JP2814720B2 - ソリッドゴルフボール - Google Patents

ソリッドゴルフボール

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JP2814720B2
JP2814720B2 JP2230970A JP23097090A JP2814720B2 JP 2814720 B2 JP2814720 B2 JP 2814720B2 JP 2230970 A JP2230970 A JP 2230970A JP 23097090 A JP23097090 A JP 23097090A JP 2814720 B2 JP2814720 B2 JP 2814720B2
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嘉則 江頭
一之 高橋
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、コアとカバーとからなるツーピースゴルフ
ボール等のソリッドゴルフボールに関し、更に詳述する
と耐久性と飛距離とフィーリングとを兼備したソリッド
ゴルフボールに関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
ゴルフボールには糸巻きゴルフボールとツーピースゴ
ルフボールに代表されるソリッドゴルフボールとがある
が、このうち従来からある糸巻きゴルフボールは、飛び
性能に優れ、フィーリングも優れるゴルフボールとして
一般的である。しかし、糸巻きゴルフボールは耐久性に
問題があり、カバーにアイオノマー樹脂を使用したもの
でも充分とはいい難い。
一方、ソリッドゴルフボールは、一般的に耐久性に優
れていることから、従来からある糸巻きボールの市場を
代替することで広く使用されているが、従来のソリッド
ゴルフボールは特に耐久性を維持しつつ飛び性能とフィ
ーリングとの両立を計るという点で問題がある。
この場合、飛び性能を向上させるには、一般にボール
の硬度を高くすればよいが、ボールの硬度が高くなると
フィーリングが低下し、逆にフィーリングを良くするた
めにボールの硬度を低くすると、飛距離の低下を招くと
いう問題があり、ソリッドゴルフボールはとりわけ飛距
離とフィーリングとを両立させ難いものであるが、ゴル
ファーにとってフィーリングが良くかつ飛距離の大きい
ボールが望ましいものであるため、従来よりこの要求を
できるだけ満足させるソリッドゴルフボールの開発が試
みられている。
従来、ソリッドゴルフボールの飛びとフィーリングを
改良しようとする試みとしては、主としてカバーの材料
特性の工夫によってなされており、例えば弾性率が通常
のアイオノマー樹脂カバーよりも柔軟な組成を工夫した
り、カバーの厚みを減ずるなどの工夫が知られている。
しかしながら、カバー厚みを著しく減ずると打撃時の
衝撃によってボールが破壊したり、カバーの弾性率を低
くする材料を用いる場合には、アイアンなどのクラブ表
面の模様によってカバーがササクレ状に切傷するなど、
耐久性の問題が生じる。
また、特公昭61−21426号公報に見られるように、コ
ア材料の特性を工夫することによって、耐久性を損なわ
ないで飛び性能、即ちボール打撃時の初速を改良する提
案もなされている。この提案は、コアの硬度分布を特定
範囲にするものであるが、フィーリングの点がなお充分
なものではなく、非距離とフィーリングとを兼ね備える
ものではない。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、ソリッド
ゴルフボールの耐久性を損なわないで飛び性能とフィー
リングとを両立させたソリッドゴルフボールを提供する
ことを目的とする。
〔課題を解決するための手段及び作用〕
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ね
た結果、まず、ソリッドゴルフボールに耐久性を付与す
るためには、カバー剛性とコアの表面の硬度を近づけ
て、応力が効率的に伝達され、カバーとコアが一体して
変形するように、コア表面の硬度をJIS−C型硬度計で
測定した場合に少なくとも78゜以上とすることが必要で
あり、これよりも低い硬度となる時には、高硬度である
カバーとコアの表面との間で微視的な剥離を生じ、カバ
ーの破壊、コアの破壊が生じてボールの耐久性が著しく
低下することになることを見い出した。更に、本発明者
は、ゴルフクラブによってゴルフボールが打撃される場
合のコアの変形に着目し、変形挙動を測定解析したとこ
ろ、変形に伴なう応力集中は、コアの表面から4mmぐら
いまでの部分で主として発生していることを解明し、良
好なボールのフィーリングと飛び性能を達成するために
は、ボールが変形する部分に反発性が良く、硬度が低
く、変形し易い特性を付与する必要があること、即ち、
コア表面から2mm内側の部分の硬度を少なくとも表面の
硬度よりも2゜以上柔らかく、好ましくは5゜以上柔ら
かくすると共に、コア表面から4mm内側の部分の硬度を
コア表面から2mm内側の部分の硬度よりも少なくとも2
゜以上硬く、好ましくは5゜以上硬くすることが必要で
あり、コア表面から2mm内側の部分の硬度がコア表面か
ら4mm内側の部分の硬度及びコア表面の硬度よりも2゜
