JP2817814B2 - 電球の不良検出装置 - Google Patents

電球の不良検出装置

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JP2817814B2 JP12603191A JP12603191A JP2817814B2 JP 2817814 B2 JP2817814 B2 JP 2817814B2 JP 12603191 A JP12603191 A JP 12603191A JP 12603191 A JP12603191 A JP 12603191A JP 2817814 B2 JP2817814 B2 JP 2817814B2
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孝康 岡本
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松下電子工業株式会社
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  • Testing Electric Properties And Detecting Electric Faults (AREA)
  • Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電球の製造工程等におい
て電球の不良を検出する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ガラスバルブ内に酸素等の不純ガ
スが残留した電球では、点灯中フィラメントであるタン
グステンが酸化し、電球の寿命が著しく短縮し、不良と
なることが知られている。このような不良の電球を製造
工程において検出する方法として、従来例えば、タング
ステンの酸化によるフィラメントの断線を検出する導通
試験や、フィラメントであるタングステンの酸化による
フィラメントの特性異常(ワット値異常)を検出するワ
ット値測定等の方法が用いられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな検出方法は検出に要する時間を生産スピード以下に
しなければならないという問題があり、また、フィラメ
ントであるタングステンの酸化が十分に進行していなけ
れば、従来の導通試験やワット値測定ではフィラメント
であるタングステンの酸化に見合った特性異常(ワット
値異常)が検出されないため、検出精度も低いという問
題もあった。
【0004】本発明は、このような問題を解決するため
になされたもので、製造工程等において早期断線に至る
不良の電球を生産スピード以下にすることなく検出で
き、また、その検出の精度を向上させることのできる電
球の不良検出装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この問題を解決するため
に本発明の電球の不良検出装置は、複数の通電部を有す
る電球搬送装置を備え、各々の通電部が抵抗および直流
電源に対し閉ループを成すような回路を設け、それぞれ
の抵抗の両端に、ガラスバルブ内にフィラメントを有す
る電球に流れた電流に対応する電圧を検出する電圧検出
装置を接続し、この電圧検出装置で検出された電圧の変
化の有無を検出することにより前記電球の良否を判別す
る判別装置を有するものである。
【0006】
【作用】本発明の電球の不良検出装置では、各々の通電
部に抵抗および直流電源が閉ループを成すように回路接
続されているので、これらの回路に電流を流すと、抵抗
の両端に電球に流れた電流に対応した電圧が生じる。そ
して、抵抗の両端にその電圧を検出する電圧検出装置を
接続しているので、この抵抗でフィラメントの酸化に見
合った電圧の変化の有無を検出することにより、電球の
良否を判別することができる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を用い
て説明する。
【0008】図1に示すように、本発明実施例の電球の
不良検出装置は、複数の一対の通電接点1a,1bから
なる通電部1を有する電球搬送装置2を備え、各々の通
電部1が抵抗3および直流電源4に対し閉ループを成す
ような回路を設け、それぞれの抵抗3の両端に電球5に
流れた電流に対応する電圧を検出する電圧検出装置、例
えばA/D変換器6を接続し、この電圧検出装置で検出
された電圧の変化の有無を検出することにより電球5の
良否を判別する判別装置、例えばコンピュータ7を有す
る構成となっている。
【0009】電球搬送装置2は電球5を搬送するホルダ
8と通電部1とからなり、ホルダ8が移動して来て所定
位置で停止すると、通電接点1aが上昇し、かつ、通電
接点1bが水平方向に移動して図1に示すように、これ
らが電球5の口金9に接触するようになっている。電球
5はガラスバルブ10内にタングステンからなるフィラ
