキシル基は、それぞれ (但し、Mはアルカリ金属又はアルキル基,フェニル基
を表す。),−OSO3H,−OS3H,−COOHで表されるもの
であり、例えば次のような物質を挙げることができる。 これらモノマーYやモノマーZを先の塩化ビニルモノマ
ー、モノマーX等と共重合させることにより塩化ビニル
系共重合体中に極性基を導入することができる。 また、リン酸基,スルホン酸基,硫酸基,カルボキシ
ル基等については以下の方法によっても塩化ビニル中に
導入することができる。 塩化ビニルと共重合可能な二重結合及び活性水素を有
するモノマーを塩化ビニルと共重合した後、活性水素と
反応可能な基とリン酸基,スルホン酸基,硫酸基,カル
ボキシル基の少なくとも1種を分子中に有する化合物で
変性する方法。 上記塩化ビニルと共重合可能な二重結合及び活性水素
(塩素と反応可能な基でもよい。)を有するモノマーと
しては、例えば、 (ただし、式中XはHまたはCH3を表す。) 等やビニルアルコールが挙げられる。 また、上記活性水素と反応可能な基と親水性極性基と
を分子中に有する化合物としては、例えば、 ClCH2−SO3H,Cl−OSO3H,ClCH2−OSO3H,Cl−COOH,ClCH2
−COOH 等の分子中にリン酸基,スルホン酸基,硫酸基,カルボ
キシル基と塩素を含有する化合物が挙げられる。あるい
は、活性水素と反応可能な基として、上記塩素の他、イ
ソシアネート基,エポキシ基,アジリジニル基を有する
化合物も使用できる。 以上のようにして塩化ビニル系共重合体にリン酸基,
スルホン酸基,硫酸基,カルボキシル基の少なくとも1
種を導入することができる。 さらに、塩化ビニル系共重合体中には塗膜粘度を改善
する目的でリン酸基,スルホン酸基,硫酸基,カルボキ
シル基のアルカリ金属塩基を導入してもよい。これら塩
基性極性基の導入方法は上述のリン酸基,スルホン酸
基,硫酸基,カルボキシル基等の酸性極性基の導入方法
と同様の方法で行うことができる。 上記第3アミン及びリン酸基,スルホン酸基,硫酸
基,カルボキシル基の少なくとも1種を含有する塩化ビ
ニル系共重合体は、他の結合剤と混合して用いても良
い。かかる結合剤としては、磁気記録媒体の結合剤とし
て従来から使用されているものが使用可能であって、塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン
共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、ア
クリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、アクリ
ル酸エステル−塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸
エステル−塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エス
テル−スチレン共重合体、熱可塑性ポリウレタン樹脂、
フェノキシ樹脂、ポリ弗化ビニル、塩化ビニリデン−ア
クリロニトリル共重合体、ブタジエン−アクリロニトリ
ル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−メタクリ
ル酸共重合体、ポリビニルブチラール、セルロース誘導
体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリエステル樹
脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、熱硬化性ポリウレ
タン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、尿
素−ホルムアルデヒド樹脂またはこれらの混合物などが
挙げられる。なかでも、柔軟性を付与するとされている
ポリウレタン樹脂,ポリエステル樹脂,アクリロニトリ
ルブタジエン共重合体等が好ましい。また、架橋剤とし
て、例えば3官能イソシアネート化合物,トリメチロー
ルプロパン1モルとトリレンジイソシアネート3モルと
の反応生成物等を併用すれば、耐久性等をさらに向上す
ることができる。いずれにせよ、これら結合剤中の極性
基である第3アミン及びリン酸基,スルホン酸基,硫酸
基,カルボキシル基の少なくとも1種の極性基当量(極
性基1個当りの分子量)が1,000〜100,000の範囲内であ
ることが好ましい。この値が100,000を越えると効果が
期待できず、1,000未満であると効果はさほど変わら
ず、耐湿性の点で問題が生ずる。本発明の磁気記録媒体