以上柔らかくない時には、フィーリングが従来のソリッ
ドゴルフボールと同様なものとなってしまいこと、また
4mm内側の部分の硬度が2mm内側の部分の硬度よりも2゜
以上硬くない場合には、表面から2mm内側の柔らかい部
分が硬い部分、即ち表面と表面から4mm内側の部分には
さまれておらず、このため反発性に富む柔軟な2mm内側
の部分が拘束されていないので、コアの変形が有効に高
い初速を生み出すことにはならず、飛距離が改良される
ことにならない(即ち、ボールが打撃された場合、4mm
内側の硬度が高くないと、ボールが過度に変形されて、
打撃による変形に基づくエネルギーが発熱、塑性変形と
なってボールとしての反発性が低下し、初速の改良が得
られない)ことを知見した。
従って、フィーリングと飛距離とを兼備したソリッド
ゴルフボールを得るためには、表面と4mm内側の硬度が
高く、表面から2mmの部分が柔らかくなっている硬度分
布を有するコアによって初めて達成できることを見い出
し、本発明をなすに至ったものである。
即ち、本発明は、コアの工夫により、耐久性の改良の
みならず、フィーリングの改良、即ちボール打撃時のク
ラブへの衝撃反力を少なくすることにより、糸巻きボー
ルと比較し得るフィーリングの良さを改良すると共に、
飛び性能の改良を同時に達成しようとするものであり、
耐久性、フィーリング及び飛び性能の三者を兼備させる
という目的を達成するため、ゴムを基材としたコアと硬
質の樹脂製カバーとから構成されるソリッドゴルフボー
ルにおいて、JIS−C型硬度計を用いてコアの硬度を測
定した場合、コア表面及びコア表面から4mm内側位置の
硬度が78〜85゜であり、これら両位置に挟まれたコア表
面より2mm内側位置の硬度を上記コア表面位置及びコア
表面から4mm内側位置の硬度より2゜以上柔らかく形成
すると共に、上記樹脂製カバーの硬度を上記コア表面位
置の硬度より15゜を超えない範囲内において高く設定し
たことを特徴とするソリッドゴルフボールを提供するも
のである。
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明のソリッドゴルフボールは、上述したようにそ
のコアの硬度をJIS−C型硬度計で測定した場合におい
て、コア表面硬度が78゜より低いと、ボールの耐久性が
低下するため、コア表面の硬度を78゜以上とするもので
ある。この場合、コア表面を被覆するカバーの硬度は90
゜以上とすることが好ましく、またコア表面硬度とカバ
ー硬度との差は15゜以内とし、コア表面硬度の上限はフ
ィーリングの点から85゜とする。
次に、本発明において、コア表面から2mm内側の硬度
は、上記コア表面硬度より2゜以上、好ましくは5゜以
上柔らかくすると共に、コア表面から4mm内側の硬度よ
り2゜以上、好ましくは5゜以上柔らかくするものであ
り、これによりフィーリングと飛び性能とを兼備したゴ
ルフボールが得られるものである。この場合、コア表面
から2mm内側の硬度は通常76〜82゜とすることが好まし
く、表面硬度及び4mm内側の硬度よりもそれぞれ2゜以
下となるように形成する。
また、表面から4mm内側の硬度は78゜以上であり、そ
の上限はフィーリングの点から85゜とする。更に、この
表面から4mm内側の硬度は、表面硬度と比較した場合、
表面硬度と同じ又はこれにより柔らかいことが好まし
く、通常表面硬度より0〜2゜低く形成される。なお、
表面から4mm以上内側の硬度は4mm内側の硬度と同じ又は
これより漸次柔らかくなるように形成することがフィー
リングの点から好ましく、とりわけ表面から6mm内側の
硬度は、4mm内側の硬度と比較した場合、通常0〜3゜
低く、コア中心部の硬度は一般に60〜70゜に形成するこ
とが好ましい。
本発明のコアを形成する材料は、従来からコア材料と
して用いられているものを使用することができるが、基
材ゴム、共架橋剤(硬化剤)として不飽和カルボン酸の
金属塩、共架橋開始剤として過酸化物を含むものが好適
に用いられる。
ここで、上記基材ゴムとしては、通常のソリッドゴル
フボールのコア材料として使用されるものを用いること
ができ、特に制限されないが、シス構造を少なくとも40
%以上有する1,4−ポリブタジエンゴムが好ましく使用
される。この場合、このような1,4−ポリブタジエンゴ
ムに天然ゴム,ポリイソプレンゴム,スチレンブタジエ
ンゴムなどを所望により適宜配合することができる。な
お、1,4−ポリブタジエンゴムは基材ゴム成分中に80重
量%以上含有するようにすることが好ましく、これが80
重量%未満であるとポリブタジエンゴムが持つ優れた反
発弾性が損なわれる場合がある。
また、上記不飽和カルボン酸の金属塩の具体例として
は、アクリル酸,メタクリル酸,マレイン酸,フマル酸
等の炭素原子数3〜8の不飽和脂肪酸の亜鉛塩やマグネ
シウム塩などが例示されるが、特にアクリル酸又はメタ
クリル酸の亜鉛塩が好適に使用される。これら不飽和カ
ルボン酸の金属塩は、予め金属塩の形に調製したものを
配合してもよいが、ゴム組成物中でα,β−不飽和カル
ボン酸と金属酸化物又は金属水酸化物等とを反応させて
金属塩とすることもできる。なお、この不飽和カルボン
酸の金属塩の配合量は適宜選定され、通常上記基材ゴム
100重量部に対し15〜30重量部であるが、特に後述する
