JP2817282B2 - エンジンの冷却装置 - Google Patents

エンジンの冷却装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) この発明は、エンジンの冷却装置に係り、特にエンジ
ンオイルによって4サイクルエンジンを油冷するエンジ
ンの冷却装置に関する。
(従来の技術) 4サイクルエンジンには、エンジンオイルを潤滑だけ
に用いず、冷却媒体としても積極的に利用した油冷装置
が提案されている。この油冷装置は、もっとも高温にな
るシリンダへッドエンジンオイルを強制圧送してこのシ
リンダヘッドを冷却するものであり、冷却後のエンジン
オイルは、リターンパイプあるいはシリンダブロック内
のリターン通路を経て、クランクケースあるいはクラッ
チ室内のオイルパンに戻される。
(発明が解決しようとする課題) ところが、上述のように、シリンダヘッドを冷却した
エンジンオイルがクランクケース等内のオイルパンに戻
るものでは、クランクケース内にギヤやクランクシャフ
ト等の多数の回転体が存在するため、エンジンオイルが
これらの回転体に撹拌されて温度が上昇し、エンジンオ
イルが劣化してしまう恐れがある。
又、回転体が、オイルポンプに貯留した多量のエンジ
ンオイルを撹拌するため、回転体のメカニカルロスが生
じる恐れもある。
この発明は、上記事情を考慮してなされたものであ
り、エンジンオイルの温度上昇を防止すると共に、メカ
ニカルロスの低減も実現できるエンジンの冷却装置を提
供することを目的とする。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段) この発明に係るエンジンの冷却装置は、上述した課題
を解決するために、オイルタンク内のエンジンオイルの
一部をフィードポンプが潤滑油としてエンジン各部へ供
給し、このエンジン各部を潤滑してクランクケース等の
オイルパンに自然落下したエンジンオイルをスカベンジ
ポンプがスカベンジパイプを介して上記オイルタンクへ
戻して貯留するドライサンプ方式の潤滑装置を備えると
ともに、上記フィードポンプが上記エンジンオイルの他
部を冷却油としてシリンダヘッドへ送給し、このシリン
ダヘッドを冷却したエンジンオイルが流出パイプにより
上記オイルタンクへ直接または前記スカベンジパイプを
経て間接に導かれるよう構成されたものである。
(作用) シリンダヘッドを冷却したエンジンオイルがクランク
ケースのオイルパンへ自然落下すると、クランクケース
等内のギヤ等の回転体により、落下したエンジンオイル
が撹拌されてエンジンオイルの温度が上昇したり、回転
体のメカニカルロスを引き起こす。これに対し、シリン
ダヘッドを冷却したエンジンオイルがオイルタンク内へ
直接または間接に戻されると、エンジンオイルの撹拌が
著しく減少し、エンジンオイルの温度の上昇や回転体の
メカニカルロスを大きく低減できる。
(実施例) 以下、この発明の実施例を図面に基いて説明する。
第1図はこの発明に係るエンジンの冷却装置の一実施
例が適用された自動二輪車のオイルタンク等を示す斜視
図、第2図は第1図のオイルタンク等およびエンジンを
示す側面図である。
第2図に示す4サイクルエンジン1の潤滑は、オイル
タンクを有するドライサンプ方式であり、このオイルタ
ンク2が車体フレーム3のヘッドパイプ4回りに設けら
れる。
ドライサンプ方式の潤滑は、クランクケース5内のオ
イルパン(図示せず)に溜ったエンジンオイルを、スカ
ベンジポンプ6の作動により、スカベンジパイプ7を経
てオイルタンク2へ送給して貯留し、この貯溜されたエ
ンジンオイルをフィードポンプ8の作動により、フィー
ドパイプ9を経てピストンやカムシャフト等のエンジン
各部へ供給し、これらのエンジン各部を潤滑するもので
ある。この実施例では、フィードポンプ8は、オイルタ
ンク2内のエンジンオイルの一部を上述のように潤滑油
として供給するとともに、エンジンオイルの他部をシリ
ンダヘッド10へ導いて、このシリンダヘッド10を積極的
に油冷するために供給する。
冷却用のエンジンオイルは、シリンダヘッド10をシリ
ンダブロック11に固定するためのスタッドボルド(図示
せず)の挿通穴を経て、第3図に示すオイル通路12へ導
かれる。シリンダヘッド10は、燃焼室13と、この燃焼室
13に通ずる排気ポート14及び吸気ポート15とを備え、こ
の排気ポート14の下方にオイル通路12が位置する。この
オイル通路12は第2図において、シリンダブロック11側
の左側に、すなわちシリンダブロック11の前側に流出ポ
ート16を備え、この流出ポート16に流出パイプ17が嵌合
される。この流出パイプ17の他端はスカベンジパイプ7
に連結される。したがって、オイル通路12内を流れて燃
焼室13及び排気ポート14周りを冷却したエンジンオイル
は、流出ポート16から流出パイプ17を経てスカベンジパ
イプ7内へ流れ、スカベンジポンプ6によってスカベン
ジパイプ7内を圧送されているエンジンオイルと共に、
オイルタンク2内へ導かれる。
エンジンオイルの流れを第1図を用いて説明する。
車体フレーム3のヘッドパイプ4には、その上部にタ
ンクレール18が、下部にダウンチューブ19がそれぞれ結
合される。タンクレール18の後部に一対のボデーチュー
ブ20が垂設され、このボデーチューブ20が、ダウンチュ
ーブ19下部に接合された一対のロアチューブ21に連結さ
れる。これらタンクレール18,ダウンチューブ19,ボデー
チューブ20及びロアチューブ21に囲まれた空間にエンジ
ン1が搭載される。また、ボデーチューブ20には、シー
トレール22およびサイドチューブ23が後方へ向って接合
される。
上記タンクレール18およびダウンチューブ19間はブリ
ッジチューブ24により補強され、さらにこれらのタンク
レール18,ダウンチューブ19及びブリッジチューブ24の
左右両側にタンクメンバ25が接合される。これらタンク
