JP2816762B2 - 輪転印刷機の給紙機における巻取紙の停止装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、輪転印刷機の給紙機における巻取紙の停止
装置に係り、特に、巻出し中の巻取紙を急停止させるの
に好適な巻取紙の停止装置に関する。

［従来の技術］ 輪転印刷機の給紙機は、第４図に示すように、巻取紙
の指示部と、巻取紙から巻出した印刷紙を印刷ユニット
へ送るインフィード部から成る。

同図において、１はスタンド。２はスパイダシャフト
で、スタンド１に回転可能に支持されている。３はスパ
イダアームで、スパイダシャフト２に所定の間隔で支持
されている。４はコーン軸で、それぞれ、スパイダアー
ム３の端部に回転及び摺動可能に支持されている。５は
パウダブレーキで、スパイダアーム３に支持され、コー
ン軸４に制動力を与えるように、伝動手段（図示せず）
を介してコーン軸４に接続されている。６は巻取紙で、
コーン軸４に支持されている。７は印刷紙で、巻取紙６
から巻出される。

８はフレーム。９はガイドローラで、フレーム８に回
転可能に支持されている。10はインフィードローラで、
フレーム８に回転可能に支持され、モータ（図示せず）
で回転駆動される。11はニップローラで、フレーム８に
揺動可能に支持されたアーム12に、回転可能に支持され
ている。13はエンコーダで、インフィードローラ10に結
合されている。

そして、巻取紙６から巻出された印刷紙７は、ガイド
ローラ９及びインフィードローラ10に沿って走行し、印
刷ユニットに供給される。このとき、印刷紙７の供給速
度は、インフィードローラ10の回転速度で設定され、印
刷紙７の張力は、パウダブレーキ５のブレーキ力で設定
される。

この、パウダブレーキ５は、給紙機に供給される巻取
紙の直径、印刷紙７の張力の平均的な大きさに基づい
て、その容量が選定されている。

一方、印刷物の多様化により、輪転印刷機で印刷され
る印刷紙も、紙や合成樹脂製のフィルム等、その材質が
多様化し、厚さ等も多様化している。

［発明が解決しようとする課題］ このような状況で、輪転印刷機の運転中に、何等かの
トラブルが発生し、各印刷ユニットが急停止した場合、
給紙機も印刷ユニットに合せて急停止させることが必要
となる。このため、印刷ユニットの急停止信号を、給紙
機のパウダブレーキ５に与え、パウダブレーキ５に高ブ
レーキ力を発生させて、巻取紙６の回転を停止させてい
る。

しかし、巻取紙６の慣性モーメントが、パウダブレー
キ５のブレーキ力より大きいと、印刷ユニットが停止し
て、巻取紙６停止しきれずに、印刷紙７を巻出すため、
印刷紙７がガイドローラ９やインフィードローラ10にま
きつき、断紙する。また、巻取紙６の慣性モーメントが
小さく、印刷ユニットが停止する前に、巻取紙６が停止
した場合、印刷紙７の張力が大きくなって断紙する。

そして、印刷紙７が断紙すると、印刷を再開する場
合、各印刷ユニットに紙通し作業を行わなければなら
ず、作業性が大幅に低下する。

本発明の目的は、前記の事情に鑑み、巻取紙の巻径及
び材質に応じてブレーキ力を発生させ、印刷紙を断紙さ
せることなく、巻取紙の回転を停止させるようにした輪
転印刷機の給紙機における巻取紙の停止装置を提供する
にある。

［課題を解決するための手段］ 前記の目的を達成するため、本発明においては、巻取
紙を支持するコーン軸にエアブレーキを設け、前記コー
ン軸とインフィードローラの回転速度の差から巻取紙の
巻径を算出する巻径演算装置と、巻取紙の材質を選択す
るモード切替装置と、巻取紙の巻径と材質により、前記
エアブレーキに供給すべき圧縮空気の圧力を設定する制
御装置と、この制御装置の指令に基づいて、圧縮空気源
から供給される圧縮空気の圧力を減圧する電空変換器
と、この電空変換器とエアブレーキの間の配管路の開閉
を行う電磁弁とを設けた。

［作用］ そして、巻取紙を停止させるためのエアブレーキに供
給する圧縮空気圧を、巻取紙の巻径と材質から求め、そ
の時々の巻径の変化に合せて電空変換器で調整する。

印刷ユニットで急停止信号が発振されたら、電磁弁を
作動させ、圧力調整された圧縮空気をエアブレーキに供
給して、巻取紙の回転を停止させる。

［実施例］ 以下、本発明の一実施例を、第１図乃至第３図に基づ
いて説明する。

同図において、第４図と同じものは、同じ符号を付け
て示してある。14はタイミングプーリで、パウダブレー
キ５に固定されている。15はタイミングプーリで、コー
ン軸４に固定されている。16はタイミングベルトで、タ
イミングプーリ14,15に掛け渡されている。17はエアブ
レーキで、スパイダアーム３とコーン軸４に取付けられ
ている。18はエンコーダで、コーン軸４の一端に結合さ
れている。