メント11が設けられており、また、ガラスバルブ10
の端部に口金9が取り付けられている。図1では1個の
電球のみガラスバルブ10を破断して示している。
【0010】次に、上記装置の動作について説明する。
電球搬送装置2のホルダ8が所定位置で停止すると、電
球5の口金9に電球搬送装置2の通電部1が接触する。
その結果、直流電源4、フィラメント11および抵抗3
からなる閉ループが各々構成される。これにより、直流
電源4からフィラメント11に電流が流れ電球5が点灯
する。このとき、フィラメント11の構成材料であるタ
ングステンが酸化していると、フィラメント11に流れ
る電流は酸化に見合った電流の変化を生じる。したがっ
て、フィラメント11と同一閉ループ中の抵抗3の両端
には、酸化に見合った電圧を生じる。抵抗3の両端の電
圧はA/D変換器6で検出し、この検出された電圧の変
化はこれに接続されたコンピュータ7で判別する。コン
ピュータ7は前記判別結果を不良品電球除去装置(図示
せず)に伝送し、電球5が不良品であれば不良品電球の
除去を行う。
【0011】まず、電球5が良品の場合、すなわち、ガ
ラスバルブ10内に酸素等の不純ガスが入っていない場
合、図2に示すように、点灯直後電球5に流れるラッシ
ュ電流による影響が終了した後、フィラメント11の構
成材料であるタングステンが酸化していないため、フィ
ラメント11を流れる電流が変化しない。したがって、
同一回路中の抵抗3の両端の電圧は時間の経過に対しほ
とんど変化しない。
【0012】一方、電球5が不良品の場合、例えば電球
5のガラスバルブ10にクラックが入っている場合、フ
ィラメント11であるタングステンが電球5の点灯時に
酸化する。図3に示すように、点灯直後電球5に流れる
ラッシュ電流による影響が終了した後、前記酸化に見合
ってフィラメント11を流れる電流が変化する。したが
って、同一閉ループ中の抵抗3の両端の電圧は時間の経
過に対して変化する。
【0013】従来の技術と比較するために、ガラスバル
ブ10にクラックが入っていることと等価である排気管
12を故意に折った電球5を200個作製し、従来のフ
ィラメント11に流れた電流値の絶対値測定(ワット値
測定)と本発明の電球の不良検出装置とでそれぞれ10
0個不良検出について試験したところ、表1に示すとお
りの結果が得られた。なお、排気管12を折ったのは、
試験条件をそろえるためである。
【0014】
【表1】
【0015】表1から明かなように本発明は不良品電
球、例えば電球のガラスバルブにクラックが入っている
場合など、従来と比較し、不良品電球の検出率が約3倍
も向上していることがわかる。また、本発明の電球の不
良検出装置を使用することにより、従来に比べて検査に
要する人員を省くことができるという効果も認められ
た。
【0016】このように、本発明の電球の不良検出装置
は、電球の製造・検査工程において使用され、検査精度
の向上とともに検査工程の自動化を図ることができるも
のである。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の電球の不
良検出装置は、従来一部不可能であったフィラメントの
酸化による不良品電球の判別を可能にし、不良品電球の
検出率を従来に比べて大幅に向上することができる。ま
た、本発明の装置は各々の回路に直列に接続した抵抗に
より、電球点灯直後のラッシュ電流を抑制することがで
きるので、前記回路の過渡電流に対する計測機器、例え
ばA/D変換器、回路の電線の焼損等に対する安全性も
高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である電球の不良検出装置を
示す構成図
【図2】本発明の電球の不良検出装置における電圧検出
装置で検出された良品電球の時間の経過に対する電圧の
変化を示す図
【図3】本発明の電球の不良検出装置における電圧検出
装置で検出された不良品電球の時間の経過に対する電圧
の変化を示す図
【符号の説明】
1 通電部 1a,1b 通電接点 2 電球搬送装置 3 抵抗 4 直流電源 5 電球 6 A/D変換器 7 コンピュータ 8 ホルダ 9 口金 10 ガラスバルブ 11 フィラメント

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の通電部を有する電球搬送装置を備
    え、各々の通電部が抵抗および直流電源に対し閉ループ
    を成すような回路を設け、それぞれの抵抗の両端に、ガ
    ラスバルブ内にフィラメントを有する電球に流れた電流
    に対応する電圧を検出する電圧検出装置を接続し、この
    電圧検出装置で検出された電圧の変化の有無を検出する
    ことにより前記電球の良否を判別する判別装置を有する
    ことを特徴とする電球の不良検出装置。
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