において、磁性層は、例えば強磁性粉末を上述の結合剤
中に分散し有機溶剤に溶かして調製される磁性塗料を非
磁性支持体の表面に塗布して形成される。 ここで、上記非磁性支持体の素材としては、通常この
種の磁気記録媒体に使用されるものであれば如何なるも
のであってもよく、例えばポリエチレンテレフタレート
等のポリエステル類、ポリエチレン,ポリプロピレン等
のポリオレフィン類、セルローストリアセテート,セル
ロースダイアセテート,セルロースアセテートブチレー
ト等のセルロース誘導体、ポリ塩化ビニル,ポリ塩化ビ
ニリデン等のビニル系樹脂、ポリカーボネート,ポリイ
ミド,ポリアミド,ポリアミドイミド等のプラスチッ
ク、紙、アルミニウム,銅等の金属、アルミニウム合
金,チタン合金等の軽合金、セラミックス、単結晶シリ
コン等が挙げられる。この非磁性支持体の形態として
は、フィルム,テープ,シート,ディスク,カード,ド
ラム等のいずれでも良い。 また、上記磁性層に用いられる強磁性粉末には通常の
ものであればいずれも使用することができる。したがっ
て、使用できる強磁性粉末としては、強磁性酸化鉄粒
子、強磁性二酸化クロム、強磁性合金粉末、六方晶系バ
リウムフェライト微粒子、窒化鉄等が挙げられる。 上記強磁性酸化鉄粒子としては、一般式FeOxで表した
場合、xの値が1.33≦x≦1.50の範囲にあるもの、即ち
マグヘマイト(γ−FeO,x=1.50)、マグネタイト(Fe
O,x=1.33)及びこれらの固溶体(FeOx,1.33<x<1.5
0)である。さらに、これら強磁性酸化鉄には、抗磁力
をあげる目的でコバルトを添加してもよい。コバルト含
有酸化鉄には、大別してドープ型と被着型の2種類があ
る。 上記強磁性二酸化クロムとしては、CrO2あるいはこれ
らに抗磁力を向上させる目的でRu,Sn,Te,Sb,Fe,Ti,V,Mn
等の少なくとも一種を添加したものを使用できる。 強磁性合金粉末としては、Fe,Co,Ni,Fe−Co,Fe−Ni,F
e−Co−Ni,Co−Ni,Fe−Co−B,Fe−Co−Cr−B,Mn−Bi,Mn
−Al,Fe−Co−V等が使用でき、またこれらに種々の特
性を改善する目的で、Al,Si,Ti,Cr,Mn,Cu,Zn等の金属成
分を添加しても良い。 さらに上記磁性層には、前記の結合剤、強磁性粉末の
他に添加剤として分散剤、潤滑剤、研磨剤、帯電防止
剤、防錆剤等が加えられても良い。これら分散剤、潤滑
剤、研磨剤、帯電防止剤、防錆剤としては、従来公知の
ものがいずれも使用可能である。 上述の磁性層の構成材料は、有機溶剤に溶かして磁性
塗料として調製され、非磁性支持体上に塗布されるが、
その磁性塗料の溶剤としては、アセトン,メチルエチル
ケトン,メチルイソブチルケトン,シクロヘキサノン等
のケトン系溶剤、酢酸メチル,酢酸エチル,酢酸ブチ
ル,乳酸エチル,酢酸グリコールモノエチルエーテル等
のエステル系溶剤、グリコールジメチルエーテル,グリ
コールモノエチルエーテル,ジオキサン等のグリコール
エーテル系溶剤、ベンセン,トルエン,キシレン等の芳
香族炭化水素系溶剤、ヘキサン,ヘプタン等の脂肪族炭
化水素系溶剤、メチレンクロライド,エチレンクロライ
ド,四塩化炭素,クロロホルム,エチレンクロロヒドリ
ン,ジクロロベンゼン等の有機塩素化合物系溶剤が挙げ
られる。 〔作用〕 塩化ビニル系共重合体に導入されるリン酸基,スルホ
ン酸基,硫酸基,カルボキシル基の少なくとも1種から
なる酸性極性基は、分散性や耐久性に優れている。ま
た、塩化ビニル系共重合体に導入される第3アミンの塩
基性極性基も分散基や耐久性の改善効果を発揮する。 このような特性を有する両者を併用することによって
相乗効果を発揮し、超微粒子化された磁性粉末や磁化量
の大きい磁性粉末が使用された場合でも、良好な分散性
が実現される。 〔実施例〕 以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、
本発明がこれら実施例に限定されるものではない。 まず、塩化ビニル系樹脂を調製した。すなわち、塩化
ビニルと共重合可能なモノマーXとしてアクリル酸ブチ
ルおよび2−ヒドロキシエチルアクリレートを、また塩
化ビニルと共重合可能なモノマーYとして下記のa)な
いしd) d)HOOCCH=CHCOOH の各式で表される物質を選んだ。第3アミン及び酸性極
性基に加えてスルホン酸アルカリ金属塩を導入した樹脂
も作製した。上記スルホン酸アルカリ金属塩は、 で表されるものである。 塩化ビニル系共重合体に導入した極性基の種類とその