理由から25〜29重量部とすることが好ましい。
更に、過酸化物としては、例えばジクミルパーオキサ
イドや1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリ
メチルシクロヘキサン等の有機過酸化物が好適に使用さ
れるが、中でもジクミルパーオキサイドが特に好ましく
用いられる。この過酸化物の配合量は、基材ゴム100重
量部に対して0.5〜3重量部、特に1〜2.5重量部とする
ことが好ましい。更に、このゴム組成物中には、酸化亜
鉛、老化防止剤、重量調整剤としての硫酸バリウム、有
機硫黄化合物や金属含有有機硫黄化合物、その他多層構
造ソリッドゴルフボールの芯球の製造に通常使用し得る
成分を必要により適宜配合することができる。
上述したゴム用組成物を用いて本発明のコア硬度分布
を達成する方法としては、加硫温度を150℃以上にして
加硫する方法が有効である。
即ち、加硫モールドの温度を少なくとも150℃以上、
好ましくは160℃以上として加硫すると、コアの表面部
分は外部からの伝熱にて加温されるために、表面部分が
過剰に加硫されて硬度が高くなる一方、加硫剤である過
酸化物が爆発的に反応する中心部分はポリマーの分解反
応が過大となり、軟化し、またそれよりも外側の部分、
特に4mm内側の部分は硬化剤の反応が適正に行なわれて
硬度が高くなるものである。この場合、かかる反応を効
果的に進めるためには硬化剤としてアクリル酸亜鉛を用
いることが好ましく、更にアクリル酸亜鉛の配合量を基
材ゴム100重量部に対し29〜25重量部とすることが好ま
しい。この範囲よりもアクリル酸亜鉛が多く配合される
場合には、アクリル酸亜鉛の硬化が過大となり、表面よ
り2mm内側の部分の硬度が上昇して表面とほぼ同じ硬度
を示す場合が生じ、一方、アクリル酸亜鉛が少なく配合
される場合には、コア全体にわたって硬度が現象し、4m
m内側の部分の硬度も低下し、2mm内側の部分の硬度と同
一になる場合が生じる。即ち、本発明の上述したコアの
硬度分布は適正な量の硬化剤を金型からの伝熱及び過酸
化物の爆発的反応に伴なう自己発熱によって反応させる
ことによって効果的に達成し得るものである。なお、こ
の場合加硫時間は適宜設定できるが、10〜30分、特に12
〜20分とすることが好ましい。
本発明のコアを被覆するカバーの硬度は上述した通り
であるが、カバーの厚さは1.8〜2.6mmとすることが好ま
しく、またその材質は公知のカバー材料を使用し得る
が、特にアイオノマー樹脂を主材としたものが好まし
い。
〔発明の効果〕
本発明のソリッドゴルフボールは、耐久性、飛距離、
フィーリングを兼備したもので、幅広いゴルファー、特
にクラブヘッドスピードの低い非力なプレーヤーにおい
ても満足できる飛距離とフィーリングを与えることがで
きる。
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明
するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではな
い。
〔実施例,比較例〕
第1表に示す組成のコア組成物を同表に示す加硫条件
においてモールド内で加硫し、同表に示す硬度分布を有
する直径38.6mmのコアを作成し、これをアイオノマー樹
脂カバー(硬度92゜)で被覆して、直径42.7mmのツーピ
ースゴルフボールを得た。
次に、このゴルフボールのフィーリング、飛び性能、
耐久性を下記方法で評価した。結果を第1表に示す。
フィーリング ゴルフプレーヤー5名がドライバーにて打撃した時の
感触を(株)ブリヂストン製ツーピースボールALTUS
と比較し、下記基準により官能的に評価した。
3…良好 2…同等 1…劣る 飛び性能 ツルーテンパー社製スイングロボットを用い、ドライ
バーにてヘッドスピード40m/秒で打った時のキャリーと
トータル飛距離を測定した(ボール12個の平均)。
耐久性 クラブヘッドスピード49m/秒に相当する打撃子にて繰
り返し打撃した時にボールが破壊するまでの打撃印加回
数を測定した(ボール12個の平均)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A63B 37/00 A63B 37/04 A63B 37/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ゴムを基材としたコアと硬質の樹脂製カバ
    ーとから構成されるソリッドゴルフボールにおいて、JI
    S−C型硬度計を用いてコアの硬度を測定した場合、コ
    ア表面位置及びコア表面から4mm内側位置の硬度が78〜8
    5゜であり、これら両位置に挟まれたコア表面より2mm内
    側位置の硬度を上記コア表面位置及びコア表面から4mm
    内側位置の硬度より2゜以上柔らかく形成すると共に、
    上記樹脂製カバーの硬度を上記コア表面位置の硬度より
    15゜を超えない範囲内において高く設定したことを特徴
    とするソリッドゴルフボール。
  2. 【請求項2】上記カバー硬度がJIS−C型硬度計の測定
    で90゜以上である請求項1記載のソリッドゴルフボー
    ル。
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