レール18,ダウンチューブ19,、ブリッジチューブ24及び
タンクメンバ25に囲まれてオイルタンク2が構成され
る。スカベンジパイプ7の上端はタンクレール18内に連
通される。したがって、スカベンジパイプ7内のエンジ
ンオイルはまずタンクレール18内へ流れ、次にタンクメ
ンバ25間あるいはブリッジチューブ24からダウンチュー
ブ19内へ至り、ここでストレーナ26内を通過して、フィ
ードパイプ9からクランクケース5内のフィードポンプ
8へ導かれる。このフィードポンプ8によりシリンダヘ
ッド10へ導かれてこのシリンダヘッド10を冷却した冷却
用のエンジンオイルは、流出パイプ17を経てスカベンジ
パイプ7内へ至り、潤滑用のエンジンオイルとともにオ
イルタンク2のタンクレール18内へ導かれる。
なお、第1図中符号27は、シリンダヘッドカバー28へ
エンジンオイルを供給するオーバーフローパイプであ
る。
上述のように、シリンダヘッド10を冷却したエンジン
オイルが、クランクケース5内のオイルパンへ自然落下
せず流出パイプ17およびスカベンジパイプ7を経てオイ
ルタンク2内へ間接に導かれることから、クランクケー
ス5内のオイルパンへ落下するエンジンオイルの量が減
少する。このため、クランクケース5内の多数の回転体
によるエンジンオイルの撹拌が著しく低減し、エンジン
オイルの温度上昇が防止されてエンジンオイルの劣化を
回避できる。
また、クランクケース5内の回転体によるエンジンオ
イルの撹拌が著しく低減するので、回転体のメカニカル
ロスも好適に低減できる。
第4図は、この発明に係るエンジンの冷却装置の他の
実施例が適用されたオイルタンク等とエンジンを示す側
面図である。この他の実施例において、前記従来例と同
様な部分は、同一の符号を付すことにより説明を省略す
る。
この他の実施例では、シリンダヘッド10の流出ポート
16に流出パイプ29が嵌合され、この流出パイプ29はオイ
ルタンク2のタンクレール18に直接連通される。したが
って、この場合にはシリンダヘッド10を冷却したエンジ
ンオイルがスカベンジパイプ7を介することなく直接オ
イルタンク2内へ導かれ、前記一実施例と同様な効果を
奏する。
〔発明の効果〕
以上に述べたように、この発明に係るエンジンの冷却
装置によれば、オイルタンク内のエンジンオイルの一部
をフィードポンプが潤滑油としてエンジン各部へ供給
し、このエンジン各部を潤滑してタンクケース等のオイ
ルパンに自然落下したエンジンオイルをスカベンジポン
プがスカベンジパイプを介して上記オイルタンクへ戻し
て貯留するドライサンプ方式の潤滑装置を備えるととも
に、上記フィードポンプが上記エンジンオイルの他部を
冷却油としてシリンダヘッドへ送給し、このシリンダヘ
ッドを冷却したエンジンオイルが流出パイプにより上記
オイルタンクへ直接または前記スカベンジパイプを経て
間接に導かれるよう構成されたことから、クランクケー
ス等内のオイルパンへ戻されるエンジンオイルの量が減
少して、クランクケース等内の回転体によるエンジンオ
イルの撹拌が著しく低減する。この結果、エンジンオイ
ルの温度上昇を防止してエンジンオイルの劣化を回避で
き、エンジンオイルによるオイル潤滑やオイル冷却を効
率よく有効的に行なうとともに、回転体のメカニカルロ
スも著しく低減できる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明に係るエンジンの冷却装置の一実施例
が適用された自動二輪車のオイルタンク等を示す斜視
図、第2図は第1図のオイルタンク等及びエンジンを示
す側面図、第3図は第2図のIII−III線に沿う断面図、
第4図は他の実施例が適用されたオイルタンク等及びエ
ンジンを示す側面図である。 1……4サイクルエンジン、2……オイルタンク、4…
…ヘッドパイプ、5……クランクケース、6……スカベ
ンジポンプ、7……スカベンジパイプ、8……フィード
ポンプ、9……フィードパイプ、10……シリンダヘッ
ド、12……オイル通路、13……燃焼室、14……排気ポー
ト、17,29……流出パイプ。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オイルタンク内のエンジンオイルの一部を
    フィードポンプが潤滑油としてエンジン各部へ供給し、
    このエンジン各部を潤滑してクランクケース等のオイル
    パンに自然落下したエンジンオイルをスカベンジポンプ
    がスカベンジパイプを介して上記オイルタンクへ戻して
    貯留するドライサンプ方式の潤滑装置を備えるととも
    に、上記フィードポンプが上記エンジンオイルの他部を
    冷却油としてシリンダヘッドへ送給し、このシリンダヘ
    ッドを冷却したエンジンオイルが流出パイプにより上記
    オイルタンクへ直接または前記スカベンジパイプを経て
    間接に導かれるよう構成されたことを特徴とするエンジ
    ンの冷却装置。
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DE69006769T DE69006769T2 (de) 1989-04-18 1990-04-17 Kühlsystem für eine Kraftmaschine.
EP90107287A EP0396939B1 (en) 1989-04-18 1990-04-17 Engine cooling system
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US5653206A (en) * 1996-07-02 1997-08-05 Spurgin; Robert E. Oil cooler for a motorcycle
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