含有量を第1表に示す。実施例1 上述の樹脂1を使用し、以下の組成にしたがって磁性
塗料組成物を調製した。 強磁性金属鉄粉末 670重量部 (比表面積45m2/g 軸比11〜13) 塩化ビニル系共重合体樹脂1 100重量部 カーボンブラック 35重量部 Cr2O3粒子 60重量部 オリーブ油 7重量部 メチルエチルケトン 350重量部 シクロヘキサノン 350重量部 トルエン 350重量部 上記組成物をボールミルにて20時間混練、分散した
後、イソシアネート化合物(バイエル社製,デスモジュ
ールL)を28重量部加え、高速剪断分散して磁性塗料と
した。 この磁性塗料を厚さ14μm、表面粗度0.03μmのポリ
エチレンテレフタレートフィルムの片面に乾燥厚4.0μ
mとなるように塗布し、次いで2500ガウスの直流磁場中
で配向処理を行い、80℃で乾燥後、スーパーカレンダー
処理を行い、さらに1/2インチ幅に裁断してサンプルテ
ープを作製した。 実施例2〜実施例9 実施例1において樹脂1の代わりに樹脂2〜樹脂9を
用い、他は実施例1と同様の方法によりサンプルテープ
を作製した。 比較例1〜比較例4 実施例1において樹脂1の代わりに樹脂10〜樹脂13を
用い、他は実施例1と同様の方法によりサンプルテープ
を作製した。 得られた各サンプルテープについて、それぞれ表面光
沢,粉落ち,塗料粘度を測定した。 なお、上記表面光沢は、光沢計を用いて、入射角75
°,反射角75°の条件で測定した。また、粉落ちは、60
分シャトル100回走行後のヘッドドラム,ガイド等への
粉落ち量を目視にて観察し、減点法で評価した。結果を
第2表に示す。 第2表より明らかなように、第3アミン基及びリン酸
基,スルホン酸基,カルボキシル基等の酸性極性基を含
有する塩化ビニル共重合体を結合剤として用いることに
より、これを用いなかった場合と比較して表面光沢、粉
落ちが全体的に向上することがわかる。 例えば、第3アミン基のみ有する共重合体を用いた場
合(比較例1)やカルボキシル基のみを有する共重合体
を用いた場合(比較例2,比較例3)に比べて、両方の極
性基を有する共重合体を用いたものでは表面光沢や粉落
ちが大幅に改善されている。 また、本発明者は、−SO3Hのみを有する共重合体を用
いた場合(比較例5)、−SO3Naのみを有する共重合体
を用いた場合(比較例6)、−PO(OH)2のみを有する
共重合体を用いた場合(比較例7)についても実験デー
タを得ており、比較例5で表面光沢が50%、粉落ちが−
2.5、比較例6で表面光沢が60%、粉落ちが−1.5、比較
例7で表面光沢が58%、粉落ちが−2.0であった。これ
らと比べると、第3アミン基と、−SO3H、−SO3Naまた
は−PO(OH)2の両方を有する共重合体を用いたもので
は、遥かに優れた特性が得られている。 〔発明の効果〕 以上の説明からも明らかなように、本発明において
は、分散性や耐久性に優れたリン酸,スルホン酸基,硫
酸基,カルボキシル基の少なくとも1種と、さらに分散
性や耐久性を向上させる第3アミンを極性基として有す
る塩化ビニル系共重合体を磁性層の結合剤としているの
で、両者の効果が相乗的に発揮され、磁性粉末に対して
非常に高い親和性を示し、たとえ超微粒子化した磁性粉
末や磁化量の大きい磁性粉末であっても分散性が良好な
ものとなる。したがって、得られる磁気記録媒体の耐久
性,表面性が向上し、電磁変換特性も極めて優れたもの
となる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−83219(JP,A) 特開 昭58−177524(JP,A) 特開 昭62−119723(JP,A) 特開 昭62−134819(JP,A) 特開 昭62−6429(JP,A)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.非磁性支持体上に強磁性粉末と結合剤とを主体とす
    る磁性層が形成されてなる磁気記録媒体において、 前記結合剤は、第3アミン基を有する単量体及びリン酸
    基、スルホン酸基、カルボキシル基の少なくとも1種を
    有する単量体を共重合させてなり、側鎖に第3アミン基
    及びリン酸基、スルホン酸基、カルボキシル基の少なく
    とも1種をそれぞれ0.001m mol/g以上、合計で0.01〜1.
    0m mol/g含有する塩化ビニル系共重合体を含有すること
    を特徴とする磁気記録媒体。
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