19は巻径演算装置で、エンコーダ13及びエンコーダ18
に接続されている。

20はモード切替装置で、巻取紙６に対応する複数の材
質が設定され、切替スイッチで材質が選択できるように
なっている。

21は制御装置で、巻径演算装置19とモード切替装置に
接続されている。

22は電空変換器で、制御装置21と圧縮空気原に接続さ
れている。

24は電磁弁で、電空変換器22とエアブレーキ17の配管
路中に設置され、配管路の開閉を行う。

このような構成で、給紙機に巻取紙６を供給し、その
巻取紙６から巻出した印刷紙７をインフィードローラ10
を経て、印刷ユニットに送る。そして、モード切替装置
20により、給紙機に供給された巻取紙６の材質を選択す
る。

そして、印刷ユニット及び給紙機の運転を始める。す
ると、エンコーダ13とエンコーダ18の出力が、巻径演算
装置19に印加される。

巻径演算装置19は、エンコーダ13,18の出力に基づい
て、巻取紙６の巻径を算出し、その結果を制御装置21へ
印加する、。

制御装置21は、モード切替装置20で指定された巻取紙
６の材質（A,B,C）と、巻径演算装置の出力に基づい
て、巻取紙６の慣性モーメントを求め、この慣性モーメ
ントに基づいて、エアブレーキ17に供給すべき圧縮空気
の圧力を決め、その圧力に相当する電圧を電空変換器22
に印加する。前記慣性モーメントは、第３図に示すよう
に、巻取紙６の巻径に比例するが、巻取紙６の材質（A,
B,C）によって、その大きさが異なる。

電空変換器22は、制御装置21から印加される電圧に基
づいて、圧縮空気源23から供給された圧縮空気の圧力を
減圧し、電磁弁24に送る。

輪転印刷機が正常に運転されているときには、巻取紙
６の巻径の減少に合せて、電空変換器22の圧力調整が行
われるだけである。

輪転印刷機の印刷ユニットに、何等かのトラブルが発
生し、急停止信号が発信されると、輪転印刷機は、その
急停止手段によって停止される。

一方、給紙機側は、急停止信号によって、電磁弁24が
作動し、圧縮空気がエアブレーキ17に供給される。この
ときの圧縮空気の圧力は、巻取紙６の巻径，材質に合せ
て設定された圧力になっているので、巻取紙６の回転を
輪転印刷機の停止タイミングに合せて停止させることが
できる。

従って、印刷紙７の断紙をなくし、印刷再開時の無駄
な作業時間をなくすことができる。

［発明の効果］ 以上の述べた如く、本発明によれば、巻取紙を支持す
るコーン軸にエアブレーキを設け、このエアブレーキに
供給する圧縮空気の圧力を、巻取紙の巻径，材質に基づ
いて設定するようにしたので、給紙機の急停止における
印刷紙の断紙をなくすことができる。また、印刷再開時
の紙通し作業などをなくし、作業性を向上させることが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明による巻取紙の停止装置の構成を示す
ブロック線図、第２図は、エアブレーキの取付位置を示
す平面断面図、第３図は巻取紙の巻径，材質と慣性モー
メントの関係を示す特性図で、第４図は給紙機の正面図
である。 ４……コーン軸、６……巻取紙、 10……インフィードローラ、 17……エアブレーキ、19……巻径演算装置、 20……モード切替装置、21……制御装置、 22……電空変換器、23……圧縮空気源、 24……電磁弁

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】巻取紙を支持するコーン軸にエアブレーキ
   を設け、前記コーン軸とインフィード装置のインフィー
   ドローラの回転速度の差から巻取紙の巻径を算出する巻
   径演算装置と、巻取紙の材質を選択するモード切替装置
   と、巻取紙の巻径と材質により、前記エアブレーキに供
   給すべき圧縮空気の圧力を設定する制御装置と、この制
   御装置の指令に基づいて、圧縮空気源から供給される圧
   縮空気の圧力を減圧する電空変換器と、この電空変換器
   とエアブレーキの間の配管路の開閉を行う電磁弁とを設
   けたことを特徴とする輪転印刷機の給紙機における巻取
   紙の停止装置。